JP2014148286A - 油圧式パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】作動油の劣化を検出して運転者に通知するとともに、作動油が劣化していても、安定した操舵感を得ることが可能な油圧式パワーステアリングを提供する。
【解決手段】車両の運転状況に応じてパワーシリンダに流す圧油の流量値を決定するとともに、その流量値に基づいて、油圧ポンプの圧油排出口に設けられた流量制御弁を制御することにより、送給路からパワーシリンダに送給される圧油の流量を変更する油圧式パワーステアリング装置において、送給路をバイパスする細菅と、細菅の途中で圧油を加熱する加熱手段と、加熱手段の位置より上流側と下流側で圧油の温度を測定する温度測定手段340,341と、温度測定手段340,341の測定結果に基づいて圧油の流量を算出する流量算出手段110とからなる流量測定手段111を設け、流量測定手段111にて測定した圧油の流量と温度から圧油の劣化を検出する劣化検出手段115を設けた。
【選択図】図4
【解決手段】車両の運転状況に応じてパワーシリンダに流す圧油の流量値を決定するとともに、その流量値に基づいて、油圧ポンプの圧油排出口に設けられた流量制御弁を制御することにより、送給路からパワーシリンダに送給される圧油の流量を変更する油圧式パワーステアリング装置において、送給路をバイパスする細菅と、細菅の途中で圧油を加熱する加熱手段と、加熱手段の位置より上流側と下流側で圧油の温度を測定する温度測定手段340,341と、温度測定手段340,341の測定結果に基づいて圧油の流量を算出する流量算出手段110とからなる流量測定手段111を設け、流量測定手段111にて測定した圧油の流量と温度から圧油の劣化を検出する劣化検出手段115を設けた。
【選択図】図4
Description
本発明は、油圧式パワーステアリング装置に関する。
従来、車両のステアリング操作に応じて、ラックシャフトにアシスト力を補助するパワーシリンダと、このパワーシリンダに圧油を供給する油圧ポンプとを備え、油圧ポンプの圧油排出口に設けられた流量制御弁により、パワーシリンダに流す圧油の流量を制御するコントローラを備えた油圧式パワーステアリング装置がある。この油圧式パワーステアリング装置は、運転状況に応じたアシスト力を出力するために、コントローラがこれらの運転状況に応じて異なる流量の圧油をパワーシリンダに送給するよう制御している。このため、コントローラは運転状況に応じてパワーシリンダに流す圧油の流量値を決定するとともに、その流量値に基づいて流量制御弁の開度に係る指令値を求めて流量制御弁を駆動し、流量制御弁の開度を変更することにより、パワーシリンダに送給する圧油の流量を制御する構成となっている。
ところで、この油圧式パワーステアリング装置に使用される作動油(圧油)は、温度が低ければそれだけ粘度が高くなって流れにくくなり、逆に温度が高くなると粘度が低くなって流れやすくなることが知られている。従来の圧油の流量制御では、このような温度変化には対応しておらず、流量制御弁の開度が同じでも、温度が低いと単位時間当たりの圧油の流量が少なくなり、温度が高いと圧油の流量が相対的に多くなることから、圧油の温度によってアシスト力がばらつくといった問題があった。例えば、特許文献1では、圧油の温度を検出する油温センサを設け、温度が低いときには、流量制御弁の開度を相対的に大きくするように制御し、温度が高いときには、流量制御弁の開度を相対的に小さくするように制御するコントローラを備えた油圧式パワーステアリング装置が開示されている。
しかしながら、この作動油は使用により劣化し、作動油の粘度は温度だけでなく、劣化によっても変化し、劣化した作動油は粘度が低くなるため、劣化したまま使用を続けると圧油の流量を十分に制御することができず操舵フィーリングが悪くなる場合がある。また、劣化した作動油は、油圧ポンプや機器における循環性の喪失、シールの腐食、摺動部の異常摩擦等の問題の要因となる場合がある。このように、作動油は動力伝達媒体として使用されるだけでなく、潤滑、防錆、冷却等の作用もあり、油圧式パワーステアリング装置の機能を十分に発揮させるためには、適切なタイミングで交換する等の管理も重要である。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、本発明が解決しようとする課題は、作動油の劣化を検出して運転者に通知するとともに、作動油が劣化していても、安定した操舵感を得ることが可能な油圧式パワーステアリングを提供することにある。
請求項1に係わる発明は、車両のステアリング操作に応じて、ラックシャフトにアシスト力を補助するパワーシリンダと、前記パワーシリンダに所定流量の圧油を供給する油圧ポンプと、前記油圧ポンプの圧油排出口に設けられた流量制御弁により、圧油の送給路から前記パワーシリンダに流す圧油の流量を制御するコントローラとを備え、前記車両の運転状況に関する情報を受けた前記コントローラが、前記運転状況に応じて前記パワーシリンダに流す圧油の流量値を決定するとともに、その流量値に基づいて前記流量制御弁の開度に係る指令値を求めて前記流量制御弁を駆動し、前記流量制御弁の開度を変更することにより、前記送給路から前記パワーシリンダに送給される圧油の流量を変更する油圧式パワーステアリング装置において、前記送給路をバイパスする細菅と、前記細菅の途中で圧油を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の位置より上流側と下流側で圧油の温度を測定する温度測定手段と、前記温度測定手段の測定結果に基づいて圧油の流量を算出する流量算出手段とからなる流量測定手段を設け、前記流量測定手段にて測定した圧油の流量と温度から圧油の劣化を検出する劣化検出手段を設けたことを特徴とする。
上記のように構成した請求項1の発明によれば、パワーシリンダに送給される圧油の送給路に、送給路をバイパスする細菅が設けられ、細菅の途中で圧油を加熱する加熱手段と、加熱手段の位置より上流側と下流側で圧油の温度を測定する温度測定手段が設けられている。この送給路をバイパスして細菅を流れる圧油は、加熱手段により加熱されて温度が上昇する。流量測定手段は、流体である圧油の単位時間あたりの移動熱量が、定圧比熱に上昇温度と流量を乗じたものであることから、流量算出手段により、温度測定手段の測定結果に基づいて圧油の流量を算出することができる。そして、劣化検出手段により、算出された圧油の流量と測定された圧油の温度から圧油の劣化を検出することができる。
請求項2に係わる発明は、請求項1に記載の油圧式パワーステアリング装置であって、前記劣化検出手段により圧油の劣化が検出された場合に、前記車両の運転者に通知する通知手段を備え、前記コントローラは、前記流量測定手段にて測定した圧油の実際の流量をフィードバックして前記パワーシリンダに流す圧油の流量を制御することを特徴とする。
上記のように構成した請求項2の発明によれば、劣化検出手段により、検出された作動油の劣化を車両の運転者に通知することができるので、作動油を適切に管理することができる。また、運転状況に応じて決定されたパワーシリンダへの圧油の流量に、流量測定手段にて測定した圧油の流量をフィードバックして、流量の偏差を収束させるように流量制御弁を制御するので、作動油が劣化していても、安定した操舵感を得ることができる。
本発明によれば、作動油の劣化を検出して運転者に通知するとともに、作動油が劣化していても、安定した操舵感を得ることが可能な油圧式パワーステアリングを提供することができる。
以下、本発明の実施形態の油圧式パワーステアリング装置を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の油圧式パワーステアリング装置1は、ラックギアを形成したラックシャフト(図示せず)と、ピニオンギア(図示せず)を有するピニオンシャフト4と、がギア係合するラックアンドピニオン式のギア機構を収容したステアリングギアボックス5を有している。
図1に示すように、本実施形態の油圧式パワーステアリング装置1は、ラックギアを形成したラックシャフト(図示せず)と、ピニオンギア(図示せず)を有するピニオンシャフト4と、がギア係合するラックアンドピニオン式のギア機構を収容したステアリングギアボックス5を有している。
油圧式パワーステアリング装置1は、車両のステアリング操作に応じて、ラックシャフトにアシスト力を補助するパワーシリンダ2と、パワーシリンダ2に所定流量の圧油を供給する油圧ポンプ10と、パワーシリンダ2への圧油の流路を切り替えるステアリングバルブ40とを備えている。油圧ポンプ10の圧油排出口には、流量制御弁12が設けられ、流量制御弁12にはパワーシリンダに向けて圧油を送給可能な送給路が設けられている。
この油圧式パワーステアリング装置1は、流量制御弁12を制御するためのコントローラ50と、操向ハンドル3に入力されたハンドル操舵角を検知するための操舵角センサ310と、車両の速度を検知するための車速センサ510とを有している。そして、操舵角センサ310および車速センサ510等より、車両内ネットワーク500を介して車両の運転状況に関する情報を受けたコントローラ50が、運転状況に応じてパワーシリンダ2に流す圧油の流量値を決定している。車両内ネットワーク500とは、車載電子装置間の接続をおこなうネットワークであり、CAN(Controller Area Network)などを例示することができる。
コントローラ50は、その流量値に基づいて流量制御弁12の開度に係る指令値を求めて流量制御弁12を駆動し、流量制御弁12の開度を変更する。これにより、油圧ポンプ10が排出した圧油のうち送給路からパワーシリンダ2に送給される圧油の流量が制御されるようになっている。
図2に示すように、流量制御弁12は、油圧ポンプ10とハウジング13を共有し、そのハウジング13に形成された油圧ポンプ10の圧油排出口が、流量制御弁12の各内部空間に連通している。流量制御弁12は、軸状に形成され、軸方向に延びた内部空間が複数の部屋に区画された構成となっている。それらの部屋のうち、圧油排出口が開放した部屋が流量制御弁12の入力ポート15になっている。
流量制御弁12の軸方向で入力ポート15を挟んだ両側には、送給ポート16と環流ポート17が設けられている。送給ポート16には、入力ポート15側からインナーノズル18が突出する一方、入力ポート15と反対側から可動栓19が突出しており、それらインナーノズル18および可動栓19の先端同士が互いに突き合わされている。
インナーノズル18の基端部には、複数の横孔15Aが形成され、それら横孔15Aを介して入力ポート15がインナーノズル18の内側空間に連通している。インナーノズル18の先端には、絞孔18Aが形成されている。絞孔18Aは軸方向の両方向からテーパ状に縮径された形状をなしており、インナーノズル18の内部空間を送給ポート16に開放している。
可動栓19は、軸方向でスライド可能になっており、コイルバネ21にてインナーノズル18側に付勢されている。これにより、可動栓19の先端円柱部19Aが、常にはインナーノズル18のうち絞孔18Aの外側テーパー面に当接して絞孔18Aが閉塞されている。
また、可動栓19は、流量制御弁12の一端に組み付けられた電磁コイル23を励磁することでインナーノズル18から離れる側にスライドし、そのスライド量に応じて絞孔18Aが開放する。このとき、可動栓19の先端円柱部19Aとインナーノズル18の絞孔18Aとの間にできた隙間により、可変オリフィス20が構成される。そして、電磁コイル23に流す電流の大きさに応じて、可変オリフィス20の開度が変更される。
インナーノズル18の先端部には、絞孔18Aより小さな連通孔18Bが側方に向けて開放している。これにより、絞孔18Aが閉塞されていても、連通孔18Bを通過可能な僅かな流量の圧油が、入力ポート15から送給ポート16に流れる。
なお、可動栓19には、可動栓19を挟んで流量制御弁12内の両側の部屋(送給ポート16およびコイルバネ21の収容部屋22)の内圧を均等にするための連通路19Bが形成されている。
入力ポート15を挟んで送給ポート16と反対側に配された環流ポート17は、差動弁25によって入力ポート15との間を遮断した状態になっている。詳細には、環流ポート17は、差動弁25を収容したハウジング13の内周面の軸方向の一部に形成された環状溝によって構成されている。
一方、差動弁25は、インナーノズル18の基端面に接離するようにスライド可能となっており、入力ポート15と反対側に設けたコイルバネ28によって入力ポート15側に付勢されて、インナーノズル18の基端面に突き当てられている。また、差動弁25は、軸方向の中間部分に小径部を備え、その小径部の前後に備えた第1および第2の大径部26,27が、ハウジング13の内周面に摺動する。
そして、差動弁25の一端側の第1大径部26は、差動弁25がインナーノズル18の基端部に突き当てられた状態で、環流ポート17と入力ポート15との間に位置して環流ポート17と入力ポート15との間を遮断する。
また、差動弁25が入力ポート15から離れる側に移動することで第1大径部26が環流ポート17側に移動すると、環流ポート17と入力ポート15とが連通して、入力ポート15から環流ポート17に圧油が流れる。さらに、差動弁25を挟んで入力ポート15と反対側に備えたバネ収容室29と環流ポート17との間は、第2大径部27によって常に遮断されている。
バネ収容室29と送給ポート16とは、ハウジング13のうちインナーノズル18及び差動弁25等を収容した空間と平行に延びた圧力伝達路30にて連絡されている。これにより、差動弁25のうちバネ収容室29側の端面には、送給ポート16と同じ内圧がかかっている。また、差動弁25のうち入力ポート15側の端面には、入力ポート15の内圧がかかっている。
ここで、差動弁25の両端面の径は等しいので、差動弁25の両端面にかかる内圧が同じ場合には、コイルバネ28の弾発力により差動弁25が、入力ポート15と環流ポート17と閉塞した位置に保持される。
これに対し、差動弁25のうち入力ポート15側の端面にかかる内圧が、送給ポート16側の端面にかかる内圧より大きくかつ、その両内圧の差がコイルバネ28の押圧力に勝ったときに、差動弁25がコイルバネ28を圧縮する方向に移動し、入力ポート15と環流ポート17とが連絡される。そして、差動弁25の移動量に応じた流量の圧油が入力ポート15から環流ポート17に流れる。従って、差動弁25は、入力ポート15と送給ポート16との間の差圧を一定の大きさに保持する役割を果たす。
ここで、可変オリフィス20に流れる流量は、入力ポート15と送給ポート16との間の差圧と、可変オリフィス20の開度とにより定まる。そして、入力ポート15と送給ポート16との間は一定の差圧に保持されているから、可変オリフィス20の開度を変更することで可変オリフィス20に流れる圧油の流量が変更される。
このように、電磁コイル23に流す電流値によって可変オリフィス20の開度が変更され、その可変オリフィス20の開度に応じた流量の圧油が入力ポート15から可変オリフィス20を通って送給ポート16に流れる。このとき、油圧ポンプ10から流量制御弁12に供給された送給ポート16に流れなかった過剰な流量の圧油は、入力ポート15から環流ポート17に流れる。
環流ポート17は、環流ノズル32の内側空間に連絡しており、その環流ノズル32に連結した図示しないパイプが、油圧ポンプ10の吸引口側のオイルタンク45に連絡されている。
一方、送給ポート16は、送給ノズル31の内側空間に連絡しており、その送給ノズル31に連結した図示しないパイプにステアリングバルブ40に連結され、さらにそのステアリングバルブ40の出力側にパワーシリンダ2に接続されている。なお、これら送給ポート16及び送給ノズル31の内側空間が、発明に係る送給路に相当する。
パワーシリンダ2は、ステアリング操作へのアシスト力を出力するための公知な構造をなしている。すなわち、パワーシリンダ2の内側には、直動シャフト(図示せず)が挿通され、直動シャフトの途中に固定されたピストン(図示せず)によりパワーシリンダ2内が軸方向で2つの部屋に区分されている。そして、それら2つの部屋の間の差圧によって直動シャフトが駆動されて、自動車の操舵輪(例えば、前輪)に連結されたリンク機構にアシスト力を与える。
また、パワーシリンダ2の2つの部屋は、ステアリングバルブ40に連通している。ステアリングバルブ40も、公知な構造をなしており、ステアリングホイールの操作に連動して作動し、ステアリングホイールを切り始めたときに、パワーシリンダ2の2つの部屋の間に差圧を生じさせるように動作する。これによって、ステアリング操作を補助するようにパワーシリンダ2が直動力(アシスト力)を出力する。
本実施形態では、流量制御弁12からパワーシリンダ2に繋がる圧油の送給路をバイパスする細菅状のバイパス管34が設けられている。図3に示すように、このバイパス管34には、バイパス管34を流れる圧油を加熱する加熱手段であるヒータ35と、ヒータ35の上流側と下流側にそれぞれ温度測定手段であるの温度センサ340および温度センサ341が取り付けられている。この2個の温度センサ340,341は、ブリッジ回路36の一部を構成している。
また、コントローラ50は、車両の運転状況に関する情報である、車両の車速、ステアリングの操舵角および操舵角速度の情報も取り込んでおり、これら情報に基づいて電磁コイル23に流す電流の指令値I5が決定され、その指令値I5に基づいて流量制御弁12が駆動されている。
次に、コントローラ50におけるデータ処理の構成について説明する。
図4に示すように、コントローラ50には、各操舵角に対して電磁コイル23に流す電流の指令値I1を記憶したマップ100と、各操舵角速度に対して電磁コイル23に流す電流の指令値I2を記憶したマップ101と、各操舵角毎に車速に対する電磁コイル23に流す電流の指令値I3を記憶したマップ102と、さらに、各操舵角速度毎に車速に対する電磁コイル23に流す電流の指令値I4を記憶したマップ103とを備えている。
図4に示すように、コントローラ50には、各操舵角に対して電磁コイル23に流す電流の指令値I1を記憶したマップ100と、各操舵角速度に対して電磁コイル23に流す電流の指令値I2を記憶したマップ101と、各操舵角毎に車速に対する電磁コイル23に流す電流の指令値I3を記憶したマップ102と、さらに、各操舵角速度毎に車速に対する電磁コイル23に流す電流の指令値I4を記憶したマップ103とを備えている。
コントローラ50は、これらの操舵角,操舵角速度および車速をコントローラ50に取り込み、操舵角,操舵角速度および車速に対応した指令値I1〜I4を各マップ100〜103から求める。そして、指令値演算ブロック105において、指令値I1〜I4を掛け合わせて、電磁コイル23に流す電流の指令値I5(=I1×I2×I3×I4)を算出している。
また、コントローラ50は、流量測定手段111および流量算出手段110を備え、ヒータ35でバイパス管34を流れる圧油を加熱するとともに、ヒータ35の位置より上流側と下流側に取り付けられた温度センサ340,341により、それぞれの位置での圧油の温度を計測している。
流量算出手段110は、温度センサ340,341によって検出された温度差がブリッジ回路36の平衡を変化させることにより、流量に対応した電気信号をコントローラ50に送信する。そして、コントローラ50は、この電気信号を受信して、パワーシリンダ2に流れる流量を算出する。この流量の計測方法は、流体である圧油の単位時間あたりの移動熱量が、定圧比熱に上昇温度と流量を乗じたものであることによる。
算出された流量は、流量/電流変換手段112により流量対応電流値I6に換算される。流量/電流変換手段112には、パワーシリンダ2に流す圧油の様々な流量に対応させて、それら流量を得るために電磁コイル23に流す電流を、流量対応電流値I6として記憶した流量/電流変換マップが備えられている。そして、流量/電流変換手段112は、流量測定手段111で実測した実測流量に基づいて、流量/電流変換マップから流量対応電流値I6を求める。
また、コントローラ50では、電磁コイル23に流す電流の指令値I5から流量対応電流値I6を減算して偏差を求め、その偏差に定数を乗じた値と、偏差を時間積分した値と偏差を微分した値を加算して補正電流値I7を生成する。すなわち、比例制御および積分制御(以下、PID制御という)をおこなって指令値I5を補正し、補正電流値I7を生成する。そして、その補正電流値I7を駆動回路114に与えて電磁コイル23を励磁する。すると、流量制御弁12に備えた可変オリフィス20の可動栓19が磁力を受けて直動し、これにより可変オリフィス20の開度が決まり、所定流量の圧油が油圧ポンプ10からパワーシリンダ2側に流れる。
また、コントローラ50は、流量測定手段111と温度センサ340とからなる劣化検出手段115を備えている。ここで、圧油に用いられる作動油は、温度が低ければそれだけ粘度が高くなって流れにくくなり、逆に温度が高くなると粘度が低くなって流れやすくなり、圧油の流量は、その粘度と流路によって定まる定数によって特定される。
一方、作動油の粘度は、温度変化によるものだけでなく、劣化によっても変化し、劣化した作動油は粘度が低くなる。劣化検出手段115は、劣化していない作動油の各温度毎に、圧油の様々な流量に対応させて、それら流量を得るために電磁コイル23に流す電流の指令値を記憶したマップ104を備えている。
次に、上記のように構成された本実施形態の動作について説明する。
イグニッションをオンして、車両のエンジンが回転すると、油圧ポンプ10から圧油が流量制御弁12に供給される。そして、操舵角、操舵角速度、車速との運転状況によりコントローラ50が流量制御弁12の開度(すなわち可変オリフィス20の開度)に係る指令値I5を決定する。これにより、油圧ポンプ10からパワーシリンダ2側に送給される圧油の流量が決定される。
イグニッションをオンして、車両のエンジンが回転すると、油圧ポンプ10から圧油が流量制御弁12に供給される。そして、操舵角、操舵角速度、車速との運転状況によりコントローラ50が流量制御弁12の開度(すなわち可変オリフィス20の開度)に係る指令値I5を決定する。これにより、油圧ポンプ10からパワーシリンダ2側に送給される圧油の流量が決定される。
図5は、圧油の温度と電磁コイル23に流す電流値と、油圧ポンプ10の送給ポート16からパワーシリンダ2側に送給される流量との関係を示すグラフである。このグラフに示される圧油の温度は、t1<t2<t3となっており、電磁コイル23に流す電流値が同じであっても、圧油の温度が高くなると粘度が低くなって流れやすくなることから、流量が大きくなる。ここで、圧油に使用される作動油は、劣化すると粘度が低くなるため、圧油の温度が低くても高いときと同様に、電磁コイル23に流す電流値が同じであっても、流量が大きくなる。
劣化検出手段115は、劣化していない作動油の各温度毎のマップ104において、温度センサ340にて実測した温度から、電流指令値に対応する流量と、流量測定手段111にて実測した圧油の流量との差分を求め、この差分が所定の範囲を超えた場合、作動油の劣化として検出する。コントローラ50は、劣化検出手段115により作動油の劣化が検出されると、運転席のコンソールパネル600に信号を送信して、コンソールパネル600に備えた警告ランプを点灯するなどして運転者に作動油の劣化を通知する。
また、コントローラ50は、電磁コイル23を励磁するための電流の指令値I5と、流量測定手段111にて実測した圧油の流量から求めた流量対応電流値I6との偏差を収束させるようにPID制御をおこなう。これにより、指令値I5と流量対応電流値I6とが一致するように圧油の流量が制御され、最終的には、コントローラ50で決定した通りの流量の圧油が油圧ポンプ10から送給される。
このように、本実施形態の油圧式パワーステアリング装置1によれば、作動油の劣化を検出して運転者に通知するとともに、作動油が劣化していても、電磁コイル23に流す電流の指令値I5に対して圧油の所定の流量の送給が可能になり、安定した操舵感を得ることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で適宜変更することが可能である。例えば、上記実施形態では、流量制御弁12の開度に係る電流指令値をフィードバック制御しているが、送給される圧油の流量を指令値としてフィードバック制御してもよい。
1:油圧式パワーステアリング装置、 2:パワーシリンダ、 3:操向ハンドル、 4:ピニオンシャフト、 5:ステアリングギアボックス、 10:油圧ポンプ、 12:流量制御弁、 13:ハウジング、 15:入力ポート、 16:送給ポート、 17:環流ポート、 18:インナーノズル、 18A:絞孔、 18B:連通孔、 19:可動栓、 19A:先端円柱部、 20:可変オリフィス、21:コイルバネ、22:収容部屋、 23:電磁コイル、 25:差動部、 26:大径部、 27:大径部、 28:コイルバネ、 29:バネ収容室、 30:圧力伝達路、 31:送給ノズル、 32:環流ノズル、 34:バイパス管、 35:ヒータ(加熱手段)、 36:ブリッジ回路、 40:ステアリングバルブ、 45:オイルタンク、 50:コントローラ、 100〜104:マップ、 105:指令値演算ブロック、 110:流量算出手段、 111:流量測定手段、 112:流量/電流変換手段、 113:PID制御ブロック、
114:駆動回路、 115:劣化検出手段、 310:操舵角センサ、 320:操舵角速度センサ、 330:車速センサ、 340:温度センサ(上流側)、 341:温度センサ(下流側)、 500:車両内ネットワーク、 600:コンソールパネル
114:駆動回路、 115:劣化検出手段、 310:操舵角センサ、 320:操舵角速度センサ、 330:車速センサ、 340:温度センサ(上流側)、 341:温度センサ(下流側)、 500:車両内ネットワーク、 600:コンソールパネル
Claims (2)
- 車両のステアリング操作に応じて、ラックシャフトにアシスト力を補助するパワーシリンダと、前記パワーシリンダに所定流量の圧油を供給する油圧ポンプと、前記油圧ポンプの圧油排出口に設けられた流量制御弁により、圧油の送給路から前記パワーシリンダに流す圧油の流量を制御するコントローラとを備え、
前記車両の運転状況に関する情報を受けた前記コントローラが、前記運転状況に応じて前記パワーシリンダに流す圧油の流量値を決定するとともに、その流量値に基づいて前記流量制御弁の開度に係る指令値を求めて前記流量制御弁を駆動し、前記流量制御弁の開度を変更することにより、前記送給路から前記パワーシリンダに送給される圧油の流量を変更する油圧式パワーステアリング装置において、
前記送給路をバイパスする細菅と、前記細菅の途中で圧油を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の位置より上流側と下流側で圧油の温度を測定する温度測定手段と、前記温度測定手段の測定結果に基づいて圧油の流量を算出する流量算出手段とからなる流量測定手段を設け、前記流量測定手段にて測定した圧油の流量と温度から圧油の劣化を検出する劣化検出手段を設けたことを特徴とする油圧式パワーステアリング装置。 - 請求項1に記載の油圧式パワーステアリング装置であって、
前記劣化検出手段により圧油の劣化が検出された場合に、前記車両の運転者に通知する通知手段を備え、
前記コントローラは、前記流量測定手段にて測定した圧油の実際の流量をフィードバックして前記パワーシリンダに流す圧油の流量を制御することを特徴とする油圧式パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
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| JP2013019282A JP2014148286A (ja) | 2013-02-04 | 2013-02-04 | 油圧式パワーステアリング装置 |
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| JP2013019282A JP2014148286A (ja) | 2013-02-04 | 2013-02-04 | 油圧式パワーステアリング装置 |
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|---|---|---|---|---|
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2013
- 2013-02-04 JP JP2013019282A patent/JP2014148286A/ja active Pending
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