JPWO1997015623A1 - 樹脂組成物およびそれを用いた成形品とその製法 - Google Patents

樹脂組成物およびそれを用いた成形品とその製法

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Abstract

(57)【要約】 含フッ素ポリマーの優れた耐熱性、耐薬品性、表面特性(非粘着性、低摩擦性)、電気絶縁性などの特性を維持し、さらに優れた機械的特性、耐摩耗性を併せもった性能を成形品に与えうる樹脂組成物およびそれを用いた成形品とその製法を提供する。(A−1)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩またはカルボキシエステル基またはエポキシ基のいずれかを有する含フッ素単量体の少なくとも1種を単量体の全量に対して0.05〜30モル%共重合してえられる含フッ素エチレン性重合体と(B−1)無機充填剤またはあらかじめ不溶化された有機充填剤とからなる樹脂組成物であって、(A−1)1〜99.5重量%、(B−1)0.5〜99重量%からなる樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】 樹脂組成物およびそれを用いた成形品とその製法 技術分野 本発明は、官能基を有する特定の含フッ素エチレン性重合体と充填剤とからな る新規な樹脂組成物に関する。より詳しくは、官能基含有含フッ素エチレン性重 合体と無機充填剤またはあらかじめ不溶化した有機充填剤とを混合してなる組成 物であって、機械的特性、摺動性が改善された樹脂組成物に関し、これらは後記 する種々の用途に好適に用いられうる。
さらに本発明は、上記の樹脂組成物を成形してなる成形品を熱処理することに よりえられ機械的特性、摺動性がさらに改善された成形品およびその製法に関す る。
背景技術 フッ素樹脂は、一般にそれ自身耐熱性、耐薬品性、低摩擦係数を有し、さらに 機械的特性、耐摩耗性を改善する目的で無機または有機の充填剤を配合する試み が行なわれている。
しかし、含フッ素ポリマー自体は、表面エネルギーが低く、充填剤と混合した ときの分散性がわるく、添加による機械的特性への効果は不充分である。また、 混合物中の含フッ素ポリマーと充填剤との界面接着力は乏しく、たとえば摺動性 材料として用いたばあい摺動面で、成形品中の充填剤の脱落が起こりやすく、充 分な耐摩耗性の効果がえられず、長寿命の摺動材がえられていない。
フッ素樹脂と充填剤との界面接着性を向上させる目的で充填剤にあらかじめ有 機化合物によって表面処理したものを混合する試みがなされている。
たとえばグラスファイバーの表面処理に、アミン末端基を有する加水分解性非 フッ素シロキサン化合物を用いたもの(米国特許第3787281号明細書)、 ケイ素と結合したメチル基を有するシランカップリング剤をフィラーに表面処理 したもの(特開平7−53780号公報) などの含フッ素シランカップリング剤を用いたもの(特開平4−272973号 公報)といったシラン化合物を表面処理剤として用いたものが種々開示されてい る。
また、含フッ素酸クロライドをガラス繊維や炭素繊維に表面処理に用いたもの (特開平4−345691号公報)、末端にシロキサン基、アルコキシチタン基 、エポキシ基、イソシアン基などの官能基を有するフルオロポリエーテルを補強 剤の表面処理に用いたもの(特公平7−64973号公報)などが開示されてい る。
これらの表面処理剤は基体となる含フッ素エチレン性重合体と構造的に根本的 に違うため、前述の方法で表面処理した充填剤を混合した組成物または成形品中 の含フッ素ポリマーと充填剤との界面接着性は不充分であり、成形品の機械的特 性および耐摩耗性への付与効果は不充分である。
また、これらの表面処理剤は一般的に耐熱性、耐薬品性の不充分なものが多く 、フッ素樹脂と表面処理後の充填剤との混練・成形時に分解による発泡や着色を 起こし たりする。また、たとえば自動車、産業機械、OA機器、家電機器などの分野に おける構造材料、摺動材料のうちで熱的耐久性を必要とする部品などへの使用の 際、長期の使用により、表面処理剤やその分解物の溶出が起こったりし、初期の 性能(機械的特性や耐摩耗性)を低下させたりする。
本発明の目的は上記従来の問題点を解決し、含フッ素ポリマーの優れた耐熱性 、耐薬品性、表面特性(非粘着性、低摩擦性)、電気絶縁性などの特性を維持し 、さらに優れた機械的特性、耐摩耗性を併せもった性能を成形品に与えうる樹脂 組成物およびそれを用いた成形品とその製法を提供することにある。
発明の開示 本発明は、(A−1)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩 もしくはカルボキシエステル基またはエポキシ基のいずれかを有する含フッ素エ チレン性単量体の少なくとも1種を単量体の全量に対して0.05〜30モル% 共重合してえられる含フッ素エチレン性重合体と、 (B−1)無機充填剤またはあらかじめ不溶化された有機充填剤とからなる樹脂 組成物であって、該(A−1)成分が1〜99.5重量%、該(B−1)成分が 0.5〜99重量%からなる樹脂組成物に関する。
前記含フッ素エチレン性重合体(A−1)が結晶融点120℃以上の含フッ素 エチレン性重合体であることが好ましい。
前記含フッ素エチレン性重合体(A−1)が、 (a−1)式(1): (式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸塩、カルボキシエステル基 またはエポキシ基、XおよびXは同じかまたは異なり水素原子またはフッ素原子 、Rは炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基、炭素数1〜40の2価の 含フッ素オキシアルキレン基、炭素数1〜40のエーテル結合を含有する2価の 含フッ素アルキレン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含有する2価の含 フッ素オキシアルキレン基を表わす) で示される少なくとも1種の官能基含有含フッ素エチレン性単量体0.05〜3 0モル%と、 (b−1)該(a−1)成分と共重合可能な少なくとも1種のエチレン性単量体 70〜99.95モル% とを共重合してえられる含フッ素エチレン性重合体であることが好ましい。
前記官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a−1)が式(2): CH2=CFCF2−Rf 1−Y1 (2) [式中、Y1は−CH2OH、−COOH、カルボン酸塩、カルボキシエステル基 またはエポキシ基、Rf 1 は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基また は−ORf 2(Rf 2は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基または炭素数 1〜39のエーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレン基)を表わす] で示される含フッ素単量体であることが好ましい。
前記エチレン性単量体(b−1)の少なくとも1種が 含フッ素エチレン性単量体であることが好ましい。
前記含フッ素エチレン性単量体(b−1)がテトラフルオロエチレンであるこ とが好ましい。
前記含フッ素エチレン性単量体(b−1)がテトラフルオロエチレン85〜9 9.7モル%と式(3): CF2=CF−Rf 2 (3) [Rf 2は−CF3またはORf 3(Rf 3は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基 )を表わす] で示される単量体0.3〜15モル%との混合物であることが好ましい。
前記含フッ素エチレン性単量体(b−1)がテトラフルオロエチレンまたはク ロロトリフルオロエチレン40〜80モル%とエチレン20〜60モル%とその 他の単量体0〜15モル%との混合物であることが好ましい。
前記充填剤(B−1)がカーボン繊維であることが好ましい。
前記充填剤(B−1)がウィスカーであることが好ましい。
前記充填剤(B−1)がガラス系充填剤であることが好ましい。
前記充填剤(B−1)が剪開性を有する無機充填剤であることが好ましい。
前記充填剤(B−1)があらかじめ不溶化された有機繊維であることが好まし い。
前記充填剤(B−1)がカーボン繊維であることが好ましい。
前記充填剤(B−1)がホウ酸アルミニウムウィスカーであることが好ましい 。
前記充填剤(B−1)がガラス繊維であることが好ましい。
前記充填剤(B−1)が二硫化モリブデンであることが好ましい。
前記充填剤(B−1)がブロンズであることが好ましい。
前記充填剤(B−1)がアラミド繊維であることが好ましい。
また本発明は、(A−2)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン 酸塩もしくはカルボキシエステル基またはエポキシ基のいずれかを有する含フッ 素エチレン性単量体の少なくとも1種を、単量体の全量に対して0.05〜30 モル%共重合してえられる含フッ素エチレン性重合体と、 (B−2)無機充填剤またはあらかじめ不溶化された有機充填剤と、 (C)側鎖に官能基を含まない含フッ素エチレン性重合体と からなる樹脂組成物であって、該(A−2)成分1〜50重量%、該(B−2) 成分0.5〜80重量%、該(C)成分が残部[ただし、(A−2)と(C)の 合計は20〜99.5重量%であり、かつ(C)/((A−2)+(C))≧0 .4]である樹脂組成物に関する。
前記側鎖に官能基を含まない含フッ素エチレン性重合体(C)が結晶融点12 0℃以上の含フッ素エチレン性重合体であることが好ましい。
前記側鎖に官能基を含まない含フッ素エチレン性重合体(C)がポリテトラフ ルオロエチレン、テトラフルオ ロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、テトラフルオ ロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体またはエチレン−テトラフルオ ロエチレン共重合体であることが好ましい。
また本発明は、(A−3)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン 酸塩もしくはカルボキシエステル基またはエポキシ基のいずれかを有する含フッ 素エチレン性単量体の少なくとも1種を単量体の全量に対して0.05〜30モ ル%共重合してえられる含フッ素エチレン性重合体であって、結晶融点が120 ℃以上である含フッ素エチレン性重合体と、 (B−3)無機充填剤またはあらかじめ不溶化された有機充填剤と からなる樹脂組成物であって、該(A−3)成分1〜99.5重量%、該(B− 3)成分0.5〜99重量%からなる樹脂組成物を成形してえられる成形品を1 00℃以上、含フッ素エチレン性重合体(A−3)の結晶融点以下の温度で熱処 理してえられることを特徴とする成形品に関する。
前記含フッ素エチレン性重合体(A−3)が (a−2)式(1): (式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸塩もしくはカルボキシエス テル基またはエポキシ基、XおよびX1は同じかまたは異なり水素原子またはフ ッ素原子、Rfは炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基、炭素数1〜4 0の2価の含フッ素オキシアルキレン 基、炭素数1〜40のエーテル結合を含有する2価の含フッ素アルキレン基また は炭素数1〜40のエーテル結合を含有する2価の含フッ素オキシアルキレン基 を表わす) で示される少なくとも1種の官能基含有含フッ素エチレン性単量体0.05〜3 0モル%と (b−2)(a−2)と共重合可能な少なくとも1種のエチレン性単量体70〜 99.95モル% とを共重合してえられる含フッ素エチレン性重合体であることが好ましい。
前記エチレン性単量体(b−2)の少なくとも1種が含フッ素エチレン性単量 体であることが好ましい。
前記含フッ素エチレン性単量体(b−2)がテトラフルオロエチレンであるこ とが好ましい。
前記含フッ素エチレン性単量体(b−2)がテトラフルオロエチレン85〜9 9.7モル%と式(3): CF2=CF−Rf 2 (3) [Rf 2は−CF3またはORf 3(Rf 3は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基 )を表わす] で示される単量体0.3〜15モル%との混合物であることが好ましい。
前記含フッ素エチレン性単量体(b−2)がテトラフルオロエチレン40〜8 0モル%とエチレン20〜60モル%とその他の単量体0〜15モル%との混合 物であることが好ましい。
前記充填剤(B−3)がカーボン繊維であることが好ましい。
前記充填剤(B−3)がウィスカーであることが好ま しい。
前記充填剤(B−3)がホウ酸アルミニウムウィスカーであることが好ましい 。
前記充填剤(B−3)がガラス系充填剤であることが好ましい。
前記充填剤(B−3)が劈開性を有する無機充填剤であることが好ましい。
前記充填剤(B−3)があらかじめ不溶化された有機繊維であることが好まし い。
さらに本発明は、前記樹脂組成物を成形してえられる成形品を100℃以上、 含フッ素エチレン性重合体(A−1)の結晶融点以下の温度で熱処理することを 特徴とする前記成形品の製法に関する。
前記樹脂組成物を成形してえられる成形品を200℃以上、含フッ素エチレン 性重合体(A−1)の結晶融点以下の温度で熱処理することが好ましい。
前記樹脂組成物を溶融成形してえられる成形品を200℃以上、含フッ素エチ レン性重合体(A−1)の結晶融点以下の温度で熱処理することが好ましい。
図面の簡単な説明 図1は、本発明において、摩擦試験に用いる往復摺動式摩擦試験機を説明する ための模式図である。
発明を実施するための最良の形態 本発明の樹脂組成物において用いられる官能基含有含フッ素エチレン性重合体 (A−1)は、ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩またはカ ルボキシ エステル基またはエポキシ基のいずれかを有する含フッ素エチレン性単量体の少 なくとも1種を単量体成分の全量に対し0.05〜30モル%共重合してえられ る重合体である。
本発明の樹脂組成物中の官能基含有含フッ素重合体(A−1)の官能基は、ヒ ドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸塩またはカルボキシエステル基、エ ポキシ基のうちから少なくとも1種選ばれるものであり、官能基の種類は組成物 中の充填剤(B−1)の種類や目的、用途によって適宜選択されるが、とくに高 温での耐熱性を必要とする成形品、成形部品などに用いるばあい、なかでもヒド ロキシル基を含有する含フッ素重合体が好ましい。
本発明の組成物中で用いられる含フッ素エチレン性重合体(A−1)は、樹脂 状のもの、エラストマー状のものなどのうちから種々のものを選択できるが、組 成物自体を摺動材料、成形部品に代表される、成形用に利用するばあい、(A− 1)は結晶融点120℃以上の含フッ素重合体が好ましく、150℃以上のもの がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物で用いる含フッ素エチレン性重合体は、具体的には(a− 1)式(1)で示される官能基含有含フッ素エチレン性単量体 [X、X1、Rf、Yは前記式(1)と同じ] 0.05〜30モル%と (b−1)該(a−1)成分と共重合可能なエチレン性 単量体70〜99.95モル%とを共重合してえられる含フッ素エチレン性重合 体である。
官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a−1)は具体的には式(4): CF2=CF−Rf 4−Y (4) [式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 4は炭素数1〜40の2価の含フッ素アル キレン基または−ORf 5(Rf 5は炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基 または炭素数1〜40のエーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレン基)を表 わす]、式(5): CF2=CFCF2−ORf 6−Y (5) [式中、Yは式(1)のYと同じ、−Rf 6は炭素数1〜39の2価の含フッ素ア ルキレン基または炭素数1〜39のエーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレ ン基を表わす]、式(6) CH2=CFCF2−Rf 7−Y (6) [式中、Yは式(1)のYと同じ、−Rf 7は炭素数1〜39の2価の含フッ素ア ルキレン基、または−ORf 8(−Rf 8は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキ レン基または炭素数1〜39のエーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレン基 )を表わす]または式(7) CH2=CH−Rf 9−Y (7) [式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 9は炭素数1〜40の2価の含フッ素アル キレン基]で示されるものなどがあげられる。
式(4)〜式(7)の官能基含有含フッ素エチレン性単量体が、含フッ素エチレ ン性単量体(b−1)との共重性が比較的良好な点で、また、共重合してえられ た重合 体の耐熱性を著しく低下させない理由で好ましい。
これらのなかでも、他の含フッ素エチレン性単量体との共重合性や、えられた 重合体の耐熱性の面より式(4)、式(6)の化合物が好ましく、とくに式(6 )の化合物が好ましい。
式(4)で示される官能基含有含フッ素単量体はさらに詳しくは などが例示される。式(5)で示される官能基含有含フッ素単量体としては、 などが例示される。式(6)で示される官能基含有含フッ素単量体としては、 などが例示される。式(7)で示される官能基含有含フッ素単量体としては、 などが例示される。
その他 などもあげられる。
官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a−1)と共重合するエチレン性単量 体は、既知の単量体より適宜選択することができるが、耐熱性、耐薬品性、低摩 擦性を共重合体に与えるためには、含フッ素エチレン性単量体またはフッ素不含 エチレン性単量体のうちで炭素数1〜5のエチレン性単量体から選ばれるものが 好ましい。
具体的な含フッ素エチレン性単量体としては、テトラ フルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニル、ビニリデンフ ルオライド、ヘキサフルオロプロピレン、ヘキサフルオロイソブテン、 (式中、XはともにH、Cl、Fから選ばれる、nはともに1〜5までの整数) 、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類などがあげられる。
また、フッ素不含エチレン性単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブ テン、2−ブテン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどがあげられる。
耐熱性や耐薬品性および低摩擦性の点で(b−1)は、前記単量体のうちで、 少なくとも1種は、含フッ素単量体であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物中の含フッ素エチレン性重合体中の官能基の含有率は、重 合体中の単量体の全量の0.05〜30モル%であり、組成物中の前記充填剤( B−1)の種類や、前記(A−1)成分と前記(B−1)成分との組成比率、組 成物の目的などによって適宜選択できるが、好ましくは0.05〜20モル、と くに好ましくは0.1モル%〜10モル%である。
前記官能基の含有率が0.05モル%以下であると組成物中の含フッ素重合体 (A−1)と充填剤(B−1)との分散性、界面接着性の効果は充分えられにく い。また、30モル%以上含有すると含フッ素重合体の耐熱性を低下させ樹脂組 成物、それを用いた成形品の耐熱性を低下させ、機械特性の低下や着色などの原 因となりやすい。
本発明の樹脂組成物において、用いられる含フッ素エ チレン性重合体(A−1)の好ましい具体例としては、官能基含有含フッ素エチ レン性単量体(a−1)0.05〜30モル%とテトラフルオロエチレン70〜 99.95モル%との共重合体(いわゆる官能基含有ポリテトラフルオロエチレ ン(官能基含有PTFE))があげられ、単量体の全量に対して含フッ素エチレ ン性単量体(a−1)を0.05〜30モル%含み、さらに該(a−1)を除く 単量体の全量に対して、テトラフルオロエチレン85〜99.7モル%と前記式 (3) CF2=CF−Rf 2 (3) [Rf 2は−CF3、ORf 3(Rf3は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基) から選ばれる] で示される単量体0.3〜15モル%との共重合体(官能基含有テトラフルオロ エチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(官能基含有PF A)または官能基含有テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重 合体(官能基含有FEP))、含フッ素エチレン性単量体(a−1)を単量体の 全量に対し0.05〜30モル%含み、さらに単量体(a−1)を除いた単量体 の全量に対して、テトラフルオロエチレンまたはクロロトリフルオロエチレン4 0〜80モル%、エチレン20〜60モル%、その他の共重合可能な単量体0〜 15モル%との共重合体(官能基含有エチレン−テトラフルオロエチレン共重合 体(官能基含有ETFE)または官能基含有エチレン−クロロトリフルオロエチ レン共重合体(官能基含有ECTFE))などがあげられる。
また、この官能基を有するテトラフルオロエチレンまたはクロロフルオロエチ レンとエチレンとの共重合に用 いられるその他の共重合可能な単量体としては、ヘキサフルオロプロピレン、ヘ キサフルオロイソブテン、CH (式中、XはH、ClまたはFであり、nは1〜5の整数)およびパーフルオロ (アルキルビニルエーテル)類などがあげられる。
これら例示の含フッ素エチレン性重合体は、含フッ素ポリマーのなかでもとく に耐熱性、耐薬品性、機械的特性や低摩擦性に優れ、充填剤(b−1)との組成 物にしたばあい、耐熱性摺動材料などにとくに優れている。
本発明の樹脂組成物において用いられる前記(B−1)成分としての無機充填 剤またはあらかじめ不溶化された有機充填剤とは、熱的に安定で、一般の含フッ 素ポリマーの加工温度では分解したり溶融したりせず、混合することによって成 形品に機械的特性、耐摩耗性やその他の機能を与えうるものである。
前記無機充填剤とは具体的には、ステンレス、鉄、ニッケル、鉛、銅、金、銀 、アルミニウム、モリブデン、希土類コバルト、ボロン繊維に代表される金属類 や金属繊維、 カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、活性炭、炭素中空球、黒鉛、コー クスに代表される炭素類、 シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ス ズ、酸化アンチモンなどに代表される酸化物類、 水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水酸化物類、 炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛などの炭 酸塩類、 硫酸カルシウム、セッコウ繊維、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、MOS(繊 維状の塩基性硫酸マグネシウム)などの硫酸塩類、 ガラス、ガラス中空球、ガラス繊維、タルク、マイカ、カオリン、ケイ酸カルシ ウム、ウオラストナイト、ゾノトライト、PMF(スラグ繊維の1種でアルミノ ケイ酸カルシウムとMgOとの混合物)、雲母などで代表されるケイ酸塩類、 ホウ酸アルミニウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウムなどのホウ酸塩類 、 チタン酸カリウム、チタン酸バリウムなどのチタン酸塩、窒化アルミニウム、窒 化ケイ素などの窒化物類、 炭化ケイ素、炭化チタンなどの炭化物、 二硫化モリブデン、三硫化モリブデン、二硫化タングステン、硫化亜鉛、硫化カ ドミウムなどの硫化物類、 リン酸カルシウム、リン酸鉄などのリン酸塩類、 バリウムフェライト、カルシウムフェライト、ストロンチウムフェライトなどの フェライト類などがあげられる。
これら無機充填剤の形状としては、繊維状、ウィスカー状、針状、粉末状、粒 状、ビーズ状などがあげられる。
前記あらかじめ不溶化された有機充填剤とは、フッ素系ポリマーを除く有機物 であって、それ自体耐熱性が高く、本発明の樹脂組成物を製造する際またはその 組成物を用いて成形品に加工する際の温度で分解したり溶融したりせず、成形品 に機械的特性、耐摩耗性またはその他の機能を与えうるものである。
前記有機充填剤は、詳しくは融点が400℃以上、ま たは不溶性のばあい分解温度が400℃以上の有機物である。具体的には、アラ ミド繊維、ポリアリレート繊維、フェノール繊維などの有機繊維、ポリイミド、 COPNA樹脂などの熱硬化性樹脂などがあげられる。
本発明の組成物中の充填剤の種類(組成、形状)は、組成物やそれを用いた成 形品の目的とする機能の種類や用途によって都度選択しうる。
その中でも、機械的特性(とくに強度、弾性率)、寸法安定性と耐摩耗性の大 幅な向上と、導電性などの機能を与えうるカーボン繊維類、絶縁性を維持し、機 械的特性や寸法安定性や耐摩耗性の大幅な向上を可能とするガラス系充填剤、フ ッ素樹脂の柔軟性やシール性を維持しまた成形品の表面平滑性を有し機械的強度 、寸法安定性および耐摩耗性の改善を可能とするウィスカー類、充填剤はそれ自 体が自己潤滑性を有し、組成物や成形品に潤滑性を与え摩擦係数を低下させる機 能を有する劈開性を有する無機充填剤、充填剤自体の硬度が低く、とくに組成物 を使って摺動部品として用いたばあい、摺動面において相手材(軟質金属など) を傷つけにくい性質をもち、かつ成形品に機械的特性、寸法安定性、耐摩耗性を 与えうる有機繊維類が好ましい。
前記ガラス系充填剤のうちでも、より具体的には、ガラス繊維、ガラスビーズ 、ガラス粉末、ガラス中空球などが例示され、機械的特性、耐摩耗性の向上の点 で、ガラス繊維が特に好ましい。
ウィスカー類とは針状の単結晶物質であり、詳しくは断面積が8×10-5in2 以下で、長さが断面の平均直径の10倍以上の単結晶を指し、多結晶連続繊維 と区別 される。
前記ウィスカー類は、具体的には炭化ケイ素ウィスカー、窒化ケイ素ウィスカ ー、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、酸化亜鉛ウ ィスカー、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、グラファイトウィスカー、酸化 マグネシウムウィスカー、ホウ酸マグネシウムウィスカー、二ホウ化チタンウィ スカー、硫酸カルシウムウィスカーなどがあげられる。
本発明において、劈開性を有する充填剤とは、自己潤滑性を有し、成形品に潤 滑性を付与することができる充填剤をいう。劈開性を有する充填剤は、具体的に は黒鉛、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、六方晶窒化ホウ素、タルク、 雲母などの層状結晶物質であり、黒鉛、二硫化モリブデンなどが好ましい。
有機繊維としてはアラミド繊維、ポリアリレート繊維、フェノール繊維などが あげられるが、そのなかでもアラミド繊維が好ましい。
本発明の第1の樹脂組成物は、 (A−1)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩またはカルボ キシエステル基またはエポキシ基のいずれかを有する含フッ素エチレン性単量体 の少なくとも1種を単量体の全量に対して0.05〜30モル%共重合してえら れる含フッ素エチレン性重合体と、 (B−1)無機充填剤またはあらかじめ不溶化された有機充填剤とからなる組成 物である。
本発明の前記(A−1)成分と前記(B−1)成分との2成分からなる樹脂組 成物において、含フッ素エチレン性重合体(A−1)は前述の官能基含有含フッ 素エチ レン性重合体が同様に使用できるが、含フッ素エチレン性重合体(A−1)の官 能基の濃度は、含フッ素エチレン性重合体(A−1)の全使用単量体に対し、0 .05〜30モル%、好ましくは0.1〜10モル%、とくに好ましくは0.1 〜5モル%である。
官能基濃度が少なすぎると、含フッ素エチレン性重合体(A−1)と充填剤( B−1)との分散性、親和性に充分な効果を果たさない。また、官能基濃度が多 すぎると、耐熱性、機械的特性を低下させる。
本発明の前記(A−1)成分と前記(B−1)成分との2成分からなる樹脂組 成物において、充填剤(B−1)は前述の無機または有機充填剤が同様に使用で きる。
前記(A−1)成分と前記(B−1)成分との2成分を必須成分として他のも のも添加することもできるが、含フッ素ポリマーのすぐれた耐熱性、耐薬品性、 低摩擦性を低下させないで、機械的特性、耐摩耗性を向上させるためには、本質 的には(A−1)成分と(B−1)成分の2成分のみからなる樹脂組成物である ことが好ましい。
本発明の2成分からなる樹脂組成物の(A−1)成分と(B−1)成分の組成 比は、(A−1)1〜99.5重量%、(B−1)0.5〜99重量%の範囲内 で利用できるが、本質的に2成分のみからなる組成物のばあい、体積%(vol %)で表わすと(A−1)20〜99.5vol%、(B−1)0.5〜80v ol%、好ましくは(A−1)40〜99vol%、(B−1)1〜60vol %、とくに好ましくは(A−1)50〜98vol%、(B−1)2〜50vo l%である。
本発明の2成分からなる樹脂組成物は種々の目的や用途に用いることができる が、とくに耐熱性を必要とする摺動材料用途として用いるばあい、好ましい樹脂 組成物の具体例は、以下のとおりである。
i)(A−1)請求項6記載の含フッ素重合体(官能基含有PTFE)、請求項 7記載の含フッ素重合体(官能基含有FEPまたはPFA)、請求項8記載の含 フッ素重合体(官能基含有ETFE)から選ばれる少なくとも1種と (B−1)カーボン繊維とからなる組成物であって、(A−1):60〜9 5wt%、(B−1):5〜40wt%混合してなる樹脂組成物が機械的特性、 耐摩耗性の大巾な改善が見られ、また組成物に導電性を与えることができる点で 好ましい。
ii)(A−1)請求項6記載の重合体(官能基含有PTFE)、請求項7記載の 含フッ素重合体(官能基含有FEPまたはPFA)、請求項8記載の含フッ素重 合体(官能基含有ETFE)から選ばれる少なくとも1種と (B−1)ガラス繊維とからなる組成物であって、(A−1)60〜95w t%、(B−1):5〜40wt%混合してなる樹脂組成物が、電気絶縁性を維 持しながら機械的特性、耐摩耗性を大巾に改善できること、また充填剤自体安価 で経済的に有利であ る点で好ましい。
iii)(A−1)請求項7記載の重合体(官能基含有FEPまたはPFA)、請求 項8記載の重合体(官能基含有ETFE)から選ばれる少なくとも1種と (B−1)ホウ酸アルミニウムウィスカーとからなる組成物であって、(A −1)70〜98wt%、(B−1)2〜30wt%混合してなる樹脂組成物が フッ素樹脂の柔軟性と、成形品表面の平滑性を維持しながら、シール性に優れた 摺動材料として好ましい。
iv)(A−1)請求項6記載の重合体(官能基含有PTFE)、請求項7記載の 重合体(官能基含有FEPまたはPFA)、請求項8記載の重合体(官能基含有 ETFE)から選ばれる少なくとも1種と (B−1)2硫化モリブデンとからなる組成物であ って、(A−1)70〜98wt%、(B−1)2〜30wt%混合してなる樹 脂組成物が成形品に自己潤滑性を与え、表面摩擦係数をさらに低下させることが できる点で好ましい。
v)(A−1)請求項6記載の重合体(官能基含有PTFE)、請求項7記載の 重合体(官能基含有FEPまたはPFA)、請求項8記載の重合体(官能基含有 ETFE)から 選ばれる少なくとも1種と (B−1)ブロンズとからなる組成物であって、(A−1)40〜95wt %、(B−1)5〜60wt%混合してなる樹脂組成物が、成形品に自己潤滑性 、表面平滑性を与え表面摩擦係数を安定に低下させることができる点で好ましい 。
vi)(A−1)請求項7記載の重合体(官能基含有FEPまたはPFA)、請求 項8記載の重合体(官能基含有ETFE)から選ばれる少なくとも1種と (B−1)アラミド繊維とからなる組成物であって、(A−1)60〜95 wt%、(B−1)5〜40wt%とを混合してなる樹脂組成物が機械的特性や 耐摩耗性を向上させ、特に軟質金属を相手材とした摺動材として用いたばあい相 手材を傷つけにくい性質をもつため好ましい。
これらi)〜vi)の例示の樹脂組成物はその組成物中の充填剤(B−1)の 表面にOH基などの活性点を有し、本発明の樹脂組成物中の含フッ素エチレン性 重合体(A−1)中の官能基と良好な反応性または親和性を有するものであり、 そのためその組成物を用いてえられる成形品により良好な機械的特性、耐摩耗性 を与えることができるものである。
本発明の第2の樹脂組成物は、 (A−2)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩またはカ ルボキシエステ ル基またはエポキシ基のいずれかを有する含フッ素単量体の少なくとも1種と単 量体の全量に対して0.05〜30モル%共重合してえられる含フッ素エチレン 性重合体と、 (B−2)無機充填剤またはあらかじめ不溶化された有機充填剤と、 (C)側鎖に官能基を含まない含フッ素エチレン性重合体と からなる樹脂組成物である。
つまり、(A−2)、(B−2)、(C)の3成分からなる樹脂組成物は組成 物中の官能基含有含フッ素エチレン性重合体(A−2)が充填剤(B−2)の表 面に接着または親和し(B−2)の表面特性を改質し、官能基を含まない一般の 含フッ素エチレン性重合体(C)と充填剤との界面親和性、分散性を改善した組 成物である。それによって成形体に良好な機械的特性および耐摩耗性を与えうる ものである。
本発明の3成分からなる樹脂組成物において官能基含有含フッ素エチレン性重 合体(A−2)は前述の官能基含有含フッ素エチレン性重合体が同様に使用でき 官能基濃度は、(A−2)の全使用単量体に対し、0.05〜30モル%、好ま しくは0.1〜10モル%である。官能基濃度が少なすぎると含フッ素エチレン 性重合体(C)と充填剤(B−2)との分散性、親和性に充分な効果を果たさな い。
本発明の3成分からなる樹脂組成物において充填剤(B−2)は前述の無機ま たは有機の充填剤が同様に使 用できる。
本発明の3成分からなる樹脂組成物において、官能基を含まない含フッ素エチ レン性重合体(C)とは、その重合体の側鎖に意図的に官能基を導入したような 重合体を除外したものであり、一般の含フッ素ポリマーの重合法において重合体 の分子末端に発生する官能基(たとえばPFAの分子末端の−COF基や−CH2 OH基など)を有するものは含フッ素エチレン性重合体(C)に含まれる。
含フッ素エチレン性重合体(C)は、組成物の目的、用途により上記のものか ら種々選択されるが、摺動材料、成形部品に代表される成形用に利用するばあい 、(C)は結晶融点120℃以上の樹脂状の含フッ素エチレン性重合体であるこ とが好ましく、さらに好ましくは150℃以上の融点のものが好ましい。
そのなかでも優れた耐熱性、耐薬品性、低摩擦性を有し、組成物に同様な性質 を与えうるPTFE、PFA、FEP、ETFEがとくに好ましくあげられる。
本発明の3成分からなる樹脂組成物は、(A−2)、(B−2)、(C)を必 須成分としており、他のものも添加できるが、含フッ素エチレン性重合体の優れ た耐熱性、耐薬品性、低摩擦性を低下させないで機械的特性、耐摩耗性を向上さ せるためには、本質的には(A−2)、(B−2)、(C)の3成分のみからな る樹脂組成物であることが望ましい。
本発明の3成分からなる樹脂組成物において(A−2)、(B−2)、(C) の好ましい組成比は、(A−2)1〜50重量%、(B−2)0.5〜80重量 %、(C) が残部、ただし(A−2)と(C)の合計は20〜99.5重量%でありかつ( C)/((A−2)+(C))≧0.4で示す組成比であることが好ましく、( A−2)1〜40wt%、(B−2)2〜70wt%、(C)残部、ただし(A −2)と(C)の合計は30〜98wt%かつ(C)/((A−2)+(C)) ≧0.5であることがさらに好ましい。
充填剤(B−2)が2重量%以下となると機械的強度、耐摩耗性への効果が不 充分となり、また(A−2)と(C)の合計が30重量%を下回ると樹脂組成物 の耐薬品性や低摩擦性が充分には発揮できない。
本発明の3成分からなる樹脂組成物において、組成物中の官能基含有含フッ素 エチレン性重合体(A−2)は官能基を含まない含フッ素エチレン性重合体(C )と充分相溶性の良好な構造のものが組成物の各成分の親和性、分散性の点でと くに好ましい。
たとえば3成分からなる組成物において、 (A−2)請求項6または7記載の含フッ素エチレ ン性重合体と、 (官能基含有PTFEまたはFEP、P FA) (B−2)充填剤と、 (C)PTFEと からなる組成物、 (A−2)請求項7記載の含フッ素エチレン性重合 体(官能基含有PFA、FEP)と、 (B−2)充填剤と、 (C)PFAまたはFEPと からなる組成物、 (A−2)請求項8記載の含フッ素エチレン性重合 体(官能基含有ETFE)と、 (B−2)充填剤と、 (C)ETFEと からなる組成物などが最も好ましいものである。
本発明の樹脂組成物において、官能基含有含フッ素エチレン性重合体(A−1 )と充填剤(B−1)の2成分からなる組成物または(A−2)と(B−2)と 官能基を含まない含フッ素エチレン性重合体(C)の3成分からなる組成物を製 造する方法としては、たとえばPTFEまたはPTFEタイプの共重合体を主成 分とする組成物のばあい、充填剤入りPTFEの通常の混合方法でよく、たとえ ばタンブラーミキサー、ヘンシェルミキサーなどの混合機によって混合してうる ことができ、圧縮成形などの成形原料に供される。また、溶融加工可能な含フッ 素ポリマーが主成分となる組成物のばあい溶融混合してうることが好ましく、溶 融混合するばあい、溶融混合する装置としては、混合ロール、バンバリーミキサ ー、ブラベンダーミキサー、押出機などがあげられるが、なかでも押出機が、混 練力がより大きく充填剤とのブレンド時に分散性の向上がより一層期待できる点 で、また、組成物の製造時の生産性が良好である点で好ましい。押出機としては 、単軸または二軸以上のスクリューを有するものなどが使用できるが、とくに二 軸押出機を使用するのが、より混練力が大きいためより分散性のよい組成物がえ られる点で、また、混練力を自由に制御できる点で好ましい。
これらの溶融混合によって、組成物は、一般にペレットの形態とされたうえ、 射出成形および射出成形用の成形原料として用いられる。
本発明の第2は (A−3)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしく はカルボン酸塩またはカルボキシエステ ル基またはエポキシ基のいずれかを有す る含フッ素エチレン性単量体の少なくと も1種を単量体の全量に対して0.05 〜30モル%共重合してえられる含フッ 素エチレン性重合体であって結晶融点が 120℃以上である含フッ素エチレン性 重合体と、 (B−3)無機充填剤またはあらかじめ不溶化され た有機充填剤とを含み、 (A−3)1〜99.5重量%と(B−3)0.5〜99重量%からなる組成 物を成形してえられる成形品を100℃以上、含フッ素エチレン性重合体(A− 3)の結晶融点以下の温度で熱処理してえられることを特徴とする成形品に関す る。
つまり本発明の成形品とは、本発明の前述の樹脂組成物を通常行なわれる成形 方法で何らかの形状に成形加工したのち、100℃以上、樹脂組成物中の含フッ 素エチレン性重合体の結晶融点以下で熱処理した成形品である。
したがって、本発明の成形体に用いる熱処理前の成形品において、それに含ま れる官能基含有含フッ素エチレン性重合体(A−1)は本発明の前述の樹脂組成 物中の官能基含有含フッ素エチレン性重合体(A−1)のうち 結晶融点が120℃以上のものが同様に用いられる。
具体的には、官能基を含有するPTFE(請求項6記載の重合体)、官能基を 有するPFAまたはFEP(請求項7記載の重合体)、官能基を有するETFE (請求項8記載の重合体)がそれ自体耐熱性、耐薬品性、機械的特性や低摩擦性 に優れ、さらにそれらと充填剤との組成物を用いた成形品を熱処理することによ って、より効果的に機械的特性、耐摩耗性を改善することができ、好ましい例で ある。
本発明の成形品に用いる熱処理前の成形品においてそれに含まれる充填剤(B −3)は、本発明の前述の樹脂組成物に用いた充填剤が同様に用いられる。
具体的な充填剤としては、カーボン繊維、ウィスカー類、ガラス系充填剤、劈 開性を有する無機充填剤、あらかじめ不溶化された有機繊維が好ましい。
その中でもカーボン繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカー、ガラス繊維、二硫 化モリブデン、アラミド繊維が好ましい。
本発明の前述の樹脂組成物は、官能基含有含フッ素エチレン性重合体(A−1 )と充填剤(B−1)とからなる組成物であり、(A−1)の官能基が(B−1 )との接着性、界面親和性、互いの分散性の改善に効果的に働く。
さらに本発明の前記組成物を成形してえられる成形品を熱処理してえられる成 形品では、該熱処理によってつぎのような効果がえられる。
1 熱処理によって成形体中の官能基含有含フッ素 エチレン性重合体(A−3)と充填剤(B−3) との反応や吸着がさらに促進され、界面接着力 がより改善される。それによって、摺動性試験 において、摺動面での充填剤(B−3)の脱去 がおさえられ、耐摩耗性がより改善できる。
2 熱処理によって成形体中の官能基含有含フッ素 エチレン性重合体(A−3)の官能基同士が部 分的に反応し、自己架橋を起こし、高分子量化 し、成形品にさらなる機械的特性、耐熱性、耐 摩耗性、耐クリープ性の向上を与えることがで きる。
本発明の成形品は、前記1もしくは2の効果、または1と2が組み合さった効 果が与えられる成形品である。
本発明の第3は、官能基を含有する結晶融点120℃以上の含フッ素エチレン 性重合体(A−3)と充填剤(B−3)との樹脂組成物を成形してえられる成形 品を100℃以上、(A−3)の結晶融点以下の温度で熱処理することを特徴と する成形品の製法に関する。
本発明の成形品の製法は、官能基含有含フッ素エチレン性重合体(A−3)と 充填剤(B−3)との樹脂組成物を目的や用途に応じて種々の通常の成形加工方 法で、目的の形状に成形し、その成形品を100℃以上、含フッ素エチレン性重 合体(A−3)の融点以下の温度で熱処理することが重要である。かかる熱処理 を行なうことによって、機械的特性、耐熱性、耐摩耗性をさらに改善した成形品 をうることができる。
熱処理温度が低すぎると充分な機械的特性、耐熱性、耐摩耗性の向上は達成さ れず、また(A−3)の融点以上で熱処理を行なうと、熱処理時に成形品の目的 とする 形状が維持できなくなる。また、高温すぎると長時間の熱処理において熱劣化を 生じるばあいがある。
熱処理は5時間以上行なうことが好ましい。熱処理時間が短いと充分な機械的 特性、耐熱性、耐摩耗性の効果がえられにくい。また、熱処理は窒素ガスなどの イナートガス中や空気中で行なってよい。
本発明の熱処理を行なう成形品中の含フッ素ポリマーは、結晶融点120℃以 上の官能基含有含フッ素エチレン性重合体(A−3)を用いるが、その中でも2 00℃以上の結晶融点のものが耐熱性が良好であり、高温での熱処理が行なえ、 そのため充分な熱処理の効果がえられやすいという点から好ましい。
そのなかでも、耐熱性、耐薬品性、低摩擦性にとくに優れた、官能基を含有す るPTFEタイプの重合体(請求項6記載の重合体)、官能基を含むPFA、F EPタイプの重合体(請求項7記載の重合体)、官能基を含むETFEタイプの 重合体(請求項8記載の重合体)が好ましい。これらの重合体を熱処理するばあ いの熱処理温度は180℃以上、含フッ素エチレン性重合体の結晶融点以下の温 度が好ましく、さらに200℃以上、含フッ素エチレン性重合体の結晶融点以下 の温度が好ましい。
本発明の熱処理してえられた成形品において、熱処理前の成形品は種々の成形 方法で、たとえば圧縮成形、トランスファー成形、射出成形などにより、目的の 形状の成形品に加工でき、また押出成形などによりフィルム状や棒状パイプ、チ ューブ状の成形体とすることも可能である。さらに、これらの方法でえられた成 形体を用いて、切削加工などにより目的の成形品とすることができる。
これらの成形方法のなかでも、種々の形状の成形品がえられること、精密成形が できること、生産性が良好で自動化も可能で、加工コストが低下できるという点 から溶融成形法、とくに射出成形法が好ましい方法である。
本発明の樹脂組成物のうち、溶融成形可能な含フッ素エチレン性重合体((A )、(C))を用いたものは、一般に射出成形が可能であり、一方、PTFEタ イプの重合体を主成分として用いた組成物は一般的に溶融成形が困難である。た とえば、官能基を含むPFAまたはFEPタイプの重合体(請求項7記載の重合 体)、ETFEタイプの重合体(請求項8記載)を用いた樹脂組成物は溶融成形 が可能である。こうしてえられた成形品は、通常の条件下における耐熱性、耐摩 耗性は良好であるが、官能基を含むPTFEタイプの重合体(請求項6記載の重 合体)を用いた組成物からえられる成形品に比べて、高温時にはどうしても成形 体が軟化し摩擦面で形状が変化したりまたは破壊されてしまう。本発明の方法に 従いこれらの溶融成形した成形品を熱処理することによって、成形品中の含フッ 素エチレン性重合体同士で自己架橋し、高分子量化、溶融粘度の上昇が起こり、 成形品により耐熱性、耐摩耗性を付与することができ、限界PV値の高く、使用 温度範囲の広い成形体をうることができる。
つまり、官能基を含むPFA、FEPタイプの重合体(請求項7項記載の重合 体)またはETFEタイプの重合体(請求項8項記載の重合体)を用いた樹脂組 成物を用いたばあい、成形時には溶融成形が可能で、えられた成形品を熱処理す ることによってPTFE系重合体の成形体並みの耐熱性、耐摩耗性(とくに限界 PV値)の成 形品がえられる。
本発明の樹脂組成物およびそれからえられる成形体は、含フッ素ポリマーの耐 熱性、低摩擦係数に加え、充填剤により機械的特性、耐摩耗性が付与されること によって摺動材料として利用できる。
具体的には、自動車関連の軸受、メカニカル・シャフト・シール、ピストン・ リング、セグメント・リング、ライダー・リング、Vパッキン、スライディング パット、オイルシール、オートマチック用シールリング、ショックアブソーバー 用ピストンリングなどの部品類、OA機器関連、たとえば複写機、プリンター、 ファクシミリ、家電・コンピューター機器などに用いられる定着部の軸受、分離 爪、定着ロール、排出コロ、伝達ギア、ライナートナー搬送ロールのギア、ワイ ヤーガイドなどの部品類、空調機器のコンプレッサーのシール材料、たとえばス クロールコンプレッサーのチップシール、その他ギヤー、軸受け類、産業用機械 関係のポンプ類の軸受け、パッキン、シール類、その他建設機械、荷役機械、食 品機械、農業機械などの摺動部材に用いることができる。また、摺動用途以外で は、含フッ素ポリマーの耐熱性、電気絶縁性、耐薬品性を利用して、寸法安定性 や耐熱性、電気特性を必要とする電気、電子部品、たとえばコネクター・チップ 、キャリヤ、ソケット、プリント配線基板、電線被覆材、耐薬品性を必要とする 半導体関連品、とくに成形性、強度不足でフッ素樹脂単体では困難であった大型 ウエハーバスケット、またはバルブ、ケミカルポンプ部品などの材料、成形品に 用いることができる。
実施例 つぎに本発明を参考例、実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらのみに 限定されるものではない。
実施例における各試験は以下の方法で行なった。
(1)引張試験 オリエンテック(株)製テンシロン万能試験機により、ASTM D638に したがい、type5ダンベルを用いて、室温下、クロスヘッドスピード10m m/minで測定した。
(2)曲げ試験 オリエンテック(株)製テンシロン万能試験機を用い、JIS K−6911 にしたがい、室温下、曲げ速度2mm/minで測定した。
(3)荷重たわみ温度 安田精機製作所(株)製ヒートデイストーションテスターを用いてJIS K 7207にしたがいN2気流下、荷重18.6kgf/cm2、昇温速度2℃/m inの条件で測定した。
(4)スラスト式摩擦摩耗試験 オリエンテック(株)製鈴木・松原式摩擦摩耗試験機を使用し、相手材として アルミダイカスト(ADC12)を用いた。空気中、室温雰囲気、速度42m/ minで試験を行ない、限界PV値を測定した。
限界PV値は、この固定条件で摺動距離1kmごとに2.5kg/cm2ずつ 荷重を増加させて測定し、急激に摩耗が進行する直前を限界PV値とした。
(5)往復摺動式摩擦試験 図1に示したような往復摺動式摩擦試験機を使用し、相手材として炭素鋼(S 45C)を用いた。空気中、室 温雰囲気、無潤滑下で荷重10kg(面圧50kg/cm2)、ストローク5c m、速度200cpmで10000サイクルまで測定した。
参考例1 (官能基含有PFAの合成) 撹拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた6リットルガラスライニング製 オートクレーブに純水1500mlを入れ、窒素ガスで充分置換したのち、真空 にし、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−114 )1500gを仕込んだ。
ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビスト リフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノール) の5.0g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)130g、 メタノール180gを窒素ガスを用いて圧入し、系内の温度を35℃に保った。
撹拌を行ないながらテトラフルオロエチレンガス(TFE)を内圧が8.0k gf/cm2Gとなるように圧入した。ついで、ジ−n−プロピルパーオキシジ カーボネートの50%メタノール溶液0.5gを窒素を用いて圧入して反応を開 始した。
重合反応の進行に伴って圧力が低下するので、7.5kgf/cm2Gまで低 下した時点でテトラフルオロエチレンガスで8.0kgf/cm2まで再加圧し 、降圧、昇圧を繰り返した。
テトラフルオロエチレンの供給を続けながら、重合開 始からテトラフルオロエチレンガスが約60g消費されるごとに、前記のヒドロ キシ基含有含フッ素エチレン性単量体(前記式(4)で示される化合物)の2. 5gを計9回(計22.5g)圧入して重合を継続し、重合開始よりテトラフル オロエチレンが約600g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷却し 、未反応モノマーおよびR−114を放出した。
えられた共重合体を水洗、メタノール洗浄を行なったのち、真空乾燥すること により710gの白色固体をえた。えられた共重合体の組成は19F−NMR分析 、IR分析によりTFE/PPVE/(式(8)で示されるヒドロキシ基含有含 フッ素エチレン性単量体)=97.0/2.0/1.0モル%であった。また、 赤外スペクトルは3620〜3400cm-1に−OHの特性吸収が観測された。
DSC分析によりTm=305℃、DTGA分析により1%熱分解温度Td=3 75℃であった。高化式フローテスターを用いて直径2mm、長さ8mmのノズ ルを用い、372℃で予熱5分間でメルトフローレートを測定したところ32g /10minであった。
参考例2 (官能基を含まないPFAの合成) 参考例1において、パーフルオロ(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5 −ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(8)で 示される化合物)を用いないこと、さらにメタノールを240g使用すること以 外は、参考例1と同様にして合成を行ない、官能基を含まないPFA597gを えた。
参考例1と同様にして、えられたPFAを分析したと ころ TFE/PPVE=98.2/1.8モル% Tm=310℃ Td=469℃ メルトフローレート=24g/10min であった。
実施例1 (官能基含有含フッ素エチレン性重合体とカーボン繊維のブレンド) 参考例1でえられた官能基含有PFAと、カーボン繊維(呉羽化学工業(株) 製のクレカチョップM−207S)を80:20(重量比)で、ロッキンミキサ ーを用いて均一にブレンドしたのち、2軸押出機(東洋精機(株)製ラボプラス トミル)にて350〜370℃で混練、押出しを行ないペレットを作成した。こ のペレットを用いて射出成形機(住友重機械(株)製ミニマットM26/15B )によりシリンダー温度360〜390℃、金型温度200℃で試験片を成形し て作製した。
えられた試験片を用いて引張試験、曲げ試験、荷重たわみ温度、スラスト式摩 擦摩耗試験を行なった。結果を表1に示す。
実施例2 (官能基含有含フッ素エチレン性重合体とカーボン繊維とからなる成形品の熱処 理) 実施例1でえられた試験片を熱風循環式恒温槽にて280℃、24時間熱処理 を行なった。
熱処理後の成形品について実施例1と同様にして試験を行なった。結果を表1 に示す。
比較例1 (官能基を含まないPFAとカーボン繊維のブレンド) 参考例1でえられた官能基含有PFAに代えて、参考例2でえられた官能基を 含まないPFAを用いたこと以外は、実施例1と同様にして混練、押出、成形を 行ない試験片をえた。えられた試験片を用いて実施例1と同様にして試験を行な った。結果を表1に示す。
実施例3 (官能基含有含フッ素エチレン性重合体とホウ酸アルミニウムウィスカーとのブ レンド) 参考例1でえられた官能基含有PFAとホウ酸アルミニウムウィスカー(四国 化成工業(株)製アルボレックスY)とを92:8(重量比)で、ロッキングミ キサーを用いて均一にブレンドしたのち、2軸押出機(東洋精機(株)製ラボプ ラストミル)にて350〜370℃で混練・押出しを行ないペレットを作製した 。
このペレットを用いて射出成形機(住友重機械(株)製ミニマットM26/1 5B)により、シリンダー温度360〜390℃、金型温度200℃で試験片を 成形して作製した。えられた試験片を用いて、引張試験、曲げ試験、荷重たわみ 温度、往復摺動式摩擦試験を行なった。
結果を表2に示す。
比較例2 (官能基を含まないPFAとホウ酸アルミニウムウィスカーとのブレンド) 参考例2でえられた官能基含有PFAに代えて、参考例2でえられた官能基を 含まないPFAを用いたこと以外は、実施例3と同様にして混練・押出・成形を 行ない試験片をえた。えられた試験片を用い、実施例3と同様にした試験を行な った。結果を表2に示す。
実施例4 (官能基含有含フッ素エチレン性重合体とホウ酸アルミニウムウィスカーとから なる成形品の熱処理) 実施例3でえられた試験片を熱風循環式恒温槽にて280℃、24時間熱処理 を行なった。熱処理後の成形品について実施例3と同様にして試験を行なった。
結果を表2に示す。
産業上の利用可能性 本発明は、耐熱性、耐薬品性、表面特性(非粘着性、低摩擦性)、電気絶縁性 などの特性を維持し、さらに優れた機械的特性、耐摩耗性を併せもった成形品、 それをうるための樹脂組成物および該成形品の製法を提供しうる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 雅己 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 小森 政二 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 加藤 丈人 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 清水 哲男 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (注)この公表は、国際事務局(WIPO)により国際公開された公報を基に作 成したものである。 なおこの公表に係る日本語特許出願(日本語実用新案登録出願)の国際公開の 効果は、特許法第184条の10第1項(実用新案法第48条の13第2項)に より生ずるものであり、本掲載とは関係ありません。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(A−1)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩もしくは カルボキシエステル基またはエポキシ基のいずれかを有する含フッ素エチレン性 単量体の少なくとも1種を単量体の全量に対して0.05〜30モル%共重合し てえられる含フッ素エチレン性重合体と、 (B−1)無機充填剤またはあらかじめ不溶化された有機充填剤とからなる樹 脂組成物であって、該(A−1)成分が1〜99.5重量%、該(B−1)成分 が0.5〜99重量%からなる樹脂組成物。 2.含フッ素エチレン性重合体(A−1)が結晶融点120℃以上の含フッ素エ チレン性重合体である請求の範囲第1項記載の樹脂組成物。 3.含フッ素エチレン性重合体(A−1)が、 (a−1)式(1): (式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸塩、カルボキシエステル 基またはエポキシ基、XおよびX1は同じかまたは異なりいずれも水素原子また はフッ素原子、Rfは炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基、炭素数1 〜40の2価の含フッ素オキシアルキレン基、炭素数1〜40のエーテル結合を 含有する2価の含フッ素アルキレン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含 有する2価の含フッ素オキシアルキレン基を表わす) で示される少なくとも1種の官能基含有含フッ素エチレン性単量体0.05〜 30モル%と、 (b−1)該(a−1)成分と共重合可能な少なくとも1種のエチレン性単量 体70〜99.95モル% とを共重合してえられる含フッ素エチレン性重合体である請求の範囲第1項記載 の樹脂組成物。 4.官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a−1)が式(2): CH2=CFCF2−Rf 1−Y1 (2) [式中、Y1は−CH2OH、−COOH、カルボン酸塩、カルボキシエステル 基またはエポキシ基、Rf 1は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基また は−ORf 2(Rf 2は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基または炭素数 1〜39のエーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレン基)を表わす] で示される含フッ素単量体である請求の範囲第3項記載の樹脂組成物。 5.エチレン性単量体(b−1)の少なくとも1種が含フッ素エチレン性単量体 である請求の範囲第3項記載の樹脂組成物。 6.含フッ素エチレン性単量体(b−1)がテトラフルオロエチレンである請求 の範囲第5項記載の樹脂組成物。 7.含フッ素エチレン性単量体(b−1)がテトラフルオロエチレン85〜99 .7モル%と式(3): CF2=CF−Rf 2 (3) [Rf 2は−CF3またはORf 3(Rf 3は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル 基)を表わす] で示される単量体0.3〜15モル%との混合物である請求の範囲第5項記載 の樹脂組成物。 8.含フッ素エチレン性単量体(b−1)がテトラフルオロエチレンまたはクロ ロトリフルオロエチレン40〜80モル%とエチレン20〜60モル%とその他 の単量体0〜15モル%との混合物である請求の範囲第5項記載の樹脂組成物。 9.充填剤(B−1)がカーボン繊維である請求の範囲第2項記載の樹脂組成物 。 10.充填剤(B−1)がウィスカーである請求の範囲第2項記載の樹脂組成物。 11.充填剤(B−1)がガラス系充填剤である請求の範囲第2項記載の樹脂組成 物。 12.充填剤(B−1)が劈開性を有する無機充填剤である請求の範囲第2項記載 の樹脂組成物。 13.充填剤(B−1)があらかじめ不溶化された有機繊維である請求の範囲第2 項記載の樹脂組成物。 14.充填剤(B−1)がカーボン繊維である請求の範囲第6、7または8項記載 の樹脂組成物。 15.充填剤(B−1)がホウ酸アルミニウムウィスカーである請求の範囲第7ま たは8項記載の樹脂組成物。 16.充填剤(B−1)がガラス繊維である請求の範囲第6、7または8項記載の 樹脂組成物。 17.充填剤(B−1)が二硫化モリブデンである請求の範囲第6、7または8項 記載の樹脂組成物。 18.充填剤(B−1)がブロンズである請求の範囲第6、7または8項記載の樹 脂組成物。 19.充填剤(B−1)がアラミド繊維である請求の範囲 第7または8項記載の樹脂組成物。 20.(A−2)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩もしくは カルボキシエステル基またはエポキシ基のいずれかを有する含フッ素エチレン性 単量体の少なくとも1種を、単量体の全量に対して0.05〜30モル%共重合 してえられる含フッ素エチレン性重合体と、 (B−2)無機充填剤またはあらかじめ不溶化された有機充填剤と、 (C)側鎖に官能基を含まない含フッ素エチレン性重合体と からなる樹脂組成物であって、該(A−2)成分1〜50重量%、該(B−2 )成分0.5〜80重量%、該(C)成分が残部[ただし、(A−2)と(C) の合計は20〜99.5重量%であり、かつ(C)/((A−2)+(C))≧ 0.4]である樹脂組成物。 21.側鎖に官能基を含まない含フッ素エチレン性重合体(C)が結晶融点120 ℃以上の含フッ素エチレン性重合体である請求の範囲第20項記載の樹脂組成物 。 22.側鎖に官能基を含まない含フッ素エチレン性重合体(C)がポリテトラフル オロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテ ル)共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体ま たはエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体である請求の範囲第21項記載 の樹脂組成物。 23.(A−3)ヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはカルボン酸塩もしくは カルボキシエステル基または エポキシ基のいずれかを有する含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種を単 量体の全量に対して0.05〜30モル%共重合してえられる含フッ素エチレン 性重合体であって、結晶融点が120℃以上である含フッ素エチレン性重合体と 、 (B−3)無機充填剤またはあらかじめ不溶化された有機充填剤と からなる樹脂組成物であって、該(A−3)成分1〜99.5重量%、該(B −3)成分0.5〜99重量%からなる樹脂組成物を成形してえられる成形品を 100℃以上、含フッ素エチレン性重合体(A−3)の結晶融点以下の温度で熱 処理してえられることを特徴とする成形品。 24.含フッ素エチレン性重合体(A−3)が (a−2)式(1): (式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸塩もしくはカルボキシエ ステル基またはエポキシ基、XおよびX1は同じかまたは異なり水素原子または フッ素原子、Rfは炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基、炭素数1〜 40の2価の含フッ素オキシアルキレン基、炭素数1〜40のエーテル結合を含 有する2価の含フッ素アルキレン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含有 する2価の含フッ素オキシアルキレン基を表わす) で示される少なくとも1種の官能基含有含フッ素エチレン性単量体0.05〜 30モル%と (b−2)(a−2)と共重合可能な少なくとも1種のエチレン性単量体70 〜99.95モル% とを共重合してえられる含フッ素エチレン性重合体である請求の範囲第23項 記載の成形品。 25.エチレン性単量体(b−2)の少なくとも1種が含フッ素エチレン性単量体 である請求の範囲第24項記載の成形品。 26.含フッ素エチレン性単量体(b−2)がテトラフルオロエチレンである請求 の範囲第25項記載の成形品。 27.含フッ素エチレン性単量体(b−2)がテトラフルオロエチレン85〜99 .7モル%と式(3): CF2=CF−Rf 2 (3) [Rf 2は−CF3またはORf 3(Rf 3は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル 基)を表わす] で示される単量体0.3〜15モル%との混合物である請求の範囲第25項記 載の成形品。 28.含フッ素エチレン性単量体(b−2)がテトラフルオロエチレン40〜80 モル%とエチレン20〜60モル%とその他の単量体0〜15モル%との混合物 である請求の範囲第25項記載の成形品。 29.充填剤(B−3)がカーボン繊維である請求の範囲第23項記載の成形品。 30.充填剤(B−3)がウィスカーである請求の範囲第23項記載の成形品。 31.充填剤(B−3)がホウ酸アルミニウムウィスカーである請求の範囲30項 記載の成形品。 32.充填剤(B−3)がガラス系充填剤である請求の範囲第23項記載の成形品 。 33.充填剤(B−3)が劈開性を有する無機充填剤である請求の範囲第23項記 載の成形品。 34.充填剤(B−3)があらかじめ不溶化された有機繊維である請求の範囲第2 3項記載の成形品。 35.請求の範囲第2項記載の樹脂組成物を成形してえられる成形品を100℃以 上、含フッ素エチレン性重合体(A−1)の結晶融点以下の温度で熱処理するこ とを特徴とする請求の範囲23項記載の成形品の製法。 36.請求の範囲第6、7または8項記載の樹脂組成物を成形してえられる成形品 を200℃以上、含フッ素エチレン性重合体(A−1)の結晶融点以下の温度で 熱処理することを特徴とする請求の範囲第26、27または28項記載の成形品 の製法。 37.請求の範囲第7または8項記載の樹脂組成物を溶融成形してえられる成形品 を200℃以上、含フッ素エチレン性重合体(A−1)の結晶融点以下の温度で 熱処理することを特徴とする請求の範囲第27または28項記載の成形品の製法 。
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