JPWO1996014359A1 - 含フッ素溶融樹脂組成物 - Google Patents
含フッ素溶融樹脂組成物Info
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Abstract
(57)【要約】
含フッ素溶融樹脂70〜98重量%、平均直径3μm以下、平均アスペクト比10〜100及びモース硬度5〜8である針状物質、たとえばほう酸塩ウィスカー2〜30重量%を含んでなる射出成形可能な含フッ素溶融樹脂組成物。この樹脂組成物は、良好な摺動性、シール性を有し、成形性、特に薄肉成形性に優れている。
Description
【発明の詳細な説明】
含フッ素溶融樹脂組成物
産業上の利用分野
本発明は、新規な含フッ素溶融樹脂組成物に関する。より詳しくは、含フッ素
溶融樹脂に特定の針状物質を配合してなる摺動性、シール性の良好な射出成形可
能な含フッ素溶融樹脂組成物に関し、特に動的シール材料、例えば自動車のオー
トマチックトランスミッション用シールリング、ブレーキ用油圧機器のシールリ
ング、パワーステアリングのシール、無段変速機(CVT)用シールリング、ショ
ックアブソーバ用ピストンリング、クーラーのコンプレッサー用チップシール、
バルブ用シール、プッシュプルケーブルのチューブ、ガスケット及び軸受材料に
適した樹脂組成物に関する。
従来の技術
従来、自動車や産業用機器の摺勤部品に用いられる材料として、寸法安定性、
耐クリープ性、耐摩耗性などを改善する目的で無機または有機の充填材を配合し
たテトラフルオロエチレン重合体組成物が知られているが、充填材による寸法安
定性および耐クリープ性の改善は充分達成されているとはいいがたい。またこの
組成物は射出成形できないという欠点を有しており、生産性が悪く製造コスト上
好ましくない。
例えば、ショックアブソーバー用ピストン加工においては、ポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE)とピストンの低密着性に起因して繰り返し往復運動によ
り樹脂によじれが生じて耐久性が低下するのを防ぐために、ピストンの側面に特
殊形状を施した上で、PTFEをプレス加工で巻き付け、その後加熱融着して部
品としている。
また、射出成形可能な耐熱性樹脂に摺動性付与または強化の目的で種々の固体
潤滑剤や補強材を配合した組成物が提案されているが、上記テトラ
フルオロエチレン重合体組成物に比較して摺動性に劣り、また同時にシール性も
要求される用途ではこれら組成物は剛性が高すぎて充分なシール性が得られない
ことがあった。
一方、近年各種機器の軽量化に伴い、アルミニウム合金などの軟質材料が広く
用いられるようになっているが、これらを相手材とした場合、上記のような従来
の樹脂材料では摺動中に相手材を損傷するという問題点がある。さらに高摺動性
が要求されるような用途、たとえば高速、高荷重下での使用に際しても、摺勤性
ならびにその他の特性を満足させる組成物は得られていなかった。
特開平6−200280号公報は、フッ素樹脂に酸化亜鉛ウィスカーを配合し
た潤滑組成物を含浸被覆した複層摺動部材を開示しているが、この組成物は流動
性の無いPTFEをマトリックスとしており、射出成形できない樹脂組成物であ
る。また、溶融成形を前提とした材料に酸化亜鉛ウィスカーで代表されるテトラ
ポット状の3次元形状を有するフィラーを用いた場合には、溶融成形時にその形
状が崩れるために3次元形状の優位性を得ることが出来ない。
特開昭60−120798号公報は、フッ素樹脂に炭化珪素ウィスカーを配合
した摺動部材を開示している。しかし、炭化珪素ウィスカーで代表される硬度の
高いフィラーを用いた場合、添加により耐摩耗性が向上されているが、相手材攻
撃性が増大しすぎて相手材を摩耗させるという問題が発生する場合がある。
特開平5−117475号公報は、含フッ素溶融樹脂とカーボンウィスカー(
炭素繊維)を混合してなる樹脂組成物を開示している。この組成物はいくつかの
優れた特性を有し、硬度の低いカーボンウィスカーの持つ自己潤滑性により良好
な摺動性も有しているが、高摺動性が要求されるよう
な用途、例えば高速、高荷重下での使用に際しては、摺動性が劣る傾向にある。
また、含フッ素溶融樹脂は、一般に他の熱可塑性樹脂と比較して流動性が低く
、射出成形性に劣ると言われている。含フッ素溶融樹脂に通常のフィラーを混合
してなる溶融樹脂組成物は薄肉の成形時に表面の膨れやフローマーク等を生じ安
く、薄肉成形性に劣ることがある。
発明の概要
本発明は、このような従来のフッ素樹脂組成物、特に含フッ素溶融樹脂組成物
の欠点を改良し、自動車のオートマチックトランスミッション用の摺動部材、シ
ョックアブソーバー用ピストンの摺動部材や各種シールの材料として好ましい含
フッ素溶融樹脂組成物を提供しようとするものである。
本発明の第一の要旨によれば、含フッ素溶融樹脂70〜98重量%、平均直径
3μm以下、平均アスペクト比10〜100及びモース硬度5〜8である針状物
質2〜30重量%を含んでなる射出成形可能な含フッ素溶融樹脂組成物が提供さ
れる。
本発明の第二の要旨によれば、本発明の含フッ素溶融樹脂組成物の成形物から
なる動的シール材料、たとえば、自動車のオートマチックトランスミッション用
シールリング、または側面にピストンリングを装着したピストンを有するショッ
クアブソーバーにおいて、ピストンリングが本発明の含フッ素溶融樹脂組成物の
成形物であるショックアブソーバーが提供される。
本発明の第三の要旨によれば、上記動的シール材料の製法が提供される。
図面の簡単な説明
図1は、実施例で使用したバーフロー金型ゲートの模式図である。
発明の詳細な説明
本発明の樹脂組成物に含まれる射出成形可能な含フッ素溶融樹脂は、周知の樹
脂であり、特にその種類は限定されない。含フッ素溶融樹脂の好ましい例は、テ
トラフルオロエチレン/フルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、「P
FA」という。)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロブロピレン共重合
体(以下、「FEP」という。)、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体
(以下、「ETFE」という。)、ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロト
リフルオロエチレン、エチレン/クロロトリフルオロエチレンなどである。中で
も、耐熱性、摺動性、成形性などの点からPFA、FEP、ETFEが好ましく
、PFAが特に好ましい。含フッ素溶融樹脂の分子量は、5万〜500万である
ことが好ましい。
PFAは、テトラフルオロエチレンと式:CF2=CF−O−Rf(式中、Rfは
炭素数1〜10のフルオロアルキル基を表す。)で示されるフルオロアルキルビ
ニルエーテルの少なくとも1種との共重合体である。フルオロアルキルビニルエ
ーテルとしてはパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)が好ましい。PFAは
、好ましくは、テトラフルオロエチレン99〜92重量%とフルオロアルキルビ
ニルエーテル1〜8重量%から成る。
FEPは、好ましくは、テトラフルオロエチレン99〜80重量%とヘキサフ
ルオロプロピレン1〜20重量%から成る。
ETFEは、好ましくは、テトラフルオロエチレン90〜74重量%とエチレ
ン10〜26重量%から成る。
これら含フッ素溶融樹脂は、この樹脂の本質的な性質を損なわない範囲で他の
モノマーを含んでいても良い。他のモノマーとしては、テトラフルオロエチレン
(ただし、PFA、FEP及びETFEを除く。)、ヘキサフルオロプロピレン
(ただし、FEPを除く。)、パーフルオロアルキル
ビニルエーテル(ただし、PFAを除く。)、パーフルオロアルキルエチレン(ア
ルキル基の炭素数1〜10)、パーフルオロアルキルアリルエーテル(アルキル
基の炭素数1〜10)、および式:
CF2=CF[OCF2CF(CF3)]nOCF2(CF2)pX
(式中、Xはハロゲン、nは0〜5の数、pは0〜2の数を表す。)で示され
る化合物が挙げられる。他のモノマーの量は、重合体の50重量%以下、好まし
くは0.01〜45重量%である。
本発明の樹脂組成物に用いる針状物質は、平均直径3μm以下で、アスペクト
比が10〜100であり、更にモース硬度5〜8の物質である。本発明の効果を
より効果的に奏するためには、モース硬度6〜8の物質が特に好ましい。このよ
うな針状物質としては、例えばほう酸アルミニウムウィスカー、ほう酸マグネシ
ウムウィスカーなどのほう酸塩ウィスカーなどが使用できる。
針状物質の平均直径が3μmを越えると、良好な成形性(薄肉成形性)を維持
して組成物を成形することが難しく、アスペクト比が10未満であると、耐摩耗
性が充分でなく、アスペクト比が100を越えると、薄肉成形時の異方性が問題
となる。
また、モース硬度が8を越えると、軟質金属を傷つけることがあり、5未満で
あると無潤滑で使用する場合にはよいが、油などによる潤滑された高負荷状態で
は強度が不足する場合がある。
一般に、本発明の樹脂組成物では、含フッ索溶融樹脂の量は70〜98重量%
、針状物質の量は2〜30重量%である。
針状物質が2重量%未満では、強度、耐熱性、寸法安定性、摺動性の改善がほ
とんど期待できず、また30重量%を越えると成形性の低下が著しく、上記の特
性を有した成形品を良好に製造することができない。
本発明の樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない適量な範囲で、他の無機ま
たは有機充填剤や、通常使用される添加剤を一種以上含有してよい。これら添加
剤の添加量は、組成物全体に対して2〜15重量%である。
無機充填剤としては、次のような材料を例示できる。
ステンレス鋼、鉄、ニッケル、鉛、銅、金、銀、アルミニウム、モリブデン、
希土類コバルト、ボロン繊維などの金属類;
カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、活性炭、炭素、中空球黒鉛、コ
ークスなどの炭素質物質類;
シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化
スズ、酸化アンチモンなどの酸化物類;
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水酸化物類;
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛などの炭酸塩類;
硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、MOS(繊維状塩基性硫
酸マグネシウム)などの硫酸塩類;
ガラス、ガラス中空球、ガラス繊維、タルク、マイカ、カオリン、ケイ酸カル
シウム、ウォラストナイト、ゾノトライト、PMF(スラグ状繊維の1種。アル
ミノ珪酸カルシウムと酸化マグネシウムの混合物)、雲母などのケイ酸塩類;
チタン酸カリウム、チタン酸バリウムなどのチタン酸塩;
窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの窒化物類;
炭化ケイ素、炭化チタンなどの炭化物;
二硫化モリブデン、三硫化モリブデン、二硫化タングステン、硫化亜鉛、硫化
カドミウムなどの硫化物類;
リン酸カルシウム、リン酸鉄などのリン酸塩類;
バリウムフェライト、カルシウムフェライト、ストロンチームフェライ
トなどのフェライト類。
これら無機充填剤の形状は特に限定されず、繊維状、針状、粉末状、粒状、ビ
ーズ状のものが使用できる。
ガラス繊維または炭素繊維を添加すると、熱膨張係数を低減することができる
ので、好ましい。
本発明の有機充填剤とは、フッ素系ポリマーを除く有機物であって、それ自体
耐熱性が高く、本発明の樹脂組成物を製造する際、またはその組成物を用いて成
形品に加工する際の温度で分解および溶融せず、成形品に機械的特性、耐摩耗性
、あるいはその他の機能を与えうるものである。
有機充填剤は、好ましくは400℃以上の融点、または不溶融性の場合は40
0℃以上の分解温度を持つ有機物である。具体的には、アラミド繊維、ポリアリ
レート繊維、フェノール繊維などの有機繊維、ポリイミド、フェノール樹脂、縮
合多環多核芳香族系(COPNA)樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。
これら以外に、樹脂として、ポリケトン類、ポリエーテルサルホン、ポリフェ
ニレンスルファイド、液晶ポリマーなどのいわゆるエンジニアリングプラスチッ
ク、及びエラストマーがあげられる。これらを単独で或いは二種以上を組み合わ
せて使用しても何ら差し支えない。
特に液晶ポリマーを添加すると、組成物の流動性を改善することができる。
これら樹脂の添加量は、組成物全体に対して2〜10重量%である。
上記充填剤、特に無機充填剤は、次のような化合物によって表面処理されてい
てもよい。
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(H2N(CH2)3Si(OC2H5)3)、m−
またはp−アミノフェニルトリエトキシシラン(H2N-C6H4-Si(O
C2H5)3)、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン(H2NCONH(CH2)3
Si(OC2H5)3)、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン(H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3)、N−(β−アミノエチ
ル)−γ−アミノ−プロピルメチルジメトキシシラン(H2N(CH2)2NH(CH2)3
SiCH3(OCH3)2)などのアミノシランカップリング剤;フェニルトリメトキ
シシラン、フェニルトリエトキシシラン、p−クロロフェニルトリメトキシシラ
ン、p−ブロモメチルフェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラ
ン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルシランジオールなどの有機シラン
化合物。
また、成形加工上、流動性、離型性などを向上させるために、ステアリン酸亜
鉛等の金属石鹸、またはその他の滑剤等を添加する場合があるが、これらの種類
も何ら制限されるものではない。
本発明に用いられる樹脂組成物の調製に際し、通常公知の混合方法が採用され
、例えば、各成分をV型ブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサーなどの混
合機で混合した後、さらに二軸押出機などの溶融混練装置を用いて混合し、ペレ
ット化しても良い。
針状物質と含フッ素溶融樹脂の予備混合物を調製した後、予備混合物をその他
の成分と上記のような方法で混合することも好ましい。
このようにして得られたペレットは、通常用いられている熱可塑性樹脂の成形
方法、たとえば射出成形、圧縮成形、押出成形などによって所望の形状の成形物
、たとえば板状体、フィルムなどに成形することができる。生産性良く摺動部材
を得るためには射出成形が望ましい。
また、射出成形において、芯部を構成する金属部材を予め金型内に入れておき
、含フッ素溶融樹脂組成物を射出するインサート射出成形においても、良好な流
動性により、本発明の組成物は成形性、例えば薄肉成形性に
優れ、薄肉の摺動部材を得ることができる。
実施例
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、これらの実施
例により本発明は限定されるものではない。
なお、実施例および比較例によって得られた樹詣組成物は以下の試験方法によ
って評価した。
実施例および比較例に示した原料を、二軸押出機(東洋精機製ラボプラストミ
ル)により、300〜370℃で溶融混練して、射出成形用樹脂組成物を得、こ
れを射出成形機(住友重機製SG50MIV)に供給し、バーフロー成形金型を用
いた流動性試験を行うと共に、摩擦摩耗試験を行うためのテストピースを作成し
た。テストピースの成形は、シリンダー温度330〜400℃、金型温度200
℃で行った。
1.流動性試験
バーフロー成形金型を用いた射出成形により、流動性及び外観状態を評価した
。
バーフロー金型ゲートの形状を図1に示す。
バーフロー試験条件:
シリンダー温度:320〜400℃、
ノズル部温度: 400℃
金型温度: 200℃
射出圧 800kg/cm2
スクリュー回転速度: 150rpm
射出速度 2、5、8又は12mm/秒
2.摩擦摩耗試験
オリエンテック社製スラスト式摩擦摩耗試験機を使用し、摺動特性を評
価した。
表2の試験条件: 相手材: 炭素鋼(S45C)
荷 重: 8kgf/cm2
速 度: 0.5m/sec
時 間: 24時間
測定項目 摩擦係数
比摩耗量(単位:cm・s/MPa・m・h)
表3の試験条件: 相手材: 炭素鋼(S45C)
荷 重: 4kgf/cm2
速 度: 0.5m/sec
時 間: 24時間
測定項目 摩擦係数
比摩耗量(単位:mm3/(km・kgf))
実施例1
ダイキン工業製ネオフロンPFA AP−201 92wt%
ホウ酸アルミニウムウィスカー 8wt%
(「アルボレックス」商品名、四国化成工業
平均直径:1μm、アスペクト比:30、
モース硬度7)
実施例2
ダイキン工業製ネオフロンPFA AP−201 95wt%
ホウ酸アルミニウムウィスカー 5wt%
(「アルボレックス」商品名、四国化成工業
平均直径:1μm、アスペクト比:30、モース硬度:7)
実施例3
ダイキン工業製ネオフロンPFA AP−201 70wt%
ホウ酸アルミニウムウィスカー 30wt%
(「アルボレックス」商品名、四国化成工業
平均直径:1μm、アスペクト比:30、モース硬度:7)
実施例4
ダイキン工業製ネオフロンPFA AP−201 92wt%
ホウ酸アルミニウムウィスカー 8wt%
(「アルボレックス」商品名、四国化成工業
平均直径:1.5μm、アスペクト比:20、
モース硬度:7)
実施例5
ダイキン工業製ネオフロンPFA AP−201 92wt%
ホウ酸マグネシウムウィスカー 8wt%
(平均直径:0.5〜1μm、平均長:10〜40μm、
モース便度:7)
比較例1
ダイキン工業製ネオフロンPFA AP−201 92wt%
チタン酸カリウムウィスカー 8wt%
(「タイブレックス」商品名、川鉄鉱業
平均直径:1μm以下、平均長:20μm、モース硬度:4)
比較例2
ダイキン工業製ネオフロンPFA AP−201 95wt%
PAN系カーボン繊維 5wt%
(「トレカ」商品名、東レ
平均直径:7μm、アスペクト比:10)
比較例3
ダイキン工業製ネオフロンPFA AP−201 95wt%
ピッチ系カーボン繊維 5wt%
(「クレカ」商品名、呉羽化学工業
平均直径:14.5μm、アスペクト比:20)
比較例4
ダイキン工業製ネオフロンPFA AP−201 92wt%
ホウ酸アルミニウム 8wt%
(「アルボライト」商品名、四国化成工業
平均粒径:3μm、モース硬度:7)
比較例5
ダイキン工業製ネオフロンPFA AP−201 92wt%
ホウ酸マグネシウム 8wt%
(平均粒径:3μm、モース硬度:7)
比較例6
ダイキン工業製ネオフロンPFA AP−201 91wt%
炭化珪素ウィスカー 9wt%
(「トーカウィスカー」商品名、東海カーボン
平均直径:0.3〜0.6μm、平均長:5〜15μm、
モース硬度:9)
比較例7
ダイキン工業製ネオフロンPFA AP−201 85wt%
酸化亜鉛ウィスカー 15wt%
(「パナテトラ」商品名、松下アムテック
平均直径:0.2〜3.0μm、平均長:2〜50μm、
モース硬度:4)
比較例8
ダイキン工業製ネオフロンPFA AP−201 92wt%
炭酸カルシウムウィスカー 8wt%
(「ウィスカル」商品名、四国化成工業
平均直径:0.5〜1.0μm、平均長:20〜30μm、
モース硬度:3.5〜4)
流動性試験、摩擦摩耗特性試験の結果をそれぞれ、表1、表2および表3に示
す。
表1の結果から、比較例1の組成物、あるいは平均直径の大きいカーボン繊維
などを充填した組成物は、薄肉成形性に劣ることがわかる。
表2の結果から、摺動性付与の目的で通常使用されているカーボン繊維の摺動
性は、本発明で用いる特定の針状物質の摺動性よりも劣ることがわかる。
表3の結果から、実施例1,4および5と比較例1および4〜8では、
各成分を同じ容量比となるように用いたにもかかわらず、比較例1の組成物では
摩擦係数の変動が大きく、比較例4と5の組成物は、充填剤が粒状であるため、
針状物質を含んだ組成物よりも耐摩耗性に劣り、摩擦係数の変動も大きいことが
わかる。さらに、比較例6の組成物は相手材を傷つけ、そのために自材の比摩耗
量が大きくなる。比較例7と8の組成物では、摩耗が急激に進行し、異常摩耗が
起こった。
発明の効果
本発明により、自動車、産業機器等の分野における摺動部材で要求される良好
な摺動性、シール性、特に高速、高荷重下での摺動性、シール性を有し、成形性
、特に薄肉成形性に優れた含フッ素溶融樹脂組成物が提供される。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
F16J 15/56
F16H 57/04
(72)発明者 清水 哲男
大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン
工業株式会社淀川製作所内
(注)この公表は、国際事務局(WIPO)により国際公開された公報を基に作
成したものである。
なおこの公表に係る日本語特許出願(日本語実用新案登録出願)の国際公開の
効果は、特許法第184条の10第1項(実用新案法第48条の13第2項)に
より生ずるものであり、本掲載とは関係ありません。
Claims (9)
- 1.含フッ素溶融樹脂70〜98重量%、平均直径3μm以下、平均アスペク ト比10〜100及びモース硬度5〜8である針状物質2〜30重量%を含んで なる射出成形可能な含フッ素溶融樹脂組成物。
- 2.針状物質がほう酸塩ウィスカーである請求の範囲1に記載の樹脂組成物。
- 3.ほう酸塩ウィスカーがほう酸アルミニウムウィスカーである請求の範囲2 に記載の樹脂組成物。
- 4.ほう酸塩ウィスカーがほう酸マグネシウムウィスカーである請求の範囲2 に記載の樹脂組成物。
- 5.含フッ素溶融樹脂がテトラフルオロエチレン/フルオロアルキルビニルエ ーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体 又はエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体である請求の範囲1に記載の樹 脂組成物。
- 6.請求の範囲1〜5のいずれかに記載の含フッ素溶融樹脂組成物の成形物か らなる動的シール材料。
- 7.請求の範囲1〜5のいずれかに記載の含フッ素溶融樹脂組成物の成形物か らなる自動車のオートマチックトランスミッション用シールリング。
- 8.側面にピストンリングを装着したピストンを有するショックアブソーバー において、ピストンリングが請求項1〜5のいずれかに記載の含フッ素溶融樹脂 組成物の成形物であるショックアブソーバー。
- 9.芯部を構成する金属部材と含フッ素溶融樹脂組成物とをインサート射出成 形により一体に成形することからなる請求の範囲6に記載の動的シール材料の製 造方法。
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