JPWO1998051495A1 - 摺動性複合材 - Google Patents
摺動性複合材Info
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Abstract
(57)【要約】
(a)ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸塩、カルボキシエステル基およびエポキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する官能基含有含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モル%と(b)前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体70〜99.95モル%とを共重合してなる官能基を有する官能基含有含フッ素エチレン性重合体からなる材料を基材に適用してなる摺動性複合材。複雑な工程を必要とすることなく、基材への接着性に優れた含フッ素重合体からなる材料を基材に適用してなる摺動性複合材。
Description
【発明の詳細な説明】
摺動性複合材
技術分野
本発明は、摺動性、非粘着性、耐熱性、透明性(意匠性)および撥水撥油性な
ど、ならびに特に基材への接着性に優れた含フッ素重合体を基材に適用し、特に
その摺動性という特性を利用する摺動性複合材に関する。
背景技術
従来から、たとえば家電製品の分野におけるアイロンの加熱面については、耐
熱性はもちろんのこと、使用時には衣服などに押しつけながら摺り動かして用い
るため、低摩擦性および耐摩耗性を含む摺動性に優れていることが求められてい
る。すなわち、摺動性に優れた材料をそうした部位に適用することが求められて
いる。
摺動性の材料としてはポリアセタールやPPSなどのエンジニアプラスチック
類やシリコン系材料のほかフッ素系材料、特に含フッ素樹脂が一般的であり、ま
た現実にも使用されている。
しかし、前記含フッ素樹脂は、その優れた非粘着性に起因して、金属またはガ
ラスなどの基材との接着性が充分ではないという本質的な問題がある。
そこで、塗料の形態で含フッ素重合体を適用するばあいについては、金属の表
面を化学的または物理的に粗面処理を行なうなどして含フッ素樹脂と基材とのア
ンカー効果を期待して密着させる方法がある。しかし、この方
法は粗面化処理自体に手間がかかり、また接着強度も初期にはえられても、繰り
返し温度変化を与えたり高温で使用したりしたときにアンカー効果の減衰などを
おこす。
また含フッ素樹脂表面を、液体アンモニアに金属ナトリウムを溶かした溶液で
処理して、その表面を化学的に活性化する方法も提案されている。ところがこの
方法では、処理液自体が環境汚染を引き起こす恐れがあるとともに、その取扱い
に危険がともなうという問題点がある。
また含フッ素樹脂表面にプラズマスパッタリングなどの物理化学的処理を施し
て表面を活性化する方法も提案されているが、この方法では、処理に手間がかか
ったりあるいはコスト上昇をともなうなどの問題点があった。
また、含フッ素樹脂塗料に接着性を改良するための種々の成分を添加したり、
プライマー層を形成しておくことも検討されている。
たとえば含フッ素重合体を含む塗料組成物にクロム酸などの無機酸を加えて金
属表面に化成皮膜をつくり、密着を高めるなどの技術がある(特公昭63−26
75号公報)。しかし、クロム酸は6価クロムを含有することから、食品安全性
、作業安全性ともに充分とはいえない。またリン酸などの他の無機酸を使用する
ばあいには含フッ素樹脂塗料の安全性を損なうという問題があった。
前記無機酸にかえて、含フッ素樹脂を含む塗料組成物にポリアミドイミド、ポ
リイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトンなどの耐熱性樹
脂類、さらにそれらに加えて金属粉末などを添加し、プライマー層を形成するこ
とが検討されている(特開平6−264000号公報)。しかし、そもそも含フ
ッ素重合体と耐熱性樹
脂類は相溶性がほとんどなく、塗膜中て相分離などをおこして、プライマー層と
含フッ素樹脂のトップコート層のあいだで相間剥離をおこしやすい。また、含フ
ッ素重合体と耐熱性樹脂との熱収縮率の違いや、耐熱性樹脂の添加による塗膜伸
度の低下などにより、高温加工時や使用時などのピンホールや、ひびわれなどの
塗膜欠陥などを生じやすい。またこれら耐熱性樹脂は、焼成時に褐色化がおこる
ため意匠性に劣り、白色や鮮やかな着色、透明性などを求められる用途では使用
困難である。また、耐熱性樹脂類をブレンドすると含フッ素重合体が本来有する
低摩擦性や非粘着性も低下させる。
また、透明性を求められるガラス基材などへの含フッ素樹脂塗料の接着に際し
ては、基材表面をシランカップリング剤で処理したり、シリコーン樹脂を含フッ
素樹脂塗料に添加したりして接着性の改良を試みている(特公昭54−4236
6号公報、特開平5−177768号公報など)が、接着性の向上が不充分であ
り、かつ耐熱性が低下し、焼成時や高温使用時に剥離や発泡、着色をおこしやす
い。
一方、含フッ素樹脂塗料として、ヒドロキシル基やカルボキシル基などの官能
基を含むハイドロカーボン系(非フッ素系)単量体を共重合したものが検討され
ているが、これらはそもそも、耐候性を主目的として検討されたもので、本発明
の目的とする摺動性(特に低摩擦性)は不充分であり、また耐熱性(たとえば2
00〜350℃)を必要とする用途では使用困難である。
つまり官能基を含むハイドロカーボン系(非フッ素系)単量体を共重合したも
のは、高温での加工時または使用
時にその単量体構成部分から熱分解が起こりやすく、塗膜破壊、着色、発泡、剥
離などが生じて摺動性(特に低摩擦性)、非粘着性が低下し、含フッ素樹脂塗装
の目的を達成することができないものである。
また、含フッ素重合体は一般的に機械的強度や寸法安定性が不充分であり、価
格的に高価である。そこで、これらの欠点を最小限にし、かつ含フッ素重合体が
本来有する前記長所を最大限に生かすために、フィルムの形態での適用も検討さ
れている。
しかし、含フッ素重合体は前記のとおり本来接着力が小さく、含フッ素重合体
をフィルムの形態で他の材料(基材)と直接接着させることは困難である。たと
えば、熱融着などで接着を試みても、接着強度が不充分であったり、ある程度の
接着強度があったとしても基材の種類により接着強度がばらつきやすく、接着性
の信頼性が不充分であることが多かった。
含フッ素重合体フィルムと基材とを接着させる方法として、
1.基材の表面をサンドブラスター処理などで物理的に粗面化する方法、
2.含フッ素樹脂フィルムにナトリウムエッチングなどの化学的処理、プラズマ
処理、光化学的処理などの表面処理を行なう方法、
3.接着剤を用いて接着させる方法などが主に検討されているが、前記1、2に
ついては、別途の処理工程が必要となり、工程が複雑で生産性がわるい。また、
基材の種類や形状が限定される。さらに、えられる接着力も不充分であり、えら
れた複合体の着色
や色などの外観上の問題(意匠性)も生じやすい。また、ナトリウムエッチング
などの薬品を使用する方法は安全性にも問題がある。
前記3の接着剤の検討も種々行なわれている。一般のハイドロカーボン系(非
フッ素系)の接着剤は接着性が不充分であるとともに、それ自体の耐熱性が不充
分で、一般に高温での成形や加工を必要とする含フッ素重合体フィルムの接着加
工条件では、耐えられず、分解による剥離や着色などをおこす。前記接着剤を用
いた複合体も接着剤層の耐熱性、耐薬品性、耐水性が不充分であるために、温度
変化や環境変化により接着強度が維持できなくなり、信頼性に欠ける。
一方、官能基を有する含フッ素重合体を用いた接着剤組成物による接着の検討
が行なわれている。
たとえば含フッ素重合体に無水マレイン酸やビニルトリメトキシシランなどに
代表されるカルボキシル基、カルボン酸無水物残基、エポキシ基、加水分解性シ
リル基を有するハイドロカーボン系単量体をグラフト重合した含フッ素重合体を
接着剤に用いた報告(たとえば特開平7−18035号、特開平7−25952
号、特開平7−25954号、特開平7−173230号、特開平7−1734
46号、特開平7−173447号各公報)やヒドロキシルアルキルビニルエー
テルのような官能基を含むハイドロカーボン系単量体をテトラフルオロエチレン
やクロロトリフルオロエチレンと共重合した含フッ素共重合体と、イソシアナー
ト系硬化剤との接着性組成物を硬化させ、塩化ビニル樹脂とコロナ放電処理され
たETFEとの接着に用いた報告(たとえば特開平7−228848
号公報)がなされている。
これら、ハイドロカーボン系の官能基モノマーをグラフト重合または共重合し
た含フッ素樹脂を用いた接着剤組成物は耐熱性が不充分であり、含フッ素樹脂フ
ィルムとの複合体を高温で加工するばあい、また高温で使用するばあいに分解・
発泡などが起き、接着強度を低下させたり、剥離したり、着色したりする。また
前記特開平7−228848号公報記載の接着性組成物では、含フッ素樹脂フィ
ルムはコロナ放電処理を必要とする。
このように、摺動性の複合材として基材と強固に接着した材料はない。
叙上の事実に鑑み、本発明の目的は、複雑な工程を必要とすることなく、基材
への接着性に優れた含フッ素重合体からなる材料を基材に適用してなる摺動性(
低摩擦性)の複合材を提供することにある。
本発明の摺動性複合材は、さらに防汚性、非粘着性、透明性(意匠性)、抗菌
性、撥水撥油性、汚れ除去性、耐薬品性、防錆性、耐エネルギー線性などに優れ
ている。
発明の開示
本発明は、(a)ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸塩、カルボキ
シエステル基およびエポキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基
を有する官能基含有含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.0
5〜30モル%と
(b)前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単
量体70〜99.95モル%とを共重合してなる官能基含有含フッ素エチレン性
重合
体からなる材料を基材に適用してなる摺動性複合材に関する。
このばあい、前記官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)が式(1):
CX2=CX1−Rf−Y (1)
(式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸塩、カルボキシエステル基
またはエポキシ基、XおよびX1は同じかまたは異なり水素原子またはフッ素原
子、Rfは炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基、炭素数1〜40の含
フッ素オキシアルキレン基、炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素アル
キレン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素オキシアルキレン
基を表す)で示される少なくとも1種の官能基含有含フッ素エチレン性単量体で
あるのが好ましい。
また、前記官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)が、テトラフル
オロエチレンであるのが好ましい。
さらに、前記官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)が、テトラフ
ルオロエチレン85〜99.7モル%と式(2):
CF2=CF−Rf 1 (2)
(式中、Rf 1はCF3またはORf 2(Rf 2は炭素数1〜5のパーフルオロアルキ
ル基)で示される単量体0.3〜15モル%との混合単量体であるのが好ましい
。
本発明は、前記の官能基含有含フッ素エチレン性重合体が、塗料、水性分散液
、粉体塗料またはフィルムの形態で基材に適用されるのが好ましい。
また、基材としては、金属系、ガラスや陶器などのセ
ラミック系または合成樹脂系でもよい。
図面の簡単な説明
図1は、本発明の実施例7において接着強度を測定するために作製した接着サ
ンプルの概略平面図である。
図2は、本発明の実施例7における接着強度の測定に用いた測定具の概略斜視
図である。
図3は、本発明における接着性試験(T型剥離試験)に供する試験片をうるた
めに作製した積層体の概略斜視図である。
図4は、本発明における接着性試験(T型剥離試験)に供する試験片の概略斜
視図である。
図5は、本発明における接着性試験(引張剪断試験)に供する試験片の概略斜
視図である。
図6は、本発明における接着性試験(引張剪断試験)に用いる試験装置の概略
説明図である。
図7は、本発明の実施例15において作製したラミネート試験板の概略断面図
である。
図8は、本発明の実施例15においてえられた3層積層体の概略断面図である
図9は、本発明の比較例10においてえられた積層体の概略断面図である。
図10は、本発明の実施例16における積層体をうるために作製したラミネー
ト試験板の概略断面図である。
図11は、本発明の実施例16においてえられた積層体の概略断面図である。
図12は、本発明の実施例16において行なったT型剥離試験に供する積層体
の概略断面図である。
図13は、本発明の比較例11において行なったT型剥離試験に供する積層体
の概略断面図である。
図14は、本発明の比較例12において作製したラミネート試験板の概略断面
図である。
図15は、本発明の試験例における非粘着性試験に供する試験片の概略斜視図
である。
図16は、本発明の実施例21において積層体をうるために作製したラミネー
ト試験板の概略断面図である。
図17は、本発明の実施例21においてえられた積層体の概略断面図である。
図18は、本発明の実施例21において行なったT型剥離試験に供する積層体
の概略断面図である。
図19は、本発明の実施例25において接着強度を測定するために作製した塗
膜を有するアルミニウム板の概略斜視図である。
図20は、本発明の実施例25において接着強度を測定するために作製した測
定具の概略斜視図である。
図21は、本発明の実施例28において作製したラミネート試験板の概略断面
図である。
図22は、本発明の実施例28においてえた3層積層体の概略断面図である。
発明を実施するための最良の形態
本発明の摺動性複合材は、(a)ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン
酸塩、カルボキシエステル基およびエポキシ基よりなる群から選ばれた少なくと
も1種の官能基を有する官能基含有含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種
の単量体0.05〜30モル%と
(b)前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単
量体70〜99.95モル%とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エチレ
ン性重合体からなる材料を基材に適用したものである。
前記官能基含有含フッ素重合体からなる材料は、塗料またはフィルムの形態で
金属やガラス、その他の基材に対し、接着剤の使用、基材の表面処理、プライマ
ー層の形成、さらに当該材料中への接着性を有する成分の添加などを行なわなく
とも驚くべき強力な接着性を有する。
本発明の複合材をうるために用いる官能基含有含フッ素重合体は、前記(a)
の官能基含有含フッ素エチレン性単量体を用いて、前記の官能基を有さない含フ
ッ素エチレン性単量体(b)と共重合し、含フッ素重合体に官能基を導入するこ
とが重要であり、それによって従来、接着が不充分または不可能であった種々の
基材表面に対し直接優れた接着性を与えうる。つまり、官能基含有含フッ素重合
体であっても、非フッ素系の官能基含有単量体を共重合したものに比べ耐熱性に
優れており、高温(たとえば200〜400℃など)での加工時の熱分解などが
より少なく抑えられ、大きな接着強度をうることができ、さらに着色や発泡、そ
れによるピンホール、レベリング不良などのない被覆層を基材上に形成すること
ができる。また、複合材を高温で使用するばあいも、接着性を維持し、さらに着
色、白化、発泡、ピンホールなどの被覆層の欠陥が生じにくい。
また、前記官能基含有含フッ素重合体は、それ自体、耐熱性だけでなく、含フ
ッ素ポリマーがもつ摺動性(低摩擦性)、防汚性、耐薬品性、非粘着性、耐候性
などの
優れた特性をも有しており、被覆層にこれらの優れた特性を低下させずに与えう
る。
つぎに、まず本発明の複合材の材料である官能基含有含フッ素エチレン性重合
体について説明する。
官能基含有含フッ素エチレン性重合体の官能基は、ヒドロキシル基、カルボキ
シル基、カルボン酸塩、カルボキシエステル基およびエポキシ基から選ばれる少
なくとも1種であり、官能基の効果により種々の基材との接着性を与えうるもの
である。官能基の種類や組合せは基材の表面の種類、目的や用途により適宜選択
されるが、耐熱性の面でヒドロキシル基を有するものが最も好ましい。
この官能基含有含フッ素エチレン性重合体を構成する成分の1つである前記官
能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)としては式(1):
CX2=CX1−Rf−Y (1)
(式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸塩、カルボキシエステル基
またはエポキシ基、XおよびX1は同じかまたは異なり水素原子またはフッ素原
子、Rfは炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基、炭素数1〜40の含
フッ素オキシアルキレン基、炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素アル
キレン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素オキシアルキレン
基を表す)で示される官能基含有含フッ素エチレン性単量体であるのが好ましい
。
また、官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)の具体例としては、式(3
):
CF2=CF−Rf 3−Y (3)
[式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 3は炭素数1〜
40の2価の含フッ素アルキレン基またはORf 4(Rf 4は炭素数1〜40の2価
の含フッ素アルキレン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含む2価の含フ
ッ素アルキレン基)を表わす]、式(4):
CF2=CFCF2−ORf 5−Y (4)
[式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 5は炭素数1〜39の2価の含フッ素アル
キレン基または炭素数1〜39のエーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレン
基を表わす]、式(5):
CH2=CFCF2−Rf 6−Y (5)
[式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 6は炭素数1〜39の2価の含フッ素アル
キレン基、またはORf 7(Rf 7は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基
または炭素数1〜39のエーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレン基)を表
わす]または式(6):
CH2=CH−Rf 8−Y (6)
[式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 8は炭素数1〜40の2価の含フッ素アル
キレン基]で示されるものなどがあげられる。
式(3)〜式(6)の官能基含有含フッ素エチレン性単量体が、前記の官能基
を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)との共重合性が比較的良好な点で、
また、共重合してえられた重合体の耐熱性を著しく低下させない理由で好ましい
。
これらのなかでも、前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)
との共重合性や、えられた重合体の耐熱性の面より式(3)、式(5)の化合物
が好ましく、特に式(5)の化合物が好ましい。
式(3)で示される官能基含有含フッ素エチレン性単量体として、さらに詳し
くは
などが例示される。
式(4)で示される官能基含有含フッ素単量体としては、
などが例示される。
式(5)で示される官能基含有含フッ素単量体としては、
などが例示される。
式(6)で示される官能基含有含フッ素単量体としては、
などが例示される。
その他
などもあげられる。
官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)は、(a)に含まれる官能基を含
有しない含フッ素エチレン性単量体(b)と共重合される。また、含フッ素エチ
レン性単量体(b)は、官能基を含有しない単量体より選択するのが好ましく、
公知の単量体より適宜選択することができ、優れた低摩擦性、耐熱性に加え、耐
薬品性、非粘着性、防汚性などを重合体に与える。
具体的な含フッ素エチレン性単量体(b)としては、テトラフルオロエチレン
、式(2):CF2=CF−Rf 1[Rf 1はCF3またはORf 2(Rf 2は炭素数1〜
5のパーフルオロアルキル基)を表わす]、クロロトリフルオロエチレン、ビニ
リデンフルオライド、フッ化ビニル、ヘキサフルオロイソブテン、
(式中、X2は水素原子、塩素原子またはフッ素原子から選ばれる、nは1〜5
の整数)などがあげられる。
また、官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)と前記官能基を有さない含
フッ素エチレン性単量体(b)に加えて、摺動性や耐熱性、非粘着性を低下させ
ない範囲でフッ素原子を有さないエチレン性単量体を共重合してもよい。このば
あいフッ素原子を有さないエチレン性単量体は、耐熱性を低下させないためにも
炭素数5以下のエチレン性単量体から選ぶことが好ましく、具体的にはエチレン
、プロピレン、1−ブテン、2−ブテンなどがあげられる。
本発明において用いられる官能基含有含フッ素エチレン性重合体(A)中の官
能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)の含有率は、重合体中の単量体の全量
の0.05〜30モル%である。官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)の
含有率は、摺動性が要求される基材の表面の種類、形状、塗装方法、フィルム形
成方法、条件、適用する機器や部材の目的や用途などの違いにより適宜選択され
るが、好ましくは0.05〜20モル%、特に好ましくは0.1〜10モル%で
ある。
官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)の含有率が0.05%未満である
と、基材の表面との接着性が充分えられにくく、温度変化や薬品の浸透などによ
り剥離などをおこしやすい。また、30モル%を超えると耐熱性を低下させ、高
温での焼成時または高温での使用時に、接着不良や着色、発泡、ピンホールなど
が発生し、意匠性を低下させたり、被覆層の剥離や熱分解生成物の溶出などをお
こしやすい。
本発明で用いる官能基含有含フッ素エチレン性重合体の好ましいものをつぎに
あげる。
(I)官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)0.05〜30モル%とテト
ラフルオロエチレン70〜99.95モル%との重合体(I)(反応性PTFE
)。
この重合体は摺動性(低摩擦性、耐摩耗性)のほか非粘着性、耐熱性、耐薬品
性が最も優れており、さらに防汚性を有する点で優れている。
(II)官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)を単量体の全量に対して0.
05〜30モル%含み、さらに該単量体(a)を除く単量体の全量に対して、テ
トラフルオロエチレン85〜99.7モル%と前記式(2):
CF2=CF−Rf 1 (2)
[Rf 1はCF3、ORf 2(Rf 2は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)から
選ばれる]
で示される単量体0.3〜15モル%との重合体(II)。
たとえば官能基を有するテトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニ
ルエーテル)重合体(反応性PFA)または官能基を有するテトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン重合体(反応性FEP)。
この重合体は前記(I)の反応性PTFEとほぼ同等の摺動性、非粘着性、耐
熱性、耐薬品性を有し、さらに透明性を有する点ならびに溶融成形可能であり、
塗料の形態で塗布しても熱により透明化および表面平滑化が可能な点で優れてい
る。
(III)官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)を単量体の全量に対して0
.05〜30モル%含み、さらに該単量体(a)を除く単量体の全量に対して、
テトラフ
ルオロエチレン40〜80モル%、エチレン20〜60モル%、その他の共重合
可能な単量体0〜15モル%との重合体(III)(官能基を有するエチレン−テ
トラフルオロエチレン重合体(反応性ETFE))。
この重合体は優れた摺動性に加えて耐熱性、非粘着性、耐候性をもち、透明性
に優れている点、さらに優れた機械的強度を有し、硬く強靭である点、ならびに
溶融流動性が優れているために成形加工や、他の基材との複合化(積層など)が
容易である点で優れている。
前記官能基含有含フッ素重合体は前述の官能基含有含フッ素エチレン性単量体
(a)と、官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)とを周知の重合方
法で共重合することによってうることができる。その中でも主としてラジカル共
重合による方法が用いられる。すなわち重合を開始するには、ラジカル的に進行
するものであれば手段は何ら制限されないが、たとえば有機、無機ラジカル重合
開始剤、熱、光あるいは電離放射線などによって開始される。重合の種類も溶液
重合、バルク重合、懸濁重合、乳化重合などを用いることができる。また、分子
量は、重合に用いるモノマーの濃度、重合開始剤の濃度、連鎖移動剤の濃度、温
度によって制御される。生成する重合体の組成は、仕込みモノマーの組成によっ
て制御可能である。
以上に説明した官能基含有含フッ素エチレン性重合体は基材に適用するための
材料として種々の形態をとりうる。代表的には塗料用材料またはフィルム状材料
の形態があげられるが、成形品の形態としてもよい。
本発明の摺動性複合材においては、耐摩耗性を向上さ
せるために充填剤を含む層を特に最表面に設けるのが好ましい。
特に、塗料またはフィルムの形態にかかわらず、最表面層が前記官能基含有含
フッ素エチレン性重合体からなるばあい、機械的強度を改善、表面硬度を向上、
熱収縮率を低下させることによって、耐摩耗性を向上させるために前記最表而層
に充填剤を含めるのが好ましい。
このばあい、特に前記最表面層が反応性PTFE、反応性PFAもしくはFE
Pまたは反応性ETFEからなるばあいには、機械的強度を改善、表面硬度を向
上、熱時硬度を改善、熱収縮率を低下させることによって、耐摩耗性を向上させ
るために前記最表面層に充填剤を含めるのが好ましい。
さらに、前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体のみからなるプライマー層
またはフィルムを基材に設け、その上に最表面層として官能基を有しない含フッ
素エチレン性重合体からなる塗膜またはフィルムを設けるばあい、機械的強度を
改善、表面硬度を向上、熱収縮率を低下させることによって、耐摩耗性を向上さ
せるために前記最表面層に充填剤を含めるのが好ましい。
このばあい、特に前記最表面層がPTFE、PFA、FEPもしくはETFE
からなるばあいには、機械的強度を改善、表面硬度を向上、熱時硬度を改善、熱
収縮率を低下させることによって、耐摩耗性を向上させるために前記最表面層に
充填剤を含めるのが好ましい。
耐摩耗性を改善させる目的で混合する充填剤としては、ステンレス、鉄、ニッ
ケル、鉛、銅、金、銀、アルミニウム、モリブデン、希土類コバルト、ボロン繊
維に代表
される金属類や金属繊維、
カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、活性炭、炭素中空球、黒鉛、コー
クスに代表される炭素類、
シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ス
ズ、酸化アンチモンなどに代表される酸化物類、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水酸化物類、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛などの炭酸塩類、
硫酸カルシウム、セッコウ繊維、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、MOS(繊
維状の塩基性硫酸マグネシウム)などの硫酸塩類、
ガラス、ガラス中空球、ガラス繊維、タルク、マイカ、カオリン、ケイ酸カルシ
ウム、ウオラストナイト、ゾノトライト、PMF(スラグ繊維の1種でアルミノ
ケイ酸カルシウムとMgOとの混合物)、雲母などで代表されるケイ酸塩類、
ホウ酸アルミニウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウムなどのホウ酸塩類
、
チタン酸カリウム、チタン酸バリウムなどのチタン酸塩、窒化アルミニウム、窒
化ケイ素などの窒化物類、
炭化ケイ素、炭化チタンなどの炭化物、
二硫化モリブデン、三硫化モリブデン、二硫化タングステン、硫化亜鉛、硫化カ
ドミウムなどの硫化物類、
リン酸カルシウム、リン酸鉄などのリン酸塩類、
バリウムフェライト、カルシウムフェライト、ストロンチウムフェライトなどの
フェライト類などがあげられる。
これら無機充填剤の形状としては、繊維状、ウィスカー状、針状、粉末状、粒
状、ビーズ状などがあげられる。
また有機充填剤として、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、フェノール繊維
などの有機繊維、ポリイミド、フェノール樹脂、COPNA樹脂などの熱硬化性
樹脂などがあげられる。
その中でも、機械的特性(特に強度、弾性率)、寸法安定性と耐摩耗性の大幅
な向上と、導電性などの機能を与えうるカーボン繊維類、絶縁性を維持し、機械
的特性や寸法安定性や耐摩耗性の大幅な向上を可能とするガラス系充填剤、フッ
素樹脂の柔軟性やシール性を維持し、また成形品の表面平滑性を有し機械的強度
、寸法安定性および耐摩耗性の改善を可能とするウィスカー類、充填剤はそれ自
体が自己潤滑性を有し、組成物や成形品に潤滑性を与え摩擦係数を低下させる機
能を有する劈開性を有する無機充填剤、充填剤自体の硬度が低く、特に組成物を
使って摺動部品として用いたばあい、摺動面において相手材(軟質金属など)を
傷つけにくい性質をもち、かつ成形品に機械的特性、寸法安定性、耐摩耗性を与
えうる有機繊維類が好ましい。
本発明においては前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体を塗料の形態で基
材に適用し、摺動性複合材をうることができる。
本発明において、前記重合体を基材に塗料の形態で適用するばあい、水性分散
液、有機溶剤分散液、粉末(造粒物も含む)、オルガノゾル、オルガノゾルの水
性エマルジョンの形態をとりうる。これらのうち、環境および安全性の面から、
水性分散液または粉末(粉体塗料)の
形態で適用するのが好ましい。
なお、塗料は前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体が基材との接着性に優
れるという性質が発揮される形で適用されればよく、単層でもよく、またプライ
マー層として用いてもよい。
本発明における含フッ素塗料用水性分散液は、前記官能基含有含フッ素エチレ
ン性重合体の粒子を水中に分散させてなるものである。含フッ素重合体に官能基
を導入することによって水性分散液中の微粒子の分散安定性が向上し、貯蔵安定
性のよい塗料がえられ、さらに塗布後の被膜のレベリング性および透明性が向上
する。
また、官能基含有含フッ素エチレン性重合体としては、摺動性に加えて非粘着
性、耐熱性、防汚性を有する点から反応性PTFE(I)、耐熱性、透明性、非
粘着性を有する点から反応性PFAまたは反応性FEP(II)が好ましい。
前記水性分散液は0.01〜1.0μmの前記重合体の微粒子が、水中に、分
散された形態の組成物であるのが好ましい。一般にその中に分散安定化のための
界面活性剤が配合されていてもよい。また、水性分散液に摺動性や非粘着性、耐
熱性、耐薬品性、防汚性を著しく低下させない範囲で通常使用される顔料、界面
活性剤、消泡剤、粘度調整剤、レベリング剤などの添加物を配合することができ
る。
含フッ素塗料用水性分散液は、種々の方法で製造することができる。具体的に
はたとえば、
・懸濁重合法などでえられた官能基を有する含フッ素重合体の粉末を微粉砕し、
それを水性分散媒中へ、界面
活性剤によって均一に分散させる方法、
・乳化重合法により重合と同時に含フッ素水性分散液を製造し、必要に応じてさ
らに界面活性剤や添加剤を配合する方法
などかあげられるが、生産性や品質面(小粒径化や、均一粉径化)から、乳化重
合法により直接水性分散液を製造する方法が好ましい。
水性分散液の重合体濃度は目標とする膜厚、塗料の濃度、粘度、塗布方法など
により異なるか、通常、約5〜70重量%の範囲内で選べばよい。
塗装方法は特に限定されず、ハケ塗り法、スプレー法、ロールコート法などで
塗布後乾燥し、重合体の種類に応じ重合体の融点以上、分解温度以下の温度で焼
成すればよい。
また塗膜の膜厚は用途、目的、基材などによって適宜選択すればよく、たとえ
は約5〜200μm、好ましくは10〜100μmである。
本発明における粉体塗料は、前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体の粉末
からなるものである。
また、摺動性に加えて耐熱性、耐食性、耐薬品性、非粘着性を有する点から反
応性PFAまたは反応性FEP(II)が、非粘着性、加工性、透明性を有する点
から反応性ETFE(II)が好ましい。
含フッ素粉体塗料は粒径10μm〜1000μm、見かけ密度0.3〜1.2
g/ccの形状の粉末または粒状のものが好ましく用いられる。
この含フッ素粉体塗料には、摺動性や非粘着性、耐熱性などのフッ素樹脂の性
能を著しく低下させない範囲で、
たとえばカーボン粉末、酸化チタン、酸化コバルトなどの顔料、ガラス繊維、カ
ーボン繊維などの粉末、マイカなどの補強剤、アミン系酸化防止剤、有機イオウ
系化合物、有機スズ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、金属石ケンなどの
熱安定剤、レベリング剤、帯電防止剤などの添加剤を適宜配合できる。
含フッ素粉体塗料への前記添加剤の配合は、粉末状で混合(乾式)してもよい
し、スラリー状で混合(湿式)してもよいが、粉末の状態で行なうのが好ましい
。混合用機器としては、たとえばサンドミル、V型ブレンダー、リボン型ブレン
ダーなどの通常の混合機および粉砕機を使用することができる。
含フッ素粉体塗料の塗装は、一般に静電吹付、流動層浸漬、回転ライニングな
どの方法などにより行なったのち、重合体の種類に応じて重合体の融点以上、分
解温度以下の温度での焼成により良好な塗膜を形成することができる。
一般に静電粉体塗装のばあい、膜厚10〜200μm、回転ライニングのばあ
い、膜厚200〜1000μmの塗膜が形成される。
また、前記含フッ素塗料用材料に用いられる官能基含有含フッ素エチレン性重
合体は、その接着性を利用し、金属やガラスなどの基材の表面へ摺動性に優れた
官能基を有さないフッ素樹脂を被覆する際の良好な耐熱性を有する含フッ素塗料
用プライマー層としても用いることができる。えられる摺動性複合材は、基材上
に官能基含有含フッ素エチレン性重合体をプライマー層とし、官能基を有しない
フッ素樹脂をトップコート層とするものであ
る。もちろん、トップコート層として官能基含有含フッ素エチレン性重合体を用
いてもよい。
含フッ素塗料用プライマーは、前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体から
なる。
プライマーは、前述の含フッ素重合体と同様のものが具体的に利用でき、基材
の表面の種類や、プライマーを介して被覆する含フッ素重合体の種類(トップコ
ートの種類)などにより適宜選択される。一般に含フッ素塗料用プライマーは、
その上に被覆する含フッ素重合体の構造と同等の構造を有するものに官能基を含
んだものが好ましい。
この組合せは、プライマーに用いられる含フッ素重合体とその上に被覆される
含フッ素重合体との相溶性が良好なものであり基材の表面との接着性だけではな
くプライマー層とトップコート層との層間接着強度も良好なものとなりうる。ま
た、高温での使用においても、他の樹脂成分を加えたプライマーを用いたばあい
のように、重合体の熱収縮率の違いなどによる層間剥離やクラック、ピンホール
などをおこしにくい。また、そもそも塗膜全体が、含フッ素重合体で構成される
ため、透明性や鮮やかな着色を有する用途にも充分対応でき、さらに塗膜の最表
面に官能基を含まない含フッ素重合体層を形成しても、優れた摺動性、非粘着性
、耐熱性、耐薬品性および低摩擦性をより効果的に発揮することができる。
トップコート層に用いる官能基を含まない含フッ素重合体としては、PTFE
、PFA、FEP、ETFE、PVdF、VdF系共重合体などがあげられる。
含フッ素塗料用プライマーとしては具体的には、前記
官能基含有含フッ素エチレン性重合体を用いることができるが、基材をPTFE
て被覆するばあいは、反応性PTFE(I)、反応性PFAまたはFEP(II)
から選ばれるものをプライマーとして用いるのが好ましく、特に熱溶融性の反応
性PFAまたはFEP(II)をプライマーに用いるのが、焼成により基材の表面
に強固に熱溶融させて接着させることができより好ましい。基材をPFAやFE
Pで被覆するばあいは反応性PFAまたはFEP(II)をプライマーに用いるの
が好ましい。さらに基材をETFEで被覆するばあい、特に反応性ETFE(II
)をプライマーに用いるのが、接着性、透明性の点から好ましい。
プライマー層を利用する被覆方法としては、
(第1工程)前記官能基を有する含フッ素重合体からなる含フッ素塗料用プライ
マーを基材の表面に塗布する工程、
(第2工程)第1工程て形成されたプライマー層上に、官能基を有さないまたは
有する含フッ素重合体からなる含フッ素塗料を塗布する工程、
(第3工程)第1工程と第2工程でえられた積層体を焼成する工程
の大きく3つの工程からなる含フッ素重合体の被覆方法を好ましく用いるこがで
きる。さらに第1工程で塗布されたプライマー層は、80〜150℃、5〜30
分間程度かけて指触乾燥し、つぎの第2工程に進め(2コート1ベーク)てもよ
いし、プライマー層をたとえば溶融温度以上の高温で焼成したのち、第2工程に
進め(2コート2ベーク)てもよい。
第1工程においてプライマーの塗布方法は、プライマー
の形態に応じて適宜選択され、たとえば含フッ素プライマーが水性分散液の形態
のばあい、スプレーコーティング、スピンコーティング、はけ塗り、ディッピン
グなどの方法が用いられる。また、粉体塗料の形態のばあいは静電塗装法、流動
浸漬法、回転ライニング法などの方法が用いられる。
プライマー層の厚さは、目的、用途、基材の表面の種類、塗装の形態により異
なってよいが、1〜50μm、好ましくは2〜20μmである。このようにプラ
イマーは一般に低膜厚であるため、プライマーは水性分散体の形態としスプレー
塗装などにより塗布することが好ましい。
第2工程のプライマー層上への官能基を含まないまたは含む含フッ素重合体か
らなる塗料の塗装方法は、含フッ素重合体の種類や塗料の形態、目的や用途によ
り適宜選択され、たとえば水性分散液や有機溶剤分散液などのばあい、一般にス
プレー塗装、はけ塗り、ロールコート、スピンコーティングなどが通常行なわれ
、粉体塗料のばあいは静電塗装、流動浸潰法、回転ライニング法などの方法で塗
装される。
この工程での含フッ素重合体の塗装塗膜は、摺動性複合材の用途や塗装方法に
より全く異なるが、一般にスプレー塗装などによる5〜50μm、好ましくは1
0〜30μm程度であり、粉体塗料を用いた厚膜化を目標とするばあい、静電塗
装法で20μm〜2000μm、回転ライニング法により0.3〜10mmの膜
厚の被覆が可能である。
第3工程の焼成条件は、プライマー層、その上のトッ
プ層の含フッ素重合体の種類(組成、融点など)により適宜選択されるが、一般
に両者の含フッ素重合体の融点以上の温度で焼成される。焼成時間は、焼成温度
により異なるが5分間〜3時間、好ましくは10〜30分間程度である。たとえ
ばPTFE、PFA、FEPなどを被覆するばあいは、320〜400℃、好ま
しくは350〜400℃で焼成される。
本発明の基材に塗料の形態で適用してえられる摺動性複合材は、耐摩耗性を向
上させるため、塗膜中に充填剤を混合してもよい。
充填剤を混合した塗膜は、用途や加工法によって異なるが、一般的に最表面に
設けて、本発明の複合材の耐摩耗性をより改善させる。つまり、たとえば前述し
た官能基含有含フッ素重合体からなる粉体塗料や水性ディスパージョンなどの塗
料を基材に塗布して摺動性複合材をうるばあい、上記官能基含有含フッ素重合体
からなる粉体塗料やディスパージョンに充填剤を混合し塗布することで最表面に
耐摩耗性を改善した被膜をうることができる。
また、たとえば前述した官能基含有含フッ素重合体からなる塗料をプライマー
として利用し、その上に官能基を有しない含フッ素重合体(PTFE、PFA、
FEP、ETFEなど)からなる塗料を塗布するばあい、少なくともトップ層を
えるための、官能基を有しない含フッ素重合体からなる塗料に充填剤を混合し、
塗布し、被膜を形成することによって、耐摩耗性を改善させることができる。
耐摩耗性を改善させる目的で塗料に混合する充填剤としては、前記と同様のも
のを用いることができる。
つぎに、前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体をフィルムの形態で適用し
、摺動性複合材を作製する技術について説明する。
フィルムの形態で適用する利点は、つぎのとおりである。
官能基含有含フッ素エチレン性重合体からなるフィルムは、ホットメルト型接
着剤には必須のアプリケーターを必要とせず基材の上またはあいだに挟み込み熱
圧着することにより接着でき、工程的にも有利である。
また、基材の全面に均一な接着層を形成するため、接着むらのない均一な接着
強度がえられ、相溶性のないまたはわるい基材にも対応できる。
さらに、種々の形状にカットして使用でき、作業ロスが少なく作業環境もよく
、コスト的にも有利である。
本発明の含フッ素重合体フィルムは、前記官能基含有含フッ素エチレン性重合
体を成形してなる含フッ素重合体フィルムであるのがよく、表面処理や一般の接
着剤の使用を行なわなくとも、他の種々の基材と接着させることができ、それに
よって基材に含フッ素重合体の優れた特性を与えうる。
前記官能基含有含フッ素重合体のなかから、摺動性複合材の目的やフィルム製
造工程、接着方法に応じて種々の接着剤を用いた接着性フィルムの製造か可能で
あるが、接着性フィルム自体か摺動性のほか非粘着性、耐熱性、耐薬品性、機械
特性などを有すること、溶融成形などに代表される効率的なフィルム成形が可能
であり、良好な成形性をもち、薄膜化や均一化が可能であること、また種々の熱
圧着法により溶融し、種々の基材に強固に、き
れいに接着させることができること、などの理由で、前記共重合体(II)(反応
性PFAまたは反応性FEP)または前記共重合体(II)(反応性ETFE)が
好ましい。また、官能基としては、耐熱性の点から特にヒドロキシル基が好まし
い。
含フッ素重合体フィルムの厚さは、摺動性複合材の用途により選択され、特に
限定されないが、10〜3000μmのものが用いられ、好ましくは20〜50
0μm、特に好ましくは40〜300μmである。
薄すぎるフィルムは、特殊な製造方法が必要であったり、接着操作を行なうと
きの取扱いが困難でしわや破損、外観不良が起こりやすく、また接着強度、機械
的強度、耐薬品性、耐候性の点でも不充分となるばあいがある。厚すぎるフィル
ムはコスト、接合して一体化するときの作業性の点で不利となる。
本発明において含フッ素重合体フィルムは単独で使用してもよいし、前述の官
能基を有する含フッ素エチレン性重合体フィルム(接着層)と官能基を有さない
または有する含フッ素エチレン性重合体フィルム(表面層)とを積層してなる含
フッ素重合体積層フィルムの形で適用することもできる。
つまり、一面は、官能基含有含フッ素エチレン性重合体からなる層により、他
の基材との接着性を与え、もう一方の面は、一般の含フッ素重合体からなる層と
する。前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体の面を基材に接触させ、熱圧着
などの操作により接着させることにより、含フッ素重合体の優れた摺動性、非粘
着性、低摩擦性、耐候性、耐薬品性、電気特性(高周波電気絶縁性)
などの優れた特性を複合材に与えうる。
本発明における2層からなる含フッ素重合体積層フィルムの厚さは、摺動性複
合材の用途により選択され、特に限定されないが、2層合わせて20〜5000
μm、好ましくは40〜1000μm、特に好ましくは100〜500μmであ
る。
各層の厚さは、接着層5〜1000μm、含フッ素重合体層(表面層)15〜
4995μm程度のものが使用でき、好ましくは接着層10〜500μm、表面
層30〜990μm、特に好ましくは接着層10〜200μm、表面層90〜4
90μmである。
なお、接着層用のフィルムを基材に接着したのち、表面層用のフィルムを被覆
してもよい。
官能基含有含フッ素重合体フィルム中に、特性を損なわない範囲で適当な補強
剤、充填剤、安定剤、紫外線吸収剤、顔料その他適宜添加剤を含有せしめること
も可能である。かかる添加剤によって、熱安定性、表面硬度、耐摩耗性、耐候性
、帯電性、その他特性をさらに向上させることも可能である。
本発明における含フッ素重合体フィルムは、それに用いた重合体の種類や、目
的となるフィルムの形状により、熱溶融法、押出法、切削法、溶剤キャスティン
グ、粉体、水性または有機溶剤分散体を塗装したのち連続した皮膜とし、フィル
ムをうる方法など種々の製法によりうることができる。
たとえば、前述の反応性PTFEからなる溶融成形が困難な重合体は、圧縮成
形、押出成形(ラム押出、ペースト押出と圧延加工など)などにより成形でき、
また、
反応性のPFA、FEP、ETFEなどのように溶融成形可能な重合体において
は、圧縮成形、押出成形などが採用され、特に生産性、品質面などの理由から溶
融押出成形が好ましい方法である。
積層フィルムの接合一体化は、接着層用と表面層用のそれぞれの成形フィルム
を重ね合わせて圧縮成形する方法、また一方の成形フィルム上に他方を塗装する
方法、多層共押出成形法により、フィルム成形と同時に接合一体化を達成する方
法などが採用でき、なかでも生産性や品質面で多層共押出成形法が好ましい。
官能基含有含フッ素重合体フィルムの基材との接着は、加熱などによる熱活性
化によって達成され、さらには熱溶融接着が好ましい。代表的な接着方法として
熱ロール法や、熱プレス法であり、その他、高周波加熱法、マイクロ法、真空圧
着法(真空プレスなど)、空気圧法などがあり、基材の種類や形状やフィルムの
状態と種類などによって適宜選択できる。
本発明の基材にフィルムの形態で適用してえらえる摺動性複合材は、特に耐摩
耗性を向上させるため、充填剤を混合した層を設けてもよい。充填剤を混合した
層は、用途や加工法によって異なるが、一般的に最表面に設けて、本発明の複合
材の耐摩耗性をより改善させる。
つまり、たとえば前述した官能基含有含フッ素重合体からなるフィルムを単独
で被膜するばあい、官能基含有含フッ素重合体フィルムに充填剤を混合し、被膜
することによって耐摩耗性の改善が可能となり、また、たとえば、官能基含有含
フッ素重合体からなるフィルムを接着層とし、さらにその上に官能基を有さない
含フッ素重合
体(PTFE、PFA、FEP、ETFEなど)フィルムまたはシートを積層し
た摺動性複合材をうるばあい、少なくとも、表面層の官能基を含まない含フッ素
重合体からなるフィルムに充填剤を混合し、積層することによってさらに耐摩耗
性の改善した摺動性複合材をうることができる。
耐摩耗性を改善させる目的にフィルムに混合する充填剤としては前記と同様の
ものを用いることができる。
前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体が接着可能な基材としては、金属系
基材、セラミックス系基材、合成樹脂系基材があげられる。
金属系基材の金属には金属および2種以上の金属による合金類、金属酸化物、
金属水酸化物、炭酸塩、硫酸塩などの金属塩類も含まれる。そのなかでも金属お
よび金属酸化物、合金類が接着性においてより好ましい。
金属系基材の具体例としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、チタン、モリブ
テン、マグネシウム、マンガン、銅、銀、鉛、スズ、クロム、ベリリウム、タン
グステン、コバルトなど金属や金属化合物およびこれらの2種以上からなる合金
類などがあげられる。
合金類の具体例としては炭素鋼、Ni鋼、Cr鋼、Ni−Cr鋼、Cr−Mo
鋼、ステンレス鋼、ケイ素鋼、パーマロイなどの合金鋼、Al−Cl、Al−M
g、Al−Si、Al−Cu−Ni−Mg、Al−Si−Cu−Ni−Mgなど
のアルミニウム合金、黄銅、青銅(ブロンズ)、ケイ素青銅、ケイ素黄銅、洋白
、ニッケル青銅などの銅合金、ニッケルマンガン(Dニッケル)、ニッケル−ア
ルミニウム(Zニッケル)、ニッケル−ケイ素、モネル
メタル、コンスタンタン、ニクロムインコネル、ハステロイなどのニッケル合金
などがあげられる。
さらにアルミニウム系金属については、純アルミニウム、アルミニウムの酸化
物、Al−Cu系、Al−Si系、Al−Mg系およびAl−Cu−Ni−Mg
系、Al−Si−Cu−Ni−Mg系合金、高力アルミニウム合金、耐食アルミ
ニウム合金などの鋳造用または展伸用のアルミニウム合金を用いることができる
。
さらにまた鉄系金属としては、純鉄、酸化鉄、炭素鋼、Ni鋼、Cr鋼、Ni
−Cr鋼、Cr−Mo鋼、Ni−Cr−Mo鋼、ステンレス鋼、ケイ素鋼、パー
マロイ、不感磁性鋼、磁石鋼、鋳鉄類などを用いることができる。
また、金属の腐食防止などを目的として、金属表面に電気メッキ、溶融メッキ
、クロマイジング、シリコナイジング、カロライジング、シェラダイジング、溶
射などを施して他の金属を被膜したり、リン酸塩処理によりリン酸塩被膜を形成
させたり、陽極酸化や加熱酸化により金属酸化物を形成させたり、電気化学的防
食を施した基材へも接着できる。
さらに、接着性をさらに向上させることを目的として、金属基材表面をリン酸
塩、硫酸、クロム酸、シュウ酸などによる化成処理を施したり、サンドブラスト
、ショットブラスト、グリットブラスト、ホーニング、ペーパースクラッチ、ワ
イヤースクラッチ、ヘアーライン処理などの表面粗面化処理を施してもよく、意
匠性を目的として、金属表面に、着色、印刷、エッチングなどを施してもよい。
また、さらに上記アルミニウムまたはアルミニウム合
金系基材のばあい、その表面に防食、表面硬化、接着性の向上などを目的に、苛
性ソーダ、シュウ酸、硫酸、クロム酸を用いた陽極酸化を行なって酸化皮膜を形
成させたもの(アルマイト)や、その他前述の表面処理を施したものも用いるこ
ともできる。
さらに前述と同様に、表面に他の金属をメッキしたもの、たとえば溶融亜鉛メ
ッキ鋼板、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、亜鉛ニッケル
メッキ鋼板、亜鉛アルミニウム鋼板など、浸透法、溶射法により他の金属を被膜
したもの、クロム酸系やリン酸系の化成処理または加熱処理により酸化被膜を形
成させたもの、電気的防食法を施したもの(たとえばガルバニック鋼板)などで
もよい。
セラミックス系基材としては、たとえばガラス類、陶器、磁器などがあげられ
る。
ガラス類は特に組成は限定されず、石英ガラス、鉛ガラス、無アルカリガラス
、アルカリガラスなどがあげられる。
合成樹脂系基材としては、たとえばアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリプ
ロピレン、耐熱性エンジニアリングプラスチック、熱硬化性樹脂などがあげられ
る。
本発明の摺動性複合材の基材としては、前記の基材のすべてが採用できるが、
特に金属系基材で多く使用されるものとしては、たとえば
冷延鋼板、
メッキ鋼板、たとえば、Znメッキ鋼板あるいはZn合金メッキ鋼板、Alメ
ッキ鋼板あるいはAl合金メッキ鋼板、Crメッキ鋼板(TFS)、Niメッキ
鋼板、
Cuメッキ鋼板、ガルバニウム鋼板など、
アルミニウム板、
チタン板、
ステンレス板、
などのものがあげられる。
そのほか、透明性が要求される部分にセラミックス系基材のガラス類、透明合
成樹脂系基材のアクリル樹脂やポリカーボネートなどが通常使用されている。
なお、摺動性複合材を用いる最終製品のなかには、塗膜などを形成したのち、
加工することが困難なものがあるため、そのようなばあいは基材を最終製品の形
状としておくのが好ましい。
本発明の摺動性複合材に用いる官能基を有する含フッ素重合体は、金属やガラ
スなどに良好な接着性を有することから、積層体の形態とするのが好ましい。摺
動用途として特に好ましい積層体の具体例としては、
a)アルミニウム、ステンレスなどの金属類から選ばれるもの、
b)反応性PFA、反応性FEP、反応性PTFEから選ばれるものからなる
層、
c)カーボン繊維を1〜40重量%混合したPTFEまたはPFAからなる層
からなる積層体であって、b)層がa)とc)との接着層を形成することを特徴
とする積層体が、特に耐摩耗性、耐荷重特性、曲げなどの後加工性に優れている
点で好ましく、軸受、メカニカルシール、ベアリングパットなどの用途に好まし
い。
a)アルミニウム、ステンレスなどの金属類から選ば
れるもの、
b)反応性PFA、反応性FEP、反応性PTFEから選ばれるものからなる
層、
c)ガラス繊維を1〜30重量%混合したPTFEまたはPFAからなる層
からなる積層体であってb)がa)とc)の接着層を形成することを特徴とする
積層体が、耐摩耗性に優れている点で好ましく、ベアリング、ガスケット、バル
ブディスクとして好ましく用いられる。
a)アルミニウム、ステンレスなどの金属類から選ばれるもの、
b)反応性PFA、反応性FEP、反応性PTFEから選ばれるものからなる
層、
c)グラファイトを5〜40重量%混合したPTFEまたはPFAからなる層
からなる積層体であって、b)層がa)とc)との接着層を形成することを特徴
とする積層体が、初期摩耗、摩耗係数が小さく、耐コールドフロー性が良く、熱
伝導性に優れている点で、またさらに耐薬品性に優れている点で好ましい。
a)アルミニウム、ステンレスなどの金属類から選ばれるもの、
b)反応性PFA、反応性FEP、反応性PTFEから選ばれるものからなる
層、
c)ブロンズを10〜80重量%混合したPTFEまたはPFAからなる層
からなる積層体であって、b)がa)とc)との接着層を形成することを特徴と
する積層体が、高硬度で、圧縮
強さ、熱伝導性に優れている点で好ましく、橋梁支承、ゲート軸受などの建造物
用途などに適している。
a)アルミニウム、ステンレスなどの金属類から選ばれるもの、
b)反応性PFA、反応性FEP、反応性PTFEから選ばれるものからなる
層、
c)芳香族ポリエステル類(特に高融点または非溶融性の全芳香族ポリエステ
ル類)を1〜40重量%混合したPTFEまたはPFAからなる層
からなる積層体であって、b)がa)とc)との接着層を形成することを特徴と
する積層体が、相手材を傷つけにくく、軟質金属が相手材であっても傷つけにく
い点で好ましく、軟質金属向け軸受に適している。
a)アルミニウム、ステンレスなどの金属類から選ばれるもの、
b)反応性PFA、反応性FEP、反応性PTFEから選ばれるものからなる
層、
c)ガラス繊維5〜30重量%、グラファイト1〜10重量%を混合したPT
FEまたはPFAからなる層
からなる積層体であって、b)がa)とc)との接着層を形成することを特徴と
する積層体が、耐摩耗性に加え耐コールドフロー性が優れている点で好ましく、
ピストンリングなどに好ましく用いられる。
a)アルミニウム、ステンレスなどの金属類から選ばれるもの、
b)反応性PFA、反応性FEP、反応性PTFEから選ばれるものからなる
層、
c)ガラス繊維5〜30重量%、二硫化モリブデン1
〜10重量%を混合したPTFEまたはPFAからなる層
からなる積層体であって、b)がa)とc)との接着層を形成することを特徴と
する積層体が、耐摩耗性、耐コールドフロー性に優れ、加えて引張強度、伸ひが
大きく、電気絶縁性が良好である点で好ましく、特にテープライナー方式の軸受
などに適している。
従来、フッ素樹脂のみ、またはフッ素樹脂と充填剤からなる組成物単体を金属
に積層してなるものは、機械的特性、クリープ性、耐摩耗性などが不充分であっ
たが、これら〜の積層体からなる摺動性複合材は、機械的強度などを改善で
き、大型の摺動部品などにも適応できる点で好ましい。また、金属表面に摺動性
を付与したいばあいにも、用途や目的、相手材などに応じて、〜などに例示
した積層体が容易にうることができる点で好ましい。
本発明における複合材は、第1に表面の官能基含有含フッ素重合体(A)が優
れた摺動性をもっていることから、第2に官能基含有含フッ素重合体(A)が良
好な接着性をもって基材に適用されていることから、第3に官能基含有含フッ素
重合体(A)が良好な非粘着性、防汚性、透明性(意匠性)、耐熱性、撥水撥油
性などを有することから、各種機器や器具、材料に用いることができる。
本発明の摺動性複合材を用いることのできる好適な機器や器具、部材、部品お
よびそれらの部分を以下に具体的に分野別に列挙するが、これらのみに限られる
ものではない。
[1]OA関連機器
OA関連機器は紙送りの高速化か進み、摺動性を必要とする部品も多い。以下
、それらの代表例をあげるが、これらのみに限られるものではない。
分離爪および定着軸受け(表面)
基材:耐熱性樹脂(たとえばポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド
、ポリエーテルイミド、ポリオキシメチレン(POM)またはポリエーテルエー
テルケトン(PEEK)など)からなるもの
官能器含有含フッ素重合体:反応性PTFE、反応性PFA、FEP
適用形態:塗料
本発明の複合材を用いると、トナーによる汚れを防止できるほか、耐摩耗性、
紙送り性に優れ、ロールを傷付けにくい分離爪および低摩擦性、耐摩耗性、耐熱
性に優れた定着軸受けをうることができ、官能基含有含フッ素重合体が接着性に
優れることからプライマー層を必要とせず製造加工性にも優れる。
排紙コロおよび排紙ガイド
基材:樹脂(たとえばポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリ
エーテルイミド、POMまたはPEEKなど)からなるもの
官能器含有含フッ素重合体:反応性PTFEまたは反応性PFAもしくはFE
P
適用形態:塗料
本発明の複合材を用いると、トナーによる汚れを防止できるほか、耐摩耗性に
優れる排紙コロおよび排紙ガイ
ドをうることができ、官能基含有含フッ素重合体が接着性に優れるためにプライ
マー層を必要とせず製造加工性にも優れる。
[2]家電製品
家電製品についても耐摩耗性などを含む摺動性が要求される部位(部品)など
がある。以下、各家電製品について、摺動性に加えて奏される効果に触れつつ例
示する。したがって本発明はこれら部品および家電製品にも関する。
アイロン
適用箇所:加熱面
基材:SUS、鋼板
官能基含有含フッ素重合体:反応性PTFE、反応性PFA
適用形態:塗料、フィルム
これらにおいては、本発明の複合材のもつ耐熱性、加工性、意匠性を特に効果
的に利用することができる。
[3]住宅設備機器
住宅設備機器についても、使用時の取扱い易さなどの要請により、耐摩耗性、
低摩擦性を含む摺動性が要求される部位(部品)などがある。以下、それら住宅
設備機器およびその部位について、摺動性に加えて奏される効果に触れつつ例示
する。したがって本発明はこれら住宅設備機器およびその部位(部品)にも関す
る。
エスカレーター
適用箇所:スカート部の表面(巻き込み防止)
基材:SUS、鋼板
官能基含有含フッ素重合体:反応性PTFE、反応性
PFA、FEP
適用形態:塗料、フィルム
これらにおいては、本発明の複合材のもつ加工性、意匠性、耐候性を特に効果
的に利用することができる。
[4]自動車
自動車用のエンジン、ギアなど耐熱、耐薬品性を必要とする部位(部品)が数
多くある。
ロータリーエンジン
適用箇所:内壁
基材:アルミニウム、鋼板
官能基含有含フッ素重合体:反応性PTFE、反応性PFA、FEP
適用形態:塗料
これらにおいては、本発明の複合材のもつ加工性、耐熱性、非粘着性、防汚性
を特に効果的に利用することができる。
ピストン、ピストンリング
適用箇所:表面
基材:アルミニウム、鋼板
官能基含有含フッ素重合体:反応性PTFE、反応性PFA、FEP
適用形態:塗料
これらにおいては、本発明の複合材のもつ加工性、耐熱性を特に効果的に利用
することができる。
スロットルシャフト
適用箇所:表面
基材:アルミニウム、鉄系金属
官能基含有含フッ素重合体:反応性PTFE、反応性
PFA、FEP
適用形態:塗料
これらにおいては、本発明の複合材のもつ加工性、耐熱性を特に効果的に利用
することができる。
その他ステアリング、ヒンジピン、各種ギア、ブレーキシュー、ベアリングテ
ナーなどの表面に塗料などの形態で塗布し摺動性を付与できる。
[5]土木、建策、建材
ビルや橋梁などの大型建造物の支柱、基盤などの可動支承の用途に、特に高荷
重で低速度の移動に対する摺動性が求められて用途に利用が可能である。
道路の高架橋、橋梁などの基礎部分
適応箇所:ベアリングパット
基材:鉄
官能基含有含フッ素重合体:反応性PTFE、反応性PFA、FEP
適用形態:塗料、フィルム
金属との積層体とすることで特に高荷重の耐久性に優れ、低摩擦性、耐摩耗性
をより効果的に利用できる。
住居、ビルの免振用途
適応箇所:基礎、支柱の案内(ガイド)部分
基材:鉄、ステンレス
官能基含有含フッ素重合体:反応性PTFE、反応性PFA、FEP
適用形態:塗料、フィルム
高荷重、低速度の移動(震動)に対する摺動性、耐久性に優れ、地震や強風な
どに対する免振対策として、より効果的に利用できる。
プラントなどの配管類のサポート
適応箇所:配管を固定するサポートの配管との接触面
基材:鉄、ステンレス類
官能基含有含フッ素重合体:反応性PTFE、反応性PFA、FEP
適用形態:塗料、フィルム
金属などの配管の固定に用い、気温や流通物の温度変化にともなう配管自体の
膨張、収縮に追随できる点で好ましく利用できる。
[6]その他
ボルトナット
適用箇所:表面
基材:鉄
官能基含有含フッ素重合体:反応性PTFE、反応性PFA、FEP
適用形態:塗料
これらにおいては、本発明の複合材のもつ加工性、防錆性、耐薬品性、低トル
ク施工性を特に効果的に利用することができる。
ハサミ、ノコリギ、包丁などの刃物
適用箇所:刃表面
基材:鉄
官能基含有含フッ素重合体:反応性PTFE、反応性PFA、FEP
適用形態:塗料
これらにおいては、本発明の複合材のもつ非粘着性、防汚性、加工性、低荷重
での切断性を特に効果的に利用することができる。
ポンプ部品
適用箇所:プランジャー内面・表面、ギア表面
基材:アルミニウム、鉄
官能基含有含フッ素重合体:反応性PTFE、反応性PFA、FEP
適用形態:塗料、フィルム
これらにおいては、本発明の複合材のもつ耐薬品性、加工性、耐摩耗性を特に
効果的に利用することができる。
エアコン部品(カーエアコン、ルームエアコンなど)
適用箇所:ピストンリング
基材:アルミニウム、鉄
官能基含有含フッ素重合体:反応性PTFE、反応性PFA、FEP
適用形態:塗料
これらにおいては、本発明の複合材のもつ加工性、耐薬品性などを特に効果的
に利用することができる。
その他、自動車販売機部品、カメラ部品、医薬機器部品(胃カメラ部品など)
、時計部品、農機具部品、機械工業用無給油軸受類などに用いることができる。
実施例
つぎに製造例、実施例をあげて本発明の摺動性複合材について説明するが、本
発明はこれらの実施例のみに限られるものではない。
製造例1
(ヒドロキシル基を有するPFAからなる水性分散体の製造)
撹拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた3リッ
トルガラスライニング製オートクレーブに純水1500ml、パーフルオロオク
タン酸アンモニウム9.0gを入れ、窒素ガスで充分置換したのち、真空にし、
エタンガス20mlを仕込んだ。
ついで、パーフルオロー(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビスト
リフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7))
の3.8g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)18g、を
窒素ガスを用いて圧入し、系内の温度を70℃に保った。
撹拌を行ないながらテトラフルオロエチレンガス(TFE)を内圧が8.5k
gf/cm2Gとなるように圧入した。
ついで、過硫酸アンモニウム0.15gを水5.0gに溶かした溶液を窒素を
用いて圧入して反応を開始した。
重合反応の進行に伴って圧力が低下するので、7.5kgf/cm2Gまで低
下した時点でテトラフルオロエチレンガスで8.5kgf/cm2まで再加圧し
、降圧、昇圧を繰り返した。
テトラフルオロエチレンの供給を続けながら、重合開始からテトラフルオロエ
チレンガスが約40g消費されるごとに、前記のヒドロキシル基を有する含フッ
素エチレン性単量体(前記式(7)で示される化合物)の1.9gを計3回(計
5.7g)圧入して重合を継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが約1
60g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷却し、未反応
モノマーを放出し、青みかかった半透明の水性分散体1702gをえた。
えられた水性分散体中のポリマーの濃度は10.9%、動的光散乱法で測定し
た粒子径は70.7nmであった。
また、えられた水性分散体の一部をとり凍結凝析を行ない、析出したポリマー
を洗浄、乾燥し白色固体を単離した。えられた共重合体の組成は、19F−NMR
分析、IR分析により、TFE/PPVE/(式(7)で示されるヒドロキシル
基を有する含フッ素エチレン性単量体)=97.7/1.2/1.1モル%であ
った。
また赤外スペクトルは3620〜3400cm-1に−OHの特性吸収が観測さ
れた。
DSC分析により、Tm=310℃、DTGA分析により1%熱分解温度Td
=368℃であった。高化式フローテスターを用いて2mm、長さ8mmのノズ
ルを用い、372℃で予熱5分間、荷重7kgf/cm2でメルトフローレート
を測定したところ12.0g/10minであった。
製造例2
(ヒドロキシル基を有するPFAからなる水性分散体の製造)
製造例1と同じオートクレーブに純水1500ml、パーフルオロオクタン酸
アンモニウム9.0gを入れ、窒素ガスで充分置換したのち真空にし、エタンガ
ス20mlを仕込んだ。
ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビスト
リフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7)の化合物)
1.9g、
パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)16.1gを窒素ガスを
用いて圧入し系内の温度を70℃に保った。
撹拌を行いながらテトラフルオロエチレン(TFE)を内圧8.5kgf/c
m2Gとなるように圧入した。
ついで、過硫酸アンモニウム0.15gを水5.0gに溶かした溶液を窒素を
用いて圧入して反応を開始した。
重合反応の進行に伴って圧力が低下するので、7.5kgf/cm Gまで低
下した時点で、テトラフルオロエチレンガスで8.5kgf/cm2Gまで再加
圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
テトラフルオロエチレンの供給を続けながら重合開始からテトラフルオロエチ
レンガスが40g消費されるごとに、前記のヒドロキシル基を有する含フッ素エ
チレン性単量体(式(7)で示される化合物)の0.95gを計3回(計2.8
5g)を圧入して重合を継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが160
g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出
した。水性分散体1692gをえた。えられた水性分散体中のポリマーの濃度は
10.6%、粒子径は76.8nmであった。
製造例1と同様にして、水性分散体の一部をとり白色固体を単離した。
同様にしてえられた白色固体を分析したところ、
TFE/PPVE/(式(7)のヒドロキシル基を有する含フッ素単量体)=
98.3/1.1/0.6モル%
Tm=310℃
1%熱分解温度Td=374℃
メルトフローレート:9.5g/10min
なお、赤外スペクトルは3620〜3400cm-1に−OHの特性吸収が観測
された。
製造例3
(官能基を有さないPFAの水性分散体の合成)
製造例1において、パーフルオロ−(1、1、9、9−テトラハイドロ−2,
5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7)
で示される化合物)を用いなかったこと以外は、製造例1と同様にして乳化重合
を行い、官能基を含まないPFAの水性分散体1662gをえた。
水性分散対中のポリマーの濃度は9.7%、粒子径は115nmであった。
製造例1と同様に白色固体を単離し、分析した。
TFE/PPVE=98.9/1.1mol%
Tm=310℃
1%熱分解温度Td=479℃
メルトフローレート=19.2g/10min
なお赤外スペクトルでは−OHの特性吸収は観測されなかった。
製造例4
(ヒドロキシル基を有するPFAの合成)
撹拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた6リットルのガラスライニング
製オートクレーブに純水1500mlを入れ、窒素ガスで充分置換したのち、真
空にし、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−11
4)1500gを仕込んだ。
ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビスト
リフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式7て示される化合
物)の5.0g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)130
g、メタノール180gを窒素ガスを用いて圧入し、系内の温度を35℃に保っ
た。
撹拌を行ないながらテトラフルオロエチレンガス(TFE)を内圧が8.0k
gf/cm2Gとなるように圧入した。ついで、ジ−n−プロピルパーオキシジ
カーボネートの50%メタノール溶液0.5gを窒素を用いて圧入して反応を開
始した。
重合反応の進行に伴って圧力が低下するので、7.5kgf/cm2Gまで低
下した時点でテトラフルオロエチレンガスで8.0kgf/cm2まで再加圧し
、降圧、昇圧を繰り返した。
テトラフルオロエチレンの供給を続けながら、重合開始からテトラフルオロエ
チレンガスが約60g消費されるごとに、前記のヒドロキシ基を有する含フッ素
エチレン性単量体(前記式(7)で示される化合物)の2.5gを計9回(計2
2.5g)圧入して重合を継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが約6
00g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷却し、未反応モノマーお
よびR−114を放出した。
えられた共重合体を水洗、メタノール洗浄を行なったのち、真空乾燥すること
により710gの白色固体をえた。えられた共重合体の組成は19F−NMR分
析、IR分析によりTFE/PPVE/(式(7)で示されるヒドロキシ基を有
する含フッ素エチレン性単量体)=97.
0/2.0/1.0モル%であった。また、赤外スペクトルは3620〜340
0cm-1に−OHの特性吸収が観測された。DSC分析によりTm=305℃、
DTGA分析により1%熱分解温度Td=375℃であった。高化式フローテス
ターを用いて直径2mm、長さ8mmのノズルを用い、372℃で予熱5分間、
荷重7kgf/cm2でメルトフローレートを測定したところ32g/10mi
nであった。
製造例5
(ヒドロキシル基を有するPFAの合成)
撹拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた6リットルのガラスライニング
製オートクレーブに純水1500mlを入れ、窒素ガスで充分置換したのち、真
空にし、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−11
4)1500gを仕込んだ。
ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9−テトラハイドロ−2, 5−ビス
トリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7))を2.
5g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)を132g、メタ
ノールを230gとした以外は製造例4と同様にして反応を開始し、温度を35
℃に保った。
撹拌を行ないながらテトラフルオロエチレンガス(TFE)を内圧が8.0k
gf/cm2Gとなるように圧入した。ついで、ジ−n−プロピルパーオキシジ
カーボネートの50%メタノール溶液0.5gを窒素を用いて圧入して反応を開
始した。
重合反応の進行に伴って圧力が低下するので、7.5kgf/cm2Gまで低
下した時点でテトラフルオロエチレン
ガスで8.0kgf/cm2まで再加圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
さらに、重合開始からテトラフルオロエチレンガスが約60g消費されるごと
に圧入する前記のヒドロキシル基を有する含フッ素エチレン性重合体(前記式(
7)で示される化合物)の量を1.23gを計9回(計11.10g)とした以
外は製造例4と同様にして680gの共重合体の白色固体をえた。えられた共重
合体の組成は19F−NMR分析、IR分析によりTFE/PPVE/(式(7)
で示されるヒドロキシル基を有する含フッ素エチレン性単量体)=97.6/2
.0/0.4モル%であった。また、赤外スペクトルは3620〜3400cm-1
に−OHの特性吸収が観測された。DSC分析によりTm=310℃、DTG
A分析により分解開始温度368℃、1%熱分解温度Td=375℃であった。
高化式フローテスターを用いて直径2mm、長さ8mmのノズルを用い、372
℃で予熱5分間、荷重7kgf/cm2てメルトフローレートを測定したところ
42g/10minであった。
製造例6
(官能基を含まないPFAの合成)
製造例4において、パーフルオロ(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5
−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7)で
示される化合物)を用いないこと、さらにメタノールを240g使用すること以
外は、製造例4と同様にして合成を行ない、官能基を含まないPFA597gを
えた。
製造例4と同様にして、えられたPFAを分析したと
ころ
TFE/PPVE=98.2/1.8モル%
Tm=310℃
Td=469℃(1%重量減)
メルトフローレート=24g/10min
であった。
製造例7
(ヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料の製造)
製造例4でえたヒドロキシル基を有するPFA粉末(見掛比重0.5、真比重
2.1、平均粒径600ミクロン)をローラーコンパクター(新東工業(株)製
BCS−25型)で幅60mm、厚さ5mmにシート状に圧縮した。つぎに解砕
機で約10mm径に解砕し、さらに粉砕機((株)奈良機械製作所製コスモマイ
ザーN−1型)を用いて、室温で11000rpmで微粉砕した。つぎに分級機
(新東京機械(株)製ハイボルダー300SD型)で170メッシュ(88ミク
ロン目開き)以上の粗粉子を取り除き、ヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料
をえた。その粉末の見掛密度は0.7g/ml、平均粒径20μmであった。
製造例8
(官能基を含まないPFA粉体塗料の製造)
製造例4でえたヒドロキシル基を有するPFA粉末にかえて製造例6でえた官
能基を含まないPFA粉末(見掛比重0.6、真比重2.1、平均粒径400ミ
クロン)を用いた以外は製造例7と同様にしてPFA粉体塗料を作成した。その
粉末の見掛密度は0.73g/ml、平均粒径20μmであった。
製造例9
(フッ素を有さない官能基含有単量体を用いた、含フッ素重合体の合成)
撹拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた1リットルのステンレス製オー
トクレーブに、酢酸ブチル250g、ピバリン酸ビニル(VPi)36.4g、
フッ素を有さないヒドロキシル基含有単量体として、4−ヒドロキシルブチルビ
ニルエーテル(HBVE)32.5g、イソプロポキシカルボニルパーオキサイ
ド4.0gを仕込み、0℃に氷冷し、窒素ガスで充填置換したのち真空にし、イ
ソブチレン(IB)47.5gとテトラフルオロエチレン(TFE)142gを
仕込んだ。
撹拌を行いながら40℃に加熱し、30時間反応させ、反応容器内圧力が2.
0kg/cm2以下に下がった時点で反応を停止した。オートクレーブを冷却し
、未反応のガスモノマーを放出したところ、含フッ素重合体の酢酸ブチル溶液が
えられた。ポリマー濃度は45%であった。
えられた含フッ素重合体の酢酸ブチル溶液から、再沈法により含フッ素重合体
を取り出し、充分減圧および乾燥させることにより白色固体として単離した。1
H−NMR、19F−NMR元素分析によりえられた含フッ素重合体を分析したと
ころ、TFE/IB/VPi/HBVE=44/34/15/7モルからなる共
重合体であった。
製造例10
(ヒドロキシル基を有するPFAのフィルムの作製)
製造例4でえた白色固体8.0gを100mmφの金型に入れ350℃に設定
したプレス機にセットし予熱を
30分間行なったのち、70kg/cm2で1分間圧縮成形を行ない、厚さ0.
5mmのフィルムをえた。
製造例11
(ヒドロキシル基を有するPFAのフィルムの作製)
製造例5でえた白色固体を用いたこと以外は製造例10と同様にして厚さ0.
5mmのフィルムをえた。
製造例12
(官能基を含まないPFAのフィルムの作製)
製造例6でえた白色固体を用いたこと以外は製造例10と同様にして厚さ0.
5mmのフィルムをえた。
製造例13
(ヒドロキシル基を有するPFAの押出によるフィルムの作製)
製造例4でえた白色固体から2軸押出機(東洋精機(株)製ラボプラストミル
)を用いて350〜370℃で押出しを行いペレットを作製した。そのペレット
を用い、単軸押出機(東洋精機(株)ラボプラストミル)にて360℃〜380
℃、ロール温度120℃で押出を行ない、巾10cm、厚さ100〜150μm
のフィルムをえた。
製造例14
(官能基を含まないPFAの押出によるフィルムの作製)
製造例6でえた白色固体を用いたこと以外は製造例13と同様にしてペレット
を作製し、さらに押出により製造例17と同様にして巾10cm、厚さ100〜
150μmのフィルムをえた。
製造例15
(ヒドロキシル基を有するPFAとPTFEとの積層フィルム)
製造例13でえたヒドロキシル基を有するPFAフィルムと厚さ0.5mmの
PTFEフィルムを重ね合わせ、製造例10と同様にして圧縮成形した。
2層は互いに強固に接着していた。
実施例1
(1)基材の前処理
厚さ1.5mmの純アルミニウム板(A1050P)および厚さ1.5mmの
SUS304を用い、それぞれアセトンにより脱脂を行なった。
(2)官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマー層の形成
製造例1でえたヒドロキシル基を有するPFAからなる水性分散体を用いて、
エアスプレーで、膜厚が約5μmになるように塗装し、90℃で10分間赤外乾
燥したのち、380℃で20分間焼成した。
(3)官能基を有さない含フッ素重合体からなる層(トップ層)の形成
(2)でえたプライマー層の上に官能基を有さない含フッ素重合体からなる塗
料として、PTFEからなる水性塗料(ダイキン工業(株)製 ポリフロン T
FEエナメルEK4300CRN)をエアスプレーにて膜厚が約20μmになる
ように塗装し、90℃で10分間赤外乾燥したのち380℃で20分間焼成した
。
(4)接着性の評価
評価方法は、つぎのとおりである。
(碁盤目試験)
コーティング面にJIS K 5400 1990,8.5.2に規定された
碁盤目100マスを作成し、こ
の面にセロテープ(ニチバン(株)製の粘着テープ)を充分に密着させ、ただち
に引き剥がす。新しいセロテープでこの引き剥がしを10回行ない、100マス
中何マスが残存しているかを評価する。結果を表1に示した。
実施例2
官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマーを、製造例2でえたヒドロ
キシル基を有するPFAからなる水性分散体を用いてプライマー層を形成したこ
と以外は、実施例1と同様にして塗板を作製し、接着性の評価を行なった。結果
を表1に示す。
比較例1
官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマーに代えて、製造例3でえた
官能基を有さないPFAからなる水性分散体を用いてプライマー層を形成させた
こと以外は、実施例1と同様にして塗板を作製し、接着性の評価を行なった。結
果を表1に示す。
実施例3、4および比較例2
官能基を有さない含フッ素重合体からなる塗料としてFEPからなる水性塗料
(ダイキン工業(株)製 ネオフロンFEPディスパージョン ND−1)を用
いてトップ層を形成したこと以外は、実施例3は実施例1と、実施例4は実施例
2と、比較例2は比較例1とそれぞれ同様にして塗板を作製し、接着性の評価を
行なった。結果を表1に示す。
実施例5
(1)基材の前処理
実施例1と同様にして行なった。
(2)官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマー層の形成
製造例1でえたヒドロキシル基を有するPFAからなる水性分散体をエアスプ
レーで膜厚か約5μmになるように塗装し、90℃で10分間赤外乾燥した。
(3)官能基を有さない含フッ素重合体からなる層(トップ層)の形成
前記(2)でえたプライマー層の上に官能基を有さない含フッ素重合体からな
る塗料として、PFAの粉体塗料(ダイキン工業(株)製 ネオフロンPFA粉
体塗料 ACX−31)を用い静電塗装により、膜厚が40μ
mとなるように塗装し、380℃で20分間焼成した。
(4)接着性の評価
実施例1と同様にして行なった。結果を表1に示す。
実施例6
官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマーを、製造例2でえたヒドロ
キシル基を有するPFAからなる水性分散体を用いてプライマー層を形成したこ
と以外は、実施例5と同様にして塗板を作製し、接着性の評価を行なった。結果
を表1に示す。
比較例3
官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマーに代えて、製造例3でえた
官能基を有さないPFAからなる水性分散体を用いてプライマー層を形成させた
こと以外は、実施例5と同様にして塗板を作製し、接着性の評価を行なった。結
果を表1に示す。
実施例7
(ヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料の接着性評価)
(1)接着試験用のプレスシートの作製
製造例7でえたヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料約4gを直径60mm
の円筒型金型に入れ、プレス機を用い室温にて300kgf/cm2の圧力で圧
縮成形し、円盤型のコールドプレスシート(以下、「PFAシート」ともいう)
をえた。
(2)基板の前処理
100×100×1(mm)の純アルミニウム板をアセトンで脱脂した後サン
ドブラスト処理を行なった。
(3)接着サンプル作成
上記(1)でえたPFAシートをアルミニウム板(上
記(2))の上に置き、熱風乾燥機に入れ、330℃10分間加熱溶融させた。
膜厚約450μmのPFAシートがアルミニウム板に接着したサンプルがえられ
た。図1にPFAシート1とアルミニウム板2とからなる接着サンプルの概略平
面図を示す。
(4)接着強度の測定
図1に示すように、前記(3)でえた接着サンプルのPFAシート1に幅a(
10mm)の間隔でカッターで切れ目を入れ、各短冊状のシート1の一方の端を
めくり、接着強度測定用の測定具をえた。図2にえられた接着測定用の測定具の
概略斜視図を示す。図2に示すように、アルミニウム板2に対してシート1を9
0°の角度で引っぱり、剥離強度を測定した。テンシロン万能試験機(オリエン
テック(株)製)を用い、室温下、クロスヘッドスピード50mm/minで測
定したところ、面積法による平均剥離荷重で5.5kgf/cmの接着強度を示
した。
比較例4
(官能基を含まないPFA粉体塗料の接着性評価)
製造例7でえたヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料にかえて製造例8でえ
た官能基を含まないPFA粉体塗料を用いた以外は実施例7と同様にして接着試
験用プレスシートの作製、基材の前処理、接着サンプル作製を行ない接着強度の
測定を行なった。
官能基を含まないPFA粉体塗料の接着強度は、0.8kgf/cmであった
。
実施例8
(ヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料の静電塗装)
実施例7と同様に前処理したアルミニウム板に、製造例7でえたヒドロキシル
基を有するPFA粉体塗料を、静電粉体塗装機(岩田塗装(株)製GX3300
型)を用い、室温で印加電圧40kVで静電塗装した。塗装板を330℃15分
間熱風乾燥機にて焼成し塗装膜をえた。
塗膜は、透明で均一な連続膜であって、基剤のアルミニウム板とも強固に密着
した。
比較例5
(フッ素を有さない官能基含有単量体を用いた含フッ素重合体の耐熱性)
製造例9でえられた含フッ素重合体の熱分解温度をTGA分析により測定した
ところ、1%熱分解温度で220℃であった。これより、製造例9でえたような
フッ素を有さない官能基含有単量体を用いた含フッ素重合体は耐熱性が低いこと
がわかった。
さらに製造例9でえられた含フッ素共重合体を酢酸ブチルに10重量%の濃度
に溶解させた。
つぎに実施例5において、プライマー層に用いたヒドロキシル基を有するPF
Aの水性分散体にかえて、上記製造例9の含フッ素共重合体の酢酸ブチル溶液を
用いた以外は実施例5と同様、純アルミ基材に基材の前処理、製造例9の含フッ
素共重合体を用いたプライマー層の塗布、トップ層の塗布(PFA粉体塗料の静
電塗装)を行なった。
塗布後380℃、20分間焼成によってえた塗膜は黄褐色に着色し、発泡、剥
離も見られ、均一な透明被膜はえられなかった。
実施例9〜12
(ヒドロキシル基含有PFAフィルムと金属との接着性試験)
金属板として、厚さ0.5mmの脱脂したクロム酸処理アルミ、純アルミ、鋼
板を用いて、ヒドロキシル基を有するPFAフィルム(製造例10または11の
フィルム)との接着性試験を以下のように行なった。結果を表2に示した。
(剥離試験用の試験片の作製)
図3に剥離試験用の試験片を作製するために作製した積層体の概略斜視図を示
す。図3に示すように、製造例10〜11でえたヒドロキシル基含有PFAフィ
ルムを接着剤層3として、厚さ0.1mmのスペーサー(アルミ箔)4を2枚の
金属板5の間にはさみ、350℃に設定したプレス機にセットし、予熱(20分
間)したのち、50kg/cm2で1分間加圧して、長さb(150mm)、幅
c(70mm)の積層体をえた。
えられた積層体の接着剤層3の層の厚さはいずれも0.1mmであった。さら
に積層体を幅25mmに切断し、一方の端から距離e(100mm)のところで
スペーサー部分をT型に曲げ、剥離試験用の試験片とした。図4にえられた剥離
試験用の試験片の概略斜視図を示す。図4中、3は接着剤層で5は金属板である
。
(剥離試験)
JIS K6854−1977のT型剥離試験方法に基づき、オリエンテック
(株)製テンシロン万能試験機を用い、室温下、クロスヘットスピード50mm
/minで測定した。測定は最大剥離強度(kgf/25mm)と最小剥離強度
(kgf/25mm)を示した。
比較例6〜8
(官能基を含まないPFAフィルムと金属との接着性試験)
製造例10または11のヒドロキシル基を有するPFAフィルムにかえて製造
例12でえた官能基を含まないPFAフィルムを用いたこと以外は実施例9と同
様にして試験片の作製および剥離試験を行なった。結果を表2に示した。
実施例13〜14
(ヒドロキシル基含有PFAフィルムとガラスとの接着性試験)
ガラス板として30×20×5mmのパイレックスガラスを用いて、ヒドロキ
シル基を有するPFAとの接着性試験を以下のように行なった。
さらに接着後の積層体の耐温水性試験およびメタノール浸漬試験も行なった。
結果を表3に示した。
(引張剪断試験用の試験片の作製)
図5に引張剪断試験用の試験片の概略斜視図を示す。
図5に示すように製造例10〜11でえたヒドロキシル基含有PFAフィルム(
長さfが10m)幅gが20mm、厚さhが0.1mm)を接着剤層3としてパ
イレックスガラス板6(長さiが30m、幅gが20mm、厚さjが5mm)の
間にはさみ、3kgの荷重をのせ、電気炉のなかで350℃、30分間放置し、
試験片をえた。接着剤層3の厚さは、スペーサーにより0.1mmに調整した。
(接着強度)
図6に引張剪断法により接着強度を測定するために用
いる試験装置を説明するための概略説明図を示す。図6に示すように、前述のよ
うにしてえられた試験片7の形状にあわせた試験用治具8をオリエンテック(株
)製テンシロン万能試験機9にセットし、クロスヘッドスピード20mm/mi
nで引張剪断試験を行なった。測定は最大接着強度(kgf/cm2)を示した
。
(耐温水性試験)
前記に示した方法で作製した試験片を用いて、50℃の温水に浸漬し、6時間
後の接着性を観察し、72時間後の接着強度(kgf/cm2)を測定した。
(メタノール浸漬試験)
前記に示した方法で作製した試験片を用いて室温でメタノール中に浸漬させ接
着性を観察した。
比較例9
(官能基を含まないPFAフィルムとガラスとの接着性)
製造例10または11のヒドロキシル基を有するPFAフィルムにかえて製造
例12でえた官能基を含まないPFAフィルムを用いたこと以外は実施例13と
同様にして試験片の作製および各種試験を行なった。結果を表3に示す。
実施例15
(ヒドロキシル基含有PFAフィルムとステンレスとの接着性、後加工性試験)
金属板として、長さ150mm、幅70mm、厚さ0.5mmの脱脂したSU
S304鋼板を用いて以下のようにしてラミネート試験板を作成した。製造例1
3でえたヒドロキシル基を含むPFAフィルムと製造例14でえた官能基を含ま
ないPFAフィルムを前記SUS板と同
じサイズに切断した。
さらに離型用フィルムとしてポリイミドフイルム(デュポン製カプトン200
−H)も同様のサイズに切断した。
図7にえられたラミネート試験板の概略断面図を示す。図7に示すように2枚
のSUS板11の間に、前記のヒドロキシル基含有PFAフィルム12、官能基
を含まないPFAフィルム13、ポリイミドフィルム14をはさみ、350℃に
設定したプレス機にセットし、予熱(20分間)したのち、50kgf/cm2
で1分間加圧してラミネート試験板をえた。
冷却後、ポリイミドフィルム14に接するSUS板11を取り除いたところ、
ポリイミドフィルムが官能基を含まないPFAフィルム14の界面で自然剥離し
た。
その結果、ヒドロキシル基含有PFAフィルム12を接着層とした、透明性の
良好なSUS板11とPFAフィルム13との3層積層体がえられた。図8に、
えられた3層積層体の概略断面図を示す。
さらに、えられた3層積層体にカッターナイフで素地であるSUS板1に達す
るまで1mm角の基盤目を100個つくり、基盤目の中央をエリクセン試験機で
5mm押し出した。その結果、ヒドロキシル基含有PFAフィルム12は全く剥
離せず、素地であるSUS板11に強固に密着した。
PFAフィルム12はSUS板11に強固な接着性を示した。
比較例10
(官能基を含まないPFAフィルムとステンレスとの接
着性、後加工性試験)
ヒドロキシル基を有するPFAフィルムを用いないこと以外は実施例15と同
様にしてSUS板11と官能基を含まないPFAフィルム13との積層体をえた
。図9にえられた積層体の概略断面図を示す。
えられた積層体は見た目では接着しているが、官能基を含まないPFAフィル
ム13をSUS板11から容易に剥離させることができた。
さらに、実施例15と同様にエリクセン試験を行った。基盤目100個中60
個において、切り目を中心に剥離した。
実施例16
(ヒドロキシル基含有PFAフィルムとポリイミドフィルムとの接着性試験)
製造例13でえたヒドロキシル基含有PFAフィルム12、製造例14でえた
官能基を含まないPFAフィルム13およびポリイミドフィルム14を実施例1
5と同様の大きさに切断し、2枚のSUS板11の間にはさみ、実施例15と同
様にしてプレス機で加熱してラミネート試験板をえた。図10にえられたラミネ
ート試験板の概略断面図を示す。ついで、冷却後SUS板11をはがして積層体
をえた。図11にえられた積層体の概略断面図を示す。さらに積層体を幅25m
mに切断した。
ついで図12にT型剥離試験に供する前記積層体の概略断面図を示す。図12
において、ポリイミドフィルム14とヒドロキシル基含有PFAフィルム12の
界面を一部はがし、図12に示す矢印の方向で、実施例9と同様にT型剥離試験
を行なったところ、面積法による平均
剥離荷重で4.0kgf/25mmの接着性を示した。
比較例11
(官能基を含まないPFAフィルムとポリイミドフィルムとの接着性試験)
図13に実施例1と同様にしてT型剥離試験に供する積層体の概略断面図を示
す。図13において、実施例16でえた幅25mmの積層体のポリイミドフィル
ム14と官能基を含まないPFAフィルム13の界面を一部はがし、図13に示
す矢印の方向で実施例16と同様にT型剥離試験を行なったが、接着力を示さな
かった。
比較例12
(フッ素を有さない官能基含有単量体を用いた含フッ素重合体の耐熱性)
製造例9でえられた含フッ素重合体の熱分解温度をTGA分析により測定した
ところ1%熱分解温度で220℃であった。これより、製造例9でえたようなフ
ッ素を有さない官能基含有単量体を用いた含フッ素重合体は耐熱性が低いことが
わかった。
さらに、製造例9でえられた含フッ素重合体を酢酸ブチルに10重量%の濃度
に溶解させた。
実施例9と同じ前処理を行なったアルミニウム板に上記製造例9の含フッ素重
合体の酢酸ブチル溶液をエアスプレーで膜厚が約10μmとなるように塗装し9
0℃で10分間赤外乾燥した。
塗装してえたフッ素を含まない官能基含有単量体を用いた含フッ素重合体の被
膜16の上に製造例14でえた官能基を含まないPFAフィルム13、離型用の
ポリイミドフィルム14(実施例15と同じ)、アルミニウム
板15を順に重ね、実施例15と同様プレス機で350℃で加熱、加圧しラミネ
ート試験板をえた。えられたラミネート試験板の概略断面図を図14に示す。
該ラミネート試験板を冷却後、ポリイミドフィルム14に接するアルミニウム
板15、およびポリイミドフィルム14を取り除いて積層体をえた。
えられた積層体は、黄褐色に着色し、PFAフィルム13とアルミニウム板1
5の間で発泡や剥離なども生じ、均一で透明な積層体はえられなかった。
実施例17〜18
実施例8でえたヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料を静電塗装した塗板(
実施例17)、製造例13でえたヒドロキシル基を有するPFAの押出フィルム
(実施例18)を用いて以下に示す方法で非粘着性試験を行なった。結果を表4
に示す。
(非粘着性試験)
測定は23℃±2℃で行なった。図15に非粘着性試験に用いる試験片の概略
斜視図を示す。試験板17は長さ150mm以上で、表面の汚れは、アセトンで
ふきとった。ます、18mm幅の粘着テープ18(JIS Z 1522)を3
00mm切り取り、150mmの長さkの部分だけを試験板17の上にのせ、テ
ープ18の上
から JIS S 6050の消しゴムでこすり、圧着させて接着部分19をう
る。残った150mmの部分には紙をはり(図示せず)、取り扱いしやすいよう
にした。圧着後約20分放置し、テープ18を試験板17に馴染ませた。テープ
18を試験板17の端から幅mが25mmのところまではがし、試験板17を引
張試験機の下側のつかみ具へ取り付けた。剥がしたテープ18の先端を180°
折り返し、上側つかみ具へ、テープ18が真っ直ぐ剥かれるように取り付けた。
引張速度20mm/分で、試験機で試験板17からテープ18が剥がれる力を測
定した。値はテープ18が滑らかに剥がれている部分の平均を測定値とした。結
果を表4に示す。
比較例13〜14
(官能基を有さないPFAフィルムの非粘着性試験)
製造例14でえた官能基を含まないPFAの押出フィルム(比較例13)およ
び何も被覆していないガラス板(比較例14)を用いて実施例17と同様にして
非粘着性試験を行なった。結果を表4に示す。
表4より、OH基を含有するPFAも官能基を含まないPFAとほぼ同様なす
ぐれた非粘着性を有することがわかった。
実施例19〜20
実施例8でえたヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料を静電塗装した塗板(
実施例19)、製造例13でえたヒドロキシル基を有するPFAの押出フィルム
(実施例20)を試験板(またはフィルム)として用いて以下に示す方法でカー
ボン汚染試験および耐候性試験(実施例20のみ)を行なった。
カーボン汚染性試験
(カーボン溶液の調製)
カーボン粉末(三菱化学(株)製 MA100)10gをイオン交換水90g
に加え、ガラスビーズを用いて分散、混合し、カーボン分散液をえた。
(カーボンの塗布)
前記カーボン分散液をスプレーにて前記塗装板またはフィルムに約50g/m2
塗装し80℃で2時間加熱して、黒色の試験板をえた。
(評価)
えられた黒色の試験板を、流水にさらしながら、ハケでなぞり洗浄した。つい
で目視にて汚染の度合を観察し、以下の基準で評価した。結果を表5に示す。
○:洗浄により汚染の除去が可能であり、ほぼ汚染試験前の塗装板またはフィ
ルムにもどった。
△:洗浄により汚染の一部を除去できたが、塗装板またはフィルム全面に灰色
の汚れがしみ込んだように付着しており、その汚れは除去できなかった。
×:
塗装板またはフィルム全面に黒色の汚れが残り、水洗では除去できなかった。
耐候性試験
前記塗装板またはフィルムをアイスーパーUVテスター(岩崎電機(株)製)
に投入し、促進耐候性試験を行ない、500時間試験後の塗装板の対水接触角を
測定した。
結果を表5に示す。
比較例15
実施例7と同じアルミニウム板を80〜120メッシュのサンドブラスト処理
した後、プライマー(ダイキン工業(株)製、ポリフロンTFEエナメル EK
−1959 DGN)をスプレー塗装を行ない、赤外乾燥炉で90℃で乾燥させ
、プライマー層を設けた。
前記プライマー層上にPFA粉体塗料(ダイキン工業(株)製、ネオフロン粉
体塗料ACX−31)を静電塗装した後350℃で30分間焼成し、被膜を形成
したPFA粉体塗装板をえた。プライマーの灰褐色の被膜がえられた。
また、前記PFA粉体塗装板を用いて、実施例19と同様にしてカーボン汚染
性試験を行った。結果を表5に示す。
比較例16
常温硬化型フッ素樹脂塗料用ワニスであるゼッフルGK510(ダイキン工業
(株)製、OH価60)100g、イソシアネート硬化剤コロネートHX、(日
本ポリウレタン(株)製)10.5gおよび酢酸ブチル120gを混合し、OH
/NCO比=1:1に調整したクリア塗装用塗料を作製した。
比較例7と同様にサンドブラスト処理をしたアルミニウム板に、前記クリア塗
装用塗料をスプレー塗装した後、120℃で30分間焼成して被膜を形成した塗
装板をえた。また、該塗装板を用いて実施例20と同様の試験を行なった。結果
を表5に示す。
比較例17
常温硬化型アクリル樹脂塗料用ワニスであるアクリディックA801(大日本
インキ(株)製、OH価100)100gとイソシアネート硬化剤コロネートH
X(比較例4と同じ)17g、酢酸ブチル120gを混合し、OH/NCO比=
1:1に調整した塗料を作製した。この塗料を用いて比較例16と同様にしてア
ルミニウム板にスプレー塗装、焼成を行なって被膜を形成した塗装板をえた。
また、該塗装板を用いて実施例20と同様の試験を行なった。結果を表5に示
す。
製造例16
(官能基を含まないPFAとカーボン繊維のブレンド)
製造例6でえられた官能基を含まないPFAと、カーボン繊維(呉羽化学工業
(株)製のクレカチョップM−207S)を80:20(重量比)で、ロッキン
ミキサーを用いて均一にブレンドしたのち、2軸押出機(東洋精機(株)製ラボ
プラストミル)にて350〜370℃で混練、押出しを行ないペレットを作製し
た。
製造例17
(官能基を含まないPFAとホウ酸アルミニウムウィスカーとのブレンド)
製造例6でえられた官能基を含まないPFAとホウ酸アルミニウムウィスカー
(四国化成工業(株)製アルボレックスY)とを92:8(重量比)で、ロッキ
ングミキサーを用いて均一にブレンドしたのち、2軸押出機(東洋精機(株)製
ラボプラストミル)にて350〜370℃で混練・押出しを行ないペレットを作
製した。
製造例18
(カーボン繊維入りPFAフィルムの作製)
製造例4でえた白色固体にかえて、製造例16でえたカーボン繊維を含むPF
Aペレットを用いたほかは、製造例10と同様にして圧縮成形を行ない、厚さ0
.5mmのカーボン繊維入りのPFAフィルムをえた。
製造例19
(ホウ酸アルミニウムウィスカー入りPFAフィルムの作製)
製造例4でえた白色固体にかえて、製造例17でえたホウ酸アルミニウムウィ
スカーを含むPFAペレットを
用いたほかは、製造例10と同様にして圧縮成形を行ない、厚さ0.5mmのホ
ウ酸アルミニウムウィスカー入りPFAフィルムをえた。
実施例21
(カーボン繊維入りPFAフィルムのアルミニウム板へのラミネート)
金属板として長さ150mm、幅70mm、厚さ0.5mmの脱脂した純アル
ミニウム板を用いて以下のようにしてラミネート試験板を作製した。図16にえ
られたラミネート試験板の概略断面図を示す。
図16に示すように、2枚のアルミニウム板15のあいだに製造例13でえら
れたヒドロキシル基を有するPFAフィルム12、製造例18でえたカーボン繊
維入りPFAフィルム20、ポリイミドフィルム14およびヒドロキシル基を有
するPFAフィルム12と同じ層の一部分にスペーサー(0.1mm厚のアルミ
ニウム箔)4をはさみ、350℃に設定したプレス機にセットし、予熱(20分
間)したのち、50kgf/cm2で1分間加圧した。冷却後、ポリイミドフィ
ルム14に接するアルミニウム板15およびポリイミドフィルム14、スペーサ
ー12を取り除いて、積層体をえた。図17にえられた積層体の概略断面図を示
す。
ついで図18にT型剥離試験に供する前記積層体の概略断面図を示す。図18
に示す方向で、充填剤(カーボン繊維)入りPFAフィルム20とアルミニウム
板15を引っぱり、実施例9と同様にT型剥離試験を行なったところ、面積法に
よる平均剥離荷重で4.8kgf/25mmの接着力を示した。
実施例22
(ホウ酸アルミニウムウィスカー入りPFAフィルムのアルミニウム板へのラミ
ネート)
製造例18でえたカーボン繊維入りPFAフィルムにかえて、製造例19でえ
たホウ酸アルミニウムウィスカー入りPFAフィルムを用いたほかは、実施例2
1と同様にして、ホウ酸アルミニウムウィスカー入りPFAとアルミニウム板と
の積層体をえた。実施例21と同様にしてホウ酸アルミニウムウィスカー入りP
FA層とアルミニウム板との接着強度の測定をT型剥離試験法により行なったと
ころ、面積法による平均剥離荷重で4.6kgf/25mmの接着力を示した。
実施例23
(摺動性試験)
実施例21でえたカーボン繊維入りPFAフィルムをアルミニウム板に積層し
た複合材を用い、以下の方法で摺動性試験を行なった。
(スラスト式摩擦摩耗試験)
試験サンプルおよび相手材の調整
相手材としてアルミダイカスト(ADC 12)を用いた。実施例21でえた
カーボン繊維入りPFAフィルムをアルミニウム板に積層した複合材のカーボン
繊維入りPFAのフィルム表面、および相手材の接触表面を研磨機にて研磨し、
表面荒さでRa0.5μm以下、Rmax5mm以下にした。
摩擦摩耗試験
オリエンテック(株)製、鈴木松原式摩擦摩耗試験機を使用し、空気中、室温
雰囲気、速度60m/min、
荷重5.0kgf/cm2で試験を行ない摩擦係数を測定した。結果を表6に示
す。
実施例24
実施例21でえたカーボン繊維入りPFAフィルムをアルミニウム板に積層し
た複合材にかえて、実施例22でえたホウ酸アルミニウムウィスカー入りPFA
フィルムをアルミニウム板に積層した複合材を用いた以外は実施例23と同様に
して、摺動性試験を行なった。摩擦係数の結果を表6に示す。
実施例25
(ヒドロキシル基含有PFA粉体塗装板の接着耐熱性)
(1)粉体塗装板の作成
実施例7と同様に前処理を行なったアルミニウム板に製造例7でえたヒドロキ
シル基を有するPFA粉体塗料を静電粉体塗装機(実施例8と同じもの)を用い
、室温で印加電圧40kVで静電塗料した。塗装板を330℃で15分間焼成し
、塗膜をえた。さらに、えられた塗膜の上に、官能基を有さないPFA粉体塗料
(ダイキン工業(株)製、ネオフロンPFA粉体塗料ACX−31)を用い上記
と同様の方法で静電塗装を行ない380℃で20分間焼成し計159μmの透明
な塗膜をえた。
(2)接着強度の測定
図19に、実施例25の(1)においてえた塗膜を有するアルミニウム板22
の概略斜視図を示す。図19に示すように前記(1)でえた塗膜21に幅n(1
0mm)の間隔でカッターで基材に完全に達するまで切れ目を入れ、各短冊状の
塗膜21の一方の端をめくり、接着強度測定用の測定具をえた。図20にえられ
た接着強度測定用の測定具の概略斜視図を示す。
図20に示すように、アルミニウム板22に対して塗膜21を90℃の角度で
引っ張り、剥離強度を測定した。測定は、テンシロン万能試験機(実施例7と同
じもの)を用い、室温下、クロスヘッドスピード50mm/minで測定し、面
積法による平均剥離荷重を接着強度の値とした。結果を表7に示す。
(3)接着耐熱性の測定
上記(1)と同様の方法で別途、粉体塗装板を作成し300℃に設定した熱風
乾燥器に入れ、200時間後および500時間後に塗装板をとり出し、室温に冷
却後、それぞれについて、上記(2)と同様の方法で測定具の作成および接着強
度の測定を行なった。結果を表7に示す。
比較例18
(プライマーを接着層とした粉体塗装板の接着耐熱性)
(1)プライマーの塗装
実施例7と同様な前処理を行なったアルミニウム板にフッ素樹脂塗料用耐熱性
プライマー(ダイキン工業(株)製ポリフロンTFE エナメル EK1959
DGN)をスプレーにて約10μmの膜厚となるよう塗布し、100℃で10分
間焼成した。
(2)粉体塗装板の作成
上記(1)のプライマー塗装板の上に官能基を含まないPFA粉体塗料(実施
例25と同じもの)のみを用い実施例25(1)と同様の方法で静電塗料を行な
い、380℃で20分間焼成しプライマー層と合わせて126μmの塗膜をえた
。
(3)接着強度の測定
実施例25(2)と同様にして行なった。結果を表7に示す。
(4)接着耐熱性の測定
実施例25(3)と同様にして行なった。結果を表7に示す。
実施例26〜27
(ヒドロキシル基含有PFA粉体塗装板の接着耐熱性)
アルミニウム板にかえて、アルミニウム板と同様に前処理を行なったSUS4
30鋼板(実施例26)、脱脂処理のみを行なったガルバニウム鋼板(実施例2
7)のそれぞれを用いた以外は、実施例25と同様にして粉体塗装板の作成およ
び、接着強度、接着耐熱性の測定を行なった。結果を表7に示す。
比較例19〜20
(プライマーを接着層とした粉体塗装板の接着耐熱性)
アルミニウム板にかえて、アルミニウム板と同様に前処理したSUS430鋼
板(比較例19)、脱脂処理のみを行なったガルバニウム鋼板(比較例20)の
それぞれを用いた以外は、比較例18と同様に塗装板の作成および接着強度、接
着耐熱性の測定を行なった。結果を表8に示す。
実施例28
(ヒドロキシル基含有PFAラミネート板の接着耐熱性)
(1)ラミネート板の作成
実施例7と同様にして前処理したアルミニウム板を基材として用いた。製造例
13でえたヒドロキシル基を有するPFAフィルム(厚さ100μm)と官能基
を含まないPFAフィルム(ダイキン工業(株)製ネオフロンPFAフィルム
AF−0100)(厚さ100μm)および離型用のポリイミドフィルム(実施
例15と同じもの)を基材と同じサイズに切断した。
図21にラミネート試験板の概略断面図を示す。図21に示すように2枚のア
ルミニウム板(一方は基材)23のあいだに上記のヒドロキシル基含有PFAフ
ィルム24、官能基を含まないPFAフィルム25、ポリイミドフィルム26を
はさみ、350℃に設定したプレス機にセットし、予熱(20分間)したのち、
50kgf/cm2で1分間加圧した。冷却後ポリイミドフィルム26に接する
アルミニウム板23およびポリイミドフィルム26を取り除き、ヒドロキシル基
含有PFAフィルム24を接着層とした、アルミニウム板23とPFAフィルム
25との3層積層体がえられた。図22にえられた3層積層体の概略断面図を示
す。
(2)接着強度
実施例25(1)でえた粉体塗装板にかえて、上記(1)でえたラミネート板
(3層積層体)を用いて、実施例25(2)と同様にして幅10mm間隔で切れ
目をいれ、各短冊状のフィルムの一方の端を、アルミニウム板とヒドロキシル基
を含むPFAフィルム層との界面でめくり、
接着強度測定用の測定具を作成した。接着強度の測定は、実施例25(2)と同
様にしてめくったフィルムを基材に対して90°の角度で引っ張り測定した。結
果を表8に示す。
(3)接着耐熱性の測定
上記(1)のラミネート板を別途作成し、それを用いて実施例25(3)と同
様にして測定した。結果を表8に示す。
実施例29〜30
(ヒドロキシル基含有PFAラミネート板の接着耐熱性)
アルミニウム板にかえて、アルミニウム板と同様な前処理を行なったSUS4
30鋼板(実施例29)、脱脂処理のみを行なったガルバニウム鋼板(実施例3
0)のそれぞれを用いた以外は実施例28と同様にしてラミネート板の作成およ
び接着強度、接着耐熱性の測定を行なった。結果を表8に示す。
比較例21
(表面処理フッ素樹脂フィルムを用いたラミネート板の接着耐熱性)
(1)フッ素樹脂フィルムの表面処理
官能基を含まないPFAフィルム(ダイキン工業(株)製ネオフロンPFAフ
ィルム AF−0100)(厚さ100μm)の片面を以下の様にしてテトラエ
ッチA((株)潤工社)で表面処理を行なった。PFAフィルムの片面(接着面
)をアセトンでふき、乾燥後、その面にテトラエッチAの液を塗布し、約20秒
間テトラエッチA溶液をフィルム上に保持し、メタノールおよび純水で洗浄を行
ない乾燥させた。処理面は褐色に変化した。また、JIS
K−6768記載のフィルムの濡れ試験方法に基づき40dyn/cmの標準
液を用い処理面の濡れ性を確認したところ、一様に濡れており、充分処理されて
いることが確認できた。また、処理面の対水接着角は61度(処理前は110度
)であった。
(2)ラミネート板の作成
実施例7と同様な前処理を行なったアルミニウム板に2液混合型の耐熱性エポ
キシ接着剤((株)コニシ製ハイテンプHT−100L)を塗布した。上記(1
)で表面処理したPFAフィルムを基材と同じサイズに切断し、その処理面側を
基材の接着剤層に重ねて密着させ、120℃で1時間加熱後、180℃で20時
間焼成し、硬化接着させた。
(3)接着強度の測定
実施例28でえたラミネート板にかえて、上記(2)でえたラミネート板を用
いて、実施例28(2)と同様にして幅10mm間隔で切れ目を入れ、各短冊状
のフィルムの一方の端をPFAフィルムと接着剤層との界面でめくり、接着強度
測定用の測定具を作成した。接着強度の測定は、実施例25(2)と同様にして
、めくったフィルムを基材に対して90°の角度で引っ張り測定した。
結果を表8に示す。
(4)接着耐熱性の測定
上記(2)のラミネート板を別途作成し、それを用いて実施例25(3)と同
様にして測定を行なった。結果を表8に示す。
比較例22〜23
(表面処理フッ素樹脂フィルムを用いたラミネート板の
接着耐熱性)
アルミニウム板にかえて、アルミニウム板と同様な前処理を行なったSUS4
30鋼板(比較例22)、脱脂処理のみを行なったガルバニウム鋼板(比較例2
3)のそれぞれを用いた以外は、比較例21と同様にしてフッ素樹脂フィルムの
表面処理、ラミネート板の作成および接着強度、接着耐熱性の測定を行なった。
結果を表9に示す。
比較例24
(表面処理フィルムを用いたラミネート板の接着耐熱性)
(1)フッ素樹脂フィルムの表面処理
比較例21(1)に記載のテトラエッチで表面処理したPFAフィルムにかえ
て、表面処理FEPフィルム(ダイキン工業(株)製ネオフロンFEPフィルム
NF−0100B1、片面処理品)(厚さ100μm)を用いた。
(2)ラミネート板の作成
テトラエッチで表面処理したPFAフィルムにかえて、上記(1)の表面処理
FEPフィルムを用いた以外は比較例21(2)と同様にして、前処理したアル
ミニウム板にエポキシ接着剤の塗布、表面処理フィルムのラミネートを行なった
。
(3)接着強度の測定
比較例21(2)でえたテトラエッチ処理したPFAを用いたラミネート板に
かえて、上記(2)でえたラミネート板を用いた以外は比較例21と同様にして
測定具の作成および接着強度の測定を行なった。
(4)接着耐熱性の測定
上記(2)のラミネート板を別途作成し、それを用いた実施例25(3)と同
様にして測定を行なった。結果を表8に示す。
比較例25〜26
(表面処理フッ素樹脂フィルムを用いたラミネート板の接着耐熱性)
アルミニウム板にかえて、アルミニウム板と同様の前処理を行なったSUS4
30鋼板(比較例25)、脱脂処理のみを行なったガルバニウム鋼板(比較例2
6)のそれぞれを用いた以外は比較例24と同様にして、ラミネート板の作成お
よび接着強度、接着耐熱性の測定を行なった。結果を表8に示す。
実施例31
(充填材入りPTFEラミネート板の接着性)
(1)ラミネート板の作製
150×70×5mmのサイズの脱脂のみを行なったアルミニウム板を基材と
して用いた。該基材を用いて官能基を含まないPFAフィルムにかえてグラファ
イト15重量%混合したPTFE(ダイキン工業(株)製ポリフロンTFEモー
ルディングパウダーMG−2030)を厚さ0.5mmのシート状に成形したも
のを用いた以外は、実施例28と同様にして官能基を有するPFAフィルム(製
造例13でえたもの)を接着層とした充填材入りPTFEとアルミニウム板との
3層積層体を作製した。
(2)接着強度
充填材入りPTFE層をめくり、実施例28(2)と同様に幅10mmのシー
トを基材に対して90℃の角度で引張り測定した結果を表9に示した。
実施例32〜34
(充填材入りPTFEラミネート板の接着性)
グラファイトを混合したPTFEシートにかえて、ガラス繊維15%、二硫化
モリブデン5%を混合したPTFE(ダイキン工業(株)製ポリフロンTFEモ
ールディングパウダーMG1431)を厚さ0.5mmのシート状に成形したも
の(実施例32)、ブロンズ60%、カーボン繊維10%を混合したPTFEを
厚さ0.5mmのシート状に成形したもの(実施例33)、芳香族ポリエステル
樹脂(住友化学工業(株)製エコノール)20%を混合したPTFEを厚さ0.
5mmのシート状に成形したもの(実施例34)を用いた以外は、実施例31と
同様にアルミニウムのラミネート板の作製および接着強度の測定を行なった。結
果を表9に示した。
実施例35
(充填材入りPTFEラミネート板の接着性)
アルミニウム板にかえて150×70×2.5mmのサイズの脱脂したSUS
304板を基材として用いた以外は、実施例31と同様にして官能基を有するP
TAを接着層としたグラファイト入りPTFEとSUS板との積層体を作製し、
接着強度を測定した。結果を表9に示した。
実施例36〜38
(充填材入りPTFEラミネート板の接着性)
グラファィトを混合したPTFEシートにかえて、ガラス繊維15%、二硫化
モリブデン5%を混合したPTFE(ダイキン工業(株)製ポリフロンTFEモ
ールディングパウダーMG1431)を厚さ0.5mmのシート状に成形したも
の(実施例36)、ブロンズ60%、カーボン繊維10%を混合したPTFEを
厚さ0.5mmのシート状に成形したもの(実施例37)、芳香族ポリエステル
樹脂(住友化学工業(株)製エコノール)20%を混合したPTFEを厚さ0.
5mmのシート状に成形したもの(実施例38)を用いた以外は、実施例35と
同様にSUS304のラミネート板の作製し、接着強度の測定を行なった。結果
を表9に示した。
比較例27
接着層として用いた官能基を有するPFAフィルムを用いないこと以外は実施
例31と同様な操作を行ない、グラファイト15%混合したPTFEシート(実
施例31
と同じもの)とアルミニウム板との積層体を作製し、接着強度を測定した。結果
を表9に示した。
比較例28〜30
グラファイト15%を混合したPTFEシートにかえて、実施例32で用いた
ガラス繊維15%、二硫化モリブデン5%を混合したPTFEシート(比較例2
8)、実施例33で用いたブロンズ60%、カーボン繊維10%を混合したPT
FEシート(比較例29)、実施例34で用いた芳香族ポリエステル樹脂20%
混合したPTFEシート(比較例30)をそれぞれ用いた以外は、比較例27と
同様にして充填材入りPTFEとアルミニウム板との積層体を作製し、接着強度
を測定した。結果を表9に示した。
比較例31
接着層として用いた官能基を有するPFAフィルムを用いないこと以外は実施
例35と同様な操作を行ない、グラファイト15%混合したPTFEシート(実
施例35と同じもの)とSUS板との積層体を作製し、接着強度を測定した。結
果を表9に示した。
比較例32〜34
グラファイト15%を混合したPTFEシートにかえて、実施例36で用いた
ガラス繊維15%、二硫化モリブデン5%を混合したPTFEシート(比較例3
2)、実施例37で用いたブロンズ60%、カーボン繊維10%を混合したPT
FEシート(比較例33)、実施例38で用いた芳香族ポリエステル樹脂20%
混合したPTFEシート(比較例34)をそれそれ用いた以外は、比較例31と
同様にして充填材入りPTFEとSUS板との積
層体を作製し、接着強度を測定した。結果を表9に示した。
産業上の利用可能性
本発明によれば、複雑な工程を必要とすることなく、基材への接着性に優れた
含フッ素重合体からなる材料を基材に適用してなる摺動性複合材をうることがで
きる。また、本発明によれば、さらに耐熱性、防汚性、非粘着性、撥水撥油性、
汚れ除去性、耐薬品性、防錆性、抗菌性、耐エネルギー線性および低摩擦性など
に優れた複合材をうることができ、OA関連機器、自動車、家電、化学工業など
の分野で好適に用いることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 岡 憲俊
大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン
工業株式会社淀川製作所内
(72)発明者 実政 久人
大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン
工業株式会社淀川製作所内
(72)発明者 清水 哲男
大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン
工業株式会社淀川製作所内
(注)この公表は、国際事務局(WIPO)により国際公開された公報を基に作
成したものである。
なおこの公表に係る日本語特許出願(日本語実用新案登録出願)の国際公開の
効果は、特許法第184条の10第1項(実用新案法第48条の13第2項)に
より生ずるものであり、本掲載とは関係ありません。
Claims (12)
1.(a)ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸塩、カルボキシエステ
ル基およびエポキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する
官能基含有含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30
モル%と
(b)前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単
量体70〜99.95モル%
とを共重合してなる官能基含有含フッ素エチレン性重合体からなる材料を基材
に適用してなる摺動性複合材。
2.前記官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)が
式(1):
CX2=CX1−Rf−Y (1)
(式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸塩、カルボキシエステル
基またはエポキシ基、XおよびX1は同じかまたは異なり水素原子またはフッ素
原子、Rfは炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基、炭素数1〜40の
含フッ素オキシアルキレン基、炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素ア
ルキレン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素オキシアルキレ
ン基を表す)で示される少なくとも1種の官能基含有含フッ素エチレン性単量体
である官能基含有含フッ素エチレン性重合体を基材に適用してなる請求の範囲第
1項記載の摺動性複合材。
3.前記官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)が、テトラフルオロ
エチレンである官能基含有含フッ
素エチレン性重合体を基材に適用してなる請求の範囲第1項または第2項記載の
摺動性複合材。
4.前記官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)が、テトラフルオロ
エチレン85〜99.7モル%と
式(2):
CF2=CF−Rf 1 (2)
(式中、Rf 1はCF3またはORf 2(Rf 2は灰素数1〜5のパーフルオロアル
キル基)で示される単量体0.3〜15モル%との混合単量体である官能基含有
含フッ素エチレン性重合体を基材に適用してなる請求の範囲第1項または第2項
記載の摺動性複合材。
5.前記請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の官能基含有含フッ素エチ
レン性重合体が塗料の形態で基材に適用されてなる摺動性複合材。
6.前記請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の官能基含有含フッ素エチ
レン性重合体が水性分散液の形態で基材に適用されてなる摺動性複合材。
7.前記請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の官能基含有含フッ素エチ
レン性重合体が粉体塗料の形態で基材に適用されてなる摺動性複合材。
8.前記請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の官能基含有含フッ素エチ
レン性重合体がフィルムの形態で基材に適用されてなる摺動性複合材。
9.前記基材が金属系基材である請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の
摺動性複合材。
10.前記基材がガラス基材である請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の
摺動性複合材。
11.前記基材が陶器である請求の範囲第1項〜第4項の
いずれかに記載の摺動性複合材。
12.前記基材が合成樹脂である請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の摺
動性複合材。
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