発明の説明
全般
本発明は、活性化可能な(activeatable)自壊性部分(X)および薬物(例えば、芳香族アルコールまたは脂肪族アルコールを有する薬物)のヒドロキシル官能基の酸素ヘテロ原子を組み込むメチレンアルコキシ(またはアリールオキシ)カルバメート単位(本明細書中でMAC単位とも称される)を含む自壊性アセンブリ単位を有する薬物−リンカー部分をリガンド単位に付着することによって、その薬物のヒドロキシ官能基を介して、条件付きで安定したリガンド薬物結合体(LDC)の合成が可能になるという発見に部分的に基づく。結果として生じるLDCは、活性化されると遊離薬物を遊離することができ、それにより、ヒドロキシル官能基が再生される。
他の実施形態は、MAC単位が、チオール、アミドまたはアミン官能基を含む薬物を含む、ヒドロキシル以外の官能基を有する薬物とともに使用するための他のメチレンカルバメート単位を提供するように適合され得るという発見に部分的に基づく。したがって、本明細書中に提供される例示的な自壊性アセンブリ単位は、様々な脱離基の能力を有する薬物官能基のヘテロ原子に直接付着されたメチレンカルバメート単位を含む。いくつかの態様において、その官能基は、薬物からのヒドロキシル(第1級、第2級および第3級(tetiary)脂肪族アルコールならびに芳香族アルコールのヒドロキシルを含む)、チオール(アルキルチオールおよびアリールチオールを含む)、アミド(カルボキサミド、スルホンアミドおよびホスホルアミドを含む)またはアミン(環状もしくは脂環式である第1級脂肪族アミン、第2級脂肪族アミンおよび第3級脂肪族アミン、または第1級もしくは第2級アリールアミンを含む)であり、メチレンカルバメート単位に付着されたヘテロ原子(T*)は、酸素、硫黄または窒素ヘテロ原子(例えば、官能基が、第2級アミド、第3級アミン、環状脂肪族アミンまたはN置換アリールアミンであるとき、必要に応じて置換される)である。それらの場合、自壊性アセンブリ単位の条件的活性化によって、H−T*−Dが放出されるか、または第3級アミンの場合、T*−Dが放出される。MAC単位は、メチレンカルバメート単位の1つのタイプであり、ここで、ヒドロキシル含有薬物の共有結合的付着のために使用される官能基のヘテロ原子は、薬物からのヒドロキシル官能基の酸素原子である。
いくつかの実施形態において、LDCまたは薬物−リンカー化合物の自壊性アセンブリ単位の中の薬物単位に共有結合的に付着されたメチレンカルバメート単位は、下記に表される式I:
を有し、式中、波線は、自壊性アセンブリ単位の活性化可能な自壊性部分(X)への共有結合的付着を示し;Dは、LDCまたは薬物−リンカー化合物の薬物−リンカー部分に組み込まれた官能基を有する薬物単位であり、T*は、メチレンカルバメート単位に組み込まれる前記官能基の酸素、硫黄または必要に応じて置換される窒素ヘテロ原子であり;RおよびR1およびR2は、独立して、水素、必要に応じて置換されるC1−6アルキル、必要に応じて置換されるC6−14アリールまたは必要に応じて置換されるC結合型C3−8ヘテロアリールであるか、またはRとR1の両方が、それらが付着している窒素および炭素原子と一体となって、アゼチジニル、ピロロジニル、ピペリジニルまたはホモピペリジニル部分(好ましくは、ピロロジニルまたはピペリジニル部分)を構成し、R2は、水素である。
例示的な実施形態には、式(Ia)
に示されているようにR2が水素である実施形態が含まれ、波線、T*、D、RおよびR1は、式Iに対して定義されたとおりである。RおよびR1は、好ましくは、水素、必要に応じて置換されるC1−6アルキルまたは必要に応じて置換されるC6−14アリール(より好ましくは、水素、必要に応じて置換されるC1−4アルキルまたは必要に応じて置換されるフェニル、最も好ましくは、水素または必要に応じて置換されるC1−4アルキル)である。式Iaのいくつかの実施形態において、RおよびR1は、水素である。式Iaの他の実施形態において、RおよびR1の一方は、PEG単位または塩基性単位であり、他方は、水素または非置換C1−4アルキルである。
例示的な実施形態には、R1およびR2が、それらが付着している窒素および炭素原子と一体となって、式(Ib):
に示されているようなヘテロシクロを構成する実施形態が含まれ、式中、T*およびDおよび波線は、式Iに対して定義されたとおりであり、sは、0、1、2または3(好ましくは、0、1または2;より好ましくは、1または2)である。
いくつかの態様において、メチレンカルバメート単位は、MAC単位である。そのような実施形態において、Dは、ヒドロキシル官能基を有する薬物単位であり、LDCまたは薬物−リンカー化合物の自壊性アセンブリ単位の中の薬物単位に共有結合的に付着されたMAC単位は、下記に表される式I’:
を有し、式中、波線、R、R1およびR2は、式Iに対して定義されたとおりであり、Dは、LDCまたは薬物−リンカー化合物の薬物−リンカー部分に組み込まれたヒドロキシル官能基を有する薬物単位であり、O*は、メチレンカルバメート単位に組み込まれる前記官能基の酸素ヘテロ原子である。式I’のいくつかの実施形態において、R1およびR2の一方は、塩基性単位であり、他方は、水素または非置換C1−C4アルキルである。式I’の他の実施形態において、R1およびR2の一方は、PEG単位であり、他方は、水素または非置換C1−C4アルキルである。
例示的な実施形態には、式(Ia’)
に示されているようにR2が水素である実施形態が含まれ、式中、波線、RおよびR1は、式Iに対して定義されたとおりであり、Dは、LDCまたは薬物−リンカー化合物の薬物−リンカー部分に組み込まれたヒドロキシル官能基を有する薬物単位であり、O*は、メチレンカルバメート単位に組み込まれる前記官能基の酸素ヘテロ原子である。RおよびR1は、好ましくは、独立して選択される水素、必要に応じて置換されるC1−6アルキルまたは必要に応じて置換されるC6−14アリール(より好ましくは、水素、必要に応じて置換されるC1−4アルキルまたは必要に応じて置換されるフェニル、最も好ましくは、水素または必要に応じて置換されるC1−4アルキル)である。式Ia’のいくつかの実施形態において、R1およびR2は、水素である。式Ia’の他の実施形態において、RおよびR1の一方は、PEG単位または塩基性単位であり、他方は、水素または非置換C1−4アルキルである。
例示的な実施形態には、式(Ib’)
に示されているように、R1およびR2が、それらが付着している窒素および炭素原子と一体となって、ヘテロシクロを構成する実施形態が含まれ、式中、波線は、式Iに対して定義されたとおりであり、Dは、LDCまたは薬物−リンカー化合物の薬物−リンカー部分に組み込まれたヒドロキシル官能基を有する薬物単位であり、O*は、メチレンカルバメート単位に組み込まれる前記官能基の酸素ヘテロ原子であり、下付き文字sは、0、1、2または3(好ましくは、0、1または2;より好ましくは、1または2)である。
MAC単位は、自壊性アセンブリ単位の末端である。自壊性アセンブリ単位の主要な機能は、自壊性アセンブリ単位内の自壊性部分の自壊を惹起する選択的(すなわち、条件的)な活性化事象の後に遊離薬物(例えば、H−O*−D)を放出することである。自壊性アセンブリ単位は、MAC単位に加えて、活性化可能な自壊性部分(X)の自壊性部である自壊性スペーサー単位(Y)および自壊性スペーサー単位内の一連の自壊反応を惹起するように条件付きで作用を受ける活性化単位(W)を有するように設計されている。自壊の活性化は、迅速にYを断片化して遊離薬物(例えば、遊離アルコール含有薬物)を遊離する切断事象によるものである。本発明のLDCに組み込まれた薬物は、複数の官能基を含み得るが、それらの場合における薬物単位とMAC単位との付着は、それらの官能基のうちのただ1つからのヘテロ原子を介する。例えば、アルコール含有薬物の場合、その薬物は、1つより多い1つより多いアルコール部分(すなわち、1つより多いヒドロキシ官能基)を含み得るが、それらの場合における薬物単位とMAC単位との付着は、それらのヒドロキシル官能基のうちのただ1つからの酸素(oxgen)ヘテロ原子を介する。
薬物単位が官能基としてアミンを有し、そのアミンの窒素がメチレンカルバメート単位の一部になる実施形態の場合、N*としてのT*は、第1級アミン含有化合物または−(ヘテロ)アリーレン−NH2もしくは−(ヘテロ)アリーレン−NH−の部分を含む(ヘテロ)アリールアミン含有薬物(すなわち、第1級、第2級または環状芳香族アミン官能基を有する薬物)からの−NH−部分に相当し、(ヘテロ)アリールまたは(ヘテロ)アリーレンには、必要に応じて置換されるフェニルもしくはフェニレンまたは5もしくは6員のヘテロアリールもしくはヘテロアリーレンが含まれることが理解されるだろう。したがって、N*としてのT*は、必要に応じて置換される窒素と称される。同様に、薬物単位が、官能基としてアミドを有し、そのアミドの窒素が、メチレンカルバメート単位の一部になるとき、N*としてのT*は、第1級アミド含有薬物(すなわち、NH2C(=O)−の官能基を有する)、第2級アミド(すなわち、NH(RN)C(=O)−の官能基を有し、ここで、RNには、アルキル、アリール、C結合型ヘテロアリール、アルキル(アリール)スルホニルおよびアルキル(アリール)ホスホリルが含まれる)からの部分−NH(C=O)−に相当し、このときのN*としてのT*も、必要に応じて置換される窒素と称される。芳香族アミン含有薬物(ここで、そのアリールまたはアリーレンは、−NH−アルキレン−によって置換され、そのアルキレン部分は、そのアリールまたはアリーレンに結合されるがゆえに、縮合環系を形成する)を含むヘテロ炭素環(heterocarbocycle)またはヘテロカルボシクロ(hetereocarbocyclo)内に(withinin)窒素を有する第2級アミン含有遊離薬物の場合、T*−Dがその環状アミン構造に相当することがさらに理解されるだろう。
定義
別段述べられない限り、本明細書中で使用される以下の用語および句は、以下の意味を有すると意図されている。商品名が本明細書中で使用されるとき、文脈によって別段示されない限り、その商品名には、その商品名の製品の製品処方、ジェネリック医薬品、および医薬品有効成分が含まれる。
用語「抗体」は、本明細書中で使用されるとき、最も広い意味において使用され、具体的には、インタクトなモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、単一特異的抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、および所望の生物学的活性を示す抗体フラグメントを包含する。抗体の天然の形態は、四量体であり、免疫グロブリン鎖の2つの同一の対からなり、その各対は、1本の軽鎖および1本の重鎖を有する。各対において、軽鎖可変領域および重鎖可変領域(VLおよびVH)が一体となって、主に抗原への結合に関与する。軽鎖可変ドメインおよび重鎖可変ドメインは、3つの超可変領域(「相補性決定領域」または「CDR」とも呼ばれる)によって中断されたフレームワーク領域からなる。定常領域は、免疫系によって認識され得、免疫系と相互作用し得る(例えば、Janewayら、2001,Immunol.Biology,5th Ed.,Garland Publishing,New Yorkを参照のこと)。抗体は、任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgDおよびIgA)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)またはサブクラスであり得る。抗体は、任意の好適な種に由来し得る。いくつかの実施形態において、抗体は、ヒト起源またはマウス起源である。抗体は、例えば、ヒト、ヒト化またはキメラであり得る。
用語「モノクローナル抗体」は、本明細書中で使用されるとき、実質的に均一な抗体集団から得られる抗体のことを指し、すなわち、その集団を構成する個々の抗体は、少量で存在し得る天然に存在する可能性のある変異を除いては同一である。モノクローナル抗体は、単一の抗原部位に対して産生されているので、高度に特異的である。修飾語「モノクローナル」は、実質的に均一な抗体集団から得られているという抗体の形質を示すのであって、任意の特定の方法による抗体の生成を要求していると解釈されるべきでない。
「インタクトな抗体」は、その抗体クラスにとって適切であるように、抗原結合可変領域ならびに軽鎖定常ドメイン(CL)ならびに重鎖定常ドメインであるCH1、CH2、CH3およびCH4を含む抗体である。定常ドメインは、天然の配列の定常ドメイン(例えば、ヒトの天然の配列の定常ドメイン)またはそのアミノ酸配列バリアントであり得る。
「抗体フラグメント」は、インタクトな抗体の抗原結合領域または可変領域を含む、インタクトな抗体の一部を含む。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2およびFvフラグメント、ダイアボディ、トリアボディ(triabodies)、テトラボディ(tetrabodies)、鎖状抗体、一本鎖抗体分子、scFv、scFv−Fc、抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体フラグメント、Fab発現ライブラリーによって生成されるフラグメント、または標的抗原(例えば、癌細胞抗原、ウイルス抗原または微生物抗原)に免疫特異的に結合する上記のもののいずれかのエピトープ結合フラグメントが挙げられる。
「抗原」は、抗体が特異的に結合する実体である。
用語「特異的結合」および「特異的に結合する」は、抗体または抗体誘導体が、標的抗原の対応するエピトープに高度に選択的な様式で結合するが、他の多数の抗原には結合しないことを意味する。通常、抗体または抗体誘導体は、少なくとも約1×10−7M、好ましくは、10−8M〜10−9M、10−10M、10−11Mまたは10−12Mの親和性で結合し、所定の抗原以外または密接に関係する抗原以外の非特異的な抗原(例えば、BSA、カゼイン)への結合に対する親和性よりも少なくとも2倍高い親和性で所定の抗原に結合する。
用語「阻害する」または「阻害」は、測定可能な量だけ減少することまたは全体的に妨げることを意味する。
用語「治療有効量」とは、哺乳動物において疾患または障害を処置するのに有効な結合体の量のことを指す。癌の場合、結合体の治療有効量は、癌細胞の数を減少させ得る;腫瘍サイズを縮小させ得る;末梢器官への癌細胞の浸潤を阻害し得る(すなわち、ある程度遅延させ、好ましくは、停止し得る);腫瘍転移を阻害し得る(すなわち、ある程度遅延させ、好ましくは、停止し得る);腫瘍の成長をある程度阻害し得る;および/または癌に関連する1つもしくはそれを超える症候をある程度軽減し得る。その薬物が、成長を阻害し得、および/または既存の癌細胞を殺滅し得る限り、その薬物は、細胞分裂抑制性および/または細胞傷害性であり得る。癌治療の場合、有効性は、例えば、無増悪期間(time to disease progression)(TTP)を評価することおよび/または反応率(RR)を測定することによって、計測することができる。
用語「実質的な」または「実質的に」とは、集団、混合物またはサンプルの大部分、すなわち>50%、好ましくは、集団の50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%超のことを指す。
用語「細胞傷害活性」とは、薬物またはリガンド薬物結合体またはリガンド薬物結合体の細胞内代謝産物の細胞殺滅作用のことを指す。細胞傷害活性は、細胞の半数が生き残る単位体積あたりの濃度(モル濃度または質量)であるIC50値として表現され得る。
用語「細胞分裂抑制活性」とは、薬物またはリガンド薬物結合体またはリガンド薬物結合体の細胞内代謝産物の抗増殖作用のことを指す。
用語「細胞傷害剤」は、本明細書中で使用されるとき、細胞傷害活性を有し、細胞の破壊を引き起こす物質のことを指す。この用語は、化学療法剤、およびトキシン(例えば、細菌、真菌、植物または動物起源の小分子トキシンまたは酵素的に活性なトキシン(合成アナログおよびその誘導体を含む))を含むと意図されている。
用語「細胞分裂抑制剤」は、本明細書中で使用されるとき、細胞の成長または分裂増殖をはじめとした細胞の機能を阻害する物質のことを指す。細胞分裂抑制剤には、阻害剤(例えば、タンパク質阻害剤、例えば、酵素阻害剤)が含まれる。細胞分裂抑制剤は、細胞分裂抑制活性を有する。
用語「癌」および「癌性」とは、通常、無制御の細胞成長を特徴とする、哺乳動物における生理学的症状または障害のことを指すかまたは記載する。「腫瘍」は、1つまたはそれを超える癌性細胞を含む。
「自己免疫疾患」は、本明細書中で使用されるとき、個体自身の組織またはタンパク質から生じ、それに向けられた疾患または障害のことを指す。
「患者」は、本明細書中で使用されるとき、本発明のリガンド薬物結合体を投与される被験体のことを指す。患者としては、ヒト、ラット、マウス、モルモット、非ヒト霊長類、ブタ、ヤギ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、鳥類および家禽が挙げられるが、これらに限定されない。代表的には、患者は、ラット、マウス、イヌ、ヒトまたは非ヒト霊長類、より代表的には、ヒトである。
用語「処置する」または「処置」は、文脈によって別段示されない限り、その目的が、望まれない生理学的変化または障害(例えば、癌の発生または拡散)を阻害することまたは遅らせること(和らげること)である、治療的な処置および予防的な処置のことを指す。本発明の目的の場合、有益なまたは所望の臨床結果としては、検出可能であるか検出不可能であるかに関係なく、症候の軽減、疾患の程度の低下、疾患の状態の安定(すなわち、悪化させないこと)、疾患進行の遅延または減速、疾患状態の回復または寛解、および緩解(部分的であるか全体的であるかに関係なく)が挙げられるが、これらに限定されない。「処置」は、処置を受けなかった場合に予想される生存時間よりも生存時間を延長することも意味し得る。処置を必要とする者には、その症状または障害をすでに有する者ならびにその症状または障害を有する傾向がある者が含まれる。
癌の状況において、用語「処置する」には、腫瘍細胞の殺滅;腫瘍細胞、癌細胞または腫瘍の成長の阻害;腫瘍細胞または癌細胞の複製の阻害、全体的な腫瘍量の減少または癌性細胞の数の減少、およびその疾患に関連する1つまたはそれを超える症候の回復のうちのいずれかまたはすべてが含まれる。
自己免疫疾患の状況において、用語「処置する」には、自己免疫疾患の状態に関連する細胞(自己免疫性抗体を産生する細胞を含むがこれに限定されない)の複製の阻害、悩まされている自己免疫性抗体の減少、および自己免疫疾患の1つまたはそれを超える症候の回復のうちのいずれかまたはすべてが含まれる。
句「薬学的に許容され得る塩」は、本明細書中で使用されるとき、化合物(例えば、薬物、薬物−リンカーまたはリガンド薬物結合体)の薬学的に許容され得る有機塩または無機塩のことを指す。いくつかの態様において、その化合物は、少なくとも1つのアミノ基を含み得、したがって、そのアミノ基とともに酸付加塩が形成され得る。例示的な塩としては、硫酸塩、トリフルオロ酢酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸塩))が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容され得る塩は、別の分子(例えば、酢酸イオン、コハク酸イオンまたは他の対イオン)の包含を伴い得る。対イオンは、親化合物上の電荷を安定させる任意の有機部分または無機部分であり得る。さらに、薬学的に許容され得る塩は、その構造の中に1つより多い荷電原子を有し得る。複数の荷電原子が薬学的に許容され得る塩の一部である場合は、複数の対イオンを有し得る。ゆえに、薬学的に許容され得る塩は、1つもしくはそれを超える荷電原子および/または1つもしくはそれを超える対イオンを有し得る。
リンカー単位は、リガンド薬物結合体において薬物単位をリガンド単位に接続する二官能性部分である。本発明のリンカー単位は、いくつかの構成要素(例えば、随意の塩基性単位を有するストレッチャー単位、随意の分枝単位、随意のコネクター単位および自壊性アセンブリ単位)を有する。
「塩基性単位」は、本明細書中で使用されるとき、ストレッチャー単位(Z)もしくはストレッチャー単位前駆体(Z’)(それぞれスクシンイミドまたはマレイミド系を含む)の有機部分であるか、またはメチレンカルバメート単位のカルバメート窒素上の置換基であるRの例、またはメチレンカルバメート単位のメチレン炭素の置換基であるR1もしくはR2の例である。塩基性単位は、ストレッチャー単位の一部であるとき、水分子をZのスクシンイミドカルボニル窒素結合のうちの1つに付加することを触媒することができ、それは、そのストレッチャー単位に付着されるリガンド単位によって、許容できるコントロールされた条件下で惹起され得る。その目的のために、塩基性単位(BU)の塩基性官能基、およびZにおけるその塩基性官能基のスクシンイミド環系に対する相対的な位置は、その環系のカルボニル基との水素結合に対する、その求電子性およびゆえに水の攻撃に対する感受性を効果的に高める能力について選択される。あるいは、それらの可変部分は、水分子(その求核性がBUの塩基性官能基に水素結合することによって高められる)が、Zのスクシンイミド環系のカルボニル基に向けられるように選択される。通常、いずれかの機構によって作用するそのような塩基性単位は、その塩基性アミノ官能基をストレッチャー単位の残りの部分に接続する1〜6個連続した炭素原子を含む。水素結合によってZにおけるスクシンイミドカルボニルの求電子性を高めるために、BUは、第1級または第2級アミン官能基を有する必要があるのに対し、記載される様式で水の求核性を高めることは、BUの塩基性官能基として第1級、第2級または第3級アミンを用いて行われ得る。塩基性アミン官能基が、いずれかの機構によってZのスクシンイミドの加水分解を助けるために要求されるように近接して存在するために、BUのアミンを有する炭素鎖は、通常、対応するストレッチャー単位前駆体Z’のマレイミド窒素に結合される必要に応じて置換されるアルキル部分のアルファ炭素に付着される。
塩基性単位の塩基性アミン官能基は、ストレッチャー単位前駆体の一部であるとき、マレイミド部分の時期尚早の加水分解を回避するため、または塩基性アミン官能基の求核性(nucleophillic)窒素によってマレイミド部分の環系のカルボニル上に直接付着するために、通常、塩の形態としてまたは好適な保護基で保護される。その目的にとって好適な保護基は、酸不安定保護基、例えば、アルキルオキシカルボニル基である。通常2〜6個連続した炭素原子を含む、カルバメート窒素を塩基性官能基に(および/またはメチレンカルバメート単位のメチレン炭素を塩基性官能基に)接続する塩基性単位における部分は、メチレンカルバメート単位の一部であるとき、その部分が自発的な加溶媒分解に起因して時期尚早にH−T*−Dとして失われる傾向を低下させるために、その塩基性単位を有するメチレンカルバメート単位のT*−D部分に、要求されるように近接するように選択される。塩基性単位の例示的であるが非限定的な例は、−(CH2)xNH2、−(CH2)xNHRopまたは−(CH2)xN(Rop)2であり、ここで、xは、1〜4の範囲の整数であり、これらの例におけるRopは、C1−6アルキルである。
「PEG単位」は、本明細書中で使用されるとき、繰り返しのエチレン−オキシサブユニットを含む有機部分であり、多分散性、単分散性または離散性(discrete)(すなわち、不連続な数のエチレン−オキシサブユニットを有する)であり得る。多分散性のPEGは、サイズおよび分子量の不均一な混合物であるのに対し、単分散性のPEGは、通常、不均一な混合物から精製されているがゆえに、単一の鎖長および分子量を提供する。好ましいPEG単位は、重合プロセスを介するのではなく段階的な形式で合成される化合物である離散性のPEGである。離散性のPEGは、規定された特定の鎖長を有する単一分子を提供する。
本明細書中に提供されるPEG単位は、1つまたは複数のポリエチレングリコール鎖を含み、その各々は、互いに共有結合的に付着された1つまたはそれを超えるエチレンオキシサブユニットを含む。それらのポリエチレングリコール鎖は、例えば、直鎖状、分枝状または星形の配置で、共に連結され得る。代表的には、リガンド薬物結合体に組み込まれる前のそれらのポリエチレングリコール鎖のうちの少なくとも1つは、一端において、そのメチレンカルバメート単位のカルバメート窒素への共有結合的付着のための求電子基で置換されたアルキル部分で誘導体化される(すなわち、Rの場合に相当する)。他の場合は、PEG単位は、メチレンカルバメート単位のメチレン炭素の置換基であるR1またはR2の例である。代表的には、メチレンカルバメート単位のカルバメート窒素またはメチレン炭素への共有結合的付着に関わらない各ポリエチレングリコール鎖における末端のエチレンオキシサブユニットは、PEGキャッピング単位、代表的には、必要に応じて置換されるアルキル(例えば、−CH3、CH2CH3またはCH2CH2CO2H)で修飾される。好ましいPEG単位は、直列で共有結合的に付着され、一端がPEGキャッピング単位で終わる、8〜24個の−CH2CH2O−サブユニットを有する単一のポリエチレングリコール鎖を有する。
別段示されない限り、単独でのまたは別の用語の一部としての用語「アルキル」は、表示されている数の炭素原子を有する、置換または非置換の直鎖または分枝状の飽和または不飽和の炭化水素のことを指す(例えば、「−C1−C8アルキル」または「−C1−C10」アルキルは、それぞれ1〜8個または1〜10個の炭素原子を有するアルキル基のことを指す)。炭素原子の数が、表示されていないとき、そのアルキル基は、1〜8個の炭素原子を有する。代表的な直鎖「−C1−C8アルキル」基としては、−メチル、−エチル、−n−プロピル、−n−ブチル、−n−ペンチル、−n−ヘキシル、−n−ヘプチルおよび−n−オクチルが挙げられるが、これらに限定されない一方で;分枝状の−C1−C8アルキルとしては、−イソプロピル、−sec−ブチル、−イソブチル、−tert−ブチル、−イソペンチルおよび−2−メチルブチルが挙げられるが、これらに限定されず;不飽和の−C2−C8アルキルとしては、−ビニル、−アリル、−1−ブテニル、−2−ブテニル、−イソブチレニル、−1ペンテニル、−2ペンテニル、−3メチル−1−ブテニル、−2メチル−2−ブテニル、−2,3−ジメチル−2−ブテニル、−1−ヘキシル、2−ヘキシル、−3−ヘキシル、−アセチレニル、−プロピニル、−1ブチニル、−2ブチニル、−1ペンチニル、−2ペンチニルおよび−3メチル1ブチニルが挙げられるが、これらに限定されない。アルキル基は、時折、非置換である。アルキル基は、1つまたはそれを超える基で置換され得る。他の態様において、アルキル基は、飽和であり得る。
別段示されない限り、単独での別の用語の一部としての「アルキレン」は、親アルカンの同じ炭素原子または2つの異なる炭素原子から2つの水素原子を除去することによって得られる2つの一価ラジカル中心を有する、述べられている数の炭素原子、代表的には、1〜10個の炭素原子の置換または非置換の飽和の分枝状または直鎖または環状の炭化水素ラジカルのことを指す。代表的なアルキレンラジカルとしては、メチレン(−CH2−)、1,2−エチル(−CH2CH2−)、1,3−プロピル(−CH2CH2CH2−)、1,4−ブチル(−CH2CH2CH2CH2−)などが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい態様において、アルキレンは、分枝状または直鎖状の炭化水素である(すなわち、環状の炭化水素ではない)。
別段示されない限り、単独でのまたは別の用語の一部としての「アリール」は、親芳香環系の単一の炭素原子から1つの水素原子を除去することによって得られる、述べられている数の炭素原子、代表的には、6〜20個の炭素原子の、置換または非置換の一価の炭素環式芳香族炭化水素ラジカルを意味する。いくつかのアリール基は、例示的な構造において「Ar」として表される。代表的なアリール基としては、ベンゼン、置換ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニルなどから得られるラジカルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的なアリール基は、フェニル基である。
別段示されない限り、単独でのまたは別の用語の一部としての「アリーレン」は、2つの共有結合を有し(すなわち、二価であり)、例示的な基としてフェニルを用いて以下の構造に示されているようにオルト、メタまたはパラ配向であり得る、上で定義されたようなアリール基である:
別段示されない限り、単独でのまたは別の用語の一部としての「C3−C8複素環」とは、3〜8個の炭素原子(環メンバーとも称される)およびN、O、PまたはSから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子環メンバーを有し、親環系の環原子から1つの水素原子を除去することによって得られる、一価の置換または非置換の芳香族または非芳香族の単環式または二環式の環系のことを指す。その複素環における1つまたはそれを超えるN、CまたはS原子が、酸化され得る。ヘテロ原子を含む環は、芳香族または非芳香族であり得る。すべての(all or)環原子が芳香族性に関わる複素環は、ヘテロアリールと称され、そうでないものは、ヘテロ炭素環と称される。別段述べられない限り、その複素環は、安定した構造をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子におけるペンダント基に付着される。したがって、ヘテロアリールは、その芳香環系の芳香族炭素を介して結合され得る(C結合型ヘテロアリールと称される)か、またはその芳香環系における二重結合していないN原子(すなわち、=N−ではない)を介して結合され得る(N結合型ヘテロアリールと称される)。したがって、窒素含有複素環は、C結合型またはN結合型であり得、それには、ピロール部分(例えば、ピロール−1−イル(N結合型)およびピロール−3−イル(C結合型))およびイミダゾール部分(例えば、イミダゾール−1−イルおよびイミダゾール−3−イル(両方ともN結合型)ならびにイミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イルおよびイミダゾール−5−イル部分(これらのすべてがC結合型である))が含まれる。
別段示されない限り、「C3−C8ヘテロアリール」は、芳香族C3−C8複素環であり、ここで、下付き文字は、その複素環の環式環系の炭素の総数またはそのヘテロアリールの芳香環系の芳香族炭素の総数を表しており、環系のサイズまたは環縮合の有無に関係しない。C3−C8複素環の代表的な例としては、ピロリジニル、アゼチジニル、ピペリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェン、インドリル、ベンゾピラゾリル、ピロリル、チオフェニル(チオフェン)、フラニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリミジニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、イソチアゾリルおよびイソオキサゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。複素環またはヘテロアリールの環系のサイズは、明示的に与えられるとき、その環における原子の総数によって示される。例えば、5員または6員のヘテロアリールとしての指定は、そのヘテロアリールの芳香族複素環系における芳香族原子の(or)総数(すなわち、5または6個)を示すが、その環系における芳香族ヘテロ原子または芳香族炭素の数を暗示しない。縮合ヘテロアリールは、明示的に述べられるか、または文脈によってそういうものとして暗示され、代表的には、縮合された芳香族複素環系を構成するように互いに縮合された、各芳香環における芳香族原子の数によって示される。例えば、5,6員ヘテロアリールは、芳香族6員環に縮合された芳香族5員環であり、ここで、それらの環の一方または両方が芳香族ヘテロ原子を有するか、またはヘテロ原子がそれらの2つの環の間で共有される。
アリールまたはヘテロアリールに縮合された複素環が、非芳香族のままであり、縮合された環系の非芳香族部分との付着を介してより大きな構造の一部になるような複素環は、必要に応じて置換される複素環の例であり、ここで、その複素環は、アリールまたはヘテロアリールとの環縮合によって置換される。同様に、縮合される環系の芳香族部分との付着を介してより大きな構造の一部になる、複素環または炭素環式化合物に縮合されたアリールまたはヘテロアリールは、必要に応じて置換されるアリールまたは複素環の例であり、ここで、そのアリールまたは複素環は、複素環または炭素環式化合物との環縮合によって置換される。
別段示されない限り、単独でのまたは別の用語の一部としての「C3−C8ヘテロシクロ」は、上で定義されたC3−C8複素環式のことを指し、ここで、その複素環の水素原子の1つが、結合で置き換えられている(すなわち、二価である)。別段示されない限り、単独でのまたは別の用語の一部としての「C3−C8ヘテロアリーレン」は、上で定義されたC3−C8ヘテロアリール基のことを指し、ここで、そのヘテロアリール基の水素原子の1つが、結合で置き換えられている(すなわち、二価である)。
別段示されない限り、単独でのまたは別の用語の一部としての「C3−C8炭素環式化合物」は、親環系の環原子から1つの水素原子を除去することによって得られる、3、4、5、6、7または8員の一価の置換または非置換の飽和または不飽和の非芳香族の単環式または二環式の炭素環である。代表的な−C3−C8炭素環式化合物としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、1,3−シクロヘキサジエニル、1,4−シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、1,3−シクロヘプタジエニル、1,3,5−シクロヘプタトリエニル、シクロオクチルおよびシクロオクタジエニルが挙げられるが、これらに限定されない。
別段示されない限り、単独でのまたは別の用語の一部としての「C3−C8カルボシクロ」は、上で定義されたC3−C8炭素環式化合物基のことを指し、ここで、炭素環式化合物基のもう1つの水素原子が、結合で置き換えられている(すなわち、二価である)。
別段示されない限り、単独でのまたは別の用語との組み合わせでの用語「ヘテロアルキル」は、別段述べられない限り、完全に飽和しているかもしくは1〜3の不飽和度を含み、述べられている数の炭素原子ならびにO、N、SiおよびSからなる群より選択される1〜10個、好ましくは、1〜3個のヘテロ原子からなる、安定した直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素またはそれらの組み合わせを意味し、ここで、窒素および硫黄原子は、必要に応じて酸化されてもよく、窒素ヘテロ原子は、必要に応じて四級化されてもよい。ヘテロ原子O、NおよびSは、ヘテロアルキル基の任意の内側の位置に、またはアルキル基がその分子の残りの部分に付着される位置に、配置され得る。ヘテロ原子Siは、アルキル基がその分子の残りの部分に付着される位置を含む、ヘテロアルキル基の任意の位置に配置され得る。例としては、−CH2−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−NH−CH3、−CH2−CH2−N(CH3)−CH3、−CH2−S−CH2−CH3、−CH2−CH2−S(O)−CH3、−NH−CH2−CH2−NH−C(O)−CH2−CH3、−CH2−CH2−S(O)2−CH3、−CH=CH−O−CH3、−Si(CH3)3、−CH2−CH=N−O−CH3および−CH=CH−N(CH3)−CH3が挙げられる。最大2個のヘテロ原子が、連続してよく、例えば、−CH2−NH−OCH3および−CH2−O−Si(CH3)3であり得る。代表的には、C1〜C4ヘテロアルキルまたはヘテロアルキレンは、1〜4個の炭素原子および1または2個のヘテロ原子を有し、C1〜C3ヘテロアルキルまたはヘテロアルキレンは、1〜3個の炭素原子および1または2個のヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、ヘテロアルキルまたはヘテロアルキレンは、飽和である。
別段示されない限り、単独でのまたは別の用語との組み合わせでの用語「ヘテロアルキレン」は、−CH2−CH2−S−CH2−CH2−および−CH2−S−CH2−CH2−NH−CH2−によって例証されるような、ヘテロアルキル(上で論じたようなもの)から得られる二価の基を意味する。ヘテロアルキレン基の場合、ヘテロ原子も、鎖のいずれかまたは両方の末端を占有し得る。なおもさらに、アルキレンおよびヘテロアルキレン連結基の場合、その連結基の配向は含意されない。
別段示されない限り、単独でのまたは別の用語との組み合わせでの「アミノアルキル」は、ヘテロアルキルを意味し、ここで、本明細書中で定義されるようなアルキル部分が、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノまたはシクロアルキルアミノ基で置換されている。例示的で非限定的なアミノアルキルは、−CH2NH2、−CH2CH2NH2、−CH2CH2NHCH3および−CH2CH2N(CH3)2であり、分枝状の種(例えば、(R)−または(S)−配置の−CH(CH3)NH2および−C(CH3)CH2NH2)をさらに含む。あるいは、アミノアルキルは、本明細書中で定義されるようなアルキル部分、基または置換基であり、ここで、ラジカル炭素以外のsp3炭素は、アミノまたはアルキルアミノ部分で置き換えられ、そのsp3窒素は、そのアルキルのsp3炭素を置き換えるが、但し、少なくとも1つのsp3炭素は、そのままである。より大きな構造または別の部分に対する置換基としてアミノアルキル部分について言及するとき、そのアミノアルキルは、そのアミノアルキルのアルキル部分の炭素ラジカルを介して、その構造または部分に共有結合的に付着される。
別段示されない限り、単独でのまたは別の用語との組み合わせでの「アルキルアミノ」および「シクロアルキルアミノ」は、本明細書中に記載されるようなアルキルまたはシクロアルキルラジカルを意味し、ここで、そのアルキルまたはシクロアルキルラジカルのラジカル炭素は、窒素ラジカルで置き換えられるが、但し、少なくとも1つのsp3炭素は、そのままである。アルキルアミノが、その窒素において別のアルキル部分で置換される場合、得られる置換ラジカルは、時折、ジアルキルアミノ部分、基または置換基と称され、ここで、その窒素を置換しているアルキル部分は、独立して選択される。例示的で非限定的なアミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノ置換基としては、−N(Rop)2の構造を有するものが挙げられ、ここで、これらの例におけるRopは、独立して、水素またはC1−6アルキル、代表的には、水素またはメチルから選択されるのに対し、ヘテロシクロアルキルに含まれるシクロアルキルアミンでは、両方のRopが、それらが付着している窒素と一体となって複素環式環を定義する。両方のRopが、水素またはアルキルであるとき、その部分は、時折、それぞれ第1級アミノ基および第3級アミン基と記載される。一方のRopが水素であり、他方がアルキルであるとき、その部分は、時折、第2級アミノ基と記載される。第1級および第2級アルキルアミノ部分は、求核剤として、カルボニル含有求電子中心に対してより反応性であるのに対し、第3級アミンは、より塩基性である。
「置換アルキル」および「置換アリール」は、1つまたはそれを超える水素原子、代表的には1つの水素原子が、各々独立して置換基で置き換えられた、それぞれアルキルおよびアリールを意味する。代表的な置換基としては、塩基性単位、PEG単位、−X、−Rop、−OH、−ORop、−SRop、、−N(Rop)2、−N(Rop)3、=NRop、−CX3、−CN、−NO2、−NRopC(=O)Rop、−C(=O)Rop、−C(=O)N(Rop)2、−S(=O)2Rop、−S(=O)2NRop、−S(=O)Rop、−OP(=O)(ORop)2、−P(=O)(ORop)2、−PO−3 =、PO3H2、−C(=O)Rop、−C(=S)Rop、−CO2Rop、−CO2 −、−C(=S)ORop、−C(=O)SRop、−C(=S)SRop、−C(=O)N(Rop)2、−C(=S)N(Rop)2および−C(=NR)N(Rop)2が挙げられるが、これらに限定されず、ここで、各Xは、独立して、ハロゲン:−F、−Cl、−Brおよび−Iからなる群より選択され;各Ropは、独立して、−H、−C1−C20アルキル、−C6−C20アリール、−C3−C14複素環、保護基およびプロドラッグ部分からなる群より選択される。
より代表的には、置換基は、塩基性、単位 PEG単位 −X、−Rop、−OH、−ORop、−SRop、−N(Rop)2、−N(Rop)3、=NRop、−NRopC(=O)Rop、−C(=O)Rop、−C(=O)N(Rop)2、−S(=O)2Rop、−S(=O)2NRop、−S(=O)Rop、−C(=O)Rop、−C(=S)Rop、−C(=O)N(Rop)2、−C(=S)N(Rop)2および−C(=NR)N(Rop)2からなる群より選択され、ここで、各Xは、独立して、−Fおよび−Clからなる群より選択され、塩基性、単位 PEG単位 −X、−Rop、−OH、−ORop、−N(Rop)2、−N(Rop)3、−NRopC(=O)Rop、−C(=O)N(Rop)2、−S(=O)2Rop、−S(=O)2NRop、−S(=O)Rop、−C(=O)Rop、−C(=O)N(Rop)2、−C(=NR)N(Rop)2、保護基およびプロドラッグ部分からなる群より選択され、ここで、各Xは、−Fであり;各Ropは、独立して、水素、−C1−C20アルキル、−C6−C20アリール、−C3−C14複素環、保護基およびプロドラッグ部分からなる群より選択される。いくつかの態様において、アルキル置換基は、−N(Rop)2、−N(Rop)3および−C(=NR)N(Rop)2からなる群から選択され、ここで、Ropは、上で定義されたとおりであり、それは、Ropが、独立して、水素および−C1−C20アルキルからなる群より選択されるとき、塩基性単位を提供し得る。他の態様において、アルキルは、PEG単位を定義する一続きの(a series or)エチレンオキシ部分で置換される。上に記載されたようなアルキレン、炭素環式化合物、カルボシクロ、アリーレン、ヘテロアルキル、ヘテロアルキレン、複素環、ヘテロシクロ、ヘテロアリールおよびヘテロアリーレン基もまた、同様に置換され得る。
「保護基」は、本明細書中で使用されるとき、それに連結された原子または官能基の能力が、望まれない反応に関与するのを妨げるかまたは減少させる部分を意味する。原子または官能基に対する代表的な保護基は、Greene(1999),“Protective groups in organic synthesis,3rd ed.”,Wiley Interscienceに与えられている。ヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄および窒素)に対する保護基は、時折、求電子性化合物との望まれない反応を最小限にするためまたは回避するために使用される。他の場合は、保護基は、保護されていないヘテロ原子の求核性および/または塩基性度を減少させるかまたは排除するために使用される。保護された酸素の非限定的な例は、−ORPRによって与えられ、ここで、RPRは、ヒドロキシルに対する保護基であり、ここで、ヒドロキシルは、代表的には、エステル(例えば、アセテート、プロピオネートまたはベンゾエート)として保護される。ヒドロキシルに対する他の保護基は、有機金属試薬または他の高度に塩基性の試薬の求核性の干渉を回避し、ここで、ヒドロキシルは、代表的には、アルキルエーテルまたはヘテロシクロアルキルエーテル(例えば、メチルエーテルまたはテトラヒドロピラニルエーテル)、アルコキシメチルエーテル(例えば、メトキシメチルエーテルまたはエトキシメチルエーテル)、必要に応じて置換されるアリールエーテルおよびシリルエーテル(例えば、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、tert−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、tert−ブチルジメチルシリル(TBS/TBDMS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)および[2−(トリメチルシリル)エトキシ]−メチルシリル(SEM))を含むエーテルとして保護される。窒素保護基には、−NHRPRまたは−N(RPR)2−におけるような第1級または第2級アミンに対する保護基が含まれ、ここで、RPRの少なくとも1つは、窒素原子保護基であるか、または両方のRPRが、一体となって、保護基を構成する。
保護基は、当該分子における他の箇所において所望の化学的変換をもたらすために必要とされる反応条件下で、および所望の場合、新しく形成された分子の精製中に、望まれない副反応または保護基の時期尚早の喪失を妨げることができるかまたは回避することができ、その新しく形成された分子の構造または立体化学的な完全性に悪影響を及ぼさない条件下で除去され得るとき、好適な保護基である。例として、限定されないが、好適な保護基としては、官能基を保護するために先に記載された保護基が挙げられ得る。好適な保護基は、時折、ペプチドカップリング反応において使用される保護基である。
単独でのまたはより大きな構造の一部としての「芳香族アルコール」は、ヒドロキシル官能基−OHで置換された芳香環系のことを指す。したがって、芳香族アルコールとは、その芳香環系の芳香族炭素に結合されたヒドロキシル官能基を有する、本明細書中に記載されるような任意のアリール、ヘテロアリール、アリーレンおよびヘテロアリーレン部分のことを指す。芳香族アルコールは、その芳香環系が、より大きな部分の置換基であるとき、このより大きな部分の一部であり得るか、または環縮合によってより大きな部分に埋め込まれ得、1つまたはそれを超える他のヒドロキシル置換基(substitutents)をはじめとした本明細書中に記載されるような部分で必要に応じて置換され得る。フェノールアルコールは、芳香環としてフェノール基を有する芳香族アルコールである。
単独でのまたはより大きな構造の一部としての「脂肪族アルコール」は、ヒドロキシル官能基−OHに結合された非芳香族炭素を有する部分のことを指す。そのヒドロキシを有する炭素は、非置換(すなわち、メチルアルコール)であり得るか、あるいは第1級アルコール、または直鎖状もしくは環状構造を有する(wihin)第2級もしくは第3級脂肪族アルコールを定義する、1、2もしくは3個の必要に応じて置換される分枝状または非分枝状のアルキル置換基を有し得る。そのアルコールは、より大きな構造の一部であるとき、ヒドロキシを有する炭素を介して、このヒドロキシルを有する炭素に対するアルキルまたは本明細書中に記載されるような他の部分の炭素を介して、またはこのアルキルもしくは他の部分の置換基を介して、結合することによって、この構造の置換基であり得る。脂肪族アルコール(alchohol)は、非芳香族環状構造(すなわち、必要に応じて置換される炭素環式化合物およびヘテロ炭素環)を企図し、ここで、ヒドロキシ官能基がその環式環系の非芳香族炭素に結合される。
「アリールアルキル」または「ヘテロアリールアルキル」は、本明細書中で使用されるとき、アリール部分がアルキル部分に結合された置換基、部分または基、すなわち、アリール−アルキル−(ここで、アルキルおよびアリール基は、上に記載されたとおりである)を意味し、例えば、C6H5−CH2−またはC6H5−CH(CH3)CH2−である。アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルは、そのアルキル部分のsp3炭素を介してより大きな構造または部分と会合される。
「電子吸引基」は、本明細書中で使用されるとき、それが結合している原子から電子密度を誘起的におよび/または共鳴によって(いずれか支配的なほうによって)吸引する官能基または電気陰性原子を意味し(すなわち、官能基または原子は、誘起的に電子吸引性であり得るが、共鳴によって全体的に電子供与性であり得る)、アニオンを安定化するかまたは電子が豊富な部分を安定化する傾向がある。電子吸引作用は、代表的には、弱まった形態であったとしても、電子吸引基(EWG)によって電子不足になった結合された原子に付着された他の原子に誘起的に伝えられ、ゆえに、より離れた反応性中心の求電子性に影響する。例示的な電子吸引基としては、−C(=O)、−CN、−NO2、−CX3、−X、−C(=O)ORop、−C(=O)N(Rop)2、−C(=O)Rop、−C(=O)X、−S(=O)2Rop、−S(=O)2ORop、−S(=O)2NHRop、−S(=O)2N(Rop)2、−P(=O)(ORop)2、−P(=O)(CH3)NHRop、−NO、−N(Rop)3 +(ここで、Xは、−F、−Br、−Clまたは−Iであり、いくつかの態様において、Ropは、各存在において独立して、水素およびC1−6アルキルからなる群より選択される)および本明細書中に記載されるようなある特定のO結合型部分(例えば、アシルオキシ)が挙げられるが、これらに限定されない。
例示的なEWGには、置換に応じてアリール基(例えば、フェニル)およびある特定のヘテロアリール基(例えば、ピリジン)も含まれ得る。したがって、用語「電子吸引基」には、電子吸引基でさらに置換されたアリールまたはヘテロアリールも含まれる。代表的には、アリール上またはヘテロアリール上の電子吸引基は、−C(=O)、−CN、−NO2、−CX3および−Xであり、ここで、独立して選択されるXは、ハロゲン、代表的には、−Fまたは−Clである。置換基に応じて、アルキル部分も、電子吸引基であり得る。
「電子供与基」は、本明細書中で使用されるとき、それが結合している原子の電子密度を誘起的におよび/または共鳴によって(いずれか支配的なほうによって)増加させる官能基または電気陽性原子を意味し(すなわち、官能基または原子は、共鳴によって電子供与性であり得るが、全体的に、誘起的に電子吸引性であり得る)、カチオンを安定化するかまたは電子不足の系を安定化する傾向がある。電子供与作用は、代表的には、電子供与基(EWG)によって電子が豊富になった結合された原子に付着された他の原子に共鳴によって伝えられ、ゆえに、より離れた反応性中心の求核性に影響する。例示的な電子供与基としては、アミンおよび本明細書中に記載されるようなある特定のO結合型置換基(例えば、−OHおよびエーテル)が挙げられるが、これらに限定されない。置換基に応じて、アリールまたはヘテロアリール部分も、電子供与基であり得る。非置換アルキル部分は、通常、電子供与性である。
「O結合型部分」は、本明細書中で使用されるとき、O結合型部分の酸素原子を直接介してより大きな構造または部分に付着される部分を意味する。O結合型部分は、ヒドロキシル、すなわち、−OH、アセトキシ、すなわち、−OC(=O)CH3、アシルオキシ、すなわち、−OC(=O)R(ここで、Rは、水素、または必要に応じて置換される、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくは複素環である)、および必要に応じて置換される、アリールオキシ(アリール−O−)、フェノキシ(Ph−O−)およびヘテロアリールオキシ(ヘテロアリール−O)、またはシリルオキシ、すなわち、R3SiO−(ここで、Rは、独立して、必要に応じて置換される、アルキル、アリールまたはヘテロアリールである)、エーテル、すなわち、−OR(Rは、シリルオキシに対して定義されたとおりである)および−ORPR(ここで、RPRは、先に定義されたような保護基である)などの部分を含む一価の部分であり得る。一価のO結合型部分は、結合される酸素ヘテロ原子の電気陰性度およびその孤立電子対の電子の利用可能性に応じて、電子供与性または電子吸引性であり得る。例えば、−OHまたはエーテルは、その酸素原子が炭素原子に対する置換基であるとき、電子供与性部分である一方、同様に置換されたアシルオキシは、電子吸引性部分である。O結合型部分は、二価、すなわち、=Oまたはケタール部分、例えば、−X−(CH2)n−Y−(ここで、XおよびYは、独立して、SおよびOであり、nは、2〜3であり、それにより、XおよびYが付着している炭素とともにスピロ環系が形成される)でもあり得る。
「脱離基の能力」は、リガンド薬物結合体における薬物単位に対応するアルコール含有化合物、チオール含有化合物、アミン含有化合物またはアミド含有化合物が、その結合体(cCnjugate)内の自壊事象の活性化の後に遊離薬物として結合体から放出される能力に関係する。その放出は、その薬物単位が付着しているメチレンカルバメート単位の恩恵がないとき(すなわち、薬物単位が、自壊性部分に直接付着され、介在性のメチレンカルバメート単位を有しないとき)、一定でないことがある。優れた脱離基は、通常、弱塩基であり、そのような結合体から排出される官能基が酸性であるほど、その結合体の塩基は、弱くなる。したがって、薬物単位のアルコール含有遊離薬物、チオール含有遊離薬物、アミン含有遊離薬物またはアミド含有遊離薬物の脱離基の能力は、メチレンカルバメート単位(すなわち、薬物単位が自壊性部分に直接付着される単位)が使用されない場合、結合体から排出される薬物の官能基のpKaに関係し得る。したがって、その官能基に対するより低いpKaは、その脱離基の能力を高め得る。他の因子も、メチレンカルバメート単位の利点を有しない結合体からの遊離薬物の放出に寄与し得るが、通常、より低いpKa値を有する官能基を有する薬物が、代表的には、より高いpKa値を有する官能基を介して付着される薬物よりも(tha)優れた脱離基であり得る。別の考慮すべき点は、低すぎるpKa値を有する官能基が、自然加水分解を介した薬物単位の時期尚早の喪失に起因して、許容できない活性プロファイルをもたらし得る点である。メチレンカルバメート単位を使用する結合体の場合、薬物単位の許容できない喪失を受けずに遊離薬物の効率的な放出を可能にするpKa値を有する共通の官能基(すなわち、カルバミン酸)が、自壊の際に生成される。
「スクシンイミド部分」は、本明細書中で使用されるとき、その環系のイミド窒素に結合されたアルキレン含有部分を通常さらに含むストレッチャー単位(Z)の1タイプに存在するスクシンイミド環系を含む有機部分のことを指す。スクシンイミド部分は、通常、ストレッチャー単位前駆体(Z’)のマレイミド環系への、リガンド単位のスルフヒドリル基のマイケル付加に起因する。ゆえに、スクシンイミド部分は、チオで置換されたスクシンイミド環系を含み、そのスクシンイミド部分は、LDCに存在するとき、そのLDCのリンカー単位の残りの部分で置換されたイミド窒素を有し、Z’のマレイミド環系上に存在した置換基で必要に応じて置換される。
「酸アミド部分」は、本明細書中で使用されるとき、加水分解によってそのカルボニル−窒素結合のうちの1つが切断されたスクシンイミド部分のチオで置換されたスクシンイミド環系に由来する、アミド置換基を有するコハク酸のことを指す。コハク酸アミド部分をもたらす加水分解は、抗体−チオ置換基の脱離によってリンカー単位に結合されるリガンド単位を時期尚早に失う可能性が低いリンカー単位を提供する。チオで置換されたスクシンイミド部分のスクシンイミド環系の加水分解は、ストレッチャー単位前駆体のマレイミド環系に存在する任意の置換基および標的化リガンドによって導入されるチオ置換基に少なくとも部分的に起因し得る、スクシンイミド環系の2つのカルボニル炭素の反応性が異なることに起因して、酸アミド部分の位置異性体(regiochemical isomers)を提供すると予想される。
用語「プロドラッグ」は、本明細書中で使用されるとき、体内で、化学的または生物学的プロセス(すなわち、化学反応または酵素的生体内変換)によってより生物学的に活性な化合物に変換される、より生物学的に活性でないかまたは不活性な化合物のことを指す。通常、生物学的に活性な化合物は、その化合物をプロドラッグ部分で化学的に修飾することによって、より生物学的に活性でない状態にされる(すなわち、プロドラッグに変換される)。いくつかの態様において、プロドラッグは、細胞外で、例えば、消化液中または身体の循環系において、例えば、血液中で、生体内活性化される、タイプIIプロドラッグである。例示的なプロドラッグは、エステルおよびβ−D−グルコピラノシドである。
実施形態
本発明のいくつかの実施形態を下記で説明するが、それらは、決して本発明を限定すると意図されておらず、これらの実施形態の後に、結合体を構成する構成要素のより詳細な議論が続く。当業者は、特定された各結合体およびその結合体の選択された任意の実施形態が、各構成要素および各リンカーの全範囲を包含すると意図されていることを理解するだろう。
リガンド薬物結合体
1つの群の実施形態において、リガンド薬物結合体(LDC)、およびこれらのLDCの集団を含むその組成物(すなわち、LDC組成物)が、本明細書中に提供される。
1つの態様において、リガンド薬物結合体は、リガンド単位、薬物単位、およびリガンド単位を薬物単位に接続するリンカー単位を含み、ここで、そのリンカー単位は、自壊性アセンブリ単位を含み、その自壊性アセンブリ単位を介してリガンド単位が薬物単位に接続される。薬物単位は、自壊性アセンブリ単位のメチレンカルバメート単位に直接付着され、ここで、リガンド薬物結合体における薬物単位に共有結合的に付着されたメチレンカルバメート単位は、式Iの構造:
またはその薬学的に許容され得る塩を有し;
式中、
Dは、メチレンカルバメート単位に組み込まれた官能基(例えば、ヒドロキシル、チオール、アミドまたはアミン官能基)を有する薬物単位であり;
T*は、メチレンカルバメート単位に組み込まれる前記官能基のヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄、必要に応じて置換される窒素)であり;
R、R1およびR2は、独立して、水素、必要に応じて置換されるC1−C6アルキル、必要に応じて置換されるC6−14アリールまたは必要に応じて置換されるC結合型C3−C8ヘテロアリールであるか;
または
RとR1の両方は、それらが付着している窒素および炭素原子と一体となって、アゼチジニル、ピロロジニル、ピペリジニルまたはホモピペリジニル部分(好ましくは、ピロロジニルまたはピペリジニル部分)を構成し、R2は、水素であり;
波線は、自壊性アセンブリ単位の残りの部分への式Iの構造の共有結合的付着(すなわち、LDC内の付着)を示し、ここで、その自壊性アセンブリ単位は、自壊性アセンブリ単位の活性化後に遊離薬物(すなわち、D−T*H)を放出する。
式Iのいくつかの実施形態において、R、R1、R2のうちの1つは、塩基性単位またはPEG単位であり、その他のものは、上で定義されたとおりである。式Iのいくつかの実施形態において、放出されるD−T*Hは、そのT*H官能基に対して約9〜約36のpKaを有する。式SIの他の実施形態において、放出されるD−T*Hは、そのT*H官能基に対して約12〜約36または約15〜約36のpKaを有する。
通常、メチレンカルバメート単位は、式(SI):
またはその薬学的に許容され得る塩によって表されるように活性化可能な自壊性部分Xに付着され;式中、
波線は、LDC内の式SI構造の共有結合的付着を示し;
R、R1、R2、T*およびDは、式Iに対して定義されたとおりであり;
Xは、活性化可能な自壊性部分であり;表示されている自壊性アセンブリ単位は、Xの活性化後に遊離薬物(すなわち、D−T*H)を放出する。式SIのいくつかの実施形態において、R、R1、R2のうちの1つは、塩基性単位またはPEG単位であり、その他のものは、式Iに対して定義されたとおりである。式Iのいくつかの実施形態において、放出されるD−T*Hは、そのT*H官能基に対して約9〜約36のpKaを有する。式SIの他の実施形態において、放出されるD−T*Hは、そのT*H官能基に対して約12〜約36または約15〜約36のpKaを有する。
例示的な実施形態には、式SIa:
またはその薬学的に許容され得る塩に示されるようなR2が水素である実施形態が含まれ、式中、波線、X、R、R1、T*およびDは、式SIに対して定義されたとおりである。RおよびR1は、好ましくは、水素、必要に応じて置換されるC1−6アルキルまたは必要に応じて置換されるC6−14アリール(より好ましくは、水素、必要に応じて置換されるC1−4アルキルまたは必要に応じて置換されるフェニル、最も好ましくは、水素または必要に応じて置換されるC1−4アルキル)である。
式SIaのいくつかの好ましい実施形態において、Rは、非置換C1−4アルキルである。他の好ましい実施形態において、RおよびR1の一方は、塩基性単位またはPEG単位であり、他方は、水素または非置換C1−4アルキルである。他の好ましい実施形態において、Rは、水素、塩基性単位またはPEG単位であり、R1は、水素である。
例示的な実施形態には、式(SIb):
またはその薬学的に許容され得る塩に示されているような、R1およびR2が、それらが付着している窒素および炭素原子と一体となって、ヘテロシクロを構成する実施形態が含まれ、式中、波線、X、R、R2、T*およびDは、式SIに対して定義されたとおりであり、下付き文字sは、0、1、2または3である。式SIbのいくつかの実施形態において、下付き文字sは、0、1または2であり;好ましくは、sは、1または2である。
いくつかの実施形態において、メチレンカルバメート単位は、MAC単位である。それらの実施形態において、Dは、メチレンカルバメート単位に組み込まれたヒドロキシル官能基を有する薬物単位である。そのような実施形態において、薬物単位に共有結合的に付着された自壊性アセンブリ単位は、式SI’:
またはその薬学的に許容され得る塩によって表され;式中、
波線、X、R、R1およびR2は、式SIに対して定義されたとおりであり、Dは、表示されているメチレンカルバメート単位への組み込みの前にヒドロキシル官能基を有する薬物単位であり、O*は、前記ヒドロキシル官能基の酸素原子であり;表示されている自壊性アセンブリ単位は、Xの活性化後に遊離薬物(すなわち、D−O*H)を放出する。
式SI’のいくつかの実施形態において、放出されたD−O*Hは、そのヒドロキシル官能基に対して約10〜約19のpKaを有する。式Iの他の実施形態において、放出されたD−O*Hは、そのヒドロキシル官能基に対して約12〜約19または15〜約19のpKaを有する。
例示的な実施形態には、式SIa’:
に示されるようなR2が水素である実施形態が含まれ、式中、波線、X、R、R1、O*およびDは、式SI’に対して定義されたとおりである。RおよびR1は、好ましくは、水素、必要に応じて置換されるC1−6アルキルまたは必要に応じて置換されるC6−14アリール(より好ましくは、水素、必要に応じて置換されるC1−4アルキルまたは必要に応じて置換されるフェニル、最も好ましくは、水素または必要に応じて置換されるC1−4アルキル)である。式SIa’のいくつかの実施形態において、RおよびR1の一方は、塩基性単位またはPEG単位であり、他方は、水素または非置換C1−4アルキルである。他の実施形態において、Rは、水素、塩基性単位またはPEG単位であり、R1は、水素である。
例示的な実施形態には、式(SIb’):
に示されるような、R1およびR2が、それらが付着している窒素および炭素原子と一体となって、ヘテロシクロを構成する実施形態が含まれ、式中、波線、X、R2、O*およびDは、式SI’に対して定義されたとおりであり、下付き文字sは、0、1、2または3である。好ましくは、下付き文字sは、0、1または2である(より好ましくは、sは、1または2である)。
1つの態様において、リガンド薬物結合体は、リガンド単位、薬物単位、およびリガンド単位を薬物単位に接続するリンカー単位を含み、ここで、そのリンカー単位は、自壊性アセンブリ単位およびストレッチャー単位を含む。その薬物は、自壊性アセンブリ単位のメチレンカルバメート単位へのその官能基の酸素、硫黄または必要に応じて置換される窒素ヘテロ原子を介したその薬物のヒドロキシル、チオール、アミンまたはアミド官能基の組み込みによってLDCの薬物−リンカー部分に組み込まれる。次いで、その自壊性アセンブリ単位が、ストレッチャー単位を介してリガンド単位に接続される。
いくつかの実施形態では、リガンド単位への各付着部位について薬物−リンカー部分内に1〜4個の自壊性アセンブリ単位(下付き文字tによって表される)およびリガンド単位1つあたり1〜16個の薬物−リンカー部分(下付き文字pによって表される)が存在し得る。リガンド単位上の各付着部位に接続された2つまたはそれを超える自壊性アセンブリ単位が存在するそれらの実施形態において、必要とされる分枝を可能にするために、分枝単位が存在する。
いくつかの態様において、さらなるコネクター単位(A)が、分枝単位(B)の有無に応じてストレッチャー単位(Z)またはBを自壊性アセンブリ単位に共有結合的に付着する。
いくつかの実施形態において、リガンド薬物結合体、またはこれらのLDCの集団を含むその組成物(すなわち、LDC組成物)は、下記の式II:
または薬学的に許容され得る塩によって表され;式中、
Dは、メチレンカルバメート単位に組み込まれた官能基(例えば、ヒドロキシル、チオール、アミドまたはアミン官能基)を有する薬物単位であり;
T*は、メチレンカルバメート単位に組み込まれる前記官能基のヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄、必要に応じて置換される窒素)であり;
R、R1およびR2は、独立して、水素、必要に応じて置換されるC1−C6アルキル、必要に応じて置換されるC6−14アリールまたは必要に応じて置換されるC結合型C3−C8ヘテロアリールであるか、または
RおよびR1は、それらが付着している窒素および炭素原子と一体となって、アゼチジニル、ピロロジニル、ピペリジニルまたはホモピペリジニル部分を構成し、R2は、水素であり;
Xは、活性化可能な自壊性部分であり;
Lは、リガンド単位であり;
Zは、ストレッチャー単位であり;
Bは、tが2、3または4であるとき存在し、tが1であるとき存在しない、随意の分枝単位であり;
Aは、随意のコネクター単位であり;
下付き文字sは、1または2であり;
下付き文字tは、1〜4の範囲であり;
下付き文字pは、1〜16の範囲の整数(個々のLDCの場合)または数値(LDCの集団の場合)であり;ここで、表示されている自壊性アセンブリ単位は、Xの活性化後に遊離薬物(すなわち、D−T*H)を放出する。
式Iのいくつかの実施形態において、放出されたD−T*Hは、そのT*H官能基に対して約9〜約36のpKaを有する。式SIの他の実施形態において、放出されたD−T*Hは、そのT*H官能基に対して約12〜約36または約15〜約36のpKaを有する。
式IIのいくつかの実施形態において、R、R1およびR2のうちの1つは、塩基性単位またはPEG単位であり、その他のものは、定義されたとおりである。式IIの他の実施形態において、Rは、塩基性単位またはPEG単位であり、R1およびR2は、定義されたとおりである。
例示的な実施形態には、式IIaに示されているようなR2が水素である実施形態、または式IIbに示されているような、R1およびR2が、それらが付着している窒素原子と一体となって、アゼチジニル、ピロロジニル、ピペリジニルまたはホモピペリジニルを構成する実施形態:
またはその薬学的に許容され得る塩が含まれ、式中、R、R1、R2、L、Z、B、X、A、T*、Dならびに下付き文字tおよびpは、式IIに対して定義されたとおりであり、下付き文字sは、0、1、2または3である。
式IIaにおいて、RおよびR1は、好ましくは、水素、必要に応じて置換されるC1−C6アルキルまたは必要に応じて置換されるC6−14アリール(より好ましくは、水素、必要に応じて置換されるC1−C4アルキルまたは必要に応じて置換されるフェニル、最も好ましくは、水素または必要に応じて置換されるC1−C4アルキル)である。式IIaのいくつかの好ましい実施形態において、Rは、塩基性単位またはPEG単位であり、R1は、水素または非置換C1−C4アルキルであるか、またはRは、水素または非置換C1−C4アルキルであり、R2は、塩基性単位またはPEG単位である。式IIbにおいて、下付き文字sは、好ましくは、0、1または2であり;より好ましくは、sは、1または2である。
本発明において使用される薬物には、アルコール(例えば、芳香族ヒドロキシルおよび脂肪族ヒドロキシル)含有薬物、チオール含有薬物、アミン(例えば、脂肪族アミンおよびアリールアミン)含有薬物、アミド(例えば、カルボキサミド)含有薬物が含まれる。したがって、自壊性アセンブリ単位への薬物単位の付着は、例えば、アルコール含有薬物のヒドロキシル官能基の酸素ヘテロ原子、チオール含有薬物のチオール官能基の硫黄ヘテロ原子、またはアミン含有薬物もしくはアミド含有薬物のアミンもしくはアミド官能基の必要に応じて置換される窒素ヘテロ原子を介した薬物の組み込みによるものであり得る。そのような酸素、硫黄または窒素ヘテロ原子は、T*によって指定される。薬物の組み込みは、アルコール官能基を介し得る(すなわち、ヒドロキシル官能基の酸素ヘテロ原子を介し得る)のに対し、薬物は、そのように連結されないさらなるアルコール官能基またはチオール、アミンもしくはアミド官能基を有し得ることが理解されるだろう。同様に、薬物の組み込みは、そのチオール、アミンまたはアミド官能基を介し得るのに対し、薬物は、そのように連結されないさらなるアルコール、チオール、アミンまたはアミド官能基を有し得る。
式II、IIaおよびIIbにおけるメチレンカルバメート単位は、下記の式II’、IIa’およびIIb’
によって示されるようなメチレンアルコキシ(アリールオキシ)カルバメート単位(MAC単位)または薬学的に許容され得る塩であり得;式中、
Dは、表示されているメチレンアルコキシ(アリールオキシ)カルバメート単位(MAC単位)への組み込みの前にヒドロキシル官能基を有する薬物単位であり(そのMAC単位の酸素ヘテロ原子はO*によって指定されている);
Rは、水素、必要に応じて置換されるC1−C6アルキル、必要に応じて置換されるC6−14アリールまたは必要に応じて置換されるC結合型C3−C8ヘテロアリールであり;
R1およびR2は、独立して、水素、必要に応じて置換されるC1−C6アルキル、必要に応じて置換されるC6−14アリールもしくは必要に応じて置換されるC結合型C3−C8ヘテロアリールであるか、または
RおよびR1は、それらが付着している窒素および炭素原子と一体となって、アゼチジニル、ピロロジニル、ピペリジニルまたはホモピペリジニル部分を構成し、R2は、水素であり;
Xは、活性化可能な自壊性部分であり;
Lは、リガンド単位であり;
Zは、ストレッチャー単位であり;
Bは、tが2、3または4であるとき存在し、tが1であるとき存在しない、随意の分枝単位であり;
Aは、随意のコネクター単位であり;
下付き文字sは、1または2であり;
下付き文字tは、1〜4の範囲であり;
下付き文字sは、0、1、2または3であり、
下付き文字pは、1〜16の範囲の整数(個々のLDCの場合)または数値(LDCの集団の場合)であり;ここで、表示されている自壊性アセンブリ単位は、Xの活性化後に遊離薬物(すなわち、D−O*H)を放出する。
式II’、IIa’またはIIb’のいくつかの実施形態において、放出されたD−O*Hは、そのヒドロキシル官能基に対して約10〜約19のpKaを有する。式II’、IIa’またはIIb’の他の実施形態において、放出されたD−O*Hは、そのヒドロキシル官能基に対して約12〜約19または15〜約19のpKaを有する。
式II’のいくつかの実施形態において、R、R1およびR2のうちの1つは、塩基性単位またはPEG単位であり、その他のものは、定義されたとおりである。式II’の他の好ましい実施形態において、Rは、塩基性単位またはPEG単位であり、R1およびR2は、定義されたとおりである。
式IIa’のいくつかの実施形態において、RおよびR1は、水素、必要に応じて置換されるC1−C6アルキルまたは必要に応じて置換されるC6−14アリール(好ましくは、水素、必要に応じて置換されるC1−C4アルキルまたは必要に応じて置換されるフェニル、より好ましくは、水素または必要に応じて置換されるC1−C4アルキル)である。式IIb’のいくつかの実施形態において、好ましくは、下付き文字sは、0、1または2であり;より好ましくは、1または2である。
式IIa’のいくつかの好ましい実施形態において、Rは、塩基性単位またはPEG単位であり、R1は、水素または非置換C1−C4アルキルであるか、またはRは、水素または非置換C1−C4アルキルであり、R1は、塩基性単位またはPEG単位である。
式II’または式IIa’の他の好ましい実施形態において、RおよびR1は、それらが付着している窒素および炭素原子と一体となって、ピロロジニルまたはピペリジニル部分を構成する。
本明細書中で言及されるヒドロキシル官能基は、芳香族アルコールまたは脂肪族アルコールのヒドロキシル官能基であり得る。その脂肪族アルコールは、第1級、第2級または第3級脂肪族アルコールであり得る。好ましくは、そのアルコールは、脂肪族アルコール、より好ましくは、第1級または第2級脂肪族アルコールである。
自壊性アセンブリ単位は、メチレンカルバメート単位に加えて、活性化可能な自壊性部分を含む。その活性化可能な部分は、活性化単位および自壊性スペーサー単位を含む。そのスペーサー単位は、1つまたは複数の自壊性スペーサーサブユニットを含み得、その各々が、自壊が可能である(例えば、1〜4つ)。その活性化単位は、遊離薬物の放出をもたらす、スペーサー単位内またはそのサブユニット内の一連の自壊反応を惹起する。活性化単位または自壊性スペーサー単位(A)のいずれかが、Aおよび/またはBの有無に応じて、LDC内またはその中間体内にA、BまたはZとの共有結合的付着の部位を提供し得る。いくつかの実施形態において、自壊性アセンブリ単位の自壊性部分(X)は、以下のような式iまたはii
によって表され、
式中、
Wは、活性化単位であり;
Yは、自壊性スペーサー単位であり;
波線は、結合体の残りの部分(すなわち、Aおよび/またはBの有無に応じてA、BまたはZ)への付着部位を示し、アステリスク(*)は、メチレンカルバメートリンカーへの付着部位を示す。
いくつかの態様において、リガンド薬物結合体(LDC)またはこれらのLDCの集団を含むその組成物(すなわち、LDC組成物)は、式III(i)、III(ii)、IIIa(i)、IIIa(ii)、IIIb(i)もしくはIIIb(ii):
またはその薬学的に許容され得る塩によって表され;式中、
Wは、活性化単位であり;
Yは、自壊性スペーサー単位であり;
L、Z、B、A、R、R1、R2、T*、Dならびに下付き文字t、sおよびpは、式II、IIaおよびIIbに対して定義されたとおりである。
式III(i)、III(ii)、IIIa(i)、IIIa(ii)、IIIb(i)またはIIIb(ii)のいくつかの実施形態において、放出されたD−T*Hは、そのT*H官能基に対して約9〜約36のpKaを有する。式III(i)、III(ii)、IIIa(i)、IIIa(ii)、IIIb(i)またはIIIb(ii)の他の実施形態において、放出されたD−T*Hは、そのT*H官能基に対して約12〜約36または約15〜約36のpKaを有する。
式III(i)またはIII(ii)のいくつかの実施形態において、R、R1およびR2のうちの1つは、塩基性単位またはPEG単位であり、その他のものは、定義されたとおりである。式III(i)またはIII(ii)の他の好ましい実施形態において、Rは、塩基性単位またはPEG単位であり、R1およびR2は、定義されたとおりである。式III(i)またはIII(ii)の他の好ましい実施形態において、RおよびR1は、それらが付着している窒素および炭素原子と一体となって、ピロロジニルまたはピペリジニル部分を構成し、R2は、水素である。
式IIIa(i)およびIIIa(ii)のいくつかの実施形態において、RおよびR1は、水素、必要に応じて置換されるC1−C6アルキルまたは必要に応じて置換されるC6−14アリール(好ましくは、水素、必要に応じて置換されるC1−C4アルキルまたは必要に応じて置換されるフェニル、より好ましくは、水素または必要に応じて置換されるC1−C4アルキル)である。式IIIb(i)およびIIIb(ii)のいくつかの実施形態において、好ましくは、下付き文字sは、0、1または2、好ましくは、1または2である。
式IIIa(i)またはIIIa(ii)のいくつかの好ましい実施形態において、Rは、塩基性単位またはPEG単位であり、R1は、水素または非置換C1−C4アルキルであるか、またはRは、水素または非置換C1−C4アルキルであり、R2は、塩基性単位またはPEG単位である。
式IIIa(i)またはIIIa(ii)の他の好ましい実施形態において、RおよびR1は、それらが付着している窒素および炭素原子と一体となって、ピロロジニルまたはピペリジニル部分を構成する。
式IIIa(i)またはIIIa(ii)の他の好ましい実施形態において、Rは、水素または非置換C1−C4アルキルであり、R1は、水素である。式IIIa(i)またはIIIa(ii)の他の好ましい実施形態において、Rは、塩基性単位またはPEG単位であり、R1は、水素である。
式III(i)、III(ii)、IIIa(i)、IIIa(ii)、IIIb(i)またはIIIb(ii)におけるメチレンカルバメート単位は、下記の式III(i)’、III(ii)’、IIIa(i)’、IIIa(ii)’、IIIb(i)’もしくはIIIb(ii)’:
またはその薬学的に許容され得る塩によって示されるようなメチレンアルコキシ(アリールオキシ)カルバメート単位(MAC単位)であり得;式中、
Dは、表示されているメチレンアルコキシ(アリールオキシ)カルバメート単位(MAC単位)への組み込みの前にヒドロキシル官能基を有する薬物単位であり(そのMAC単位の酸素ヘテロ原子はO*によって指定されている);
L、Z、B、A、Y、W、R、R1、R2ならびに下付き文字t、pおよびsは、式III(i)、III(ii)、IIIa(i)、IIIa(ii)、IIIb(i)またはIIIb(ii)に対して定義されたとおりである。
式III(i)’、III(ii)’、IIIa(i)’、IIIa(ii)’、IIIb(i)’またはIIIb(ii)’のいくつかの実施形態において、放出されたD−O*Hは、そのヒドロキシル官能基に対して約10〜約19のpKaを有する。III(i)’、III(ii)’、IIIa(i)’、IIIa(ii)’、IIIb(i)’またはIIIb(ii)’の他の実施形態において、放出されたD−O*Hは、そのヒドロキシル官能基に対して約12〜約19または15〜約19のpKaを有する。
式III(i)’またはIII(ii)’のいくつかの実施形態において、R、R1およびR2のうちの1つは、塩基性単位またはPEG単位であり、その他のものは、定義されたとおりである。式III(i)’またはIII(ii)’の他の好ましい実施形態において、Rは、塩基性単位またはPEG単位であり、R1およびR2は、定義されたとおりである。
式IIIa(i)’およびIIIa(ii)’のいくつかの実施形態において、RおよびR1は、水素、必要に応じて置換されるC1−C6アルキルまたは必要に応じて置換されるC6−14アリール(より好ましくは、水素、必要に応じて置換されるC1−C4アルキルまたは必要に応じて置換されるフェニル、最も好ましくは、水素または必要に応じて置換されるC1−C4アルキル)である。式IIIb(i)’およびIIIb(ii)’のいくつかの実施形態において、R2は、好ましくは、水素であり、下付き文字sは、0、1または2(好ましくは、1または2)である。
式IIIa(i)’またはIIIa(ii)’のいくつかの好ましい実施形態において、Rは、塩基性単位またはPEG単位であり、R1は、水素または非置換C1−C4アルキルであるか、またはRは、水素または非置換C1−C4アルキルであり、R2は、塩基性単位またはPEG単位である。
式IIIa(i)’またはIIIa(ii)’の他の好ましい実施形態において、RおよびR1は、それらが付着している窒素および炭素原子と一体となって、ピロロジニルまたはピペリジニル部分を定義する。
式IIIa(i)’またはIIIa(ii)’の他の好ましい実施形態において、Rは、水素または非置換C1−C4アルキルであり、R1は、水素である。式IIIa(i)’またはIIIa(ii)’の他の好ましい実施形態において、Rは、塩基性単位またはPEG単位であり、R1は、水素である。
本明細書中で言及されるヒドロキシル官能基は、芳香族アルコールまたは脂肪族アルコールのヒドロキシル官能基であり得る。その脂肪族アルコールは、第1級、第2級または第3級脂肪族アルコールであり得る。好ましくは、そのアルコールは、脂肪族アルコール、より好ましくは、第1級または第2級脂肪族アルコールである。
式I、SI、II、Ia、SIa、IIa、III(i)、III(ii)、IIIa(i)またはIIIa(ii)を有するかまたは含むいくつかの好ましいリガンド薬物結合体において、R1は、水素である。
本明細書中に記載される実施形態の多くにおいて、Rは、水素、必要に応じて置換されるC1−C6アルキル(塩基性単位もしくはPEG単位を定義する置換基を含む)、必要に応じて置換されるC6−14アリールまたは必要に応じて置換されるC結合型C3−C8ヘテロアリールであり得る。Rは、置換される必要はないが、置換されるとき、Rは、好ましくは、塩基性単位またはPEG単位を定義するように置換される。Rが、必要に応じて置換されるC1−6アルキル、より好ましくは、必要に応じて置換されるC1−4アルキルである実施形態が、本明細書中で企図される。そのアルキル基は、非置換であり得るか、または置換され得る。いくつかの態様において、置換されるとき、それは、好ましくは、塩基性単位を定義する塩基性アミノ官能基で置換される。他の態様では、置換されるとき、そのアルキル基は、好ましくは、PEG単位を定義する一連のエチレンオキシ基で置換される。塩基性単位における代表的な塩基性アミノ官能基としては、必要に応じて置換され得る、アミンおよびC結合型またはN結合型の3、4、5または6員の窒素含有複素環が挙げられる。代表的なアミンとしては、−N(Rop)2および−N(Rop)が挙げられ、ここで、R3aおよびR4aは、独立して、水素、−C1−C20アルキル、−C6−C14アリールまたは−C3−C8複素環、好ましくは、HまたはC1−6アルキル、より好ましくは、水素またはメチルから選択される。本発明者らは、驚いたことに、Rアルキル置換基上の塩基性官能基の付加(すなわち、Rは塩基性単位である)が、結果として生じるLDCに追加の安定性を付与し得ることを見出した。
式I、Ia、SI、SIa、II、IIa、III(i)、III(ii)、IIIa(i)、IIIa(ii)、I’、Ia’、SI’、SIa’、II’、IIa’、III(i)’、III(ii)’、IIIa(i)’またはIIIa(ii)’を有するかまたは含むリガンド薬物結合体において、Rは、水素、必要に応じて置換されるC1−C6アルキル、必要に応じて置換されるC6−14アリールまたは必要に応じて置換されるC結合型C3−C8ヘテロアリールであり得る。Rが本明細書中で定義されるとおりであるが、必要に応じて置換されるC6−14アリールを含まないか、必要に応じて置換されるC結合型ヘテロアリールを含まないか、または必要に応じて置換されるC6−14アリールおよび必要に応じて置換されるC結合型ヘテロアリールを含まないリガンド薬物結合体も企図される。Rが本明細書中で定義されるとおりであるが、必要に応じて置換されるフェニルを含まないリガンド薬物結合体も企図される。Rが本明細書中で定義されるとおりであるが、電子吸引基を含まないリガンド薬物結合体も企図される(すなわち、Rは、水素、必要に応じて置換されるC1−C6アルキル、必要に応じて置換されるC6−14アリールまたは必要に応じて置換されるC結合型C3−C8ヘテロアリールであるが、但し、Rは、電子吸引基ではない)。Rが本明細書中で定義されるとおりであるが、Rの随意の置換基が電子吸引基ではないリガンド薬物結合体も企図される。Rが非置換であるリガンド薬物結合体も企図される。RおよびR1が、それらが付着している窒素および炭素原子と一体となって、ピロロジニルまたはピペリジニル部分を構成するリガンド薬物結合体も企図される。Rがこのパラグラフにおいて定義されたとおりであるこれらのリガンド薬物結合体は、リガンド薬物結合体上の他の置換基に対する様々な可能性のいずれか(例えば、L.Z、B、A、X、R1、R2、T*、Dならびに下付き文字s、pおよびt)と組み合わせて含まれ得る。
式I、Ib、SI、SIb、II、IIb、III(i)、III(ii)、IIIb(i)、IIIb(ii)、I’、Ib’、SI’、SIb’、II’、IIb’、III(i)’、III(ii)’、IIIb(i)’およびIIIb(ii)’を有するかまたは含むリガンド薬物結合体において、R2は、水素、必要に応じて置換されるC1−C6アルキル、必要に応じて置換されるC6−14アリールまたは必要に応じて置換されるC結合型C3−C8ヘテロアリールであり得る。R2が単に水素であるリガンド薬物結合体も企図される。R2が単に水素であるこれらのリガンド薬物結合体は、リガンド薬物結合体上の他の置換基に対する様々な可能性のいずれか(例えば、L.Z、B、A、X、R、R1、T*、D、ならびに下付き文字s、pおよびt)と組み合わせて含まれ得る。
式II、IIa、IIb、II’、IIa’IIb’、III(i)、III(ii)、IIIa(i)、IIIa(ii)、IIIb(i)、IIIb(ii)、III(i)’、III(ii)’、IIIa(i)’、IIIa(ii)’、IIIb(i)’またはIIIb(ii)’を有するリガンド薬物結合体には、
1)tが、1〜4の範囲であり、pが、1〜16の範囲の整数または数値であり、各リガンド単位に付着された1〜36個の薬物単位が存在する、リガンド薬物結合体、
2)tが1であり、分枝単位Bが存在しない、リガンド薬物結合体、
3)tが2〜4であり、分枝単位Bが存在する、リガンド薬物結合体、
4)tが2であり、分枝単位Bが存在する、リガンド薬物結合体、
5)pが、1〜12または2〜12の範囲の整数または数値である、リガンド薬物結合体、およびこのパラグラフの1〜4に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、pが、1〜12または2〜12の範囲の整数または数値である、リガンド薬物結合体、
6)pが、1〜10または2〜10の整数または数値である、リガンド薬物結合体、およびこのパラグラフの1〜4に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、pが、1〜10または2〜10の範囲の整数または数値である、リガンド薬物結合体、
7)pが、1〜8または2〜10の整数または数値である、リガンド薬物結合体、およびこのパラグラフの1〜4に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、pが、1〜8または2〜10の範囲の整数または数値である、リガンド薬物結合体
が含まれ、式II、IIa、II’、IIa’、III(i)、III(ii)、IIIa(i)、IIIa(ii)、III(i)’、III(ii)’、IIIa(i)’またはIIIa(ii)’を有するLDCには、
8)Rが、水素、必要に応じて置換されるC1−6アルキル、必要に応じて置換されるC6−14アリールまたは必要に応じて置換されるC結合型C3−8ヘテロアリールである、LDC、およびこのパラグラフの1〜7に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、Rが、水素、必要に応じて置換されるC1−6アルキル、必要に応じて置換されるC6−14アリールまたは必要に応じて置換されるC結合型C3−8ヘテロアリールである、LDC、
9)Rが、水素、必要に応じて置換されるC1−6アルキルまたは必要に応じて置換されるC6−14アリールである、LDC、およびこのパラグラフの1〜7に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、Rが、水素、必要に応じて置換されるC1−6アルキルまたは必要に応じて置換されるC6−14アリールである、LDC、
10)Rが、水素、メチル、エチルまたはプロピルである、LDC、およびこのパラグラフの1〜7に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、Rが、水素、メチル、エチルまたはプロピルである、LDC、
11)Rが、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルまたはイソブチルである、LDC、およびこのパラグラフの1〜7に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、Rが、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルまたはイソブチルである、LDC、
12)Rが、水素またはメチルである、LDC、およびこのパラグラフの1〜7に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、Rが、水素またはメチルである、LDC、
13)Rが、本明細書中で定義されるとおりであるが電子吸引基を含まない、LDC、およびこのパラグラフの1〜7に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、Rが、電子吸引基を含まない、LDC、
14)Rが、本明細書中で定義されるとおりであるが、R上に存在し得る随意の置換基が、電子吸引基を含まない、LDC、およびこのパラグラフの1〜7に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、R上に存在し得る随意の置換基が、電子吸引基を含まない、LDC、
15)Rが、アミンで必要に応じて置換される、C1−4アルキルもしくはC1−6アルキル、またはC結合型もしくはN結合型の3、4、5もしくは6員の窒素含有複素環である、LDC、およびこのパラグラフの1〜7に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、Rが、アミンで必要に応じて置換される、C1−4アルキルもしくはC1−6アルキル、またはC結合型もしくはN結合型の3、4、5もしくは6員の窒素含有複素環である、LDC、
16)Rが、−N(R3a)(R4a)で必要に応じて置換される、C1−4アルキルまたはC1−6アルキル(ここで、R3aおよびR4aは、独立して、水素、−C1−C20アルキル、−C6−C14アリールまたは−C3−C8複素環、好ましくは、HまたはC1−6アルキル、より好ましくは、水素またはメチルから選択される)である、LDC、およびこのパラグラフの1〜7に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、Rが、−N(R3a)(R4a)で必要に応じて置換される、C1−4アルキルまたはC1−6アルキル(ここで、R3aおよびR4aは、独立して、水素、−C1−C20アルキル、−C6−C14アリールまたは−C3−C8複素環、好ましくは、HまたはC1−6アルキル、より好ましくは、水素またはメチルから選択される)である、LDC、
17)Rが、塩基性単位で必要に応じて置換される、C1−4アルキルまたはC1−6アルキルである、LDC、およびこのパラグラフの1〜7に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、Rが、塩基性単位で必要に応じて置換される、C1−4アルキルまたはC1−6アルキルである、LDC、
18)Rが、必要に応じて置換されるC1−C4アルキル(ここで、その必要に応じて置換されるC1−C4アルキルは、必要に応じて置換されるアミノアルキル(好ましくは、ジメチルアミノアルキル;より好ましくは、ジメチルアミノエチル)である)である、LDC、およびこのパラグラフの1〜7に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、Rが、必要に応じて置換されるC1−C4アルキル(ここで、その必要に応じて置換されるC1−C4アルキルは、必要に応じて置換されるアミノアルキル(好ましくは、ジメチルアミノアルキル;より好ましくは、ジメチルアミノエチル)である)である、LDC、
19)Rが、必要に応じて置換されるC1−C4アルキル(ここで、その必要に応じて置換されるC1−C4アルキルは、非置換アミノアルキル(好ましくは、非置換ジメチルアミノアルキル;より好ましくは、ジメチルアミノエチル)である)である、LDC、およびこのパラグラフの1〜7に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、Rが、必要に応じて置換されるC1−C4アルキル(ここで、その必要に応じて置換されるC1−C4アルキルは、非置換アミノアルキル(好ましくは、非置換ジメチルアミノアルキル;より好ましくは、ジメチルアミノエチル)である)である、LDC、
20)Rのアルキルが飽和である、LDC、このパラグラフの1〜17に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、Rのアルキルが飽和である、LDC、
21)Rが、−CH2CH2N(R3a)(R4a)(ここで、R3aおよびR4aは、独立して、水素またはメチルから選択される)である、LDC、およびこのパラグラフの1〜7に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、Rが、−CH2CH2N(R3a)(R4a)(ここで、R3aおよびR4aは、独立して、水素またはメチルから選択される)である、LDC、
22)R1が、水素、メチル、エチルまたはプロピルである、LDC、およびこのパラグラフの1〜21に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、R1が、水素、メチル、エチルまたはプロピルである、LDC、
23)R1が、水素またはメチルである、LDC、およびこのパラグラフの1〜21に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、R1が、水素またはメチルである、LDC、
24)R1が水素である、LDC、およびこのパラグラフの1〜21に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、R1が水素である、LDC、
25)R1が、アミンで必要に応じて置換される、C1−4アルキルもしくはC1−6アルキル、またはC結合型もしくはN結合型の3、4、5もしくは6員の窒素含有複素環である、LDC、およびこのパラグラフの1〜21に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、R1が、アミンで必要に応じて置換される、C1−4アルキルもしくはC1−6アルキル、またはC結合型もしくはN結合型の3、4、5もしくは6員の窒素含有複素環である、LDC、
26)R1が、−N(R3a)(R4a)で必要に応じて置換される、C1−4アルキルまたはC1−6アルキル(ここで、R3aおよびR4aは、独立して、水素、−C1−C20アルキル、−C6−C14アリールまたは−C3−C8複素環、好ましくは、HまたはC1−6アルキル、より好ましくは、水素またはメチルから選択される)である、LDC、およびこのパラグラフの1〜21に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、R1が、−N(R3a)(R4a)で必要に応じて置換される、C1−4アルキルまたはC1−6アルキル(ここで、R3aおよびR4aは、独立して、水素、−C1−C20アルキル、−C6−C14アリールまたは−C3−C8複素環、好ましくは、HまたはC1−6アルキル、より好ましくは、水素またはメチルから選択される)である、LDC、
27)R1が、塩基性単位で必要に応じて置換される、C1−4アルキルまたはC1−6アルキルである、LDC、およびこのパラグラフの1〜21に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、R1が、塩基性単位で必要に応じて置換される、C1−4アルキルまたはC1−6アルキルである、LDC、
28)R1が、必要に応じて置換されるC1−C4アルキル(ここで、その必要に応じて置換されるC1−C4アルキルは、必要に応じて置換されるアミノアルキル(好ましくは、ジメチルアミノアルキル;より好ましくは、ジメチルアミノエチル)である)である、LDC、およびこのパラグラフの1〜21に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、R1が、必要に応じて置換されるC1−C4アルキル(ここで、その必要に応じて置換されるC1−C4アルキルは、必要に応じて置換されるアミノアルキル(好ましくは、ジメチルアミノアルキル;より好ましくは、ジメチルアミノエチル)である)である、LDC、
29)R1が、必要に応じて置換されるC1−C4アルキル(ここで、その必要に応じて置換されるC1−C4アルキルは、非置換アミノアルキル(好ましくは、非置換ジメチルアミノアルキル;より好ましくは、ジメチルアミノエチル)である)である、LDC、およびこのパラグラフの1〜21に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、R1が、必要に応じて置換されるC1−C4アルキル(ここで、その必要に応じて置換されるC1−C4アルキルは、非置換アミノアルキル(好ましくは、非置換ジメチルアミノアルキル;より好ましくは、ジメチルアミノエチル)である)である、LDC、
30)R1のアルキルが飽和である、LDC、およびこのパラグラフの1〜21に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、R1のアルキルが飽和である、LDC、
31)R1が、−CH2CH2N(R3a)(R4a)(ここで、R3aおよびR4aは、独立して、水素またはメチルから選択される)である、LDC、およびこのパラグラフの1〜21に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、R1が、−CH2CH2N(R3a)(R4a)(ここで、R3aおよびR4aは、独立して、水素またはメチルから選択される)である、LDC、
32)RおよびR1の一方が、PEG単位または塩基性単位であり、他方が、水素または非置換C1−4アルキルである、LDC、およびこのパラグラフの1〜7に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、RおよびR1の一方が、PEG単位または塩基性単位であり、他方が、水素または非置換C1−4アルキルである、LDC、
33)R2が水素である、LDC、およびこのパラグラフの1〜32に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、R2が水素である、LDC
がさらに含まれ、式II、IIa、IIb、II’、IIa’IIb’、III(i)、III(ii)、IIIa(i)、IIIa(ii)、IIIb(i)、IIIb(ii)、、III(i)’、III(ii)’、IIIa(i)’、IIIa(ii)’、IIIb(i)’またはIIIb(ii)’を有するLDCには、
34)Aが存在する、LDC、およびこのパラグラフの1〜33に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、Aが存在する、LDC、
35)Aが存在しない、LDC、およびこのパラグラフの1〜33に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、Aが存在しない、LDC、
36)リガンド単位が抗体である、LDC、およびこのパラグラフの1〜35に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、リガンド単位が抗体である、LDC、
37)Wが1から12個以下のアミノ酸を含む、LDC、およびこのパラグラフの1〜36に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、Wが1から12個以下のアミノ酸残基を含む、LDC、
38)Wが糖またはグリコシド結合された炭水化物である、LDC、およびこのパラグラフの1〜36に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、Wが糖またはグリコシド結合された炭水化物である、LDC、
39)活性化可能な自壊性部分(X)の活性化が、W内での酵素的切断またはWと自壊性スペーサー単位(Y)との間のペプチド結合の酵素的切断によるものである、LDC、およびこのパラグラフの1〜36に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、活性化可能な自壊性部分の活性化が、W内での酵素的切断またはWと自壊性スペーサー単位(Y)との間のペプチド結合の酵素的切断によるものである、LDC、
40)活性化可能な自壊性部分の活性化が、ジスルフィド還元によるものである(すなわち、Wが、自壊性スペーサー単位の硫黄原子置換基を含む還元できるジスルフィド官能基を含む)、LDC、およびこのパラグラフの1〜36に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、活性化可能な自壊性部分の活性化が、ジスルフィド還元によるものである(すなわち、Wが、自壊性スペーサー単位の硫黄原子置換基を含む還元できるジスルフィド官能基を含む)、LDC、
41)活性化単位が、糖またはグリコシド結合された炭水化物であり、LDC内のリガンド単位の付着が、自壊性スペーサー単位(Y)を介するものである、LDC、およびこのパラグラフの1〜36に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、活性化単位が、糖またはグリコシド結合された炭水化物であり、LDC内のリガンド単位の付着が、Yを介するものである、LDC、
42)活性化単位が、1から12個以下のアミノ酸残基を含み、リガンド単位の付着が、活性化単位を介するものである、LDC、およびこのパラグラフの1〜36に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、活性化単位が、1から12個以下のアミノ酸残基を含み、リガンド単位の付着が、活性化単位を介するものである、LDC、
43)T*またはO*が、脂肪族アルコール含有薬物の官能基のヘテロ原子に対応する、薬物単位に共有結合的に付着されたメチレンカルバメート単位の酸素ヘテロ原子である、LDC、およびこのパラグラフの1〜42に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、T*またはO*が、脂肪族アルコール含有薬物の官能基のヘテロ原子に対応する、薬物単位に共有結合的に付着されたメチレンカルバメート単位の酸素ヘテロ原子である、LDC、
44)T*またはO*が、芳香族アルコール含有薬物の官能基のヘテロ原子に対応する、薬物単位に共有結合的に付着されたメチレンカルバメート単位の酸素ヘテロ原子である、LDC、およびこのパラグラフの1〜42に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、T*またはO*が、芳香族アルコール含有薬物の官能基のヘテロ原子に対応する、薬物単位に共有結合的に付着されたメチレンカルバメート単位の酸素ヘテロ原子である、LDC、
45)T*またはO*が、芳香族アルコール含有薬物の官能基のヘテロ原子に対応する、薬物単位に共有結合的に付着されたメチレンカルバメート単位の酸素ヘテロ原子である(ここで、その芳香族アルコールは、フェノールアルコールではない)、LDC、およびこのパラグラフの1〜42に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、T*またはO*が、芳香族アルコール含有薬物の官能基のヘテロ原子に対応する、薬物単位に共有結合的に付着されたメチレンカルバメート単位の酸素ヘテロ原子である(ここで、その芳香族アルコールは、フェノールアルコールではない)、LDC、
46)Dが、薬物のヒドロキシル官能基の酸素ヘテロ原子に対応するT*またはO*として酸素ヘテロ原子を有するメチレンカルバメート単位に共有結合的に付着された薬物単位であり(ここで、そのヒドロキシル官能基は、芳香族ヒドロキシル官能基である)、Rが、必要に応じて置換される飽和C1−C6アルキルである、LDC、およびこのパラグラフの1〜7に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、Dが、薬物のヒドロキシル官能基の酸素ヘテロ原子に対応するT*またはO*として酸素ヘテロ原子を有するメチレンカルバメート単位に共有結合的に付着された薬物単位であり(ここで、そのヒドロキシル官能基は、芳香族ヒドロキシル官能基である)、Rが、必要に応じて置換されるC1−C6飽和アルキルである、LDC、
47)Dが、薬物のヒドロキシル官能基の酸素ヘテロ原子に対応するT*またはO*として酸素ヘテロ原子を有するメチレンカルバメート単位に共有結合的に付着された薬物単位であり(ここで、そのヒドロキシル官能基は、芳香族ヒドロキシル官能基である)、Rが、必要に応じて置換されるC1−C4アルキル(ここで、その必要に応じて置換されるC1−C4アルキルは、必要に応じて置換されるアミノアルキル(好ましくは、ジメチルアミノアルキル;より好ましくは、ジメチルアミノエチル)である)である、LDC、およびこのパラグラフの1〜7に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、Dが、薬物のヒドロキシル官能基の酸素ヘテロ原子に対応するT*またはO*として酸素ヘテロ原子を有するメチレンカルバメート単位に共有結合的に付着された薬物単位であり、Rが、必要に応じて置換されるC1−C4アルキル(ここで、その必要に応じて置換されるC1−C4アルキルは、必要に応じて置換されるアミノアルキル(好ましくは、ジメチルアミノアルキル;より好ましくは、ジメチルアミノエチル)である)である、LDC、
48)Dが、薬物のヒドロキシル官能基の酸素ヘテロ原子に対応するT*またはO*として酸素ヘテロ原子を有するメチレンカルバメート単位に共有結合的に付着された薬物単位であり(ここで、そのヒドロキシル官能基は、脂肪族ヒドロキシル官能基である)、Rが、必要に応じて置換される飽和C1−C6アルキルである、LDC、およびこのパラグラフの1〜7に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、Dが、ヒドロキシル官能基の酸素ヘテロ原子に対応するT*またはO*として酸素ヘテロ原子を有するメチレンカルバメート単位に共有結合的に付着された薬物単位であり(ここで、そのヒドロキシル官能基は、薬物の脂肪族ヒドロキシル官能基である)、Rが、必要に応じて置換される飽和C1−C6アルキルである、LDC、
49)Dが、ヒドロキシル官能基の酸素ヘテロ原子に対応するT*またはO*として酸素ヘテロ原子を有するメチレンカルバメート単位に共有結合的に付着された薬物単位であり(ここで、そのヒドロキシル官能基は、薬物の脂肪族ヒドロキシル官能基である)、Rが、必要に応じて置換されるC1−C4アルキル(ここで、その必要に応じて置換されるC1−C4アルキルは、必要に応じて置換されるアミノアルキル(好ましくは、ジメチルアミノアルキル;より好ましくは、ジメチルアミノエチル)である)である、LDC、およびこのパラグラフの1〜7に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、Dが、薬物のヒドロキシル官能基の酸素ヘテロ原子に対応するT*またはO*として酸素ヘテロ原子を有するメチレンカルバメート単位に共有結合的に付着された薬物単位であり、Rが、必要に応じて置換されるC1−C4アルキル(ここで、その必要に応じて置換されるC1−C4アルキルは、必要に応じて置換されるアミノアルキル(好ましくは、ジメチルアミノアルキル;より好ましくは、ジメチルアミノエチル)である)である、LDC、
50)T*が、脂肪族アルコール含有薬物または芳香族アルコール含有薬物のヒドロキシル官能基のヘテロ原子に対応する、薬物単位に共有結合的に付着されたMAC単位の酸素ヘテロ原子である、LDC、およびこのパラグラフの1〜42に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、T*が、脂肪族アルコール含有薬物または芳香族アルコール含有薬物のヒドロキシル官能基のヘテロ原子に対応する、薬物単位に共有結合的に付着されたMAC単位の酸素ヘテロ原子であり、薬物単位に共有結合的に付着されたMAC単位を含む自壊性SIアセンブリ単位が、脂肪族アルコール含有薬物または芳香族アルコール含有薬物を放出することができる、LDC、
51)T*が、チオール含有薬物のスルフヒドリル官能基のヘテロ原子に対応する、薬物単位に共有結合的に付着されたメチレンカルバメート単位の硫黄ヘテロ原子である、LDC、およびこのパラグラフの1〜42に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、T*が、チオール含有薬物のスルフヒドリル官能基のヘテロ原子に対応する、薬物単位に共有結合的に付着されたメチレンカルバメート単位の硫黄ヘテロ原子であり、薬物単位に共有結合的に付着されたメチレンカルバメート単位を含む自壊性SIアセンブリ単位が、チオール含有薬物を放出することができる、LDC、
52)T*が、アミン含有薬物またはカルボキサミド含有薬物のアミドまたはアミン官能基のヘテロ原子に対応する、薬物単位に共有結合的に付着されたメチレンカルバメート単位の必要に応じて置換される窒素ヘテロ原子である、LDC、およびこのパラグラフの1〜42に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、T*が、アミン含有薬物またはカルボキサミド含有薬物のアミンまたはアミド官能基のヘテロ原子に対応する、薬物単位に共有結合的に付着されたメチレンカルバメート単位の窒素ヘテロ原子であり、薬物単位に共有結合的に付着されたメチレンカルバメート単位を含む自壊性SIアセンブリ単位が、アミド含有薬物またはアミン含有薬物を放出することができる、LDC、
53)T*が、メチレンカルバメート単位を薬物単位に共有結合的に付着し、薬物の第1級または第2級アミン官能基のヘテロ原子に対応する、必要に応じて置換される窒素ヘテロ原子である、LDC、およびこのパラグラフの1〜42に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、T*が、メチレンカルバメート単位を薬物単位に共有結合的に付着し、薬物の第1級または第2級アミン官能基のヘテロ原子に対応する、必要に応じて置換される窒素ヘテロ原子であり、薬物単位に共有結合的に付着されたメチレンカルバメート単位を含む自壊性SIアセンブリ単位が、第1級または第2級アミン含有薬物を放出することができる、LDC、
54)T*が、メチレンカルバメート単位を薬物単位に共有結合的に付着し、薬物の第1級または第2級アミド官能基のヘテロ原子に対応する、必要に応じて置換される窒素ヘテロ原子である、LDC、およびこのパラグラフの1〜42に示された実施形態のうちのいずれか1つにおいて、T*が、メチレンカルバメート単位を薬物単位に共有結合的に付着し、第1級または第2級アミド官能基を有する薬物のヘテロ原子に対応する、必要に応じて置換される窒素ヘテロ原子であり、薬物単位に共有結合的に付着されたメチレンカルバメート単位を含むSIアセンブリ単位が、第1級または第2級(アミド含有遊離薬物を放出することができる、LDC、
55)T*またはO*が、薬物であるエベロリムス、タクロリムスまたはシロリムスの官能基のヘテロ原子に対応する、薬物単位に共有結合的に付着されたメチレンカルバメート単位の酸素ヘテロ原子である、LDC
がさらに含まれる。
薬物−リンカー化合物
いくつかの態様において、リガンド薬物結合体を設計するとき、標的化リガンドへの結合体化の前に完全な薬物−リンカーを合成することが望ましいだろう。そのような実施形態において、薬物−リンカー化合物は、中間体化合物として作用する。薬物−リンカー化合物におけるストレッチャー単位は、まだリガンド単位に共有結合的に付着されていないので、標的化リガンドへの結合体化のための官能基を有する(すなわち、ストレッチャー単位前駆体Z’である)。1つの態様において、薬物−リンカー化合物は、リガンド単位、薬物単位、および自壊性アセンブリ単位を含むリンカー単位を含み、そのリンカー単位を介して、リガンド単位は、薬物単位に接続される。そのリンカー単位は、SIアセンブリ単位に加えて、リガンド単位への結合体化のための官能基を含み、自壊性アセンブリ単位をリガンド単位に(直接または間接的に)接続することができる、ストレッチャー単位前駆体(Z’)を含む。分枝単位は、代表的には、1つより多い薬物がリガンド単位の各付着部位に結合体化されることが望まれる実施形態において存在する。コネクター単位は、代表的には、ストレッチャー単位と自壊性アセンブリ単位との間により長い距離を付け加えることが望ましいとき、存在する。1つの態様において、薬物−リンカー化合物は、本明細書中で先に定義されたような式I、Ia、Ib、SI、SIa、SIb、I’、Ia’、Ib’、SI’、SIa’またはSIb’の構造を有する薬物単位に共有結合的に付着されたメチレンカルバメート単位を有する。
1つの態様において、薬物−リンカー化合物は、薬物単位およびリンカー単位を含み、ここで、その単位は、ストレッチャー単位前駆体(Z’)に直接付着されるか、または薬物−リンカー化合物のリンカー単位の介在性構成要素(すなわち、Aおよび/またはB)への付着を介してZ’に間接的に付着される、自壊性アセンブリ単位の活性化可能な自壊性部分(X)を含み、ここで、Z’は、標的化リガンド、およびSIアセンブリ単位のメチレンカルバメート単位に直接付着される薬物単位と共有結合を形成することができる官能基を含む。いくつかの実施形態において、リガンド単位への各付着部位における各リンカー単位または各薬物−リンカー部分に1〜4個のSIアセンブリ単位が存在する。リンカー単位における分枝に起因して薬物−リンカー化合物のリンカー単位に2つまたはそれを超えるSIアセンブリ単位が存在する実施形態では、分枝単位B(または分枝単位がリガンド単位に直接付着されるときは、その前駆体B’)が、そのような分枝を可能にするために存在する。それらの実施形態において、例示的な薬物−リンカー化合物は、下記の式V:
またはその薬学的に許容され得る塩によって表され;式中、
式中、
Dは、表示されているメチレンカルバメート単位に組み込まれたヒドロキシル、チオール、アミンまたはアミド官能基を有する薬物単位であり;
T*は、表示されているメチレンカルバメート単位に組み込まれる前記官能基の酸素、硫黄または必要に応じて置換される窒素ヘテロ原子であり;
R、R1およびR2は、独立して、水素、必要に応じて置換されるC1−C6アルキル、必要に応じて置換されるC6−14アリールまたは必要に応じて置換されるC結合型C3−C8ヘテロアリールであるか、または
RとR1の両方は、それらが付着している窒素および炭素原子と一体となって、アゼチジニル、ピロロジニル、ピペリジニルまたはホモピペリジニル部分(好ましくは、ピロロジニルまたはピペリジニル部分)を構成し、R2は、水素であり;
Xは、活性化可能な自壊性部分であり;
Z’は、ストレッチャー単位(Z)に対するストレッチャー単位前駆体であり、リガンド単位とZとの共有結合的付着を提供する官能基を含み;
Bは、tが2、3または4であるとき存在し、tが1であるとき存在しない、随意の分枝単位であり;
Aは、随意のコネクター単位であり;
下付き文字tは、1〜4の範囲である。
他の実施形態において、式Vの薬物−リンカー化合物における式SIの自壊性アセンブリ単位が、式SIaまたはSIbの自壊性アセンブリ単位で置き換えられることにより、それぞれ式VaおよびVbの薬物−リンカー化合物が定義される。式V、VaまたはVbにおけるR、R、R1およびR2の好ましい組み合わせおよび部分組み合わせ(subcombination)は、式II、IIaまたはIIbに対して与えられたとおりである。
いくつかの態様において、薬物−リンカー化合物は、以下のとおりの式V’の構造:
またはその薬学的に許容され得る塩を有し;式中、
Dは、表示されているメチレンアルコキシ(アリールオキシ)カルバメート単位(MAC単位)への組み込みの前にヒドロキシル官能基を有する薬物単位であり(そのMAC単位の酸素ヘテロ原子はO*によって指定されている);
R、R1およびR2は、独立して、水素、必要に応じて置換されるC1−C6アルキル、必要に応じて置換されるC6−14アリールまたは必要に応じて置換されるC結合型C3−C8ヘテロアリールであるか、または
RとR1の両方は、それらが付着している窒素および炭素原子と一体となって、アゼチジニル、ピロロジニル、ピペリジニルまたはホモピペリジニル部分(好ましくは、ピロロジニルまたはピペリジニル部分)を構成し、R2は、水素であり;
Xは、活性化可能な自壊性部分であり;
Z’は、ストレッチャー単位(Z)に対するストレッチャー単位前駆体であり、リガンド単位とZとの共有結合的付着を提供する官能基を含み;
Bは、tが2、3または4であるとき存在し、tが1であるとき存在しない、随意の分枝単位であり;
Aは、随意のコネクター単位であり;
下付き文字tは、1〜4の範囲である。
他の実施形態において、式V’の薬物−リンカー化合物における式SI’の自壊性アセンブリ単位が、式SIa’またはSIb’の自壊性アセンブリ単位で置き換えられることにより、それぞれ式Va’およびVb’の薬物−リンカー化合物が定義される。式V’、Va’またはVb’におけるR、R、R1およびR2の好ましい組み合わせおよび部分組み合わせは、式II’、IIa’またはIIb’に対して与えられたとおりである。
式V’、Va’またはVb’の薬物−リンカー化合物の薬物単位の提供に関して言及されるヒドロキシル官能基は、芳香族アルコールまたは脂肪族アルコールのヒドロキシル官能基である。その脂肪族アルコールは、第1級、第2級または第3級脂肪族アルコールであり得る。好ましくは、そのアルコールは、脂肪族アルコール、より好ましくは、第1級または第2級脂肪族アルコールである。
自壊性アセンブリ単位は、活性化可能な自壊性部分(X)およびメチレンカルバメート単位を含む。いくつかの実施形態において、その活性化可能な部分は、活性化単位(W)および自壊性スペーサー単位(Y)を含む。その活性化単位は、薬物リンカー化合物からの遊離薬物の放出をもたらす、スペーサー単位内の一連の自壊反応を惹起する。活性化単位または自壊性スペーサー単位のいずれかが、薬物−リンカー化合物の残りの部分(すなわち、Aおよび/またはBの有無に応じてA、BまたはZ’)への共有結合的付着の部位を形成し得る。いくつかの実施形態において、薬物−リンカー化合物は、薬物単位に付着された自壊性アセンブリ単位を含み、式VI(i)もしくはVI(ii):
またはその薬学的に許容され得る塩によって表され;式中、
Aは、随意のコネクター単位であり;
Wは、活性化単位であり;
Yは、自壊性スペーサー単位であり;
Z’は、ストレッチャー単位(Z)に対するストレッチャー単位前駆体であり、リガンド単位とZとの共有結合的付着を提供する官能基を含み;
Bは、tが2、3または4であるとき存在し、tが1であるとき存在しない、随意の分枝単位であり;
R、R1およびR2は、独立して、水素、必要に応じて置換されるC1−C6アルキル、必要に応じて置換されるC6−14アリールまたは必要に応じて置換されるC結合型C3−C8ヘテロアリールであるか、またはRとR1の両方は、それらが付着している窒素および炭素原子と一体となって、アゼチジニル、ピロロジニル、ピペリジニルまたはホモピペリジニル部分(好ましくは、ピロロジニルまたはピペリジニル部分)を構成し、R2は、水素であり;
Dは、表示されているメチレンアルコキシカルバメート単位への組み込みの前にヒドロキシル、チオール、アミンまたはアミド官能基を有する薬物単位であり;
T*は、表示されているメチレンカルバメート単位に組み込まれる前記官能基の酸素、硫黄または必要に応じて置換される窒素ヘテロ原子であり;
下付き文字tは、1〜4の範囲である。
式VI(i)およびVI(ii)は、式Iaからのメチレンカルバメート単位を有する。薬物−リンカー化合物の他の実施形態において、そのメチレンカルバメート単位の構造は、式Iaの構造によって置き換えられ得ることにより、それぞれ式VI(a)(i)およびVIa(ii)の薬物−リンカー化合物が定義される。薬物−リンカー化合物の他の実施形態において、そのメチレンカルバメート単位の構造は、式Ibの構造によって置き換えられることにより、それぞれ式VI(b)(i)およびVIb(ii)の薬物リンカー化合物が定義される。式VI(i)、VI(ii)、VIa(i)、VIa(ii)、VIb(i)またはVIb(ii)におけるR、R、R1およびR2の好ましい組み合わせおよび部分組み合わせは、式III(i)、III(ii)、IIIa(i)、IIIa(ii)、IIIb(i)またはIIIb(ii)に対して与えられたとおりである。
いくつかの実施形態において、薬物−リンカー化合物は、薬物単位に付着された自壊性アセンブリ単位を含み、式VI(i)’もしくはVI(ii)’:
またはその薬学的に許容され得る塩によって表され;式中、
Aは、随意のコネクター単位であり;
Wは、活性化単位であり;
Yは、自壊性スペーサー単位であり;
Z’は、ストレッチャー単位(Z)に対する前駆体であり、リガンド単位とZとの共有結合的付着を提供する官能基を含み;
Bは、tが2〜4であるとき存在し、tが1であるとき存在しない、随意の分枝単位であり;
R、R1およびR2は、独立して、水素、必要に応じて置換されるC1−C6アルキル、必要に応じて置換されるC6−14アリールまたは必要に応じて置換されるC結合型C3−C8ヘテロアリールであるか、またはRとR1の両方は、それらが付着している窒素および炭素原子と一体となって、アゼチジニル、ピロロジニル、ピペリジニルまたはホモピペリジニル部分(好ましくは、ピロロジニルまたはピペリジニル部分)を構成し、R2は、水素であり;
Dは、表示されているメチレンアルコキシカルバメート単位への組み込みの前にヒドロキシル官能基を有する薬物単位であり;
T*は、表示されているメチレンアルコキシ(アリールオキシ)カルバメート単位(MAC単位)に組み込まれる前記官能基の酸素ヘテロ原子であり;
下付き文字tは、1〜4の範囲の整数である。
式VI(i)’およびVI(ii)’は、式I’のMAC構造を有する。他の態様において、式III(i)’または式III(ii)’のLDCにおける式I’のMAC単位は、式Ia’のMAC単位で置き換えられ、それにより、それぞれ式VIa(i)’および式VIa(ii)’の薬物リンカー化合物と命名される薬物−リンカー化合物が提供される。他の態様において、式VI(i)’または式VI(ii)’における式I’のMAC単位は、式I’のMAC単位で置き換えられ、それにより、それぞれ式III(i)’および式III(ii)’の薬物−リンカー化合物と命名される薬物−リンカー化合物が提供される。式VI(i)’、VI(ii)’、VIa(i)’、VIa(ii)’、VIb(i)’またはVIb(ii)’におけるR、R、R1およびR2の好ましい組み合わせおよび部分組み合わせは、式III(i)’、III(ii)’、IIIa(i)’、IIIa(ii)’、IIIb(i)’またはIIIb(ii)’に対して与えられたとおりである。
示されるように、薬物−リンカー化合物は、本発明のLDCに対する中間体化合物として作用し得る。したがって、LDCについて説明しているいずれの実施形態も、本発明の化合物の薬物−リンカーに対して同様に適用できる。換言すれば、B、A、X、R、R1、R2、T*、D、O*ならびに下付き文字sおよびtに対する任意の定義ならびにそれらの組み合わせは、本発明の化合物の薬物−リンカーに対して適用でき、企図される。
構成要素群
リガンド単位:
本発明のいくつかの実施形態において、リガンド単位は、例えば、リガンド薬物結合体に存在する。リガンド単位(L−)は、標的部分に特異的に結合する標的化物質である。1つの群の実施形態において、リガンド単位は、細胞の構成要素に特異的かつ選択的に結合する(細胞結合物質)か、または他の目的の標的分子に特異的かつ選択的に結合する。リガンド単位は、標的化される構成要素または分子が存在することに起因して、そのリガンド単位と相互作用するリガンド薬物結合体の薬物単位を特定の標的細胞集団に標的化し、提示するように働き、標的細胞内(すなわち、細胞内)または標的細胞の近傍(すなわち、細胞外)へのその後の遊離薬物の放出を可能にする。リガンドとしては、タンパク質、ポリペプチドおよびペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。好適なリガンド単位としては、例えば、抗体、例えば、完全長抗体およびその抗原結合フラグメント、インターフェロン、リンフォカイン、ホルモン、成長因子およびコロニー刺激因子、ビタミン、栄養輸送分子(例えば、トランスフェリンであるがこれに限定されない)または他の任意の細胞結合分子もしくは細胞結合物質が挙げられる。いくつかの実施形態において、リガンド単位は、抗体由来であるか、または非抗体タンパク質標的化物質由来である。
1つの群の実施形態において、リガンド単位は、ストレッチャー単位(Z)に結合される。それらの実施形態のいくつかにおいて、リガンド単位は、リガンド単位のヘテロ原子を介してリンカー単位のZに結合される。結合のためにリガンド単位上に存在し得るヘテロ原子としては、硫黄(1つの実施形態において、標的化リガンドのスルフヒドリル基に由来するもの)、酸素(1つの実施形態において、標的化リガンドのカルボキシルまたはヒドロキシル基に由来するもの)および必要に応じて置換される窒素(1つの実施形態において、標的化リガンドの第1級または第2級アミン官能基に由来するもの、または別の実施形態において、必要に応じて置換されるアミド窒素に由来するもの)が挙げられる。それらのヘテロ原子は、リガンドの天然の状態において、例えば、天然に存在する抗体において、標的化リガンド上に存在し得るか、または化学修飾もしくは生物学的操作によって標的化リガンドに導入され得る。
1つの実施形態において、リガンド単位は、スルフヒドリル官能基を有し、そのリガンド単位は、スルフヒドリル官能基の硫黄原子を介してリンカー単位に結合される。
別の実施形態において、リガンド単位は、薬物−リンカー化合物中間体のストレッチャー単位前駆体の活性化エステル(そのようなエステルとしては、N−ヒドロキシスクシンイミド(hydroxysuccimide)エステル、ペンタフルオロフェニルエステルおよびp−ニトロフェニルエステルが挙げられるが、これらに限定されない)と反応することができる1つまたはそれを超えるリジン残基を有し、ゆえに、リガンド単位の窒素原子およびリンカー単位のストレッチャー単位のC=O基からなるアミド結合を提供する。
なおも別の態様において、リガンド単位は、1つまたはそれを超えるスルフヒドリル基を導入するために、化学修飾が可能な1つまたはそれを超えるリジン残基を有する。それらの実施形態において、リガンド単位は、スルフヒドリル官能基の硫黄原子を介してリンカー単位に結合される。その様式でリジンを修飾するために使用され得る試薬としては、N−スクシンイミジルS−アセチルチオアセテート(SATA)および2−イミノチオラン塩酸塩(Traut’s試薬)が挙げられるが、これらに限定されない。
別の実施形態において、リガンド単位は、1つまたはそれを超えるスルフヒドリル官能基を提供するために、修飾が可能な1つまたはそれを超える炭水化物基。リガンド薬物結合体における化学修飾されたリガンド単位は、スルフヒドリル官能基の硫黄原子を介してリンカー単位の構成要素(例えば、ストレッチャー単位)に結合される。
なおも別の実施形態において、リガンド単位は、酸化されることによりアルデヒド(−CHO)官能基を提供することができる1つまたはそれを超える炭水化物基を有する(例えば、Laguzza,ら、1989,J.Med.Chem.32(3):548−55を参照のこと)。その実施形態において、対応するアルデヒドは、ストレッチャー単位前駆体上の反応性部位と相互作用して、ストレッチャー単位とリガンド単位との間に結合を形成する。標的化リガンド上の反応性のカルボニル含有官能基と相互作用することができるストレッチャー単位前駆体上の反応性部位としては、ヒドラジンおよびヒドロキシルアミンが挙げられるが、これらに限定されない。リンカー単位または薬物−リンカー化合物を付着するためにタンパク質を修飾するための他のプロトコルは、Coliganら、Current Protocols in Protein Science,vol.2,John Wiley&Sons(2002)(参照により本明細書中に援用される)に記載されている。
いくつかの態様において、リガンド単位は、ストレッチャー単位前駆体(Z’)上の反応性の官能基と相互作用することにより、ストレッチャー単位(Z)と標的化リガンドに対応するリガンド単位との間に共有結合を形成することによって、結合を形成することができる。標的化リガンドと相互作用するための能力を有するZ’の官能基は、リガンド単位の性質に依存する。いくつかの実施形態において、反応性基は、付着してリガンド単位を形成する前にストレッチャー単位上に存在するマレイミド(すなわち、ストレッチャー単位前駆体のマレイミド部分)である。リガンド単位とストレッチャー単位との共有結合的付着は、Z’のマレイミド官能基と相互作用するリガンド単位のスルフヒドリル官能基によって達成され、それにより、チオで置換されたスクシンイミドが形成される。スルフヒドリル官能基は、リガンド単位上に、リガンドの天然の状態で、例えば、天然に存在する残基として存在し得るか、または化学修飾もしくは生物学的操作によってリガンドに導入され得る。
なおも別の実施形態において、リガンド単位は、抗体に由来し、スルフヒドリル基は、その抗体の鎖間ジスルフィドの還元によって生成される。したがって、いくつかの実施形態において、リンカー単位は、還元された鎖間ジスルフィドからのシステイン残基に結合体化される。
なおも別の実施形態において、リガンド単位は、抗体に由来し、スルフヒドリル官能基は、例えば、システイン残基の導入によって、その抗体に化学的に導入される。したがって、いくつかの実施形態において、リンカー単位は、リガンド単位の導入されたシステイン残基を介して薬物単位に結合体化される。
薬物の結合体化の部位は、結合体化の容易さ、薬物−リンカーの安定性、得られた生物学的結合体(bioconjugates)の生物物理的特性に対する影響、およびインビトロ細胞傷害性をはじめとしたいくつかのパラメータに影響し得ることが、生物学的結合体に対して観察された。薬物−リンカーの安定性に関して、リガンド単位への薬物−リンカー部分の結合体化の部位は、結合体化される薬物−リンカー部分が、脱離反応を起こして遊離薬物の時期尚早の放出を引き起こす能力、および薬物リンカー部分が、LDCの環境に存在する代替の反応性チオール(例えば、アルブミンにおける反応性チオール、遊離システインまたは血漿中に存在するグルタチオン)にLDCのリガンドから移行される能力に影響し得る。標的化リガンド上の結合体化のための部位としては、例えば、還元された鎖間ジスルフィドが挙げられ、操作される部位にシステイン残基が選択される。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載されるようなリガンド薬物結合体を形成するための結合体化の方法では、還元されたジスルフィド結合からのチオール残基を使用する結合体化の方法と比べて脱離反応に感受性でない遺伝的に操作される部位(例えば、Kabatに示されているようなEUインデックスによるところの239位)においてチオール残基が使用される。他の実施形態において、本明細書中に記載されるようなリガンド薬物結合体を形成するための結合体化の方法では、脱離反応により感受性な(例えば、鎖間ジスルフィドの還元に起因して)部位においてチオール残基が使用される。
リガンド薬物結合体が、非免疫反応性タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドを含むとき、そのリガンド単位は、抗体に由来する代わりに、非免疫反応性タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドに由来し、それらとしては、トランスフェリン、上皮成長因子(「EGF」)、ボンベシン、ガストリン、ガストリン放出ペプチド、血小板由来成長因子、IL−2、IL−6、トランスフォーミング成長因子(「TGF」)(例えば、TGF−αおよびTGF−β)、ワクシニア成長因子(「VGF」)、インスリンならびにインスリン様成長因子IおよびII、ソマトスタチン、レクチン、ならびに低密度リポタンパク質由来のアポタンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。
特に好ましいリガンド単位は、抗体に由来するものである。実際に、本明細書中に記載される任意の実施形態において、リガンド単位は、抗体に由来し得る。有用なポリクローナル抗体は、免疫された動物の血清から得られる抗体分子の不均一な集団である。有用なモノクローナル抗体は、特定の抗原決定基(例えば、癌細胞抗原、ウイルス抗原、微生物抗原、タンパク質、ペプチド、炭水化物、化学物質、核酸またはそれらのフラグメント)に対する抗体の均一な集団である。目的の抗原に対するモノクローナル抗体(mAb)は、培養下の継続的な細胞株による抗体分子の産生を提供する当該分野で公知の任意の手法を用いることによって調製され得る。
有用なモノクローナル抗体としては、ヒトモノクローナル抗体、ヒト化モノクローナル抗体またはキメラヒト−マウス(または他の種)モノクローナル抗体が挙げられるが、これらに限定されない。それらの抗体には、完全長抗体およびその抗原結合フラグメントが含まれる。ヒトモノクローナル抗体は、当該分野で公知の数多くの手法のうちのいずれかによって作製され得る(例えば、Tengら、1983,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.80:7308−7312;Kozborら、1983,Immunology Today 4:72−79;およびOlssonら、1982,Meth.Enzymol.92:3−16)。
抗体は、標的細胞(例えば、癌細胞抗原、ウイルス抗原または微生物抗原)に免疫特異的に結合する抗体、または腫瘍細胞もしくは腫瘍マトリックスに結合される他の抗体の機能的に活性なフラグメント、誘導体またはアナログであり得る。この点において、「機能的に活性な」は、そのフラグメント、誘導体またはアナログが、標的細胞に免疫特異的に結合することができることを意味する。どのCDR配列が抗原に結合するかを明らかにするために、そのCDR配列を含む合成ペプチドは、当該分野で公知の任意の結合アッセイ方法(例えば、BIA coreアッセイ)によるその抗原を用いる結合アッセイにおいて使用され得る(例えば、Kabatら、1991,Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,National Institute of Health,Bethesda,Md;Kabat Eら、1980,J.Immunology 125(3):961−969を参照のこと)。
他の有用な抗体としては、抗体のフラグメント(例えば、F(ab’)2フラグメント、Fabフラグメント、Fv、一本鎖抗体、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、scFv、scFv−FV、または抗体と同じ特異性を有する他の任意の分子であるがこれらに限定されない)が挙げられる。
さらに、標準的な組換えDNA法を用いて作製され得る、ヒト部分と非ヒト部分の両方を含む組換え抗体(例えば、キメラ抗体およびヒト化モノクローナル抗体)も有用な抗体である。キメラ抗体は、種々の部分が種々の動物種に由来する分子(例えば、マウスモノクローナルに由来する可変領域およびヒト免疫グロブリン定常領域を有する分子)である(例えば、米国特許第4,816,567号;および米国特許第4,816,397号(これらはその全体が参照により本明細書中に援用される)を参照のこと)。ヒト化抗体は、非ヒト種に由来する1つまたはそれを超える相補性決定領域(CDR)およびヒト免疫グロブリン分子に由来するフレームワーク領域を有する非ヒト種に由来する抗体分子である(例えば、米国特許第5,585,089号(これはその全体が参照により本明細書中に援用される)を参照のこと)。そのようなキメラ抗体およびヒト化モノクローナル抗体は、当該分野で公知の組換えDNA法によって、例えば、国際公開番号WO87/02671;欧州特許公開番号0184187;欧州特許公開番号0171496;欧州特許公開番号0173494;国際公開番号WO86/01533;米国特許第4,816,567号;欧州特許公開番号012023;Berterら、1988,Science 240:1041−1043;Liuら、1987,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:3439−3443;Liuら、1987,J.Immunol.139:3521−3526;Sunら、1987,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:214−218;Nishimuraら、1987,Cancer.Res.47:999−1005;Woodら、1985,Nature 314:446−449;およびShawら、1988,J.Natl.Cancer Inst.80:1553−1559;Morrison,1985,Science 229:1202−1207;Oiら、1986,BioTechniques 4:214;米国特許第5,225,539号;Jonesら、1986,Nature 321:552−525;Verhoeyanら、1988,Science 239:1534;およびBeidlerら、1988,J.Immunol.141:4053−4060(これらの各々は、その全体が参照により本明細書中に援用される)に記載されている方法を用いて作製され得る。
場合によっては(例えば、非ヒト抗体またはキメラ抗体に対する免疫原性が存在し得るとき)、完全ヒト抗体がより望ましく、それは、内在性の免疫グロブリン重鎖遺伝子および免疫グロブリン軽鎖遺伝子を発現することができないがヒト重鎖遺伝子およびヒト軽鎖遺伝子を発現することができるトランスジェニックマウスを用いて作製され得る。
共有結合的付着によって、抗体が抗原結合免疫特異性を保持することが可能になる限り、抗体には、改変されたアナログおよび誘導体、すなわち、任意のタイプの分子の共有結合的付着によって改変されたアナログおよび誘導体が含まれる。例えば、限定ではないが、抗体の誘導体およびアナログには、例えば、グリコシル化、アセチル化、PEG化、リン酸化、アミド化、公知の保護基/ブロック基による誘導体化、タンパク分解性切断、細胞の抗体単位または他のタンパク質への結合などによってさらに改変されたものが含まれる。数多くの化学修飾のいずれもが、公知の手法によって行うことができ、その手法としては、特異的な化学的切断、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの存在下における代謝合成などが挙げられるがこれらに限定されない。さらに、アナログまたは誘導体は、1つまたはそれを超える非天然アミノ酸を含み得る。
抗体は、Fcレセプターと相互作用するアミノ酸残基に改変(例えば、置換、欠失または付加)を有し得る。特に、抗体は、抗FcドメインとFcRnレセプターとの相互作用に関わると特定されたアミノ酸残基に改変を有し得る(例えば、国際公開番号WO97/34631を参照のこと(これはその全体が参照により本明細書中に援用される))。
癌細胞抗原に免疫特異的な抗体は、商業的に得ることができるか、または当業者に公知の任意の方法(例えば、組換え発現法)によって作製することができる。癌細胞抗原に免疫特異的な抗体をコードするヌクレオチド配列は、例えば、GenBankデータベースもしくはそれと同様のデータベースから、文献刊行物から、または日常的なクローニングおよび配列決定によって、得ることができる。
特定の実施形態では、癌を処置するための公知の抗体が使用され得る。
別の特定の実施形態では、自己免疫疾患を処置するための抗体が、本発明の組成物および方法に従って使用される。
ある特定の実施形態において、有用な抗体は、活性化されたリンパ球上に発現されたレセプターまたはレセプター複合体に結合し得る。そのレセプターまたはレセプター複合体には、免疫グロブリン遺伝子スーパーファミリーのメンバー、TNFレセプタースーパーファミリーのメンバー、インテグリン、サイトカインレセプター、ケモカインレセプター、主要組織適合タンパク質、レクチンまたは補体制御タンパク質が含まれ得る。
いくつかの態様において、リガンド薬物結合体に組み込まれる抗体は、CD19、CD20、CD30、CD33、CD70、NTBA、アルファ−v−ベータ−6、Liv−1またはLewis Y抗原に特異的に結合し得る。
薬物単位(D):
薬物単位(D)は、ヒドロキシル、チオール、アミンまたはアミド官能基を有し、その官能基の酸素、硫黄または必要に応じて置換される窒素ヘテロ原子が、メチレンカルバメート単位への組み込みを可能にし、遊離薬物の官能基としてメチレンカルバメート単位からの放出を可能にする、任意の細胞傷害薬、細胞分裂抑制薬または免疫抑制薬(本明細書中では、細胞傷害剤、細胞分裂抑制剤または免疫抑制剤とも称される)に由来し得る。いくつかの態様において、その官能基は、リンカー単位の構成要素への付着に利用可能な唯一の部位を薬物上に提供する。得られた薬物−リンカー部分は、細胞傷害、細胞分裂抑制または免疫抑制の作用を発揮するために、リガンド単位によって標的化される部位に、その部分を有するLDCから活性な遊離薬物を放出し得るものである。
「遊離薬物」とは、薬物−リンカー部分から放出されたときに出現する薬物のことを指す。遊離薬物は、自壊性アセンブリ単位への付着のための薬物の官能基が、リガンド薬物結合体の構成要素(以前に共有されていたヘテロ原子以外)と会合しなくなるという点で、結合体化された薬物とは異なる。例えば、アルコール含有薬物の遊離ヒドロキシル官能基は、D−O*Hと表され得るのに対し、結合体化された形態では、O*によって指定される酸素ヘテロ原子は、自壊性アセンブリ単位のメチレンカルバメート単位に組み込まれている。自壊性部分が活性化され、遊離薬物が放出されると、O*に対する共有結合は、水素原子によって置き換えられ、その結果、O*によって指定される酸素ヘテロ原子は、−O−Hとして遊離薬物上に存在する。別の例では、O*は、D’−O*Hとして表されるアルコール含有薬物に対する前駆体の遊離ヒドロキシル官能基に由来する。その前駆体のO*が、自壊性アセンブリ単位D’−O*−のメチレンカルバメート単位に組み込まれた後、続いて、自壊性アセンブリ単位におけるその部分が、D−O*−に変換される。
ヒドロキシル、スルフヒドリル、アミンもしくはアミド官能基を有するか、または生物学的活性の許容できない損失を招かずにそのような官能基を有するように改変され得る、メチレンカルバメート単位への付着に適した、細胞傷害剤または免疫抑制剤の有用なクラスとしては、例えば、抗チューブリン剤、DNA副溝結合剤、DNA複製阻害剤、アルキル化剤、抗生物質、抗葉酸剤、代謝拮抗物質、化学療法増感剤、トポイソメラーゼ阻害剤、ビンカアルカロイドなどが挙げられる。細胞傷害剤の特に有用なクラスの例としては、例えば、DNA副溝結合剤、DNAアルキル化剤およびチューブリン阻害剤が挙げられる。例示的な細胞傷害剤としては、例えば、アウリスタチン、カンプトテシン、デュオカルマイシン、エトポシド、メイタンシンおよびメイタンシノイド(maytansinoids)、タキサン、ベンゾジアゼピンまたはベンゾジアゼピン含有薬物(例えば、ピロロ[1,4]−ベンゾジアゼピン(PBD)、インドリノベンゾジアゼピンおよびオキサゾリジノベンゾジアゼピン)およびビンカアルカロイドが挙げられる。
いくつかの実施形態において、薬物単位は、抗チューブリン剤に由来する。抗チューブリン剤の例としては、タキサン、ビンカアルカロイド メイタンシンおよびメイタンシノイド、ドラスタチンならびにアウリスタチンが挙げられるが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態において、細胞傷害剤は、メイタンシンまたはメイタンシノイドに由来する。
いくつかの実施形態において、薬物単位は、アウリスタチンに由来し、ここで、ヒドロキシル官能基を有し、その官能基のヘテロ原子がMAC単位に組み込まれるものが、好ましい。例示的な好ましいアウリスタチンとしては、以下の構造:
のうちの1つを有する化合物が挙げられ、ここで、R10およびR11は、独立して、水素またはC1−C8アルキルであり;R12は、水素、C1−C8アルキル、C3−C8シクロアルキル、アリール、−X1−アリール、−X1−(C3−C8シクロアルキル)、C3−C8複素環または−X1−(C3−C8複素環)であり;R13は、水素、C1−C8アルキル、C3−C8シクロアルキル、アリール、−X1−アリール、−X1−(C3−C8シクロアルキル)、C3−C8複素環および−X1−(C3−C8複素環)であり;R14は、水素またはメチルであるか、またはR13およびR14は、それらが付着している炭素と一体となって、C3−C8シクロアルキルを構成し;R15は、水素またはC1−C8アルキルであり;R16は、水素、C1−C8アルキル、C3−C8シクロアルキル、アリール、−X1−アリール、−X1−(C3−C8シクロアルキル)、C3−C8複素環および−X1−(C3−C8複素環)であり;R17は、独立して、水素、−OH、C1−C8アルキル、C3−C8シクロアルキルおよびO−(C1−C8アルキル)であり;R18は、水素またはC1−C8アルキルであり;R19は、−C(R19A)2−C(R19A)2−アリール、−C(R19A)2−C(R19A)2−(C3−C8複素環)または−C(R19A)2−C(R19A)2−(C3−C8シクロアルキル)であり(ここで、各R19Aは、独立して、水素、C1−C8アルキル、−OHまたは−O−C1−C8アルキルであるが、但し、少なくとも1つのR19Aは、−OHである);R20は、−CH(CH3)−OHを含むヒドロキシルアルキルであり;Zは、O、S、NHであり、X1は、C1−C10アルキレンである。
ヒドロキシル官能基を有し、その官能基の酸素ヘテロ原子がMAC単位に組み込まれることが可能であるアウリスタチンの合成および構造は、米国特許出願公開番号2003−0083263、同2005−0238649 同2005−0009751、同2009−0111756および同2011−0020343;国際特許公開番号WO04/010957、国際特許公開番号WO02/088172ならびに米国特許第7,659,241号および同第8,343,928号に記載されている(これらの各々は、その全体がすべての目的のために参照により援用される)。本発明のLDCから放出される例示的なアルコール含有アウリスタチンは、チューブリンに結合し、その結合の結果として所望の細胞(すなわち、標的細胞)に対して細胞傷害または細胞分裂抑制の作用を発揮する。
ヒドロキシル官能基を有し、その官能基のヘテロ原子がMAC単位に組み込まれる、より好ましいアウリスタチンは、モノメチルアウリスタチンEおよびアウリスタチンTである。
いくつかの実施形態において、薬物単位は、ベンゾジアゼピン(官能基のヘテロ原子を介してメチレンカルバメート単位に共有結合的に付着される薬物単位への組み込みに適したヒドロキシル、アミン、アミドまたはチオール官能基を有するかまたは有するように改変されるベンゾジアゼピン含有薬物(例えば、ピロロ[1,4]ベンゾジアゼピン(PBD)、インドリノベンゾジアゼピンおよびオキサゾリジノベンゾジアゼピン)を含む)に由来する。
他の態様において、薬物単位は、官能基の酸素ヘテロ原子を介してMAC単位に共有結合的に付着される薬物単位への組み込みに適したヒドロキシル官能基を有する本明細書中でFKBPイムノフィリンと称される、FKBPクラスのイムノフィリン(Wiederrecht and Etzhorn“Immunophilins”Perspec.Drug Discov.Des.(1994)2(1):57−84に記載されているようなもの)である。
1つの群の実施形態において、MAC単位に共有結合的に付着される薬物単位への組み込みに適したイムノフィリンは、T細胞増殖のために必要とされるカルシニューリンのエフェクター機能を阻害する遊離薬物としてFKBP−12に結合する。1つの実施形態において、MAC単位への組み込みが可能であるFKBPイムノフィリンは、遊離薬物がFKBP−12に結合してカルシニューリンのエフェクター機能を阻害するとき、式VIIaの一般構造
を有し、式中、uは、プロリニル部分またはピペコリン酸部分を定義するために0または1であり、R、R1およびR2は、独立して、−OH、必要に応じて置換されるC1−C6エーテルまたは必要に応じて置換されるC1−C6エステルであり(好ましくは、R、R1およびR2は、−OMeであり);R3は、必要に応じて置換されるC1−C4アルキル(好ましくは、メチル、エチル、−CH2CH=CH2、−CH2CH2CH2CH3であり;R4は、オキソ(すなわち、=O)、またはαもしくはβ配置の−OHもしくはC1−C6エステル(好ましくは、=Oまたはα−OH)であり;R5は、水素または必要に応じて置換されるC1−C4アルキル(好ましくは、水素またはメチル)である。
式VIIaの好ましい実施形態において、uは、2であり;R、R1およびR2は、−OMeであり;R3は、エチルであり;R4は、α−OHであり;R5は、メチルであるか、またはuは、2であり;R、R1およびR2は、−OMeであり;R3は、メチルであり;R4は、α−OHであり;R5は、メチルであるか、またはuは、1であり;R、R1およびR2は、−OMeであり;R3は、−CH2CH=CH2であり;R4は、α−OHであり;R5は、メチルであるか、またはuは、2であり;R、R1およびR2は、−OMeであり;R3は、エチルであり、R4は、α−OHであり;R5は、水素であるか、またはuは、1であり;R、R1およびR2は、−OMeであり;R3は、エチルであり、R4は、α−OHであり;R5は、メチルであるか、またはuは、2であり;R、R1およびR2は、−OMeであり、R3は、−CH2CH=CH2であり;R4は、α−OHであり;R5は、メチルであるか、またはuは、2であり;Rは、−OMeであり;R1は、−OHであり;R2は、メチルであり、R3は、−CH2CH=CH2であり;R4は、α−OHであり;R5は、メチルである。
他の実施形態において、式VIIaにおける部分A
は、部分B
によって置き換えられることにより、式VIIbのFKBPイムノフィリンが定義され、式中、波線は、マクロライドの残りの部分への共有結合的付着を示し;u、R、R1、R2、R3、R4およびR5は、式VIIaにおいて定義されたとおりである。式VIIbの好ましい実施形態において、uは、2であり、Rは、−OMeであり;R1は、−OHであり;R2は、−OMeであり;R3は、メチル、エチルまたは−CH2CH=CH2であり;R4は、α−OHであり;R5は、水素またはメチルである。
他の実施形態において、式VIIaにおける部分Aは、CまたはDの部分
によって置き換えられることにより、それぞれ式VIIcまたはVIIdのFKBPイムノフィリンが定義され、式中、R6は、水素、オキソ(すなわち、=O)、αもしくはβ配置の−OH、エポキシド(すなわち、−CH2O−)、=N(R6’)または=C(R6’)2であり;R7は、−OHまたは−N(R6’)2であり;u、R、R1、R2、R3、R4およびR5は、式VIIaにおいて定義されたとおりであり、ここで、各存在において、R6’は、独立して、水素および必要に応じて置換されるC1−C4アルキルからなる群より選択される。
他の実施形態において、式VIIaにおける部分Aは、部分EまたはF
によって置き換えられることにより、それぞれ式VIIeまたはVIIfのFKBPイムノフィリンが定義され、式中、u、R、R1、R2、R3、R4およびR5は、式VIaにおいて定義されたとおりであり、R7は、式VIc/Vidにおいて定義されたとおりである。好ましくは、式VIIeにおいて、R、R1およびR2は、−OMeであり;R3は、メチル、エチルまたは−CH2CH=CH2であり;R4は、α−OHであり;R5は、水素またはメチルであり;R7は、−OHであり、好ましくは、式VIIfにおいて、uは、2であり、Rは、−OMeであり、R1は、−OHであり;R2は、−OMeであり;R3は、メチル、エチルまたは−CH2CH=CH2であり;R4は、α−OHであり;R5は、水素またはメチルであり;R7は、−OHである。
他の実施形態において、式VIaにおける式Aの部分は、部分G、HまたはJ
によって置き換えられることにより、それぞれ式VIIg、VIIhおよびVIIjのFKBPイムノフィリンが定義され、式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、式VIIaにおいて定義されたとおりであり;R8は、水素または必要に応じて置換されるC1−C6アルキルである。好ましくは、それらの式において、uは、2であり;R、R1およびR2は、−OMeであり;R3は、メチル、エチルまたは−CH2CH=CH2であり;R4は、α−OHであり;R5は、水素またはメチルであり;R8は、メチルまたはエチルである。
他の実施形態において、式VIIaにおける部分Aは、部分K
によって置き換えられることにより、式VIIkのFKBPイムノフィリンが定義され、式中、u、R、R1、R2、R3、R4およびR5は、式VIIaにおいて定義されたとおりである。
他の実施形態において、式VIIa、VIIb、VIIc、VIId、VIIe、VIIf、VIIg、VIIh、VIIjまたはVIIkにおける部分A’
は、部分M
によって置き換えられることにより、それぞれ式VIIm(i)、VIIm(ii)、VIIm(iii)、VIIm(iv)、VIIm(v)、VIIm(vi)、VIIm(vii)、VIIm(viii)、VIIm(ix)およびVIIm(x)のFKBPイムノフィリンが定義され、式中、可変の基は、それらの対応する親構造において定義されたとおりである。部分Mによる好ましいA’の置換は、式VIIm(i)のFKBPイムノフィリンを定義する式VIaに対するものであり、式中、R、R1およびR2は、−OMeであり;R3は、メチル、エチルまたは−CH2CH=CH2であり;R4は、α−OHであり;R5は、水素またはメチルである。
他の実施形態において、式VIIa、VIIb、VIIc、VIId、VIIe、VIIf、VIIg、VIIh、VIIjまたはVIIkにおける部分A’は、部分N
によって置き換えられることにより、式VIIn(i)、VIIn(ii)、VIIn(iii)、VIIn(iv)、VIIn(v)、VIIn(vi)、VIIn(vii)、VIIn(viii)、VIIn(ix)およびVIIn(x)のFKBPイムノフィリンが定義され、式中、R3は、R3A、R3B(すなわち、C−21は、R3AおよびR3Bに結合される)であり、ここで、α配置のR3Aは、必要に応じて置換されるC1−C6アルキル(好ましくは、メチル、エチル、−CH2CH=CH2、−CH2CH2CH2CH3)であり、β配置のR3Bは、水素または−OHであるか、またはα配置のR3Aは、−OHであり、β配置のR3Bは、必要に応じて置換されるC1−C6アルキル(好ましくは、メチル、エチル、−CH2CH=CH2、−CH2CH2CH2CH3)であり;R9は、オキソまたはαもしくはβ配置の−OHであり;R10は、αまたはβ配置の水素またはフルオロであるが、但し、R3Bが水素であり、R9がオキソであるとき、R10は、水素ではなく;残りの可変の基は、それらの対応する親構造において定義されたとおりである。
部分Nによる好ましいA’の置換は、式VIIn(i)のFKBPイムノフィリンを定義する式VIaに対するものであり、式中、R、R1およびR2は、−OMeであり;R3Aは、メチルまたはエチルであり、R3Bは、水素であり;R4は、α−OHであり;R5は、水素またはメチルであり;R9は、オキソであり;R10は、αまたはβ配置のフルオロであるか、またはR、R1およびR2は、−OMeであり;R3Aは、メチルまたはエチルであり、R3Bは、−OHであるか、またはR3Aは、−OHであり、R3Bは、メチルまたはエチルであり;R4は、α−OHであり;R5は、水素またはメチルであり;R9は、オキソであり;R10は、αまたはβ配置の水素または−OHである。
他の実施形態において、式VIIa、VIIb、VIIc、VIId、VIIe、VIIf、VIIg、VIIh、VIIjまたはVIIkにおける部分A’は、部分O
によって置き換えられることにより、それぞれ式VIIo(i)、VIIo(ii)、VIIo(iii)、VIIo(iv)、VIIo(v)、VIIo(vi)、VIIo(vii)、VIIo(viii)、VIIo(ix)およびVIIo(x)のFKBPイムノフィリンが定義され、式中、R、R3、R4およびR5は、VIIn−イムノフィリンに対して定義されたとおりであり、残りの可変の基は、それらの対応する親構造において定義されたとおりである。
部分Oによる好ましいA’の置換は、式VIIo(i)のFKBPイムノフィリンを定義する式VIaに対するものであり、式中、R、R1およびR2は、−OMeであり;α配置のR3Aは、必要に応じて置換されるC1−C6アルキル(好ましくは、メチル、エチル、−CH2CH=CH2、−CH2CH2CH2CH3)であり;β配置のR3Bは、水素であり;R4は、α−OHであり;R5は、水素またはメチルである。
式VIIaのより好ましい実施形態において、uは、2であり;R、R1およびR2は、−OMeであり、R3は、−CH2CH=CH2であり;R4は、α−OHであり;R5は、メチルであるか、またはuは、2であり;Rは、−OMeであり;R1は、−OHであり;R2は、メチルであり、R3は、−CH2CH=CH2であり;R4は、α−OHであり;R5は、メチルである。式VIIbのより好ましい実施形態において、uは、2であり;Rは、−OMeであり;R1は、−OHであり;R2は、メチルであり、R3は、−CH2CH=CH2であり;R4は、α−OHであり;R5は、メチルである。式VIIcのより好ましい実施形態において、uは、2であり;R、R1およびR2は、−OMeであり、R3は、−CH2CH=CH2であり;R4は、α−OHであり;R5は、メチルであり;R6は、αまたはβ配置の、水素、=CH2または−OH(好ましくは、−OH)であり;R7は、−OHである。式VIIdのより好ましい実施形態において、uは、2であり;Rは、−OMeであり;R1は、−OHであり;R2は、メチルであり、R3は、−CH2CH=CH2であり;R4は、α−OHであり;R5は、メチルであり;R6は、αまたはβ配置の、水素、=CH2または−OH(好ましくは、−OH)であり;R7は、−OHである。式VIIeのより好ましい実施形態において、R、R1およびR2は、−OMeであり;R3は、−CH2CH=CH2であり;R4は、α−OHであり;R5は、メチルであり;R7は、−OHである。式VIIfのより好ましい実施形態において、uは、2であり、Rは、−OMeであり、R1は、−OHであり;R2は、−OMeであり;R3は、−CH2CH=CH2であり;R4は、α−OHであり;R5は、メチルであり;R7は、−OHである。
VIIg、VIIhまたはVIIjのより好ましい実施形態において、R、R1およびR2は、−OMeであり;R3は、−CH2CH=CH2であり;R4は、α−OHであり;R5は、メチルであり;R8は、メチルである。式VIIkまたは式VIIm(i)のより好ましい実施形態において、uは、2であり;R、R1およびR2は、−OMeであり、R3は、−CH2CH=CH2であり;R4は、α−OHである。式VIIn(i)のより好ましい実施形態において、R、R1およびR2は、−OMeであり;R3は、エチルであり;R4は、α−OHであり;R5は、メチルであり;R9は、オキソであり;R10は、αまたはβ配置の−OHである。式VIIn(i)のより好ましい実施形態において、R、R1およびR2は、−OMeであり;α配置のR3Aは、−CH2CH=CH2、−CH2CH2CH2CH3)であり;β配置のR3Bは、水素であり;R4は、α−OHであり;R5は、メチルである。
他のより好ましい実施形態において、式I、I’、Ia、Ia’、II、II’、IIIa(i)、IIIa(ii)、IIIb(i)、IIIb(ii)、IIIc(i)、IIIc(ii)、Va、Vb、Vc、Va’、Vb’、Vc’、VIa、VIb、VIc、VIa’、VIb’、VIc’、VIa(i)、VIa(ii)、VIb(i)、VIb(ii)、VIc(i)、VIc(ii)、VIa(i)’、VIa(ii)’、VIb(i)’、VIb(ii)’、VIc(i)’およびVIc(ii)’のうちのいずれか1つにおける薬物単位は、式VIIa、VIIb、VIIc、VIId、VIIe、VIIf、VIIg、VIIh、VIIj、VIIm(i)、VIIm(ii)、VIIm(iii)、VIIm(iv)、VIIm(v)、VIIm(vi)、VIIm(vii)、VIIm(viii)、VIIm(ix)、VIIm(x)、VIIn(i)、VIIn(ii)、VIIn(iii)、VIIn(iv)、VIIn(v)、VIIn(vi)、VIIn(vii)、VIIn(viii)、VIIn(ix)VIIn(x)、VIIo(i)、VIIo(ii)、VIIo(iii)、VIIo(iv)、VIIo(v)、VIIo(vi)、VIIo(vii)、VIIo(viii)、VIIo(ix)およびVIIo(x)のFKBPイムノフィリンに由来し、式中、これらのFKBPイムノフィリンのいずれか1つにおけるC−32位のヒドロキシル官能基の酸素ヘテロ原子は、式I、I’、Ia、Ia’、II、II’、IIIa(i)、IIIa(ii)、IIIb(i)、IIIb(ii)、IIIc(i)、IIIc(ii)、Va、Vb、Vc、Va’、Vb’、Vc’、VIa、VIb、VIc、VIa’、VIb’、VIc’、VIa(i)、VIa(ii)、VIb(i)、VIb(ii)、VIc(i)、VIc(ii)、VIa(i)’、VIa(ii)’、VIb(i)’、VIb(ii)’、VIc(i)’およびVIc(ii)’におけるO*またはT*によって表される。
特に好ましい実施形態において、式I、I’、Ia、Ia’、II、II’、IIIa(i)、IIIa(ii)、IIIb(i)、IIIb(ii)、IIIc(i)、IIIc(ii)、Va、Vb、Vc、Va’、Vb’、Vc’、VIa、VIb、VIc、VIa’、VIb’、VIc’、VIa(i)、VIa(ii)、VIb(i)、VIb(ii)、VIc(i)、VIc(ii)、VIa(i)’、VIa(ii)’、VIb(i)’、VIb(ii)’、VIc(i)’およびVIc(ii)’のうちのいずれか1つにおける薬物単位は、FKBPイムノフィリンタクロリムス(FK−506)に由来し、それに対する構造は、以下:
であり、ここで、表示されているO*は、これらの式のうちのいずれか1つにおけるメチレンカルバメート単位に組み込まれるO*またはT*ヘテロ原子であるか、またはヒドロキシル官能基を有し、その官能基の酸素ヘテロ原子がMAC単位への組み込みが可能であるカルシニューリンのエフェクター機能の別のマクロライド阻害剤に由来するか、またはヒドロキシル官能基を有し、その官能基の酸素ヘテロ原子が、MAC単位への組み込みが可能であるカルシニューリンのエフェクター機能の別のマクロライド阻害剤に由来する。MAC単位に組み込まれたヒドロキシル官能基のヘテロ原子は、タクロリムスに対してO*によって示されている。
別の群の実施形態において、MAC単位に共有結合的に付着される薬物単位の組み込みに適したイムノフィリンは、遊離薬物としてFKBP−12に結合することにより、癌細胞の増殖および生存を助けるタンパク質合成の増大に必要なラパマイシン(mTOR)の哺乳動物標的のエフェクター機能を阻害する。
1つの実施形態において、MAC単位への組み込みが可能であり、mTORのエフェクター機能を阻害するFKBP−12に遊離薬物として結合するFKBPイムノフィリンは、式VIIaaの一般構造
を有し、式中、uは、1または2であることにより、プロリニル部分またはピペコリン酸部分が定義され;R14およびR12は、独立して、−OH、必要に応じて置換されるC1−C6エーテルまたは必要に応じて置換されるC1−C6エステル(好ましくは、−OHまたは必要に応じて置換されるC1−C6エーテル;より好ましくは、−OHまたは−OCH3)であり;R11は、水素、−OH、必要に応じて置換されるC1−C6エーテルまたは必要に応じて置換されるC1−C6エステル(好ましくは、水素、−OHまたは必要に応じて置換されるC1−C6エーテル;より好ましくは、水素、−OHまたは−OCH3)であり;R13は、O(すなわち、C15において=Oを定義する)またはCH2(すなわち、C15において=CH2を定義する)である。
他の実施形態において、式VIIaaにおける部分AA
は、式BBの部分
で置き換えられることにより、式VIIbbのFKBPイムノフィリンが定義され、式中、u、R、R11、R12およびR13は、式VIIaaに対して定義されたとおりである。式VIIaaの好ましい実施形態において、uは、2であり;RおよびR12は、独立して、−OHまたは必要に応じて置換されるC1−C6エーテル(より好ましくは、−OHまたは−OCH3)であり;R11は、水素、−OHまたは必要に応じて置換されるC1−C6エーテル(より好ましくは、水素、−OHまたは−OCH3)であり;R13は、O(すなわち、C−15において=Oを定義する)またはCH2(すなわち、C−15において=CH2を定義する)である(より好ましくは、R13は、Oである)。
他の実施形態において、部分AAは、式CCの部分
によって置き換えられることにより、式VIIccのFKBPイムノフィリンが定義され、式中、uは、1または2であり;Xは、Oまたは−OCH2CH2S−であり;R13は、O、NOR13’(すなわち、C15においてオキシムを定義する)またはNHNHR13’(すなわち、C15においてヒドラゾンを定義する)であり、ここで、R13’は、独立して、水素および必要に応じて置換されるC1−C4アルキルからなる群より選択され;R13は、R13A、R13Bであり(すなわち、C−15は、R13AおよびR13Bに結合される)、ここで、α配置のR13Aは、水素であり、β配置のR13Bは、−OHであるか、またはα配置のR13Aは、−OHであり、β配置のR13Bは、水素であり;R15は、Oであるか、またはR15は、R15A、R15Bであり(すなわち、C−15は、R15AおよびR15Bに結合される)、ここで、α配置のR15Aは、水素であり、β配置のR15Bは、−OHであるか、またはα配置のR15Aは、−OHであり、β配置のR15Bは、水素である。
他の実施形態において、式VIIaa、VIIbbまたはVIIccにおける部分AA’
は、式DDの部分
によって置き換えられることにより、それぞれ式VIIdd(i)、VIIdd(ii)およびVIIdd(iii)のFKBPイムノフィリンが定義され、式中、R11およびR12は、式VIIaaにおいて定義されたとおりであり、R16は、Oである(すなわち、C−31において=Oを定義する)か、またはR16は、R16A、R16Bであり(すなわち、C−31は、R16AおよびR16Bに結合される)、ここで、α配置のR16Aは、水素であり、β配置のR16Bは、−OHであるか、またはα配置のR16Aは、−OHであり、β配置のR16Bは、水素であり;R17は、Oである(すなわち、C−33において=Oを定義する)か、またはR17は、R17A、R17Bであり(すなわち、C−33は、R17AおよびR17Bに結合される)、ここで、α配置のR17Aは、水素であり、β配置のR17Bは、−OH、必要に応じて置換されるC1−C6エーテル(好ましくは、−OR17B’)または必要に応じて置換されるO結合型カルバメート(好ましくは、−O(C=O)NHR17B’)であるか、またはα配置のR17Aは、−OH、必要に応じて置換されるC1−C6エーテル(好ましくは、−OR17A’)または必要に応じて置換されるO結合型カルバメート(好ましくは、−O(C=O)NHR17B’)であり、β配置のR17Bは、水素であり、ここで、R17A’およびR17B’は、独立して、水素またはC1−C4アルキル(好ましくは、水素、メチルまたはエチル)であるか、またはR16およびR17は、Nであり(C−31およびC−32において=Nを定義する)、C−32およびそれらが付着しているC−32炭素と一体となって、ピラゾールヘテロシクロを定義し;残りの可変の基は、それらの対応する親構造において定義されたとおりである。
他の実施形態において、式VIIaa、VIIbbまたはVIIccにおける部分AA’は、式EE、FFまたはGGの部分
によって置き換えられることにより、式EEから、それぞれ式VIIee(i)、VIIee(ii)およびVIIee(iii)のFKBPイムノフィリンが定義されるか、式FFから、それぞれ式VIIff(i)、VIIff(ii)およびVIIff(iii)のFKBPイムノフィリンが定義されるか、または式GGから、式VIIff(i)、VIIff(ii)およびVIIff(iii)のFKBPイムノフィリンが定義され、式中、R11およびR12は、式VIIaaにおいて定義されたとおりであり;R16およびR17は、式DDにおいて定義されたとおりであり、残りの可変の基は、それらのそれぞれの親構造によって定義されたとおりである。
他の実施形態において、式VIIaa、VIIbbまたはVIIccにおける部分AA’は、式HHまたはJJの部分
によって置き換えられることにより、式HHから、それぞれ式VIIhh(i)、VIIhh(ii)およびVIIhh(iii)のFKBPイムノフィリンが定義されるか、または式JJから、それぞれ式VIIjj(i)、VIIff(ii)およびVIIff(iii)のFKBPイムノフィリンが定義される。
特に好ましい実施形態において、式I、I’、Ia、Ia’、II、II’、IIIa(i)、IIIa(ii)、IIIb(i)、IIIb(ii)、IIIc(i)、IIIc(ii)、Va、Vb、Vc、Va’、Vb’、Vc’、VIa、VIb、VIc、VIa’、VIb’、VIc’、VIa(i)、VIa(ii)、VIb(i)、VIb(ii)、VIc(i)、VIc(ii)、VIa(i)’、VIa(ii)’、VIb(i)’、VIb(ii)’、VIc(i)’およびVIc(ii)’のうちのいずれか1つにおける薬物単位は、ヒドロキシル官能基を有し、その官能基の酸素ヘテロ原子がMAC単位に組み込まれることができる、FKBPイムノフィリン、エベロリムス、シロリムス(ラパマイシン)、またはラパマイシン(mTOR)エフェクター機能の哺乳動物標的の他のマクロライド阻害剤に由来する。MAC単位に組み込まれるヒドロキシル官能基のヘテロ原子は、以下の構造において、タクロリムス、エベロリムスおよびシロリムスに対してO*によって示される。
他の実施形態において、ADCまたは薬物−リンカー化合物の薬物単位は、アミン官能基(すなわち、アニリンアミノ)を介してメチレンカルバメート単位に組み込まれるテトラヒドロキノリン含有薬物である。式I、Ia、II、IIIa(i)、IIIa(ii)、IIIb(i)、IIIb(ii)、IIIc(i)、IIIc(ii)、Va、Vb、Vc、VIa、VIb、VIc、VIa(i)、VIa(ii)、VIb(i)、VIb(ii)、VIc(i)またはVIc(ii)の本明細書中に開示される実施形態のうちのいずれか1つにおいて、T*は、テトラヒドロキノリン含有遊離薬物に対応する環状アミン(すなわち、アニリン)窒素であり、従って、必要に応じて置換される窒素としてT*に包含される。それらの実施形態において、その構造がメチレンカルバメート単位への組み込みが可能であるアニリン窒素を有するテトラヒドロキノリン部分を含むPARP阻害剤が、好ましい。そのような1つの実施形態において、PARP阻害剤は、以下の構造:
を有する。
いくつかの態様において、薬物単位は、アルコール含有薬物であり、そのアルコールのヒドロキシル官能基は、その官能基の酸素原子を介して自壊性アセンブリ単位のメチレンカルバメート単位に組み込まれる。そのようないくつかの態様において、その薬物のアルコールは、脂肪族アルコール(例えば、第1級、第2級または第3級アルコール)である。他のそのような態様において、薬物は、芳香族アルコールである。他の実施形態において、薬物は、アミン(例えば、第1級または第2級の脂肪族または芳香族アミン)官能基を含み、その官能基は、そのアミンの必要に応じて置換される窒素ヘテロ原子を介して自壊性アセンブリ単位のメチレンカルバメート単位に組み込まれる。他の実施形態において、薬物は、チオール含有薬物であり、自壊性アセンブリ単位のメチレンカルバメート単位への組み込みは、そのチオール含有薬物のスルフヒドリル官能基の硫黄原子を介する。他の態様において、薬物は、アミド官能基を含み、自壊性アセンブリ単位のメチレンカルバメート単位への組み込みは、そのアミド(例えば、カルボキサミド)の必要に応じて置換される窒素ヘテロ原子を介する。
リガンド薬物結合体が細胞株に対して細胞分裂抑制作用または細胞傷害作用を発揮するか否かを判定するために使用され得るいくつかの異なるアッセイが存在する。1つの例では、リガンド薬物結合体が細胞株に対して細胞分裂抑制作用または細胞傷害作用を発揮するか否かを判定するために、チミジン組み込みアッセイが使用される。例えば、96ウェルにプレーティングされた5,000細胞/ウェルの密度の細胞を72時間培養し、その72時間のうちの最後の8時間にわたって0.5μCiの3H−チミジンに曝露し、その培養物の細胞への3H−チミジンの組み込みを、リガンド薬物結合体の存在下および非存在下において計測する。その培養物の細胞が、同じ条件下で培養されたがリガンド薬物結合体と接触していない同じ細胞株の細胞と比べて、3H−チミジンの組み込みを減少させた場合、そのリガンド薬物結合体は、その細胞株に対して細胞分裂抑制作用または細胞傷害作用を有する。
別の例では、リガンド薬物結合体が細胞株に対して細胞分裂抑制作用または細胞傷害作用を発揮するか否かを判定するために、ニュートラルレッド、トリパンブルーまたはALAMARTMブルーなどの色素の取り込みを細胞において測定することによって、細胞生存率が計測される(例えば、Pageら、1993,Intl.J.of Oncology 3:473−476を参照のこと)。そのようなアッセイでは、細胞を、当該色素を含む培地中でインキュベートし、細胞を洗浄し、色素の細胞取り込みを反映する残存色素を、分光光度的に計測する。タンパク質結合色素であるスルホローダミンB(SRB)もまた、細胞傷害性を計測するために使用することができる(Skehanら、1990,J.Nat’l Cancer Inst.82:1107−12)。好ましいリガンド薬物結合体には、細胞株に対して1000ng/ml未満、好ましくは、500ng/ml未満、より好ましくは、100ng/ml未満、なおも最も好ましくは、50または10ng/ml未満のIC50値(50%細胞殺滅を与えるmAb濃度として定義される)を有するリガンド薬物結合体が含まれる。
薬物をリンカー部分に連結してリンカー薬物化合物を提供する一般的な手順およびそのような化合物をリガンド部分に結合体化してリンカー薬物結合体を提供する一般的な手順は、当該分野で公知であり、本明細書中に記載される方法と組み合わせて使用され得る。例えば、米国特許第8,163,888号、同第7,659,241号、同第7,498,298号、米国公開番号US20110256157ならびに国際出願番号WO2011023883およびWO2005112919を参照のこと。
ストレッチャー単位(Z)または(Z’):
ストレッチャー単位(Z)は、LDC、または薬物−リンカー化合物、またはリガンド単位を自壊性アセンブリ単位に接続するように働く他の中間体の構成要素である。その点において、リガンド単位に付着する前のストレッチャー単位(すなわち、ストレッチャー単位前駆体Z’)は、標的化リガンドの官能基と結合を形成し得る官能基を有する。リンカー単位内に分枝が存在する態様において、自壊性アセンブリ単位への付着は、分枝単位Bを介する(必要に応じて、介在性コネクター単位Aを介する)。自壊性アセンブリ単位とストレッチャー単位との間により長い距離を提供することが望ましい態様では、Bの有無(presence of absence)に応じて、自壊性アセンブリ単位とBまたはZとの付着は、コネクター単位(A)を介し得る。
いくつかの態様において、ストレッチャー単位前駆体(Z’)は、リガンド単位(例えば、抗体)上に存在する反応性の求核基(nucleophillic group)と相互作用することができる求電子基を有することにより、リガンド単位とリンカー単位のストレッチャー単位との間に共有結合が提供される。その能力を有する抗体上の求核基としては、スルフヒドリル、ヒドロキシルおよびアミノ官能基が挙げられるがこれらに限定されない。抗体の求核基のヘテロ原子は、ストレッチャー単位前駆体上の求電子基に対して反応性であり、リガンド単位とリンカー単位または薬物−リンカー部分のストレッチャー単位との間に共有結合を提供する。その目的のために有用な求電子基としては、マレイミド、ハロアセトアミド基およびNHSエステルが挙げられるが、これらに限定されない。求電子基は、LDCまたはリガンド−リンカー中間体を形成するために、抗体付着に対して好都合な部位を提供する。
別の実施形態において、ストレッチャー単位前駆体は、リガンド単位(例えば、抗体)上に存在する求電子基に対して反応性の求核基を有する反応性部位を有する。その目的のために抗体上の有用な求電子基としては、アルデヒドおよびケトンのカルボニル基が挙げられるが、これらに限定されない。ストレッチャー単位前駆体の求核基のヘテロ原子は、抗体上の求電子基と反応し得、その抗体と共有結合を形成し得る。その目的のためにストレッチャー単位前駆体上の有用な求核基としては、ヒドラジド、ヒドロキシルアミン、アミノ、ヒドラジン、チオセミカルバゾン、ヒドラジンカルボキシレートおよびアリールヒドラジドが挙げられるが、これらに限定されない。抗体上の求電子基は、LDCまたはリガンド−リンカー中間体を形成するために、抗体付着に対して好都合な部位を提供する。
いくつかの実施形態において、リガンド単位の硫黄原子は、標的化リガンドのチオール官能基と、対応するストレッチャー単位前駆体のマレイミド部分との反応によって形成されるストレッチャー単位のスクシンイミド環系に結合される。他の実施形態において、リガンド単位のチオール官能基は、アルファハロアセトアミド部分と反応することにより、そのハロゲン置換基の求核置換によって、硫黄に結合したストレッチャー単位が提供される。
それらの実施形態の代表的なストレッチャー単位には、式XaおよびXb:
の角括弧内の単位が含まれ、式中、波線は、分枝単位(B)、またはBが存在しない場合はコネクター単位(A)、またはAおよびBが存在しない場合は自壊性アセンブリ単位(X)への付着を示し、R17は、−C1−C10アルキレン−、C1−C10ヘテロアルキレン−、−C3−C8カルボシクロ−、−O−(C1−C8アルキル)−、−アリーレン−、−C1−C10アルキレン−アリーレン−、−アリーレン−C1−C10アルキレン−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8カルボシクロ)−、−(C3−C8カルボシクロ)−C1−C10アルキレン−、−C3−C8ヘテロシクロ−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8ヘテロシクロ)−、−(C3−C8ヘテロシクロ)−C1−C10アルキレン−、−C1−C10アルキレン−C(=O)−、C1−C10ヘテロアルキレン−C(=O)−、−C3−C8カルボシクロ−C(=O)−、−O−(C1−C8アルキル)−C(=O)−、−アリーレン−C(=O)−、−C1−C10アルキレン−アリーレン−C(=O)−、−アリーレン−C1−C10アルキレン−C(=O)−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8カルボシクロ)−C(=O)−、−(C3−C8カルボシクロ)−C1−C10アルキレン−C(=O)−、−C3−C8ヘテロシクロ−C(=O)−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8ヘテロシクロ)−C(=O)−、−(C3−C8ヘテロシクロ)−C1−C10アルキレン−C(=O)−、−C1−C10アルキレン−NH−、C1−C10ヘテロアルキレン−NH−、−C3−C8カルボシクロ−NH−、−O−(C1−C8アルキル)−NH−、−アリーレン−NH−、−C1−C10アルキレン−アリーレン−NH−、−アリーレン−C1−C10アルキレン−NH−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8カルボシクロ)−NH−、−(C3−C8カルボシクロ)−C1−C10アルキレン−NH−、−C3−C8ヘテロシクロ−NH−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8ヘテロシクロ)−NH−、−(C3−C8ヘテロシクロ)−C1−C10アルキレン−NH−、−C1−C10アルキレン−S−、C1−C10ヘテロアルキレン−S−、−C3−C8カルボシクロ−S−、−O−(C1−C8アルキル)−S−、−アリーレン−S−、−C1−C10アルキレン−アリーレン−S−、−アリーレン−C1−C10アルキレン−S−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8カルボシクロ)−S−、−(C3−C8カルボシクロ)−C1−C10アルキレン−S−、−C3−C8ヘテロシクロ−S−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8ヘテロシクロ)−S−または−(C3−C8ヘテロシクロ)−C1−C10アルキレン−S−である。
いくつかの態様において、式XaのR17基は、塩基性単位(BU)、例えば、アミノアルキル部分、例えば、−(CH2)xNH2、−(CH2)xNHRaおよび−(CH2)xNRa 2によって必要に応じて置換され、ここで、xは、1〜4の整数であり、各Raは、独立して、C1−6アルキルおよびC1−6ハロアルキルからなる群より選択されるか、または2つのRa基は、それらが付着している窒素と組み合わさって、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニル基を形成する。
例証的なストレッチャー単位は、R17が、−C1−C10アルキレン−C(=O)−、−C1−C10ヘテロアルキレン−C(=O)−、−C3−C8カルボシクロ−C(=O)−、−O−(C1−C8アルキル)−C(=O)−、−アリーレン−C(=O)−、−C1−C10アルキレン−アリーレン−C(=O)−、−アリーレン−C1−C10アルキレン−C(=O)−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8カルボシクロ)−C(=O)−、−(C3−C8カルボシクロ)−C1−C10アルキレン−C(=O)−、−C3−C8ヘテロシクロ−C(=O)−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8ヘテロシクロ)−C(=O)−または−(C3−C8ヘテロシクロ)−C1−C10アルキレン−C(=O)−である、式XaまたはXbの単位である。
別の例証的なストレッチャー単位は、R17が−C2−C5アルキレン−C(=O)−である式Xaの単位であり、ここで、そのアルキレンは、塩基性単位(BU)、例えば、必要に応じて置換されるアミノアルキル、例えば、−(CH2)xNH2、−(CH2)xNHRopおよび−(CH2)xN(Rop)2によって必要に応じて置換され、ここで、xは、1〜4の整数であり、各Ropは、独立して、C1−6アルキルおよびC1−6ハロアルキルからなる群より選択されるか、または2つのRop基は、それらが付着している窒素と組み合わさって、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニル基を形成する。合成の間、塩基性単位の塩基性アミノ官能基は、保護基によって保護され得る。
リガンド単位に結合されるストレッチャー単位の例示的な実施形態は、以下のとおりであり:
式中、カルボニルに隣接する波線は、Aおよび/またはBの有無に応じて、
式II、IIa、IIb、II’、IIa’もしくはIIb’における自壊性アセンブリ単位のB、AもしくはXへの付着、
または式III(i)、IIa(i)、IIb(i)、III(i)’、IIIa(i)’もしくはIIIb(i)’のB、AもしくはWへの付着、
または式III(ii)、IIa(ii)、IIb(ii)、III(ii)’、IIIa(ii)’もしくはIIIb(ii)’のB、AもしくはYへの付着
を示す。
いくつかの好ましい実施形態において、ストレッチャー単位(Z)は、Lに結合されたとき、式Xa’:
の構造によって表されるスクシンイミド部分を含み、式中、R17に結合したカルボニルに隣接する波線は、Aおよび/またはBの有無に応じて、
式II、IIa、IIb、II’、IIa’もしくはIIb’における自壊性アセンブリ単位のB、AもしくはXへの付着、
または式III(i)、IIa(i)、IIb(i)、III(i)’、IIIa(i)’もしくはIIIb(i)’のB、AもしくはWへの付着、
または式III(ii)、IIa(ii)、IIb(ii)、III(ii)’、IIIa(ii)’もしくはIIIb(ii)’のB、AもしくはYへの付着
を示し、
R17は、−C2−C5アルキレン−C(=O)−であり、そのアルキレンは、塩基性単位(BU)によって置換され、BUは、−(CH2)xNH2、−(CH2)xNHRopまたは−(CH2)xN(Rop)2であり、ここで、xは、1〜4の整数であり、各Raは、独立して、C1−6アルキルおよびC1−6ハロアルキルからなる群より選択されるか、または両方のRopが、それらが付着している窒素と一体となって、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニル基を定義する。
リガンドによって置換されたスクシンイミドは、加水分解された形態で存在し得ることが理解されるだろう。それらの形態は、Lに結合したXa’の加水分解について下記に例証され、ここで、その加水分解から生じる位置異性体に相当する構造は、式Xb’およびXc’である。したがって、他の好ましい実施形態では、ストレッチャー単位(Z)は、Lに結合されたとき、以下:
によって表される酸アミド部分を含み、R17に結合したカルボニルに隣接する波線は、Aおよび/またはBの有無に応じてXa’に対して定義されたとおりであり、
RZは、−C2−C5アルキレン−C(=O)−であり、そのアルキレンは、塩基性単位(BU)によって置換され、
ここで、BUは、−(CH2)xNH2、−(CH2)xNHRopまたは−(CH2)xN(Rop)2であり、ここで、xは、1〜4の整数であり、各Ropは、独立して、C1−6アルキルおよびC1−6ハロアルキルからなる群より選択されるか、または両方のRopが、それらが付着している窒素と一体となって、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニル基を定義する。
いくつかの実施形態において、ストレッチャー単位(Z)は、Lに結合されたとき、式Xd’またはXe’の構造:
によって表される酸アミド部分を含み、式中、カルボニルに隣接する波線は、Xa’に対して定義されたとおりである。
好ましい実施形態において、ストレッチャー単位(Z)は、Lに結合されたとき、以下の構造
によって表されるスクシンイミド部分を含むか、またはLに結合されたとき、以下の構造
によって表される酸アミド部分を含む。
リガンド単位(L)およびコネクター単位(A)に結合された例証的なストレッチャー単位は、以下の構造を有し、その構造は、Xa、Xa’、Xb’またはXc’からの構造を含み、−RZ−または−RZ(BU)−は、−CH2−、−CH2CH2−または−CH(CH2NH2)−であり:
式中、カルボニルに隣接する波線は、Xa’に対して定義されたとおりである。
リガンド単位(L)およびコネクター単位(A)に結合された他のストレッチャー単位は、上記の構造を有し、上記のZ−A構造におけるAは、以下の構造
を有するコネクター単位によって置き換えられ、ここで、nは、8〜24の範囲であり;RPEGは、PEG単位キャッピング基、好ましくは、−CH3または−CH2CH2CO2Hであり、アステリスク(*)は、式Xa、Xa’、Xb’またはXc’の構造に対応するストレッチャー単位への共有結合的付着を示し、波線は、自壊性アセンブリ単位のXへの共有結合的付着を示す。
リガンド単位への結合体化の前の例証的なストレッチャー単位(すなわち、ストレッチャー単位前駆体)は、マレイミド部分を含み、式XIaの構造:
を含む構造によって表され、式中、カルボニルに隣接する波線は、Xa’に対して定義されたとおりであり;
RZは、塩基性単位で必要に応じて置換される−(CH2)2−5−(例えば、必要に応じて置換されるアミノアルキル、例えば、−(CH2)xNH2、−(CH2)xNHRopおよび−(CH2)xN(Rop)2(ここで、xは、1〜4の整数であり、各Ropは、独立して、C1−6アルキルおよびC1−6ハロアルキルからなる群より選択されるか、または2つのRop基は、それらが付着している窒素と組み合わさって、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニル基を形成する))である。
式XIaのいくつかの好ましい実施形態において、ストレッチャー単位前駆体(Z’)は、以下の構造:
のうちの1つによって表され、ここで、カルボニルに隣接する波線は、Xa’に対して定義されたとおりである。
他の好ましい実施形態において、ストレッチャー単位前駆体(Z’)は、マレイミド部分を含み、式XIa’の構造:
によって表され、式中、R17に結合したカルボニルに隣接する波線は、Xa’に対して定義されたとおりであり;
RZは、−C2−C5アルキレン−C(=O)−であり、そのアルキレンは、塩基性単位(BU)によって置換され、BUは、−(CH2)xNH2、−(CH2)xNHRopまたは−(CH2)xN(Rop)2であり、ここで、xは、1〜4の整数であり、各Ropは、独立して、C1−6アルキルおよびC1−6ハロアルキルからなる群より選択されるか、または両方のRopは、それらが付着している窒素と一体となって、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニル基を定義する。
より好ましい実施形態において、ストレッチャー単位前駆体(Z’)は、マレイミド部分を含み、以下の構造:
によって表され、ここで、カルボニルに隣接する波線は、Xa’に対して定義されたとおりである。
BU部分を有するストレッャー単位では、その部分のアミノ官能基は、合成中に、アミノ保護基、例えば、酸不安定保護基(例えば、BOC)によって保護され得ることが理解されるだろう。
−RZ−または−RZ(BU)−が、−CH2−、−CH2CH2−または−CH(CH2NH2)−であるXIaまたはXIa’からの構造を含む、コネクター単位に共有結合的に付着された例証的なストレッチャー単位前駆体は、以下の構造:
を有し、ここで、カルボニルに隣接する波線は、Xa’に対して定義されたとおりである。
コネクター単位(A)に結合された他のストレッチャー単位前駆体は、上記の構造を有し有し、ここで、上記のZ’−A構造におけるAは、以下の構造
を有するコネクター単位によって置き換えられ、ここで、nは、8〜24の範囲であり;RPEGは、PEG単位キャッピング基、好ましくは、−CH3または−CH2CH2CO2Hであり、アステリスク(*)は、式XIaまたはXIa’の構造に対応するストレッチャー単位前駆体への共有結合的付着を示し、波線は、自壊性アセンブリ単位のXへの共有結合的付着を示す。
別の実施形態において、ストレッチャー単位は、リガンド単位の硫黄原子とストレッチャー単位の硫黄原子との間のジスルフィド結合を介してリガンド単位に付着される。この実施形態の代表的なストレッチャー単位は、式XIb:
の角括弧内に示され、式中、波線は、分枝単位(B)への付着、Bが存在しない場合はコネクター単位(A)への付着、またはAおよびBが存在しない場合は本明細書中で定義されるような自壊性アセンブリ単位の自壊性部分(X)への付着を示し、R17は、−C1−C10アルキレン−、−C1−C10ヘテロアルキレン−、−C3−C8カルボシクロ−、−O−(C1−C8アルキル)−、−アリーレン−、−C1−C10アルキレン−アリーレン−、−アリーレン−C1−C10アルキレン−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8カルボシクロ)−、−(C3−C8カルボシクロ)−C1−C10アルキレン−、−C3−C8ヘテロシクロ−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8ヘテロシクロ)−、−(C3−C8ヘテロシクロ)−C1−C10アルキレン、−C1−C10アルキレン−C(=O)−、−C1−C10ヘテロアルキレン−C(=O)−、−C3−C8カルボシクロ−C(=O)−、−O−(C1−C8アルキル)−C(=O)−、−アリーレン−C(=O)−、−C1−C10アルキレン−アリーレン−C(=O)−、−アリーレン−C1−C10アルキレン−C(=O)−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8カルボシクロ)−C(=O)−、−(C3−C8カルボシクロ)−C1−C10アルキレン−C(=O)−、−C3−C8ヘテロシクロ−C(=O)−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8ヘテロシクロ)−C(=O)−、−(C3−C8ヘテロシクロ)−C1−C10アルキレン−C(=O)−、−C1−C10アルキレン−NH−、C1−C10ヘテロアルキレン−NH−、−C3−C8カルボシクロ−NH−、−O−(C1−C8アルキル)−NH−、−アリーレン−NH−、−C1−C10アルキレン−アリーレン−NH−、−アリーレン−C1−C10アルキレン−NH−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8カルボシクロ)−NH−、−(C3−C8カルボシクロ)−C1−C10アルキレン−NH−、−C3−C8ヘテロシクロ−NH−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8ヘテロシクロ)−NH−、−(C3−C8ヘテロシクロ)−C1−C10アルキレン−NH−、−C1−C10アルキレン−S−、−C1−C10ヘテロアルキレン−S−、−C3−C8カルボシクロ−S−、−O−(C1−C8アルキル)−S−、−アリーレン−S−、−C1−C10アルキレン−アリーレン−S−、−アリーレン−C1−C10アルキレン−S−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8カルボシクロ)−S−、−(C3−C8カルボシクロ)−C1−C10アルキレン−S−、−C3−C8ヘテロシクロ−S−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8ヘテロシクロ)−S−または−(C3−C8ヘテロシクロ)−C1−C10アルキレン−S−である。
なおも別の実施形態において、ストレッチャー単位前駆体の反応性基は、リガンド単位の第1級または第2級アミノ基と結合を形成し得る反応性部位を含む。これらの反応性部位の例としては、活性化エステル、例えば、スクシンイミドエステル、4−ニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、テトラフルオロフェニルエステル、無水物、酸塩化物、塩化スルホニル、イソシアネートおよびイソチオシアネートが挙げられるが、これらに限定されない。この実施形態の代表的なストレッチャー単位は、式XIIa、XIIbおよびXIIc:
の角括弧内に示され、式中、波線は、分枝単位(B)、コネクター単位(A)または自壊性アセンブリ単位の自壊性部分(X)への付着を示し、R17は、−C1−C10アルキレン−、−C1−C10ヘテロアルキレン−、−C3−C8カルボシクロ−、−O−(C1−C8アルキル)−、−アリーレン−、−C1−C10アルキレン−アリーレン−、−アリーレン−C1−C10アルキレン−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8カルボシクロ)−、−(C3−C8カルボシクロ)−C1−C10アルキレン−、−C3−C8ヘテロシクロ−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8ヘテロシクロ)−、−(C3−C8ヘテロシクロ)−C1−C10アルキレン−、−C1−C10アルキレン−C(=O)−、−C1−C10ヘテロアルキレン−C(=O)−、−C3−C8カルボシクロ−C(=O)−、−O−(C1−C8アルキル)−C(=O)−、−アリーレン−C(=O)−、−C1−C10アルキレン−アリーレン−C(=O)−、−アリーレン−C1−C10アルキレン−C(=O)−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8カルボシクロ)−C(=O)−、−(C3−C8カルボシクロ)−C1−C10アルキレン−C(=O)−、−C3−C8ヘテロシクロ−C(=O)−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8ヘテロシクロ)−C(=O)−、−(C3−C8ヘテロシクロ)−C1−C10アルキレン−C(=O)−、−C1−C10アルキレン−NH−、C1−C10ヘテロアルキレン−NH−、−C3−C8カルボシクロ−NH−、−O−(C1−C8アルキル)−NH−、−アリーレン−NH−、−C1−C10アルキレン−アリーレン−NH−、−アリーレン−C1−C10アルキレン−NH−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8カルボシクロ)−NH−、−(C3−C8カルボシクロ)−C1−C10アルキレン−NH−、−C3−C8ヘテロシクロ−NH−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8ヘテロシクロ)−NH−、−(C3−C8ヘテロシクロ)−C1−C10アルキレン−NH−、−C1−C10アルキレン−S−、−C1−C10ヘテロアルキレン−S−、−C3−C8カルボシクロ−S−、−O−(C1−C8アルキル)−S−、−アリーレン−S−、−C1−C10アルキレン−アリーレン−S−、−アリーレン−C1−C10アルキレン−S−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8カルボシクロ)−S−、−(C3−C8カルボシクロ)−C1−C10アルキレン−S−、−C3−C8ヘテロシクロ−S−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8ヘテロシクロ)−S−または−(C3−C8ヘテロシクロ)−C1−C10アルキレン−S−である。
なおも別の態様において、ストレッチャー単位前駆体の反応性基は、リガンド上に存在するかまたはリガンドに導入された求電子剤と反応することができる反応性の求核剤を含む。例えば、標的化リガンド上の炭水化物部分は、過ヨウ素酸ナトリウムなどの試薬を用いて穏やかに酸化され得、その酸化された炭水化物の得られた求電子性の官能基(−CHO)は、反応性の求核剤(例えば、ヒドラジド、オキシム、第1級または第2級アミン、ヒドラジン、チオセミカルバゾン、ヒドラジンカルボキシレートまたはアリールヒドラジド、例えば、Kaneko,T.ら(1991)Bioconjugate Chem.2:133 41に記載されたもの)を含むストレッチャー単位前駆体と縮合され得る。この実施形態の代表的なストレッチャー単位は、式XIIIa、XIIIbおよびXIIIc:
の角括弧内に示され、式中、波線は、本明細書中で定義されるような、分枝単位または自壊性アセンブリ単位またはコネクター単位への付着を示し、R17は、−C1−C10アルキレン−、C1−C10ヘテロアルキレン−、−C3−C8カルボシクロ−、−O−(C1−C8アルキル)−、−アリーレン−、−C1−C10アルキレン−アリーレン−、−アリーレン−C1−C10アルキレン−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8カルボシクロ)−、−(C3−C8カルボシクロ)−C1−C10アルキレン−、−C3−C8ヘテロシクロ−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8ヘテロシクロ)−、−(C3−C8ヘテロシクロ)−C1−C10アルキレン−、−C1−C10アルキレン−C(=O)−、C1−C10ヘテロアルキレン−C(=O)−、−C3−C8カルボシクロ−C(=O)−、−O−(C1−C8アルキル)−C(=O)−、−アリーレン−C(=O)−、−C1−C10アルキレン−アリーレン−C(=O)−、−アリーレン−C1−C10アルキレン−C(=O)−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8カルボシクロ)−C(=O)−、−(C3−C8カルボシクロ)−C1−C10アルキレン−C(=O)−、−C3−C8ヘテロシクロ−C(=O)−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8ヘテロシクロ)−C(=O)−、−(C3−C8ヘテロシクロ)−C1−C10アルキレン−C(=O)−、−C1−C10アルキレン−NH−、−C1−C10ヘテロアルキレン−NH−、−C3−C8カルボシクロ−NH−、−O−(C1−C8アルキル)−NH−、−アリーレン−NH−、−C1−C10アルキレン−アリーレン−NH−、−アリーレン−C1−C10アルキレン−NH−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8カルボシクロ)−NH−、−(C3−C8カルボシクロ)−C1−C10アルキレン−NH−、−C3−C8ヘテロシクロ−NH−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8ヘテロシクロ)−NH−、−(C3−C8ヘテロシクロ)−C1−C10アルキレン−NH−、−C1−C10アルキレン−S−、−C1−C10ヘテロアルキレン−S−、−C3−C8カルボシクロ−S−、−O−(C1−C8アルキル)−S−、−アリーレン−S−、−C1−C10アルキレン−アリーレン−S−、−アリーレン−C1−C10アルキレン−S−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8カルボシクロ)−S−、−(C3−C8カルボシクロ)−C1−C10アルキレン−S−、−C3−C8ヘテロシクロ−S−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8ヘテロシクロ)−S−または−(C3−C8ヘテロシクロ)−C1−C10アルキレン−S−である。
本発明(prevent invention)のいくつかの態様において、ストレッチャー単位は、約1000ダルトンを超えない質量、約500ダルトンを超えない質量、約200ダルトンを超えない質量、約30、50もしくは100ダルトン〜約1000ダルトンの質量、約30、50もしくは100ダルトン〜約500ダルトンの質量または約30、50もしくは100ダルトン〜約200ダルトンの質量を有する。
随意の分枝単位(B):
リンカー単位の中に複数の自壊性アセンブリ単位を有するがゆえに、LDCのリガンド単位に付着される各薬物−リンカー部分に対して複数の薬物単位を有することが望ましい場合、および究極的には、そのリガンド単位における付着部位の数を超えてLDCにおける薬物単位の数を増加させることが望ましい場合、分枝単位(B)が、リガンド薬物結合体に含められる。分枝単位は、Bとストレッチャー単位(Z)またはその前駆体(Z’)および2、3または4個の自壊性(SI)アセンブリ単位(必要に応じてその各々は、独立して選択される介在性コネクター単位Aを介する)との間に共有結合を提供する。当業者は、分枝単位が、リンカー単位内に必要とされる分枝を可能にするように設計されることを認識するだろう。例えば、2つの薬物単位に対して(すなわち、tは2である)分枝単位として働くために、その分枝単位は、結合体内に少なくとも第1、第2および第3の付着部位を有する(すなわち、第1の付着部位は、Zに対するものであり、第2および第3の付着部位は、各Aの有無に応じて、各AまたはXへの付着に対するものである)。換言すれば、分枝単位は、少なくとも三官能性でなければならない。
下付き文字tが3または4であるLDCおよび薬物−リンカー化合物が、本発明において企図される。そのような態様において、分枝単位は、結合体内に4または5個の共有結合的付着部位を有し得る。いくつかの態様において、分枝単位は、1つまたはそれを超える(例えば、1〜10個、好ましくは、1〜5個、例えば、1、2、3、4または5個の)天然もしくは非天然のアミノ酸、アミノアルコール、アミノアルデヒドまたはポリアミン残基、あるいは分枝のために必要とされる官能基をまとまって提供するそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、分枝単位は、三官能性の残基を含み、第1および第2の付着部位を提供する二官能性の隣接残基を有し得る。単一のリンカー単位に3または4個の薬物単位を収容する分枝を有する実施形態では、分枝単位は、代表的には、2または3個の三官能性の分枝残基を含み、さらに二官能性の隣接残基および/または介在性残基を含み得る。
リガンド薬物結合体またはその中間体(例えば、薬物リンカー化合物)に存在する天然もしくは非天然のアミノ酸、アミノアルコール、アミノアルデヒドまたはポリアミンについて言及するとき(それが分枝単位またはLDCもしくはその薬物−リンカー中間体の他の構成要素の一部であるか否かに関係なく)、そのアミノ酸、アミノアルコール、アミノアルデヒドまたはポリアミンは、残基の形態で(in residual form)存在し得ることが認識されるだろう。例えば、分枝単位が2つのアミノ酸である実施形態では、それらの2つのアミノ酸は、それらの間にペプチド結合を有する残基として存在し得る。
分枝単位がアミノアルコールを含む実施形態では、そのアミノアルコールは、残基として存在し得、ここで、例えば、そのアミノ基は、分枝単位の別の残基またはLDCもしくはその薬物−リンカー中間体の別の構成要素に、その他の残基/構成要素のカルボニル含有官能基を介して結合されるが、そのヒドロキシル基は、分枝単位のさらに別の残基またはLDCもしくはその薬物−リンカー中間体の別の構成要素のカルボニル含有官能基にエーテルとして結合されるか、またはそのカルボニル含有官能基を介して結合される。
分枝単位がアミノアルデヒドを含む実施形態では、そのアミノアルデヒドは、残基として存在し得、ここで、例えば、そのアミノ基は、分枝単位の別の残基またはLDCもしくはその中間体の別の構成要素に、その他の残基/構成要素のカルボニル含有官能基を介して結合される一方で、そのアルデヒド官能基は、イミノ官能基に変換されるか、または分枝単位のさらに別の残基または結合体の別の構成要素のアミノ基に結合されるとき、それに続く還元を介して変換されることにより、窒素−炭素結合が提供される。アミノアルデヒドは、そのカルボン酸官能基からアルデヒド(すなわち、−CHO)官能基への部分的還元によって、天然または非天然のアミノ酸から得られることがある。
分枝単位において三官能性の分枝残基として働く第3の官能基を有するために、分枝単位内のアミノ酸または他のアミン含有酸残基は、そのような分枝残基に対して必要とされる必要不可欠な3つの付着点を提供するために、官能化された側鎖を有し得るか、または官能化された側鎖で置換され得る。例えば、セリンは、3つの官能基、すなわち、酸、アミノおよびヒドロキシル官能基を有し、分枝単位として働く目的で、アミノ酸残基とアミノアルコール残基とが組み合されたものと見なされ得る。チロシンもまた、この場合、そのフェノール側鎖にヒドロキシル基を含み、分枝単位に三官能性の分枝残基として組み込む目的でセリンと同様にみなされ得る。
別の例では、分枝単位の三官能性の分枝残基がシステインであるとき、そのアミノ基およびカルボン酸基は、分枝残基に対して必要不可欠な3つの付着点のうちの2つを提供するアミノ酸またはアミン含有酸について先に論じたように、残基の形態で存在し得る一方で、そのチオール基は、ジスルフィドとしてリンカー単位の−X−Dもしくは−A−X−D部分に結合されるとき、残基の形態で存在し得るか、または例えば、システインチオール官能基がコネクター単位前駆体のマレイミド含有部分と反応するとき、硫黄−炭素結合として存在し得る。場合によっては、残留するチオール基は、分枝単位の別の残基またはリンカー単位の別の構成要素に結合されるとき、酸化型(すなわち、−S(=O)−または−S(=O)2−)である。さらに別の例では、リジンのアルファアミノ基およびカルボン酸基は、分枝単位の分枝残基に必要とされる必要不可欠な3つの付着点のうちの2つを提供する残基の形態で存在し得る一方で、その残基の形態におけるイプシロンアミノ基は、第3の付着点を提供する。ヒスチジンもまた、2つのアミノ基を有するアミノ酸として見なされ得、ここで、その第2のアミノ基は、イミダゾール含有側鎖のNHである。
別の例では、分枝単位の三官能性の分枝残基が、アスパラギン酸またはグルタミン酸であるとき、残基の形態におけるそれらのアミノ酸のアルファアミノ基およびC末端カルボン酸基は、分枝単位の分枝残基に必要とされる3つの必要不可欠な付着点のうちの2つを提供する一方で、その残基の形態におけるベータまたはガンマカルボン酸基は、第3の付着点を提供する。天然に存在するアミノ酸が、分枝単位の残基であるが、天然には官能化されたアミノ酸側鎖を含まず、分枝単位内の三官能性の分枝残基である必要がある場合、そのアミノ酸の構造は、必要な第3の付着点を提供するために、残基の形態であるとき、そのアミノ官能基およびカルボン酸官能基に加えて、さらなる官能基を有するように改変されることが理解される。例えば、脂肪族側鎖を有するアミノ酸は、その側鎖の炭素において、ヒドロキシル、アミノ、アルデヒド、チオール、カルボン酸基、またはこれらの官能基のうちのいずれか1つで置換された他の官能基もしくは他の部分(例えば、アリールまたはアリールアルキル)で置換されることにより、必要不可欠な3つの付着点を有する非天然のアミノ酸が提供され得る。そのような非天然のアミノ酸は、アミノ酸および導入された官能基の残基の形態に対して上に記載されたような分枝単位に組み込まれる。
同様に、アミノアルデヒドまたはアミノアルコールが、三官能性の分枝残基として分枝単位に組み込まれるとき、そのアミノアルデヒドまたはアミノアルコールは、そのアミノおよびアルデヒド官能基とともに、3つの必要不可欠な付着点を提供する第3の官能基を有し得る。それらの場合、アミノアルデヒドまたはアミノアルコールは、官能化された側鎖を有する天然のアミノ酸の構造または上に記載されたような天然のアミノ酸の側鎖に導入された官能基を有する非天然のアミノ酸の構造に対応し得、ここで、その天然または非天然のアミノ酸のカルボン酸は、ヒドロキシルまたはアルデヒド官能基に還元される。
三官能性の分枝残基として分枝単位に組み込まれるアミノ酸は、アルファ、ベータもしくはガンマアミノ酸または他のアミン含有酸化合物であり得、天然または非天然のアミノ酸側鎖に結合されるキラル炭素を含む場合、DまたはL異性体であり得る。分枝単位が、1つより多い天然または非天然のアミノ酸、アミノアルコール、アミノアルデヒドまたはポリアミン残基から構成されるとき、それらのアミノ酸、アミノアルコール、アミノアルデヒド、ポリアミン残基またはそれらの組み合わせ(ここで、それらの残基のうちの少なくとも1つは、三官能性の分枝残基である)は、これらの残基は、共有結合を介して互いに連結されることにより、分枝単位を形成する。
上記のアミノ酸、アミノアルコールまたはアミノアルデヒドは、非天然であり得、そのような場合であり得るとき、結合体または中間体化合物の構成要素への付着のために官能化された側鎖を有するように改変され得る(分枝単位の分枝残基に対して上に記載されたように)。例示的な官能化されたアミノ酸、アミノアルコールまたはアミノアルデヒドとしては、例えば、アジドまたはアルキンによって官能化されたアミノ酸、アミノアルコールまたはアミノアルデヒド(例えば、クリックケミストリーを用いて、付着のためにアジド基またはアルキン基を有するように改変されたアミノ酸、アミノアルコールまたはアミノアルデヒド)が挙げられる。アミノ酸上に存在する官能基、例えば、アミン部分、カルボン酸部分および側鎖部分(例えば、アミノ部分、ヒドロキシル基、別のカルボン酸、チオール、アジドまたはアルキンに関わらず)の非依存的な活性化および反応のための方法は、当該分野で周知である。
分枝単位は、1つまたはそれを超える(代表的には、1〜5個または1〜4個または1〜3個または1個または2個)のアミノ酸、必要に応じて置換されるC1−20ヘテロアルキレン(好ましくは、必要に応じて置換されるC1−12ヘテロアルキレン)、必要に応じて置換されるC3−8ヘテロシクロ、必要に応じて置換されるC6−14アリーレン、必要に応じて置換されるC3−C8カルボシクロまたはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、分枝単位は、2つより多くないかまたは1つより多くない必要に応じて置換されるC1−20ヘテロアルキレン、必要に応じて置換されるC3−8ヘテロシクロ、必要に応じて置換されるC6−14アリーレンまたは必要に応じて置換されるC3−C8カルボシクロを含む。随意の置換基には、(=O)、−X、−R、−OR、−SR、−NR2、−NR3、=NR、−CX3、−CN、−OCN、−SCN、−N=C=O、−NCS、−NO、−NO2、=N2、−N3、−NRC(=O)R、−C(=O)R、−C(=O)NR2、−SO3 −、−SO3H、−S(=O)2R、−OS(=O)2OR、−S(=O)2NR、−S(=O)R、−OP(=O)(OR)2、−P(=O)(OR)2、−PO= 3、−PO3H2、−AsO2H2、−C(=O)R、−C(=O)X、−C(=S)R、−CO2R、−CO2 −、−C(=S)OR、−C(=O)SR、−C(=S)SR、−C(=O)NR2、−C(=S)NR2または−C(=NR)NR2が含まれ、ここで、各Xは、独立して、ハロゲン:−F、−Cl、−Brまたは−Iであり;各Rは、独立して、水素、または必要に応じて置換される、−C1C20アルキル、−C6C20アリールもしくは−C3C14複素環、または保護基もしくはプロドラッグ部分である。好ましい随意の置換基は、(=O)、−X、−R、−OR、−SRおよび−NR2である。分枝残基として作用するそのような部分(moities)は、官能基で置換されることにより、必要な付着部位を提供し得ることが理解されるだろう。
分枝単位または分枝単位の分枝残基は、直鎖または分枝鎖であり得、式A:
によって表され得、式中、
AA1は、アミノ酸、必要に応じて置換されるC1−20ヘテロアルキレン(好ましくは、必要に応じて置換されるC1−12ヘテロアルキレン)、必要に応じて置換されるC3−8ヘテロシクロ、必要に応じて置換されるC6−14アリーレンまたは必要に応じて置換されるC3−C8カルボシクロから独立して選択される分枝単位のサブユニットであり;
下付き文字uは、独立して、0〜4から選択され;波線は、リガンド薬物結合体またはその薬物−リンカー中間体内の共有結合的付着部位を示す。必要に応じて置換されるヘテロアルキレン、複素環、アリーレンまたはカルボシクロは、分枝単位のサブユニット間の付着およびその分枝単位を有するリガンド薬物結合体またはその薬物−リンカー中間体内の付着のための官能基を有し得る。
いくつかの実施形態において、AA1の少なくとも1つの例は、アミノ酸である。下付き文字uは、0、1、2、3または4であり得る。いくつかの実施形態において、AA1は、アミノ酸であり、uは、0である。いくつかの実施形態において、分枝単位は、2つより多くない必要に応じて置換されるC1−20ヘテロアルキレン、必要に応じて置換されるC3−8ヘテロシクロ、必要に応じて置換されるC6−14アリーレンまたは必要に応じて置換されるC3−C8カルボシクロを含む。分枝単位が式Aを有するいくつかの態様において、分枝単位は、1つより多くない必要に応じて置換されるC1−20ヘテロアルキレン、必要に応じて置換されるC3−8ヘテロシクロ、必要に応じて置換されるC6−14アリーレンまたは必要に応じて置換されるC3−C8カルボシクロを含む。
分枝単位またはそのアミノ酸サブユニットは、アルファ、ベータまたはガンマアミノ酸であり得、天然または非天然であり得る。そのアミノ酸は、DまたはL異性体であり得る。分枝単位内の付着またはLDCもしくはその薬物−リンカー中間体の他の構成要素との付着は、例えば、アミノ、カルボキシルまたは他の官能基を介し得る。それらの官能基の非依存的な活性化および反応のための方法は、当該分野で周知である。
分枝単位またはそのアミノ酸サブユニットは、独立して、チオール含有アミノ酸のDまたはL異性体から選択され得る。そのチオール含有アミノ酸は、例えば、システイン、ホモシステインまたはペニシラミンであり得る。
分枝またはそのアミノ酸サブユニットは、独立して、以下のアミノ酸:アラニン(β−アラニンを含む)、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、システイン、ヒスチジン、グリシン、グルタミン酸、グルタミン フェニルアラニン、リジン、ロイシン、メチオニン、セリン、チロシン、トレオニン、トリプトファン、プロリン、オルニチン、ペニシラミン、B−アラニン、アミノアルキン酸、アミノアルカン二酸、ヘテロシクロ−カルボン酸、シトルリン、スタチン、ジアミノアルカン酸およびそれらの誘導体のL−またはD−異性体からなる群より選択され得る。
好ましいアミノ酸としては、システイン、ホモシステイン、ペニシラミン、オルニチン、リジン、セリン、トレオニン、グルタミン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セレノシステイン、プロリン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、バリンおよびアラニンが挙げられる。
分枝単位が2つの自壊性アセンブリ単位をストレッチャー単位に接続する(各々、必要に応じて、独立して選択されるコネクター単位Aを介する)ことができるいくつかの実施形態において、分枝単位は、いったん組み立てられると、以下に示される式を有し:
式中、波線は、リンカー単位の構成要素、すなわち、ストレッチャー単位Zまたはその前駆体Z’、および自壊性アセンブリ単位または介在性のコネクター単位への付着部位を示し、R110は、
であり、ここで、アステリスクは、xと標識された炭素への付着を示し、波線は、付着部位のうちの1つを示し;
各R100は、独立して、水素または−C1−C3アルキル、好ましくは、水素またはCH3から選択され;
Yは、独立して、NまたはCHから選択され;
各Y’は、独立して、NH、OまたはSから選択され;
下付き文字cは、1〜10、好ましくは、1〜3から独立して選択される整数である。
例示的な分枝単位または分枝単位における三官能性の分枝残基は、下に示されるようなリジンであり、ここで、波線およびアステリスクは、LDCまたはその薬物−リンカー中間体のリンカー単位内の共有結合的連結を示す:
本発明のいくつかの態様において、分枝単位は、約1000ダルトンを超えない質量、約500ダルトンを超えない質量、約200ダルトンを超えない質量、約10、50もしくは100ダルトン〜約1000ダルトンの質量、約10、50もしくは100ダルトン〜約500ダルトンの質量または約10、50もしくは100ダルトン〜約200ダルトンの質量を有する。
コネクター単位(A)
コネクター単位Aは、ストレッチャー単位(Z)またはその前駆体(Z’)と自壊性アセンブリ単位の自壊性部分(X)との間にさらなる距離を付け加えることが望ましい場合、リガンド薬物結合体または薬物−リンカー化合物に含められる。いくつかの態様において、その追加の距離は、X内の活性化を助け得る。したがって、コネクター単位(A)は、存在するとき、リンカー単位のフレームワークを伸長する。その点において、コネクター単位(A)は、随意の分枝単位、またはBが一方の末端に存在しないときはストレッチャー単位(またはその前駆体)と共有結合的に結合され、他方の末端の自壊性アセンブリ単位の自壊性部分(X)に共有結合的に結合される。1つの群の実施形態において、自壊性部分(X)は、自壊性スペーサー単位(Y)および活性化単位(W)を含み、Aが、Yに結合される。別の群の実施形態では、自壊性部分は、自壊性スペーサー単位(Y)および活性化単位(W)を含み、Aが、Wに結合される。
当業者は、コネクター単位が、リンカー単位の残りの部分への自壊性単位の付着を提供するように働く任意の基であり得ることを認識するだろう。そのコネクター単位は、例えば、1つまたはそれを超える(例えば、1〜10個、好ましくは、1、2、3または4個の)天然または非天然のアミノ酸、アミノアルコール、アミノアルデヒド、ジアミノ残基を含み得る。いくつかの態様において、コネクター単位は、単一の天然または非天然のアミノ酸、アミノアルコール、アミノアルデヒドまたはジアミノ残基である。コネクター単位として働くことができる例示的なアミノ酸は、β−アラニンである。
いくつかの態様において、コネクター単位は、以下に示される式:
を有し、式中、波線は、リガンド薬物結合体内またはその薬物−リンカー中間体内のコネクター単位の付着を示し;
R111は、独立して、水素、p−ヒドロキシベンジル、メチル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、−CH2OH、−CH(OH)CH3、−CH2CH2SCH3、−CH2CONH2、−CH2COOH、−CH2CH2CONH2、−CH2CH2COOH、−(CH2)3NHC(=NH)NH2、−(CH2)3NH2、−(CH2)3NHCOCH3、−(CH2)3NHCHO、−(CH2)4NHC(=NH)NH2、−(CH2)4NH2、−(CH2)4NHCOCH3、−(CH2)4NHCHO、−(CH2)3NHCONH2、−(CH2)4NHCONH2、−CH2CH2CH(OH)CH2NH2、2−ピリジルメチル−、3−ピリジルメチル−、4−ピリジルメチル−、
からなる群より選択され、ここで、波線は、コネクター単位の残りの部分への共有結合的付着を示し;
各R100は、独立して、水素または−C1−C3アルキル、好ましくは、水素またはCH3から選択され;
cは、1〜10、好ましくは、1〜3の範囲の独立して選択される整数である。
自壊性アセンブリ単位の自壊性部分(X)の活性化単位(W)または自壊性スペーサー単位(Y)への付着のためのカルボニル基を有する代表的なコネクター単位は、以下のとおりであり:
ここで、各場合において、R13は、独立して、−C1−C6アルキレン−、−C3−C8カルボシクロ−、−アリーレン−、−C1−C10ヘテロアルキレン−、−C3−C8ヘテロシクロ−、−C1−C10アルキレン−アリーレン−、−アリーレン−C1−C10アルキレン−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8カルボシクロ)−、−(C3−C8カルボシクロ)−C1−C10アルキレン−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8ヘテロシクロ)−および−(C3−C8ヘテロシクロ)−C1−C10アルキレン−からなる群より選択され、下付き文字cは、1〜4の範囲の整数である。いくつかの実施形態において、R13は、−C1−C6アルキレンであり、cは、1である。
自壊性アセンブリ単位の自壊性部分(X)の活性化単位(W)またはスペーサー単位(Y)への付着のためのカルボニル基を有する代表的なコネクター単位は、以下のとおりであり:
ここで、R13は、−C1−C6アルキレン−、−C3−C8カルボシクロ−、−アリーレン−、−C1−C10ヘテロアルキレン−、−C3−C8ヘテロシクロ−、−C1−C10アルキレン−アリーレン−、−アリーレン−C1−C10アルキレン−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8カルボシクロ)−、−(C3−C8カルボシクロ)−C1−C10アルキレン−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8ヘテロシクロ)−または−(C3−C8ヘテロシクロ)−C1−C10アルキレン−である。いくつかの実施形態において、R13は、−C1−C6アルキレンである。
自壊性アセンブリ単位の自壊性部分(X)の活性化単位(W)またはスペーサー単位(Y)に付着するNH部分を有する代表的なコネクター単位は、以下のとおりであり:
ここで、各場合において、R13は、独立して、−C1−C6アルキレン−、−C3−C8カルボシクロ−、−アリーレン−、−C1−C10ヘテロアルキレン−、−C3−C8ヘテロシクロ−、−C1−C10アルキレン−アリーレン−、−アリーレン−C1−C10アルキレン−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8カルボシクロ)−、−(C3−C8カルボシクロ)−C1−C10アルキレン−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8ヘテロシクロ)−および−(C3−C8ヘテロシクロ)−C1−C10アルキレン−からなる群より選択され、下付き文字cは、1〜14である。いくつかの実施形態において、R13は、−C1−C6アルキレンであり、下付き文字cは、1である。
自壊性アセンブリ単位の自壊性部分(X)の活性化単位(W)またはスペーサー単位(Y)に付着するNH部分を有する代表的なコネクター単位は、以下のとおりであり:
ここで、R13は、−C1−C6アルキレン−、−C3−C8カルボシクロ−、−アリーレン−、−C1−C10ヘテロアルキレン−、−C3−C8ヘテロシクロ−、−C1−C10アルキレン−アリーレン−、−アリーレン−C1−C10アルキレン−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8カルボシクロ)−、−(C3−C8カルボシクロ)−C1−C10アルキレン−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8ヘテロシクロ)−または−(C3−C8ヘテロシクロ)−C1−C10アルキレン−または−C(=O)C1−C6アルキレン−または−C1−C6アルキレン−C(=O)−C1−C6アルキレンである。
コネクター単位の選択される実施形態には、以下の構造
を有するものが含まれ、ここで、窒素に隣接する波線は、直接的なもしくはBを介する間接的なストレッチャー単位(Z)(またはその前駆体Z’)への共有結合的付着を示し、カルボニルに隣接する波線は、自壊性アセンブリ単位の自壊性部分(X)の活性化単位(W)またはスペーサー単位(Y)への共有結合的付着を示すか、またはカルボニルに隣接する波線は、直接的なまたはBを介する間接的なストレッチャー単位(Z)(またはその前駆体Z’)への共有結合的付着を示し、窒素に隣接する波線は、自壊性アセンブリ単位の自壊性部分(X)の活性化単位(W)またはスペーサー単位(Y)への共有結合的付着を示し;mは、1〜6、好ましくは、2〜6、より好ましくは、2〜4の範囲の整数である。
自壊性アセンブリ単位
自壊性アセンブリ単位は、薬物単位を結合体またはその薬物−リンカー中間体の残りの部分に連結する。自壊性アセンブリ単位の主要な機能は、リガンド単位によって標的化される部位において遊離薬物を条件付きで放出することである。その傾向において、自壊性アセンブリ単位は、活性化可能な自壊性部分(X)およびメチレンカルバメートリンカーを含む。活性化可能な自壊性部分は、活性化単位(W)および自壊性スペーサー単位(Y)を含む。自壊性スペーサー単位は、単一の単位であり得るか、または2つもしくはそれを超える自壊性サブユニットを含み得る。Yの自壊を誘導するWの活性化は、その活性化単位での切断を介するものであり、代表的には、WとYとの間の結合において生じる。切断は、酵素的(例えば、腫瘍関連プロテアーゼまたはグリコシダーゼ、例えば、グルクロニダーゼ)であり得るか、またはジスルフィド還元(例えば、ジスルフィド切断(例えば、グルタチオン−SHによるもの))を介し得る。切断されると、遊離薬物の放出をもたらす一連の自壊の反応が惹起される。1つの群の実施形態において、自壊性アセンブリ単位は、活性化単位を介してリガンド薬物結合体のリガンド単位の残りの部分に付着され得る。別の群の実施形態において、自壊性アセンブリ単位は、自壊性スペーサー単位を介してリガンド薬物結合体のリンカー単位の残りの部分に付着され得る。
ある特定の実施形態において、薬物単位に連結される自壊性アセンブリ単位は、式SIIa(i)またはSIIa(ii):
によって表され、式中、
Wは、活性化単位であり;
Yは、自壊性スペーサー単位であり;
Dは、表示されているメチレンアルコキシカルバメート単位への組み込みの前に官能基を有する薬物に相当する薬物単位であり;
T*は、表示されているメチレンカルバメート単位に組み込まれる前記官能基の必要に応じて置換されるヘテロ原子であり;
R、R1およびR2は、本明細書中で前に定義されたとおりであり;
波線は、LDCまたは薬物−リンカー化合物の残りの部分への付着点を示し、ここで、自壊性アセンブリ単位は、活性化単位の活性化の後に遊離薬物を放出する。
本明細書中に示されるように、活性化単位の活性化は、その単位の切断を介し、ここで、切断は、酵素的である(例えば、腫瘍関連プロテアーゼまたはグリコシダーゼ、例えば、グルクロニダーゼ(例えば、ベータ−グルクロニダーゼ)を介する)か、またはジスルフィド還元反応(例えば、グルタチオン−SHによるジスルフィド切断)を介する。
本発明のいくつかの態様において、自壊性アセンブリ単位は、約5000ダルトンを超えない質量、約4000ダルトンを超えない質量、約3000ダルトンを超えない質量、約2000ダルトンを超えない質量、約1000ダルトンを超えない質量、約800ダルトンを超えない質量または約500ダルトンを超えない質量を有する。いくつかの態様において、自壊性アセンブリ単位は、約100ダルトンもしくは約200ダルトンもしくは約300ダルトン〜約5000ダルトン、約100ダルトンもしくは約200ダルトンもしくは約300ダルトン〜約4000ダルトン、約100ダルトンもしくは約200ダルトンもしくは約300ダルトン〜約3000ダルトン、約100ダルトンもしくは約200ダルトンもしくは約300ダルトン〜約2000ダルトン、約100ダルトンもしくは約200ダルトンもしくは約300ダルトン〜約1000ダルトン、約100ダルトンもしくは約200ダルトンもしくは約300ダルトン〜約800ダルトンまたは約100ダルトンもしくは約200ダルトンもしくは約300ダルトン〜約500ダルトンの質量を有する。
当業者は、薬物−リンカー化合物の構成要素が、リガンド薬物結合体と同じ様式で連結され得、ここで、対応するLDCと比べて、リガンド単位は存在せず、ストレッチャー単位(Z)は、存在するとき、対応するストレッチャー単位前駆体(Z’)によって置き換えられることを理解するだろう。
活性化単位(W)
Wは、活性化単位であり、「トリガー」または「活性化可能な」トリガーと称されることがあり(すなわち、活性化が可能である);それは、活性化されると、スペーサー単位において一連の自壊反応を惹起する(単一単位として、または2つもしくはそれを超える自壊性サブユニットを有する)。いくつかの態様において、活性化単位は、切断可能な結合を介して自壊性スペーサー単位に付着される有機部分である。したがって、そのような実施形態では、Wの構造および/または配列は、切断可能な結合が自壊性スペーサー単位と形成されるように選択される。本明細書中で論じられる様々な実施形態において、Wの性質は、様々であり得る。例えば、Wは、切断可能な結合が、標的部位に存在する酵素の作用によってまたはジスルフィド結合の場合は還元事象を介して切断されるように、設計され得る。切断可能な結合としては、例えば、ジスルフィド結合、アミド結合およびグリコシド結合が挙げられる。
いくつかの実施形態において、活性化単位は、1つのアミノ酸または1つもしくはそれを超える連続したもしくは連続してないアミノ酸の配列を含み得る(例えば、Wが1から12個以下のアミノ酸を有するように)。活性化単位は、例えば、モノペプチド、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、ヘプタペプチド、オクタペプチド、ノナペプチド、デカペプチド、ウンデカペプチドもしくはドデカペプチド単位を含み得るか、またはそれらからなり得る。いくつかの態様において、酵素(例えば、腫瘍関連プロテアーゼ)の存在下において、活性化単位(W)と自壊性スペーサー単位(Y)との間のアミド結合は切断され、それにより、最終的に、Yの自壊に起因して遊離薬物が放出される。
各アミノ酸は、天然もしくは非天然のアミノ酸および/またはD−もしくはL−異性体であり得るが、但し、当然のことながら、切断されるとYにおいて自壊を惹起する切断可能な結合が形成されている。いくつかの実施形態において、活性化単位は、天然のアミノ酸だけを含み得る。いくつかの態様において、活性化単位は、1から12個以下のアミノ酸を連続した配列で有し得る。
いくつかの実施形態において、各アミノ酸は、独立して、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、ヒスチジン、グリシン、グルタミン酸、グルタミン、フェニルアラニン、リジン、ロイシン、セリン、チロシン、トレオニン、イソロイシン、プロリン、トリプトファン、バリン、システイン、メチオニン、セレノシステイン、オルニチン、ペニシラミン、β−アラニン、アミノアルカン酸、アミノアルキン酸、アミノアルカン二酸、アミノ安息香酸、アミノ−ヘテロシクロ−アルカン酸、ヘテロシクロ−カルボン酸、シトルリン、スタチン、ジアミノアルカン酸およびそれらの誘導体からなる群より選択される。いくつかの実施形態において、各アミノ酸は、独立して、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、ヒスチジン、グリシン、グルタミン酸、グルタミン,フェニルアラニン、リジン、ロイシン、セリン、チロシン、トレオニン、イソロイシン、プロリン、トリプトファン、バリン、システイン、メチオニンおよびセレノシステインからなる群より選択される。いくつかの実施形態において、各アミノ酸は、独立して、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、ヒスチジン、グリシン、グルタミン酸、グルタミン、フェニルアラニン、リジン、ロイシン、セリン、チロシン、トレオニン、イソロイシン、プロリン、トリプトファンおよびバリンからなる群より選択される。いくつかの実施形態において、各アミノ酸は、タンパク新生アミノ酸または非タンパク新生アミノ酸から選択される。
別の実施形態において、各アミノ酸は、独立して、以下のL−(天然)アミノ酸:アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、ヒスチジン、グリシン、グルタミン酸、グルタミン、フェニルアラニン、リジン、ロイシン、セリン、チロシン、トレオニン、イソロイシン、トリプトファンおよびバリンからなる群より選択される。
別の実施形態において、各アミノ酸は、独立して、これらの天然アミノ酸:アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、ヒスチジン、グリシン、グルタミン酸、グルタミン、フェニルアラニン、リジン、ロイシン、セリン、チロシン、トレオニン、イソロイシン、トリプトファンおよびバリンの以下のD−異性体からなる群より選択される。
ある特定の実施形態において、活性化単位は、天然のアミノ酸だけを含む。他の実施形態において、活性化単位は、非天然のアミノ酸だけを含む。いくつかの実施形態において、活性化単位は、非天然のアミノ酸に付着された天然のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、活性化単位は、天然のアミノ酸のD−異性体に付着された天然のアミノ酸を含む。
例示的な活性化単位としては、−Val−Cit−、−Phe−Lys−または−Val−Alaを有するジペプチドが挙げられる。
有用な活性化単位は、特定の酵素、例えば、腫瘍関連プロテアーゼによる酵素的切断に対する選択性について設計され得、最適化され得る。いくつかの実施形態において、自壊性スペーサー単位における自壊を惹起する、活性化単位と自壊性スペーサー単位との間の連結(介在性の官能基または結合を介する)の切断は、カテプシンB、CもしくはDまたはプラスミンプロテアーゼによって触媒される。
いくつかの実施形態において、活性化単位は、−(−AA−)1−12−、すなわち(−AA−AA−)1−6によって表され得、ここで、AAは、各存在において、独立して、天然または非天然のアミノ酸から選択される。1つの態様において、AAは、各存在において、独立して、天然のアミノ酸から選択される。
いくつかの実施形態において、活性化単位は、下記に示される角括弧内の式を有し、カルボニルに隣接する波線は、自壊性スペーサー単位に付着され、他の波線は、直接、または介在性のコネクター単位(A)および/もしくは分枝単位(B)を介して間接的にストレッチャー単位(Z)(またはその前駆体Z’)に付着され、下付き文字wは、1〜12の範囲の整数であり:
ここで、R19は、各場合において、独立して、水素、メチル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、ベンジル、p−ヒドロキシベンジル、−CH2OH、−CH(OH)CH3、−CH2CH2SCH3、−CH2CONH2、−CH2COOH、−CH2CH2CONH2、−CH2CH2COOH、−(CH2)3NHC(=NH)NH2、−(CH2)3NH2、−(CH2)3NHCOCH3、−(CH2)3NHCHO、−(CH2)4NHC(=NH)NH2、−(CH2)4NH2、−(CH2)4NHCOCH3、−(CH2)4NHCHO、−(CH2)3NHCONH2、−(CH2)4NHCONH2、−CH2CH2CH(OH)CH2NH2、2−ピリジルメチル−、3−ピリジルメチル−、4−ピリジルメチル−、フェニル、シクロヘキシル、
からなる群より選択される。
例証的な活性化単位は、式(XV)、(XVI)および(XVII)によって表され、
式中、R20およびR21は、以下のとおりであり:
式中、R20、R21およびR22は、以下のとおりであり:
式中、R20、R21、R22およびR23は、以下のとおりである:
そのようないくつかの態様において、自壊性部分Xは、
であり、式XVIIIの構造:
によって表され、式中、波線は、直接的な、またはコネクター単位(A)もしくは分枝単位(B)もしくはAおよびBを介した間接的なストレッチャー単位Z(またはその前駆体Z’)への共有結合的付着を示し、ハッシュマーク(#)は、メチレンカルバメート単位へのベンジル炭素の共有結合的付着を示す。
他の態様において、自壊は、グリコシダーゼによるグリコシド単位の切断から活性化される。そのグリコシド単位は、自壊性部分(X)の別の例であり、ここで、Xは、下記に示される−Y(W)−の構造
を有し、ここで、一方の波線は、直接的な、またはコネクター単位(A)もしくは分枝単位(B)もしくはAおよびB)を介した間接的なストレッチャー単位Z(またはその前駆体Z’)への共有結合的付着を示し、他方の波線は、自壊性アセンブリ単位の残りの部分(すなわち、メチレンカルバメート単位またはMAC単位)への共有結合的付着を示す。
グリコシド単位は、代表的には、−Y(W)−によって表される構造を有する自壊性スペーサーYに酸素グリコシド結合を介して連結される糖部分(Su)を含む。その酸素グリコシド結合の切断は、遊離薬物の放出をもたらす一連の自壊反応を惹起する。そのような実施形態において、その糖は、切断可能な結合を介して自壊性スペーサーに付着され、その結合の切断が一連の自壊反応を惹起するので、その糖は、活性化単位に相当する。
いくつかの態様において、−Y(W)−によって表される活性化可能な自壊性部分(X)は、例示的なグリコシド単位であるグルクロニド単位のβ−グルクロニダーゼによる切断から活性化される。そのグルクロニド単位は、活性化単位および自壊性スペーサー単位を含む。そのグルクロニド単位は、酸素グリコシド結合を介して自壊性スペーサー単位に連結される糖部分(Su)を含む。酸素グリコシド結合の切断は、遊離薬物の放出をもたらす一連の自壊反応を惹起する。そのような実施形態において、その糖は、切断可能な結合を介して自壊性スペーサー単位に付着され、その結合の切断が一連の自壊反応を惹起するので、その糖は、活性化単位に相当する。
いくつかの実施形態において、グリコシド単位またはグルクロニド単位は、式:
の自壊性スペーサー単位(Y)に酸素グリコシド結合(−O’−)を介して連結された糖部分(Su)を含み、式中、波線は、場合によって、直接的な、またはコネクター単位もしくは分枝単位もしくはコネクター単位および分枝単位を介した間接的な、メチレンカルバメート単位およびストレッチャー単位(Z)またはその前駆体(Z’)への共有結合的付着を示す。
酸素グリコシド結合(−O’−)は、代表的には、β−グルクロニダーゼ切断部位であり(すなわち、Suは、グルクロニド由来である)、例えば、ヒトのリソソームβ−グルクロニダーゼによって切断可能なグリコシド結合である。
一連の自壊反応を惹起するグリコシダーゼによって切断可能な
の構造を有する活性化可能な自壊性部分Xは、式XIXaまたはXIXb:
によって表され得;
式中、Suは、糖部分であり、−O’−は、酸素グリコシド結合であり;
R1S、R2SおよびR3Sは、独立して、水素、ハロゲン、−CN、−NO2もしくは他の電子吸引基または電子供与基であり;
式中、波線は、直接的な、またはコネクター単位もしくは分枝単位もしくはコネクター単位および分枝単位を介した間接的なストレッチャー単位(Z)(またはその前駆体(Z’))への付着を示し;
#は、メチレンカルバメート単位への(直接的な、または介在性の官能基もしくは他の部分を介した間接的な)付着を示す。
好ましい実施形態において、R1S、R2SおよびR3Sは、独立して、水素、ハロゲン、−CNまたは−NO2から選択される。他の好ましい実施形態において、R1S、R2SおよびR3Sは各々、水素である。他の好ましい実施形態において、R2Sは、電子吸引基、好ましくは、NO2であり、R1SおよびR3Sは各々、水素である。
そのようないくつかの態様において、一連の自壊反応を惹起するグリコシダーゼ切断が可能な活性化可能な自壊性基は、式XIXc:
によって表され、式中、R4Sは、CH2OHまたは−CO2Hであり、波線は、直接的な、またはコネクター単位もしくは分枝単位もしくはコネクター単位および分枝単位を介した間接的なストレッチャー単位(Z)(またはその前駆体Z’)への共有結合的付着を示し、ハッシュマーク(#)は、メチレンカルバメート単位への共有結合的付着を示す。
活性化可能な自壊性部分がグルクロニド単位を含むいくつかの実施形態において、それは、以下の式XVId:
によって表され、式中、波線は、直接的な、またはコネクター単位もしくは分枝単位もしくはコネクター単位および分枝単位を介した間接的なストレッチャー単位(Z)(またはその前駆体Z’)への共有結合的付着を示し、ハッシュマーク(#)は、メチレンカルバメート単位へのYのベンジル炭素の共有結合的付着を示す。
理論に拘束されるものではないが、スキーム1aは、式XVIdにおけるような−Y(W)−の構造を有する自壊性部分を有するLDCにおけるメチレンカルバメート単位に付着された薬物単位からの遊離薬物放出の機序を示している一方で、スキーム1bは、介在性のメチレンカルバメート単位の利益を有しないLDCからの遊離薬物放出に対する類似の機序を示している。
いくつかの実施形態において、一連の自壊反応を惹起する切断事象は、ジスルフィド結合の切断である。そのようないくつかの態様では、還元剤(例えば、グルタチオン−SH)が、ジスルフィド結合を切断するように作用し、それにより、一連の自壊反応が惹起され得る。したがって、そのような実施形態では、活性化単位は、活性化単位と自壊性スペーサー単位との間の切断可能なジスルフィド結合に関与する硫黄原子を含む化学的部分である。
自壊性スペーサー単位(Y)
自壊性スペーサー単位は、遊離薬物の放出をもたらす一連の自壊反応(すなわち、断片化)を起こし得る化学的部分である。それらは、代表的には、2つのタイプの自壊性スペーサー単位である。第1のタイプは、電気的カスケードの自壊性スペーサー単位と称され得る。そのような自壊性スペーサー単位内の電気的カスケードは、共役した電子対のシフトの結果として脱離反応を引き起こす。その電子対の転位に続いて、メチレンカルバメート単位の自発的な分解が生じ、最終的には、薬物単位から遊離薬物が放出される。活性化単位の活性化は、脱離反応(例えば、1,6−または1,4−脱離反応)を惹起する。第2のタイプの自壊性スペーサー単位は、環化自壊性スペーサー単位である。その環化自壊性スペーサー単位は、分子内環化反応の後にメチレンカルバメート単位の自発的な分解を引き起こすことによって働き、それにより、遊離薬物が放出される。活性化単位の活性化は、環化反応を惹起する。したがって、自壊性スペーサー単位は、活性化単位の活性化の後に断片化または環化反応を起こすことができる化学的部分であり、ここで、その断片化または環化反応は、メチレンカルバメート単位の自発的な分解および遊離薬物の放出をもたらす。
いくつかの態様において、自壊性スペーサー単位は、3つの空間的に異なる化学的部分(例えば、活性化単位(W)、メチレンカルバメート単位およびストレッチャー(Z)(またはその前駆体Z’)を直接、またはコネクター単位もしくは分枝単位もしくはコネクター単位および分枝単位を介して間接的に、互いに共有結合的に連結することができる化学的部分である。他の態様において、自壊性スペーサー単位は、2つの空間的に異なる化学的部分(例えば、活性化単位およびメチレンカルバメート単位)を互いに共有結合的に連結することができる化学的部分であり、ここで、ストレッチャー単位への付着は、活性化単位を介する。そのようないくつかの実施形態において、例示的な自壊性スペーサー単位は、下に示されるような構造:
を有するPAB基であり、ここで、波線は、活性化単位への共有結合的付着を示し、ハッシュタグ(#)は、メチレンカルバメート単位へのPAB基のベンジル炭素の共有結合的付着を示し、Qは、−C1−C8アルキル、−O−(C1−C8アルキル)または他の電子供与基、−ハロゲン、−ニトロもしくは−シアノまたは他の電子吸引基であり(好ましくは、Qは、−C1−C8アルキル、−O−(C1−C8アルキル)、ハロゲン、ニトロまたはシアノである);mは、0〜4の範囲の整数である(すなわち、中央のアリーレンは、他の置換基を有しないか、または1〜4個の他の置換基を有する)。好ましい実施形態において、mは、0である。他の好ましい実施形態において、mは、1または2であり、各Qは、独立して選択される電子供与基である。
スキーム2は、メチレンカルバメート単位を介して−Dに直接付着された自壊性スペーサー単位(Y)の例示的なPAB基の薬物放出の起こり得る機序を示しており、ここで、自壊性部分は、−W−Y−の構造を有する。
ここで、Qは、−C1−C8アルキルもしくは−O−(C1−C8アルキル)または他の電子供与基、あるいは−ハロゲン、−ニトロ、−シアノまたは他の電子吸引基であり(Qは、好ましくは、C1−C8アルキル、−O−(C1−C8アルキル)、ハロゲン、ニトロまたはシアノである);mは、0〜4の範囲の整数であり;R19は、独立して選択され、aaは、ペプチドベースの活性化単位に対して定義されたとおりである。
自壊性スペーサー単位の他の例としては、PAB基に電子的に類似の芳香族化合物、例えば、2−アミノイミダゾール−5−メタノール誘導体(例えば、Hayら、1999,Bioorg.Med.Chem.Lett.9:2237を参照のこと)およびオルトまたはパラ−アミノベンジルアセタール、ならびに5員複素環(five ring heterocycles)およびN−複素環式第四アンモニウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。アミド結合の加水分解の際に環化を起こす自壊性スペーサー単位、例えば、置換および非置換の4−アミノ酪酸アミド(例えば、Rodriguesら、1995,Chemistry Biology 2:223を参照のこと)、適切に置換されたビシクロ[2.2.1]およびビシクロ[2.2.2]環系(例えば、Stormら、1972,J.Amer.Chem.Soc.94:5815を参照のこと)2−アミノフェニルプロピオン酸アミド(例えば、Amsberryら、1990,J.Org.Chem.55:5867を参照のこと)、ならびにトリメチルロック型のスペーサーもまた使用され得る。グリシンのα位で置換されたアミン含有薬物の脱離(例えば、Kingsburyら、1984,J.Med.Chem.27:1447を参照のこと)もまた、チオフェノールと同様に、例示的なリガンド薬物結合体において有用な自壊性スペーサー単位の例である(例えば、Senter,Pら、1990,J.Org.Chem.55:2975を参照のこと)。
例示的な自壊性スペーサー単位には、例えば、チオフェニルがさらに含まれ、そのチオフェニルのスルフヒドリル硫黄は、下記のスキーム3に示されるように遊離薬物が放出されるジスルフィド結合に関与する:
ここで、波線は、直接、またはコネクター単位もしくは分枝単位もしくはコネクター単位および分枝単位を介して間接的にストレッチャー単位(Z)(またはその前駆体Z’)に付着する部位を示し、アステリスク(*)は、メチレンカルバメート単位へのYのベンジル炭素の付着部位を示す。
例示的な自壊性スペーサー単位には、例えば、下記のスキーム4に示されるような薬物を放出する5員(5−ringed)複素環がさらに含まれる。
スキーム4:
ここで、Xは、C、OまたはSであり、Wは、活性化単位であり、波線は、直接、またはコネクター単位もしくは分枝単位もしくはコネクター単位および分枝単位を介して間接的にストレッチャー単位(Z)(またはその前駆体Z’)に付着する部位を示し、アステリスクは、メチレンカルバメート単位への付着部位を示す。
本発明のいくつかの態様において、自壊性スペーサー単位は、約1000ダルトンを超えない質量、約500ダルトンを超えない質量、約400ダルトンを超えない質量、約300ダルトンを超えない質量、あるいは約10、50もしくは100〜約1000ダルトン、約10、50もしくは100〜約500ダルトン、約10、50もしくは100ダルトン〜約400ダルトン、約10、50もしくは100ダルトン〜約300ダルトンまたは約10、50もしくは100ダルトン〜約200ダルトンの質量を有する。
下付き文字「p」
本発明の1つの態様において、下付き文字pは、個々のリガンド薬物結合体(LDC)のリガンド単位上の薬物リンカー部分の数を表し、好ましくは、1〜16、1〜12、1〜10または1〜8の範囲の整数である。個々のLDCは、LDC化合物とも称され得る。本明細書中の任意の実施形態において、個々のLDCのリガンド単位に結合体化された1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16個の薬物リンカー部分が存在し得る。本発明の別の態様において、1つの群の実施形態では、各リガンド単位に結合される薬物リンカー部分の数を除いては実質的に同一の個々のリガンド薬物結合体の集団(すなわち、LDC組成物)が説明され、その結果、pは、LDC組成物のリガンド単位に結合される薬物−リンカー部分の平均数を表す。その群の実施形態では、pは、1〜約16、1〜約12、1〜約10または1〜約8、2〜約16、2〜約12、2〜約10または2〜約8の範囲の数値である。いくつかの態様において、p値は、組成物中の優勢なADCの平均薬物担持率ならびに薬物担持率のことを指す。
いくつかの態様において、結合体化は、鎖間ジスルフィドを介し得、リガンド分子に結合体化された1〜約8個の薬物リンカー分子が存在し得る。いくつかの態様において、結合体化は、導入されたシステイン残基ならびに鎖間ジスルフィドを介し得、リガンド分子に結合体化された1〜10または1〜12または1〜14または1〜16個の薬物リンカー分子が存在し得る。いくつかの態様において、結合体化は、導入されたシステイン残基を介し得、リガンド分子に結合体化された2または4個の薬物リンカー分子が存在し得る。
リガンド薬物結合体混合物および組成物
本発明は、本明細書中に記載されるリガンド薬物結合体のいずれかを含むリガンド薬物結合体混合物および薬学的組成物を提供する。それらの混合物および薬学的組成物は、複数の結合体を含む。いくつかの態様において、その混合物または組成物中の各結合体は、同一であるか、または実質的に同一であるが、しかしながら、その混合物または組成物中のリガンド上の薬物−リンカーの分布は、薬物担持率と同様に様々であり得る。例えば、薬物−リンカーを抗体に標的化リガンドとして結合体化するために使用される結合体化技術は、その混合物および/もしくは組成物内の抗体リガンド単位上の薬物−リンカーの分布に関して、ならびに/または混合物および/もしくは組成物内のリガンド分子上の薬物−リンカーの担持率に関して不均一な組成物または混合物をもたらし得る。いくつかの態様において、そのような分子の混合物または組成物中の各抗体分子上の薬物−リンカーの担持率は、1〜14の範囲の整数である。
それらの態様において、組成物についてまとめて言及されるとき、薬物−リンカーの担持率は、1〜約14の範囲の数値である。組成物または混合物内には、わずかな比率の結合体化されていない抗体も存在し得る。混合物または組成物中のリガンド単位1つあたりの薬物−リンカーの平均数(すなわち、平均薬物担持率)は、標的細胞に送達され得る薬物の最大量を決定するので、重要な特質である。LDCにおけるリンカー単位が、分枝状でないとき、そのようなLDCの混合物または組成物中の薬物−リンカーの平均数は、平均薬物担持率に相当し、1〜約14、好ましくは、約2〜約10または約8の範囲であり得る数値である。平均薬物担持率は、1、2または約2、3または約3、4または約4、5または約5、6または約6、7または約7、8または約8、9または約9、10または約10、11または約11、12または約12、13または約13、14または約14、15または約15、16または約16であり得る。LDCにおけるリンカー単位が、分枝状であるとき、そのようなLDCの混合物または組成物中の薬物リンカーの平均数は、非分枝状のLDCに対応する範囲を有するが、平均薬物担持率は、各リンカー単位における分枝点の数に応じて、いくつかの複数のそれらの平均薬物−リンカー担持率であり得る。
いくつかの態様において、混合物および薬学的組成物は、複数(すなわち、集団)の結合体を含むが、しかしながら、結合体は、同一であるか、または実質的に同一であり、混合物および/または組成物内のリガンド分子上の薬物−リンカーの分布に関して、ならびに混合物および/または組成物内のリガンド分子上の薬物−リンカーの担持率に関して実質的に均一である。そのようないくつかの態様において、抗体リガンド単位上の薬物−リンカーの担持率は、2または4である。組成物または混合物内には、わずかな比率の結合体化されていない抗体も存在し得る。そのような実施形態における平均薬物担持率は、約2または約4である。代表的には、そのような組成物および混合物は、部位特異的な結合体化の手法を使用することによって得られ、結合体化は、導入されたシステイン残基に起因する。
結合体化反応による調製におけるリガンド単位1つあたりの薬物単位または薬物−リンカーの平均数は、従来の手段、例えば、質量分析、ELISAアッセイ、HPLC(例えば、HIC)によって特徴づけられ得る。pに関するリガンド薬物結合体の定量的分布もまた、明らかにされ得る。場合によっては、均一なリガンド薬物結合体の分離、精製および特徴づけが、逆相HPLCまたは電気泳動などの手段によって達成され得る。
いくつかの態様において、組成物は、本明細書中に記載されるリガンド薬物結合体および薬学的に許容され得るキャリアを含む薬学的組成物である。いくつかの態様において、薬学的組成物は、液体の形態で存在し得る。いくつかの態様において、薬学的組成物は、凍結乾燥粉末であり得る。
薬学的組成物を含む組成物は、精製された形態で提供され得る。本明細書中で使用されるとき、「精製された」は、単離されたとき、その単離物が、その単離物の重量基準で、結合体の少なくとも95%、別の態様では、少なくとも98%を含むことを意味する。
使用方法
癌の処置
リガンド薬物結合体は、腫瘍細胞もしくは癌細胞の分裂増殖を阻害するため、腫瘍細胞もしくは癌細胞においてアポトーシスを引き起こすため、または患者における癌を処置するために、有用である。リガンド薬物結合体は、癌を処置するために、種々の設定においてしかるべく使用され得る。リガンド薬物結合体は、薬物を腫瘍細胞または癌細胞に送達するために使用され得る。理論に拘束されるものではないが、1つの実施形態において、リガンド薬物結合体のリガンド単位は、癌細胞関連抗原もしくは腫瘍細胞関連抗原に結合するか、または癌細胞関連抗原もしくは腫瘍細胞関連抗原と会合し、リガンド薬物結合体は、レセプター媒介性のエンドサイトーシスまたは他の内部移行機構によって、腫瘍細胞または癌細胞の内側に取り込まれ(内部移行され)得る。その抗原は、腫瘍細胞もしくは癌細胞に付着されているものであり得るか、または腫瘍細胞もしくは癌細胞に関連する細胞外マトリックスタンパク質であり得る。いったん細胞の内側に入ると、活性化単位の活性化を介して、薬物は、細胞内に放出される。代替の実施形態では、遊離薬物は、腫瘍細胞または癌細胞の外側でリガンド薬物結合体から放出され、続いて、その遊離薬物が細胞に入り込む。
1つの実施形態において、リガンド単位は、腫瘍細胞または癌細胞に結合する。
別の実施形態において、リガンド単位は、腫瘍細胞または癌細胞の表面上の腫瘍細胞抗原または癌細胞抗原に結合する。
別の実施形態において、リガンド単位は、腫瘍細胞または癌細胞に関連する細胞外マトリックスである腫瘍細胞抗原または癌細胞抗原に結合する。
特定の腫瘍細胞または癌細胞に対するリガンド単位の特異性は、最も効果的に処置される腫瘍または癌を判定するために重要であり得る。例えば、造血性癌に存在する癌細胞抗原を標的化するリガンド薬物結合体は、血液悪性腫瘍を処置するために有用であり得る(例えば、抗CD30、抗CD70、抗CD19、抗CD33結合リガンド単位(例えば、抗体)は、血液悪性腫瘍を処置するために有用であり得る)。固形腫瘍上に存在する癌細胞抗原を標的化するリガンド薬物結合体は、そのような固形腫瘍を処置するために有用であり得る。
リガンド薬物結合体で処置され得る癌としては、造血性癌、例えば、リンパ腫(ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫)および白血病、ならびに固形腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。造血性癌の例としては、濾胞性リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄球性白血病、慢性リンパ性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫および多発性骨髄腫が挙げられる。固形腫瘍の例としては、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫(endotheliosarcoma)、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫(lymphangioendotheliosarcoma)、滑膜腫(synovioma)、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、直腸結腸癌、腎臓癌、膵癌、骨癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、食道癌、胃癌、口腔癌、鼻腔癌、咽喉癌、扁平上皮癌腫、基底細胞癌腫、腺癌、汗腺癌腫、皮脂腺癌腫、乳頭状癌腫、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌腫、気管支原性癌腫、腎細胞癌腫、ヘパトーマ、胆管癌腫、絨毛癌腫、セミノーマ、胎児性癌腫、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、子宮癌、精巣癌、小細胞肺癌腫、膀胱癌腫、肺癌、上皮癌腫、神経膠腫、多形神経膠芽腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、皮膚癌、メラノーマ、神経芽細胞腫および網膜芽細胞腫が挙げられる。
好ましい実施形態において、処置される癌は、上に列挙されたリンパ腫および白血病のうちのいずれか1つである。
癌のための集学的療法
腫瘍、転移、または制御されない細胞の成長を特徴とする他の疾患もしくは障害を含むがこれらに限定されない癌は、リガンド薬物結合体の投与によって処置され得るか、または阻害され得る。
他の実施形態において、癌を処置するための方法が提供され、その方法は、それを必要とする患者に有効量のリガンド薬物結合体および化学療法剤を投与する工程を含む。1つの実施形態において、その化学療法剤は、その化学療法剤による癌の処置が難治性であると見出されていない化学療法剤である。別の実施形態において、化学療法剤は、その化学療法剤による癌の処置が難治性であると見出された化学療法剤である。リガンド薬物結合体は、その癌に対する処置として手術も受けた患者に投与され得る。
いくつかの実施形態において、患者は、さらなる処置、例えば、放射線治療も受ける。特定の実施形態において、リガンド薬物結合体は、化学療法剤または放射線治療と同時に投与される。別の特定の実施形態において、化学療法剤または放射線治療は、リガンド薬物結合体の投与の前または後に投与される。
化学療法剤は、一連のセッションにわたって投与され得る。それらの化学療法剤のいずれか1つまたは組み合わせ、そのような標準治療の化学療法剤が、投与され得る。
さらに、リガンド薬物結合体で癌を処置する方法は、化学療法または放射線治療に代わるものとして提供され、ここで、その化学療法または放射線治療は、処置されている被験体にとって有毒すぎる、例えば、許容できないまたは耐えられない副作用をもたらすと判明したものであるか、または判明し得るものである。処置されている患者は、どの処置が許容され得るまたは耐えられると見出されているかに応じて、別の癌処置、例えば、手術、放射線治療または化学療法で必要に応じて処置され得る。
自己免疫疾患の処置
リガンド薬物結合体は、自己免疫疾患をもたらす細胞を殺滅するため、もしくはその細胞の望まれない複製を阻害するため、または自己免疫疾患を処置するために有用である。リガンド薬物結合体は、患者における自己免疫疾患を処置するために、種々の設定においてしかるべく使用され得る。リガンド薬物結合体は、薬物を標的細胞に送達するために使用され得る。理論に拘束されるものではないが、1つの実施形態において、リガンド薬物結合体は、炎症促進性の免疫細胞または不適切に刺激された免疫細胞の表面上の抗原と会合し、次いで、リガンド薬物結合体は、レセプター媒介性のエンドサイトーシスによって、標的化された細胞の内側に取り込まれる。いったん細胞の内側に入ると、リンカー単位は切断され、薬物または薬物単位が放出される。次いで、放出された薬物は、サイトゾル内を自由に移動し、細胞傷害活性または細胞分裂抑制活性を誘導する。代替の実施形態では、薬物は、標的細胞の外側でリガンド薬物結合体から切断され、続いて、その薬物または薬物単位が、細胞に入り込む。
1つの実施形態において、リガンド単位は、自己免疫性抗原に結合する。1つの態様において、その抗原は、自己免疫性の症状に関わる細胞の表面上に存在する。
1つの実施形態において、リガンド単位は、自己免疫疾患の状態に関連する活性化されたリンパ球に結合する。
さらなる実施形態において、リガンド薬物結合体は、特定の自己免疫疾患に関連する自己免疫性抗体を産生する細胞を殺滅するかまたはその細胞の分裂増殖を阻害する。
リガンド薬物結合体で処置され得る特定のタイプの自己免疫疾患としては、Th2リンパ球関連障害(例えば、アトピー性皮膚炎、アトピー性喘息、鼻結膜炎、アレルギー性鼻炎、オーメン症候群、全身性硬化症および移植片対宿主病);Th1リンパ球関連障害(例えば、関節リウマチ、多発性硬化症、乾癬、シェーグレン症候群、橋本甲状腺炎、バセドウ病、原発性胆汁性肝硬変、ウェゲナー肉芽腫症および結核);および活性化Bリンパ球関連障害(例えば、全身性エリテマトーデス、グッドパスチャー症候群、関節リウマチおよびI型糖尿病)が挙げられるが、これらに限定されない。
自己免疫疾患の多剤療法
自己免疫疾患を処置するための方法もまた開示され、その方法は、それを必要とする患者に、有効量のリガンド薬物結合体および自己免疫疾患の処置に対して公知の別の治療薬を投与する工程を含む。
組成物および投与方法
本発明は、本明細書中に記載されるリガンド薬物結合体および薬学的に許容され得るキャリアを含む薬学的組成物を提供する。リガンド薬物結合体は、リガンド単位が結合する抗原の発現に関連する障害を処置するために化合物が患者に投与されることを可能にする任意の形態で存在し得る。例えば、その結合体は、液体または固体の形態で存在し得る。好ましい投与経路は、非経口である。非経口投与には、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射または注入法が含まれる。1つの態様において、組成物は、非経口的に投与される。1つの態様において、結合体は、静脈内に投与される。投与は、任意の好都合な経路、例えば、注入またはボーラス注射によって行われ得る。
薬学的組成物は、その組成物が患者に投与されたとき、化合物が生物によって利用可能であることを可能にするように、製剤化され得る。組成物は、1つまたはそれを超える投与単位の形態をとり得る。
薬学的組成物の調製において使用される材料は、使用される量において無毒性であり得る。薬学的組成物における活性成分の最適な投与量が種々の因子に依存し得ることは、当業者には明らかだろう。関連する因子としては、動物のタイプ(例えば、ヒト)、化合物の特定の形態、投与様式および使用される組成が挙げられるがこれらに限定されない。
組成物は、例えば、液体の形態で存在し得る。その液体は、注射による送達にとって有用であり得る。注射によって投与するための組成物では、1つまたはそれを超える界面活性剤、保存剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、緩衝剤、安定剤および等張剤もまた含められ得る。
液体組成物は、溶液であるか懸濁液であるか他の同様の形態であるかに関係なく、以下のうちの1つまたはそれを超えるものも含み得る:滅菌された希釈剤、例えば、注射用水、食塩水溶液、好ましくは、生理食塩水、リンガー溶液、等張性塩化ナトリウム、固定油、例えば、溶媒または懸濁媒として働き得る合成モノグリセリドまたはジグリセリド、ポリエチレングリコール、グリセリン、シクロデキストリン、プロピレングリコールまたは他の溶媒;抗菌剤、例えば、ベンジルアルコールまたはメチルパラベン;酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウム;キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸;緩衝剤、例えば、アミノ酸、酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩;洗浄剤、例えば、非イオン性界面活性剤、ポリオール;および張度を調整するための作用物質、例えば、塩化ナトリウムまたはデキストロース。非経口組成物は、ガラス、プラスチックまたは他の材料でできた、アンプル、使い捨て注射器または複数回量バイアルの中に封入され得る。生理食塩水は、例示的な佐剤である。注射可能な組成物は、好ましくは、滅菌されている。
特定の障害または症状の処置において有効な結合体の量は、その障害または症状の性質に依存し、標準的な臨床上の手法によって決定され得る。さらに、最適な投与量の範囲の特定を助けるために、インビトロまたはインビボアッセイが必要に応じて使用され得る。組成物において使用される正確な用量は、投与経路およびその疾患または障害の重症度にも依存し、担当医の判断および各患者の状況に応じて決定されるべきである。
組成物は、好適な投与量が得られるような有効量の化合物を含む。代表的には、この量は、組成物の重量基準で、少なくとも約0.01%の化合物である。
静脈内投与の場合、組成物は、動物の体重1kgあたり約0.01〜約100mgのリガンド薬物結合体を含み得る。1つの態様において、組成物は、動物の体重1kgあたり約1〜約100mgのリガンド薬物結合体を含み得る。別の態様において、投与される量は、約0.1〜約25mg/kg体重の範囲の化合物であり得る。使用される薬物に応じて、投与量は、さらに低い、例えば、1.0μg/kg〜5.0mg/kg、4.0mg/kg、3.0mg/kg、2.0mg/kgもしくは1.0mg/kg、または1.0μg/kg〜500.0μg/kg被験体体重であり得る。
一般に、患者に投与される結合体の投与量は、代表的には、約0.01mg/kg〜約100mg/kg被験体体重または1.0μg/kg〜5.0mg/kg被験体体重である。いくつかの実施形態において、患者に投与される投与量は、約0.01mg/kg〜約15mg/kg被験体体重である。いくつかの実施形態において、患者に投与される投与量は、約0.1mg/kg〜約15mg/kg被験体体重である。いくつかの実施形態において、患者に投与される投与量は、約0.1mg/kg〜約20mg/kg被験体体重である。いくつかの実施形態において、投与される投与量は、約0.1mg/kg〜約5mg/kgまたは約0.1mg/kg〜約10mg/kg被験体体重である。いくつかの実施形態において、投与される投与量は、約1mg/kg〜約15mg/kg被験体体重である。いくつかの実施形態において、投与される投与量は、約1mg/kg〜約10mg/kg被験体体重である。いくつかの実施形態において、投与される投与量は、処置サイクルにわたって、約0.1〜4mg/kg、なおもより好ましくは、0.1〜3.2mg/kgまたはなおもより好ましくは、0.1〜2.7mg/kg被験体体重である。
用語「キャリア」とは、化合物とともに投与される希釈剤、佐剤または賦形剤のことを指す。そのような薬学的キャリアは、液体、例えば、水および油(石油、動物、植物または合成起源のもの、例えば、落花生油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油を含む)であり得る。キャリアは、食塩水、アラビアゴム、ゼラチン、デンプンペースト、タルク、ケラチン、コロイドケイ酸、尿素であり得る。さらに、補助剤、安定化剤、増粘剤、滑沢剤および着色剤が使用され得る。1つの実施形態において、患者に投与されるとき、化合物または組成物ならびに薬学的に許容され得るキャリアは、滅菌されている。
水は、化合物が静脈内に投与されるときの例示的なキャリアである。食塩水溶液ならびにデキストロースおよびグリセロール水溶液もまた、液体キャリアとして、特に注射可能な溶液に対して、使用され得る。好適な薬学的キャリアには、賦形剤、例えば、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、イネ、穀粉、胡粉、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールも含まれる。本組成物は、所望であれば、微量の湿潤剤もしくは乳化剤またはpH緩衝剤も含み得る。
ある実施形態において、結合体は、動物、特に人間への静脈内投与に対して適合された薬学的組成物として、日常的な手順に従って製剤化される。代表的には、静脈内投与用のキャリアまたはビヒクルは、滅菌された等張性水性緩衝液である。必要に応じて、それらの組成物は、可溶化剤も含み得る。静脈内投与用の組成物は、必要に応じて、局所麻酔剤、例えば、注射部位の疼痛を和らげるリグノカインを含み得る。一般に、それらの成分は、別々に供給されるか、または単位剤形として、例えば、乾燥凍結粉末もしくは水非含有濃縮物として、密閉された容器、例えば、活性な作用物質の量を表示しているアンプルもしくはサシェの中で共に混合される。結合体が、注入によって投与される場合、その結合体は、例えば、滅菌された薬学的グレードの水または食塩水が入った注入ボトルを用いて調剤され得る。結合体が、注射によって投与される場合、成分を投与前に混合できるように、注射用の滅菌水または食塩水のアンプルが提供され得る。
薬学的組成物は、通常、U.S.Food and Drug AdministrationのGood Manufacturing Practice(GMP)のすべての規制を全面順守して、滅菌された実質的に等張性であるように製剤化される。
リガンド薬物結合体を調製する方法
本明細書中に記載されるリガンド薬物結合体は、抗体、リンカーおよび薬物単位の連続的な構築において、または部分を組み立てた後のアセンブリ工程の完了による集中的な形式で、調製され得る。クルチウス転位またはクロラミン合成を用いることにより、本明細書中に記載される結合体のすべてに共通した特徴であるメチレンカルバメートリンカーが提供され得る。
スキーム5は、遊離薬物のアシルアジド誘導体のクルチウス転位を含む合成ストラテジーを図示しており、ここで、Dは、ヒドロキシル官能基を有し、その官能基の水素原子が、転位の結果として形成されるメチレンアルコキシカルバメート単位に組み込まれる、薬物単位であり、Z’は、ストレッチャー単位前駆体であり、LRは、リンカー単位の残りの部分(例えば、−Y(W)−Aまたは−Y−W−A−(ここで、Yは、カルバメート酸素に結合され、Aは、Z’に結合される))である。そのストラテジーは、アシルアジドを形成するためのアルキル化の多くの相補的な方法、例えば:ハロエステルアルキル化、ハロ酸アルキル化またはエチルジアゾアセテートもしくはメチルジアゾアセテートを用いた金属カルベン挿入として、複数のアルコールを含む薬物、または位置選択性を獲得するための手段として他のヘテロ原子を含む薬物に適用され得る。Doyle,M.ら、Modern Catalytic Methods for Organic Synthesis with Diazo Compounds;Wiley:New York,1998を参照のこと。次いで、そのアシルアジドを、少なくとも化学量論量のアルコール含有リンカー単位中間体、例えば、構造1.1(実施例を参照のこと)とともに加熱する。
N−クロロメチルアミンの合成は、N−クロロメチルアミンが、改変されていないアルコール含有薬物または他のヘテロ原子含有薬物(それらの使用は、スキーム5のアシルアジドを形成するために必要とされる条件と適合しない可能性がある)の導入を可能にするという点で、クルチウス転位に代わるものであり、反応性のN−クロロメチルアミン、例えば、構造1.5(実施例を参照のこと)との縮合によって進む。その方法は、例えばスキーム7によって示されるような、ある特定のタイプのメチレンカルバメート単位を導入するためにも、より適切である。
スキーム7は、式Ibのメチレンカルバメートを含む自壊性アセンブリ単位を有する本発明の例示的な薬物−リンカー化合物の合成を示している。p−ニトロ−フェニルカーボネートと環状アミノ(aminol)との反応により、カルバメートが得られ、次いで、それを、遊離薬物のチオール、ヒドロキシル、アミンまたはアミド官能基からの求核剤を用いて、アルキル化のためのクロロシクロアルキルアミン(chlorcycloalkylamine)に変換する。あるいは、そのカルバメートを、薬物部分の存在下において酸で処理して、示されている薬物−リンカー中間体を組み立てることもできる。そのアルキル化産物を脱保護した後、得られた遊離アミンと3−マレイミドプロピオン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステルとを縮合することより、コネクター単位に共有結合的に付着されたストレッチャー単位前駆体が導入され、ゆえに、式の薬物−リンカー化合物が得られる。次いで、得られた薬物−リンカー化合物を、チオール含有標的化リガンドと縮合することにより、−Y(W)−自壊性部分および式Ibのメチレンカルバメート単位を含む自壊性アセンブリ単位を有するリガンド薬物結合体が得られる。
メチレンカルバメート単位を有する薬物リンカー化合物およびリガンド薬物結合体(ここで、T*は、第1級脂肪族アミンの窒素ヘテロ原子または第2級脂肪族(環式または非環式)の置換されたヘテロ原子である)に対しては、スキーム6またはスキーム7によって提供される一般化された手順に従うクロルメチルアミンを用いた直接的なアルキル化は、遊離薬物のアミン官能基の窒素ヘテロ原子の過剰なまたは望まれない過アルキル化に起因して、適切でない可能性がある。それらの場合、スキーム8によって具体化される方法が使用され得る。
スキーム8では、式Iaのメチレンカルバメート単位に対するR置換基として塩基性単位(すなわち、ジメチルアミノエチル部分)をすでに有する中間体カルバメートを調製する。そのカルバメートの窒素を、ホルムアルデヒドと縮合し、得られた中間体を、脂肪族アミン含有薬物のアミン官能基でクエンチする。その縮合により、式Ia(式中、R1は水素であり、Rはジメチルアミノエチルである)の薬物単位に共有結合的に付着されたメチレンカルバメートが形成される。次いで、フェニルニトロ基を、実施例8の一般的な方法によって還元することにより、コネクター単位(A)およびストレッチャー単位前駆体(Z’)を連続的に導入するためのハンドルが提供される。
番号が付された実施形態
以下の実施形態は、本発明をさらに例証するものであり、いかなる方法によっても本発明を限定すると意図されていない。
1.リガンド単位、薬物単位およびリンカー単位を含むリガンド薬物結合体化合物であって、ここで、そのリンカー単位は、メチレンカルバメート単位および活性化可能な自壊性部分を有する自壊性(SI)アセンブリ単位を含み、ここで、そのメチレンカルバメート単位は、その薬物単位に共有結合的に付着され、その薬物単位に共有結合的に付着されたSIアセンブリ単位は、式SIの構造:
またはその薬学的に許容され得る塩によって表され、式中、波線は、そのリンカー単位の残りの部分への共有結合的付着を示し;Dは、そのメチレンカルバメート単位に組み込まれたヒドロキシル、チオール、アミンまたはアミド官能基を有する薬物単位であり;T*は、表示されているメチレンカルバメート単位に組み込まれる前記官能基の酸素、硫黄または必要に応じて置換される窒素ヘテロ原子であり;Xは、活性化可能な自壊性部分であり;R、R1およびR2は、独立して、水素、必要に応じて置換されるC1−C6アルキル、必要に応じて置換されるC6−14アリールまたは必要に応じて置換されるC結合型C3−C8ヘテロアリールであるか、またはRとR1の両方が、それらが付着している窒素および炭素原子と一体となって、アゼチジニル、ピロロジニル、ピペリジニルまたはホモピペリジニル部分を構成し、R2は、水素である、リガンド薬物結合体化合物。
2.薬物単位に共有結合的に付着されたSIアセンブリ単位が、式SIaもしくはSIbの構造:
またはその薬学的に許容され得る塩によって表され、式中、sは、0、1、2または3である、実施形態1に記載のリガンド薬物結合体化合物。
3.RおよびR1が、独立して、水素、必要に応じて置換されるC1−C6アルキルまたは必要に応じて置換されるC6−14アリールから選択され;下付き文字sが、0、1または2である、請求項2に記載のリガンド薬物結合体化合物。
4.式II:
またはその薬学的に許容され得る塩を有する、実施形態1に記載のリガンド薬物結合体化合物であって、式中、Lは、リガンド単位であり;Zは、ストレッチャー単位であり;Bは、随意の分枝単位であって、tが1より大きいとき存在し、tが1であるとき存在せず;Aは、随意のコネクター単位であり;下付き文字tは、1〜4の範囲であり;下付き文字pは、1〜16の範囲の整数である、実施形態1に記載のリガンド薬物結合体化合物。
5.式IIaもしくはIIb:
またはその薬学的に許容され得る塩を有し、式中、sは、0、1、2または3である、実施形態4に記載のリガンド薬物結合体化合物。
6.RおよびR1が、独立して、水素、必要に応じて置換されるC1−C6アルキルまたは必要に応じて置換されるC6−14アリールから選択され、下付き文字sが、0、1または2である、実施形態4に記載のリガンド薬物結合体化合物。
7.RおよびR1が、独立して、水素、必要に応じて置換されるC1−C6アルキルまたは必要に応じて置換されるC6−14アリールから選択され;下付き文字sが、0、1または2である、実施形態5に記載のリガンド薬物結合体化合物。
8.R1が置換されない、実施形態4〜7のいずれか1つに記載のリガンド薬物結合体化合物。
9.R1およびR2が置換されない、実施形態4〜7のいずれか1つに記載のリガンド薬物結合体化合物。
10.R、R1およびR2が置換されない、実施形態4または5に記載のリガンド薬物結合体化合物。
11.随意の置換基が、独立して、−X、−Rop、−OH、−ORop、−SRop、−N(Rop)2、−N(Rop)3、=NRop、−CX3、−CN、−NO2、−NRopC(=O)Rop、−C(=O)Rop、−C(=O)N(Rop)2、−S(=O)2Rop、−S(=O)2NRop、−S(=O)Rop、−OP(=O)(ORop)2、−P(=O)(ORop)2、−PO3 =、PO3H2、−C(=O)Rop、−C(=S)Rop、−CO2Rop、−CO2 −、−C(=S)ORop、−C(=O)SRop、−C(=S)SRop、−C(=O)N(Rop)2、−C(=S)N(Rop)2および−C(=NRop)N(Rop)2からなる群より選択され、ここで、各Xは、独立して、ハロゲン:−F、−Cl、−Brおよび−Iからなる群より選択され;各Ropは、独立して、水素、−C1−C20アルキル、−C6−C20アリール、−C3−C14複素環、保護基およびプロドラッグ部分からなる群より選択される、実施形態4〜9のいずれか1つに記載のリガンド薬物結合体化合物。
12.随意の置換基が、−X、−Rop、−OH、−ORop、−SRop、−N(Rop)2、N(Rop)3、=NRop、−NRopC(=O)Rop、−C(=O)Rop、−C(=O)N(Rop)2、−S(=O)2Rop、−S(=O)2NRop、−S(=O)Rop、−C(=O)Rop、−C(=S)Rop、−C(=O)N(Rop)2、−C(=S)N(Rop)2および−C(=NRop)N(Rop)2からなる群より選択され、ここで、各Xは、−Fおよび−Clからなる群より選択され;各Ropは、独立して、水素、−C1−C20アルキル、−C6−C20アリール、−C3−C14複素環、保護基およびプロドラッグ部分からなる群より選択される、実施形態11に記載のリガンド薬物結合体化合物。
13.随意の置換基が、−X、−Rop、−OH、−ORop、−N(Rop)2、−N(Rop)3、−NRopC(=O)Rop、−C(=O)N(Rop)2、−S(=O)2Rop、−S(=O)2NRop、−S(=O)Rop、−C(=O)Rop、−C(=O)N(Rop)2および−C(=NRop)N(Rop)2からなる群より選択され、ここで、Xは、−Fである、実施形態11に記載のリガンド薬物結合体化合物。
14.随意の置換基が、−N(Rop)2、N(Rop)3および−C(=NR)N(Rop)2からなる群より選択される、実施形態11に記載のリガンド薬物結合体化合物。
15.Rが、塩基性基で必要に応じて置換されるC1−6アルキルである、実施形態1〜9のいずれか1つに記載のリガンド薬物結合体化合物。
16.Rが、塩基性基で必要に応じて置換される飽和C1−6アルキルである、実施形態1〜9のいずれか1つの請求項に記載のリガンド薬物結合体化合物。
17.Rが、塩基性単位であり、その塩基性単位の塩基性官能基が、アミン、またはC結合型もしくはN結合型であって必要に応じて置換され得る3、4、5もしくは6員の窒素含有複素環である、実施形態1〜9のいずれか1つに記載のリガンド薬物結合体化合物。
18.Rが、塩基性単位であり、その塩基性単位の塩基性官能基が、−N(Rop)2であり、Ropが、独立して、水素およびC1−6アルキルからなる群より選択される、実施形態17に記載のリガンド薬物結合体化合物。
19.Rが、塩基性単位であり、その塩基性単位の塩基性官能基が、−N(Rop)2であり、Ropが、独立して、水素およびメチルからなる群より選択される、実施形態17に記載のリガンド薬物結合体化合物。
20.Rが、塩基性単位であり、その塩基性単位の塩基性官能基が、−N(Rop)2であり、各Ropが、メチルである、実施形態17に記載のリガンド薬物結合体化合物。
21.Rが、塩基性単位であり、その塩基性単位が、−CH2CH2N(Rop)2であり、Ropが、独立して、水素およびメチルからなる群より選択される、実施形態17に記載のリガンド薬物結合体化合物。
22.R1が、水素である、実施形態15〜21のいずれか1つに記載のリガンド薬物結合体化合物。
23.Dが、メチレンカルバメート単位に組み込まれたヒドロキシル官能基を有する薬物に対応する薬物単位であり、T*が、その官能基の酸素ヘテロ原子である、実施形態1〜22のいずれか1つに記載のリガンド薬物結合体化合物。
24.Dが、脂肪族アルコール含有薬物に対応する薬物単位であり、ここで、結合体内のDの付着は、その脂肪族アルコールのヒドロキシル官能基の酸素ヘテロ原子を介し、T*は、その官能基の酸素原子である、実施形態23に記載のリガンド薬物結合体化合物。
25.Dが、芳香族アルコール含有薬物に対応する薬物単位であり、結合体内のDの付着は、その芳香族アルコールの酸素原子を介し、T*は、その官能基の酸素原子である、実施形態23に記載のリガンド薬物結合体化合物。
26.芳香族アルコールが、フェノールアルコールではない、実施形態25に記載のリガンド薬物結合体化合物。
27.Bが存在せず、下付き文字tが1である、実施形態4〜26のいずれか1つに記載のリガンド薬物結合体化合物。
28.リンカー単位内の表示されている活性化可能な自壊性部分(X)である構造が、式(i)
によって表され、式中、波線(way line)は、Aおよび/またはBの有無に応じて、WとA、BまたはZとの共有結合的付着を示し、アステリスク(*)は、Yとメチレンカルバメート単位との共有結合的付着を示し;Wは、活性化単位であり;Yは、自壊性スペーサー単位であり、Yの自壊の活性化によって、遊離薬物が放出される、実施形態4〜27のいずれか1つに記載のリガンド薬物結合体化合物。
29.Yの自壊のための活性化が、WとYとの間の共有結合の酵素的切断によるものである、実施形態28に記載のリガンド薬物結合体化合物。
30.酵素的切断が、腫瘍関連プロテアーゼによるものである、実施形態29に記載のリガンド薬物結合体化合物。
31.腫瘍関連プロテアーゼが、カテプシンBである、実施形態30に記載のリガンド薬物結合体化合物。
32.Wが、−Val−Cit−、−Phe−Lys−または−Val−Ala−である、実施形態30に記載のリガンド薬物結合体化合物。
33.−W−Y−が、以下の構造:
によって表され、ここで、Wの窒素に対する波状結合は、Aおよび/またはBの有無に応じてZ、AまたはBへの共有結合的連結を示し、ハッシュマーク(#)は、Yのベンジル炭素とメチレンカルバメート単位との共有結合的付着を示す、実施形態30に記載のリガンド薬物結合体化合物。
34.リンカー単位内の表示されている活性化可能な自壊性部分(X)である構造が、式(ii):
によって表され、式中、波線は、Aおよび/またはBの有無に応じてYとA、BまたはZとの共有結合的付着を示し、アステリスク(*)は、Yとメチレンカルバメート部分との共有結合的付着を示し;Wは、活性化単位であり;Yは、自壊性スペーサー単位であり、Yの自壊の活性化によって、遊離薬物が放出される、実施形態4〜27のいずれか1つに記載のリガンド薬物結合体化合物。
35.Yの自壊のための活性化が、WとYとの間の共有結合の酵素的切断によるものであり、酵素的切断が、グリコシダーゼによるものである、実施形態34に記載のリガンド薬物結合体化合物。
36.グリコシダーゼが、グルクロニダーゼである、実施形態35に記載のリガンド薬物結合体化合物。
37.Wが、Yの自壊の活性化のためにグリコシダーゼによって切断することができるグリコシド結合を介してYに接続された糖部分である、実施形態35に記載のリガンド薬物結合体化合物。
38.−Y(W)−が、以下の構造:
によって表され、ここで、Yの窒素に隣接する波状結合は、Aおよび/またはBの有無に応じてYとZ、AまたはBとの共有結合的付着を示し、ハッシュマーク(#)は、Yのベンジル炭素とメチレンカルバメート単位との共有結合的付着を示す、実施形態33に記載のリガンド薬物結合体化合物。
39.ストレッチャー単位(Z)が、スクシンイミド部分または酸アミド部分を含み、ここで、その部分は、そのリガンド単位の硫黄原子に付着される、実施形態4〜38のいずれか1つに記載のリガンド薬物結合体化合物。
40.ストレッチャー単位(Z)が、スクシンイミド部分を含み、式Xa’の構造:
によって表され、式中、スクシンイミド環系に隣接する波線は、リガンド単位の硫黄原子への共有結合的付着を示し;カルボニルに隣接する波線は、リンカー内の付着を示し;RNは、−C2−C5アルキレンであり、そのアルキレンは、塩基性単位(BU)によって必要に応じて置換され、BUは、−(CH2)xNH2、−(CH2)xNHRopまたは−(CH2)xN(Rop)2であり、xは、1〜4の範囲の整数であり;Ropは、C1−6アルキルである、実施形態39に記載のリガンド薬物結合体化合物。
41.ストレッチャー単位(Z)が、スクシンイミド部分を含み、構造:
によって表され、ここで、スクシンイミド環系に隣接する波線は、リガンド単位の硫黄原子への共有結合的付着を示し、カルボニルに隣接する波線は、リンカー内の付着を示す、実施形態39に記載のリガンド薬物結合体化合物。
42.ストレッチャー単位(Z)が、スクシンイミド部分または酸アミド部分を含み、以下の構造:
によって表される、実施形態39に記載のリガンド薬物結合体化合物。
43.コネクター単位(A)が存在する、実施形態2〜42のいずれか1つに記載のリガンド薬物結合体化合物。
44.Aが:
であり、ここで、カルボニルに隣接する波線は、自壊性アセンブリ単位の活性化可能な自壊性部分Xへの共有結合的付着を示し、他方の波線は、Bが存在する場合はBへの付着、またはBが存在しない場合はZへの付着を示し;R13は、−C1−C6アルキレン−、−C3−C8カルボシクロ−、−アリーレン−、−C1−C10ヘテロアルキレン−、−C3−C8ヘテロシクロ−、−C1−C10アルキレン−アリーレン−、−アリーレン−C1−C10アルキレン−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8カルボシクロ)−、−(C3−C8カルボシクロ)−C1−C10アルキレン−、−C1−C10アルキレン−(C3−C8ヘテロシクロ)−または−(C3−C8ヘテロシクロ)−C1−C10アルキレン−である、実施形態43に記載のリガンド薬物結合体化合物。
45.Aが、式
を有する、実施形態44に記載のリガンド薬物結合体化合物。
46.Aが存在しない、実施形態4〜42のいずれか1つに記載のリガンド薬物結合体化合物。
47.pが、1〜10の範囲である、実施形態4〜46のいずれか1つに記載のリガンド薬物結合体化合物。
48.pが、1〜8の範囲である、実施形態4〜46のいずれか1つに記載のリガンド薬物結合体化合物。
49.リガンド単位が、標的化抗体に対応する、実施形態1〜48のいずれか1つに記載のリガンド薬物結合体化合物。
50.薬物−リンカー化合物であって、その化合物は、薬物単位およびリンカー単位を含み、そのリンカー単位は、メチレンカルバメート単位および活性化可能な自壊性部分を有する自壊性アセンブリ単位を含み、その薬物単位は、そのメチレンカルバメート単位に共有結合的に付着され、その薬物−リンカー化合物は、式Vの構造:
またはその薬学的に許容され得る塩を有し;式中、Dは、表示されているメチレンカルバメート単位に組み込まれたヒドロキシル、チオール、アミンまたはアミド官能基を有する薬物単位であり;T*は、表示されているメチレンカルバメート単位に組み込まれる前記官能基の酸素、硫黄または必要に応じて置換される窒素ヘテロ原子であり;R、R1およびR2は、独立して、水素、必要に応じて置換されるC1−C6アルキル、必要に応じて置換されるC6−14アリールまたは必要に応じて置換されるC結合型C3−C8ヘテロアリールであるか、またはRとR1の両方は、それらが付着している窒素および炭素原子と一体となって、アゼチジニル、ピロロジニル、ピペリジニルまたはホモピペリジニル部分(好ましくは、ピロロジニルまたはピペリジニル部分)を構成し、R2は、水素であり;Xは、活性化可能な自壊性部分であり;Z’は、ストレッチャー単位(Z)に対するストレッチャー単位前駆体であって、リガンド単位とZとの共有結合的付着を提供する官能基を含み;Bは、tが1より大きいとき存在し、tが1であるとき存在しない、随意の分枝単位であり;Aは、随意のコネクター単位であり;下付き文字tは、1〜4の範囲である、薬物−リンカー化合物。
51.Dが、自壊性アセンブリ単位のメチレンカルバメート単位に組み込まれたヒドロキシル官能基を有する薬物に対応する薬物単位であり;T*が、その官能基の酸素原子である、実施形態50に記載の薬物−リンカー化合物。
52.Xが、−Y(W)−であり、ここで、−Y(W)−は、以下の構造:
によって表され、ここで、Yの窒素に隣接する波状結合は、Aおよび/またはBの有無に応じてZ’、AまたはBへの共有結合的付着を示し、ハッシュマーク(#)は、Yのベンジル炭素とそのメチレンカルバメート単位との共有結合的付着を示す、実施形態50または51に記載の薬物−リンカー化合物。
53.Xが、−W−Yであり、ここで、−W−Y−は、以下の構造:
によって表され、ここで、Wの窒素ヘテロ原子に隣接する波状結合は、Aおよび/またはBの有無に応じてWとZ’、AまたはBとの共有結合的付着を示し、ハッシュマーク(#)は、Yのベンジル炭素とそのメチレンカルバメート単位との共有結合的付着を示す、実施形態50または51に記載の薬物−リンカー化合物。
54.Z’が、マレイミド部分を含む、実施形態50〜53のいずれか1つに記載の薬物−リンカー化合物。
55.Z’が、式:
を有し、式中、カルボニルに隣接する波線は、Aおよび/またはBの有無に応じてZ’とA、BまたはXとの共有結合的付着を示す、実施形態54に記載の薬物−リンカー化合物。
56.Aが、存在し、式
を有する、請求項50〜55のいずれか1つに記載の薬物−リンカー化合物。
57.Bが存在せず、tが1である、実施形態50〜56のいずれか1つに記載の薬物−リンカー化合物。
58.Bが存在し、tが2である、実施形態50〜56のいずれか1つに記載の薬物−リンカー化合物。
59.複数の結合体化合物であって、その各々は、請求項1〜49のいずれか1項に記載のリガンド薬物結合体化合物の構造を有し、その結合体化合物は、それらのpの整数値によって区別される、複数の結合体化合物;および薬学的に許容され得るキャリアを含む、リガンド薬物結合体組成物。
60.リガンド単位1つあたり2〜10個の薬物−リンカーという平均値が存在する、実施形態59に記載のリガンド薬物結合体組成物。
61.リガンド単位1つあたり2〜8個の薬物−リンカーという平均値が存在する、実施形態59に記載のリガンド薬物結合体組成物。
62.薬物単位が、ヒドロキシル官能基を有する化合物の構造に対応し、その官能基の酸素ヘテロ原子は、メチレンカルバメート単位への組み込みが可能であり、その化合物は、FKBPに結合して、mTORまたはカルシニューリンのエフェクター機能を阻害する、実施形態1〜49のいずれか1つに記載のリガンド薬物結合体化合物、請求項50〜58のいずれか1項に記載の薬物−リンカー化合物または請求項59〜61のいずれか1項に記載のリガンド薬物結合体組成物。
63.FKBPに結合する化合物が、エベロリムス、タクロリムスまたはシロリムスである、実施形態62に記載のリガンド薬物結合体化合物、薬物−リンカー化合物またはリガンド薬物結合体組成物。
64.化合物または組成物が、以下の構造:
を有し、ここで、Ab−S−部分は、標的化抗体からのリガンド単位であり;Rは、水素、エチルまたは−CH2CH2N(CH3)2であり;pは、1〜20、1〜16または1〜8の範囲である、実施形態62に記載のリガンド薬物結合体化合物、薬物−リンカー化合物またはリガンド薬物結合体組成物。
65.化合物または組成物が、以下の構造:
を有し、ここで、Ab−S−部分は、標的化抗体からのリガンド単位であり;Rは、水素、エチルまたは−CH2CH2N(CH3)2であり;pは、1〜20、1〜16または1〜8の範囲である、実施形態62に記載のリガンド薬物結合体化合物、薬物−リンカー化合物またはリガンド薬物結合体組成物。
66.化合物または組成物が、以下の構造:
を有し、ここで、Ab−S−部分は、標的化抗体からのリガンド単位であり;Rは、水素、エチルまたは−CH2CH2N(CH3)2であり;pは、1〜20、1〜16または1〜8の範囲である、実施形態62に記載のリガンド薬物結合体化合物、薬物−リンカー化合物またはリガンド薬物結合体組成物。
67.薬物単位が、ヒドロキシル官能基を有するアウリスタチンの構造に対応し、その官能基の酸素ヘテロ原子は、メチレンカルバメート単位への組み込みが可能であり、その化合物は、チューブリンに結合して、チューブリンの機能を破壊する、実施形態1〜49のいずれか1つに記載のリガンド薬物結合体化合物、実施形態50〜58のいずれか1つに記載の薬物−リンカー化合物または実施形態59〜61のいずれか1つに記載のリガンド薬物結合体組成物。
68.アウリスタチンが、MMAEまたはアウリスタチンTである、実施形態67に記載のリガンド薬物結合体化合物、薬物−リンカー化合物またはリガンド薬物結合体組成物。
69.癌または自己免疫疾患を処置する方法であって、その方法は、それを必要とする被験体に、有効量の実施形態1〜49のいずれか1つに記載のリガンド薬物結合体または実施形態59のいずれか1つに記載のリガンド薬物結合体組成物を投与する工程を含む、方法。
70.以下の構造
を有する薬物−リンカー化合物を調製する方法であって、前記方法は:以下の構造:
を有する改変された遊離薬物を、Z’−A−X’−OHによって表される中間体リンカー部分と、クルチウス転位を介して、表示されているMAC単位を提供するのに十分な条件下で接触させる工程を含み、ここで、Dは、そのMACに組み込まれたヒドロキシル官能基を有する薬物単位であり、そのMACの酸素ヘテロ原子は、O*によって指定され;Z’は、リガンド薬物結合体におけるストレッチャー単位(Z)に対するストレッチャー単位前駆体であり、標的化リガンドへの結合体化が可能な官能基を含み;Aは、随意のコネクター単位であり;Xは、活性化可能な自壊性部分であり;X’は、Xに対する自壊性部分前駆体であって、そのクルチウス転位に関与するヒドロキシル官能基を有し;Rは、水素であり;R1は、水素、または必要とされるとき好適な保護で必要に応じて置換される、C1−C6アルキル、C6−C14アリールもしくはC結合型ヘテロアリールである、方法。
71.薬物−リンカー化合物の中間体を調製する方法であって、ここで、その中間体は、以下の構造
を有し、前記方法は:以下の構造:
を有する改変された遊離薬物を、A’−X−OHによって表される自壊性中間体と、クルチウス転位を介して、表示されているMAC単位を提供するのに十分な条件下で接触させる工程を含み、ここで、Dは、そのMACに組み込まれたヒドロキシル官能基を有する薬物単位であり、そのMACの酸素ヘテロ原子は、O*によって指定され;A’は、コネクター単位(A)に対するコネクター単位前駆体であり、その薬物−リンカー化合物のリンカー単位の残りの部分と結合を形成するための官能基を含み;Xは、活性化可能な自壊性部分であり;Rは、水素であり;R1は、水素、または必要とされるとき好適な保護で必要に応じて置換される、C1−C6アルキル、C6−C14アリールもしくはC結合型ヘテロアリールである、方法。
72.薬物−リンカー化合物を調製する方法であって、ここで、その化合物は、以下の構造
を有し、前記方法は:遊離ヒドロキシル官能基を有する薬物を、以下の構造:
を有するN−クロロメチルアミンと、前記遊離薬物官能基の酸素ヘテロ原子による塩素原子の置換にとって十分な条件下で接触させる工程を含み、ここで、Z’は、その薬物−リンカー化合物のストレッチャー単位(Z)に対するストレッチャー単位前駆体であり、標的化リガンドの付着のための官能基を含み;Aは、随意のコネクター単位であり;Xは、活性化可能な自壊性部分であり;Rは、水素、または好適な保護で必要に応じて置換される、C1−C6アルキル、C6−C14アリールもしくはC結合型ヘテロアリールであり;R1は、水素、または必要とされるとき好適な保護で必要に応じて置換される、C1−C6アルキル、C6−C14アリールもしくはC結合型ヘテロアリールであるか、またはRおよびR1は、それらが付着している窒素および炭素原子と一体となって、ピロロジニルまたはピペリジニル部分を構成する、方法。
73.薬物−リンカー化合物の中間体を調製する方法であって、ここで、その中間体は、以下の構造
を有し、前記方法は:遊離ヒドロキシル官能基を有する薬物を、以下の構造:
を有するN−クロロメチルアミンと、前記遊離薬物官能基の酸素ヘテロ原子による塩素原子の置換にとって十分な条件下で接触させる工程を含み、ここで、Z’は、その薬物−リンカー化合物のストレッチャー単位(Z)に対するストレッチャー単位前駆体であり、標的化リガンドの付着のための官能基を含み;A’は、コネクター単位(A)に対するコネクター単位前駆体であり、その薬物−リンカー化合物のリンカー単位の残りの部分と結合を形成するための官能基を含み;Xは、活性化可能な自壊性部分であり;Rは、水素、または好適な保護で必要に応じて置換される、C1−C6アルキル、C6−C14アリールもしくはC結合型ヘテロアリールであり;R1は、水素、または必要とされるとき好適な保護で必要に応じて置換される、C1−C6アルキル、C6−C14アリールもしくはC結合型ヘテロアリールであるか、またはRおよびR1は、それらが付着している窒素および炭素原子と一体となって、ピロロジニルまたはピペリジニル部分を構成する、方法。
要旨:
実施例1および2では、式Ia’のメチレンアルコキシカルバメート単位に共有結合的に付着された薬物単位(D)を有する薬物−リンカー化合物の代替の調製法を説明し、ここで、その薬物単位は、アウリスタチンE由来のものである。結果として生じる薬物−リンカー化合物は、式V’の一般化された構造:
を有し、式中、RおよびR’は、水素であり、活性化可能な部分Xは、−Y(W)−であり、−Y(W)−は、式XVIdの構造:
を有し、式中、自壊性スペーサー単位(Y)の窒素ヘテロ原子に対する波線は、コネクター単位(A)への共有結合的付着を示し、ハッシュマーク(#)は、Yのベンジル炭素とMAC単位との共有結合的付着を示し、O*は、遊離薬物のヒドロキシル官能基の酸素ヘテロ原子である。
実施例3、4および5では、薬物−リンカー化合物の合成を説明し、ここで、それらの薬物単位は、それぞれトリプトリド(triptolide)、エベロリムスおよびタクロリムス(FK−506)由来のものであり、遊離薬物のヒドロキシル官能基が、結合体化において使用され、その酸素ヘテロ原子が、式Ia’のMAC単位に組み込まれる。それらの薬物のうちの2つ(タクロリムスおよびトリプトリド)について、ヒドロキシル官能基は、立体障害された第2級ヒドロキシル官能基である。
実施例6では、式Iaのメチレンカルバメート単位に共有結合的に付着された薬物単位(D)を有する薬物−リンカー化合物の合成を説明し、ここで、その薬物単位は、テトラヒドロキノリン含有化合物(BMN−673)に由来するものである。結果として生じる薬物−リンカー化合物は、式Vの一般化された構造:
を有し、式中、RおよびR’は、水素であり、活性化可能な部分Xは、式XVIdの構造を有する−Y(W)−であり、T*は、メチレンカルバメート単位に組み込まれたBMN−673のテトラヒドロキノリン環系におけるアミン官能基の環化窒素ヘテロ原子(−NH−)である。この実施例では、アミン含有薬物の結合体化のための使用に適合されたMAC単位のバリアントが示され、この場合、T*は、環状アニリン窒素である。
実施例7では、モデル自壊性アセンブリ単位(各々が、チオール含有薬物、第1級、第2級および第3級脂肪族アルコール含有薬物、ならびにフェノールアルコール含有薬物に対するモデル薬物化合物に対応する薬物単位に共有結合的に付着されたMAC単位およびそのバリアントを含む)の調製を説明し、ここで、各自壊性アセンブリ単位は、自壊性アセンブリ単位内の自壊の惹起後、モデル薬物化合物を放出することができる。
実施例8では、モデルリガンド薬物結合体における薬物−リンカー部分の自壊性アセンブリ単位におけるMAC単位およびそれらのバリアントの自然加水分解に対するインビトロ安定性、ならびにMAC単位のカルバメート窒素につながれた塩基性単位に起因するpH7.0における半減期の予想外の延長を説明する。
実施例9では、N−アセチルシステイン(NAC)結合体のインビトロ安定性を説明し、ここで、そのN−アセチルシステイニル部分は、そのメチレンカルバメート単位の自然加水分解に対するリガンド単位の代用物である。
実施例10では、メチレンカルバメート単位の自然加水分解に対するADCのエキソビボ安定性を説明する。
実施例11では、MAC単位またはそのバリアントを含む自壊性アセンブリ単位を有するNAC結合体からの、その単位のグルクロニダーゼ活性化の後の、チオール含有薬物、第1級、第2級および第3級脂肪族アルコール含有薬物ならびに芳香族アルコール含有薬物に対する薬物またはモデル化合物の放出を説明する。
実施例12では、自壊性アセンブリ単位を含むNAC結合体の薬物単位に共有結合的に付着されたメチレンカルバメート単位を含む自壊性アセンブリ単位内の自壊を惹起する条件的活性化の際のテトラヒドロキノリン含有化合物(BMN−673)の効率的な放出を説明し、その化合物の芳香族アミン窒素は、これらのメチレンカルバメート単位の必要に応じて置換される窒素ヘテロ原子に対応する。
実施例13では、抗体リガンド単位によって標的化される癌細胞に対する抗体薬物結合体の細胞傷害性を説明し、その抗体リガンド単位の各々は、細胞傷害性遊離薬物を条件付きで放出するMAC単位を有する。
全般的な情報:
以下の情報は、別段示されない限り、この項に記載されている合成手順に適用できる。すべての商業的に入手可能な無水溶媒を、さらに精製することなく使用した。分析用薄層クロマトグラフィーを、シリカゲル60 F254アルミニウムシート(EMD Chemicals,Gibbstown,NJ)において行った。円形クロマトグラフィーを、ChromatotronTM装置(Harris Research,Palo Alto,CA)において行った。カラムクロマトグラフィーを、Biotage Isolera OneTMフラッシュ精製システム(Charlotte,NC)において行った。分析用HPLCを、Varian ProStar 330 PDA検出器とともに構成されたVarian ProStarTM210溶媒送達系において行った。サンプルをC12 Phenomenex SynergiTM2.0×150mm,4μm,80Å逆相カラムにおいて溶出した。酸性移動相は、アセトニトリルおよび水からなり、その両方が0.05%トリフルオロ酢酸または0.1%ギ酸のいずれかを含んだ。化合物を、注入の1分後の5%から11分後の95%までの酸性アセトニトリルの直線勾配の後、15分後まで均一濃度の95%アセトニトリルで溶出した(流速=1.0mL/分)。LC−MSを、Waters 2996 Photodiode Array DetectorとともにC12 Phenomenex Synergi 2.0×150mm,4μm,80Å逆相カラムを備えたWaters 2695 Separations Moduleに接続されたWaters XevoTM G2 Tof質量分析計において行った。酸性溶離剤は、10分間にわたる、0.1%ギ酸水溶液における5%から95%までのアセトニトリルの直線勾配の後の、5分間にわたる均一濃度の95%アセトニトリルからなった(流速=0.4mL/分)。UPLC−MSを、Acquity UPLC BEH C18 2.1×50mm,1.7μm逆相カラムを備えたAcquity Ultra PerformanceTM LCに接続されたWaters SQ質量検出器において行った。酸性移動相(0.1%ギ酸)は、3%アセトニトリル/97%水から100%アセトニトリルまでのグラジエントからなった(別段示されない限り、流速=0.5mL/分)。分取HPLCを、Varian ProStar330PDA検出器とともに構成されたVarian ProStar210溶媒送達システムにおいて行った。生成物を、0.1%のトリフルオロ酢酸の水溶液(溶媒A)および0.1%のトリフルオロ酢酸のアセトニトリル溶液(溶媒B)で溶出するC12 Phenomenex Synergi 10.0×250mm,4μm,80Å逆相カラムにおいて精製した。この精製方法は、以下の溶媒Aと溶媒Bとのグラジエントからなった:0〜5分の90:10;5分〜80分の90:10〜10:90;その後の5分間の均一濃度の10:90。流速は、4.6mL/分であり、254nmでモニターした。
実施例1:クルチウス転位を用いた、MACリンカーを含むアウリスタチンE薬物−リンカー化合物の合成
クルチウス転位を介した(2S,3R,4S,5S,6S)−6−(2−(3−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)プロパンアミド)−4−((7S,8R,11R,12R)−12−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−8,11−ジメチル−3,10−ジオキソ−7−フェニル−2,6,13−トリオキサ−4,9−ジアザテトラデシル)フェノキシ)−5−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2,3,4−トリイルトリアセテート(1.2)の合成
RTのDMF(250μmol)中の、対応する遊離アウリスタチンアルコール(1.1の合成については、Jeffreyら、Org.Lett.(2010)12:277を参照のこと)から合成されたアジドケトン1.0(30mg,37μmol)に、1.1(90mg,120μmol)をその溶液に加えた後、5μLのジブチルスズジラウレートを加えた。次いで、その反応混合物を60℃で1時間撹拌したところ、その時点において、LC/MSは、反応が完了したことを示した。続いて、その反応物を分取(preparatory)HPLC(グラジエント5〜95アセトニトリル/水0.05%TFA)で直接精製することにより、22mgの1.2を得た。C80H110N8O22に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値1535.77、実測値1535.80。
(2S,3S,4S,5R,6R)−2−(4−((7S,8R,11R,12R)−12−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−8,11−ジメチル−3,10−ジオキソ−7−フェニル−2,6,13−トリオキサ−4,9−ジアザテトラデシル)−2−(3−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)プロパンアミド)フェノキシ)−4,5,6−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−3−カルボン酸(1.3)の合成:
1.2(15mg,10μmol)のMeOH:水1:1溶液に、LiOH(5mg)を加えた。得られた反応混合物をRTで10分間激しく撹拌したところ、その時点において、LC/MSは、反応が完了したことを示した。次いで、その反応混合物を分取HPLC(グラジエント5〜95アセトニトリル/水0.05%TFA)で直接精製することにより、8mgの脱保護された1.2を得た。続いて、DMF(100μL)を、8mgの脱保護された1.2を含むバイアルに加えた後、20μLのヒューニッヒ塩基および10mg(40mmol)の3−マレイミドプロピオン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステルを加えた。次いで、その反応物をRTで10分間撹拌したところ、その時点において、LC/MSは、反応が完了したことを示した。その後、その反応物を分取HPLC(グラジエント5〜95アセトニトリル/水0.05%TFA)で直接精製することにより、7mgの1.3を得た。60収率。C65H97N9O20に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値1324.68、実測値1324.60。
実施例2:N−クロルメチルアミンの合成を介した、MACリンカーを含むアウリスタチンE薬物−リンカー化合物の合成
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(4−((((クロロメチル)(エチル)カルバモイル)オキシ)メチル)−2−ニトロフェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(1.5)の合成:
DCM(4mL)中の1.4(400mg,0.36mmol)(1.4の調製については、Bossletら、1998,J.Med.Chem.41:3572を参照のこと)の溶液に、パラホルムアルデヒド(32mg,0.54mmol)およびTMSCl(0.212mL,1.1mmol)を加えた。その反応物を、希釈剤としてメタノールを使用し、LC/MSによってメタノール付加物の形成を追跡することによってモニターしながらRTでさらに2時間撹拌した。続いて、その反応物を濾過し、真空中で乾燥したところ、450mgの粗1.5が得られ、次いでそれをさらに精製することなくその後の反応において使用した(Barnesら、2009,Org.Lett.11:273の手順を参照のこと)。メタノール付加物C25H32N2O15に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値601.18、実測値601.21。
N−クロロメチルアミン置換を介した(2R,3S,4R,5R,6R)−2−(4−((7S,8R,11R,12R)−12−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−4−エチル−8,11−ジメチル−3,10−ジオキソ−7−フェニル−2,6,13−トリオキサ−4,9−ジアザテトラデシル)−2−ニトロフェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(1.7)の合成:
DCM(300μL)中の1.5(60mg,100μmol)の溶液に、1.6(110mg,150μmol)およびヒューニッヒ塩基(50μL)を加えた。その反応物をRTでさらに90分間撹拌したところ、その時点において、LC/MSは、反応が完了したことを示した。次いで、その反応物を分取HPLC(グラジエント5〜95アセトニトリル/水0.05%TFA)で直接精製することにより、45mgの1.7を得た。C64H97N7O21に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値1300.67、実測値1300.71。
(2R,3S,4R,5R,6R)−2−(2−アミノ−4−((7S,8R,11R,12R)−12−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−4−エチル−8,11−ジメチル−3,10−ジオキソ−7−フェニル−2,6,13−トリオキサ−4,9−ジアザテトラデシル)フェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(1.8)の合成:
RTのMeOH(200μL)中の1.7(10mg,6μmol)に、サマリウム金属(10mg,66μmol)および塩化アンモニウム(10mg,100μmol)を加えた。その反応混合物を10分間超音波処理したところ、その時点において、LC/MSは、反応が完了したことを示した。次いで、その反応物にヒューニッヒ塩基(50μL)を加え、続いてそれをフリット漏斗で濾過した。次いで、その反応混合物を水に溶かし、分取HPLC(グラジエント5〜95アセトニトリル/水0.05%TFA)で精製することにより、22mgの1.8を得た。C64H99N7O19に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値1448.75、実測値1448.71。
(2R,3S,4R,5R,6R)−2−(2−アミノ−4−((7S,8R,11R,12R)−12−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−4−エチル−8,11−ジメチル−3,10−ジオキソ−7−フェニル−2,6,13−トリオキサ−4,9−ジアザテトラデシル)フェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(1.9)の合成
撹拌子を備えた1ドラムバイアルに、100μLのDCMを加えた後、5mg(4.0μmol)の1.8、Fmocβ−アラニン(3mg,14μmol)および5mg(21μmol)のN−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリンを加えた。次いで、その反応混合物をRTで3時間撹拌したところ、その時点において、LC/MSは、反応が完了したことを示した。その反応物を分取HPLC(グラジエント5〜95アセトニトリル/水0.05%TFA)で直接精製することにより、5mgの1.9を得た。83%。C82H114N8O22に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値1563.80、実測値1563.84。
(2R,3R,4R,5S,6R)−6−(4−((7S,8R,11R,12R)−12−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−4−エチル−8,11−ジメチル−3,10−ジオキソ−7−フェニル−2,6,13−トリオキサ−4,9−ジアザテトラデシル)−2−(3−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)プロパンアミド)フェノキシ)−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸(2.0)の合成
1.9(5mg,3μmol)のMeOH:水1:1溶液に、LiOH(5mg)を加えた。次いで、得られた反応混合物をRTで10分間激しく撹拌したところ、その時点において、LC/MSは、反応が完了したことを示した。続いて、その反応混合物を分取HPLC(グラジエント5〜95アセトニトリル/水0.05%TFA)で直接精製することにより、4mgの脱保護された1.9を得た。DMF(100μL)を、4mgの脱保護された1.9を含むバイアルに加えた後、ヒューニッヒ塩基(20μL)および3−マレイミドプロピオン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(10mg,40μmol)を加えた。その反応物をRTで10分間撹拌したところ、その時点において、LC/MSは、反応が完了したことを示した。続いて、その反応混合物を、3mLの2%TFA:水(HPLCグラジエント5〜95アセトニトリル/水0.05%TFA)でまずクエンチすることによる分取HPLCで直接精製することにより、4.0mgの2.0を得た。C67H101N9O20に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値1351.72、実測値1351.65。
実施例1および2と同様に、以下の構造を有するMACを含む、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)およびアウリスタチンTの薬物−リンカー化合物を調製する:
ここで、Rは、水素またはエチルであり、O*は、アウリスタチンTまたはMMAEの第2級ヒドロキシル官能基からのMAC単位の酸素ヘテロ原子である。
実施例3:環状MAC単位を有するモデル自壊性アセンブリ単位の合成およびその条件的自壊
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(2−(3−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)プロパンアミド)−4−((((4−ヒドロキシブチル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(3.1)の合成:
DMF(5mL)中のパラ−ニトロフェニルカーボネート3.0(300mg,0.33mmol)の混合物に、4−アミノブタン−1−オール(58mg,0.66mmol)を加えた。その4−アミノブタン−1−オールを加えた際、UPLC−MSによって判断されたところ、その反応は完了していた。その混合物を酢酸エチル(100mL)に注ぎ込み、それを水(3×50mL)およびブライン(1×50mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、デカントし、残渣になるまで濃縮し、それを酢酸エチルで溶出する2mmのラジアルクロマトトロンプレート上での円形クロマトグラフィーで精製した。生成物を含む画分を減圧下で濃縮することにより、260mg(92%)の3.1を得た:1H NMR (CDCl3) δ 8.40 (s, 1H), 8.07 (s, 1H)), 7.75 (d, 2H, J=7.9 Hz), 7.60 (d, 2H, J=7.4 Hz), 7.38 (t, 2H, J=7.4 Hz), 7.29 (m, 2H), 7.01 (d, 1H, J=2.0Hz), 6.91 (d, 1H, J=6.2 Hz), 5.73 (bs, 1H), 5.4 (t, 1H, J=9.4 Hz), 5.29 (m, 2H), 5.05−5.03 (m, 3H), 4.95 (m, 1H), 4.38 (pent, 2H, J=7.5 Hz), 4.23 (t, 1H, J=7.1 Hz), 4.16 (d, 1H, J=9.7 Hz), 3.73 (s, 3H), 3.65−3.50 (m, 7H), 3.21 (m, 2H), 2.73 (m, 2H), 2.06−2.04 (m, 9H), 1.65−1.59 (m, 4H);UPLC−MS(m/z)(AP+)864.44(M+H),tr=1.44分(流速0.7mL/分)。
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(2−(3−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)プロパンアミド)−4−(((2−ヒドロキシピロリジン−1−カルボニル)オキシ)メチル)フェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(3.2)の合成:
ジクロロメタン(2mL)中のアルコール3.1(50mg,0.056mmol)の混合物に、デス・マーチン・ペルヨージナン(30mg,0.067mmol)を加えた。その反応混合物を3時間撹拌した後、ヘキサン類中の50%酢酸エチルに続いて100%酢酸エチルで溶出する1mmのラジアルクロマトトロンプレート上で直接精製することにより、19.4mg(39%)の3.2を得た:1H NMR (CD3OD) δ 8.04 (d, 2H, J=6.3 Hz), 7.78 (d, 2H, J=7.4 Hz), 7.63 (d, 2H, J=7.5 Hz), 7.37 (t, 2H, J=7.4 Hz), 7.25 (q, 2H, J=7.4 Hz), 7.22 (m, 2H), 7.11 (t, 2H, J=8.2 Hz), 5.49 (t, 1H, J=10.2 Hz), 5.46 (bs, 1H), 5.40 (d, 1H, J=7.9 Hz), 5.19 (t, 1H, J=9.8 Hz), 5.06−5.00 (m, 2H), 4.76 (d, 1H, J=10.1 Hz), 4.37−4.30 (m, 2H), 4.25 (t, 1H, J=6.2 Hz) 3.69 (s, 3H), 3.55−3.45 (m, 4H), 2.65 (pent, 2H, J=6.7 Hz), 2.07−1.95 (m, 11H), 1.24 (m, 3H);UPLC−MS(m/z)(AP+)884.41(M+Na+),tr=1.48分(流速0.7mL/分)。
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(2−(3−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)プロパンアミド)−4−(((2−フェネトキシピロリジン−1−カルボニル)オキシ)メチル)フェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(3.3)の合成:
ジクロロメタン(2mL)中のピロリジノール3.2(19.4mg,22.4μmol)の混合物に、TMSCl(20μL)を加え、その反応混合物を、1時間撹拌した。その混合物を、高真空を含む減圧下で10分間濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン(1mL)に溶解した後、DIPEA(10μL)とともに2−ヒドロキシエチルベンゼン(10μL)に溶解した。そのアルコールおよびDIPEAを加えた直後に、その反応は、UPLC−MSによって判断されたところ、完了した。その混合物を1mmのラジアルクロマトトロンプレート上に直接吸引し、ヘキサン類中の50%酢酸エチルで溶出することにより、13.8mg(63%)の3.3を得た:1H NMR (CD3OD) δ 8.13 (bs, 1H), 8.08 (bs, 1H), 7.76 (d, 2H, J=7.4 Hz), 7.61 (d, 2H, J=7.4 Hz), 7.35 (t, 2H, J=7.4 Hz), 7.27−7.03 (m, 8H), 5.48(t, 1H, J=9Hz), 5.37 (d, 1H, J=7.9 Hz), 5.3−5.17 (m, 3H), 5.05−4.99 (m, 2H), 4.44 (d, 1H, J=9.8 Hz), 4.34−4.30 (m, 2H), 4.22 (bs, 1H), 3.79−3.67 (m, 1H), 3.66 (s, 3H), 3.64−3.55 (m, 2H), 3.49 (bs, 1H), 3.30 (m, 1H), 2.79 (bs, 1H), 2.66 (m, 3H), 2.01 (s, 6H), 1.96 (s, 3H), 1.81 (m, 2H), 1.75−1.65 (m, 2H);分析用UPLC−MS:MS(m/z)(ESI+)988.48(M+Na+),tr=1.65分(流速0.7mL/分)。
(2S,3S,4S,5R,6S)−6−(2−(3−アミノプロパンアミド)−4−(((2−フェネトキシピロリジン−1−カルボニル)オキシ)メチル)フェノキシ)−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸(3.4)の合成:
メタノール(2mL)およびTHF(2mL)中のピロリジン3.3(50mg)の混合物に、1.0N水酸化リチウムの水溶液(2mL)を滴下した。その反応混合物を外界温度で1時間撹拌した。UPLC−MSによってその反応混合物を調べたところ、所望の生成物3.4と脱離生成物3.5の約2:1混合物への完全な脱保護が明らかになった。その反応混合物を酢酸の滴下によってpH7に中和した。その混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣を脱イオン水(2mL)に溶かし、濾過した。この溶液を、実施例8に記載される条件を用いてインビトロ安定性を評価するために直接使用した:分析用UPLC−MS:MS(m/z)604.35(M+H+),tr(3.4)=0.88分(流速 0.7mL/分)。
実施例4:MAC単位を含むトリプトリド薬物−リンカー化合物の合成
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(4−(((エチル((((5bS,5cS,6aR,7S,7aR,8aS,8bS,9aS,9bS)−7a−イソプロピル−9b−メチル−3−オキソ−1,3,5,5b,5c,6a,6b,7,7a,8a,8b,9b−ドデカヒドロ−2Hトリス(オキシレノ)[2’,3’:4b,5;2’’,3’’:6,7;2’’’,3’’’:9,10]フェナントロ[1,2−c]フラン−7−イル)オキシ)メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)−2−ニトロフェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(4.1)の合成:
化合物1.7を調製するための実施例2からのクロラミン手順に従って:109mg(0.17mmol)の250mg(0.13mmol)の1.5の7.0および65μl(4.30mmol)のヒューニッヒ塩基を使用することにより、85mgの7.1が得られた。72%収率。分析用UPLC−MS:tr=2.21分。C44H52N2O20に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値929.31、実測値929.29。
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(2−アミノ−4−(((エチル((((5bS,5cS,6aR,7S,7aR,8aS,8bS,9aS,9bS)−7a−イソプロピル−9b−メチル−3−オキソ−1,3,5,5b,5c,6a,6b,7,7a,8a,8b,9b−ドデカヒドロ−2H−トリス(オキシレノ)[2’,3’:4b,5;2’’,3’’:6,7;2’’’,3’’’:9,10]フェナントロ[1,2−c]フラン−7−イル)オキシ)メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(4.2)の合成:
アルゴンバルーンを備えた25mLの丸底フラスコに、370μLのMeOH、85mg(0.1mmol)の4.1および5mgの10%Pd/Cを投入した。次いで、その反応混合物を真空にし、バルーンを介して3回、水素をパージして流した。水素バルーンを備え付け、その反応混合物をRTで1時間激しく撹拌したところ、その時点において、LC/MSは、反応が完了したことを示した。次いで、その反応混合物を濾過し、分取HPLC(グラジエント5〜95アセトニトリル/水0.05%TFA)で精製することにより、35mgの4.2を得た。44%収率。分析用UPLC−MS:tr=2.14分。C44H54N2O18に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値899.34、実測値899.37。
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(2−(3−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)プロパンアミド)−4−(((エチル((((5bS,5cS,6aR,7S,7aR,8aS,8bS,9aS,9bS)−7a−イソプロピル−9b−メチル−3−オキソ−1,3,5,5b,5c,6a,6b,7,7a,8a,8b,9b−ドデカヒドロ−2H−トリス(オキシレノ)[2’,3’:4b,5;2’’,3’’:6,7;2’’’,3’’’:9,10]フェナントロ[1,2−c]フラン−7−イル)オキシ)メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(4.3)の合成:
撹拌子を備えた1ドラムバイアルに、200μLのDCMを加えた後、6mg(7.0μmol)の4.2、Fmocβ−アラニン(8mg,28μmol)および7mg(0.28μmol)のN−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリンを加えた。次いで、その反応混合物をRTでさらに3時間撹拌したところ、その時点において、LC/MSは、反応が完了したことを示した。その反応物を分取HPLC(グラジエント5〜95アセトニトリル/水0.05%TFA)で直接精製することにより、6mgの4.3を得た。75%。分析用UPLC−MS:tr=2.34分。C62H69N3O21に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値1192.44、実測値1192.45。
(2S,3S,4S,5R,6S)−6−(2−(3−アミノプロパンアミド)−4−(((エチル((((5bS,5cS,6aR、7S,7aR,8aS、8bS,9aS,9bS)−7a−イソプロピル−9b−メチル−3−オキソ−1,3,5,5b,5c,6a,6b,7,7a,8a,8b,9b−ドデカヒドロ−2H−トリス(オキシレノ)[2’,3’:4b,5;2’’,3’’:6,7;2’’’,3’’’:9,10]フェナントロ[1,2−c]フラン−7−イル)オキシ)メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸(4.4)の合成:
化合物2.0を得るための実施例2における脱保護方法に従って:化合物4.3(4.0mg,3μmol)を2.8mgの4.4に変換した。95%収率。分析用UPLC−MS:tr=1.14分。C40H51N3O16に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値830.33、実測値830.32。
(2S,3S,4S,5R,6S)−6−(2−(3−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)プロパンアミド)−4−(((エチル((((5bS,5cS,6aR,7S,7aR,8aS,8bS,9aS,9bS)−7a−イソプロピル−9b−メチル−3−オキソ1,3,5,5b,5c,6a,6b,7,7a,8a,8b,9b−ドデカヒドロ−2Hトリス(オキシレノ)[2’,3’:4b,5;2’’,3’’:6,7;2’’’,3’’’:9,10]フェナントロ[1,2−c]フラン−7イル)オキシ)メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸(4.5)の合成:
2mgの4.4(2μmol)を含む1ドラムバイアルに、100μLのDMFを加えた後、20μL(0.1mmol)のヒューニッヒ塩基および2.5mg(9μmol)の3−マレイミドプロピオン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステルを加えた。次いで、その反応混合物をRTでさらに10分間撹拌したところ、その時点において、LC/MSは、反応が完了したことを示した。その反応物を、2%TFA:水(3mL)でまずクエンチすることによる分取HPLC(グラジエント5〜95アセトニトリル/水0.05%TFA)で直接精製することにより、1.8mg,90%収率の4.5を得た。分析用UPLC−MS:tr=1.61分。C47H56N4O19に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値981.35、実測値981.38。
実施例5:MAC単位を含むエベロリムス薬物−リンカー化合物の合成
2−(トリメチルシリル)エチル2−(2−{[(1R,2R,4R)−4−[(2S)−2−[(1R,9S,12S,15R,16E,18R,19R,21R,23S,24E,26E,28E,30S,32S,35R)−1,18−ジヒドロキシ−19,30−ジメトキシ−15,17,21,23,29,35ヘキサメチル−2,3,10,14,20−ペンタオキソ−11,36−ジオキサ−4−アザトリシクロ[30.3.1.04,9]ヘキサトリアコンタ−16,24,26,28−テトラエン−12−イル]プロピル]−2−メトキシシクロヘキシル]オキシ}エトキシ)アセテート(5.1)の合成:
セプタムスクリューキャップおよび撹拌子を備えた1ドラムバイアルに、1mLの乾燥DCM、2mg(1μmol)の二酢酸ロジウムおよび100mg(0.1mmol)のエベロリムス(5.1)を投入した。その反応混合物に、RTで撹拌しながら、40μL(0.2mmol)のトリメチル−エチルジアゾアセテート(5.0)を滴下した。1時間後、LC/MSは、その反応が完了したことを示した。その後、1mLのMeOHを加え、その反応物を濾過し、真空中で乾燥した。次いで、結果として生じた油状物を分取TLC(ヘキサン類:酢酸エチル,1:1、rf=0.50)で精製することにより、73mg,68%収率の5.2を得た。分析用UPLC−MS:tr=1.92分。C60H97NO16Siに対するMS(m/z)[M+H]+の計算値1116.66、実測値1116.66。
2−(2−{[(1R,2R,4R)−4−[(2S)−2[(1R,9S,12S,15R,16E,18R,19R,21R,23S,24E,26E,28E,30S,32S,35R)−1,18−ジヒドロキシ−19,30−ジメトキシ−15,17,21,23,29,35−ヘキサメチル−2,3,10,14,20−ペンタオキソ−11,36−ジオキサ−4−アザトリシクロ[30.3.1.04,9]ヘキサトリアコンタ−16,24,26,28−テトラエン−12−イル]プロピル]−2−メトキシシクロヘキシル]オキシ}エトキシ)酢酸(5.3)の合成:
セプタムスクリューキャップおよび撹拌子を備えた1ドラムバイアルに、1mLの乾燥DMF、70mg(63μmol)の5.2および52mg(1.89mmol)のトリス(ジメチルアミノ)スルホニウムジフルオロトリメチルシリケートを投入した。RTで撹拌した反応物を、LC/MSによってモニターしたところ、その反応は、20分後に完了した。次いで、その反応混合物を5mLの10Mリン酸緩衝食塩水で処理し、エチルエーテル3×5mlで抽出した。有機層を真空中で乾燥した。次いで、結果として生じた油状物を分取TLC(DCM:MeOH:AcOH,8.9:1:0.1,rf=0.45)で精製することにより、57mg,89%収率の5.3を得た。分析用UPLC−MS:tr=1.79分。C55H85NO16に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値1016.59、実測値1016.61。
{4−[(2R)−2−[(2R)−2−アミノ−3−メチルブタンアミド]−5(カルバモイルアミノ)ペンタンアミド]フェニル}メチルN−[(2−{[(1R,2R,4R)−4−[(2S)−2−[(1R,9S,12S,15R,16E,18R,19R,21R,23S,24E,26E,28E,30S,32S,35R)−1,18−ジヒドロキシ−19,30−ジメトキシ−15,17,21,23,29,35−ヘキサメチル−2,3,10,14,20−ペンタオキソ−11,36−ジオキサ−4−アザトリシクロ[30.3.1.04,9]ヘキサトリアコンタ−16,24,26,28−テトラエン−12−イル]プロピル]−2−メトキシシクロヘキシル]オキシ}エトキシ)メチル]カルバメート(5.5)の合成:
15mg(15μmol)の5.3を含む1ドラムバイアルに、300μLのDMFを加えた後、8μL(30μmol)のジフェニルホスホリルアジドおよび6μL(45μmol)のヒューニッヒ塩基を加えた。得られた混合物をRTで1時間撹拌したところ、その時点において、その反応混合物に44mg(75μmol)の5.4および2μl(3μmol)のジブチルスズジラウレートを60℃において加えた。その反応物を60℃でさらに2時間撹拌したところ、その時点において、LC/MSは、反応が完了したことを示した。その反応混合物を100μLのジエチルアミンでクエンチし、次いで、分取HPLC(グラジエント5〜95アセトニトリル/水0.05%TFA)で直接精製することにより、10mg,47%収率の5.5を得た。分析用UPLC−MS:tr=1.49分。C73H113N7O19に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値1392.81、実測値1392.80。
{4−[(2R)−5−(カルバモイルアミノ)−2−[(2R)−2−[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド]−3−メチルブタンアミド]ペンタンアミド]フェニル}メチルN−[(2−{[(1R,2R,4R)−4−[(2S)−2−[(1R,9S,12S,15R,16E,18R,19R,21R,23S,24E,26E,28E,30S,32S,35R)−1,18−ジヒドロキシ−19,30−ジメトキシ−15,17,21,23,29,35−ヘキサメチル−2,3,10,14,20−ペンタオキソ−11,36−ジオキサ−4−アザトリシクロ[30.3.1.04,9]ヘキサトリアコンタ−16,24,26,28−テトラエン−12−イル]プロピル]−2−メトキシシクロヘキシル]オキシ}エトキシ)メチル]カルバメート(5.6)の合成:
8mg(5μmol)の5.5を含む1ドラムバイアルに、100μLのDMFを加えた後、20μl(0.15mmol)のヒューニッヒ塩基および3−マレイミドプロピオン酸5mg(18μmol)N−ヒドロキシスクシンイミドエステルを加えた。次いで、その反応物をRTでさらに30分間撹拌したところ、その時点において、LC/MSは、反応が完了したことを示した。その反応物を、2%TFA:水(3mL)でまずクエンチすることによる分取HPLC(グラジエント5〜95アセトニトリル/水0.05%TFA)で直接精製することにより、5mg,62%収率の9.3を得た。分析用UPLC−MS:tr=1.69分。C80H118N8O22に対するMS(m/z)MS(m/z)[M+H]+の計算値1543.84、実測値1543.86。
実施例6:MAC単位を含むタクロリムス薬物−リンカー化合物の合成
2−{[(1R,2R)−4−[(1E)−2−[(1R,9S,12S,13R,14S,17R,18E,21S,23S,24R,25S,27R)−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−17−(プロパ−2−エン−1−イル)−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04,9]オクタコサ−18−エン−12−イル]プロパ−1−エン−1−イル]−2−メトキシシクロヘキシル]オキシ}酢酸(6.3)の合成:
セプタムスクリューキャップおよびアルゴンバルーンを備えた4ドラムバイアルに、3mLの乾燥DCM、13mg(60μmol)の二酢酸ロジウムおよび500mg(0.6mmol)のFK−506(6.1)を投入した。その後、200μLのDCM中の200μL(1.2mmol)のジアゾ酢酸tert−ブチルを、シリンジポンプを介して、39℃の撹拌した反応混合物に滴下した。1時間後に、LC/MSは、その反応が完了したことを示し、そこで、1mLのMeOHを加えた。次いで、その反応混合物を濾過し、真空中で乾燥した。結果として生じた油状物を4mLのDCMおよびトリフルオロ酢酸(5:1)溶液で処理した。1時間後に、LC/MSによって示されたところ、脱保護反応が完了した。次いで、得られた反応混合物を真空中で乾燥し、分取TLC(10%MeOH:DCM,rf=0.20)で精製することにより、378mg,71%収率の6.1を得た。分析用UPLC−MS:tr=1.89分。C46H71NO14に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値862.49、実測値862.52。
{4−[(2S)−2−[(2S)−2−アミノ−3−メチルブタンアミド]−5(カルバモイルアミノ)ペンタンアミド]フェニル}メチルN−({[(1R,2R)−4−[(1E)−2−[(1R,9S,12S,13R,14S,17R,18E,21S,23S,24R,25S,27R)−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−17−(プロパ−2−エン−1−イル)−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04,9]オクタコサ−18−エン−12−イル]プロパ−1−エン−1−イル]−2−メトキシシクロヘキシル]オキシ}メチル)カルバメート(6.3)の合成:
50mg(58μmol)の6.1を含む4ドラムバイアルに、300μLのDMFを加えた後、23μl(87μmol)のジフェニルホスホリルアジドおよび14μL(1.2mmol)のヒューニッヒ塩基を加えた。次いで、その反応混合物をRTで1時間撹拌した。その後、52mg(87μmol)の6.2および2μL(3μmol)のジブチルスズジラウレートを60℃において加えた。次いで、その反応物を60℃でさらに2時間撹拌したところ、その時点において、LC/MSは、反応が完了したことを示した。100μLのジエチルアミンでクエンチした後、その反応混合物を分取HPLC(グラジエント5〜95アセトニトリル/水0.05%TFA)で直接精製することにより、15mg,21%収率の6.3を得た。分析用UPLC−MS:tr=1.82分。C74H114N10O22に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値1238.71、実測値1238.70。
{4−[(2S)−5−(カルバモイルアミノ)−2−[(2S)−2−[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド]−3−メチルブタンアミド]ペンタンアミド]フェニル}メチル−N−({[(1R,2R)−4−[(1E)−2[(1R,9S,12S,13R,14S,17R,18E,21S,23S,24R,25S,27R)−1,14−ジヒドロキシ−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−2,3,10,16−テトラオキソ−17−(プロパ−2−エン−1−イル)−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04,9]オクタコサ−18−エン−12−イル]プロパ−1−エン−1−イル]−2メトキシシクロヘキシル]オキシ}メチル)カルバメート(6.4)の合成:
4mg(3μmol)の6.3を含む1ドラムバイアルに、100μLのDMFを加えた後、20μl(0.1mmol)のヒューニッヒ塩基および2.5mg(9μmol)の3−マレイミドプロピオン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステルを加えた。その後、その反応物をRTでさらに30分間撹拌したところ、その時点において、LC/MSは、その反応が完了したことを示した。その反応物を、2%TFA:水(3mL)でまずクエンチすることによる分取HPLC(グラジエント5〜95アセトニトリル/水0.05%TFA)で直接精製することにより、3.4mg,85%収率の6.4を得た。分析用UPLC−MS:tr=1.78分。C71H104N8O20に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値1389.74、実測値1389.77。実施例8の方法に従って測定された37℃の0.1M PBS緩衝液,pH7.4における半減期は、10時間である。
実施例7:MAC単位バリアントを含むテトラヒドロキノリン含有薬物−リンカー化合物の合成
エチル2−((8S,9R)−5−フルオロ−8−(4−フルオロフェニル)−9−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−3−オキソ−8,9−ジヒドロ−2H−ピリド[4,3,2−de]フタラジン−7(3H)−イル)アセテート(7.3)の合成:
火炎乾燥されたフラスコに、2.2mLの無水THF中の(8S,9R)−5−フルオロ−8−(4−フルオロフェニル)−9−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−8,9−ジヒドロ−2H−ピリド[4,3,2−de]フタラジン−3(7H)−オン(7.0,49mg,129μmol)を投入した。その溶液をN2下、−80℃で撹拌し、2.5M溶液としてのn−ブチルリチウム(77μL,188μmol)を滴下し、得られた反応物を−80℃でさらに10分間撹拌した。次いで、ヨード酢酸エチル(7.2,31μL,258μmol)を、1mLの無水THF中の溶液として加えた。続いて、LC/MSによって、生成物への変換が完了したと明らかにされるまで、その反応混合物を窒素下、0℃で撹拌した。次いで、その反応混合物を−80℃に冷却し、飽和塩化アンモニウムでクエンチし、ジクロロメタンで希釈し、炭酸水素ナトリウムで洗浄した。次いで、水層をジクロロメタンで抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固した。粗生成物を、メタノール:ジクロロメタン混合物で溶出するBiotageカラムによってシリカで精製することにより、7.3(43mg,72%)を得た。分析用UPLC−MS:tr=1.79分、m/z(ES+)実測値467.55。
2−((8S,9R)−5−フルオロ−8−(4−フルオロフェニル)−9−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−3−オキソ−8,9−ジヒドロ−2H−ピリド[4,3,2−de]フタラジン−7(3H)−イル)酢酸(7.4)の合成:
フラスコに、43mgのエステル7.3(92μmol)を投入し、次いで、それをTHF(1.5mL)およびMeOH(1.5mL)に溶解した。得られた溶液をN2下で撹拌し、0℃に冷却した。次いで、H2O(1.5mL)に可溶化された水酸化リチウム一水和物(7.8mg,184μmol)を滴下した。その後、その反応物をRTに温め、2時間撹拌した。次いで、その反応物を酢酸(10.5μL,184μmol)でクエンチし、減圧下で凝縮した。残渣を最小量のDMSOに溶かし、分取LCによって精製することにより、7.4(35mg,87%)を得た。分析用UPLC−MS:tr=1.47分、m/z(ES+)実測値439.42。
2−((8S,9R)−5−フルオロ−8−(4−フルオロフェニル)−9−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−3−オキソ−8,9−ジヒドロ−2H−ピリド[4,3,2−de]フタラジン−7(3H)−イル)アセチルアジド(7.5)の合成:
フラスコに、遊離カルボン酸(7.4,28mg,64μmol)を投入し、次いで、それを無水THF(1.3mL)に溶解した。トリエチルアミン(22μL,160μmol)を加え、得られた反応混合物を窒素下、RTで10分間撹拌した。次いで、ジフェニルホスホリルアジド(14μL,64μmol)を加え、得られた反応混合物をRTで2時間撹拌したところ、その時点において、UPLC/MSは、生成物への変換を明らかにした。次いで、その材料を減圧下で濃縮することにより、粗アシルアジド7.5が得られ、それをさらなる特徴付けなしに、先に進めた。分析用LC−MS:tr=12.80分、m/z(ES+)実測値436.16(M+H−N2)。
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(2−(3−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)プロパンアミド)−4−((((((8S,9R)−5−フルオロ−8−(4−フルオロフェニル)−9−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−3−オキソ−8,9−ジヒドロ−2H−ピリド[4,3,2−de]フタラジン−7(3H)−イル)メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(7.6)の合成:
無水DMF(0.3mL)中のアシルアジド(7.5,64μmol)を含むフラスコに、以前に記載された(Bioconjugate Chem.2006,17,831−840)グルクロニド含有化合物Fmoc−βAla−グルクロニドベンジルアルコール(96mg,128μmol)を加えた。続いて、アシルアジドからイソシアネートへの転位ならびにその後の捕捉を促進するために、その反応混合物を65℃に加熱し、その温度で撹拌することにより、カルバメート官能基が形成された。2時間後、触媒のジブチルスズジラウレートを加えた。65℃で5時間撹拌し続けることにより、生成物への穏やかな変換がもたらされた。その反応物をアセトニトリルおよびジメチルスルホキシドに希釈し、分取HPLCによって精製することにより、7.6(4.4mg,6%)を得た。分析用UPLC−MS:tr=2.27分、m/z(ES+)実測値1185.29。
(2S,3S,4S,5R,6S)−6−(2−(3−(3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド)プロパンアミド)−4−((((((8S,9R)−5−フルオロ−8−(4−フルオロフェニル)−9−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−3−オキソ−8,9−ジヒドロ−2H−ピリド[4,3,2−de]フタラジン−7(3H)−イル)メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸(7.7)の合成:
4.4mgの保護されたグルクロニドリンカー中間体7.6(3.7μmol)が投入されたフラスコをTHF(0.13mL)およびMeOH(0.13mL)に溶解した。得られた溶液をN2下で撹拌し、0℃に冷却した。次いで、H2O(0.13mL)に可溶化されたLiOH・H2O(0.9mg,22μmol)を滴下した。次いで、その反応物をRTに温め、さらに4時間撹拌した。次いで、その反応混合物を酢酸(1.3μL,22μmol)でクエンチし、減圧下で凝縮した。得られた残渣を最小量のDMSOに溶かし、分取LCによって精製することにより、脱保護されたグルクロニドリンカー(1.6mg,53%)を得た。分析用UPLC−MS:tr=1.20分、m/z(ES+)実測値822.49。マレイミドプロピオニルNHSエステル(0.8mg,2.9μmol)を無水DMF(0.19)に溶解し、全体的に脱保護されたグルクロニドリンカー(1.6mg,1.9μmol)を含むフラスコに加えた。次いで、DIPEA(1.7μL,9.5μmol)を加え、その反応物を窒素下、RTで3時間撹拌した。続いて、その反応物をアセトニトリルおよびジメチルスルホキシドに希釈し、分取HPLCによって精製することにより、薬物−リンカー7.7(2mg,97%)を得た。分析用UPLC−MS:tr=1.41分、m/z(ES+)実測値973.43。
実施例8:モデル遊離薬物としてヒドロキシル含有化合物およびチオール含有化合物を放出する自壊性アセンブリ単位を有する薬物−リンカーモデルシステムの調製
モデル薬物の構造を組み込む薬物単位との共有結合的付着を有する例示的な自壊性アセンブリ単位を、以下のスキームに従ってN−クロルメチルアミンの合成を介して調製した(ここで、調製された各自壊性アセンブリ単位は、構造XVId(すなわち、−PABA(gluc)−)の自壊性部分およびMAC単位を含み:
ここで、Rのバリエーション、ならびに合成において使用され、PABA(gluc)自壊性部分の活性化の際に放出されるD−T*−H遊離薬物は、以下の表1におけるとおりである:
1.5を用いたD−T*−Hからの求核剤のアルキル化のための一般的な手順:撹拌子、隔膜およびアルゴンバルーンを備え、5mLの乾燥DCMが投入された丸底フラスコに、1mmolのD−T*−H、5mmolのヒューニッヒ塩基を加えた後、2mmolのN−クロルメチルアミン化合物1.5を、注射器を介して一気に加えた。その反応を、出発物質D−T*−Hが消費されるまでLC/MSによってモニターした;反応は、通常、2時間以内に完了した。その反応混合物を真空中で回転蒸発(rotoevaporation)によって乾燥した。次いで、結果として生じた油状物を、酢酸エチルおよびヘキサン類のグラジエントを用いるBiotage FCCによって精製した。
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(4−(((エチル(フェネトキシメチル)カルバモイル)オキシ)メチル)−2−ニトロフェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(8.1)の合成:
一般的なアルキル化手順に従って:(621mg,1.05mmol)の1.5、(250μL,2.1mmol)の8.0および(939μL,5.25mmol)のヒューニッヒ塩基を使用することにより、615mgの8.1を得た。85%収率。C32H38N2O15に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値691.23、実測値691.25,1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.80 (s, 1H), 7.52 (dd, J = 9.2, 8.1 Hz, 1H), 7.37−7.30 (m, 1H), 7.27 (t, J=3.5, 2H), 7.23−7.14 (m, 3H), 5.38−5.27 (m, 3H), 5.20 (d, J = 5.9, 1H), 5.12 (d, J = 5.4, 2H), 4.71 (d, J = 14.0, 2H), 4.20 (d, J =11.3, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.65 (dt, J = 12.5, 3.5, 2H), 3.39−3.26 (m, 2H), 2.80 (m, 2H), 2.11 (s, 3H), 2.06 (s, 6H), 1.14−1.06 (m, 3H)
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(4−(((エチル(((1−フェニルプロパン−2イル)オキシ)メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)−2−ニトロフェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(8.3)の合成:
一般的なアルキル化手順に従って:(105mg,0.175mmol)の1.5、(47μL,0.35mmol)の8.2および(156.6μL,0.87mmol)のヒューニッヒ塩基を使用することにより、111mgの8.3を得た。90%収率。C33H40N2O15に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値705.68、実測値705.65,1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.80 (s, 1H), 7.52 (dd, J = 9.2, 8.1 Hz, 1H), 7.37−7.10 (m, 5H), 5.38−5.27 (m, 3H), 5.25−5.01 (m, 3H), 4.80−4.63 (m, 2H), 4.19 (d, J = 14.0, 2H), 4.20 (d, J =8.78, 1H), 3.73 (d, J=2.74, 3H), 3.3−3.03 (m, 2H), 2.80 (m, 2H), 2.60 (dd, J = 13.11, 4.64, 1H), 2.11 (s, 3H), 2.06 (s, 6H), 1.14−1.06 (t, J = 7.37, 3H)
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(4−(((エチル(((2−メチル−1−フェニルプロパン−2−イル)オキシ)メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)−2−ニトロフェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(8.5)の合成:
一般的なアルキル化手順に従って:(534mg,0.885mmol)の1.5、(260μL,0.17mmol)の7.5および(795μL,4.4mmol)のヒューニッヒ塩基を使用することにより、390mgの7.6を得た。61%収率。C34H42N2O15に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値719.26、実測値719.24,1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.80 (d, J=7.2 1H), 7.52 (dd, J = 9.7, 8.4 Hz, 1H), 7.40−7.29 (m, 1H), 7.25−7.13 (m, 5H), 5.37−5.26 (m, 3H), 5.12−5.09 (m, 2H), 4.81 (d, J = 32.0, 2H), 4.18 (m, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.41−3.31 (m, 2H), 2.81−2.72 (d, J = 16.9, 2H), 2.11 (m, 3H), 2.11 (s, 3H), 2.05 (s, 6H), 1.19−1.10 (m, 9H)
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(4−(((エチル((ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)−2−ニトロフェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(8.7)の合成:
一般的なアルキル化手順に従って:(791mg,1.3mmol)の1.5、(377mg,2.6mmol)の8.6および(1.7ml,6.5mmol)のヒューニッヒ塩基を使用することにより、768mgの8.7を得た。82%収率。C34H36N2O15に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値713.39、実測値713.37,1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.19 (dd, J = 16.3, 8.5 Hz, 1H), 7.80 (d, J = 7.2 1H), 7.47 (m, 3H), 7.34 (t, J = 10.5 2H), 7.25 (m, 1H), 7.18 (m, 2H), 6.9 (dd, J = 39.5, 6.7 Hz, 1H) 5.49 (d, J = 14.9, 2H), 5.30 (m, 3H), 5.21−5.02 (m, 3H), 4.18 (m, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.64−3.49 (m, 2H), 2.31 (s, 2H), 2.12 (s, 3H), 2.06 (s, 6H), 1.32−1.18 (m, 3H)
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(4−(((エチル((フェネチルチオ)メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)−2−ニトロフェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(8.9)の合成:
一般的なアルキル化手順に従って:(43mg,0.070mmol)の1.5、(19μL,0.140mmol)の8.8および(62μL,6.5mmol)のヒューニッヒ塩基を使用することにより、42mgの8.9を得た。86%収率。C32H38N2O14Sに対するMS(m/z)[M+H]+の計算値707.20、実測値707.18,1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.79 (s, 1H), 7.50 (dd, J = 10.2, 8.7 Hz, 1H), 7.37−7.08 (m, 6H), 5.38−5.26 (m, 3H), 5.17−5.08 (m, 3H), 4.47 (d, J = 31.3, 2H), 4.17 (d, J = 9.6, 2H), 4.20 (d, J =11.3, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.40 (m, 2H), 2.90−2.75 (m, 2H), 2.11 (s, 3H), 2.06 (d, J = 2.8, 6H), 1.14 (t, J = 6.6, 3H)
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(4−((((2−(ジメチルアミノ)エチル)カルバモイル)オキシ)メチル)−2−ニトロフェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(8.11)の合成
化合物8.11を、1.5に対する手順を用いて合成した。(150mg,0.2mM)の8.10(8.10の合成については、Bossletら、1998,J.Med.Chem.41:3572を参照のこと)を使用することにより、155mgの8.11を得た。95%収率。分析用UPLCサンプルを、8.1中の反応性塩化物をクエンチするためにMeOHを用いて調製する。分析用UPLC−MS:tr=1.40分、C27H37N3NO15に対するMS(m/z)[M+Na]+の計算値666.21、実測値666.19。
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(4−((((2−(ジメチルアミノ)エチル)(フェネトキシメチル)カルバモイル)オキシ)メチル)−2−ニトロフェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(8.12)の合成:
一般的なアルキル化手順に従って:(97mg,0.150mmol)の8.11、(37μL,0.30mmol)の8.0および(102μL,1.1mmol)のヒューニッヒ塩基を使用することにより、76mgの8.12を得た。72%収率。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.84−7.77 (m, 1H), 7.53 (dd, J = 46.5, 9.6 Hz, 1H), 7.35 (t, J = 8.2, 1H), 7.30−7.14 (m, 5H), 5.38−5.26 (m, 3H), 5.21 (t, J = 6.21, 3H), 5.12 (d, J = 7.86, 2H), 4.76 (d, J = 15.7, 2H), 4.22 (dd, J =13.2, 7.4, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.70−3.54 (m, 5H), 3.0 (t, J=5.9, 1H), 2.83 (t, J=6.6, 2H), 2.78 (s, 6H), 2.59 (s, 2H), 2.12 (s, 3H), 2.06 (d, J =2.19, 6H)
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(4−((((2−(ジメチルアミノ)エチル)(((2−メチル−1−フェニルプロパン−2−イル)オキシ)メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)−2−ニトロフェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(8.13)の合成:
一般的なアルキル化手順に従って:(150mg,0.23mmol)の8.11、(104μL,0.69mmol)の8.4および(102μL,1.1mmol)のヒューニッヒ塩基を使用することにより、118mgの8.13を得た。67%収率。C36H47N4O15に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値762.30、実測値762.32,1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.80 (d, J = 24.6 1H), 7.53 (dd, J = 12.3, 8.4 Hz, 1H), 7.34 (t, J = 11.1, 1H), 7.26−7.13 (m, 5H), 5.38−5.26 (m, 3H), 5.21−5.09 (m, 3H), 4.47 (d, J = 27.2, 2H), 4.20 (t, J = 9.74, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.55 (td, J = 27.2, 7.7 2H), 2.84 (t, J = 9.7, 1H), 2.76 (t, J = 14.9, 2H), 2.84 (t, J = 9.0, 1H), 2.51 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 2.05 (s, 9H), 1.16 (d, J = 12.2, 6H)
(2S,3S,4S,5R,6S)−2−(メトキシカルボニル)−6−(4−(4−(メトキシメチル)−3−オキソ−2,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキサ−4−アザノナコシル)−2−ニトロフェノキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(8.15)の合成
化合物8.15を、1.5に対する手順を用いて合成した。(500mg,0.56mM)の8.14(8.14の合成については、Bossletら、1998,J.Med.Chem.41:3572を参照のこと)を使用することにより、516mgの8.15を得た。98%収率。分析用UPLCサンプルを、8.15中の反応性塩化物をクエンチするためにMeOHを用いて調製する。分析用UPLC−MS:tr=1.91分、C40H62N2NO23に対するMS(m/z)[M+Na]+の計算値961.36、実測値921.40。
(2S,3S,4S,5R,6S)−2−(メトキシカルボニル)−6−(2−ニトロ−4−(3−オキソ−4−(((1−フェニルプロパン−2−イル)オキシ)メチル)−2,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキサ−4−アザノナコシル)フェノキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(8.16)の合成:
一般的なアルキル化手順に従って:(60mg,0.064mmol)の8.15、(17μL,0.128mmol)の8.2および(41μL,0.32mmol)のヒューニッヒ塩基を使用することにより、51mgの8.16を得た。84%収率。C48H70N2O23に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値1043.44、実測値1043.47,1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.79 (s, 1H), 7.53 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.35 (dd, J = 9.9, 6.1 Hz, 1H), 7.26−7.07 (m, 5H), 5.38−5.27 (m, 3H), 5.20−5.16 (m, 3H), 4.80−4.70 (m, 1H), 4.20 (m, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.66−3.49 (m, 32H), 3.45 (t, J = 7.08, 1H), 3.37 (s, 3H), 3.21 (m, 1H), 2.78 (m, 1H) 2.64 (dd, J=13.1, 5.7, 1H), 2.12 (s, 3H), 2.05 (d, J = 2.12, 6H), 1.14 (m, 3H)
アリールニトロ基からアリールアミンに還元するための一般的な手順:撹拌子およびゴム隔膜を備えた1ドラムバイアルに、1mmolのアリールニトロ化合物、および10:1MeOH:AcOH(v/v%)を0.2Mという最終濃度になるように投入した。次いで、活性化亜鉛,20mmolを一度に加え、得られた混合物をRTで激しく撹拌した。その反応を、完了するまでLC/MSによってモニターしたが、それは、通常、30分以内に生じた。次いで、その反応混合物を濾過し、結果として生じた固体を過剰量のMeOHで洗浄した。次いで、濾液を、トルエンとともに真空中で共沸乾固した。次いで、その粗油状物を、酢酸エチルおよびヘキサン類のグラジエントを用いるBiotage FCCによって精製した。
(2S,3S,4R,5R,6S)−6−(2−アミノ−4−(((エチル(フェネトキシメチル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)−5−ヒドロキシ−2−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジイル(diy)ジアセテート(8.17)の合成:
一般的な還元手順に従って:400μLのMeOH:AcOH中で、8.1(52mg,0.075mmol)を亜鉛(96mg,1.5mmol)で処理した。その反応混合物を精製することにより、43mgの8.17を得た。86%収率。C32H40N2O13に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値661.25、実測値661.23,1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.30−7.25 (m, 2H), 7.23−7.13 (m, 3H), 6.86 (dd, J = 13.6, 7.02, 1H), 6.66 (m, 2H), 5.38−5.27 (m, 3H), 5.00 (m, 3H), 4.77 (d, J = 15.5, 2H), 4.15 (d, J = 9.6, 1H), 3.80 (m, 2H), 3.74 (s, 3H), 3.68 (t, J = 7.02, 1H), 3.60 (m, 1H), 3.36−3.24 (m, 1H), 2.90−2.79 (m, 1H), 2.07 (s, 3H), 2.05 (d, J = 3.8 6H), 1.09 (q, 3H)
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(2−アミノ−4−(((エチル(((1−フェニルプロパン−2−イル)オキシ)メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(8.18)の合成:
一般的な還元手順に従って:350μLのMeOH:AcOH中で、8.3(49mg,0.070mmol)を亜鉛(88mg,1.4mmol)で処理した。その反応混合物を精製することにより、44mgの8.18を得た。93%収率。C3H42N2O13に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値675.27、実測値675.28,1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.92 (s, 1), 7.41−6.85 (m, 7H) 5.44−5.21 (m, 3H), 5.1 (m, 3H), 4.77 (d, J = 5.8, 2H), 4.18 (d, J = 8.7, 1H), 3.74 (d, J= 5.8, 2H), 3.73−3.45 (m, 2H), 3.34−3.23 (m, 2H), 2.89−2.78 (m, 2H), 2.45 (s, 1H), 2.21 (s, 2H), 2.00 (m, 9H), 1.09 (t, J = 6.7, 3H)
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(2−アミノ−4−(((エチル(((2−メチル−1−フェニルプロパン−2−イル)オキシ)メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(8.19)の合成:
一般的な還元手順に従って:390μLのMeOH:AcOH中の化合物8.5(56mg,0.074mmol)を亜鉛(90mg,1.42mmol)で処理した。その反応混合物を精製することにより、44mgの8.19を得た。93%収率。C34H44N2O13に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値689.28、実測値689.30,1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.26−7.14 (m, 5H), 6.86 (t, J = 7.0, 1H), 7.47 (m, 2H), 5.38−5.26 (m, 3H), 5.00 (s, 3H), 4.87−4.74 (d, J = 38.0, 2H), 4.14 (m, 1H), 3.80 (m, 2H), 3.74 (s, 3H), 3.49 (s, 6H), 3.35 (m, 2H), 2.77 (d, J = 22.0, 2H), 2.08 (s, 3H), 2.05 (d, J = 4.8, 6H), 1.13 (t, J = 6.7, 3H)
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(2−アミノ−4−(((エチル((ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(8.20)の合成:
一般的な還元手順に従って:630μLのMeOH:AcOH中で、8.7(89mg,0.125mmol)を亜鉛(160mg,2.50mmol)で処理した。その反応混合物を精製することにより、78mgの8.20を得た。88%収率。C34H38N2O13に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値683.24、実測値683.21,1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.23 (m, 1H), 7.80 (m, 1H), 7.48 (m, 2H), 7.36−7.27 (m, 1H), 7.26−6.40 (m, 5H), 4.4 (d, J = 36.0 2H), 5.38−5.27 (m, 3H), 5.00 (m, 3H), 4.15 (m, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.66−3.45 (m, 2H), 2.36 (s, 3H), 2.05 (m, 9H), 3.60 (m, 1H), 1.25 (dt, J = 30.0, 7.84, 1H)
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(2−アミノ−4−(((エチル((フェネチルチオ)メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(8.21)の合成:
一般的な還元手順に従って:320μLのMeOH:AcOH中で、8.9(45mg,0.064mmol)を亜鉛(81mg,1.27mmol)で処理した。その反応混合物を精製することにより、38mgの8.21を得た。84%収率。C34H40N2O12Sに対するMS(m/z)[M+H]+の計算値677.23、実測値677.20,1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.81 (s, 1H), 7.51 (dd, J = 18.1, 8.6 Hz, 1H), 7.35−7.27 (m, 3H), 7.25−7.08 (m, 3H), 5.38−5.27 (m, 3H), 5.14 (m, 3H), 4.49 (d, J = 34.0, 2H), 4.20 (d, J = 7.90, 2H), 3.74 (s, 3H), 3.50 (s, 2H), 3.46−3.37 (m, 2H), 3.95−2.71 (m, 3H), 2.13 (s, 3H), 2.06 (d, J = 2.8, 6H), 1.15 (t, J = 6.6, 3H)
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(2−アミノ−4−((((2−(ジメチルアミノ)エチル)(フェネトキシメチル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(8.22)の合成:
一般的な還元手順に従って:380μLのMeOH:AcOH中の化合物8.12(51mg,0.070mmol)を亜鉛(97mg,1.52mmol)で処理した。その反応混合物を精製することにより、40mgの8.22を得た。78%収率。C34H45N3O13に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値704.30、実測値704.27,1H NMR (400 MHz, DMSO) δ = 7.29−7.11 (m, 5H), 6.82 (t, J = 6.8, 1H), 6.62 (d, J = 1.8, 1H), 6.50 (t, J = 7.3, 1H), 5.52−5.42 (m, 2H), 5.13−5.01 (m, 2H), 4.72−4.63 (m, 5H), 3.62 (s, 3H), 3.54 (m, 2H), 3.24 (m, 2H), 2.75 (m, 2H), 2.40−2.29 (m, 2H), 2.16 (s, 3H), 2.09 (s, 3H), 2.02 (s, 3H), 1.99 (s, 6H)
(2S,3R,4S,5S,6S)−2−(2−アミノ−4−((((2−(ジメチルアミノ)エチル)(((2−メチル−1−フェニルプロパン−2−イル)オキシ)メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(8.23)の合成:
一般的な還元手順に従って:330μLのMeOH:AcOH中で、8.13(50mg,0.066mmol)を亜鉛(84mg,1.31mmol)で処理した。その反応混合物を精製することにより、46mgの8.23を得た。92%収率。C36H49N3O13に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値732.33、実測値732.29,1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.39 (s, 1H), 7.42 (m, 2H), 7.19−7.11 (m, 4H), 6.89 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.40−5.25 (m, 3H), 5.15−4.98 (m, 3H), 4.85 (d, J = 32.0 Hz, 2H), 3.73 (s, 2H), 2.89 (m, 2H), 2.77 (t, J = 24.0, 2H), 2.11 (m, 15H), 1.21 (s, 6H)
(2S,3S,4S,5R,6S)−2−(メトキシカルボニル)−6−(2−アミノ−4−(3−オキソ−4−(((1−フェニルプロパン−2−イル)オキシ)メチル)−2,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキサ−4−アザノナコシル)フェノキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(8.24)の合成:
セプタムスクリュートップおよびアルゴンバルーンを備えた1ドラムバイアルに、8.16(56mg,0.048mmol)、二塩化スズ(54mg,0.288mmol)、ピリジン(37μL,480mmol)および240μLのエタノールを投入した。その反応物を16時間撹拌したところ、その時点においてLC/MSは、出発物質の消費を示した。その反応混合物をセライトプラグで濾過し、濾液をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、22mgの8.24を透明の油状物として得た。44%。C34H44N2O13に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値1013.46、実測値1013.43。
アセトアミド形成のための一般的な手順の後、リチウムヒドロキシドアリールグルクロニド脱保護を行った。撹拌子およびPTFEで裏打ちされたキャップを備えた1ドラムバイアルに、1mmolのアニリングルクロニド、5mmolの無水酢酸、6mmolのヒューニッヒ塩基および5mLのジクロロメタンをRTで加えた。その反応を、完了するまでLC/MSによってモニターしたところ、それは、通常、1時間以内に生じた。その後、その反応混合物を、トルエンとともに真空中で共沸乾固した。次いで、その粗油状物を、RTの1mLの1:1MeOHおよび飽和LiOH水溶液で処理した。加水分解脱保護反応をLC/MSによってモニターしたところ、それは、通常、1時間以内に完了した。次いで、その反応混合物を、分取HPLC(グラジエント5〜95アセトニトリル/水0.05%TFA)を用いて精製した。
(2S,3S,4S,5R,6S)−6−(2−アセトアミド−4−(((エチル(フェネトキシメチル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸(8.25)の合成:
一般的な手順に従って:化合物8.17(63mg,0.090mmol)を40mgの8.25に変換した。80%収率。C27H34N2O11に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値563.22、実測値563.18。
(2S,3S,4S,5R,6S)−6−(2−アセトアミド−4−(((エチル(((1−フェニルプロパン−2−イル)オキシ)メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸(8.26)の合成:
一般的な手順に従って:化合物8.16(56mg,0.078mmol)を33mgの8.24に変換した。73%収率。C28H36N2O11に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値577.23、実測値577.25。
(2S,3S,4S,5R,6S)−6−(2−アセトアミド−4−(((エチル(((2−メチル−1−フェニルプロパン−2−イル)オキシ)メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸(8.27)の合成:
一般的な手順に従って:化合物8.19(29mg,0.040mmol)を18mgの8.27に変換した。78%収率。C29H38N2O11に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値591.25、実測値591.27。
(2S,3S,4S,5R,6S)−6−(2−アセトアミド−4−(((エチル((ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸(8.28)の合成:
一般的な手順に従って:化合物8.20(197mg,0.270mmol)を103mgの8.28に変換した。66%収率。C29H32N2O11に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値585.20、実測値585.23。
(2S,3S,4S,5R,6S)−6−(2−アセトアミド−4−(((エチル((フェネチルチオ)メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸(8.29)の合成:
一般的な手順に従って:化合物8.21(48mg,0.067mmol)を32mgの8.29に変換した。71%収率。C27H34N2O10Sに対するMS(m/z)[M+H]+の計算値579.79、実測値579.76。
(2S,3S,4S,5R,6S)−6−(2−アセトアミド−4−((((2−(ジメチルアミノ)エチル)(フェネトキシメチル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸(8.30)の合成:
一般的な手順に従って:化合物8.22(45mg,0.062mmol)を28mgの8.30に変換した。75%収率。C29H39N3O11に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値606.26、実測値606.25。
(2S,3S,4S,5R,6S)−6−(2−アセトアミド−4−((((2−(ジメチルアミノ)エチル)(((2−メチル−1−フェニルプロパン−2−イル)オキシ)メチル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸(8.31)の合成:
一般的な手順に従って:化合物8.23(50mg,0.066mmol)を31mgの8.31に変換した。72%収率。C31H43N3O11に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値634.29、実測値634.32。
(2S,3S,4S,5R,6S)−6−(2−アセトアミド−4−(3−オキソ−4−(((1−フェニルプロパン−2−イル)オキシ)メチル)−2,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキサ−4−アザノナコシル)フェノキシ)−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸(8.32)の合成:
一般的な手順に従って:化合物7.26(52mg,0.050mmol)を28mgの7.34に変換した。62%収率。C29H32N2O11に対するMS(m/z)[M+H]+の計算値915.43、実測値915.41。
実施例8:各々がMAC単位またはそのバリアントを含む自壊性アセンブリ単位を有するモデルシステムの自然加水分解に対するインビトロ安定性
実施例8の最終的なN−アセチル生成物は、ストレッチャー単位の代わりにアセチルで終わっている自壊性アセンブリ単位を含み、その自壊性アセンブリ単位の各々は、モデル薬物化合物からの薬物単位に共有結合的に付着された式Iのメチレンカルバメート単位を有する。したがって、それらの化合物は、モデル薬物−リンカー化合物に相当する。自然加水分解に対するそれらの部分の安定性を、以下の一般的な手順を用いて測定した。
薬物−リンカーの安定性を試験するための一般的な手順:実施例8の最終的なN−アセチル生成物を、37℃のバイアル内の1mLの0.1Mリン酸緩衝食塩水,pH7.4に溶解した。インキュベートされた化合物溶液の2μLのアリコートを、HPLCバイアル内の100μLのMeOHに加えることによって、LC/MSサンプルを調製した。各結合体を、7日間にわたって24時間ごとに試験した。
RがエチルまたはPEGである式Iのメチレンカルバメート単位を有するモデル薬物−リンカー化合物の場合、第2級脂肪族アルコール(脂肪族アルコール含有遊離薬物の代理)は、7日後に分解の徴候を示さなかったモデル薬物−リンカー化合物(それぞれ8.26および8.32)を提供した。Rがエチルであるメチレンカルバメート単位を有するチオール含有モデル薬物化合物からのモデル薬物−リンカー化合物(8.29)もまた、7日後に分解の徴候を示さなかった。Rがエチルであり、ナフトールからの薬物単位(芳香族アルコール含有薬物の代理)は、本研究の経過中には第2級脂肪族アルコールからの対応するモデル薬物−リンカー化合物(8.26)と区別できない優れた安定性を有した、薬物単位に共有結合的に付着されたMAC単位を有するモデル薬物−リンカー化合物(8.28)を提供した。芳香族アルコールの酸素ヘテロ原子を組み込んでいるMAC単位は、pKaがより低く、ゆえに脂肪族−OHと比べてアリール−OHのより良好な脱離基の能力に起因して、第2級アルコールを組み込んでいるものと同程度に加水分解的に安定でない可能性があるので、上記の結果は、予想外だった。対照的に、第1級および第2級脂肪族アルコール含有遊離薬物の代わりである第1級および第3級脂肪族アルコールは、好適な安定性を有するが、第2級アルコールからのモデル薬物−リンカー化合物に対して観察された安定性と同程度ではない、Rがエチルであるモデル薬物リンカー化合物(それぞれ8.25および8.27)を提供した。予想外にも、Rがエチルの代わりにジメチルアミノエチルであるとき、第1級および第3級アルコールモデル薬物化合物は、第2級脂肪族アルコールからのモデル薬物−リンカー化合物(8.26)と同じ優れた安定性を有すると示されたモデル薬物−リンカー化合物(8.25および8.27)を提供した。
本発明者らは、薬物リンカーの安定性が、そのメチレンカルバメート単位のカルバメート窒素を本明細書中で定義されるような塩基性単位(ジメチルアミノアルキル部分を含むがこれに限定されない)で置換することによって改善され得ると考えている。
実施例9:メチレンカルバメート単位の自然加水分解に対する、自壊性アセンブリ単位を有する薬物−リンカー化合物のインビトロ安定性
それぞれ実施例4、5、6および7のリンカー薬物化合物4.5(トリプトリド)、5.6(エベロリムス)、6.4(トリコリムス(tricolimus))および7.7(BMN−673)内の対応する部分によって表される薬物−リンカー部分におけるMAC単位バリアントの安定性を以下の様式で評価した。
化合物7.7のインビトロ安定性を評価するために、この薬物−リンカー化合物を、標的化抗体であるリガンド単位の代理として働くNACを有するモデルLDCを提供するそのN−アセチルシステイン結合体(NAC−7.7)に変換した。その目的のために、薬物−リンカー化合物の8マイクロリットルの8mM DMSO原液をリン酸緩衝食塩水(0.39mL)中に希釈した。次いで、各薬物−リンカー化合物におけるマレイミド部分をN−アセチルシステイン(0.8μL,100mM原液)でクエンチし、その材料を37℃の恒温器内に保管した。14日後までの様々な時点においてアリコートを採取し、UPLC−MSによって薬物−リンカーの完全性について分析した。
安定性の試験は、実施例8におけるように行った。モデル薬物−リンカー化合物4.5、5.6および6.4に対しては37℃の0.1M PBS,pH7.4中での14日間のインキュベーションの後、ならびに37℃の4mM PBS,pH7.4中のモデル結合体NAC−7.7の14日間のインキュベーションの後に、薬物−リンカーの分解の兆候は示されなかった。NAC−7.7の場合、スクシンイミド部分の加水分解からの対応する酸アミドが観察された。予想外にも、第2級脂肪族アルコール含有遊離の代理として、第2級脂肪族アルコールを組み込んでいるモデル薬物−リンカー化合物(8.26)は、第2級脂肪族アルコール含有遊離薬物(トリコリムス)に由来する薬物−リンカー化合物6.4の許容され得る安定性と比べて高い安定性を有した。さらに、第1級脂肪族アルコール含有遊離薬物(エベロリムス)に由来する薬物−リンカー化合物5.6は、第1級脂肪族アルコール含有遊離薬物の代理として第1級脂肪族アルコールに由来するモデル薬物−リンカー化合物(8.23)と比べて、なおもより良好な加水分解安定性を有すると見出された。
したがって、各モデル薬物化合物は、許容され得る安定性のメチレンカルバメート単位を有する薬物−リンカー部分を提供し、その安定性の程度は、ヘテロ原子T*の同一性と無関係であるとみられるがゆえに、それが結合体化される薬物上の官能基と無関係であるとみられるが、その薬物単位の残りの構造にも依存し得る。塩基性部分でN置換されたメチレンカルバメート単位での結果は、例外的な安定性の薬物リンカー部分を提供する。
実施例10:メチレンカルバメート単位の自然加水分解に対する、自壊性アセンブリ単位を有する抗体薬物結合体のエキソビボ安定性
実施例13におけるように調製された、薬物−リンカー化合物1.3からの4つの薬物−リンカー(liner)部分を有するADC(すなわち、約4という平均薬物担持率を有するADC組成物)を、商業的に入手可能なラット血漿およびマウス血漿(Bioreclamation)の200μLの滅菌されたアリコート中において1mg/mLでインキュベートした。アリコートを37℃でインキュベートし、各時点において−80℃で凍結した。インキュベーションが完了した後、サンプルを解凍し、正味50μLのIgSelect樹脂(GE Healthcare)を各アリコートに加えた。サンプルを4℃で少なくとも3時間回転させ、真空マニホールドにおいて96ウェルフィルタープレート(Seahorse)に移した。その樹脂を3mM PBS(Gibco)で3回洗浄し、遠心分離によってIgG Elution Buffer(Pierce)の2つの50μLアリコートで溶出した。精製されたADCを、15μLの1M Tris(pH7.4)で中和し、PNGaseF(New England Biolabs)を使用して37℃で1時間、脱グリコシルした。各サンプルの40μLの注入物を、ADCが天然のインタクトな状態で分析され得るように、QTOF(Agilent)質量分析計とインラインのPolyhydroxyethyl A SECカラム(PolyLC)において分離した(Valliere−Douglass,Johnら、“Native Intact Mass Determination of Antibodies Conjugated with Monomethyl Auristatin E and F at Interchain Cysteine Residues”Analytical Chemistry 2012,84,2843−2849を参照のこと)。インタクトなADCの生の質量スペクトルをデコンボリュートし、デコンボリュートされた各ピーク下面積を積分することにより、各サンプルに対する平均薬物−抗体比を決定した。図1は、AE薬物結合体の血漿安定性を、数日間にわたる経時的な上記の質量分析法によって測定された薬物−抗体比の関数として示している。
その質量スペクトルデータから、生じていたいずれの薬物損失も、リガンド単位からの薬物−リンカーの完全な脱離に起因したこと、およびMAC単位における加水分解不安定性に起因するリンカーの分解に起因していないことが確かめられた。その質量スペクトルデータは、ストレッチャー単位のスクシンイミド部分のスクシンイミド環系から対応する酸アミド部分への完全な加水分解後に、薬物:抗体比が一定のままだったことも実証した。
薬物またはモデル薬物の構造に対応する薬物単位に共有結合的に付着されたメチレンカルバメート単位を有する自壊性アセンブリ単位を有する、本明細書中に記載された様々な構築物に対する安定性データを表4に要約する。
実施例11.MAC単位またはそのバリアントのグルクロニダーゼ活性化の後の、その単位を含む自壊性アセンブリ単位を有するNAC結合体からの、チオール含有薬物、第1級、第2級および第3級脂肪族アルコール含有薬物、ならびにフェノールアルコール含有薬物に対する遊離薬物またはモデル化合物の放出
実施例7の薬物−リンカー化合物に由来するNAC−7.7結合体からの遊離薬物の放出を、以下の様式で評価した:Type B−1β−グルクロニダーゼ(ウシ肝臓,1,644,000単位/g固体)をpH5の100mM酢酸ナトリウム緩衝液に、0.5mg/mLという使用濃度にまで溶解することによって、酵素原液を調製した。5マイクロリットルの化合物7.7の8mM薬物−リンカー原液を、12.5μLのDMSO、26.3μLのリン酸緩衝食塩水および6.75μLの100mM N−アセチルシステインに加えた。次いで、クエンチされたリンカーを0.45mL酵素原液で希釈した。次いで、その酵素反応物を37Cでインキュベートし、複数の時点において1、10、20および40分後に採取した。各時点のサンプルは、5体積の氷冷メタノールに希釈された20μLの反応物からなり、すべてのサンプルが取り出されるまで、−20Cに冷却した。次いで、それらのサンプルを12,000gで5分間遠心分離し、20μLの上清をUPLC−MSによって分析した。20分間の酵素消化の後、薬物−リンカーは、完全に消費された。40分後まで、その材料の大部分は、遊離薬物であったことから、リンカーシステムからの効果的な完全な薬物の放出が示唆される。
自壊性アセンブリ単位の自壊の後に検出可能な中間体を伴わずにMAC単位から遊離薬物を迅速に放出したcAC10−2.0結合体とは対照的に、NAC−7.7結合体は、以下のスキームに示される構造の中間体NH2−CH2−7.0の組成を示した。
実施例8からの薬物−リンカー部分を組み込んでいるNAC結合体からの代理の「遊離薬物」の放出もまた調べた。モデル薬物−リンカー化合物8.23〜8.30を調製するために使用されたアミノ中間体において、N−アセチルキャッピング基を、マレイミドストレッチャー単位前駆体を導入するN−3−(プロピオニル(propionoyl))−マレイミドで置き換えることによって、それらの化合物を調製した。次いで、マレイミド部分を、NAC−7.7の調製について先に記載されたようにN−アセチル−システインでクエンチした。実施例8のアミノ中間体に由来するNAC結合体は、一般化された構造
を有し、ここで、T*は、第1級アルコール含有化合物もしくはチオール含有化合物のヒドロキシルもしくはスルフヒドリル官能基の酸素もしくは硫黄ヘテロ原子、あるいは第2級もしくは第3級アルコール含有化合物のヒドロキシル官能基または表3のフェノール含有化合物の酸素ヘテロ原子である。完全なD−T*−Hの放出までの時間、Rのバリエーションおよび放出された化合物を表5に示す。
実施例12:自壊性アセンブリ単位の条件的活性化に起因して抗体薬物結合体のMAC単位から放出された細胞傷害性遊離薬物の、標的化された癌細胞への細胞内送達
実施例7の薬物−リンカー部分を有し、実施例13の様式で調製された、CD70+細胞を標的とする8薬物担持率のcOKT9−7.7結合体と接触したLovo細胞(ヒト結腸腺癌細胞株)は、図3に示されているように、等量の標的化されていない遊離薬物と接触したときよりも多い量の細胞内の遊離薬物(すなわち、化合物7.0)を有すると見出された。それらの結果は、そのADCが、所望の細胞を標的化しており、細胞内部移行の際に遊離薬物を効率的に放出することを示唆している。
実施例13:MAC単位を有するADCの調製およびそれらのインビトロ細胞毒性
標的化抗体リガンドcAC10およびh1F6は、それぞれUS8,257,706およびUS2009/0148942に記載されている。cAC10は、Karpas299、L540cyおよびL−428を含むCD30+細胞を標的化する。h1F6は、786−O、L−428およびCaki−1を含むCD70+細胞を標的化する。
8という均一な薬物担持率を有するADC組成物の場合、標的化抗体リガンドの鎖間ジスルフィド結合の完全な還元は、US2003/00883263の方法によって達成された。簡潔には、1mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含むリン酸緩衝食塩水中の標的化抗体(5〜10mg/mL)を、リン酸二カリウムを用いてpH7.4に中和された10eq.トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)で処理し、37℃で45分間インキュベートした。低分子量の作用物質の分離は、Sephadex G25カラムにおけるサイズ排除クロマトグラフィーによって達成される。
約4という平均薬物担持率を有するADC組成物を提供する標的化抗体リガンドの部分的な還元は、US2005/0238649の方法を用いて達成された。簡潔には、1mM EDTA,pH7.4を含むリン酸緩衝食塩水中の抗体を2.1eq.TCEPで処理し、次いで、37℃で約45分間インキュベートした。その溶液の280nmにおける吸光度から、還元された抗体濃度を測定することによって、およびDTNBとの反応によってチオール濃度を測定することによって、および412nmにおける吸光度の測定によって、そのチオール/Ab値を確認した。
US2005/0238649の方法を用いて、薬物−リンカー化合物を、完全におよび部分的に還元された標的化抗体リガンドと結合体化した。簡潔には、DMSO中の薬物−リンカー化合物を、過剰量のDMSOとともにEDTAを含むPBS中の還元された抗体に、全反応共溶媒の15%まで加えた。外界温度での30分後、過剰量のn−アセチルシステインをその混合物に加えることにより、すべての未反応のマレイミド基をクエンチした。その反応混合物を、Sephadex G25樹脂を使用してPBS緩衝液中に脱塩することによって、精製した。
得られたADC組成物のタンパク質濃度を280nmにおいて測定した。結合した薬物を、疎水性相互作用(HIC)HPLCを使用する解析によって定量した。
以下の表で言及されるcAC10−1006およびhF16−1006は、式XVIIIを有するval−cit−PABA自壊性部分に対してモノメチルアウリスタチンE(MMAE)にそのN末端でカルバメート官能基を介して結合体化されたそれぞれキメラAC10抗体およびヒト化F16抗体であり、コントロールとして使用した。結果として生じたADCを、複数の細胞株に対して試験することにより、インビトロ活性を測定し、その結果を表5および6に要約する。