明細書 げっ歯類動物の免疫応答調節蛋白質
技術分野 この出願の発明は、 免疫応答を調節する新規な免疫応答調節遺伝子と免疫応答 調節蛋白質に関するものでる。
W景技 W了 免疫システムは、 生体防御に必須の役割を担っている。 免疫システムの活性化 は、 細胞間、 細胞内あるいは細胞外に分泌される多彩な微量蛋白物質によって調 節されている。 免疫細胞は、 これらの分子を介して恒常性を保ちながら生体防御 に働いている。 一方、 免疫システムの破綻は、 重篤な感染症を引き起こすばかり でなく、 自己免疫疾患、 アレルギー、 免疫不全や癌などさまざまな疾患を引き起 こす。 したがって、 免疫を調節する微量蛋白物質の解明は、 免疫システムの生体 防御に寄与するばかりでなく、 さまざまな免疫異常疾患の克服に有用となる。 免疫応答の調節に関与する蛋白質としては、 例えば、 ィン夕一ロイキン 1〜 15、 リピド A、 ホスホリパーゼ A2、 エンド毒素、 ブドウ球菌ェンテロトキシン Bおよび他の毒素、 I型イン夕一フエロン、 II型インターフェロン、 腫瘍壊死因 子、 トランスフォーミング増殖因子 - J3 ( 「TGF— /3」 ) 、 リンホ毒素、 遊走阻 止因子、 顆粒球マクロファージコロニー刺激因子 (CSF) 、 単球マクロファージ CSF、 顆粒球 CSF、 血管上皮増殖因子、 アンギオテンシン、 トランスフォーミ ング増殖因子、 熱ショックタンパク質、 血液型の糖鎖部分、 Rh 因子、 線維芽細 胞増殖因子等が知られている。
また、 これらの免疫応答調節物質を金属コロイド等と結合させた標識化送達系 と、 これを用いた免疫応答増強方法おょぴモノクローナル抗体の産生方法が提案 されている (特表 2002-503639号公報) 。
発明の開示 免疫応答を制御する微量蛋白質は発癌および免疫異常に関連した低分子医薬品 を開発するためのターゲット蛋白質としての可能性を秘めており、 出来るだけ多 くの免疫関連蛋白質を得ることが望まれている。 また、 免疫応答の促進機能に優れた蛋白質は、 動物体内での有用抗体の作成に 有用である。 さらには、 その蛋白質の過剰発現または機能欠損動物は、 様々な疾 患モデル動物として治療法の確立および医薬品の開発に大きく寄与することが期 待される。 この出願の発明は、 以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであって、 げっ 歯類動物の新規な免疫応答調節蛋白質とその遺伝子、 ならびにそれらを利用した 発明を提供することを課題としている。 この出願は、 前記の課題を解決するものとして、 以下の発明を提供する。 すなわち、 第 1 の発明は、 げっ歯類の単離遺伝子であって、 配列番号 2 また は 4のいずれかのアミノ酸配列、 または配列番号 2または 4における 1若しく は複数個のアミノ酸残基が欠失、 付加または他のアミノ酸残基に置換した配列を 有する免疫応答調節蛋白質をコードする免疫応答調節遺伝子である。 この第 1発明の免疫応答調節遺伝子の一態様は、 転写産物 mRNAから合成さ れる cDNAが、 それぞれ配列番号 1 または 3の塩基配列を有する遺伝子である,
第 2の発明は、 前記第 1発明の免疫応答調節遺伝子のゲノム DNA、 mRNA, cDNAまたはそれらの相補配列から精製されたポリヌクレオチドである。 第 3の発明は、 前記第 1発明の免疫応答調節遺伝子または第 2発明の精製ポ リヌクレオヂドとストリンジェントな条件下でハイブリダィズするオリゴヌクレ ォチドプローブである。 第 4の発明は、 前記第 1発明の免疫応答調節遺伝子または第 2発明の精製ポ リヌクレオデドを PCR増幅するプライマーセットである。 第 5 の発明は、 前記第 2 発明の精製ポリヌクレオチドを保有する組換えべク 夕一である。 第 6の発明は、 前記第 5発明の組換えべクタ一による形質転換細胞である。 第 7の発明は、 げっ歯類の精製蛋白質であって、 配列番号 2 または 4のいず れかのアミノ酸配列、 または配列番号 2 または 4における 1若しくは複数個の アミノ酸残基が欠失、 付加または他のアミノ酸残基に置換した配列を有する免疫 応答調節蛋白質である。 この第 7 発明の免疫応答調節蛋白質の一態様は、 前記第 1 発明の免疫応答調 節遺伝子または前記第 2 発明のポリヌクレオチドの発現産物である蛋白質であ る。 第 8 の 明は、 前記第 7 発明の免疫応答調節蛋白質の一部分からなる精製ま たは合成されたべプチドである。 この第 8 発明のペプチドの一態様は、 配列番号 2における第 1-163アミノ酸 残基の連続 10以上のアミノ酸配列からなるペプチド、 または配列番号 4におけ る第 1- 162 アミノ酸残基の連続 10 以上のアミノ酸配列からなるペプチドであ
る。 第 9 の発明は、 前記第 7 発明の免疫応答調節蛋白質を特異的に認識する抗体 である。 第 lOの発明は、 前記第 7発明の免疫応答調蛋白質が過剰に機能発現している 細胞または動物である。 第 1 1 の発明は、 前記第 1発明の免疫応答調節遺伝子が機能欠損している細胞 または動物である。 第 12 の発明は、 任意の蛋白質に対する抗体をげつ歯類動物体内で作成する方 法であって、 前記第 10発明の動物に抗原物質を投与する工程と、 この動物から 抗体を単離する工程を含むことを特徴とする方法である。 なお、 この発明において、 「ポリヌクレオチド」 とは、 プリンまたはピリミジ ンが糖に)3 -N-グリコシド結合したヌクレオシドのリン酸エステル (ATP、 GTP、 CTP、 UTP; または dATP、 dGTP、 dCTP、 dTTP) が 100個以上結合した分子 を言い、 「オリゴヌクレオチド」 とは 2-99個連結した分子を言う。 「蛋白質」 および 「ペプチド」 とは、 アミド結合 (ペプチド結合) または非天然の残基連結 fcよつて互いに結合した複数個のアミノ酸残基から構成された分子を意味する。 またこの発明において、 「1 若しくは複数個のアミノ酸残基が欠失、 付加また は他のアミノ酸残基への置換」 とは、 この発明の免疫応答調節蛋白質の機能が実 施的に変化しない範囲において、 全アミノ酸配列における 30 %以下、 好ましく は 20 %以下、 さらに好ましくは 10 %以下のアミノ酸残基が付加、 欠失または置 換していることを意味する。 この出願の各発明におけるその他の用語や概念は、 発明の実施形態の説明や実 施例において詳しく規定する。 またこの発明を実施するために使用する様々な技
術は、 特にその出典を明示した技術を除いては、 公知の文献等に基づいて当業者 であれば容易かつ確実に実施可能である。 例えば、 遺伝子工学および分子生物学 的 fe Sambrook and Maniatis, in Molecular Cloning-A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, 1989; Ausubel, F. M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York, N.Y, 1995 等に記載されている。 さらに、 この発明における用語は 基本的には IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによるも のであり、 あるいは当該分野において慣用的に使用される用語の意味に基づくも のである。
図面の簡単な説明 図 1 は m-UNKによる B細胞の増殖促進効果を試験した結果を示すグラフで ある。 図 2は、 m-UNKによるォブアルブミン (OVA) のマウスに対する免疫促進効 果を試験した結果を示すグラフである。 図 3 は、 八ムスターポリクロ一ナル抗体により m-UNK 蛋白質を検出した結 果を示す。 図 4 は、 マウス脾臓細胞における抗羊赤血球抗体の産生能に対する m- UNK の効果を確認した結果を示すグラフである。
発明を実施するための最良の形態 この発明の免疫応答調節遺伝子は、 げっ歯類動物の免疫応答調節蛋白質 (以下 「UNK:」 と記載することがある。 ) をコードするゲノム遺伝子であり、 具体的
には配列番号 2 のアミノ酸配列を有するマウス免疫応答調節蛋白質 (以下 「M- UNK」 と記載することがある。 ) をコードするマウス遺伝子と、 配列番号 4 の アミノ酸配列を有するラット免疫応答調節蛋白質 (以下 「R-UNK:」 と記載する ことがある。 ) をコードするラット遺伝子である。 そして、 M-UNK遺伝子はそ の cDNAが配列番号 1の塩基配列を有し、 R-UNK遺伝子の cDNAは配列番号 3 の塩基配列を有している。
UNK遺伝子はそれぞれこの発明によって提供されるオリゴヌクレオチドプロ —ブを用いてマウスまたはラットゲノム cDMA ライブラリーを用いてスクリ一 ニングすることによって単離することが出来る。 プローブは、 例えばこの発明に よって提供される精製ポリヌクレオチド (例えば cDNA) の一部配列 (15bp 以 上) またはその相補配列を利用する事ができる。 プローブによるスクリーニング は、 ゲノム DNA とプローブとの特異的なハイプリダイゼーシヨンを可能とする ストリンジエンドな条件下で行うことが出来る。 ストリンジェント条件は、 ハイ ブリダィゼーシヨンおよび洗浄工程における塩濃度、 有機溶媒 (ホルムアルデヒ ド等) の濃度、 温度条件等によっ て規定される。 例えば、 米国特許 No.,6, 100,037 等に開示されている条件を採用することが出来る。 またプロ一 ブの標識は、 ラジオアイソトープ (RI) 法または非 RI 法によって行うことがで きるが、 非 RI 法を用いることが好ましい。 非 RI 法としては、 蛍光標識法、 ビ ォチン標識法、 化学発光法等が挙げられるが、 蛍光標識法を用いることが好まし い。 蛍光物質としては、 オリゴヌクレオチドの塩基部分と結合できるものを適宜 に選択して用いることができるが、 シァニン色素 (例えば、 Cy DyeTMシリーズ の Cy3、 Cy5 等) 、 口一ダミン 6G 試薬、 N-ァセトキシ -N2-ァセチルアミノフ ルオレン (AAF) 、 AAIF (AAF のヨウ素誘導体) などを使用することができる。
UNK遺伝子はまた、 この発明によって提供されるプライマーセットを用い、 ラットゲノムまたはマウスゲノム DNAを踌型とする PCR (Polymerase Chain Reaction) 法によって増幅することも出来る。 プライマ一セッ トはこの発明に よって提供される精製ポリヌク レオチド ( cDNA) から選択した一部配列 ( 15bp 以上) の 2以上の組み合わせによって作成することが出来る。 また、 cDNA の 5,側の 1プライマーを用いた 5, RACE 法によって遺伝子の上流を、
cDNAの 3,側の 1プライマーを用いた 3, RACE法によって遺伝子の下流部分を PCR 増幅することも出きる。 なお、 プライマ一設計の留意点として、 例えば以 下を指摘することも出きる。 プライマーのサイズ (塩基数) は、 铸型 DNA との 間の特異的なアニーリングを満足させることを考慮し、 15-40 塩基、 望ましく は 15-30塩基である。 ただし、 LA(long and accurate) PCRを行う場合には、 少なくても 30 塩基が効率的である。 センス鎖 (5'末端側) とアンチセンス鎖 (3,末端側) からなる 1組あるいは一対 (2本) のプライマーが互いにァニール しないよう、 両プライマー間の相補的配列を避けるようにする。 さらに、 铸型 DNAとの安定な結合を確保するため GC含量を約 50 %にし、 プライマー内にお いて GC-rich あるいは AT-richが偏在しないようにする。 アニーリング温度は Tm (melting temperature) に依存するので、 特異性の高い PCR 産物をえる ため、 Tm値が 55-65でで互いに近似したプライマーを選定する。 また、 PCRに おけるプライマ一使用の最終濃度が約 0. 1 から約 l _i M になるよう調整する等 を留意することも必要である。 また、 プライマー設計用の市販のソフトウェア、 例えば OligoTM [National Bioscience Inc. (米国)製]、 GENETYX (ソフトゥェ ァ開発 (株) (日本) 製) 等を用いることもできる。 このようにして得られた全長ゲノム遺伝子は、 例えば、 PCR 法、 NASBN (Nucleic acid sequence based ampliiication )法、 TMA ( Transcription― mediated amplification ) 法 お よ び SDA ( Strand Displacement Amplification) 法などの通常行われる遺伝子増幅法により増幅することもでき る。 そして、 この UNK ゲノム遺伝子はこの遺伝子が転写する mRNA、 mRNA か ら合成した cDNA から精製ポリヌクレオチド (DNA断片や RNA断片) を調整 することができる。 例えば、 cDNAはマウスやラット等のげつ歯類細胞から抽出 したポリ (A) +RNA を铸型として合成することもできる。 げっ歯類細胞として は、 動物より摘出したものでも培養細胞でも良い。 cDNA は、 公知の方法 ( Mol.Cell.Biol.2, 167- 170, 1982; J.Gene 25,263-269 , 1983; Gene, 150, 243-250 , 1994) を用いて合成することができる。 あるいは、 この発明によつ
て提供されるプライマ一セットを用いて、 げっ歯類細胞から単離した mRNA を 铸型とする RT- PCR法を用いて、 目的 cDNAを合成することもできる。 または、 DNA オリゴ合成機によって部分配列を合成し、 それを酵素的手法およびサブク ローニングの手法を使ってつなぎ合わせる事によっても目的 cDNA を合成する ことも出きる。 このようにして調整される cDNA は、 具体的には配列番号 1お よび 3のそれぞれの塩基配列を有している。 これらのポリヌクレオチドは、 UNK 蛋白質の遺伝子工学的な製造に使用することができる。 また、 これらのポ リヌクレオチドは、 動物に UNK蛋白質を過剰発現させるための遺伝子材料 (導 入遺伝子) としても使用することができる。 なお、 UNK 蛋白質を遺伝子工学的 に作成するため、 あるいは導入遺伝子として使用する場合には、 それぞれ配列番 号 1および 3の全長でなくてもよく、 例えば少なくともそれぞれの蛋白質コード 領域 (CDS) を構成するポリヌクレオチド配列でよい。 また目的の抗原に対す る動物の抗原 忍識を向上させるために遺伝子導入する場合には、 例えば、 配列番 号 1 の第 1—489 塩基の連続 60 以上の塩基、 または配列番号 3 の第 1 一 527 塩基の連続 60 以上の塩基をそれぞれ含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレ ォチドを使用することもできる。 このようなオリゴヌクレオチドまたはポリヌク レオチドは、 例えば cDNA を適当な制限酵素で切断して作成することもでき、 あるいは文献 (例えば Carruthers ( 1982 ) Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 47 :41 1 -418; Adams ( 1983 ) J. Am. Chem. Soc. 105:661 ; Belousov ( 1997) Nucleic Acid Res. 25:3440-3444; Frenkel ( 1995) Free Radic. Biol. Med. 19:373-380; Blommers ( 1994) Biochemistry 33:7886- 7896; Narang ( 1979 ) Meth. Enzymol. 68:90; Brown ( 1979 ) Meth. Enzymol. 68 : 109 ; Beaucage ( 1981 ) Tetra. Lett. 22 : 1859; 米国特許第 4,458,066号) に記載されているような周知の化学合成技術により、 in vitroに おいて合成することができる。 この発明の組換えべクタ一はクローニングベクターまたは発現べクタ一であり、 インサートと してのポリヌクレオチドの種類や、 その使用目的等に応じて適宣の ものを使用する。 例えば、 cDNAまたはその ORF領域をインサートとして UNK 蛋白質を生産する場合には、 インビトロ転写用の発現べクタ一や、 大腸菌、 枯草
菌等の原核細胞、 酵母、 昆虫細胞、 哺乳動物細胞等の真核細胞のそれぞれに適し た発言べクタ一を使用することもできる。 また UNK遺伝子のゲノム DNAゃィ ンサートとする場合には、 BAC (Bacterial Artificial Chromosome) ベクター やコスミドベクタ一等を使用することもできる。 この発明の形質転換細胞は、 例えば、 UNK 蛋白質を大量製造する場合には、 大腸菌、 枯草菌等の原核細胞や、 酵母、 昆虫細胞、 哺乳動物細胞等の真核細胞等 を使用することができる。 これらの形質転換細胞は、 電気穿孔法、 リン酸カルシ ゥム法、 リボゾーム法、 DEAE デキストラン法など公知の方法によって組換え ベクターを細胞に導入することによって調整することができる。 この発明の UNK蛋白質は、 げっ歯類の臓器、 細胞株から単離する方法、 配列 番号 2および 4のアミノ酸配列に基づいて化学合成によってべプチドを調整する 方法、 あるいはこの発明によって提供される精製ポリヌクレオチド (cDNAまた はその翻訳領域) を用いて組換え DNA技術で生産する方法などにより取得でき るが、 組換え DNA技術で取得する方法が好ましく用いられる。 例えば前記のポ リヌクレオチドを有するベクタ一からィンビトロ転写によって RNA を調整し、 これを铸型としてインビトロ翻訳を行うことによりインビトロで蛋白質を発現で きる。 またポリヌクレオチドを公知の方法により適当な発現ベクターに組換えれ ば、 大腸菌、 枯草菌等の原核細胞や、 酵母、 昆虫細胞、 哺乳動物細胞等の真核細 胞で、 ポリヌクレオチドがコードしている蛋白質を大量に発現させる事が出きる。
UNK 蛋白質をインビトロ翻訳で DNA を発現させて生産させる場合には、 前 記のポリヌクレオチドを、 RNA ポリメラーゼプロモータ一を有するベクターに 挿入して組換えベクターを作成し、 このベクターを、 プロモ一夕一に対応する RNA ポリメラーゼを含むゥサギ網状赤血球溶解物や小麦胚芽抽出物などのィン ピトロ翻訳系に添加すれば、 UNK 蛋白質をインビトロで生産することができる RNA ポリメラーゼプロモーターとしては、 T3,T7,SP6 などが例示できる。 これ らの RNAポリメラ一ゼプロモーターを含むベクターとしては、 pKAl, pCDM8, pT3/T718、 pT7/319, pBluescriptllなどが例示できる。
UNK 蛋白質を大腸菌などの微生物で DNA を発現させる場合には、 微生物中 で複製可能なオリジン、 プロモー夕一、 リボソーム結合部位、 DNA クローニン グ部位、 夕一ミネ一夕一配列等を有する発現べクタ一に前記のポリヌクレオチド を組換えた発現ベクターを作成し、 この発現べクタ一で宿主細胞を形質転換した のち、 得られた形質転換体を培養すれば、 このポリヌクレオチドがコードしてい る蛋白質を微生物内で大量生産することができる。 この際、 任意の翻訳領域の前 後に開始コドンと停止コドンを付加して発現させれば、 任意の領域を含む蛋白質 断片を得ることもできる。 あるいは、 他の蛋白質との融合蛋白質として発現させ ることも出きる。 この融合蛋白質を適当なプロテアーゼで切断することによって もこのポリヌクレオチドがコードする蛋白質部分のみを取得することも出きる。 大腸菌用発現ベクターとしては、 pUC 系、 : BluescriptII,pET 発現システム、 P GEX発現システムなどが例示できる。
UNK 蛋白質を、 真核細胞で DNA を発現させて生産させる場合にば、 前記ポ リヌクレオチドを、 プロモ一夕一、 スプラインシング領域、 ポリ (A) 付加部位 等を有する真核細胞用発現ベクターに挿入して組換えべクタ一を作成し、 真核細 胞内に導入すれば、 UNK 蛋白質を真核細胞内で生産することができる。 発現べ クタ一としては、 pKAl , pCDM8, pSV 3, pSVL, pBK-CMV, pBK-RSV, EBV ベクタ一、 pRS, pYE82 などが例示できる。 また、 pIND/V5-His, pFLAG- CMV-2 , pEGFP-Nl , pEGFP-C lなどを発現ベクターとして用いれば、 Hisタグ、 FLAG タグ、 GFP など各種タグを付加した融合蛋白質として発現させることも 出きる。 真核細胞としては、 サル腎臓細胞 COS-7、 チャイニーズハムスター卵 巣細胞 CHOなどの哺乳動物培養細胞、 出芽酵母、 分裂酵母、 カイコ細胞、 ァフ リカツメガエル卵細胞などが一般に用いられるが、 UNK 蛋白質を発現できるも のであれば、 いかなる真核細胞でもよい。 発現ベクターを真核細胞に導入するに は、 電気穿孔法、 リン酸カルシウム法、 リボゾーム法、 DEAE デキストラン法 など公知の方法を用いることができる。
UN 蛋白質を原核細胞や真核細胞で発現させた後、 培養物から目的蛋白質を 単離精製するためには、 公知の分離操作を組み合わせて行うことが出きる。 例え
ば、 尿素などの変性剤や界面活性剤による処理、 超音波処理、 酵素消化、 塩析ゃ 溶媒沈殿法、 透析、 遠心分離、 限外濾過、 ゲル濾過、 SDS— PAGE,等電点電気 泳動、 イオン交換クロマトグラフィー、 疎水性クロマトグラフィー、 ァフィニテ ィークロマトグラフィー、 逆相クロマトグラフィーなどが挙げられる。 なお、 以上の方法によって得られる組換え UNK蛋白質には、 他の任意の蛋白 質との融合蛋白質も含まれる。 例えば、 グル夕チオン - S-トランスフェラ一ゼ (GST) ゃ録色蛍光蛋白質 (GFP) との融合蛋白質などが例示できる。 さらに、 前記発明の蛋白質は、 翻訳された後、 細胞内で各種修飾を受ける場合がある。 従 つて、 修飾された蛋白質も前記発明の蛋白質の範囲に含まれる。 このような翻訳 後の修飾としては、 N末端メチォニンの脱離、 N末端ァセチル化、 糖鎖付加、 細 胞内プロテアーゼによる限定分解、 ミストレイル化、 イソプレニル化、 リン酸化 などが例示できる。 これらの発明のペプチドは、 UNK 蛋白質の一部分からなるペプチド断片であ る。 すなわち、 配列番号 2および 4における連続 10 アミノ酸配列、 1 1~30 ァ ミノ酸配列、 31〜60アミノ酸配列、 61〜: 110アミノ酸配列、 1 1 1 ~ 160ァミノ 酸配列のペプチドである。 さらに具体的には、 配列番号 2における第 1- 163 ァ ミノ酸残基の連続 10以上のアミノ酸配列からなるペプチド、 または配列番号 4 における第 1- 162 アミノ酸残基の連続 10 以上のアミノ酸配列からなるぺプチ ドである。 すなわち、 後記実施例で示したように、 各 UNK蛋白質はそれぞれ C 末端側に抗原認識上昇活性を有している。 具体的には M-UNKは配列番号 2の第 1- 163アミ ノ酸残基、 R-UNKは配列番号 4の第 1- 162アミノ酸残基に抗原認識 上昇活性を有している (図 2) 。 従って、 これらの領域から調製されたペプチド は、 例えば抗原を融合させることによって、 動物に抗原認識を向上させる原料と 用いることが出きると共に、 過剰投与等により動物に免疫寛容を生じさせるため に使用する こともできる。 これらのペプチドは、 前記の UNK蛋白質を任意の制限酵素で切断することに よって調整することができる。 また、 配列番号 2または 4のアミノ酸配列に基づ
き、 公知のペプチ ド合成法 ( Merrifield, R.B. J. Solid phase peptide synthesis I. The synthesis of tetrapeptide. J. Amer. Chem. Soc. 85, 2149- 2154, 1963; Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis. A Practical Approach. Chan, W.C. and White, P.D. , Oxford University Press, 2000) によって作成 することもできる。 また、 これらのペプチドは天然のアミド結合以外の残基連結 からなるものであってもよい。 天然のアミド結合以外の残基連結は、 例えばダル タルアルデヒド、 N-ヒドロキシスクシンィミドエステル、 2官能マレイミド、 Ν,Ν,-ジシクロへキシルカルポジイミ ド (DCC) 、 または Ν,Ν,-ジイソプロピル カルポジイミ ド (DIC) 等の化学結合またはカップリング手段を例示することが できる。 また、 ペプチド結合の代替となり得る連結基は、 例えばケトメチレン (例えば、 - C ( =θ) -CH2-に対する- C ( =0) -NH-) 、 アミノメチレン (CH2- NH) 、 エチレン、 ォレフィン (CH= CH) 、 エーテル (CH2-0) 、 チォエーテ ル (CH2-S) 、 テトラゾール (CN4-) 、 チアゾ一ル、 レトロアミド、 チォアミ ド、 またはエステルを含む (例えば、 Spatola ( 1983) in Chemistry and Biochemistry of Amino Acids, Peptides and Proteins, Vol. 7, pp 267-357, "Peptide Backbone Modifications," Marc ell Dekker, NYを参照) 。 この発明の抗体は、 前記の精製げつ歯類ポリクローナル抗体またはモノクロ一 ナル抗体である。 具体的には、 それぞれの精製 UNK蛋白質やその部分ペプチド を抗原として調整される抗体である。 この発明の抗体には、 各 UNK蛋白質のェ ピト一プに結合することができる全体分子、 および Fab, F(ab')2, Fv断片等が全 て含まれる。 例えばポリクローナル抗体の場合には、 前記の UNK蛋白質またはべプチドを 抗原として動物を免役した後、 血清から得ることができる。 動物としては、 マウ ス、 ラッ ト、 ハムスター、 ゥサギ、 ャギ、 ヒッジ、 ゥシ、 ゥマ、 ブ夕、 ィヌ、 ネ コ、 サル、 ニヮトリなどが用いられる。 抗原ペプチドによる動物の免疫は公知の 方法 (例えば、 村松繁、 他編、 実験生物学講座 14 、 免疫生物学、 丸善株式会 社、 昭和 60年、 日本生化学会編、 続生化学実験講座 5、 免疫生化学研究法、 東 京化学同人、 1986 年、 日本生化学会編、 新生化学実験講座 12、 分子免疫学 III、
抗原 ·抗体 ·補体、 東京化学同人、 1992年などに記載された方法) に準じて行 うことができる。 例えば、 一般的方法としては、 抗原ペプチドを哺乳動物の腹腔 内または皮下に注射することにより免疫化を行うことができる。 また、 抗原ぺプ チドをアジパントと共に投与してもよい。 アジュバントとしては、 例えばフロイ ント完全 (または不完全) アジュバント、 リビ (Ribi)アジュバント、 百日咳ワク チン、 BCG、 リピッド A、 リボソーム、 水酸化アルミニウム、 シリカなどが挙 げられる。 さらにまた、 組換えプラスミドベクター (naked DNA、 DNAヮクチ ン) を哺乳動物の骨格筋、 皮膚または心筋内に直接注入し、 プラスミドベクター に組み込まれた遺伝子が発現するタンパク質やポリぺプチドを抗原として免疫す る方法 (Science, 247: 1465- 1468, 1990等) を採用することもできる。 ポリクローナル抗体を含む抗血清は、 免疫された動物を所定の期間飼育した後、 その動物から採血した血液から調製することができる。 また、 モノクローナル抗体は、 公知のモノクロ一ナル抗体作製法 ( 「単クロ一 ン抗体」 、 長宗香明、 寺田弘共著、 廣川書店、 1990 年 ; "Monoclonal Antibody" James W. Godmg, third edition, Academic Press, 1996 ; Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, pp.79-97, Marcel Dekker, Inc. , New York, 1987 など) に従い作製することができる。 またこの発明の抗体には、 各種の標識 (酵素、 放射性同位体、 蛍光色素等) を 結合したものも含まれる。 これらの抗体は、 例えば、 UNK 遺伝子の発現を検出するため、 あるいは実験 動物に投与することにより内在性 UNK を中和し免疫応答の以上の実験モデルの 作成に使用することができる。 次に、 UNK 蛋白質が過剰に機能発現している第 10 発明の細胞または動物に ついて説明する。 この動物または細胞は、 例えば、 動物に UNK蛋白質溶液を注 射する方法; 特許文献 1に記載されているような金属コロイ ドと UNK蛋白質を
結合させて動物に投与する方法; レトロウイルスベクターやアデノウイルスべク 夕一を用いた遺伝子治療の方法に準じて動物に活性型 UNK遺伝子 (すなわち、 高発現プロモーター等を連結した精製ポリヌクレオチド) を導入する方法; リン 酸カルシウム法、 リボソームや赤血球ゴーストを使用する方法、 エレクト口ポー レーション法、 ガラスピぺットを用いた微量注入法等によって細胞に UNK遺伝 子を導入する方法等によって作成することができる。 さらに、 これらの動物や細胞は、 公知のトランスジエニック動物作成法 (例え は'、 Proc. Natl. Acad. Scl. USA 77;7380-7384, 1980) に従って作成すること ができる。 すなわち、 活性型 UNK遺伝子を非ヒト動物 (好ましくはマウスまた はラッド) の分化全能性細胞に導入し、 この細胞を個体へと発生させ、 体細胞の ゲノム中に UNK遺伝子が組み込まれた個体を選別することによって目的とする トランスジエニック動物を作製することができる。 分化全能性細胞への遺伝子導 入法としては、 トランスジエニック動物個体の産出高率や次代への導入遺伝子の 伝達効率を考慮した場合、 外来遺伝子 DNAの物理的注入 (マイクロインジェク シヨ ン) 法が最適である。 遺伝子を注入した受精卵は、 次に仮親の卵管に移植さ れ、 個体まで発生し出生した動物を里親につけて飼育させたのち、 体の一部 (尾 部先端等) から DNAを抽出し、 サザンプロット解析や PCRアツセィにより導 入した外来遺伝子の存在を確認することによって、 2倍体染色体の一方に外来遺 伝子が導入された初代のへテロ接合体動物が得られ、 このへテロ接合体同士を交 配することによってホモ接合体動物が獲られる。 この発明のトランスジエニック 動物には、 初代へテロ接合体動物、 ヘテロ接合体同士を交配して得られるホモ接 合体動物、 それらの子孫動物、 またはそれらの胎児が含まれる。 第 1 1 の発明は、 前記第 1発明の免疫応答調節遺伝子が機能欠損している細胞 または動物である。 この場合の 「機能欠損」 とは、 例えば UNK遺伝子産物である UNK 蛋白質が免疫応答システムにおいて正常に機能していないことを意味する。 従って、 この 第 1 1発明の細胞または動物は、 免疫応答が正常に機能していない免疫不全細胞または免 疫不全動物である。
このような細胞または動物の一つの態様は、 染色体ゲノムに UNK遺伝子コード領域が 存在していないことによって UNK蛋白質を産生しない細胞または動物である。 別の態様 は、 UNK遺伝子のコード領域における 1以上のヌクレオチドが欠失、 付加、 または他のヌ クレオチドに置換していること (遺伝子変異) によって、 UNK蛋白質を産生しないか、 ま たは変異型 UNK蛋白質を産生する細胞または動物である。 また別の態様は、 UNK遺伝子 の発現制御領域が欠失または部分的に変異していることによって、 UNK遺伝子が発現せず、 その結果として UNK蛋白質を産生しない細胞または動物である。 さらに別の態様は、 UNK遺伝子からの転写産物 (mRNA) に対するセンス鎖、 アンチセンス鎖、 センス ·アン チセンス二重鎖 (siRNA)、 RNAi、 UNK mRNAを切断するリボザィムを発現し、 mRNAか ら UNK蛋白質が合成されない細胞または動物である。 センス鎖、 アンチセンス鎖、 センス 'アンチセンス二重鎖 (siRNA)、 RNAiゃリポザィム を発現する細胞は、 それらをコードする DNA断片を細胞に導入することによって作製す ることができるが、 UNK遺伝子を確実に機能欠損させるためには、 UNK遺伝子のコード 領域および または発現制御領域に欠失変異を導入することが好ましい。 このような遺伝 子特異的な変異導入は、 公知の標的遺伝子組換え法 (ジーン夕一ゲティング法: Science 244: 1288- 1292, 1989) により行うことができる。 そして、 変異導入 した全能性細胞 (ES細胞) を個体は発生させることによって、 体細胞の全てに おいて UNK蛋白質が機能欠損した動物 (ノックアウト動物) を得ることができ る。 第 12 の発明は、 任意の蛋白質に対する抗体をげつ歯類動物体内で作成する方 法であって、 前記第 10発明の動物に抗原を投与する工程と、 この動物から抗体 を単離する工程を含むことを特徴とする方法である。 具体的には、 第 10発明の 動物作成と同一の手段 (例えば、 動物に UNK蛋白質を投与する方法や、 遺伝子 治療の方法に準じて動物に UNK 遺伝子を導入する方法等) で動物体内での UNK 蛋白質の活性を上昇させると共に、 任意の抗原物質を動物に投与する。 UNK 蛋白質の投与や高発現によって動物の免疫応答が活性化されるため、 効率 よく抗体を作成することが可能となる。 またこの第 12発明における別の態様は、 活性型 UNK遺伝子を体細胞に有するトランスジエニック動物を用いて抗体を作
成する方法である。 この動物は導入 UNK遺伝子の高発現によって UNK蛋白質 を過剰に 現し、 高い免疫応答能を有するため、 効率良く抗体を産生する。 なお、 抗体はポリ クローナル抗体またはモノクローナル抗体であり、 前記第 9発明の抗 体と同一の手続で作成することができる。
実施例 次に実施例を示しこの発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、 この発明は これらの例に限定されるものではない。 なお、 DNA の組換えに関する基本的な 操作および酵素反応は、 文献 ( "Molecular Cloning, Laboratory Manual" Cold Spring Harbor Laboratory, 1989) に従った。 制限酵素および各種修飾 酵素は特に記載のない場合には、 Invitrogen 社製のものを用いた。 各酵素反応 の緩衝液組成、 並びに反応条件は付属の説明書に従った。
実施例
30 mer のセンスプライマー (配列番号 5のオリゴヌクレオチド) と 30 mer のアンチセンスプライマー (配列番号 6のオリゴヌクレオチド) を用い、 マウス 脾臓から抽出した mRNAから調整した cDNA を铸型として PCR により増幅し た。 PCR 産物を KODポリメラーゼ (東洋紡社製) により平滑化し、 pZero-2.0 の EcoRV部位に挿入し、 宿主大腸菌 DH-5 a FT (Invitorgen社製) に形質転換 を行った。 得られたクローンの塩基配列を決定し、 逆転写反応、 および PCR 反 応中に増幅エラーが生じなかったクローンを選択した。 得られたクローン m- UNK は全長 578 b pからなり、 489 bp のオープンリーディ ングフレーム
(ORF) 、 53 bp の 3'非翻訳領域からなる構造を有していた (配列番号 1 ) 。
ORFは 163 アミノ酸残基からなる蛋白質をコードおり、 分泌蛋白質の特徴的な シグナル配列が存在していた。 (配列番号 2 ) 。
実施例 2
30 mer のセンスプライマー (配列番号 7のオリゴヌクレオチド) と 30 mer のアンチセンスプライマー (配列番号 8 のオリゴヌクレオチド) を用い、 ラッ ト脾臓から抽出した mRNAから調整した cDNA を铸型として PCRにより増幅 した。 PCR 産物を KOD ポリメラーゼ (東洋紡社製) により平滑化し、 pZero- 2.0の EcoRV部位に揷入し、 宿主大腸菌 DH-5 a FT (Invitorgen社製) に形質 転換を行った。 得られたクローンの塩基配列を決定し、 逆転写反応、 および PCR 反応中に増幅エラーが生じなかったクローンを選択した。 得られたクロー ン RUNK は全長 527 bp からなり、 483 bp のオープンリ一ディングフレーム (ORF) 、 44 bp の 3,非翻訳領域からなる構造を有していた (配列番号 3) 。 ORF は 162 アミノ酸残基からなる蛋白質をコードしており、 分泌蛋白質の特徴 的なシグナル配列が存在していた。 (配列番号 4 ) 。
実施例 3 実施例 1で特定した m— UNKの cDNAを铸型として、 PCRにより翻訳領域を 増幅した。
PCRプライマ一は BamHIサイトを付加した 30 merのセンスプライマー (配列 番号 9) と Apalサイトを付加した 30 merのアンチセンスプライマ一 (配列番 号 1 0 ) を用いた。
PCR産物を KODポリメラ一ゼ (東洋紡社製) により平滑化し、 pZero-2.0の EcoRV部位に揷入し、 宿主大腸菌 DH- 5 a FT (Invitorgen社製) に形質転換を 行った。 得られたクローンの塩基配列を決定し、 PCR 反応中に増幅エラ一が生 ぜず、 目的の構造を有するクローンを選択した。 このプラスミドから BamHIか ら Apalのフラグメントを pcDNA3.1-myc-his-(B) +の BamHIから Apalの間に 挿入し宿主大腸菌 DH-5 o! FT (Invitorgen 社製) に形質転換を行った。 塩基配 列を確認し、 各 cDNAの ORFの C末端に Mycタグと His夕グが融合した蛋白
質として発現されるクローンを選択した。 このクローンを LB培地で 37でで 16 時間培養し、 発現プラスミド DNA (m-UNK-MH/pcDNA3. 1-myc-his-(B) +を精 製した。
実施例 4 実施例 1 で特定した m-UNK の cDNA をマルチクロ一ニングサイトの中にあ る EcoRIおよび Notlにより制限酵素で切断し、 電気泳動の後、 目的のバンドを 切り出し、 pcDNA3-A-(+)の EcoRIおよび Notl のサイトの間に導入した後、 宿 主大腸菌 DH-5 a FT (Invitrogen 社製) に形質転換を行った。 塩基配列を確認 し、 サイ卜メガロウィルスプロモー夕一により m-UNKを発現させる構造を有す るクローンを選択した。 このクローンを LB培地で 37でで 16時間培養し、 発現 プラスミド DNA (m-UNK /pcDNA3- (A) +) を精製した。
このプラスミ ドを铸型として、 Xbalサイトを付加した 45 merのセンスプラ イマ一 (配列番号 1 1のオリゴヌクレオチド) と 18 merのアンチセンスプライ マー (配列番号 1 2のオリゴヌクレオチド) を用い、 PCR により増幅した。 PCR産物を KOD ポリメラーゼ (東洋紡社製) により平滑化し、 pZero-2.0 の EcoRV部位に挿入し、 宿主大腸菌 DH-5 a FT (Invitorgen社製) に形質転換を 行った。 塩基配列を確認し、 目的の構造を有するクローンを選択した。 このクロ ーンを LB 培地で 37でで 16時間培養し、 発現プラスミド DNAを精製した。 こ のプラスミ ドの Xbalサイトから Pmelサイトの間の cDNAフラグメントを制限 酵素による切断後、 精製し、 大腸菌発現ベクター (PET30-A Novagen 社製)の Xbal サイ トカ、ら EcoRV サイ トの間に挿入し'、 宿主大腸菌 DH-5 FT
(Invitorgen 社製) に形質転換を行った。 塩基配列を確認し、 目的の構造を有 するクローンを選択した。 このクローンを LB培地で 37でで 16時間培養し、 発 現プラスミ ド DNAを精製した。
このプラスミ ドを宿主大腸菌 BL21 -Codon Plus (Stratagene 社製)に形質転 換を行い、 カナマイシンを含む SOB 培地で培養し、 IPTG により蛋白質の誘導 を行い、 宿主に m-UNK 蛋白質の発現を誘導した。 大腸菌の回収後 8 M 尿素を
含む PBS 緩衝液に懸濁し、 凍結融解処理を行った後、 超音波で破砕した。 破砕 液を遠心操作により上清を分離し、 NTA-レジン (Qiagen社製) により精製した c 尿素を含む精製液をゲル濾過により分離し、 m-UNK 蛋白質を含む画分を集めた 後、 PBSにより透析し、 遠心操作により不溶物を除去した。
得られたシグナル配列を削除した蛋白質を m-UNK-myc-his 蛋白質として以 降の実験に用いた。
実施例 5 実施例 4で得られた発現プラスミド DNA (m-UNK /pcDNA3- (A) + ) をアル メニアンハムスターの筋肉に注射し免疫し、 2週間後実施例 4で得られた m- UNK-myc-his 蛋白質を免疫し、 更に 2週間後、 発現プラスミド DNA (m-UNK / pcDNA3- (A) + ) を筋肉に注射し免疫した。 最終免疫から 2週間後、 ハムス夕 一より定法に従って、 採血し、 ポリクロ一ナル抗体を精製すると共に、 脾臓細胞 からモノクロ一ナル抗体の作成を行った。
得られたポリクローナル抗体を用いて m-UNK-myc-his 蛋白質を検出し、 抗 体が作成されていることを確認した。 (図 3)
実施例 6 プラスミド m-UNK /pcDNA3- (A) +をサル腎臓細胞 COS-7にリン酸カルシゥ ム法にて細胞に導入し、 2 4時間後、 培養液を血清成分が含まない物に変更し、 48 時間更に 37でで培養した後、 細胞上清と細胞を各々回収し、 蛋白成分を SDS-PAGE により分離した後、 ポリクローナル抗体を用いてウェスタンプロッ 卜法により m-UNKを検出し、 正しく m-UNKが発現していることを確認すると 共に、 プロセッシングが行われ、 上清に放出されている事を確認した。
実施例 7 バキュロウィルス発現プラスミド pAC-GP67-B (Invitrogen 社製) を铸型と して、 センスプライマ一 (配列番号 13) と m-UNK の配列を含むアンチセンス プライマ一 (配列番号 1 4 ) を用いて PCR を行い、 パキュロウィルスのシグナ ル配列を増幅した。 プラスミド DNA (m-UNK /pcDNA3- (A) + ) を铸型として、 バキュロウィルスの一部シグナル配列を含み配列番号 1 4の相補鎖であり、 かつ m-UNK のシグナル配列の切断店の下流の配列を含むプライマー (配列番号 1 5 ) とアンチセンスプライマー (配列番号 1 2 ) を用いて PCRを行い、 m- UNK の部分 cDNA を増幅した。 この cDNA と前述のパキュロウィルスのシグナル配 列の DNA を铸型として、 センスプライマー (配列番号 1 3 ) とアンチセンスプ ライア一 (配列番号 1 2 ) を用いて PCR を行い、 バキュロウィルスのシグナル 配列と m-UNKのシグナル配列の切断点の下流の配列が融合した DNAを増幅し (配列番号 1 5 ) 、 KOD ポリメラ一ゼ (東洋紡社製) により平滑化し、 pZero- 2.0の EcoRV部位に揷入し、 宿主大腸菌 DH-5 o! FT (Invitorgen社製) に形質 転換を行った。 目的の構造を持つクローンを選択し、 プラスミドを精製した。 このプラスミドを Spel と Notl で切断し、 得られたフラグメントをバキュ口 ウィルス発現プラスミド pAC-GP67-Bの Spelと Notlの間に挿入し、 宿主大腸 菌 DH-5 0! FT (Invitorgen 社製) に形質転換を行った。 目的の構造を持つクロ ーンを選択し、 プラスミドを精製した。 得られたプラスミドを Pharmingen 社 のプロトコルに従い、 m-UNK 蛋白質を発現する組換えバキュロウィルスを作成 し、 m- UNK 蛋白質を無蛋白質培地の中に放出させると共に、 昆虫細胞を回収し た。 上清と細胞から SDS により蛋白質を溶解させ、 ウエスタンプロットをおこ ない、 m-UNK 蛋白質が発現し、 放出されていることを確認すると共に、 糖鎖修 飾がされていることを電気泳動的に確認した。
実施例 8 BAJLB/cマウス脾臓細胞から、 カラムを用いて B細胞を分画し、 m-UNK蛋白
質の存在下で培養すると、 非存在下に比較して優位な B細胞の増殖が認められた c さらに、 LPS 非応答性マウスである C3H/HeJ から得られた B細胞にも同様な 増殖活性能を示すことから、 この反応は LPS によるものではなく、 H1-UNK 蛋 白質により誘導された反応であることが確認された (図 1 ) 。
実施例 9 m-UNK蛋白質の免疫応答に作用する効果を調べるために、 BALB/cマウスを ォブアルブミン (OVA) 単独あるいは OVA と m-UNK蛋白質の混合液を腹腔内 に投与した。 投与 2週間後、 それぞれのマウスの OVA に対する血清抗体価を測 定したところ、 OVA単独投群に比べ OVAと m-UNK蛋白質の混合液投与群では OVAに対する血清抗体価の優位な上昇が認められた (図 2 ) 。
実施例 10 マウス脾臓細胞と羊赤血球を m-UNK存在下および非存在下で 4日間培養後、 羊赤血球に対する抗体産生を、 溶血斑形成細胞 (PFC) 数を測定することで解析 した (PFCについては、 "Selected Methods in cellular Immunology", edited by Barbara B. Mishell and Stanley M. Shiigi, 1980, W. H. Freeman and Company, p 86-89参照) 。
結果は図 4 に示したとおりである。 羊赤血球の存在下では、 コントロールと して用いたベクタ一 pET30 に比較して、 m-UNK 存在下では、 溶血斑数が増加 していたことから、 抗体産生が増強されていることが判明した。 これに対し、 羊 赤血球の非存在下では、 m-UNK 存在下においても溶血斑数が増加しないことか ら、 特異的抗体産生は認められないことが判明した。
以上の結果から、 UNKが in vitro において抗原特異的抗体産生を増強させる ことが確認された。