以下に、実施の形態にかかる換気制御システムおよび換気制御装置を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる換気制御システム100が工場の建屋701に適用された例を示す第1の模式図である。図2は、実施の形態1にかかる換気制御システム100が工場の建屋701に適用された例を示す第2の模式図である。図3は、実施の形態1にかかる換気制御システム100が工場の建屋701に適用された例を示す第3の模式図である。図1および図2では、換気制御システム100が工場の建屋701に適用されて、建屋701の内部である室内が換気対象空間とされる場合について示している。図3では、実施の形態1にかかる換気制御システム100の制御手段400が工場の制御室702に配置されている状態を示している。
図4は、図1に示す工場の建屋701の模式平面図である。図4では、建屋701の天井を透過して見える建屋701に配置された構成を模式的に示している。また、図4では、理解の容易のため、局所排気用換気扇230およびダクト231が建屋の床面701bの面内方向において製造装置703および熱源装置706の横の位置に記載されているが、実際には、局所排気用換気扇230およびダクト231は、図1および図2に示すように実際には製造装置703および熱源装置706の上方に配置されている。図5は、実施の形態1にかかる換気制御システム100の機能構成を示すブロック図である。換気制御システム100は、建屋701の内部の換気もしくはナイトパージを行うシステムである。ダクト231の下端の吸気口には、熱源装置706の排熱に起因する熱気を集めるためのフードが設けられる。
実施の形態1においては、図1における建屋701の幅方向をX方向とし、建屋701の奥行き方向をY方向とし、建屋701の高さ方向をZ方向として説明する。X方向とY方向とは、水平方向に平行な方向である。Z方向は、鉛直方向に平行な方向である。また、X方向においては、図1における左から右に向かう方向をX方向の+方向とし、図1における右から左に向かう方向をX方向の-方向とする。Y方向においては、図1における右上から左下に向かう方向をY方向の+方向とし、図1における左下から右上に向かう方向をY方向の-方向とする。Z方向においては、図1における下から上に向かう方向をZ方向の+方向とし、図1における上から下に向かう方向をZ方向の-方向とする。
図2および図3に示すように、工場には、閉鎖系の空間である建屋701と、制御手段400が設置された制御室702と、が設けられている。建屋701と制御室702とは、工場内における同じ場所に設けられてもよい。すなわち、制御室702は、建屋701の内部に設けられてもよい。また、建屋701と制御室702とは、工場内における異なる場所に設けられてもよい。
図1および図2に示すように、建屋701の内部には、製造装置703が配置されている。製造装置703は、稼働時に熱を発生する熱源装置706を含んでいる。すなわち、製造装置703が動作することにより、熱が発生する。製造装置703は、建屋701の室内を温めることを目的として配置されている装置ではなく、製品の製造を目的として設置された装置である。
図2および図4に示すように、製造装置703から放出される排熱によって建屋701の他の領域よりも相対的に温度が上昇した高温空気705は、製造装置703の周囲に広がる。製造装置703の周囲に広がった高温空気705は、換気制御システム100の後述する排気用換気扇210または局所排気用換気扇230が稼働することにより、建屋701の外部に排気される。建屋701の外部に排気される高温空気705が排気される過程で天井または壁などの躯体に触れることにより、高温空気705の熱が躯体に伝わる。これにより、高温空気705の熱が、蓄熱707として躯体に熱が蓄えられる。また、排気用換気扇210または局所排気用換気扇230の稼働により捕集し切れなかった高温空気705が天井または壁などの躯体に触れることにより、高温空気705の熱が躯体に伝わる。これにより、高温空気705の熱が、蓄熱707として躯体に熱が蓄えられる。
さらに、製造装置703に接している建屋の床面701bへも製造装置703から直接熱が伝熱される。これにより、製造装置703の熱が蓄熱707として躯体に熱が蓄えられる。蓄熱707は、躯体内の温度勾配に従って、作業員704の周辺の躯体まで拡散し、さらに作業員704の周辺の空気温度より躯体の温度が高い場合に、蓄熱707の熱を作業員704の周辺の空気に放出し、作業員704の周辺の空気温度を上昇させる。
建屋701で用いられる換気制御システム100は、換気システム200と、温度センサシステム300と、制御手段400と、を備える。
換気システム200は、建屋701の内部の換気または蓄熱707の放熱を促すためのナイトパージを行う。換気システム200は、1つ以上の排気用換気扇210と、1つ以上の給気用換気扇220と、1つ以上の局所排気用換気扇230と、1つ以上の循環用送風機240と、換気制御インターフェース260と、を備える。
換気制御インターフェース260は、温度センサシステム300および制御手段400と接続されるインターフェースである。以下では、インターフェースをI/Fと略称する。例えば、以下では、換気制御インターフェース260を、換気制御I/F260と略称する。換気制御I/F260は、排気用換気扇210、給気用換気扇220、局所排気用換気扇230および循環用送風機240の制御手段400による制御に用いられるI/Fである。すなわち、換気制御I/F260は、排気用換気扇210、給気用換気扇220、局所排気用換気扇230および循環用送風機240と、制御手段400との間の情報通信を仲介する。
排気用換気扇210は、建屋701の内部の換気もしくはナイトパージを行う換気設備であり、建屋701の内部と建屋701の外部とを仕切る建屋701の外壁701aに設置され、建屋701の内部の空気を建屋701の外部である屋外へ排出するための排気機器である。排気用換気扇210は、一般的な排気用の換気扇に相当する機能を有する。排気用換気扇210は、換気制御I/F260を介して制御手段400と通信可能とされており、制御手段400による制御が可能とされている。
給気用換気扇220は、建屋701の内部の換気もしくはナイトパージを行う換気設備であり、建屋701の外壁701aに設置され、建屋701の屋外の空気である外気を建屋701の内部に給気するための給気機器である。給気用換気扇220は、一般的な給気用の換気扇に相当する機能を有する。給気用換気扇220は、換気制御I/F260を介して制御手段400と通信可能とされており、制御手段400による制御が可能とされている。
局所排気用換気扇230は、建屋701の内部の換気もしくはナイトパージを行う換気設備であり、建屋701の内部において製造装置703の近くの位置に設置され、建屋701の内部の空気をダクト231を介して建屋701の外部である屋外へ排出するための局所排気機器である。ダクト231は、局所排気用換気扇230が発生する気流によって建屋701の内部の空気を吸い込んで建屋701の内部の空気を屋外に流すための導風路である。なお、導風路として、ダクト231の代わりに、建屋701の内部の空気を吸い込むための排気フードが用いられてもよい。
図6は、実施の形態1にかかる換気制御システム100の換気扇10の機能構成を示すブロック図である。以下、排気用換気扇210と給気用換気扇220と局所排気用換気扇230との構成について説明する。排気用換気扇210と給気用換気扇220と局所排気用換気扇230との基本的な構成は同じであるため、ここでは排気用換気扇210と給気用換気扇220と局所排気用換気扇230を換気扇10と総称する。
換気扇10は、換気部11と、換気通信部12と、換気記憶部13と、換気制御部14と、を備える。換気部11は、建屋701の内部の換気もしくはナイトパージを行う。なお、排気用換気扇210と局所排気用換気扇230との換気部11は、建屋701の内部の空気を屋外へ排気する。給気用換気扇220の換気部11は、外気を建屋701の内部に給気する。換気通信部12は、制御手段400との間で通信を行う。換気記憶部13は、換気扇10の制御に用いられる各種の情報を記憶する。換気記憶部13は、換気扇10の機器位置情報である、換気扇10が設置された場所の位置情報を記憶する。
換気制御部14は、換気扇10の動作を制御する。換気制御部14は、制御手段400から送信される動作指示情報を換気通信部12を介して受信し、動作指示情報に基づいて換気扇10の運転を制御する。すなわち、換気制御部14は、動作指示情報に基づいて換気扇10の稼働、停止、風量の調整といった換気扇10の動作を制御する。換気部11と換気通信部12と換気記憶部13と換気制御部14とは、互いに情報の送受信が可能である。換気通信部12と換気記憶部13と換気制御部14とは、換気扇10の内部に搭載されていてもよく、その他の装置内、例えば換気制御I/F260あるいは制御手段400の内部に取り込まれていてもよい。
循環用送風機240は、建屋701の内部に配置され、建屋701の内部の空気を吸い込んで建屋701の内部に送風することにより建屋701の内部の空気を循環させる、もしくはナイトパージによって取り込まれた外気を建屋701内で循環させるための送風機器である。循環用送風機240は、一般的な扇風機またはエアー搬送ファンといった送風機に相当する機能を有する。循環用送風機240は、換気制御I/F260を介して制御手段400と通信可能とされており、制御手段400による制御が可能とされている。
図7は、実施の形態1にかかる換気制御システム100の循環用送風機240の機能構成を示すブロック図である。循環用送風機240は、送風部241と、送風通信部242と、送風記憶部243と、送風制御部244と、を備える。送風部241は、建屋701の室内の空気を循環させる送風、もしくはナイトパージによって取り込まれた外気を建屋701内で循環させる送風を行う。送風通信部242は、制御手段400との間で通信を行う。送風記憶部243は、循環用送風機240の制御に用いられる各種の情報を記憶する。送風記憶部243は、循環用送風機240の機器位置情報である、循環用送風機240が設置された場所の位置情報を記憶する。
送風制御部244は、循環用送風機240の動作を制御する。送風制御部244は、制御手段400から送信される動作指示情報を送風通信部242を介して受信し、動作指示情報に基づいて循環用送風機240の運転を制御する。すなわち、送風制御部244は、動作指示情報に基づいて循環用送風機240の稼働、停止、風量の調整といった循環用送風機240の動作を制御する。送風部241と送風通信部242と送風記憶部243と送風制御部244とは、互いに情報の送受信が可能である。送風通信部242と送風記憶部243と送風制御部244とは、循環用送風機240の内部に搭載されていてもよく、その他の装置内、例えば換気制御I/F260あるいは制御手段400の内部に取り込まれていてもよい。
なお、建屋701には、換気制御システム100の他に、建屋701内の空気調和を行う1つ以上の空気調和機250が、設けられている。空気調和機250は、建屋701の内部に配置され、建屋701の内部の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を加熱あるいは冷却して建屋701の内部に供給することで、建屋701の内部の空気を空気調和する空気調和設備である。空気調和機250は、一般的な空気調和機に相当する機能を有する。空気調和機250は、一体型の空気調和機であってもよく、セパレート型の空気調和機であってもよい。
温度センサシステム300は、制御手段400が換気システム200の制御に用いる情報を収集する情報収集システムである。温度センサシステム300は、建屋701の内部の空気の温度と、屋外の空気の温度と、を測定して収集する。温度センサシステム300は、複数の温度センサ310を備える。温度センサ310は、温度センサ310が設置された場所の温度を測定して収集する環境センサである。具体的に、温度センサ310は、温度センサ310が設置された場所の周囲の空気の温度を測定して収集する。温度センサ310は、測定結果である温度センサ310が設置された場所の温度の情報を、電気信号に変換して制御手段400に温度データとして送信する。温度センサシステム300は、熱源装置706の温度を測定する熱源温度センサまたは躯体に接することで躯体の温度を直接測定する躯体温度センサを含んでもよい。
また、温度センサ310は、温度センサ310の機器位置情報である温度センサ310が設置された場所の位置情報を記憶しておき、温度センサ310が設置された場所の温度の情報と共に、温度センサ310の機器位置情報を電気信号に変換して制御手段400に送信することができる。
温度センサ310には、設置が容易である一般的な温度センサを用いることができる。温度センサ310は、建屋701の内部と建屋701の外部とにおける複数個所に設置されている。建屋701の外部に設置された温度センサ310は、例えば給気用換気扇220の近くの位置の外気と接する場所に設置されており、外気の温度を測定する。外気の温度は、屋外の空気の温度である。以下では、外気の温度を外気温度と呼ぶ。
建屋701の内部に設置された温度センサ310は、例えば建屋701の内部において、予め決められた作業エリアである作業員704が作業を行う場所の近くの位置に設置されており、作業員704の在否に関わらず、作業員704が作業を行う場所の空気の温度を測定する。また、建屋701の内部に設置された温度センサ310は、例えば建屋701の内部において製造装置703の近くの位置に設置されており、製造装置703の周囲の空気の温度を測定する。建屋701の内部に設置された温度センサ310は、内部温度センサといえる。内部温度センサのうち、作業エリアの温度を測定する温度センサ310は、作業エリア温度センサといえる。建屋701の外部に設置された温度センサ310は、外部温度センサといえる。
作業エリアは、建屋701の内部における作業員704が作業を行う予め決められたエリアであって、蓄熱707によって温度の影響を受けるエリアである。作業エリアは、建屋701の内部における予め決められた温度制御対象位置と換言できる。作業員704が作業を行うエリアであれば、作業員704が不在であっても作業エリアとみなす。作業エリアの近くの位置に設置された温度センサ310により測定された温度、すなわち、作業員704が作業を行う場所の近くの位置に設置された温度センサ310により測定された温度は、作業エリアの温度といえる。作業エリアの温度は、作業エリアの周囲の建屋の壁または床などの躯体に蓄積された熱の影響を、躯体に蓄積された蓄熱量に対応して受ける。このため、作業エリア温度センサで計測される空気温度から、作業エリア温度センサの周辺の躯体への蓄熱量を推定することができる。
すなわち、建屋の壁または床などの躯体に蓄積した熱は、蓄熱量に対応して躯体の近傍の空気中に放熱されて空気温度を上昇させる。このため、作業エリア温度センサで計測される空気温度から作業エリア温度センサの周辺の躯体に蓄積した熱量を推定することができる。さらに、作業エリア温度センサの値を外部温度センサの値にどれだけ近づけられたかをもって、ナイトパージの効果を推し量ることができる。すなわち、作業エリアの温度を屋外の空気の温度にどれだけ近づけられたかをもって、躯体の蓄熱707をどれだけ放熱させられたか推定することができ、作業エリアの温度と屋外の空気の温度とが同一温度になった場合に、作業エリアの躯体の蓄熱707が全て放熱されたとみなすことができる。
図8は、実施の形態1にかかる換気制御システム100の温度センサ310の機能構成を示すブロック図である。温度センサ310は、測定部311と、センサ通信部312と、センサ記憶部313と、センサ制御部314と、を有する。
測定部311は、温度センサ310が設置された場所の温度を測定する。具体的に、測定部311は、温度センサ310が設置された場所の周囲の空気の温度を測定する。センサ通信部312は、制御手段400との間で通信を行う。センサ記憶部313は、温度センサ310の制御に用いられる各種の情報を記憶する。センサ記憶部313は、温度センサ310の機器位置情報である、温度センサ310が設置された場所の位置情報を記憶する。
センサ制御部314は、温度センサ310の動作を制御する。センサ制御部314は、制御手段400から送信される動作指示情報をセンサ通信部312を介して受信し、動作指示情報に基づいて温度センサ310の動作を制御する。すなわち、センサ制御部314は、動作指示情報に基づいて温度センサ310の稼働、停止の動作を制御する。センサ制御部314は、測定部311における測定結果の情報を、センサ通信部312を介して、制御手段400の後述する制御装置制御部403に送信する。測定部311とセンサ通信部312とセンサ記憶部313とセンサ制御部314とは、互いに情報の送受信が可能である。
制御手段400は、換気システム200と温度センサシステム300とから取得したデータに基づいて、作業エリアの周辺の蓄熱707を放熱させるナイトパージを行うために、換気システム200の各構成機器の動作を個別に制御する。このとき、蓄熱707が十分に放熱されたかどうかは、作業エリア周辺の空気温度がどれだけ外気温度に近づいたかによって判定される。すなわち、制御手段400は、換気システム200と温度センサシステム300とから取得したデータに基づいて、排気用換気扇210と、給気用換気扇220と、循環用送風機240とに対して、作業エリアの温度を外気温度に近づける制御を行う。また、制御手段400は、換気システム200と温度センサシステム300とから取得したデータに基づいて、建屋701の内部の換気を行うために、換気システム200の各構成機器の動作を個別に制御する。
なお、制御手段400が換気システム200の構成機器の動作を個別に制御して作業エリアの周辺の建屋の躯体に蓄えられた熱を放出させることで、作業エリアの温度を外気温度に近づける制御、すなわち作業エリアの温度を屋外の空気の温度に近づける制御を、躯体蓄熱放出制御と呼ぶ。
図9は、実施の形態1にかかる換気制御システム100の制御手段400の換気制御装置410の機能構成を示すブロック図である。
制御手段400は、換気制御装置410と、記憶装置420と、を備える。
換気制御装置410は、換気システム200の動作を制御して換気制御システム100による建屋701の内部の換気制御もしくはナイトパージ制御を、制御する。換気制御装置410は、制御装置通信部401と、制御装置記憶部402と、制御装置制御部403と、を備える。
制御装置通信部401は、換気制御システム100における制御手段400以外の機器との間で通信を行う。制御装置通信部401は、換気システム200の、排気用換気扇210、給気用換気扇220、局所排気用換気扇230および循環用送風機240との間で、換気制御I/F260を介して通信を行う。また、制御装置通信部401は、温度センサシステム300の温度センサ310との間で通信を行う。
制御装置記憶部402は、換気制御装置410の制御を含む換気制御システム100全体の制御に用いられる各種の情報を記憶する。
制御装置制御部403は、換気制御装置410の制御を含む換気制御装置410の全体の動作を制御する。制御装置制御部403は、換気システム200の各構成機器の稼働状態を示す機器稼働データを取得して記憶する処理と、換気システム200の各構成機器の位置を示す機器位置情報を取得して記憶する処理と、温度センサシステム300の各温度センサ310において測定された温度データを取得して記憶する処理と、温度センサシステム300の各温度センサ310の位置を示す温度位置情報を取得して記憶する処理と、を制御する。
そして、制御装置制御部403は、ナイトパージにおいて、換気システム200と温度センサシステム300とから取得したデータに基づいて、排気用換気扇210と、給気用換気扇220と、循環用送風機240とに対して、作業エリアの温度を外気温度に近づける制御を行う。
機器稼働データは、換気システム200の各構成機器の稼働状態を示すデータである。換気システム200の各構成機器の稼働状態は、各構成機器の稼働条件と換言できる。各構成機器の稼働条件には、稼働、停止、風量といった制御条件が含まれる。換気システム200の各構成機器の制御部は、予め決められた周期で、制御装置制御部403に機器稼働データを送信する。機器稼働データは、機器によって稼働状態を表すために必要なパラメータが異なる。換気システム200の各構成機器の機器稼働データをまとめて、換気システム200の機器稼働データと称することができる。機器稼働データの詳細については後述する。
機器位置情報は、換気システム200に含まれる機器の位置情報である。換気システム200の各構成機器の位置を示す機器位置情報は、換気システム200に含まれる機器の位置情報である。換気システム200の各構成機器の制御部は、機器稼働データと共に機器位置情報を制御装置制御部403に送信することができる。また、制御装置制御部403は、後述するデータベース430に記憶されている機器位置情報を取得することも可能である。
温度データは、温度センサシステム300の各温度センサ310において測定された温度のデータであり、建屋701の内部に設置された温度センサ310において測定された温度のデータと、建屋701の外部に設置された温度センサ310において測定された温度のデータと、が含まれる。温度センサシステム300の各温度センサ310のセンサ制御部314は、予め決められた周期で、制御装置制御部403に温度データを送信する。
温度位置情報は、温度センサシステム300の各温度センサ310の位置を示す位置情報であり、温度センサシステム300の温度センサ310で測定された温度の位置の情報といえる。温度センサシステム300の各温度センサ310のセンサ制御部314は、温度データと共に温度位置情報を制御装置制御部403に送信することができる。また、制御装置制御部403は、後述するデータベース430に記憶されている温度位置情報を取得することも可能である。
また、制御装置制御部403は、取得した上記の情報に基づいて、作業エリア周辺の蓄熱707を放熱させるナイトパージを行うために、換気システム200の各構成機器の動作を個別に制御する。このとき、蓄熱707が十分に放熱されたかどうかは、作業エリア周辺の空気温度がどれだけ外気温度に近づいたかによって判定される。すなわち、制御装置制御部403は、取得した上記の情報に基づいて、排気用換気扇210と、給気用換気扇220と、循環用送風機240とに対して、作業エリアの温度を外気温度に近づける制御を行う。また、制御装置制御部403は、建屋701の内部の換気を行うために、換気システム200の各構成機器の動作を個別に制御する。
すなわち、制御装置制御部403は、換気システム200の動作を制御して建屋701の内部の換気もしくは作業エリア周辺の蓄熱707を放熱させるナイトパージを制御する換気制御システム100のシステム制御部としての機能を有するといえる。
記憶装置420は、換気制御装置410による換気システム200の制御に用いられる各種の情報を記憶する記憶部である。記憶装置420は、データベース430を有する。
データベース430は、制御装置制御部403が取得した、換気システム200の制御に用いられる各種の情報が記憶される。すなわち、データベース430には、制御装置制御部403が取得した、機器稼働データ、機器位置情報、温度データ、温度位置情報といった各種の情報が記憶される。また、データベース430には、換気システム200の各構成機器を個別に制御するために用いられる、複数の異なる稼働停止パターンが記憶されている。
稼働停止パターンは、換気システム200の各構成機器について、稼働、停止、風量といった動作パターンが個別に設定された制御条件である。具体的に、稼働停止パターンは、制御装置制御部403が、機器稼働データと、機器位置情報と、温度データと、温度位置情報とに基づいて、作業エリア周辺の蓄熱707を放熱させるナイトパージを行うために、排気用換気扇210と、給気用換気扇220と、循環用送風機240との各構成機器の動作を個別に制御する制御条件である。このとき、蓄熱707が十分に放熱されたかどうかは、作業エリア周辺の空気温度がどれだけ外気温度に近づいたかによって判定される。
すなわち、稼働停止パターンは、制御装置制御部403が、取得した上記の情報に基づいて、作業エリアの温度を外気温度に近づけるように換気システム200の各構成機器の動作を個別に制御する制御条件である。したがって、稼働停止パターンは、機器稼働データと、機器位置情報と、温度データと、温度位置情報との組み合わせに適した、建屋701の内部における作業エリア周辺の蓄熱707の放熱を促すためのナイトパージを行うための制御条件である。
稼働停止パターンにおいては、排気用換気扇210と給気用換気扇220と循環用送風機240については、例えば稼働、停止、風量の条件が設定される。
制御装置制御部403は、データベース430に記憶された稼働停止パターンを用いて、排気用換気扇210、給気用換気扇220、循環用送風機240の稼働あるいは停止を個別に制御することができる。
排気用換気扇210と給気用換気扇220と局所排気用換気扇230と循環用送風機240との機器位置情報および温度センサ310の位置情報である温度位置情報のデータベース430への入力方法は、ユーザが工場の施工図面などから各構成機器の機器位置情報および各温度センサ310の温度位置情報を読み取って、読み取った機器位置情報および温度位置情報を、換気制御装置410を介してデータベース430に記憶させる方法が挙げられる。すなわち、換気制御装置410の制御装置制御部403が、換気制御装置410に入力された機器位置情報および温度位置情報をデータベース430に記憶させる。
また、他の方法として、制御装置制御部403が、排気用換気扇210と給気用換気扇220と局所排気用換気扇230と循環用送風機240とのそれぞれから送信される機器位置情報を受信して、受信した機器位置情報をデータベース430に記憶させる方法が挙げられる。また、制御装置制御部403が、各温度センサ310から送信される温度位置情報を受信して、受信した温度位置情報をデータベース430に記憶させる方法が挙げられる。
なお、機器稼働データ、機器位置情報、温度データ、温度位置情報、および稼働停止パターンといった換気制御装置410による換気システム200の制御に用いられる各種の情報は、換気制御装置410の制御装置記憶部402に記憶されてもよい。
ここで、制御手段400のハードウェア構成について説明する。図10は、実施の形態1にかかる換気制御システム100の制御手段400を実現するハードウェア構成例を示す図である。換気制御装置410は、プロセッサ411、メモリ412、制御インターフェース413、センサインターフェース414、入力インターフェース415、表示部インターフェース416を備える。データベース430は、制御に必要なデータや制御のための設定値をファイル432として格納する。
プロセッサ411は、例えば中央演算装置(Central Processing Unit:CPU)である。プロセッサ411は、バス417等を介して換気制御装置410の他のハードウェアと接続され、当該ハードウェアを制御する。プロセッサ411は、データベース430からプログラム431を読み出してメモリ412に展開し、メモリ412に展開したプログラム431を実行する。制御I/F413は、換気制御I/F260を介して排気用換気扇210、給気用換気扇220、局所排気用換気扇230、循環用送風機240を制御するためのI/Fである。センサI/F414は、温度センサシステム300のデータを収集するためのI/Fである。入力I/F415は、キーボードおよびマウス等の入力装置のI/Fである。表示部I/F416は、ディスプレイ等の表示装置とのI/Fである。
つぎに、図1および図4を参照して、制御装置制御部403が取得する情報について説明する。まず、換気システム200の各構成機器の機器位置情報について説明する。換気システム200の各構成機器の機器位置情報は、各構成機器の英語表記におけるアルファベットの2文字の略号を用いて識別される。同じ構成機器が複数ある場合は、A,B,C,・・・といった3文字目のアルファベットの1文字で識別される。
排気用換気扇210は、「Fan-Exhaust」におけるアルファベットの2文字の略号である「FE」を用いて識別される。給気用換気扇220は、「Fan-Supply」におけるアルファベットの2文字の略号である「FS」を用いて識別される。局所排気用換気扇230は、「Fan-Local」におけるアルファベットの2文字の略号である「FL」を用いて識別される。循環用送風機240は、「Fan-Circulation」におけるアルファベットの2文字の略号である「FC」を用いて識別される。建屋701の内部に設置された温度センサ310は、「Sensor-Indoor」におけるアルファベットの2文字の略号である「SI」を用いて識別される。屋外に設置された温度センサ310は、「Sensor-Outdoor」におけるアルファベットの2文字の略号である「SO」を用いて識別される。製造装置703は、「Product-Equipment」におけるアルファベットの2文字の略号である「PE」を用いて識別される。熱源装置706は、「Heat-Source」におけるアルファベットの2文字の略号である「HS」を用いて識別される。また、作業員704についても、「Work-Person」におけるアルファベットの2文字の略号である「WP」を用いて識別される。
機器位置情報は、水平方向の位置情報と垂直方向の位置情報とにより表され、例えば図1および図4における建屋の床面701bの左上の位置を原点とするXYZ座標で与えられる。例えば、排気用換気扇210である排気用換気扇210Aの機器位置情報である機器位置座標P_FEAは、(P_FEA_X、P_FEA_Y、P_FEA_Z)で表される。また、給気用換気扇220である給気用換気扇220Aの機器位置情報である機器位置座標P_FSAは、(P_FSA_X、P_FSA_Y、P_FSA_Z)で表される。なお、図1および図4では1つの給気用換気扇220を示しているが、ここでは理解の容易のため、複数の機器を識別するアルファベットであるAを記載して説明している。
つぎに、換気システム200の機器稼働データについて説明する。排気用換気扇210は、建屋701の内部の空気を屋外へ排出する。そこで、排気用換気扇210の稼働状態を示す機器稼働データは、排気用換気扇210の風量と風向きとによって表される。例えば、排気用換気扇210である排気用換気扇210Aの機器稼働データである風量Q_FEAは、(Q1_FEA、QV_FEA_X、QV_FEA_Y、QV_FEA_Z)で表される。Q1_FEAは、風量の絶対値である。(QV_FEA_X、QV_FEA_Y、QV_FEA_Z)は、風量の絶対値が1である風の風向きベクトルである。
例えば、発生する風の風向きが建屋701における外壁701aのうちXZ面に沿った面に垂直な方向とされて外壁701aに設置されている排気用換気扇210Aの場合、排気用換気扇210Aの機器稼働データの風向きベクトルは、(QV_FEA_X、QV_FEA_Y、QV_FEA_Z)=(0、-1、0)となる。排気用換気扇210Aが発生する風の風向きは、建屋701の内部から屋外に向かう方向の風向きとなるため、QV_FEA_Yはマイナスの値となる。
換気扇は、一般的には風向きが固定されており、風向きベクトルの方向が機器ごとに固定されている。一方、換気扇は、風量が可変とされており、例えば強運転と弱運転との2段階の風量から選択して運転される。換気扇の風向きが固定されており、風向きベクトルの方向が固定されている機器の場合、風向きベクトルの情報は、予め制御装置制御部403またはデータベース430に記憶しておくことも可能である。
給気用換気扇220は、建屋701の屋外の空気である外気を建屋701の内部に給気する。そこで、給気用換気扇220の稼働状態を示す機器稼働データは、排気用換気扇210と同様に、給気用換気扇220の風量と風向きとによって表される。例えば、給気用換気扇220である給気用換気扇220Aの機器稼働データである風量Q_FSAは、(Q1_FSA、QV_FSA_X、QV_FSA_Y、QV_FSA_Z)で表される。Q1_FSAは、風量の絶対値である。(QV_FSA_X、QV_FSA_Y、QV_FSA_Z)は、風量の絶対値が1である風の風向きベクトルである。
例えば、発生する風の風向きが建屋701における外壁701aのうちYZ面に沿った面に垂直な方向とされて外壁701aに設置されている給気用換気扇220Aの場合、給気用換気扇220Aの機器稼働データの風向きベクトルは、(QV_FSA_X、QV_FSA_Y、QV_FSA_Z)=(1、0、0)となる。
局所排気用換気扇230は、建屋701の内部の空気をダクト231を介して建屋701の外部である屋外に排気する。局所排気用換気扇230は、設置位置が建屋701の壁面ではなく建屋701の内部である。局所排気用換気扇230の稼働状態を示す機器稼働データのパラメータは、排気用換気扇210と同様に、局所排気用換気扇230の風量と風向きとによって表される。例えば、局所排気用換気扇230である局所排気用換気扇230Aの機器稼働データである風量Q_FLAは、(Q1_FLA、QV_FLA_X、QV_FLA_Y、QV_FLA_Z)で表される。Q1_FLAは、風量の絶対値である。(QV_FLA_X、QV_FLA_Y、QV_FLA_Z)は、風量の絶対値が1である風の風向きベクトルである。
局所排気用換気扇230の機器位置情報は、建屋701の内部から空気を吸い込むダクト231の位置で規定される。一般的には、局所排気用換気扇230のダクト231は、熱源装置706の上方に設置される。
そして、ダクト231が、図1に示すように熱源装置706の上方から、建屋701における外壁701aのうちYZ面に沿った面まで水平方向において引き回されて建屋701の内部と屋外とを連通させる場合には、建屋701の内部の空気は、上向き、すなわち+Z方向に排気される。この場合の局所排気用換気扇230の機器稼働データの風向きベクトルは、建屋701の内部の空気の吸込み方向が+Z方向であるので、(QV_FLA_X、QV_FLA_Y、QV_FLA_Z)=(0、0、1)となる。
また、例えばダクト231が、建屋701の内部から不図示の建屋701の天面まで引き回されて建屋701の内部と屋外とを連通させる場合も、建屋701の内部の空気は、上向き、すなわち+Z方向に排気される。この場合も、局所排気用換気扇230の機器稼働データの風向きベクトルは、建屋701の内部の空気の吸込み方向が+Z方向であるので、(QV_FLA_X、QV_FLA_Y、QV_FLA_Z)=(0、0、1)となる。
循環用送風機240は、建屋701の内部の空気を吸い込んで建屋701の内部に循環させる。循環用送風機240の稼働状態を示す機器稼働データは、排気用換気扇210と同様に、循環用送風機240の風量と風向きとによって表される。例えば、循環用送風機240である循環用送風機240Aの機器稼働データである風量Q_FCAは、(Q1_FCA、QV_FCA_X、QV_FCA_Y、QV_FCA_Z)で表される。Q1_FCAは、風量の絶対値である。(QV_FCA_X、QV_FCA_Y、QV_FCA_Z)は、風量の絶対値が1である風の風向きベクトルである。
なお、図1および図4では1つの循環用送風機240を示しているが、ここでは理解の容易のため、複数の機器を識別するアルファベットであるAを記載して説明している。
また、循環用送風機240は、風向きベクトルが可変とできるものであってもよい。すなわち、循環用送風機240は、風向可変機能を備えていてもよい。循環用送風機240が風向可変機能を備える場合、循環用送風機240の風量と風向きベクトルとの両方のデータが循環用送風機240から制御手段400に送信されて伝達される。上記のように風向きが固定されており、風向きベクトルの方向が固定されている機器の場合、風向きベクトルの情報は予めデータベース430に記憶されていてもよい。一方、循環用送風機240が風向可変機能を備える場合には、風向きベクトルの方向が固定されないため、循環用送風機240の風量と風向きベクトルとの両方のデータが循環用送風機240から制御手段400に送信されて伝達される。
つぎに、温度位置情報について説明する。温度位置情報は、機器位置情報と同様に、水平方向の位置情報と垂直方向の位置情報とにより表され、例えば図1および図4における建屋の床面701bの左上の位置を原点とするXYZ座標で与えられる。例えば建屋701の内部に設置された温度センサ310である温度センサ310Aの温度位置情報である温度位置座標P_SIAは、(P_SIA_X、P_SIA_Y、P_SIA_Z)で表される。
つぎに、温度データについて説明する。温度データT_SIは、建屋701の内部に設置された温度センサ310において測定された温度のデータである。例えば建屋701の内部に設置された温度センサ310である温度センサ310Aの温度データである温度データT_SIAは、例えば(T_SIA)で表される。
温度データT_SOは、建屋701の外部に設置された温度センサ310において測定された温度のデータである。例えば建屋701の外部に設置された温度センサ310である温度センサ310Cの温度データである温度データT_SOCは、例えば(T_SOC)で表される。
つぎに、換気制御システム100におけるナイトパージの動作について説明する。図11は、実施の形態1にかかる換気制御システム100の動作の手順を示すフローチャートである。
ステップS110において、換気システム200の機器稼働データおよび機器位置情報と、温度センサシステム300の温度データおよび温度位置情報とが取得される。具体的に、制御手段400の制御装置制御部403が、換気システム200の機器稼働データおよび機器位置情報と、温度センサシステム300の温度データおよび温度位置情報とを取得する。
換気システム200の各構成機器の制御部は、予め決められた周期で、制御装置制御部403に機器稼働データを送信する。また、換気システム200の各構成機器の制御部は、機器稼働データと共に機器位置情報を制御装置制御部403に送信する。また、温度センサシステム300の各温度センサ310のセンサ制御部314は、予め決められた周期で、制御装置制御部403に温度データを送信する。温度センサシステム300の各温度センサ310のセンサ制御部314は、温度データと共に温度位置情報を制御装置制御部403に送信する。
制御手段400の制御装置制御部403は、換気システム200および温度センサシステム300から送信された各情報を受信することにより、換気システム200の機器稼働データおよび機器位置情報と、温度センサシステム300の温度データおよび温度位置情報と、を取得することができる。
ステップS120において、制御装置制御部403において取得された情報に基づいて、換気システム200の動作を制御するための稼働停止パターンが判定される。具体的に、制御装置制御部403が、換気システム200から取得した機器稼働データおよび機器位置情報と、温度センサシステム300から取得した温度データおよび温度位置情報とに基づいて、作業エリアの温度を外気温度に近づける制御を行うために適切な稼働停止パターンを、データベース430に記憶されている複数の異なる稼働停止パターンから判定して選択する。
ステップS130において、判定された稼働停止パターンに基づいて、換気システム200の稼働が個別に制御される。具体的に、制御装置制御部403が、判定された稼働停止パターンに基づいて、排気用換気扇210と、給気用換気扇220と、循環用送風機240との各構成機器の動作を個別に制御する。これにより、換気制御システム100は、作業エリアの周辺の蓄熱707を放熱させるナイトパージを行うために、換気システム200の各構成機器の動作を個別に制御することができ、作業エリアの温度を外気温度に近づけるように換気システム200の各構成機器の動作を個別に制御することができる。このとき、蓄熱707が十分に放熱されたかどうかは、作業エリアの周辺の空気温度がどれだけ外気温度に近づいたかによって判定される。
図1に示す構成例では、例えば、制御装置制御部403は、複数の排気用換気扇210のうち作業エリアに相対的に近い位置に配置されている排気用換気扇210Aと給気用換気扇220とを稼働させる。一方、制御装置制御部403は、複数の排気用換気扇210のうち排気用換気扇210Aと比べて作業エリアから相対的に遠い位置に配置されている排気用換気扇210Bおよび排気用換気扇210Cを停止させる制御を行う。これにより、給気用換気扇220より取り込まれた外気が複数の排気用換気扇210のうち排気用換気扇210Bおよび排気用換気扇210Cと比べて作業エリアから相対的に近い位置に配置されている排気用換気扇210Aによって誘導されることにより、作業エリアおよび作業エリアの周辺に外気を供給することができる。
排気用換気扇210Bおよび排気用換気扇210Cが稼働する場合には、給気用換気扇220から取り込まれた外気が、排気用換気扇210Bおよび排気用換気扇210Cが停止している場合に比べ、作業エリアから-X方向に誘引される。この場合、作業エリアおよび作業エリアの周辺に供給される外気量が排気用換気扇210Bおよび排気用換気扇210Cが停止している場合に比べ少なくなり、作業エリアおよび作業エリアの周辺の蓄熱707を放熱させにくくなる。
しかしながら、排気用換気扇210Bおよび排気用換気扇210Cを停止させるとともに排気用換気扇210Aと給気用換気扇220とを稼働させることにより、給気用換気扇220から取り込まれた外気を作業員704が作業を行う作業エリアおよび作業エリアの周辺に誘導させることができる。この結果、作業エリアおよび作業エリアの周辺の蓄熱707をナイトパージにより放熱させることができる。また、換気制御システム100では、作業エリアおよび作業エリアの周辺の蓄熱707をナイトパージにより放熱させることで、作業員704が作業を行う作業エリアの空気の温度上昇を防止することができ、作業員704が作業を行う作業エリアの不快な状態を解消するための空気調和システムの消費電力を抑えることができる。
したがって、ステップS120において制御装置制御部403は、上記のような稼働停止パターンをデータベース430に記憶されている複数の異なる稼働停止パターンから判定して選択する。
ここで、稼働停止パターンを求める方法の例について説明する。制御装置制御部403による排気用換気扇210の制御において、排気用換気扇210が建屋701における複数個所に設置されており、複数の排気用換気扇210の作業エリアからの距離がそれぞれ異なる場合を想定する。この場合は、例えば、作業エリアから最も近い位置に設置されている排気用換気扇210Aから順番に停止させて、異なる複数の稼働停止パターンにおける作業エリアの温度データが取得される。
作業員704が作業を行う作業エリアの場所は、工場の設備管理者などが、予め制御手段400に入力しておく必要がある。すなわち、作業エリアの位置情報は、工場の設備管理者などが、予め制御手段400に入力しておく必要がある。このとき、作業員704が作業を行う作業エリアの設定方法としては、作業エリアの場所付近に設置された温度センサ310を1つ以上選定することで、制御手段400に選定された温度センサ310の位置を作業員704が作業を行う作業エリアとして認識させる方法がある。すなわち、制御手段400は、作業エリアの場所付近に設置された1つ以上の温度センサ310の位置情報を、作業エリアの位置情報として記憶することができる。
これらの温度センサ310での温度データと外気温度との比較によって、稼働停止パターンを決定することになるが、比較のために参照する温度センサ310での温度データは、1箇所の特定の温度センサ310の温度データが選定されてもよく、複数の温度センサ310の平均温度、または複数の温度センサ310の最大温度もしくは最小温度が用いられてもよい。
そして、複数の稼働停止パターンにおいて取得された、作業エリアの温度データが比較されることで、作業員704が作業を行う作業エリアの温度と外気温度との乖離が最も小さかった稼働停止パターンが求められる。このような稼働停止パターンは、工場の設備管理担当者などによるトライアンドエラーによって求められる。このようにして予め決められた複数の異なる稼働停止パターンは、機器稼働データと、機器位置情報と、温度データと、温度位置情報との組み合わせのデータと関連付けられてデータベース430に記憶されている。また、このような稼働停止パターンは、後述する機械学習を用いて求められてもよい。
図1では、1つの給気用換気扇220が建屋701に設けられる場合について示しているが、建屋701に複数の給気用換気扇220が設けられてもよい。制御装置制御部403は、複数の給気用換気扇220についても、排気用換気扇210と同様に、作業エリアからの距離によって動作の個別の制御を判断することができる。
例えば、作業エリアから最も近い位置にある給気用換気扇220から順番に稼働させて、複数の給気用換気扇220について異なる複数の稼働停止パターンを検討する。そして、複数の稼働停止パターンそれぞれにおける温度データを比較し、作業員704が居る作業エリアの温度と外気温度との乖離が最も小さかった稼働停止パターンを求めることができる。
循環用送風機240については、温度センサ310の温度データから必要と判断された場合に限定して稼働させることができる。これにより、不要なタイミングでの循環用送風機240の稼働時間を減らすことができるため、循環用送風機240の稼働による消費電力を低減させることができる。
循環用送風機240を稼働させるか停止させるかの判断基準としては、温度センサ310の温度データについて予め閾値を設定しておくことができる。そして、温度センサ310の温度データが閾値を超えた場合に運転させるように自動で動作を切り替えるように設定することができる。これにより、蓄熱707に起因する空気温度の上昇が検出された場合に、当該空気温度の上昇が検出された場所の周辺の循環用送風機240を稼働させて室内空気の循環を発生させることによって、蓄熱707の放熱を促すことができる。また、循環用送風機240は、排気用換気扇210および給気用換気扇220の稼働に合わせて稼働させるように制御されてもよい。また、循環用送風機240の周辺の空気温度が、送風先の空気温度より低いことが温度センサシステム300から得られた温度データと温度位置情報とから判明している場合に循環用送風機240を稼働させるという制御を行うことで、作業エリアの温度を下げたり、建屋701内の温度ムラを軽減することで、蓄熱707の放熱を促すことが可能である。
排気用換気扇210および給気用換気扇220をどのような状態で稼働しても、作業エリアの温度環境が改善しない場合は、建屋701内または作業エリアの周囲に空気のよどみによる熱だまりが発生している可能性がある。この場合、風向可変機能を持つ循環用送風機240を用いて、熱だまりの発生場所へ風向を向けて送風することで、熱だまりを解消することができる。熱だまりの解消は、熱だまりの発生場所および熱だまりの発生場所の周辺の蓄熱707の解消につながる。循環用送風機240の風向は、制御装置制御部403により、温度センサシステム300から得られた温度データと温度位置情報とに基づいて制御することができる。
上述したように、実施の形態1にかかる換気制御システム100では、換気システム200の機器稼働データおよび機器位置情報と、温度センサシステム300の温度データおよび温度位置情報と、作業員704が作業を行う作業エリアの位置情報を利用して、制御手段400の制御装置制御部403が、排気用換気扇210、給気用換気扇220、循環用送風機240の個別制御を行う。これにより、換気制御システム100では、建屋701の内部において、作業エリア周辺の蓄熱707の放熱を促すためのナイトパージを行うことで、作業エリアの温度上昇を防止し、作業員704が作業を行う作業エリアの温度環境を改善し、また空気調和システムの消費電力を低減することができる。
すなわち、換気制御システム100では、排気用換気扇210および給気用換気扇220といった換気扇などの稼働あるいは停止を建屋701全体で一律に制御することは行われない。換気制御システム100では、換気扇ごとに個別に制御することで給気から排気まで適切な換気流を創出し、作業エリアである作業員704が作業を行う場所の周辺の床、壁、天井などの躯体に蓄えられた蓄熱707をナイトパージにより放熱させることで、作業エリアの温度上昇を防ぐ、あるいは余分な熱を空気調和システムによって冷やす必要をなくし、空気調和負荷を低減することができる。
なお、上記においては、排気用換気扇210の代わりに局所排気用換気扇230を稼働させてもよい。
したがって、本実施の形態1にかかる換気制御システム100によれば、建屋701の内部において、作業エリアの周辺の蓄熱707の放熱を促すためのナイトパージを行うことで、作業エリアの温度上昇を防止することができる、という効果を奏する。すなわち、換気制御システム100によれば、建屋の躯体に蓄えられた熱に起因した、作業員704が作業を行う作業エリアの温度上昇を防止することができる、という効果を奏する。これにより、換気制御システム100では、換気制御システム100のユーザである作業員704が作業を行う作業エリアの温度環境の改善、建屋内の空気調和を行う空気調和システムの消費電力の低減、および換気システム200の稼働停止に係る作業負荷の低減を実現することができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、換気制御システムにおけるナイトパージの他の制御方法について、説明する。
実施の形態2では、製造装置703は、予め決められた生産時間帯のみに駆動される。生産時間帯は、製造装置703による製品の生産が行われる予め決められた時間帯である。生産時間帯は、例えば9時から17時までの間の時間帯である。すなわち、製造装置703は、例えば9時から17時までの間の時間帯に駆動される。
一方、換気システム200の各構成機器は、生産時間帯における建屋701の換気と、待機時間帯における建屋701のナイトパージと、に使用される。待機時間帯は、製造装置703による製品の生産が行われない時間帯であり、1日における生産時間帯以外の時間帯である。待機時間帯は、例えば17時から9時までの間の時間帯である。すなわち、換気システム200の各構成機器は、生産時間帯に加えて、生産時間帯以外の待機時間帯にも使用される。
夜間の待機時間帯の外気温度が室内温度よりも低い場合には、夜間に換気を行って建屋701内の空気と屋外の外気とを入れ替え、建屋701の躯体に蓄えられた蓄熱707を放出させるナイトパージを実施することにより、昼間の建屋701内の冷房のための消費電力を削減することができる。すなわち、夜間の待機時間帯の外気温度が室内温度よりも低い場合には、夜間の待機時間帯にナイトパージを実施することにより、生産時間帯における作業エリアの不快な状態を解消するための空気調和システムの冷房運転の消費電力を抑えることができる。
このため、夜間の待機時間帯においてナイトパージに使用される夜間換気電力量と、翌日の昼間の生産時間帯の建屋701内の換気空気調和に使用される昼間換気空気調和電力量との合計値が最小になるようにナイトパージを実施することが好ましい。
昼間の生産時間帯の建屋701内の換気空気調和は、昼間の生産時間帯における換気システム200による建屋701の換気と、昼間の生産時間帯における空気調和機250による建屋701の空気調和である。
夜間換気電力量は、夜間の待機時間帯におけるナイトパージにおいて稼働している換気システム200の消費電力量である。換気システム200の消費電力量は、換気システム200の各構成機器の消費電力量の総和である。したがって、夜間換気電力量は、夜間におけるナイトパージにおいて稼働している換気システム200の各構成機器の消費電力量の総和である。
昼間換気空気調和電力量は、夜間の後の昼間の生産時間帯における換気空気調和において稼働している、換気システム200の消費電力量と、空気調和機250の消費電力量と、の総和である。したがって、昼間換気空気調和電力量は、昼間の建屋701の換気において稼働している換気システム200の各構成機器の消費電力量の総和と、昼間の建屋701の空気調和において稼働している空気調和機250の消費電力量と、の総和である。ここでの空気調和機250の消費電力量は、空気調和機250の冷房運転における消費電力量である。
また、夜間の待機時間帯における夜間換気電力量と、翌日の昼間換気空気調和電力量の総和を、総合換気電力量とする。以下では、総合換気電力量のデータを、総合換気電力量データと呼ぶ。
ここで、ナイトパージの効果は、夜間の気温といった夜間気候条件によって変動する。すなわち、夜間最低気温が相対的に高い場合は、ナイトパージの効果は相対的に小さくなる。一方、夜間最低気温が相対的に低い場合は、ナイトパージの効果は相対的に大きくなる。
また、昼間の生産時間帯の換気空気調和に使用される昼間換気空気調和電力量は、昼間の気温といった昼間気候条件、または製造装置703における製品の生産に使用される生産電力といった生産条件によっても変動する。
図12は、実施の形態2にかかる換気制御システム100aの機能構成を示すブロック図である。実施の形態2にかかる換気制御システム100aは、実施の形態1にかかる換気制御システム100と同様の機能を有する。したがって、実施の形態2にかかる換気制御システム100aは、実施の形態1にかかる換気制御システム100と同様の効果を有する。
また、実施の形態2にかかる換気制御システム100aは、実施の形態1にかかる換気制御システム100の構成に加えて、電力計測器インターフェース270を備える。以下では、電力計測器インターフェース270を電力計測器I/F270と略称する。
電力計測器I/F270は、換気制御システム100aの外部に設けられて換気システム200の消費電力量のデータの収集を行う電力計測器710と、換気システム200との間を仲介する。電力計測器I/F270は、換気システム200の各構成機器と電気的に接続されている。
電力計測器710は、監視対象機器あるいは監視対象機器に電力を供給する配電盤などに設置されて、監視対象機器において消費される消費電力量を計測して収集するものである。ここでの監視対象機器は、換気システム200の各構成機器である。電力計測器710には、一般的な電力計測器を用いることができる。電力計測器710は、電力計測器I/F270と電気的に接続されている。電力計測器710は、電力計測器I/F270を介して、稼働している換気システム200の各構成機器の消費電力量を計測する。電力計測器710は、計測結果である、稼働している換気システム200の各構成機器の消費電力量の情報を、すなわち稼働している換気システム200の消費電力量のデータである換気システム200の消費電力データを、制御手段400の制御装置制御部403に送信する。
また、電力計測器710は、空気調和機250を監視対象機器として、空気調和機250において消費される消費電力量を計測して収集することができる。電力計測器710は、電力計測器I/F270を介して、稼働している空気調和機250の消費電力量を計測することができる。電力計測器710は、計測結果である、稼働している空気調和機250の消費電力量の情報を、すなわち稼働している空気調和機250の消費電力量のデータである空気調和機250の消費電力データを、制御手段400の制御装置制御部403に送信することができる。
制御装置制御部403は、電力計測器710から送信された計測結果である、稼働している換気システム200の各構成機器の消費電力量のデータである換気システム200の消費電力データを受信して、記憶する。また、制御装置制御部403は、電力計測器710から受信した、稼働している換気システム200の各構成機器の消費電力量のデータをデータベース430に記憶させてもよい。
電力計測器I/F270が設置される目的は、監視対象機器である換気システム200の各構成機器の消費電力データの収集を行う電力計測器710と、換気システム200の各構成機器との間を仲介して、換気システム200の消費電力量のデータの収集を可能にすることである。すなわち、電力計測器I/F270は、換気システム200の消費電力を計測して収集するために設けられている。電力計測器I/F270は、換気システム200の各構成機器に設置されてもよく、換気システム200の各構成機器に電力を供給する配電盤に類するものに設置されてもよい。
実施の形態2にかかる換気制御システム100aでは、換気システム200の消費電力量のデータの収集が可能となる。このため、制御手段400の制御装置制御部403は、換気システム200の総合換気電力量が最小となる換気システム200の稼働停止パターンを選定することができる。これにより、換気制御システム100aでは、作業員704が作業を行う作業エリアの温度上昇を抑制しつつ、高い省エネルギー効果が得られる。
例えば、制御装置制御部403は、建屋701の内部における作業員704が作業を行う作業エリアの温度と、外気温度との乖離が予め決められた状態よりも小さくなる、いくつかの換気システム200の稼働停止パターンの中から、夜間換気電力量と翌日の昼間換気空気調和電力量との総和である総合換気電力量が最小となる稼働停止パターンを選定する。すなわち、制御装置制御部403は、建屋701の内部における作業エリアの温度と、外気温度との温度差を算出する。そして、制御装置制御部403は、算出した温度差が予め決められた温度差範囲内に収まる複数の換気システム200の稼働停止パターンのグループの中から、夜間換気電力量と翌日の昼間換気空気調和電力量との総和である総合換気電力量が最小となる稼働停止パターンを選定する。
つぎに、換気制御システム100aの動作について説明する。図13は、実施の形態2にかかる換気制御システム100aの動作の手順を示すフローチャートである。
ステップS210において、換気システム200の機器稼働データ、機器稼働データの取得時刻に対応する機器稼働時刻データおよび機器位置情報と、温度センサシステム300の温度データ、温度データの取得時刻に対応する温度時刻データおよび温度位置情報と、消費電力量のデータである総合換気電力量データと、が取得される。具体的に、制御手段400の制御装置制御部403が、換気システム200の機器稼働データ、機器稼働データの取得時刻に対応する機器稼働時刻データおよび機器位置情報と、温度センサシステム300の温度データ、温度データの取得時刻に対応する温度時刻データおよび温度位置情報と、総合換気電力量データと、を取得する。
機器稼働データの取得時刻に対応する機器稼働時刻データは、制御手段400の制御装置制御部403が、換気システム200の各構成機器の制御部から送信された機器稼働データを受信した時刻の情報である。制御手段400の制御装置制御部403は、換気システム200の各構成機器の制御部から送信された機器稼働データを受信した時刻の情報を、当該機器稼働データに関連付けて、機器稼働時刻データとして記憶する。これにより、制御手段400の制御装置制御部403は、機器稼働データの取得時刻に対応する機器稼働時刻データを取得することができる。制御装置制御部403は、機器稼働時刻データに示される時刻に基づいて、現在が、夜間の時間帯であるか、昼間の時間帯であるかを判定することができる。
温度データの取得時刻に対応する温度時刻データは、制御手段400の制御装置制御部403が、温度センサシステム300の各温度センサ310のセンサ制御部314から送信された温度データを受信した時刻の情報である。制御手段400の制御装置制御部403は、温度センサシステム300の各温度センサ310のセンサ制御部314から送信された温度データを受信した時刻の情報を、当該温度データに関連付けて、温度時刻データとして記憶する。これより、制御手段400の制御装置制御部403は、温度データの取得時刻に対応する温度時刻データを取得することができる。制御装置制御部403は、温度時刻データに示される時刻に基づいて、現在が、夜間の時間帯であるか、昼間の時間帯であるかを判定することができる。
総合換気電力量データは、夜間の時間帯における躯体蓄熱放出制御によって稼働した換気システム200の消費電力量である夜間換気電力量と、昼間の時間帯に建屋701の換気において稼働した換気システム200の構成機器の消費電力量の総和、および昼間の時間帯に稼働した建屋701を空気調和する空気調和機250の消費電力量の総和である昼間換気空気調和電力量と、の総和である、消費電力データである。
ここで、空気調和機250の消費電力量の総和である昼間換気空気調和電力量は、電力計測器710によって計測された空気調和機250の消費電力量の実測値とされてもよく、予め決められた空気調和機250の消費電力量とされてもよい。空気調和機250の消費電力量の実測値は、電力計測器710から制御装置制御部403に送信される。また、予め決められた空気調和機250の消費電力量は、換気制御装置410のキーボードおよびマウス等の入力装置から入力I/F415を介して制御装置制御部403に入力され、制御装置制御部403または制御装置記憶部402に予め記憶される。
ステップS220において、制御装置制御部403において取得された情報に基づいて、換気システム200の動作を制御するための稼働停止パターンが判定される。具体的に、制御装置制御部403が、換気システム200から取得した機器稼働データおよび機器位置情報と、温度センサシステム300から取得した温度データおよび温度位置情報と、換気システム200の総合換気電力量とに基づいて、作業エリアの温度を外気温度に近づける制御を行うために適切な稼働停止パターンをデータベース430に記憶されている複数の異なる稼働停止パターンから判定して選択する。
ここで、制御装置制御部403は、建屋701の内部における作業エリアの温度と外気温度との温度差が予め決められた温度差範囲内に収まる複数の換気システム200の稼働停止パターンの中から、換気システム200の総合換気電力量が最小となる稼働停止パターンを選定する。
ステップS230において、判定された稼働停止パターンに基づいて、換気システム200の稼働が個別に制御される。具体的に、制御装置制御部403が、判定された稼働停止パターンに基づいて、排気用換気扇210と、給気用換気扇220と、循環用送風機240との各構成機器の動作を個別に制御する。すなわち、制御装置制御部403は、換気システム200の構成機器の動作を個別に制御して作業エリアの温度を外気温度に近づけるとともに換気システム200の総合換気電力量を最小とする制御を行う。
ここで、ステップS230において行われる、換気システム200の総合換気電力量を最小とする制御は、夜間の時間帯と夜間の後の昼間の時間帯における作業エリアで単位時間内に使用される電力量を低減する制御と換言できる。
上記のように、実施の形態2にかかる換気制御システム100aの制御手段400の制御装置制御部403は、機器稼働データ、機器稼働データの取得時刻に対応する機器稼働時刻データおよび機器位置情報と、温度データ、温度データの取得時刻に対応する温度時刻データおよび温度位置情報と、換気制御システム100aの消費電力を計測する電力計測器710から得られる消費電力データとに基づいて、換気制御システム100aの構成機器の動作を個別に制御して、夜間の時間帯と夜間の後の昼間の時間帯における作業エリアで単位時間内に使用される電力量を低減する制御を行う。
そして、消費電力データは、夜間の時間帯における躯体蓄熱放出制御によって稼働する換気システムの消費電力量である夜間換気電力量と、昼間の時間帯に建屋701の換気において稼働する換気システムの構成機器の消費電力量の総和、および昼間の時間帯に稼働した建屋701を空気調和する空気調和機の消費電力量の総和である昼間換気空気調和電力量と、の総和である総合換気電力量のデータとされる。
上述したように、実施の形態2にかかる換気制御システム100aは、実施の形態1にかかる換気制御システム100と同様の効果を有する。
また、換気制御システム100aは、作業員704が作業を行う作業エリアの温度上昇を抑制しつつ、高い省エネルギー効果が得られる。
実施の形態3.
<学習フェーズ>
図14は、実施の形態3にかかる学習装置800の構成を示すブロック図である。学習装置800は、実際の建屋701の内部の換気制御に用いられた換気システム200の稼働停止条件と、実際の建屋701の内部の換気またはナイトパージにおいて取得された制御結果とに基づいて、学習済みモデル830を生成するコンピュータであり、建屋701の内部において、作業エリアの周辺の蓄熱707の放熱を促すためのナイトパージを行うことで、作業エリアの温度上昇を防止することができる換気システム200の構成機器の動作を制御する稼働停止条件を学習する。制御結果は、温度センサシステム300から得られる温度データおよび温度位置情報を含む。学習済みモデル記憶部900は、学習装置800が生成した学習済みモデル830を記憶する。
学習装置800は、第1のデータ取得部810と、モデル生成部820とを備えている。
第1のデータ取得部810は、換気制御推定パラメータPrm1と、換気稼働停止制御パラメータPrm2とを学習用データとして取得する。
換気制御推定パラメータPrm1は、少なくとも、温度センサシステム300から得られる温度データおよび温度位置情報を含む。第1のデータ取得部810が換気制御推定パラメータPrm1として取得する情報のうち、温度センサシステム300から得られる温度データおよび温度位置情報以外の情報は、学習装置800が用いられる換気制御システムによって異なる。
換気稼働停止制御パラメータPrm2は、換気システム200から得られる換気システム200の機器稼働データおよび機器位置情報を含む。換気稼働停止制御パラメータPrm2は、換気システム200の個別の機器の稼働停止条件ともいえ、換気システム200の構成機器のそれぞれの制御条件ともいえる。
モデル生成部820は、換気制御推定パラメータPrm1と換気稼働停止制御パラメータPrm2とを含む学習用データに基づいて、換気稼働停止制御パラメータPrm2を学習する。すなわち、モデル生成部820は、換気制御推定パラメータPrm1と換気稼働停止制御パラメータPrm2とから建屋701の内部において、作業エリアの周辺の蓄熱707の放熱を促すためのナイトパージを行うことで、作業エリアの温度を外気温度に近づけて作業エリアの温度上昇を防止することができる換気稼働停止制御パラメータPrm2を推論する学習済みモデル830を生成する。
したがって、モデル生成部820は、換気制御推定パラメータPrm1と換気稼働停止制御パラメータPrm2とを含む学習用データに基づいて、換気システム200の個別の機器の稼働停止条件を学習するといえる。すなわち、モデル生成部820は、換気制御推定パラメータPrm1と換気稼働停止制御パラメータPrm2とから建屋701の内部において、作業エリア周辺の蓄熱707の放熱を促すためのナイトパージを行うことで、作業エリアの温度上昇を防止することができる換気システム200の個別の機器の稼働停止条件を推論する学習済みモデル830を生成するといえる。
モデル生成部820が用いる学習アルゴリズムは、教師あり学習、教師なし学習、強化学習等の公知のアルゴリズムを用いることができる。一例として、強化学習(Reinforcement Learning)を適用した場合について、説明する。
強化学習では、ある環境内におけるエージェント(行動主体)が、現在の状態(環境のパラメータ)を観測し、取るべき行動を決定する。エージェントの行動により環境が動的に変化し、エージェントには環境の変化に応じて報酬が与えられる。エージェントはこれを繰り返し、一連の行動を通じて報酬が最も多く得られる行動方針を学習する。強化学習の代表的な手法として、Q学習(Q-Learning)およびTD学習(TD-Learning)が知られている。例えば、Q学習の場合、行動価値関数Q(s,a)の一般的な更新式は以下の式(1)で表される。
式(1)において、stは時刻tにおける環境の状態を表し、atは時刻tにおける行動を表す。行動atにより、環境の状態はst+1に変わる。rt+1はその状態の変化によってもらえる報酬を表し、γは割引率を表し、αは学習係数を表す。なお、γは0<γ≦1、αは0<α≦1の範囲とする。換気稼働停止制御パラメータPrm2が行動atとなり、換気制御推定パラメータPrm1が状態stとなる。学習装置800は、時刻tの状態stにおける最良の行動atを学習する。
式(1)で表される更新式は、時刻t+1における最もQ値の高い行動aの行動価値Qが、時刻tにおいて実行された行動aの行動価値Qよりも大きければ、行動価値Qを大きくし、逆の場合は、行動価値Qを小さくする。換言すれば、学習装置800は、時刻tにおける行動aの行動価値Qを、時刻t+1における最良の行動価値Qに近づけるように、行動価値関数Q(s,a)を更新する。それにより、ある環境における最良の行動価値Qが、それ以前の環境における行動価値Qに順次伝播していくようになる。
上記のように、モデル生成部820が強化学習によって学習済みモデル830を生成する場合、モデル生成部820は、報酬計算部821と、関数更新部822とを備えている。
報酬計算部821は、換気稼働停止制御パラメータPrm2(行動)および換気制御推定パラメータPrm1(状態)に基づいて換気稼働停止制御パラメータPrm2の報酬を計算する。例えば、報酬計算部821は、外気温度と温度センサシステム300から得られる温度データに示される作業エリアの温度との乖離度合いに基づいて、報酬rを計算する。例えば、報酬計算部821は、外気温度と温度センサシステム300から得られる温度データに示される作業エリアにおける温度との乖離度合いが前回よりも減少する場合には報酬rを増大させ(例えば「1」の報酬を与える。)、他方、外気温度と温度センサシステム300から得られる温度データに示される作業エリアの温度との乖離度合いが前回よりも増加する場合には報酬rを減少させる(例えば「-1」の報酬を与える。)。
報酬計算部821は、上述した乖離度合いと比較することによって、適用した換気稼働停止制御パラメータPrm2に対する報酬を増加させるか、または報酬を減少させるかを判断するための基準値である閾値831を記憶している。閾値831は、ユーザが学習装置800に値を設定することにより、任意の値に変更可能である。
実施の形態2にかかる換気制御システム100aに用いられる学習装置800の場合、消費電力データを用いて報酬を計算してもよい。報酬計算部821は、換気稼働停止制御パラメータPrm2(行動)および換気制御推定パラメータPrm1(状態)に基づいて報酬を計算する。報酬計算部821は、上述した乖離度合いに基づいて、報酬rを計算する。
例えば、報酬計算部821は、上述した乖離度合いが前回よりも減少する場合には報酬rを増大させ(例えば「1」の報酬を与える。)、他方、上述した乖離度合いが前回よりも増加する場合には報酬rを低減する(例えば「-1」の報酬を与える。)。
また、報酬計算部821は、上述した乖離度合いが予め決められた基準範囲内にある場合は、さらに、上述した総合換気電力量を用いて報酬rを計算する。総合換気電力量は、夜間の待機時間帯における夜間換気電力量と、翌日の昼間換気空気調和電力量の総和である。総合換気電力量が前回よりも減少する場合には報酬rを増大させ(例えば「1」の報酬を与える。)、他方、総合換気電力量が前回よりも増加する場合には報酬rを低減する(例えば「-1」の報酬を与える。)。
実施の形態2にかかる換気制御システム100aに用いられる学習装置800の場合、第1のデータ取得部810は、学習用データの換気制御推定パラメータPrm1として、温度データ、温度時刻データおよび温度位置情報と、消費電力データと、を取得する。また、第1のデータ取得部810は、学習用データの換気稼働停止制御パラメータPrm2として、機器稼働データ、機器稼働時刻データおよび機器位置情報を取得する。
また、ナイトパージの効果は、夜間の気温といった夜間気候条件によって変動する。すなわち、夜間最低気温が相対的に高い場合は、ナイトパージの効果は相対的に小さくなる。一方、夜間最低気温が相対的に低い場合は、ナイトパージの効果は相対的に大きくなる。また、昼間の生産時間帯の換気空気調和に使用される昼間換気空気調和電力量は、昼間の気温といった昼間気候条件、または製造装置703における製品の生産に使用される生産電力といった生産条件によっても変動する。
このため、実施の形態2にかかる換気制御システム100aに用いられる学習装置800において消費電力データを用いて報酬を計算する場合、さらに夜間気候条件、昼間気候条件および生産条件を加味して報酬を計算することが好ましい。
この場合、実施の形態2にかかる換気制御システム100aに用いられる学習装置800の場合、第1のデータ取得部810は、学習用データの換気制御推定パラメータPrm1として、温度データ、温度時刻データおよび温度位置情報と、消費電力データである総合換気電力量のデータとの他に、夜間気候条件と、昼間気候条件と、生産条件とを、さらに取得する。また、第1のデータ取得部810は、学習用データの換気稼働停止制御パラメータPrm2として、機器稼働データ、機器稼働時刻データおよび機器位置情報と、を取得する。
そして、報酬計算部821は、換気稼働停止制御パラメータPrm2(行動)および換気制御推定パラメータPrm1(状態)に基づいて換気稼働停止制御パラメータPrm2の報酬を計算する。例えば、報酬計算部821は、外気温度と温度センサシステム300から得られる温度データに示される作業エリアの温度との乖離度合いに基づいて、報酬rを計算する。例えば、報酬計算部821は、外気温度と温度センサシステム300から得られる温度データに示される作業エリアにおける温度との乖離度合いが前回よりも減少する場合には報酬rを増大させ(例えば「1」の報酬を与える。)、他方、外気温度と温度センサシステム300から得られる温度データに示される作業エリアの温度との乖離度合いが前回よりも増加する場合には報酬rを減少させる(例えば「-1」の報酬を与える。)。
さらに、報酬計算部821は、複数の学習用データのセットを、夜間気候条件と、昼間気候条件と、生産条件との条件の組み合わせに基づいてグループ分けし、同じグループの中で、夜間換気電力と翌日の昼間換気空気調和電力の合計値である総合換気電力が同じグループ内の平均値より小さくなる夜間換気制御条件のときに、換気稼働停止制御パラメータPrm2の報酬rを増大させて、夜間換気制御条件の行動価値Qを大きくする。夜間換気制御条件は、ナイトパージを行うための制御条件である稼働停止条件である。
すなわち、報酬計算部821は、1つの夜間気候条件と、1つの昼間気候条件と、1つの生産条件と、を組み合わせた条件セットを作成する。そして、報酬計算部821は、各条件セットに対応する、異なる条件の複数の夜間換気制御条件を含むグループを作成する。そして、報酬計算部821は、同じグループの中で、夜間換気電力と翌日の昼間換気空気調和電力の合計値である総合換気電力が同じグループ内の平均値より小さくなる夜間換気制御条件についての報酬rを増大させて、夜間換気制御条件の行動価値Qを大きくする。
関数更新部822は、報酬計算部821によって計算される報酬に基づいて、次回の換気システム200の個別の機器の稼働停止条件である換気稼働停止制御パラメータPrm2を決定するための関数を更新し、学習済みモデル記憶部900に出力する。例えばQ学習の場合、関数更新部822は、式(1)で表される行動価値関数Q(st,at)を、稼働停止条件となる換気稼働停止制御パラメータPrm2を算出するための関数として用いる。行動価値関数Q(st,at)は、稼働停止条件を算出するための稼働停止条件生成関数といえる。
学習装置800は、以上のような学習を繰り返し実行する。学習済みモデル記憶部900は、関数更新部822によって更新された行動価値関数Q(st,at)、すなわち、学習済みモデル830を記憶する。
つぎに、図15を用いて、学習装置800が学習する処理の処理手順について説明する。図15は、実施の形態3にかかる学習装置800による学習処理の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS310において、第1のデータ取得部810は、換気制御推定パラメータPrm1と、換気稼働停止制御パラメータPrm2とを学習用データとして取得する。
実施の形態1にかかる換気制御システム100に用いられる学習装置800の場合、第1のデータ取得部810は、換気制御推定パラメータPrm1として、温度センサシステム300から得られる温度データおよび温度位置情報を取得する。
実施の形態2にかかる換気制御システム100aに用いられる学習装置800の場合、第1のデータ取得部810は、換気制御推定パラメータPrm1として、温度センサシステム300から得られる温度データ、温度時刻データおよび温度位置情報と、消費電力データと、を取得する。また、第1のデータ取得部810は、学習用データの換気稼働停止制御パラメータPrm2として、機器稼働データ、機器稼働時刻データおよび機器位置情報を取得する。
ステップS320において、モデル生成部820は、換気制御推定パラメータPrm1と、換気稼働停止制御パラメータPrm2とに基づいて、適用した稼働停止条件である換気稼働停止制御パラメータPrm2に対する報酬を計算する。具体的には、報酬計算部821は、予め定められた報酬基準である閾値831に基づいて、報酬rを計算する。報酬計算部821は、閾値831と、外気温度と温度センサシステム300から得られる温度データに示される作業エリアにおける温度との乖離度合いとに基づいて、適用した稼働停止条件に対する報酬を増加させるか、または報酬を減少させるかを判定する。
報酬計算部821は、報酬を増大させると判断した場合に(ステップS320、報酬増大基準)、ステップS330において報酬を増大させる。一方、報酬計算部821は、報酬を減少させると判断した場合に(ステップS320、報酬減少基準)、ステップS340において報酬を減少させる。
ステップS350において、関数更新部822は、報酬計算部821によって計算された報酬に基づいて、学習済みモデル記憶部900が記憶する式(1)で表される行動価値関数Q(st,at)を更新する。
学習装置800は、以上のステップS310からステップS350までのステップを繰り返し実行し、生成された行動価値関数Q(st,at)を学習済みモデル830として学習済みモデル記憶部900に記憶させる。
実施の形態1にかかる換気制御システム100に用いられる学習装置800は、機器稼働データおよび機器位置情報と、温度データおよび温度位置情報とを含む学習用データを取得する第1のデータ取得部810と、学習用データを用いて、温度データおよび温度位置情報から、換気システム200の構成機器の動作を個別に制御してナイトパージを行い、作業エリアの温度を外気温度に近づける構成機器の制御条件を推論するための学習済みモデル830を生成するモデル生成部820と、を備える学習装置として実現される。
実施の形態2にかかる換気制御システム100aに用いられる学習装置800は、機器稼働データ、機器稼働時刻データおよび機器位置情報と、温度データ、温度時刻データおよび温度位置情報と、消費電力データとを含む学習用データとを取得する第1のデータ取得部810と、学習用データを用いて、機器稼働データ、機器稼働時刻データおよび機器位置情報と、消費電力データとから、換気システム200の構成機器の動作を個別に制御して作業エリアの周辺の建屋701の躯体に蓄えられた熱を放出させることで作業エリアの温度を外気温度に近づけるとともに総合換気電力量のデータを最小とする構成機器の制御条件を推論するための学習済みモデル830を生成するモデル生成部820と、を備える学習装置として実現される。
なお、実施の形態3にかかる学習装置800は、学習済みモデル830を学習装置800の外部に設けられた学習済みモデル記憶部900に記憶させるものとしたが、学習済みモデル記憶部900は、学習装置800の内部に配置されていてもよい。
学習装置800は、上述した乖離度合いを小さくする行動価値関数Q(st,at)の学習済みモデル830を生成することにより、建屋701の内部において、作業エリアの周辺の蓄熱707の放熱を促すためのナイトパージを行うことで、作業エリアの温度上昇を防止することができる換気稼働停止制御パラメータPrm2を推論するための、換気制御推定パラメータPrm1と、換気制御推定パラメータPrm1に対応する換気稼働停止制御パラメータPrm2との関係を学習することができる。
<活用フェーズ>
図16は、実施の形態3にかかる推論装置の構成を示すブロック図である。推論装置1000は、学習済みモデル830を用いて、換気制御推定パラメータPrm1から、建屋701の内部において、作業エリアの周辺の蓄熱707の放熱を促すためのナイトパージを行うことで、作業エリアの温度上昇を防止することができる換気稼働停止制御パラメータPrm2を推論するコンピュータである。
推論装置1000は、第2のデータ取得部1010と、推論部1020とを備える。第2のデータ取得部1010は、換気制御推定パラメータPrm1を取得する。推論部1020は、学習済みモデル830を用いて、換気稼働停止制御パラメータPrm2を推論し、推論した換気稼働停止制御パラメータPrm2を換気稼働停止制御パラメータPrm2として制御手段400の制御装置制御部403に出力する。すなわち、推論部1020は、学習済みモデル830に第2のデータ取得部1010が取得した換気制御推定パラメータPrm1を入力することで、換気制御推定パラメータPrm1に適した換気稼働停止制御パラメータPrm2を推論することができる。換気制御推定パラメータPrm1に適した換気稼働停止制御パラメータPrm2は、上述した乖離度合いを小さくする換気稼働停止制御パラメータPrm2といえる。なお、推論装置1000は、換気制御システムの外部に配置することも可能である。第2のデータ取得部1010は、第1のデータ取得部810と共通であってもよい。また、第2のデータ取得部1010は、第1のデータ取得部810と別体として設けられてもよい。
なお、実施の形態3では、推論装置1000が、モデル生成部820が学習した学習済みモデル830を用いて、換気稼働停止制御パラメータPrm2を推論する場合について説明したが、推論装置1000は、学習装置800以外の他の学習装置から学習済みモデル830を取得し、この学習済みモデル830に基づいて換気稼働停止制御パラメータPrm2を推論してもよい。
つぎに、図17を用いて、推論装置1000が、換気稼働停止制御パラメータPrm2を推論する処理の処理手順について説明する。図17は、実施の形態3にかかる推論装置1000による推論処理および換気制御装置410による制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS410において、第2のデータ取得部1010は、換気制御推定パラメータPrm1を推論用データとして取得する。実施の形態1にかかる換気制御システム100に用いられる推論部1020は、換気制御推定パラメータPrm1として、温度データ、温度時刻データおよび温度位置情報と、を取得する。
実施の形態2にかかる換気制御システム100aに用いられる推論部1020は、換気制御推定パラメータPrm1として、温度データ、温度時刻データおよび温度位置情報と、消費電力データとを取得する。
また、実施の形態2にかかる換気制御システム100aに用いられる推論部1020は、夜間気候条件、昼間気候条件および生産条件を加味する場合は、夜間気候条件と、昼間気候条件と、生産条件とを、さらに取得する。この場合、夜間気候条件は、リアルタイムで取得される現在値が使用される。一方、翌日の昼間気候条件、生産条件は、推測に基づいた条件が使用される。例えば、翌日の昼間気候条件、生産条件については、前日と同一の条件が使用される。また、翌日の昼間気候条件および生産条件については、換気制御システム100aの外部から通信等によって取得される気象予測情報および生産計画が使用されてもよい。
推論部1020は、ステップS420において、学習済みモデル記憶部900に記憶されている学習済みモデル830に、推論用データである換気制御推定パラメータPrm1を入力し、換気制御推定パラメータPrm1に適した換気稼働停止制御パラメータPrm2を得る。ステップS430において、推論部1020は、得られたデータである、換気稼働停止制御パラメータPrm2を、換気制御システムの換気制御装置410の制御装置制御部403に出力する。
ステップS430において、実施の形態1にかかる換気制御システム100に用いられる推論部1020は、得られた換気稼働停止制御パラメータPrm2を、換気制御システム100における制御手段400の換気制御装置410の制御装置制御部403に出力する。実施の形態2にかかる換気制御システム100aに用いられる推論部1020は、得られた換気稼働停止制御パラメータPrm2を、換気制御システム100aにおける制御手段400の換気制御装置410の制御装置制御部403に出力する。
ステップS440において、換気制御システム100の制御装置制御部403は、推論部1020から出力された換気稼働停止制御パラメータPrm2(行動)を用いて、換気システム200の排気用換気扇210、給気用換気扇220、循環用送風機240の稼働、停止、風量の調整を個別に制御する。換気制御システム100aの制御装置制御部403も同様に、推論部1020から出力された換気稼働停止制御パラメータPrm2(行動)を用いて、換気システム200の排気用換気扇210、給気用換気扇220、循環用送風機240の稼働、停止、風量の調整を個別に制御する。すなわち、学習済みモデル830から得られた換気稼働停止制御パラメータPrm2による換気制御が、実施される。これにより、換気制御システム100および換気制御システム100aでは、建屋701の内部において、作業エリアの周辺の蓄熱707の放熱を促すためのナイトパージを行うことで、作業エリアの温度上昇を防止することができ、作業エリアの温度環境の改善、換気システム200の最適稼働停止パターンの検討負荷の低減、および換気システム200の稼働停止に係る作業負荷の低減を実現することができる。
実施の形態1にかかる換気制御システム100に用いられる推論装置1000は、温度データおよび温度位置情報を含む推論用データを取得する第2のデータ取得部1010と、温度データおよび温度位置情報から、換気システム200の構成機器の動作を個別に制御してナイトパージを行い、作業エリアの温度を外気温度に近づける構成機器の制御条件を推論する学習済みモデル830を用いて、温度データおよび温度位置情報に対応する制御条件を出力する推論部1020と、を備える推論装置として実現される。
実施の形態2にかかる換気制御システム100aに用いられる推論装置1000は、温度データ、温度時刻データおよび温度位置情報と、消費電力データとを含む推論用データを取得する第2のデータ取得部1010と、温度データ、温度時刻データおよび温度位置情報と、消費電力データとから、換気システム200の構成機器の動作を個別に制御して作業エリアの周辺の建屋701の躯体に蓄えられた熱を放出させることで作業エリアの温度を屋外の空気の温度に近づけるとともに消費電力データを最小とする構成機器の制御条件を推論する学習済みモデル830を用いて、機器稼働データ、機器稼働時刻データおよび機器位置情報と、消費電力データとに対応する制御条件を出力する推論部1020と、を備える推論装置として実現される。
なお、実施の形態3では、推論部1020が用いる学習アルゴリズムに強化学習を適用した場合について説明したが、これに限られるものではない。学習アルゴリズムについては、強化学習以外にも、教師あり学習、教師なし学習、または半教師あり学習等を適用することも可能である。
また、学習装置800および推論装置1000は、例えば、ネットワークを介して換気制御システムに接続された、この換気制御システムとは別個の装置であってもよい。また、学習装置800および推論装置1000は、換気制御システムに内蔵されていてもよい。さらに、学習装置800および推論装置1000は、クラウドサーバ上に存在していてもよい。
また、例えば学習装置800が換気制御システム100の制御手段400の換気制御装置410に内蔵される場合、換気制御装置410は、第1のデータ取得部810と、モデル生成部820とを備え、モデル生成部820で生成された学習済みモデル830を用いて推論される換気システム200の構成機器の制御条件に基づいて、換気システム200の構成機器の動作を個別に制御してナイトパージを行い、作業エリアの温度を外気温度に近づける制御を行う。
この場合、第1のデータ取得部810は、建屋701の内部の空気を屋外に排出する排気用換気扇210と、建屋701の内部に屋外の空気を給気する給気用換気扇220と、建屋701の内部の空気を循環させる循環用送風機240と、のうちの少なくとも1つを構成機器として含む換気システム200の構成機器の稼働状態を示す機器稼働データおよび構成機器の位置を示す機器位置情報と、建屋701の内部における作業員704が作業を行う予め決められたエリアであって蓄熱707によって影響を受けるエリアである作業エリアの温度を測定する作業エリア温度センサと、屋外の空気の温度を測定する外部温度センサとを含む複数の温度センサ310から得られる温度データおよび複数の温度センサ310の位置を示す温度位置情報と、を含む学習用データを取得する。
また、モデル生成部820は、第1のデータ取得部810で取得された学習用データを用いて、温度データおよび温度位置情報から、換気システム200の構成機器の動作を個別に制御してナイトパージを行い、作業エリアの温度を外気温度に近づける構成機器の制御条件を推論するための学習済みモデル830を生成する。
また、例えば推論装置1000が換気制御システム100の制御手段400の換気制御装置410に内蔵される場合、換気制御装置410は、第2のデータ取得部1010と、推論部1020と、を備え、推論部1020が出力した換気システム200の構成機器の制御条件に基づいて、換気システム200の構成機器の動作を個別に制御してナイトパージを行い、作業エリアの温度を外気温度に近づける制御を行う。
この場合、第2のデータ取得部1010は、建屋701の内部の空気を屋外に排出する排気用換気扇210と、建屋701の内部に屋外の空気を給気する給気用換気扇220と、建屋701の内部の空気を循環させる循環用送風機240と、のうちの少なくとも1つを構成機器として含む換気システム200が設けられた建屋701の内部における、作業員704が作業を行う予め決められたエリアであって蓄熱707によって影響を受けるエリアである作業エリアの温度を測定する作業エリア温度センサと、屋外の空気の温度を測定する外部温度センサとを含む複数の温度センサ310から得られる温度データおよび複数の温度センサ310の位置を示す温度位置情報を含む推論用データを取得する。
また、推論部1020は、第2のデータ取得部1010で取得された温度データおよび温度位置情報から、換気システム200の構成機器の動作を個別に制御してナイトパージを行い、作業エリアの温度を外気温度に近づける構成機器の制御条件を推論する学習済みモデル830を用いて、温度データおよび温度位置情報に対応する制御条件を出力する。
上記のような学習装置800または推論装置1000を備えた換気制御装置410は、換気制御システム100から独立して設けられた、換気制御システム100とは別個の単体の装置として提供されてもよい。
また、モデル生成部820は、複数の換気制御システムから取得される学習用データを用いて、換気稼働停止制御パラメータPrm2(行動)を学習するようにしてもよい。なお、モデル生成部820は、同一のエリアで使用される複数の換気制御システムから学習用データを取得してもよいし、異なるエリアで独立して動作する複数の換気制御システムから収集される学習用データを利用して換気稼働停止制御パラメータPrm2(行動)を学習してもよい。また、学習装置800は、学習用データを収集する換気制御システムを途中で対象に追加したり、対象から除去することも可能である。さらに、ある換気制御システムに関して換気稼働停止制御パラメータPrm2(行動)を学習した学習装置800が、これとは別の換気制御システムに適用され、当該別の換気制御システムに関して換気稼働停止制御パラメータPrm2(行動)を再学習して学習済みモデル830を更新するようにしてもよい。
さらに、稼働あるいは停止させる換気扇の選定にあたって、多数の稼働および停止の組合せがある場合、適切な稼働停止パターンを求めるには膨大な量の温度データや機器稼働データなどを分析する必要があり、分析作業としての負荷が非常に大きくなることが予想される。
学習装置800では、機械学習を活用することで、換気扇の適切な稼働停止パターンを求めるための分析負荷の低減をすることも可能である。すなわち、換気制御システムが学習装置800を構成の一部として備えることにより、機械学習によって個別の換気扇を個別に制御する制御パターンを容易に決定することが可能となる。
換気扇10の換気制御部14と、循環用送風機240の送風制御部244と、温度センサ310のセンサ制御部314と、換気制御装置410の制御装置制御部403と、学習装置800と、推論装置1000との各制御部は、例えば、図18に示したハードウェア構成の処理回路として実現される。図18は、実施の形態1にかかる処理回路のハードウェア構成の一例を示す図である。上記の各制御部が図18に示す処理回路により実現される場合、上記の各制御部は、例えば、図18に示すメモリ1102に記憶されたプログラムをプロセッサ1101が実行することにより、実現される。また、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記機能を実現してもよい。また、上記の各制御部の機能のうちの一部を電子回路として実装し、他の部分をプロセッサ1101およびメモリ1102を用いて実現するようにしてもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。