以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、以下に示す項目順序に従って当該「発明を実施するための最良の形態」を説明する。
〔0〕背景
〔1〕クレジットカードによる決済の概要
〔2〕本発明の実施形態にかかる銀行サーバについて
〔2−1〕本発明の実施形態にかかる銀行サーバのハードウェア構成
〔2−2〕本発明の実施形態にかかる銀行サーバの機能
〔2−3〕本発明の実施形態にかかる銀行サーバの動作
〔3〕まとめ
〔0〕背景
近日、インターネットの普及に伴い、インターネットを利用したサービスの提供がサービス提供業者により広く行なわれている。例えば、ネットバンクに代表されるように、預金管理、および資産運用などの金融サービスもインターネットを介して顧客に提供されるようになった。特に、金融サービス提供者は、競合他者との差別化を図るべく、独自のサービスの展開を試みている。
例えば、特開2001−229247号公報には、外貨口座を有する顧客が外国でクレジットカードを利用して外貨の支払いを行なった場合、クレジットカードの利用額を、自国通貨の口座でなく、外貨口座から引き落とす決済システムについて記載されている。仮に外国でのクレジットカードの利用額を自国通貨の口座から引き落とす場合、外貨と自国通貨の間に発生する変換コストを顧客が負担することになる。これに対し、上記決済システムは、顧客が支払うコストを軽減できる点で顧客にとって有益である。
しかし、上記決済システムでは、クレジットカードの利用額に対して外貨口座の預金残高が不足している場合、クレジットカードの利用額が未決済として処理される。その結果、例えば、決済の延滞料金が発生するなど、決済対象通貨の預金口座の残高不足により顧客に負担を強いる場合が想定される。そこで、特開2009−238104号公報には、決済対象通貨の預金口座の残高不足により顧客に負担を強いる可能性を抑制すべく、外貨口座の預金残高の不足分を自国通貨の預金口座から補填する引落処理方法が開示されている。
しかし、クレジットカードの利用時と利用額に対する決済時とが乖離しているため、クレジットカードの利用時から決済時までに為替レートが変動する可能性がある。そのため、クレジットカードが利用される場合には、複数種類の通貨間で利用額の一部または全部が為替レートに従って変換されると、為替リスクが顧客に与えられてしまう可能性がある。
そこで、かかる背景技術に存する事情に鑑み、本発明の実施形態においては、顧客に負担を強いる可能性を抑制しつつ、顧客に与えられる為替リスクを抑制することが可能な技術について主に説明する。具体的には、カードの利用時から決済時までにタイムラグの生じるクレジットカードを用いる場合ではなく、カードの利用時から決済時までに即時性のあるデビットカードを用いる場合について説明する。
〔1〕デビットカードによる決済の概要
まず、図1を参照し、デビットカードによる決済について概略的に説明する。
図1は、デビットカードによる決済の流れを示した説明図である。より詳細には、図1には、顧客、デビットカードのカード会社、カード会社の加盟店、および顧客の預金口座を管理する金融機関による決済の流れを示している。
(ステップS1)
まず、顧客は、デビットカードを利用した場合に口座から利用額が引き落とされることを考慮し、金融機関が管理する口座に必要に応じて金銭を入金する。ここで、外貨での引落が発生する場合、顧客は円預金口座の円預金の一部で外貨を購入し、購入した外貨を外貨口座残高に充当してもよい。この場合、顧客は、通常、銀行等の金融機関において売買により発生する為替コストを含む為替レートで外貨を購入する。
(ステップS2)
続いて、顧客が加盟店に対して商品またはサービスを要求し、商品またはサービスの代金をデビットカードで支払う。なお、顧客は、加盟店に直接赴いてデビットカードにより代金の支払いを行なっても、インターネットを介してデビットカードにより代金の支払いを行なってもよい。また、加盟店は、例えば、商品を販売する商品販売業者、宿泊や移動手段の予約サービスを行なう旅行業者、教育サービスを提供する教育業者、音楽や映像などのコンテンツの配信サービスを提供するコンテンツ配信業者、または、異常事態に備える警備サービスを提供する警備業者などであってもよい。
(ステップS3およびS4)
次に、加盟店は、顧客により利用されたデビットカードに記録されている情報をデビットカード照会用のネットワークを経由してカード会社に転送する。カード会社は、加盟店から受信した情報に基づき、デビットカードの有効性の確認、顧客のカード与信残高の照会等を行なう。そして、カード会社は、デビットカードに問題ない場合には、加盟店でのデビットカードによる代金の支払いを許可する。
その後、加盟店は、デビットカードによる支払いに関する情報をデビットカード端末から入力してカード会社へ送信する。また、カード会社は、デビットカードの利用額からカード会社の手数料を差し引いた額を加盟店の指定する銀行口座へ入金する。
(ステップS5)
そして、カード会社は、金融機関に対し、顧客の口座からカード会社が指定する口座へのデビットカード利用額の振替処理(引落処理、決済処理)を依頼する。金融機関は、カード会社からの依頼に応じ、デビットカード利用額の振替処理を行う。かかる振替処理の詳細については、「〔2〕本発明の実施形態にかかる銀行サーバについて」において説明する。
(ステップS6)
その後、金融機関は、デビットカード利用額の振替処理が完了した場合、顧客およびカード会社に対して振替処理が完了した旨の通知を行なう。以上説明したステップS1〜ステップS6までの一連の流れにより、デビットカードによる決済が完了する。デビットカードを利用した場合には、クレジットカードを利用した場合と比較して、ステップS3からステップS6までの処理が即時的に行われる。
〔2〕本発明の実施形態にかかる銀行サーバについて
続いて、図2〜図18を参照し、金融機関に設けられて上記振替処理(決済処理)を実行する引落処理装置の一例として、本発明の実施形態にかかる銀行サーバ20について説明する。
〔2−1〕本発明の実施形態にかかる銀行サーバのハードウェア構成
図2は、銀行サーバ20のハードウェア構成を示したブロック図である。銀行サーバ20は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、ホストバス204と、ブリッジ205と、外部バス206と、インタフェース207と、入力装置208と、出力装置210と、ストレージ装置(HDD)211と、ドライブ212と、通信装置215とを備える。
CPU201は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って銀行サーバ20内の動作全般を制御する。また、CPU201は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM202は、CPU201が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM203は、CPU201の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス204により相互に接続されている。
ホストバス204は、ブリッジ205を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス206に接続されている。なお、必ずしもホストバス204、ブリッジ205および外部バス206を分離構成する必要はなく、一のバスにこれらの機能を実装してもよい。
入力装置208は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイク、スイッチおよびレバーなど銀行サーバ20の管理者が情報を入力するための入力手段と、銀行サーバ20の管理者による入力に基づいて入力信号を生成し、CPU201に出力する入力制御回路などから構成されている。銀行サーバ20の管理者は、該入力装置208を操作することにより、銀行サーバ20に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置210は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Display)装置およびランプなどの表示装置と、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置で構成される。出力装置210は、例えば、再生されたコンテンツを出力する。具体的には、表示装置は再生された映像データ等の各種情報をテキストまたはイメージで表示する。一方、音声出力装置は、再生された音声データ等を音声に変換して出力する。
ストレージ装置211は、本実施形態にかかる銀行サーバ20の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置211は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。ストレージ装置211は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成される。このストレージ装置211は、ハードディスクを駆動し、CPU201が実行するプログラムや各種データを格納する。また、このストレージ装置211には、後述の、例えば顧客情報DB、円預金情報DBなどが記録される。
ドライブ212は、記憶媒体用リーダライタであり、銀行サーバ20に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ212は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体24に記録されている情報を読み出して、RAM203に出力する。
通信装置215は、例えば、通信網12に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、通信網12は、通信網12に接続されている装置から送信される情報の有線、または無線の伝送路である。例えば、通信網12は、インターネット、電話回線網、衛星通信網などの公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、IP−VPN(Internt Protocol−Virtual Private Network)などの専用回線網を含んでもよい。通信装置215は、このような通信網12を介して顧客端末10やカード会社装置30との間で各種データを送受信する。
〔2−2〕本発明の実施形態にかかる銀行サーバの機能
以上、図2を参照して本実施形態にかかる銀行サーバ20のハードウェア構成について説明した。続いて、図3〜図13を参照し、本実施形態にかかる銀行サーバ20の機能を説明する。
図3は、本実施形態にかかる銀行サーバ20の構成を示した機能ブロック図である。図3に示したように、本実施形態にかかる銀行サーバ20は、通信部216と、テーブル管理部220と、記憶部230と、残高調整部240と、決済判断部250と、決済処理部260と、補填判断部270と、通知部280とを備える。
通信部216は、顧客端末10、およびカード会社に設けられるカード会社装置30と通信網12を介して接続され、受信部、および送信部としての機能を有する。また、通信部216は、顧客口座からの引落請求額(以下、単に「請求額」とも言う。)をカード会社装置30から受信する機能も有する。さらに、通信部216は、基準レート(為替レート)を提供する情報提供サーバから、所定間隔で基準レートを取得する機能も有する。
なお、図3において顧客端末10の一例としてPC(Personal Computer)を示しているが、顧客端末10は、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、PDA(Personal Digital Assistants)、家庭用ゲーム機器、携帯用ゲーム機器、家電機器などの情報処理装置であってもよい。
テーブル管理部220は、記憶部230に記憶されている各DBの管理を行なう。例えば、テーブル管理部220は、新たな顧客に関する顧客テーブルを作成して顧客情報DBに登録したり、顧客テーブルの内容を更新したり、必要に応じて削除したりする。
(各DBの構成)
記憶部230は、顧客情報DB、円預金情報DB、外貨預金情報DB、およびカードローン情報DBなどの任意のデータを記憶している。以下、図4を参照して顧客情報DB、および円預金情報DBについて説明し、図5を参照して外貨預金情報DB、およびカードローン情報DBについて説明する。
図4は、顧客情報DB、および円預金情報DBの構成例を示した説明図である。また、図5は、外貨預金情報DB、およびカードローン情報DBの構成例を示した説明図である。図4および図5に示したように、顧客情報DBは顧客ごとの顧客テーブルを含み、円預金情報DBは顧客ごとの円預金テーブルを含み、外貨預金情報DBは顧客ごとの外貨預金テーブルを含み、カードローン情報DBは顧客ごとのカードローンテーブルを含む。
さらに、顧客テーブルは、識別情報、顧客情報、および履歴情報を含む。識別情報は、銀行サーバ20に登録されている顧客を識別する情報であり、例えば口座番号に対応する。顧客情報は、顧客に関する情報であり、例えば顧客の氏名、年齢、生年月日、住所、電話番号、自宅PCのメールアドレス、職業、家族構成、年収、およびパスワードなどの情報を含んでもよい。さらに、顧客情報は、顧客が外貨クレジットカードを有するか否かを示す情報を含む。履歴情報は、顧客テーブルの更新前の情報と更新後の情報を含む。例えば、履歴情報には、パスワードが変更された場合変更前のパスワードが記録され、顧客の住所が変更された場合変更前の住所が記録される。
また、円預金テーブルは、識別情報、円普通預金情報、円定期預金情報、および履歴情報を含む。識別情報は、顧客を識別する情報であり、銀行サーバ20は該識別情報を参照することにより対象顧客の円預金テーブルを検索することができる。円普通預金情報は、現在の普通預金の残高情報を含む。また、円定期預金情報は、例えば1年定期100万円、満期日、金利などの約定定期ごとの円定期預金に関する情報を含む。履歴情報は、以前に顧客が行なった取引や行動の内容を示し、例えば、円普通預金および円定期預金についての入出金額および日時に関する情報を含む。
また、外貨預金テーブルは、識別情報、外貨普通預金情報、外貨定期預金情報、および履歴情報を含む。識別情報は、顧客を識別する情報であり、銀行サーバ20は該識別情報を参照することにより対象顧客の外貨預金テーブルを検索することができる。外貨普通預金情報は、現在の普通預金の残高情報を含む。また、外貨定期預金情報は、外貨定期預金に関する情報を含む。履歴情報は、以前に顧客が行なった取引や行動の内容を示し、例えば、外貨普通預金および外貨定期預金についての入出金額および日時に関する情報を含む。
また、カードローンテーブルは、識別情報、カードローン口座情報、利用制限情報、借入可能枠情報、融資額、返済額、自動融資設定情報、および履歴情報を含む。識別情報は、顧客を識別する情報であり、銀行サーバ20は該識別情報を参照することにより対象顧客のカードローンテーブルを検索することができる。カードローン口座情報は、カードローンの借入および返済に利用される口座を識別する情報である。利用制限情報は、カードローンの利用制限があるか否かを示す情報などを含む。借入可能枠情報は、カードローンの借入が可能な金額を示す情報である。融資額は、カードローンの借入金額を示し、返済額は、カードローンの融資額に対応して返済すべき金額を示す。自動融資設定情報は、自動融資を実行するか否かを示す情報であり、顧客の操作に基づいて設定され得る。履歴情報は、返済が完了した以前の借入に関する情報(例えば、融資額、借入日時、返済額、返済日時など)を含む。
テーブル管理部220は、顧客が外貨を売却して円を購入する際、該顧客を示す識別情報を含む円預金テーブルおよび外貨預金テーブルを検索する。そして、テーブル管理部220は、外貨預金テーブルに含まれる外貨普通預金情報の示す額を減算し、減算額を現在の為替レートで円に変換し、変換された円の額を円預金テーブルに含まれる円普通預金情報の示す額に加算する。さらに、テーブル管理部220は、円預金テーブルおよび外貨預金テーブルの双方に含まれる履歴情報に日時、金額の増減などの情報を記録する。
なお、外貨預金テーブルの外貨普通預金情報および外貨定期預金情報には、ドルやユーロなどの各国通貨ごとにデータが記録されている。このため、外貨普通預金情報および外貨定期預金情報には、各国通貨の識別子(例えば、米ドルは1、ユーロは2)が含まれ、銀行サーバ20はかかる識別子に基づいて特定の通貨に関する処理を行うことができる。
また、このような各種DBが記録される記憶部230は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリや、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどの磁気ディスクや、CD−R(Compact Disc Recordable)/RW(ReWritable)、DVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)/RW/+R/+RW/RAM(Ramdam Access Memory)およびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))―R/BD−REなどの光ディスクや、MO(Magneto Optical)ディスクなどの記憶媒体であってもよい。
(決済処理)
ここで、図3を参照して銀行サーバ20の構成の説明に戻って説明を続ける。以下、顧客が外国でデビットカードを利用して外貨によって買い物をした場合を想定する。加盟店は、加盟店のある国の通貨を引落通貨とし、引落通貨による代金をカード会社装置30に送信する。カード会社装置30は、代金を受信してから、引落通貨による代金に応じた第1の引落額(以下、「引落通貨による引落額」とも言う。)を含む引落要求(以下、「決済要求」とも言う。)を即時に銀行サーバ20に送信する。例えば、引落通貨による引落額は、引落通貨による代金自体であってよい。
ここで、決済要求の構成例を説明する。図12は、決済要求の構成例を示す図である。図12に示すように、決済要求は、カード番号、利用通貨額(引落通貨による引落額)、利用通貨(引落通貨)、基準通貨額、基準通貨、基準通貨変換レートおよび取引番号を有する。カード番号は、口座番号と関連付けられた形式で顧客情報DBの顧客テーブルに含まれていてよい。取引番号は、取引を識別する情報である。基準通貨は、カード発行国の通貨であってよい。基準通貨変換レートは、利用通貨から基準通貨への変換レートである。
図3に戻って説明を続ける。通信部216は、かかる決済要求を受信する。決済処理部(引落処理部)260は、決済要求から引落通貨による引落額を抽出し、引落通貨による引落額の一部または全部を変換対象額として所定のレート(例えば、為替レート)により所定の補填通貨による補填額に変換する。そして、決済処理部260は、補填通貨による補填額を引落通貨の預金口座残高に補填し、補填後の引落通貨の預金口座残高から引落処理を行う。
かかる構成によれば、デビットカードの利用時から利用額に対する決済時までが即時的であるため、デビットカードの利用時から決済時までに為替レートが変動する可能性が低減される。そのため、デビットカードが利用される場合には、複数種類の通貨間で利用額の一部または全部が為替レートに従って変換されても、為替リスクが顧客に与えられてしまう可能性が抑制される。補填通貨による補填額が自動的に補填されるため、顧客に負担を強いる可能性も抑制される。また、即時的に決済要求が送信されるため、決済に関する処理速度も向上し得る。
より詳細には、クレジットカードを用いる場合には、購入要求日から引落日までに時間が経過してしまっているため、引落日におけるレートが予期せぬレートとなる場合もあり為替リスクが大きい。一方、本実施形態によれば、デビットカードが利用されることで購入要求時に送信されたレートに基づいて引落額が決定されるため、為替リスクが低減される。
さらに、通知部280は、決済処理部260による引落処理後、商品購入要求に対して商品の購入が完了した旨を示す商品購入完了通知を、通信部216を介して顧客端末10に通知してもよい。そうすれば、商品購入要求に対して商品の購入が完了した旨を示す商品購入完了が通知されるため、顧客は商品購入要求時に購入(決済)が完了したことを知ることができる。
補填通貨の預金口座残高は、マイナスにならないように制御されるのがよい。すなわち、補填判断部270は、補填通貨の預金口座残高が補填額に対して不足しているか否かを判断する。そして、決済処理部260は、補填通貨の預金口座残高が補填額に対して不足していない場合、補填通貨の預金口座残高から補填額を引落通貨の預金口座残高に補填すればよい。
一方、決済処理部260は、補填通貨の預金口座残高が補填額に対して不足している場合も想定される。かかる場合には、決済処理部260は、補填額に対する補填通貨の預金口座残高の不足額相当分の融資額をカードローンの自動融資によって借り入れ、この融資額を補填通貨の預金口座残高に充当してよい。そして、決済処理部260は、充当後の補填通貨の預金口座残高から補填額を引落通貨の預金口座残高に補填し、補填後の引落通貨の預金口座残高から引落処理を行ってよい。
かかる構成によれば、カードローンの自動融資によって借り入れた融資額が補填通貨の預金口座残高に充当され、充当後の補填通貨の預金口座残高から補填額が引落通貨の預金口座残高に補填され、補填後の引落通貨の預金口座残高から引落処理が行われる。したがって、例えば、引落通貨の預金口座残高および補填通貨の預金口座残高の合計が、商品の代金よりも少ない場合であっても、カードローンの自動融資によって借入がなされれば、顧客は商品をより確実に購入することが可能となる。
通知部280は、自動融資の実行が完了したことを示す自動融資実行完了通知を、通信部216を介して顧客端末10に通知してもよい。そうすれば、商品の購入に際して自動融資の実行が完了したことを示す自動融資実行完了が通知されるため、顧客は商品購入に際して自動融資の実行が完了したことを知ることができる。例えば、顧客は、自動融資の実行完了を知ることによって、カードローン口座に返済額を預け入れるなどの措置を講じることが可能となる。
このとき、決済処理部260は、自動融資に必要な条件が満たされているか否かに応じて、カードローンの自動融資によって借入が可能であるか否かを判断してよい。例えば、決済処理部260は、カードローンテーブルの自動融資設定情報に自動融資設定〈自動融資を実行することを示す情報〉があるか否かに応じて、借入が可能であるか否かを判断してよい。また、決済処理部260は、カードローンテーブルの利用制限情報に「利用制限あり」が設定されているか否かに応じて、借入が可能であるか否かを判断してよい。
また、決済処理部260は、カードローンテーブルの借入可能枠情報が示すカードローン利用可能額が、補填額に対する補填通貨の預金口座残高の不足額以上であるか否かに応じて、借入が可能であるか否かを判断してよい。カードローンの自動融資によって借り入れられた融資額と融資額に対応する返済額とは、カードローンテーブルに登録される。そして、所定の返済時期が到来すると、カードローンテーブルのカードローン口座情報が示す口座から返済額の返済がなされる。
補填通貨の預金口座残高に対する充当のための借入(以下、単に「充当のための借入」とも言う。)にも利息が付される。例えば、充当のための借入に付される利息は、充当のためではない借入(以下、以下、単に「通常の借入」とも言う。)に付される利息と同じであってもよいし、異なってもよい。例えば、充当のための借入に付される利息は、通常の借入に付される利息より低くてもよい。充当のための借入に付される利息が通常の借入に付される利息より低い場合、顧客の引落通貨による商品の購買意欲が促進されることが期待される。
ここで、補填通貨を決定する手法は特に限定されないが、例えば、以下に示すような手法が採用され得る。例えば、一つ目の手法として、補填通貨をあらかじめ手動または自動的に決定しておく手法が想定される。また、二つ目の手法として、通貨ごとの優先順位が定義されたテーブルを参照する手法が想定される。かかる手法においては、優先順位の高い通貨から口座残高を参照し、口座残高が補填額に対して不足していない通貨を補填通貨として決める処理が必要となる。また、三つ目の手法として、決済要求に含まれる基準通貨を補填通貨として決定する手法が想定される。
補填通貨による補填がなされるための条件は、特に設けられていなくてもよいし、設けられていてもよい。例えば、本明細書において主に説明するように、引落通貨による引落額に対して引落通貨の預金口座残高が不足する場合にのみ、補填通貨による補填がなされるようにしてもよい。すなわち、決済判断部250は、引落通貨による引落額に対する引落通貨の預金口座残高の不足額を判断し、決済処理部260は、不足額を所定のレート(例えば、為替レート)により補填通貨による補填額に変換すればよい。
また、顧客が引落通貨の預金口座を開設済みであるとは限らない。そこで、顧客が引落通貨の預金口座を未開設である状況にも柔軟に対応可能とするのがよい。具体的には、カード会社装置30は、所定の基準通貨による第2の引落額(以下、「基準通貨による引落額」とも言う。)を算出し、基準通貨による引落額を含めた決済要求を銀行サーバ20に送信する。通信部216は、この決済要求を受信し、決済処理部260は、引落通貨の預金口座が開設済みである場合には、補填後の引落通貨の預金口座残高から引落処理を行なえばよい。
一方、決済処理部260は、引落通貨の預金口座が未開設である場合には、基準通貨の預金口座残高から基準通貨による引落額を減じればよい。ただし、カード会社装置30における基準通貨による引落額の算出には、カード会社による引落通貨から基準通貨への変換コストが生じる。すなわち、引落通貨の預金口座が未開設である場合には、かかる変換コストを顧客が負担しなくてはならないため、引落通貨の預金口座の開設が促進されるといった効果も享受され得る。また、デビットカードは、よりお財布感覚で商品購入ができるメリットがあるため、決済可能か否かを即時に確認できることと、即時に決済できることが重要となる。そこで、このように万一顧客が決済口座を開設していなかった場合でも基準通貨での決済はできるような仕組みを構築することによって、かかるメリットを生かしつつ決済可否判断と実際の決済が行えることになる。
なお、引落通貨の預金口座が開設済みであるか否かはどのように判断されてもよい。例えば、顧客情報に通貨ごとの口座の有無を示すフラグが設けられている場合には、そのフラグを参照することによって、引落通貨の預金口座が開設済みであるか否かが判断されてもよい。あるいは、外貨普通預金情報に含まれている通貨ごとのデータを参照することによって、引落通貨の預金口座が開設済みであるか否かが判断されてもよい。
以上に説明した例では、加盟店のある国の通貨を引落通貨とし、顧客自身の国の通貨を基準通貨とする例を説明したが、引落通貨および基準通貨はどのように決められてもよい。例えば、決済判断部(引落判断部)250は、顧客によってあらかじめ入力されて記録された引落通貨を識別するための情報に基づいて引落通貨を特定してもよい。そうすれば、顧客は、引落処理によって残高が変更されても構わない預金口座を指定することが可能となる。あるいは、決済判断部250は、引落通貨による引落額に含まれる通貨単位に基づいて引落通貨を特定してもよい。
同様に、決済判断部250は、顧客によってあらかじめ入力されて記録された基準通貨を識別するための情報に基づいて基準通貨を特定してもよい。そうすれば、顧客は、補填処理によって残高が変更されても構わない預金口座を指定することが可能となる。あるいは、決済判断部250は、基準通貨による引落額に含まれる通貨単位に基づいて基準通貨を特定してもよい。
以上、決済判断部250、決済処理部260、および補填判断部270の機能について説明した。続いて、図6〜図11を参照し、決済判断部250、決済処理部260、および補填判断部270により行なわれる決済処理について具体的に説明する。なお、特に断りがない限り、自国通貨(基準通貨)が円であり、1の外貨(引落通貨)が米ドル、他の外貨がユーロである場合を説明するが、自国通貨(基準通貨)、1の外貨(引落通貨)、および他の外貨は、これらに限定されない。
図6〜図11は、決済処理部260、および補填判断部270により行なわれる決済処理の具体例を示した説明図である。なお、図6〜図11の説明においては、説明の便宜上、1米ドルが100円に相当するものとし、為替コストが発生しないものとしている。
図6は、1,000,000円の円預金および10,000米ドルの米ドル預金を有する顧客に関し、1,000米ドルをカード会社の指定口座へ振替ることを要求する依頼があった場合の決済例を示している。この場合、決済判断部250が、米ドル預金残高が米ドル請求額の範囲内であると判断する。
したがって、決済処理部260は、10,000米ドルから1,000米ドルを減算して得られる9,000米ドルに米ドル預金残高を更新する。また、減算額は、カード会社の指定口座へ振り込まれる。例えば、銀行サーバ20が指定銀行の指定口座へ入金要求を行い、入金要求が完了した旨の通知を受け取って振り込みが完了する。なお、カード会社の指定口座は顧客と同じ銀行の口座であっても、異なる銀行の口座であってもよい。また、決済処理が完了すると、顧客およびカード会社へ決済が終了した旨が通知される。また、上記のような米ドルに関するカード会社からの利用請求は、顧客が米国でドルデビットカードを利用して米ドルの支払いをした場合などに生じる。
図7は、1,000,000円の円預金および10,000米ドルの米ドル預金を有する顧客に関し、15,000米ドルをカード会社の指定口座へ振替ることを要求する依頼があった場合の決済例を示している。この場合、決済判断部250が、米ドル預金残高が米ドル請求額の範囲外であると判断する。
したがって、補填判断部270が、米ドル請求額に対する米ドル預金残高の不足額である5,000米ドルを円預金から補填できるか否かを判断する。円預金残高は不足額である5,000米ドルの範囲内であるため、補填判断部270は補填可能であると判断する。このため、決済処理部260は、不足額である5,000米ドルに対応する500,000円を米ドル預金に補填し、補填した後の15,000米ドルで米ドル請求額の決済処理を行う。その結果、円預金残高は500,000円になる。
図8は、1,000,000円の円預金、10,000米ドルの米ドル預金、および1,000,000円のカードローン利用可能額を有する顧客に関し、25,000米ドルをカード会社の指定口座へ振替ることを要求する依頼があった場合の決済例を示している。この場合、決済判断部250が、米ドル預金残高が米ドル請求額の範囲外であると判断する。
したがって、補填判断部270が、米ドル請求額に対する米ドル預金残高の不足額(第1の不足額)である15,000米ドルを円預金から補填できるか否かを判断する。円預金残高は不足額(第1の不足額)である15,000米ドルの範囲外であるため、補填判断部270は、不足額(第1の不足額)に対する円預金残高の不足額(第2の不足額)である500,000円がカードローン利用可能額から充当できるか否かを判断する。
カードローン利用可能額は円預金残高の不足額(第2の不足額)500,000円の範囲内であるため、補填判断部270は、充当可能であると判断する。このため、決済処理部260は、不足額(第2の不足額)である500,000円を円預金残高に充当し、充当した後の1,500,000円を米ドル預金に補填し、補填した後の25,000米ドルで米ドル請求額の決済処理を行う。その結果、カードローン借入額が500,000円になる。
図9は、決済通貨(引落通貨)として事前設定された1,000,000円の円預金、および10,000米ドルの米ドル預金を有する顧客に関し、1,000米ドルをカード会社の指定口座へ振替ることを要求する依頼があった場合の決済例を示している。この場合、決済判断部250が、決済通貨として事前設定された1,000,000円の円預金が米ドル請求額である1,000米ドルに対応する100,000円の範囲内であると判断する。
したがって、決済処理部260は、決済通貨(引落通貨)として事前設定された1,000,000円の円預金から米ドル請求額である1,000米ドルに対応する100,000円の決済処理を行う。その結果、円預金残高は900,000円になる。
図10は、500,000円の円預金、10,000米ドルの米ドル預金、および補填通貨として事前設定された20,000ユーロのユーロ預金を有する顧客に関し、25,000米ドルをカード会社の指定口座へ振替ることを要求する依頼があった場合の決済例を示している。この場合、決済判断部250が、米ドル預金残高が米ドル請求額の範囲外であると判断する。
したがって、補填判断部270が、米ドル請求額に対する米ドル預金残高の不足額である15,000米ドルを補填通貨として事前設定されたユーロ預金から補填できるか否かを判断する。ユーロ預金残高は不足額である15,000米ドルの範囲内であるため、補填判断部270は補填可能であると判断する。このため、決済処理部260は、不足額である15,000米ドルに対応する15,000ユーロを米ドル預金に補填し、補填した後の25,000米ドルで米ドル請求額の決済処理を行う。その結果、ユーロ預金残高は5,000ユーロになる。
図11は、2,000,000円の円預金を有し、米ドル預金口座を有しない顧客に関し、15,000米ドルをカード会社の指定口座へ振替ることを要求する依頼があった場合の決済例を示している。この場合、決済判断部250が、米ドル預金口座を有しないと判断する。そこで、決済処理部260は、基準通貨である円通貨の請求額を決済要求から取得する。ここでは、基準通貨である円通貨の請求額が1,500,000円であったとする。
そのとき、決済処理部260は、円通貨の請求額である1,500,000円が円預金残高である2,000,000円の範囲内であると判断する。したがって、決済処理部260は、円預金残高である2,000,000円で米ドル請求額である15,000米ドルに対応する1,500,000円の決済処理を行なう。その結果、円預金残高は500,000円になる。
以上、決済判断部250、決済処理部260、および補填判断部270により行なわれる決済処理について具体的に説明した。
(残高調整処理)
ここで、図3を参照して銀行サーバ20の構成の説明に戻って説明を続ける。ところで、このようにして決済が行なわれたとしても、決済額と実際の売上額との間にずれが生じる場合がある。例えば、決済額が実際の売上額よりも多かった場合には、決済額から実際の売上額を差し引いた額(以下、「余剰決済額」とも言う。)を決済が行なわれた口座(決済通貨の預金口座残高)に返金する必要がある。一方、決済額が実際の売上額よりも少なかった場合には、実際の売上額から決済額を差し引いた額(以下、「不足決済額」とも言う。)を決済通貨の預金口座残高から引き落とす必要がある。
以下では、このようにして決済が行なわれた後に生じる決済通貨の預金口座残高の調整処理(残高調整処理)について説明する。ここでも、上記した決済処理と同様に、顧客が外国でデビットカードを利用して外貨によって買い物をした場合を想定する。そして、銀行サーバ20によって既に決済が行なわれた場合を想定する。まず、加盟店は、売上データの送信タイミングになると、売上データをカード会社装置30に送信する。例えば、売上データの送信タイミングは、加盟店とカード会社装置30との間で取り決められていてよい。
例えば、売上データには、取引ごとの売上額が含まれる。カード会社装置30は、売上データを受信すると、売上データに含まれる売上額とその取引における決済額とを比較する。カード会社装置30は、売上額と決済額との間にずれが生じている場合には、売上額と決済額との差額を残高調整額として含み、かつ、決済通貨の口座を識別する情報(決済通貨の識別情報および決済通貨の口座のカード番号)を含んだ残高調整要求を銀行サーバ20に送信する。
ここで、残高調整要求の構成例を説明する。図13は、残高調整要求の構成例を示す図である。図13に示すように、残高調整要求は、カード番号、残高調整額、決済通貨、および取引番号を有する。残高調整額の種類としては、実際の売上額よりも決済額が多い余剰決済額、および実際の売上額よりも決済額が少ない不足決済額があり得る。残高調整額が余剰決済額および不足決済額のいずれを示すかはどのように表現されてもよい。例えば、残高調整額が余剰決済額および不足決済額のいずれであるかは、残高調整額の正負によって表現されてもよい。
図3に戻って説明を続ける。通信部216は、かかる残高調整要求を受信する。残高調整部240は、残高調整要求から決済通貨による残高調整額を抽出し、残高調整額が余剰決済額および不足決済額のいずれを示すかを判断する。残高調整部240は、残高調整額が余剰決済額を示す場合、決済通貨の預金口座残高に余剰決済額を返金する。このとき、通知部280は、決済通貨の預金口座残高に余剰決済額が返金されたことを示す余剰決済額返金通知を、通信部216を介して顧客端末10に通知してもよい。
かかる構成によれば、余剰決済額が返金された旨を示す余剰決済額返金が通知されるため、余剰決済額が返金されたことを知ることができる。(例えば、余剰決済額が自動融資によって借り入れられた融資額を含む場合などには、)余剰決済額がカードローン口座残高に返金されれば、カードローン口座残高に返金された余剰決済額から自動的に返済がなされるため望ましい。ここで、大抵の場合、カードローン口座の通貨は顧客自身の国の通貨である。
したがって、カードローン口座の通貨と同様に、決済通貨も顧客自身の国の通貨である場合には、決済通貨と同一通貨のカードローン口座残高に対して余剰決済額の返金がなされると考えられる。一方、決済通貨が外貨である場合には、余剰決済額の返金がカードローン口座とは異なる外貨の預金口座残高に対してなされてしまい、返済が滞ってしまう可能性があると考えられる。そこで、特に決済通貨が外貨である場合に、余剰決済額返金通知がなされるメリットが高いと考えられる。
一方、残高調整部240は、残高調整額が不足決済額を示す場合、決済通貨による不足決済額の一部または全部を変換対象額として所定のレート(例えば、為替レート)により所定の補填通貨による補填額に変換する。そして、残高調整部240は、補填通貨による補填額を決済通貨の預金口座残高に補填し、補填後の決済貨の預金口座残高から不足決済額の引落処理を行う。かかる構成によれば、補填通貨による補填額が決済通貨の預金口座残高に補填されるため、残高調整がより確実に行われ得る。
決済処理時と同様に、補填通貨の預金口座残高は、マイナスにならないように制御されるのがよい。すなわち、補填判断部270は、補填通貨の預金口座残高が補填額に対して不足しているか否かを判断する。そして、残高調整部240は、補填通貨の預金口座残高が補填額に対して不足していない場合、補填通貨の預金口座残高から補填額を決済通貨の預金口座残高に補填すればよい。
一方、補填通貨の預金口座残高が補填額に対して不足している場合も想定される。かかる場合には、残高調整部240は、補填額に対する補填通貨の預金口座残高の不足額相当分の融資額をカードローンの自動融資によって借り入れ、この融資額を補填通貨の預金口座残高に充当してよい。そして、残高調整部240は、充当後の補填通貨の預金口座残高から補填額を決済通貨の預金口座残高に補填し、補填後の決済通貨の預金口座残高から不足決済額の引落処理を行ってよい。
かかる構成によれば、カードローンの自動融資によって借り入れた融資額が補填通貨の預金口座残高に充当され、充当後の補填通貨の預金口座残高から補填額が決済通貨の預金口座残高に補填され、補填後の決済通貨の預金口座残高から不足決済額の引落処理が行われる。したがって、例えば、引落通貨の預金口座残高および補填通貨の預金口座残高の合計が、不足決済額よりも少ない場合であっても、カードローンの自動融資によって借入がなされれば、残高調整がより確実に行われ得る。
通知部280は、自動融資の実行が完了したことを示す自動融資実行完了通知を、通信部216を介して顧客端末10に通知してもよい。そうすれば、残高調整に際して自動融資の実行が完了したことを示す自動融資実行完了が通知されるため、顧客は残高調整に際して自動融資の実行が完了したことを知ることができる。例えば、顧客は、自動融資の実行完了を知ることによって、カードローン口座に返済額を預け入れるなどの措置を講じることが可能となる。
このとき、決済処理時と同様に、決済処理部260は、自動融資に必要な条件が満たされているか否かに応じて、カードローンの自動融資によって借入が可能であるか否かを判断してよい。また、決済処理時と同様に、補填通貨の預金口座残高に対する充当のための借入に付される利息は、充当のためではない借入(通常の借入)に付される利息と同じであってもよいし、異なってもよい。補填通貨を決定する手法も、決済処理時と同様に限定されない。補填通貨による補填がなされるための条件も、決済処理時と同様に設けられていなくてもよいし、設けられていてもよい。
〔2−3〕本発明の実施形態にかかる銀行サーバの動作
以上、図3〜図13を参照して本実施形態にかかる銀行サーバ20の機能を説明した。続いて、図14〜図18を参照し、本実施形態にかかる銀行サーバ20の動作について説明する。
図14〜図16は、本実施形態にかかる銀行サーバ20の決済処理の流れを示したフローチャートである。図14に示すように、まず、通信部216は、カード会社装置30から決済要求を受信する(S800)。決済判断部250は、決済要求によって指定される利用通貨(引落通貨)が取扱通貨であるか否かを判断する(S801)。決済判断部250は、利用通貨(引落通貨)が取扱通貨ではないと判断した場合には、S804に動作を移行させる。一方、利用通貨(引落通貨)が取扱通貨であると判断した場合、利用通貨(引落通貨)の口座が開設されているか否かを判断する(S802)。
続いて、決済判断部250は、利用通貨(引落通貨)の口座が開設されていないと判断した場合、S804に動作を移行させる。一方、決済判断部250は、利用通貨(引落通貨)の口座が開設されていると判断された場合、利用通貨(引落通貨)の口座残高が利用金額(引落通貨による引落額)以上であるか否かを判断する(S803)。決済処理部260は、利用通貨(引落通貨)の口座残高が、決済要求によって指定される利用金額(引落通貨による引落額)以上であると判断された場合には、利用通貨の口座残高から決済処理を行う(S806)。一方、決済処理部260は、利用通貨(引落通貨)の口座残高が利用金額(引落通貨による引落額)以上ではないと判断された場合には、S811(図15)に動作を移行させる。
S812に動作が移行された場合、補填判断部270は、利用金額に対する利用通貨の口座残高の不足額(第1の不足額)を算出し(S811)、第1の不足額を補填通貨に変換し(S812)、変換後の不足額を変換額として取得する。そして、補填判断部270は、補填通貨の口座残高が変換額以上であるか否かを判断し(S813)、決済処理部260は、補填通貨の口座残高が変換額以上であると判断された場合には、補填通貨の口座から変換額相当分を利用通貨の口座(引落通貨の預金口座)残高へ充当し(S814)、利用通貨の口座残高から決済処理を実行する(S806)。一方、決済処理部260は、補填通貨の口座残高が変換額以上ではない場合、S901(図16)に動作を移行させる。
続いて、決済処理部260は、自動融資設定があるか否かを判断する(S901)。決済処理部260は、自動融資設定がないと判断した場合、決済処理を実行しない。一方、決済処理部260は、自動融資設定があると判断した場合、カードローン利用制限があるか否かを判断する(S902)。決済処理部260は、カードローン利用制限があると判断された場合には、決済処理を実行しない。一方、決済処理部260は、カードローン利用制限がないと判断された場合には、変換額に対する補填通貨の口座残高の不足額(第2の不足額)を算出する(S903)。
ここで、決済処理部260は、カードローン利用可能額が第2の不足額以上であるか否かを判断する(S904)。決済処理部260は、カードローン利用可能額が第2の不足額以上ではないと判断された場合、決済処理を実行しない(S905)。一方、決済処理部260は、カードローン利用可能額が第2の不足額以上であると判断された場合、第2の不足額相当分の融資額をカードローンの自動融資によって借り入れ、借り入れた融資額を補填通貨の口座残高へ充当する(S906)。
続いて、決済処理部260は、補填通貨の口座残高から変換額相当分を利用通貨の口座残高へ充当する(S907)。そして、決済処理部260は、利用通貨の口座残高から決済処理を行う(S908)。続いて、通知部280は、自動融資の実行が完了したことを示す自動融資実行完了通知を、通信部216を介して顧客端末10に通知する。例えば、通知部280は、自動融資の実行が完了したことを示す自動融資実行完了通知をメールによって、通信部216を介して顧客端末10に通知する(S909)。
図14に戻って、動作がS804に移行された場合、決済判断部250は、基準通貨の口座が開設されているか否かを判断する(S804)。決済処理部260は、基準通貨の口座が開設されていないと判断した場合には、決済を実行しない(S807)。一方、決済判断部250は、基準通貨の口座が開設されていると判断した場合には、基準通貨の口座残高が基準通貨換算の利用金額(基準通貨による引落額)以上であるか否かを判断する(S805)。決済処理部260は、基準通貨の口座残高が基準通貨換算の利用金額(基準通貨による引落額)以上であると判断された場合には、決済処理を実行し(S806)、基準通貨の口座残高が基準通貨換算の利用金額(基準通貨による引落額)以上ではないと判断された場合には、決済を実行しない(S807)。
図17および図18は、本実施形態にかかる銀行サーバ20の残高調整処理の流れを示したフローチャートである。図17に示すように、まず、通信部216は、カード会社装置30から残高調整要求を受信する(S600)。残高調整部240は、残高調整要求によって指定される残高調整額が余剰決済額および不足決済額のいずれを示すかを判断することによって、決済額が実際の売上額よりも多いか、少ないかを判断する(S601)。
残高調整部240は、決済額が実際の売上額よりも多いと判断された場合、残高調整要求によって指定される決済通貨の口座残高に対して余剰決済額を加算(返金)し(S621)、通知部280は、決済通貨の預金口座残高に余剰決済額が返金されたことを示す余剰決済額返金通知を、通信部216を介して顧客端末10に通知する。このとき、通知部280は、決済通貨の預金口座残高に余剰決済額が返金されたことを示す余剰決済額返金通知をメールによって、通信部216を介して顧客端末10に通知する。
一方、残高調整部240は、決済額が実際の売上額よりも少ないと判断された場合、決済通貨の口座残高が不足決済額以上であるか否かを判断する(S603)。残高調整部240は、決済通貨の口座残高が、不足決済額以上であると判断された場合には、決済通貨の口座残高から不足決済額の決済処理を行う(S606)。一方、残高調整部240は、決済通貨の口座残高が不足決済額以上ではないと判断された場合には、S611に動作を移行させる。
S611に動作が移行された場合、補填判断部270は、不足決済額に対する決済通貨の口座残高の不足額(第3の不足額)を算出し(S611)、第3の不足額を補填通貨に変換し(S612)、変換後の不足額を変換額として取得する。そして、補填判断部270は、補填通貨の口座残高が変換額以上であるか否かを判断し(S613)、残高調整部240は、補填通貨の口座残高が変換額以上であると判断された場合には、補填通貨の口座残高から変換額相当分を決済通貨の口座残高へ充当し(S614)、決済通貨の口座残高から不足決済額の決済処理を実行する(S606)。一方、残高調整部240は、補填通貨の口座残高が変換額以上ではない場合、S701(図18)に動作を移行させる。
続いて、残高調整部240は、自動融資設定があるか否かを判断する(S701)。残高調整部240は、自動融資設定がないと判断した場合、残高調整を実行しない。一方、残高調整部240は、自動融資設定があると判断した場合、カードローン利用制限があるか否かを判断する(S702)。残高調整部240は、カードローン利用制限があると判断された場合には、残高調整を実行しない。一方、残高調整部240は、カードローン利用制限がないと判断された場合には、変換額に対する補填通貨の口座残高の不足額(第4の不足額)を算出する(S703)。
ここで、残高調整部240は、カードローン利用可能額が第4の不足額以上であるか否かを判断する(S704)。残高調整部240は、カードローン利用可能額が第4の不足額以上ではないと判断された場合、残高調整を実行しない(S705)。一方、残高調整部240は、カードローン利用可能額が第4の不足額以上であると判断された場合、第4の不足額相当分の融資額をカードローンの自動融資によって借り入れ、借り入れた融資額を補填通貨の口座残高へ充当する(S706)。
続いて、残高調整部240は、補填通貨の口座残高から変換額相当分を決済通貨の口座残高へ充当する(S707)。そして、残高調整部240は、決済通貨の口座残高から不足決済額の引落しを行う(S708)。続いて、通知部280は、自動融資の実行が完了したことを示す自動融資実行完了通知を、通信部216を介して顧客端末10に通知する。例えば、通知部280は、自動融資の実行が完了したことを示す自動融資実行完了通知をメールによって、通信部216を介して顧客端末10に通知する(S709)。
〔3〕まとめ
本発明の実施形態によれば、カード会社装置30によって所定の引落通貨による代金が受信されてから代金に応じた第1の引落額を含む引落要求が即時に送信された場合に決済要求を受信する通信部216と、第1の引落額の一部または全部が変換対象額として所定のレートにより変換された所定の補填通貨による補填額を引落通貨の預金口座残高に補填し、補填後の引落通貨の預金口座残高から決済処理を行う決済処理部260と、を備える、銀行サーバ20が提供される。
かかる構成によれば、デビットカードの利用時から利用額に対する決済時までが即時的であるため、デビットカードの利用時から決済時までに為替レートが変動する可能性が低減される。そのため、デビットカードが利用される場合には、複数種類の通貨間で利用額の一部または全部が為替レートに従って変換されても、為替リスクが顧客に与えられてしまう可能性が抑制される。補填通貨による補填額が自動的に補填されるため、顧客に負担を強いる可能性も抑制される。また、即時的に決済要求が送信されるため、決済に関する処理速度も向上し得る。
また、補填判断部270は、補填通貨による補填額に対して、補填通貨の預金口座残高が不足しているか否かを判断する。そして、決済処理部260は、補填通貨の預金口座残高が補填額に対して不足している場合、補填額に対する補填通貨の預金口座残高の不足額相当分の自動融資による融資額を補填通貨の預金口座残高に充当する。決済処理部260は、充当後の補填通貨の預金口座残高から補填額を引落通貨の預金口座残高に補填し、補填後の引落通貨の預金口座残高から引落処理を行う。
かかる構成によれば、カードローンの自動融資によって借り入れた融資額が補填通貨の預金口座残高に充当され、充当後の補填通貨の預金口座残高から補填額が引落通貨の預金口座残高に補填され、補填後の引落通貨の預金口座残高から引落処理が行われる。したがって、例えば、引落通貨の預金口座残高および補填通貨の預金口座残高の合計が、商品の代金よりも少ない場合であっても、カードローンの自動融資によって借入がなされれば、顧客は商品をより確実に購入することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本明細書の銀行サーバ20の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、銀行サーバ20の処理における各ステップは、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)を含んでもよい。
また、銀行サーバ20に内蔵されるCPU201、ROM202およびRAM203などのハードウェアを、上述した銀行サーバ20の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。また、図3の機能ブロック図で示したそれぞれの機能ブロックをハードウェアで構成することで、一連の処理をハードウェアで実現することもできる。
また、上記した実施形態においては、顧客によって利用される媒体の例としてカードを用いて説明した。しかし、顧客によって利用される媒体は、カードに限定されない。例えば、スマートフォンなどといった携帯端末にカード情報を記録しておき、顧客が携帯端末を店舗に設置されたカードリーダにかざすと、携帯端末に記録されたカード情報が非接触通信によりカードリーダに送信されてよい。その場合、カードリーダによって受信されたカード情報に基づいて決済処理が実行されてよい。