JP5605928B2 - リチウム二次電池用非水電解液及びそれを含むリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用非水電解液及びそれを含むリチウム二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、ジニトリル系添加剤を含むことで、サイクル寿命が改善し、膨れ(swelling)現状の抑制効果に優れたリチウム二次電池用非水電解液及びそれを含むリチウム二次電池に関する。
本出願は、2010年8月13日出願の韓国特許出願第10−2010−0078417号及び2011年8月12日出願の韓国特許出願第10−2011−0080493号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に援用される。
近年、エネルギー貯蔵技術に対する関心が高まりつつある。携帯電話、カムコーダー、及びノートパソコン、さらには電気自動車のエネルギーまで適用分野が拡がるとともに、このような電子機器の電源として使用される電池の高エネルギー密度化に対する要求が高くなっている。リチウム二次電池は、このような要求に最も応えられる電池であって、現在、それに対する研究が活発に行われている。
現在使用されている二次電池のうち、1990年代の初めに開発されたリチウム二次電池は、リチウムイオンを吸蔵及び放出できる炭素材などでなる負極、リチウム含有酸化物などでなる正極、及び混合有機溶媒にリチウム塩が適量溶解された非水電解液などで構成されている。
近年、リチウム二次電池の使用が増加するにつれて、高温や低温環境など、より過酷な環境でも優れた性能を維持でき、高電圧でも安全に充電可能なリチウム二次電池に対する需要が徐々に伸びている。
このようなリチウム二次電池の正極活物質として使用されるリチウム遷移金属酸化物または複合酸化物は、リチウムイオンの吸蔵及び放出によって構造的な安全性及び容量が決められる。しかし、これらの容量は充電電位が上昇するほど増加するが、それに伴って活物質をなす遷移金属などの放出も加速化し、構造的な不安定が引き起こされる恐れがある。
また、非水電解液に広く使用される有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメトキシエタン、γ‐ブチロラクトン、N,N‐ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、またはアセトニトリルなどがある。しかし、このような有機溶媒は、一般に高温で長時間保管する場合、電解液の酸化による気体の発生及びそれによる膨れ現象などで電池の劣化が現れる。このとき発生する分解ガスは、パウチ型または缶型電池組立体を変形させて内部短絡を引き起こし、深刻な場合は電池が発火または爆発することがある。このような電解液の酸化は、高電圧条件で溶出した遷移金属によってさらに加速化し得る。
このような問題点を解決するため、非水電解液に電池の膨れを防止するために含まれる多様な添加剤が提示されたが、未だに上記の問題点を効果的に解決できていない。例えば、コハク酸ニトリルを電解液に添加する場合、電池の膨れ現象は多少抑制できるが、充放電サイクル寿命が低下するという問題点がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、電池の膨れ現象を抑制すると同時に充放電サイクル寿命も改善することができるリチウム二次電池用非水電解液及びそれを含むリチウム二次電池を提供することを目的とする。
上記の課題を達成するため、本発明によるイオン化可能なリチウム塩及び有機溶媒を含むリチウム二次電池用非水電解液は、添加剤として(a)前記非水電解液全体100重量部に対して1重量部ないし10重量部のビニレン基またはビニル基を含む化合物;及び(b)前記ビニレン基またはビニル基を含む化合物100重量部に対して10重量部ないし300重量部の下記化学式1で表されるエーテル結合を有するジニトリル化合物を含むことを特徴とする。
Figure 0005605928
化学式1において、R、R、及びRは、相互独立して炭素数1ないし5であるアルキレンまたはアルケニレンであり、mは1ないし5の整数である。
本発明において、「ビニレン基」は‐CH=CH‐と定義され、「ビニル基」はCH=CH‐と定義される。本発明によるビニレン基またはビニル基を含む化合物としては、ビニレンカーボネート系化合物、ビニル基を含むアクリレート系化合物、ビニル基を含むスルホネート系化合物、ビニル基を含むエチレンカーボネート系化合物などをそれぞれ単独でまたは2種以上混合して使用することができる。前記ビニレンカーボネート系化合物の代表的な例としては、ビニレンカーボネートが挙げられる。より具体的に、前記ビニル基を含む化合物は下記化学式2で表すことができる。
Figure 0005605928
化学式2において、RないしRのうち少なくとも1つはビニル基を含み、その他は相互独立して水素、ハロゲン、ハロゲンに置換されたか又は非置換されたC〜Cのアルキル基、C〜C12のアリール基、C〜Cのアルケニル基、またはスルホネート基である。
本発明の非水電解液において、前記エーテル結合を有するジニトリル化合物は、3,5‐ジオキサ‐ヘプタンジニトリル、1,4‐ビス(シアノエトキシ)ブタン、ビス(2‐シアノエチル)‐モノホルマル、ビス(2‐シアノエチル)‐ジホルマル、ビス(2‐シアノエチル)‐トリホルマル、エチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテル、3,6,9,12,15,18‐ヘキサオキサエイコサンジニトリル、1,3‐ビス(2‐シアノエトキシ)プロパン、1,4‐ビス(2‐シアノエトキシ)ブタン、1,5‐ビス(2‐シアノエトキシ)ペンタン、エチレングリコールビス(4‐シアノブチル)エーテルなどをそれぞれ単独でまたは2種以上混合して使用することができるが、これらに限定されることはない。
選択的に、本発明の非水電解液は、下記化学式3で表されるハロゲンに置換された環状カーボネートをさらに含むことを特徴とするリチウム二次電池用非水電解液である。
Figure 0005605928
化学式3において、X及びYは、相互独立して水素、塩素、またはフッ素であるが、XとYが同時に水素であることはない。
本発明によるハロゲンに置換された環状カーボネートと前記ビニレン基またはビニル基を含む化合物との混合含量は、前記非水電解液100重量部に対して1ないし10重量部であり得る。
本発明の非水電解液において、前記リチウム塩の陰イオンは、F、Cl、Br、I、NO 、N(CN) 、BF 、ClO 、PF 、(CFPF 、(CFPF 、(CFPF 、(CFPF、(CF、CFSO 、CFCFSO 、(CFSO、(FSO、CFCF(CFCO、(CFSOCH、(SF、(CFSO、CF(CFSO 、CFCO 、CHCO 、SCN、(CFCFSOのうちいずれか1つであり得る。
本発明の非水電解液において、前記有機溶媒は、エーテル、エステル、アミド、線状カーボネート、環状カーボネートなどをそれぞれ単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
本発明の非水電解液は、それ自体を液体電解質または高分子に含浸されたゲルポリマ電解質の形態でリチウム二次電池の電解質として使用することができる。
本発明の非水電解液を液体電解質として使用する場合は、電極組立体を収納している電池容器に注入し、リチウム二次電池を製造することができる。
本発明の非水電解液によれば、電池の膨れ現象を抑制すると同時に充放電サイクル寿命も改善できるリチウム二次電池を提供することができる。特に、高温高電圧条件における膨れ現状の抑制及び充放電サイクル寿命の改善効果に優れる。
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
本発明の実施例6及び比較例4の電池に対して高温高電圧条件で膨れ現象を測定した結果であって、経時的な電池の厚さ変化を示したグラフである。 本発明の実施例2及び比較例5の電池に対して高温高電圧条件で膨れ現象を測定した結果であって、経時的な電池の厚さ変化を示したグラフである。 実施例6及び比較例4の電池に対し、高温条件で充放電サイクル回数毎の初期容量対比容量保持率を示したグラフである。
以下、本発明について図面を参照して詳しく説明する。本明細書及び請求範囲に使用された用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
本発明によるイオン化可能なリチウム塩及び有機溶媒を含むリチウム二次電池用非水電解液は、(a)前記非水電解液全体100重量部に対して1重量部ないし10重量部のビニレン基またはビニル基を含む化合物;及び(b)前記ビニレン基またはビニル基を含む化合物100重量部に対して10重量部ないし300重量部の下記化学式1で表されるエーテル結合を有するジニトリル化合物を含む。
Figure 0005605928
化学式1において、R、R、及びRは、相互独立して炭素数1ないし5であるアルキレンまたはアルケニレンであり、mは1ないし5の整数である。
本発明で使用する前記ビニレン基またはビニル基を含む化合物が、電池の非水電解液に使用されれば、初期充電時、負極表面にSEI膜と呼ばれる不動態膜を形成することで非水溶媒として使用されるカーボネートの還元分解を抑制し、充放電効率を向上させてサイクル特性を改善する。
しかし、カーボネート電解液に本発明によるビニレン基またはビニル基を含む化合物を使用する場合、熱的に非常に弱く、高温で分解され易いという短所があり、このとき発生する分解ガスはパウチ型または缶型電池組立体を変形させて内部短絡を引き起こし、深刻な場合は電池が発火または爆発し得る。
このように、高温保存時のガス発生は負極で膜を形成する添加剤の含量が増加するほど増加する傾向を示す。特に、ビニレンカーボネート(VC)の場合、使用初期に負極にSEI膜を形成した後、電解液に残留するVCが高温保存時に正極上で酸化し、急激なガス発生の原因になる。
ここで、本発明はエーテル結合を有するジニトリル化合物をさらに混合することで上記の問題点を解決した。エーテル結合を有するジニトリル化合物を併用すれば、リチウム‐遷移金属酸化物で構成された正極の表面に錯体を形成することで、電解液と正極との酸化反応を抑制して発熱を抑制し、また高温保存時、上述したビニレン基またはビニル基を含む化合物及び電解液の分解を抑制して電池の膨れ現象を抑制する効果を奏する。
本発明において、「ビニレン基」は‐CH=CH‐と定義され、「ビニル基」はCH=CH‐と定義される。前記ビニレン基またはビニル基を含む化合物としては、ビニレンカーボネート系化合物、ビニル基を含むアクリレート系化合物、ビニル基を含むスルホネート系化合物、ビニル基を含むエチレンカーボネート系化合物などをそれぞれ単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
より具体的な例として、前記ビニレンカーボネート系化合物はビニレンカーボネートであり得、前記ビニル基を含む化合物は下記化学式2で表される化合物であり得る。
Figure 0005605928
化学式2において、RないしRのうち少なくとも1つはビニル基を含み、その他は相互独立して水素、ハロゲン、ハロゲンに置換されたか又は非置換されたC〜Cのアルキル基、C〜C12のアリール基、C〜Cのアルケニル基、またはスルホネート基である。
本発明の非水電解液において、ビニレン基またはビニル基を含む化合物は、非水電解液全体100重量部に対して1重量部ないし10重量部、望ましくは1重量部ないし7重量部、より望ましくは1重量部ないし5重量部含むことができる。上記の含量が1重量部未満であれば、高温環境における膨れ改善の効果が低く、10重量部を超えれば、高温充放電サイクル過程で高温寿命特性が大幅に劣化する。
選択的に、本発明の非水電解液において、ハロゲンに置換された環状カーボネートをさらに含むことができる。ハロゲンに置換された環状カーボネートは、前記ビニレン基またはビニル基を含む化合物と共に使用することで、負極表面に形成されるSEI膜の物性を改善し、電池の膨れ防止効果を一層強化することができる。
本発明によるハロゲンに置換された環状カーボネートは、下記化学式3で表すことができる。
Figure 0005605928
化学式3において、X及びYは、相互独立して水素、塩素、またはフッ素であるが、XとYが同時に水素であることはない。
前記ハロゲンに置換された環状カーボネートと前記ビニレン基またはビニル基を含む化合物との混合含量は、前記非水電解液100重量部に対して1ないし10重量部であることが望ましい。また、ビニレン基またはビニル基を含む化合物とハロゲンに置換された環状カーボネートとの混合比は、電池の具体的な用途に応じて適切に採択でき、例えばハロゲンに置換された環状カーボネート:ビニレン基またはビニル基を含む化合物=1:0.5〜5の重量比を有することができるが、これに限定されることはない。ハロゲンに置換された環状カーボネートに対するビニレン基またはビニル基を含む化合物の重量比が0.5未満であれば、高温充放電性能が悪化し、5を超えれば、負極の界面抵抗が大幅に増加して電池の初期性能が低下する。これはビニレン基またはビニル基を含む化合物が相対的に稠密なSEI膜を形成するためであると考えられるが、本発明はこのような解釈に制限されない。
上述したように、リチウム二次電池の非水電解液に使用される有機溶媒は、充放電過程で正極の表面で酸化して分解されるという問題点がある。特に、正極活物質としてリチウム遷移金属酸化物が使用される場合は、遷移金属が酸化剤の役割をするため電解液の分解を促し、高温ではこのような酸化分解反応がさらに加速化する。
しかし、本発明による前記エーテル結合を有するジニトリル化合物は、リチウム‐遷移金属酸化物で構成された正極の表面に錯体を形成することで、電解液と正極との酸化反応を抑制して発熱を抑制するため、電池の急激な温度上昇による内部短絡を防止することができる。
また、充放電過程において、非水電解液内には多様な化合物が存在するようになるが、そのうちHF、PFなどは非水電解液を酸性雰囲気にする。ところが、上述した非水電解液の正極の表面における酸化反応は酸性雰囲気下で加速化する。
しかし、本発明によれば、前記エーテル結合を有するジニトリル化合物内の酸素(‐O‐)が非水電解液内のHF、PFなどと結合することで酸性雰囲気の造成を抑制し、非水電解液の酸化分解反応も抑制することができる。
さらに、本発明による前記エーテル結合を有するジニトリル化合物は、電池性能の面でも従来の添加剤より改善した効果を奏する。具体的には、容量保持率が良好であり、充放電サイクル寿命の改善など電気化学的特性に優れる電池を提供することができる。
前記化学式1で表されるエーテル結合を有するジニトリル化合物の具体例としては、3,5‐ジオキサ‐ヘプタンジニトリル、1,4‐ビス(シアノエトキシ)ブタン、ビス(2‐シアノエチル)‐モノホルマル、ビス(2‐シアノエチル)‐ジホルマル、ビス(2‐シアノエチル)‐トリホルマル、エチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテル、3,6,9,12,15,18‐ヘキサオキサエイコサンジニトリル、1,3‐ビス(2‐シアノエトキシ)プロパン、1,4‐ビス(2‐シアノエトキシ)ブタン、1,5‐ビス(2‐シアノエトキシ)ペンタン、及びエチレングリコールビス(4‐シアノブチル)エーテルからなる群より選択されるいずれか1種またはこれらのうち2種以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されることはない。
本発明による前記エーテル結合を有するジニトリル化合物は、前記ビニレン基またはビニル基を含む化合物100重量部に対して10重量部ないし300重量部含まれることが望ましい。上記の含量が10重量部未満であれば、膨れ防止の効果が低く、300重量部を超えれば、非水電解液のイオン伝導度が低下して高率充放電特性が低下するという問題点がある。このような面で、本発明によるエーテル結合を有するジニトリル化合物は、ビニレン基またはビニル基を含む化合物100重量部に対し、より望ましくは30重量部ないし300重量部、最も望ましくは50重量部ないし250重量部の含量で非水電解液に含まれ得る。
また、必要に応じて本発明は、本発明の範囲を逸脱しない限度内で、上述したビニレン基またはビニル基を含む化合物及びハロゲンに置換された環状カーボネートの他に、負極表面上に不動態膜を形成できる化合物をさらに含むことができる。このような化合物の非制限的な例としては、プロパンスルトン、エチレンスルファート、プロペンスルトンなどの硫黄含有化合物、N‐アセチルラクタムなどのラクタム系化合物などが挙げられる。
本発明の非水電解液に電解質として含まれるリチウム塩は、リチウム二次電池用電解液に通常使用されるものを制限なく使用することができる。例えば、前記リチウム塩の陰イオンは、F、Cl、Br、I、NO 、N(CN) 、BF 、ClO 、PF 、(CFPF 、(CFPF 、(CFPF 、(CFPF、(CF、CFSO 、CFCFSO 、(CFSO、(FSO、CFCF(CFCO、(CFSOCH、(SF、(CFSO、CF(CFSO 、CFCO 、CHCO 、SCN、及び(CFCFSOからなる群より選択されたいずれか1つであり得る。
本発明の非水電解液に含まれる有機溶媒としては、リチウム二次電池用電解液に通常使用されるものを制限なく使用することができる。例えば、エーテル、エステル、アミド、線状カーボネート、環状カーボネートなどをそれぞれ単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
そのうち代表的には、環状カーボネート、線状カーボネート、またはこれらの混合物であるカーボネート化合物を含むことができる。前記環状カーボネート化合物の具体例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、1,2‐ブチレンカーボネート、2,3‐ブチレンカーボネート、1,2‐ペンチレンカーボネート、2,3‐ペンチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、及びこれらのハロゲン化物からなる群より選択されるいずれか1種またはこれらのうち2種以上の混合物が挙げられる。また、前記線状カーボネート化合物の具体例としては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート、及びエチルプロピルカーボネートからなる群より選択されるいずれか1種またはこれらのうち2種以上の混合物などを代表的に使用できるが、これらに限定されることはない。
特に、前記カーボネート系有機溶媒のうち環状カーボネートであるエチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートは、高粘度の有機溶媒であって誘電率が高く電解質内のリチウム塩をよく解離させるため、望ましい。また、このような環状カーボネートにジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートのような低粘度、低誘電率線状カーボネートを適切な比率で混合して使用すれば、高い電気伝導率を有する電解液を製造できるため、より望ましい。
また、前記有機溶媒のうちエーテルとしては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、及びエチルプロピルエーテルからなる群より選択されるいずれか1種またはこれらのうち2種以上の混合物を使用できるが、これらに限定されることはない。
また、前記有機溶媒のうちエステルとしては、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、γ‐ブチロラクトン、γ‐バレロラクトン、γ‐カプロラクトン、σ‐バレロラクトン、及びε‐カプロラクトンからなる群より選択されるいずれか1種またはこれらのうち2種以上の混合物を使用できるが、これらに限定されることはない。
上述した本発明のリチウム二次電池用非水電解液は、正極、負極、及び正極と負極との間に介在するセパレータからなる電極組立体を電池容器に収納した後、電池容器内に注入してリチウム二次電池を製造する。電極組立体をなす正極、負極、及びセパレータは、リチウム二次電池の製造に通常使用されるものをすべて使用することができる。
具体的に、正極活物質としては、リチウム含有遷移金属酸化物を望ましく使用でき、例えば、LiCoO(0.5<x<1.3)、LiNiO(0.5<x<1.3)、LiMnO(0.5<x<1.3)、LiMn(0.5<x<1.3)、Li(NiCoMn)O(0.5<x<1.3、0<a<1、0<b<1、0<c<1、a+b+c=1)、LiNi1−yCo(0.5<x<1.3、0<y<1)、LiCo1−yMn(0.5<x<1.3、0≦y<1)、LiNi1−yMn(0.5<x<1.3、O≦y<1)、Li(NiCoMn)O(0.5<x<1.3、0<a<2、0<b<2、0<c<2、a+b+c=2)、LiMn2−zNi(0.5<x<1.3、0<z<2)、LiMn2−zCo(0.5<x<1.3、0<z<2)、LiCoPO(0.5<x<1.3)、及びLiFePO(0.5<x<1.3)からなる群より選択されるいずれか1種またはこれらのうち2種以上の混合物を使用でき、前記リチウム含有遷移金属酸化物をアルミニウム(Al)などの金属や金属酸化物でコーティングすることもできる。また、前記リチウム含有遷移金属酸化物の外に硫化物、セレン化物、及びハロゲン化物なども使用することができる。
負極活物質としては、通常リチウムイオンを吸蔵及び放出できる炭素材、リチウム金属、ケイ素またはスズなどを使用でき、リチウムに対する電位が2V未満のTiO、SnOのような金属酸化物も使用することができる。炭素材を使用することが望ましく、炭素材としては低結晶性炭素及び高結晶性炭素などを全て使用することができる。低結晶性炭素としては軟質炭素及び硬質炭素が代表的であり、高結晶性炭素としては天然黒鉛、人造黒鉛、キッシュ黒鉛、熱分解炭素、メソフェーズピッチ系炭素繊維(mesophase pitch based carbon fiber)、メソカーボンマイクロビーズ(meso−carbon microbeads)、メソフェーズピッチ(Mesophase pitches)、及び石油または石炭系コークスなどの高温焼結炭素が代表的である。
正極及び/または負極はバインダーを含むことができ、バインダーとしてはフッ化ビニリデン‐ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF‐co‐HFP)、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidenefluoride)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)などの有機系バインダー、または、スチレン‐ブタジエンラバー(SBR)などの水系バインダーをカルボキシメチルセルロース(CMC)のような増粘剤とともに使用することができる。望ましくは、接着力に優れて相対的に少量を使用するだけでも優れた接着力を発揮できる水系バインダーを使用することができる。
また、セパレータとしては、従来セパレータとして使用した通常の多孔性高分子フィルム、例えばエチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、及びエチレン/メタクリレート共重合体などのようなポリオレフィン系高分子で製造した多孔性高分子フィルムを単独でまたはこれらを積層して使用でき、または、通常の多孔性不織布、例えば高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などからなる不織布を使用することができるが、これらに限定されることはない。
本発明のリチウム二次電池の外形は特に制限されないが、缶を使用した円筒型、角型、パウチ型、またはコイン型などであり得る。
以下、本発明を具体的な実施例を挙げて説明する。しかし、本発明による実施例は多くの他の形態に変形され得、本発明の範囲が後述する実施例に限定されると解釈されてはならない。本発明の実施例は当業界で平均的な知識を持つ者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
実施例1
<非水電解液の製造>
Ar雰囲気下でエチレンカーボネート:プロピレンカーボネート:ジエチルカーボネート=3:2:5(重量比)の組成を有する1M LiPF溶液を電解液として使用し、前記電解液100重量部に対してビニレンカーボネート(VC)1重量部、フルオロエチレンカーボネート(FEC)3重量部、エチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテル(EGPN)1重量部を添加した。
<電池の製造>
正極活物質としてLiCoO、バインダーとしてポリビニリデンフルオライド(PVdF)、導電材としてカーボンを93:4:4の重量比で混合した後、N‐メチル‐2‐ピロリドンに分散させて正極スラリーを製造した。該スラリーを厚さ15umのアルミニウムホイルにコーティングした後、乾燥及びプレスして正極を製造した。
また、負極活物質として天然黒鉛、バインダーとしてスチレン‐ブタジエンゴム、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを96:2:2の重量比で混合した後、水に分散させて負極スラリーを製造した。該スラリーを厚さ10umの銅ホイルにコーティングした後、乾燥及びプレスして負極を製造した。
上記のように製造した正極、負極、及び多孔性セパレータを使用して通常の方法でパウチ電池を作製した後、前記電解液を注入して電池を製造した。
実施例2
<非水電解液の製造>
Ar雰囲気下でエチレンカーボネート:エチルプロピオネート:ジエチルカーボネート=4:1:5(重量比)の組成を有する1M LiPF溶液を電解液として使用し、前記電解液100重量部に対してビニレンカーボネート2重量部、フルオロエチレンカーボネート(FEC)2重量部、エチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテル3重量部を添加した。
<電池の製造>
上記のように製造した電解液を使用して角形電池を製造したことを除き、実施例1と同様の方法で電池を製造した。
実施例3
エチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテルを2重量部添加したことを除き、実施例1と同様の方法で非水電解液及び電池を製造した。
実施例4
エチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテルを3重量部添加したことを除き、実施例1と同様の方法で非水電解液及び電池を製造した。
実施例5
電解液100重量部に対してビニレンカーボネートを2重量部、フルオロエチレンカーボネート(FEC)を3重量部、エチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテルを3重量部添加したことを除き、実施例1と同様の方法で非水電解液及び電池を製造した。
実施例6
エチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテルを5重量部添加したことを除き、実施例5と同様の方法で非水電解液及び電池を製造した。
実施例7
エチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテルを6重量部添加したことを除き、実施例5と同様の方法で非水電解液及び電池を製造した。
実施例8
電解液100重量部に対してビニレンカーボネートを3重量部、フルオロエチレンカーボネート(FEC)を3重量部、エチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテルを3重量部添加したことを除き、実施例1と同様の方法で非水電解液及び電池を製造した。
実施例9
エチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテルを6重量部添加したことを除き、実施例8と同様の方法で非水電解液及び電池を製造した。
実施例10
エチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテルを9重量部添加したことを除き、実施例9と同様の方法で非水電解液及び電池を製造した。
比較例1
エチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテルを添加しないことを除き、実施例1と同様の方法で電解液及び電池を製造した。
比較例2
エチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテルを添加しないことを除き、実施例5と同様の方法で電解液及び電池を製造した。
比較例3
エチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテルを添加しないことを除き、実施例8と同様の方法で電解液及び電池を製造した。
比較例4
エチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテル5重量部の代りにコハク酸ニトリル(succino nitrile、SN)5重量部を添加したことを除き、実施例6と同様の方法で電解液及び電池を製造した。
比較例5
エチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテル3重量部の代りにコハク酸ニトリル(SN)3重量部を添加したことを除き、実施例2と同様の方法で電解液及び電池を製造した。
1.高温高電圧条件における膨れの測定
実施例1ないし10及び比較例1ないし5で製造された電池の高温高電圧条件における膨れの評価を以下のように行った。
それぞれの電池を4.20〜4.40Vに充電した後、常温から1℃/minの昇温速度で90℃まで加熱し、90℃で4時間保管した後、1時間に亘って常温に減温させる試験を行った。
初期厚さに対する厚さの最大変化(ΔT)として示した膨れ測定の結果を下記表1に示した。
Figure 0005605928
表1に示したように、VC含量が増加するほど高温における電池の膨れ現象が増加する傾向を確認できる。しかし、エチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテルが添加される実施例の場合、膨れ現象が大幅に減少することが確認できる。
また、エチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテルの代りにコハク酸ニトリルを使用した比較例4、比較例5、及びそれぞれに対応する実施例6、実施例2に対しては、図1及び図2に経時的な厚さの変化をグラフで示した。
表1、図1及び図2を参照すれば、本発明によるエチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテルがコハク酸ニトリルより膨れ抑制の効果が一層優れることが分かる。
2.高温条件における充放電サイクル寿命の測定
実施例6及び比較例4で製造された電池を45℃で3.0V〜4.2Vの電圧領域を基準に充放電サイクル試験を行い、その結果を初期容量に対する容量保持率として図3に示した。
図3から分かるように、本発明によるエチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテルがコハク酸ニトリルより高温における充放電サイクル寿命の改善効果に優れることが確認できる。

Claims (14)

  1. イオン化可能なリチウム塩及び有機溶媒を含むリチウム二次電池用非水電解液であって、
    前記非水電解液が、
    (a)前記非水電解液全体100重量部に対して1重量部ないし10重量部のビニレン基またはビニル基を含む化合物と、
    (b)前記ビニレン基またはビニル基を含む化合物100重量部に対して10重量部ないし300重量部の下記化学式1で表されるエーテル結合を有するジニトリル化合物と、を含んでなることを特徴とする、リチウム二次電池用非水電解液。
    Figure 0005605928
    〔化学式1において、
    、R、及びRは、相互独立して炭素数1ないし5であるアルキレンまたはアルケニレンであり、
    mは1ないし5の整数である。〕
  2. 前記ビニレン基またはビニル基を含む化合物が、ビニレンカーボネート系化合物、ビニル基を含むアクリレート系化合物、ビニル基を含むスルホネート系化合物、及びビニル基を含むエチレンカーボネート系化合物からなる群より選択されるいずれか一種またはこれらの2種以上の混合物であることを特徴とする、請求項1に記載のリチウム二次電池用非水電解液。
  3. 前記ビニル基を含む化合物が、下記化学式2で表されることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用非水電解液。
    Figure 0005605928
    〔化学式2において、
    ないしRのうち少なくとも1つはビニル基を含み、その他は相互独立して水素、ハロゲン、ハロゲンに置換されたか又は非置換されたC〜Cのアルキル基、C〜C12のアリール基、C〜Cのアルケニル基、またはスルホネート基である。〕
  4. 前記エーテル結合を有するジニトリル化合物が、3,5‐ジオキサ‐ヘプタンジニトリル、1,4‐ビス(シアノエトキシ)ブタン、ビス(2‐シアノエチル)‐モノホルマル、ビス(2‐シアノエチル)‐ジホルマル、ビス(2‐シアノエチル)‐トリホルマル、エチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(2‐シアノエチル)エーテル、3,6,9,12,15,18‐ヘキサオキサエイコサンジニトリル、1,3‐ビス(2‐シアノエトキシ)プロパン、1,4‐ビス(2‐シアノエトキシ)ブタン、1,5‐ビス(2‐シアノエトキシ)ペンタン、及びエチレングリコールビス(4‐シアノブチル)エーテルからなる群より選択されるいずれか1種またはこれらのうち2種以上の混合物であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のリチウム二次電池用非水電解液。
  5. 前記非水電解液が、下記化学式3で表されるハロゲンに置換された環状カーボネートをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載のリチウム二次電池用非水電解液。
    Figure 0005605928
    〔化学式3において、
    X及びYは、相互独立して水素、塩素、またはフッ素であるが、XとYが同時に水素であることはない。〕
  6. 前記ハロゲンに置換された環状カーボネートと前記ビニレン基またはビニル基を含む化合物との混合含量が、前記非水電解液100重量部に対して1ないし10重量部であることを特徴とする、請求項5に記載のリチウム二次電池用非水電解液。
  7. 前記リチウム塩の陰イオンが、F、Cl、Br、I、NO 、N(CN) 、BF 、ClO 、PF 、(CFPF 、(CFPF 、(CFPF 、(CFPF、(CF、CFSO 、CFCFSO 、(CFSO、(FSO、CFCF(CFCO、(CFSOCH、(SF、(CFSO、CF(CFSO 、CFCO 、CHCO 、SCN、及び(CFCFSOからなる群より選択されたいずれか1つであることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載のリチウム二次電池用非水電解液。
  8. 前記有機溶媒が、エーテル、エステル、アミド、線状カーボネート、及び環状カーボネートからなる群より選択されたいずれか1種またはこれらのうち2種以上の混合物を含むことを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載のリチウム二次電池用非水電解液。
  9. 前記環状カーボネートが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2‐ブチレンカーボネート、2,3‐ブチレンカーボネート、1,2‐ペンチレンカーボネート、2,3‐ペンチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、及びこれらのハロゲン化物からなる群より選択されるいずれか1種またはこれらのうち2種以上の混合物を含むことを特徴とする、請求項8に記載のリチウム二次電池用非水電解液。
  10. 前記線状カーボネートが、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、及びエチルプロピルカーボネートからなる群より選択されるいずれか1種またはこれらのうち2種以上の混合物を含むことを特徴とする、請求項8又は9に記載のリチウム二次電池用非水電解液。
  11. 前記エーテルが、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、及びエチルプロピルエーテルからなる群より選択されるいずれか1種またはこれらのうち2種以上の混合物を含むことを特徴とする、請求項8〜10の何れか一項に記載のリチウム二次電池用非水電解液。
  12. 前記エステルが、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、γ‐ブチロラクトン、γ‐バレロラクトン、γ‐カプロラクトン、σ‐バレロラクトン、及びε‐カプロラクトンからなる群より選択されるいずれか1種またはこれらのうち2種以上の混合物を含むことを特徴とする、請求項8〜11の何れか一項に記載のリチウム二次電池用非水電解液。
  13. リチウム二次電池であって、
    正極と、負極と、及び前記正極と前記負極との間に介在するセパレータと備えた電極組立体と、
    前記電極組立体を収納している電池容器と、及び
    前記電池容器内に注入された非水電解液とを備えてなり、
    前記非水電解液が、請求項1〜12の何れか一項に記載のリチウム二次電池用非水電解液であることを特徴とする、リチウム二次電池。
  14. 前記負極が、水系バインダーを含むことを特徴とする請求項13に記載のリチウム二次電池。
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