以下、本発明の配線体接続素子の実施形態について説明する。
<第一実施形態>
[構成]
まず、本実施形態の配線体接続素子の構成について説明する。図1に、本実施形態の配線体接続素子の正面図を示す。図2に、同配線体接続素子の第一接続領域の分解斜視図を示す。図3に、図1のIII−III断面図を示す。図4に、図1のIV−IV断面図を示す。なお、図1においては、表裏方向(厚さ方向)に積層される部材を透過して示す。また、検出部A0101〜A0606に、ハッチングを施す。検出部の符号「A○○△△」中、上二桁の「○○」は、裏側電極01X〜06Xに対応している。下二桁の「△△」は、表側電極01Y〜06Yに対応している。
図1〜図4に示すように、配線体接続素子1は、柔軟素子10と、フレキシブルフラットケーブル(FFC)20a、20bと、導電接着層30と、を備えている。配線体接続素子1は、柔軟素子10とFFC20aとが接続される第一接続領域1aと、柔軟素子10とFFC20bとが接続される第二接続領域1bと、を有する。第一接続領域1aは、柔軟素子10の左端中央付近に配置されている。第二接続領域1bは、柔軟素子10の後端中央付近に配置されている。
柔軟素子10は、裏側配線体11と、表側配線体12と、誘電膜13と、を備えている。裏側配線体11および表側配線体12は、本発明における一対の柔軟配線体に含まれる。裏側配線体11は、裏側基材14と、裏側電極01X〜06Xと、裏側配線01x〜06xと、を有している。裏側基材14は、シリコーンゴム製であって、シート状を呈している。裏側基材14の厚さは約0.5mmであり、ヤング率は4MPaである。裏側基材14は、本発明における柔軟基材に含まれる。
裏側電極01X〜06Xは、裏側基材14の表面(上面)に、合計6本配置されている。裏側電極01X〜06Xは、各々、アクリルゴムと導電性カーボンブラックとを含む電極塗料を、裏側基材14の表面にスクリーン印刷することにより形成されている。裏側電極01X〜06Xは、各々、帯状を呈している。裏側電極01X〜06Xは、各々、左右方向に延在している。裏側電極01X〜06Xは、前後方向に、所定間隔ごとに離間して、互いに略平行になるように、配置されている。
裏側配線01x〜06xは、裏側基材14の表面に、合計6本配置されている。裏側配線01x〜06xは、各々、アクリルゴムと銀粉とを含む配線塗料を、裏側基材14の表面にスクリーン印刷することにより形成されている。裏側配線01x〜06xの厚さは、いずれも約20μmであり、ヤング率は、いずれも10MPaである。裏側配線01x〜06xの引張強さは、いずれも0.3MPaである。裏側配線01x〜06xは、各々、線状を呈している。裏側配線01x〜06xは、各々、裏側電極01X〜06Xの左端と、FFC20aと、を接続している。裏側配線01x〜06xは、本発明における柔軟配線に含まれる。
図2、図3に示すように、第一接続領域1aにおいて、裏側配線体11は、裏側接続部16を有する。裏側接続部16における裏側基材14の表面には、裏側配線01x〜06xが露出している。また、図4に示すように、第二接続領域1bにおいて、裏側配線体11は、裏側カバー部17を有する。裏側カバー部17は、後方に突出した裏側基材14からなる。裏側カバー部17は、後述する表側配線体12の表側接続部18と対向するように配置されている。
表側配線体12は、表側基材15と、表側電極01Y〜06Yと、表側配線01y〜06yと、を有している。表側配線体12の構成は、裏側配線体11の構成と同じである。すなわち、表側基材15は、シリコーンゴム製であって、シート状を呈している。表側基材15は、本発明における柔軟基材に含まれる。
表側電極01Y〜06Yは、表側基材15の裏面(下面)に、合計6本配置されている。表側電極01Y〜06Yは、各々、アクリルゴムと導電性カーボンブラックとを含む電極塗料を、表側基材15の裏面にスクリーン印刷することにより形成されている。表側電極01Y〜06Yは、各々、帯状を呈している。表側電極01Y〜06Yは、各々、前後方向に延在している。表側電極01Y〜06Yは、左右方向に、所定間隔ごとに離間して、互いに略平行になるように、配置されている。
表側配線01y〜06yは、表側基材15の裏面に、合計6本配置されている。表側配線01y〜06yは、各々、アクリルゴムと銀粉とを含む配線塗料を、表側基材15の裏面にスクリーン印刷することにより形成されている。表側配線01y〜06yは、各々、線状を呈している。表側配線01y〜06yは、各々、表側電極01Y〜06Yの後端と、FFC20bと、を接続している。表側配線01y〜06yは、本発明における柔軟配線に含まれる。
図4に示すように、第二接続領域1bにおいて、表側配線体12は、表側接続部18を有する。表側接続部18における表側基材15の裏面には、表側配線01y〜06yが露出している。また、図2、図3に示すように、第一接続領域1aにおいて、表側配線体12は、表側カバー部19を有する。表側カバー部19は、左方に突出した表側基材15からなる。表側カバー部19は、前述した裏側配線体11の裏側接続部16と対向するように配置されている。
誘電膜13は、ウレタンゴム製であって、略正方形のシート状を呈している。誘電膜13は、裏側配線体11と表側配線体12との間に、介装されている。誘電膜13は、対向する裏側電極01X〜06Xおよび表側電極01Y〜06Yが形成されている領域に、配置されている。誘電膜13の表面は、表側電極01Y〜06Yと接触している。誘電膜13の裏面は、裏側電極01X〜06Xと接触している。誘電膜13の四辺に沿って、裏側配線体11および表側配線体12の周縁部は、接着されている。
検出部A0101〜A0606は、図1にハッチングで示すように、表側電極01Y〜06Yと、裏側電極01X〜06Xとが、表裏方向から見て交差する部分(重複する部分)に、配置されている。検出部A0101〜A0606は、各々、表側電極01Y〜06Yの一部と、裏側電極01X〜06Xの一部と、誘電膜13の一部と、を有している。検出部A0101〜A0606は、誘電膜13の略全面に亘って、略等間隔に配置されている。検出部A0101〜A0606には、走査的に順番に電圧が印加される。そして、検出部A0101〜A0606ごとに、静電容量が検出される。
FFC20aは、第一接続領域1aにおいて、柔軟素子10に接続されている。FFC20bは、第二接続領域1bにおいて、柔軟素子10に接続されている。二つのFFC20a、20bの構成は、同じである。よって、FFC20a、20bを代表して、FFC20aの構成について説明する。
FFC20aは、絶縁基材21と配線22とを有している。絶縁基材21は、左右方向に延びる帯状を呈している。絶縁基材21は、配線22を挟んで表裏方向に積層された、二枚のポリエステル製フィルムからなる。ポリエステル製フィルムの厚さは、各々、約0.1mmである。ポリエステル製フィルムのヤング率は、各々、4GPaである。
配線22は、絶縁基材21の内部に、合計6本埋設されている。配線22は、錫めっきされた銅箔である。配線22の厚さは約0.1mmであり、ヤング率は約100GPaである。配線22は、各々、線状を呈している。配線22は、各々、左右方向に延在している。6本の配線22は、前後方向に、所定間隔ごとに離間して、互いに略平行になるように配置されている。
図2、図3に示すように、FFC20aの右端部23は、裏側配線体11と表側配線体12との間に、介装されている。FFC20aの右端部23の裏側においては、絶縁基材21の裏面(下面)に配線22が露出するように、絶縁基材21が剥がされている。つまり、右端部23の裏面には、配線22が露出している。また、FFC20aの左端部は、コネクタ(図略)に接続されている。コネクタは、電気回路基板(図略)に設置されている。
また、図4に示すように、FFC20bの前端部24は、裏側配線体11と表側配線体12との間に、介装されている。FFC20bの前端部24の表側においては、絶縁基材21の表面(上面)に配線22が露出するように、絶縁基材21が剥がされている。つまり、前端部24の表面には、配線22が露出している。また、FFC20bの後端部は、コネクタ(図略)に接続されている。コネクタは、電気回路基板(図略)に設置されている。
導電接着層30は、エポキシ樹脂中にニッケル粒子が分散された異方導電接着剤からなる。導電接着層30は、シート状を呈している。導電接着層30の厚さは約5μmであり、ヤング率は4GPaである。
図2、図3に示すように、導電接着層30は、裏側配線体11の裏側接続部16と、FFC20aの右端部23と、の間に介装されている。これにより、裏側接続部16の表面と右端部23の裏面とは、導電接着層30を介して接着されている。裏側接続部16の表面の裏側配線01x〜06xの幅および間隔は、右端部23の裏面の配線22の幅および間隔と同じである。つまり、裏側配線01x〜06xと配線22とは、各々、導電接着層30を介して導通している。一方、FFC20aの右端部23の表面は、表側配線体12の表側カバー部19と、絶縁状態で接着されている。
また、図4に示すように、導電接着層30は、表側配線体12の表側接続部18と、FFC20bの前端部24と、の間に介装されている。これにより、表側接続部18の裏面と前端部24の表面とは、導電接着層30を介して接着されている。表側接続部18の裏面の表側配線01y〜06yの幅および間隔は、前端部24の表面の配線22の幅および間隔と同じである。つまり、表側配線01y〜06yと配線22とは、各々、導電接着層30を介して導通している。一方、FFC20bの前端部24の裏面は、裏側配線体11の裏側カバー部17と、絶縁状態で接着されている。
配線体接続素子1の第一接続領域1aには、裏側配線体11の裏側接続部16、導電接着層30、FFC20aの右端部23、および表側配線体12の表側カバー部19が、表裏方向に積層された積層部31が、区画されている。積層部31に連なる区間32において、表側カバー部19から連続する表側基材15と、裏側配線体11と、は接着されている。
同様に、第二接続領域1bには、表側配線体12の表側接続部18、導電接着層30、FFC20bの前端部24、および裏側配線体11の裏側カバー部17が、表裏方向に積層された積層部31が、区画されている。積層部31に連なる区間32において、裏側カバー部17から連続する裏側基材14と、表側配線体12と、は接着されている。
[製造方法]
次に、配線体接続素子1の製造方法について説明する。配線体接続素子1の製造方法は、配線体配置工程と、圧着工程と、柔軟基材接着工程と、を有する。FFC20aと柔軟素子10との接続方法と、FFC20bと柔軟素子10との接続方法と、は同じである。よって、ここでは、FFC20aを柔軟素子10に接続する方法を説明する。
配線体配置工程においては、裏側配線体11の裏側接続部16、異方導電接着剤、およびFFC20aの右端部23を、積層配置する。具体的には、まず、裏側接続部16の表面に、硬化前のペースト状の異方導電接着剤を塗布する。次に、異方導電接着剤に重ねて、FFC20aの右端部23を配置する。この際、裏側接続部16の表面に露出した裏側配線01x〜06xと、右端部23の裏面に露出した配線22と、が各々対向するように、裏側接続部16と右端部23とを配置する。
圧着工程においては、異方導電接着剤を硬化させることにより、対向する裏側配線01x〜06x、配線22同士を、表裏方向に導通可能に接着する。具体的には、裏側接続部16と異方導電接着剤と右端部23とが積層された部分(図3の積層部31に相当)を、FFC20a側から加熱すると共に、表裏方向に加圧する。これにより、異方導電接着剤が硬化して、導電接着層30が形成される。その結果、裏側接続部16と右端部23とが接着される。
柔軟基材接着工程においては、表側配線体12の表側カバー部19を含む表側基材15を、右端部23の表面、および区間32を含む積層部31の周囲における裏側配線体11の表面に、接着剤により接着する。このようにして、FFC20aが柔軟素子10に接続される。同様に、FFC20bを柔軟素子10に接続することにより、配線体接続素子1が製造される。
[作用効果]
次に、配線体接続素子1の作用効果について説明する。配線体接続素子1によると、FFC20aの右端部23は裏側配線体11に、左端部は電気回路基板に設置されているコネクタに、各々接続されている。同様に、FFC20bの前端部24は表側配線体12に、後端部は電気回路基板に設置されているコネクタに、各々接続されている。このように、配線体接続素子1によると、伸縮可能な柔軟素子10を、既存のFFC20a、20bを介して、低コストかつ高信頼性で、電気回路基板に接続することができる。
また、FFC20aの右端部23は、裏側配線体11の裏側接続部16と、表側配線体12の表側カバー部19と、の間に介装されている。同様に、FFC20bの前端部24は、表側配線体12の表側接続部18と、裏側配線体11の裏側カバー部17と、の間に介装されている。これにより、FFC20aの右端部23およびFFC20bの前端部24に作用する応力を、分散させることができる。また、裏側接続部16、導電接着層30、FFC20aの右端部23、および表側カバー部19が、表裏方向に積層された積層部31、および積層部31に連なる区間32には、表側基材15が配置されている。同様に、表側接続部18、導電接着層30、FFC20bの前端部24、および裏側カバー部17が、表裏方向に積層された積層部31、および積層部31に連なる区間32には、裏側基材14が配置されている。これにより、両区間31、32における剛性の差が小さくなる。すなわち、FFC20aの右端部23の先端230から裏側配線体11方向における、剛性の変化が緩和される。したがって、FFC20aの右端部23の先端230に、応力が集中しにくくなる。その結果、FFC20aの先端230との境界付近における、裏側配線01x〜06xの断線が抑制される。同様に、FFC20bの前端部24の先端240から表側配線体12方向における、剛性の変化が緩和される。したがって、FFC20bの前端部24の先端240に、応力が集中しにくくなる。その結果、FFC20bの先端240との境界付近における、表側配線01y〜06yの断線が抑制される。
このように、配線体接続素子1によると、柔軟素子10が伸縮を繰り返しても、裏側配線01x〜06xおよび表側配線01y〜06yは切断されにくい。よって、配線体接続素子1は、耐久性に優れる。また、配線体接続素子1によると、裏側カバー部17は、裏側基材14の一部である。同様に、表側カバー部19は、表側基材15の一部である。このため、別途カバー部材を配置する必要はない。
また、第一接続領域1aの区間32において、表側カバー部19から連続する表側基材15と、裏側配線体11と、は接着されている。したがって、裏側配線体11および表側配線体12が伸長しても、積層部31と区間32との境界付近において、FFC20aの右端部23は剥がれにくい。また、同じ力で伸長された場合、表側基材15と裏側配線体11とが接着されていない態様と比較して、FFC20aの右端部23の先端230付近の変位は小さい。よって、FFC20aの先端230に加わる応力は、小さくなる。同様に、第二接続領域1bの区間32において、裏側カバー部17から連続する裏側基材14と、表側配線体12と、は接着されている。したがって、裏側配線体11および表側配線体12が伸長しても、積層部31と区間32との境界付近において、FFC20bの前端部24は剥がれにくい。また、同じ力で伸長された場合、表側配線体12と裏側基材14とが接着されていない態様と比較して、FFC20bの前端部24の先端240付近の変位は小さい。よって、FFC20bの先端240に加わる応力は、小さくなる。
裏側配線体11とFFC20aとは、導電接着層30により接着されている。同様に、表側配線体12とFFC20bとは、導電接着層30により接着されている。このため、噛み込みによる機械的な接続と比較して、接触不良を生じにくい。また、導電接着層30は、導電性と接着性との両方を備えている。よって、他の部材で接続する場合と比較して、配線体接続素子1を小型化、薄型化しやすい。
また、導電接着層30は、異方導電接着剤からなる。これにより、対向する裏側配線01x〜06xと配線22、表側配線01y〜06yと配線22同士を、接着することができると共に、表裏方向に導通させることができる。一方、導電接着層30の面方向における導電性は低い。このため、第一接続領域1aにおいて、前後方向に隣接する裏側配線01x〜06x同士、配線22同士が導通するおそれはない。同様に、第二接続領域1bにおいて、左右方向に隣接する表側配線01y〜06y同士、配線22同士が導通するおそれはない。このように、導電接着層30によると、対向する複数の配線同士を、まとめて接着および導通させることができる。
また、異方導電接着剤として、エポキシ樹脂を主剤とする熱硬化型接着剤を使用している。異方導電接着剤の硬化は、150℃程度の低温で、かつ10〜15秒程度の短時間で完了する。このため、裏側配線体11および表側配線体12を構成するシリコーンゴム、アクリルゴムは熱膨張しにくい。よって、硬化時の加熱により、予め形成されていた裏側配線01x〜06x、表側配線01y〜06yの幅や位置が変化するおそれは小さい。また、配線体接続素子1を製造する圧着工程において、熱膨張しにくいFFC20a、20b側から加熱する。これにより、裏側配線体11、表側配線体12を構成するエラストマーの熱膨張を、抑制することができる。その結果、裏側配線01x〜06x、表側配線01y〜06yの位置ずれ等が抑制され、対向する配線同士を、確実に導通させることができる。
<第二実施形態>
本実施形態の配線体接続素子と、第一実施形態の配線体接続素子と、の相違点は、積層部31に連なる区間32において、表裏方向に積層する部材(具体的には、第一接続領域1aにおける裏側配線体11と表側基材15、第二接続領域1bにおける表側配線体12と裏側基材14)が、接着されていない点である。第一接続領域1aの構成と、第二接続領域1bの構成と、は同じである。したがって、両者を代表して、第一接続領域1aにおける相違点について説明する。
まず、本実施形態の配線体接続素子の第一接続領域1aの構成について説明する。図5に、本実施形態の配線体接続素子の部分断面図(図1のIII−III断面図に相当)を示す。図5において、図3と対応する部位については、同じ符号で示す。
図5に示すように、第一接続領域1aにおいて、FFC20aの右端部23は、裏側配線体11と表側配線体12との間に、介装されている。導電接着層30は、裏側配線体11の裏側接続部16と、FFC20aの右端部23と、の間に介装されている。これにより、裏側接続部16の表面と右端部23の裏面とは、導電接着層30を介して接着されている。また、FFC20aの右端部23の表面は、表側配線体12の表側カバー部19と、絶縁状態で接着されている。
第一接続領域1aにおいて、裏側配線体11の裏側接続部16、導電接着層30、FFC20aの右端部23、および表側配線体12の表側カバー部19が、表裏方向に積層された積層部31が、区画されている。積層部31に連なる区間32において、表側カバー部19から連続する表側基材15と、裏側配線体11と、は接着されていない。
次に、本実施形態の配線体接続素子の製造方法について説明する。本実施形態の配線体接続素子の製造方法は、配線体配置工程と、圧着工程と、カバー部接着工程と、を有する。先の二つの工程は、上記第一実施形態と同じである。続くカバー部接着工程において、表側配線体12の表側カバー部19を含む表側基材15を、右端部23の表面、および積層部31の前後方向に配置される裏側基材14の表面に、接着剤により接着する。このようにして、FFC20aが柔軟素子10に接続される。
本実施形態の配線体接続素子は、第一実施形態の配線体接続素子と共通する部分については、第一実施形態と同様の作用効果を奏する。また、本実施形態によると、第一接続領域1aの区間32において、表側カバー部19から連続する表側基材15と、裏側配線体11と、を接着しない。また、第二接続領域1bの区間32において、裏側カバー部17から連続する裏側基材14と、表側配線体12と、を接着しない。したがって、第一実施形態と比較して、より簡単に製造することができる。
<第三実施形態>
本実施形態の配線体接続素子と、第一実施形態の配線体接続素子と、の相違点は、裏側配線体11の表面の一部、および表側配線体12の裏面の一部に、カバーフィルムが配置されている点である。具体的には、裏側配線体11の表面に露出している裏側配線01x〜06xを覆うように、カバーフィルムが配置されている。同様に、表側配線体12の裏面に露出している表側配線01y〜06yを覆うように、カバーフィルムが配置されている。カバーフィルムは、第一接続領域1aにおいて、FFC20aの右端部23の先端と、裏側配線体11の裏側接続部16と、の間に介装される。また、第二接続領域1bにおいて、FFC20bの前端部24の先端と、表側配線体12の表側接続部18と、の間に介装される。第一接続領域1aの構成と、第二接続領域1bの構成と、は同じである。このため、両者を代表して、第一接続領域1aにおける相違点について説明する。
まず、本実施形態の配線体接続素子の第一接続領域1aの構成について説明する。図6に、本実施形態の配線体接続素子の部分断面図(図1のIII−III断面図に相当)を示す。図6において、図3と対応する部位については、同じ符号で示す。
図6に示すように、第一接続領域1aにおいて、FFC20aの右端部23は、裏側配線体11と表側配線体12との間に、介装されている。裏側配線体11は、裏側基材14と、裏側配線01x〜06xと、カバーフィルム40と、を有している。カバーフィルム40は、シリコーンゴム製であって、シート状を呈している。カバーフィルム40は、裏側配線体11の表面に露出している裏側配線01x〜06xを覆うように、カバーフィルム塗料をスクリーン印刷して形成されている。カバーフィルム40の厚さは、約20μmである。カバーフィルム40のヤング率は4MPaであり、引張強さは2.5MPaである。カバーフィルム40は、本発明における介装部材に含まれる。
裏側配線体11の裏側接続部16の表面には、第一露出領域16aと第一被覆領域16bとが配置されている。第一露出領域16aは、裏側接続部16の表面左方に配置されている。第一露出領域16aは、カバーフィルム40に覆われていない。つまり、第一露出領域16aでは、裏側配線01x〜06xが露出している。また、第一被覆領域16bは、第一露出領域16aの右方に連続して配置されている。第一被覆領域16bは、カバーフィルム40に覆われている。つまり、第一被覆領域16bでは、裏側基材14の表面および裏側配線01x〜06xが、カバーフィルム40に覆われている。
同様に、FFC20aの右端部23の裏面には、第二露出領域23aと第二被覆領域23bとが配置されている。第二被覆領域23bは、右端部23の裏面右方に配置されている。第二被覆領域23bは、カバーフィルム40を介して第一被覆領域16bと対向して配置されている。第二被覆領域23bには、右端部23の先端230が含まれる。また、第二露出領域23aは、第二被覆領域23bの左方に連続して配置されている。第二露出領域23aは、第一露出領域16aと対向して配置されている。
導電接着層30は、裏側接続部16と右端部23との間に介装されている。すなわち、第一露出領域16aと第二露出領域23aとは、導電接着層30を介して接着されている。また、第一被覆領域16bと第二被覆領域23bとは、カバーフィルム40および導電接着層30を介して接着されている。第一露出領域16aの裏側配線01x〜06xと、第二露出領域23aの配線22とは、導電接着層30を介して導通している。
次に、本実施形態の配線体接続素子の製造方法について説明する。配線体接続素子の製造方法は、第一実施形態と同様に、配線体配置工程と、圧着工程と、柔軟基材接着工程と、を有する。
配線体配置工程においては、裏側配線体11の裏側接続部16、異方導電接着剤、およびFFC20aの右端部23を、積層配置する。具体的には、まず、裏側接続部16の表面に、硬化前のペースト状の異方導電接着剤を塗布する。次に、異方導電接着剤に重ねて、FFC20aの右端部23を配置する。この際、第一露出領域16aの裏側配線01x〜06xと、第二露出領域23aの配線22と、が各々対向するように、裏側接続部16と右端部23とを配置する。
圧着工程においては、異方導電接着剤を硬化させることにより、対向する裏側配線01x〜06x、配線22同士を、表裏方向に導通可能に接着する。具体的には、裏側接続部16と異方導電接着剤と右端部23とが積層された部分(図3の積層部31に相当)を、FFC20a側から加熱すると共に、表裏方向に加圧する。これにより、異方導電接着剤が硬化して、導電接着層30が形成される。その結果、第一露出領域16aと、第二露出領域23aと、が接着される。また、第二被覆領域23bと、第一被覆領域16bを覆うカバーフィルム40と、が接着される。
柔軟基材接着工程においては、表側配線体12の表側カバー部19を含む表側基材15を、右端部23の表面と、区間32を含む積層部31の周囲における裏側配線体11およびカバーフィルム40の表面と、に接着剤により接着する。このようにして、FFC20aが柔軟素子10に接続される。
本実施形態の配線体接続素子は、第一実施形態の配線体接続素子と共通する部分については、第一実施形態と同様の作用効果を奏する。また、本実施形態の配線体接続素子によると、第一被覆領域16bと第二被覆領域23bとは、カバーフィルム40を介して接着されている。すなわち、第二被覆領域23bに含まれる右端部23の先端230と、第一被覆領域16bの裏側配線01x〜06xと、の間には、カバーフィルム40が介在している。このため、裏側配線体11が伸縮して、右端部23の先端230に応力が生じても、カバーフィルム40が緩衝材になることにより、当該応力が裏側配線01x〜06xに加わりにくい。また、カバーフィルム40の引張強さは、裏側配線01x〜06xの引張強さよりも大きい。このため、右端部23の先端230から応力が加わっても、カバーフィルム40は破断しにくい。したがって、本実施形態の配線体接続素子によると、使用時における裏側配線01x〜06xの断線を、より効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の配線体接続素子の製造過程において、裏側接続部16と異方導電接着剤と右端部23との積層区間を加圧した場合、右端部23の先端230の角部は、導電接着剤を介してカバーフィルム40に当接する。カバーフィルム40が緩衝材になることにより、裏側配線01x〜06xへの応力が軽減される。したがって、圧着時に裏側配線01x〜06xが切断されにくい。
また、本実施形態の配線体接続素子において、裏側配線体11の表面に露出している裏側配線01x〜06x、および表側配線体12の裏面に露出している表側配線01y〜06yは、カバーフィルム40により被覆されている。これにより、裏側配線01x〜06x、表側配線01y〜06yの防水性を確保することができると共に、酸化を抑制することができる。また、カバーフィルム40を、第一被覆領域16bにまで延在させて、上述した裏側配線01x〜06xの断線抑制効果を得ている。よって、裏側配線01x〜06xを保護するために、右端部23の先端230と、裏側配線01x〜06xと、の間に介装する介装部材を、別途準備する必要はない。
<その他>
以上、本発明の配線体接続素子の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
上記実施形態では、柔軟素子の左端中央付近に第一接続領域を、後端中央付近に第二接続領域を、各々配置した。しかし、柔軟素子と配線体との接続部の数や配置は、上記実施形態に限定されない。例えば、複数の配線体を、柔軟素子を挟んで対称に接続してもよい。また、複数の配線体を柔軟素子の一端に並べて接続してもよい。
また、柔軟素子を、一対の柔軟配線体と、その間に介装された誘電膜と、から構成した。しかし、柔軟素子の構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、誘電体を配置せず、一対の柔軟配線体を対向させて構成してもよい。また、柔軟配線体の構成も、上記実施形態に限定されない。すなわち、柔軟基材の材質、形状、厚さ、電極の材質、数、配置、柔軟配線の材質、数、配置等については、特に限定されない。
例えば、柔軟基材を構成するエラストマーとしては、上記実施形態のシリコーンゴムの他、エチレン−プロピレン共重合ゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、イソブチレンイソプレンゴム、各種の熱可塑性エラストマー等を用いることができる。
また、柔軟配線の数は、何本でもよい。例えば、各々の柔軟配線体に一本ずつ配置されていてもよい。電極も、各々の柔軟配線体に一つずつ形成されていてもよい。
柔軟配線は、エラストマーと導電材とを含む。エラストマーは、柔軟基材のエラストマーと同じでもよく、異なっていてもよい。上記実施形態のアクリルゴムの他、例えば、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、ウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン等が好適である。導電材の種類は、特に限定されない。例えば、銀、金、銅、ニッケル等の金属粉末、導電性を有するカーボン粉末等が好適である。所望の導電性を発現させるため、エラストマーにおける導電材の充填率は、柔軟配線の体積を100vol%とした場合の20vol%以上であることが望ましい。一方、導電材の充填率が65vol%を超えると、エラストマーへの混合が困難となり、成形加工性が低下する。加えて、柔軟配線の伸縮性が低下する。このため、導電材の充填率は、50vol%以下であることが望ましい。
柔軟配線の形成方法は、特に限定されない。例えば、まず、柔軟配線の形成成分を含む配線塗料から、未加硫の薄膜状の配線を作製する。次に、当該配線を柔軟基材の表面に配置して、所定の条件下でプレスして加硫接着すればよい。あるいは、配線塗料を、柔軟基材の表面に印刷し、その後、加熱により乾燥させて、塗料中の溶剤を揮発させてもよい。印刷法によると、加熱時に、乾燥と同時に、エラストマー分の架橋反応を進行させることもできる。印刷法としては、上記実施形態のスクリーン印刷の他、インクジェット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、パッド印刷、リソグラフィー等が挙げられる。なかでも、高粘度の塗料も使用可能であり、塗膜厚さの調整が容易であるという理由から、スクリーン印刷法が好適である。配線塗料は、柔軟配線の形成成分(エラストマー、導電材、添加剤等)を溶剤に混合して、調製すればよい。この場合、所望の粘度になるように、固形分濃度を調整するとよい。
上記実施形態では、配線体として、FFCを使用した。しかし、配線体はFFCに限定されない。配線体として、例えば、フレキシブルプリント配線板(FPC)等を使用してもよい。FPCによると、エッチングにより、容易に所望の配線パターンを形成することができる。このため、隣り合う配線間の間隔を変化させたり、配線同士を接合して集約することが容易である。また、配線体を接続するコネクタの種類は、特に限定されない。例えば、FPC、FFC等に接続可能な既存のコネクタ(ZIFコネクタ等)を使用すればよい。
上記第三実施形態では、裏側配線体および表側配線体に配置されたカバーフィルムを、介装部材として使用した。例えば、第一、第二実施形態のように、カバーフィルムを配置しない場合には、FFCの右端部の先端と裏側配線体との間、FFCの前端部の先端と表側配線体との間に、別途、介装部材を配置することができる。また、カバーフィルムを配置する場合でも、それとは別に、介装部材を配置してもよい。
介装部材を配置する場合、介装部材の機械的強度は、柔軟配線の機械的強度よりも大きいことが望ましい。例えば、介装部材の引張強さを、1MPa以上10MPa以下とするとよい。引張強さは、JIS K 6251(2004)に準じて測定すればよい。本明細書における引張強さの値は、試験片としてダンベル状3号形を使用して測定された値である。また、上記第三実施形態のように、カバーフィルムを介装部材として用いる場合には、カバーフィルムに必要な柔軟性等を考慮して、介装部材(カバーフィルム)のヤング率を、0.1MPa以上10MPa以下とするとよい。
柔軟配線の断線抑制効果を向上させるという観点から、介装部材の厚さは厚い方が望ましい。例えば、介装部材の厚さを、柔軟配線と同じ、あるいは柔軟配線よりも厚くすることが望ましい。ただし、上記第三実施形態のように、カバーフィルムを介装部材として用いる場合には、カバーフィルムの柔軟性を確保する必要がある。したがって、介装部材(カバーフィルム)の厚さを、柔軟基材と同じ、あるいは柔軟基材よりも薄くすることが望ましい。
柔軟配線体において、柔軟配線が複数配置されている場合には、隣接する柔軟配線同士の導通を防止する必要がある。この場合、介装部材を絶縁材料で構成すればよい。介装部材の材料としては、上記実施形態のシリコーンゴムの他、例えば、エチレン−プロピレン共重合ゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、イソブチレンイソプレンゴム、各種の熱可塑性エラストマー等が好適である。なお、これらの材料は、カバーフィルムの材料としても好適である。
上記実施形態では、導電接着層として、エポキシ樹脂(熱硬化型接着剤)を母材とする異方導電接着剤を使用した。熱硬化型接着剤の主剤としては、上記エポキシ樹脂の他、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン等を使用することができる。主剤の種類に応じて、適宜、硬化剤等の添加剤を組み合わせればよい。なお、柔軟配線体および配線体における配線数が、各々一本の場合には、導電接着層に異方性がなくてもよい。
異方性の有無によらず、導電接着層を構成する導電接着剤の母材としては、熱硬化型接着剤の他、熱可塑型接着剤、紫外線硬化型接着剤、エラストマー系接着剤等を使用することができる。
例えば、熱硬化型接着剤によると、幅広い温度範囲で強固な接着力が得られるという利点がある。また、100℃以上のガラス転移温度(Tg)を容易に実現できるため、熱可塑型接着剤と比較して、使用可能な温度範囲が広いという利点がある。一般に、熱可塑型接着剤よりも、熱硬化型接着剤の方がガラス転移温度が高い。使用温度範囲内にガラス転移が生じる場合、ガラス転移温度以下ではガラス状態であり、高弾性率である。一方、ガラス転移温度を超えると、ゴム状態になるため、急激な弾性率の低下、および急激な熱膨張係数の増大が生じる。このように、ガラス転移温度を境に、導電接着剤の物性が大きく変化すると、弾性率変化に伴う接着強度の変化、熱膨張係数変化による寸法変化、導電性能の変化等が誘起される可能性がある。したがって、ガラス転移温度が高い熱硬化型接着剤によると、信頼性を保障できる温度範囲を広く設定することができる。
柔軟配線体のエラストマーの熱膨張を抑制するという観点から、熱硬化型接着剤は、低温かつ短時間で硬化するものが望ましい。具体的には、硬化温度が、130℃以上180℃以下のものが望ましい。また、硬化時間が60秒以下、さらには20秒以下のものが望ましい。熱硬化型接着剤を母材として使用する場合、エラストマーの熱膨張を抑制するという観点から、柔軟配線体側に放熱手段を配置した状態で、導電接着剤の硬化を行うとよい。放熱手段としては、放熱板、冷媒による熱交換装置等が挙げられる。また、導電接着剤の物性変化を抑制して、接続部分の信頼性を確保するという観点から、できるだけガラス転移温度(Tg)の高いものが望ましい。例えば、Tgが130℃以上のものが好適である。熱硬化型接着剤を母材とする好適な異方導電接着剤として、京セラケミカル(株)製の異方導電接続材料「TAP0402F」、「TAP0401C」等が挙げられる。
紫外線硬化型接着剤の主剤としては、上記熱硬化型接着剤と同様に、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を使用することができる。主剤の種類に応じて、適宜、硬化剤等の添加剤を組み合わせればよい。
熱可塑型接着剤に使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン等が挙げられる。熱可塑型接着剤を母材とする好適な異方導電接着剤として、サンユレック(株)製の異方導電接着剤「NIR−30E」等が挙げられる。
エラストマー系接着剤に使用されるエラストマーとしては、例えば、クロロプレンゴム、アクリルゴム等が挙げられる。エラストマー系接着剤を母材とする好適な異方導電接着剤として、サンユレック(株)製の異方導電接着剤「NIR−11」、(株)スリーボンド製の「TB3373C」等が挙げられる。
母材に充填される導電粒子の種類は、特に限定されない。ニッケル等の金属粒子や、樹脂粒子の表面を金属でめっきした粒子等を使用することができる。導電接着剤の固化または硬化は、使用する母材の種類に応じて、その方法、条件等を適宜決定すればよい。また、導電接着剤の固化または硬化は、厚肉区間を加圧しながら行うことが望ましい。例えば、圧力を、9.8〜490kPa程度とするとよい。