JP5375600B2 - セラミックハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミックハニカム構造体の製造方法に関し、詳しくは、セラミックスハニカム体の外周面に外周壁部を形成するセラミックハニカム構造体の製造方法に関する。
地域環境や地球環境の保全面から、自動車などのエンジンの排気ガス中に含まれる有害物質を削減するため、セラミックハニカム構造体を使用した排気ガス浄化用の触媒コンバータや微粒子捕集用のセラミックハニカムフィルタが使用されている。
従来のセラミックハニカム構造体20は、図2に示すように、各々直交する隔壁13により形成された多数の流路14と外周壁部21とからなり、その流路垂直方向断面の形状は通常ほぼ円形又は楕円形をしている。セラミックハニカム構造体20の前記外周壁部21は、金属メッシュ又はセラミックス製のマット等で形成された把持部材(図示せず)で使用中に動かないように把持され、金属製収納容器(図示せず)内に配置されている。
セラミックハニカム構造体20は、(1)セラミック原料(例えばコージェライト粉末)、成形助剤、造孔材等の原料と水を混合及び混練してセラミック坏土を作製する工程、(2)セラミック坏土をハニカム形状口金から押出して、外周壁部21と隔壁13とが一体に形成 れたセラミックハニカム成形体とする工程、(3)成形体を乾燥及び焼成する工程で製造される。このような工程により、所定の形状と強度を有し、隔壁13に微細な細孔を有するセラミックハニカム構造体20が得られる。
ディーゼルエンジンからの排気ガスを浄化するフィルタには、図2における外径Daが150 mm以上及び長さLが150 mm以上の大型で、隔壁13の厚さが0.2 mm以下と薄いセラミックハニカム構造体20を使用する場合がある。このような大型で隔壁が薄いセラミックハニカム構造体20を製造する場合、セラミック杯土を押出して得られるセラミックハニカム成形体の強度不足のため、自重によって成形体の外周壁部21の周縁部の隔壁13が潰れて変形するという問題があった。変形した成形体を焼成しても、所定の強度を有するセラミックハニカム構造体20が得られない。
特開平5-269388号は、この問題を解決するために、図3(a)及び図3(b)に示すように、隔壁13で囲まれた多数のセル14のうち、外周面に位置するセル14aの凹溝15にコージェライト粒子及び/又はセラミックファイバーとコロイド状酸化物(コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等)とを主成分として含むコートを充填し、乾燥又は焼成することで、セラミックハニカム本体11に厚さTの外周壁部12を形成し外径Ddとしたハニカム構造体10を開示している。特開平5-269388号は、外周壁部12を形成することで外周面11aが補強され、耐熱性及び耐熱衝撃性に優れたハニカム構造体10が得られると記載している。
特開2002-166404号は、図4(a)に示すような塗布装置を用いて、外周部を加工により除去したセラミックハニカム体11の外周面11aにコートを塗布した後、乾燥して外周壁部12を形成することにより、均一な外形寸法を有するセラミックハニカム構造体10を製造する方法を提案している。図4(a)に示す塗布装置は、セラミックハニカム体11の両端面15a,15bの中心を挟持する一対の中心挟持部材42と、この中心挟持部材42を包むように形成され、前記両端面15a,15bの外周を挟持する一対の外周部挟持部材41とからなる。前記中心挟持部材42は、平板状の支持板42aと支持板42aに固定された軸部材42cとからなり、外周部挟持部材41は、平板状で内部が空洞の支持板41aとこの支持板41aに固定された内部が空洞の軸部材41cと、セラミックハニカム体11の外周面11aの外径Dbよりも大きく、スクレーパ43を当接させる外径Dcの当接部41bとからなる。特開2002-166404号に記載の方法は、セラミックハニカム体11の両端面15a,15bを支持板41a,42aで挟持するとともに、当接部41bにスクレーパ43を当接させ、軸部材41c,42cを回転しつつ、セラミックハニカム体11の外周面11aと外周部挟持部材41とスクレーパ43とで形成される空間にコートを充填し、外周面にコートを塗布した後、乾燥することで、図4(b)に示す外周壁部12を形成するものである。挟持部材を、中心挟持部材42及び外周部挟持部材41の二重構造にすることで、コート材を塗布した後のセラミックハニカム体11から挟持部材を容易に取り外すことができると記載している。
しかしながら、特開平5-269388号及び特開2002-166404号に記載の方法で形成した外周壁部12の乾燥後の外径は、塗布したコートが乾燥する過程で水分が蒸発して収縮するためセラミックハニカム構造体10の目標外径よりも小さくなってしまう。このため、セラミックハニカム構造体10を使用するときに、金属製収納容器内で振動してしまい、破損するおそれが生じる。
特に、特開2002-166404号に記載の方法のように、セラミックハニカム体11の外周部を加工により除去する場合、外周部が潰れていたり、外周部の隔壁13が変形したりしていると、その発生程度に応じて潰れや変形が除去できるように切り込み量を増やして加工する必要があるため、外周壁部12を形成する前の外径寸法Db(図4(a)参照)はセラミックハニカム体11ごとに相違することがある。さらにセラミックハニカム体11の外周部を加工除去した後に焼成を行うと、焼成時の膨張及び収縮のため、セラミックハニカム体11の外径の変動がさらに大きくなる。
このように外径寸法Dbが異なるセラミックハニカム体11の外周面11aに、図4(a)に示すように、一定の寸法の支持板を使用してコートを塗布した場合、セラミックハニカム体11ごとに厚さTcが異なるコーティング12cが形成される。コーティング12cの厚さが異なると乾燥による収縮代に差が生じ、乾燥後の外径Ddがセラミックハニカム構造体10ごとに一定にならず、特に目標寸法よりも小さくなった場合は、使用時に金属製収納容器内でセラミックハニカム構造体10が振動して破損するおそれが生じる。
また、特開平5-269388号及び特開2002-166404号に記載の製造方法では、セラミックハニカム体11の外周面11aに塗布したコートが、端面15a,15b付近に十分に充填されにくいため、図4(b)に示すように、乾燥後のセラミックハニカム構造体10の外周面11aとコー ティング12cとの境界部16に隙間17が生じ、外周壁部12が欠けやすくなるといった問題を有している。
従って本発明の目的は、セラミックハニカム構造体の外径を目標寸法と一致するように外周壁部を形成する方法を提供し、外径寸法のバラツキを低減することにある。さらに、セラミックハニカム体の両端面付近での外周面とコーティングとの境界部に隙間を生じないようにすることで、外周壁部の欠けを防止することにある。
本発明者らは、コート材の乾燥時収縮率を考慮して、セラミックハニカム体ごとにコート材の塗布厚さを調節することで形成される外周壁部を適切な厚さに設定でき、セラミックハニカム構造体の外径を一定の値に揃えられること、及びセラミックハニカム体の外周壁部をセラミックハニカム体の軸方向長さよりも長く形成することで、外周面とコーティ ングとの境界部に隙間が生じないで外周壁部を形成できることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、セラミックハニカム構造体を製造する本発明の方法は、外径寸法が相違するセラミックハニカム体の外周面にコート材を塗布して、乾燥後のセラミックハニカム構造体の外径を目標の外形寸法±1.4 mmとするセラミックハニカム構造体の製造方法であって、前記セラミックハニカム体ごとに、前記セラミックハニカム体の外径とコート材の乾燥時収縮率とから、塗布するコート材の厚さを決定し、前記コート材を前記セラミックハニカム体の外周面及び端面の周縁部に塗布し、前記外周壁部の軸方向長さが前記セラミックハニカム体の軸方向長さよりも前記コート材の厚さの1.4〜4倍長くなるように前記外周壁部を形成し、前記セラミックハニカム体の端面の周縁部に形成された周縁壁部の幅が前記コート材の厚さの1.2〜6倍になるように前記周縁壁部を形成し、形成された前記外周壁部と前記周縁壁部を乾燥後に前記セラミックハニカム本体の端面と同位置まで除去することを特徴とする。
前記コート材の厚さは、前記セラミックハニカム体の外周面と、前記セラミックハニカム体の外側に位置するスクレーパとの間隙により調整するのが好ましい。
セラミックハニカム構造体を製造する本発明の別の方法は、外周壁部を有するセラミックハニカム構造体の製造方法であって、前記コート材を前記セラミックハニカム体の外周面及び端面の周縁部に塗布し、前記外周壁部の軸方向長さが前記セラミックハニカム体の軸方向長さよりも前記コート材の厚さの1.4〜4倍長くなるように前記外周壁部を形成し、前記セラミックハニカム体の端面の周縁部に形成された周縁壁部の幅が前記コート材の厚さの1.2〜6倍になるように前記周縁壁部を形成し、形成された前記外周壁部と前記周縁壁 部を乾燥後に前記セラミックハニカム本体の端面と同位置まで除去することを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、セラミックハニカム構造体の外径をほぼ目標寸法に一致させて形成できるので、使用時に金属製収納容器内でセラミックハニカム構造体が振動せず、破損するおそれがない。セラミックハニカム体の両端面で、外周面とコーティングとの境界に隙間が生じないので、衝撃等による外周壁部の欠けを防止することができる。
本発明の製造方法で用いるセラミックハニカム体にコート材を塗布する装置を示す模式断面図である。 図1(a)のA部分のセラミックハニカム構造体を示す拡大断面図である。 本発明の別の製造方法で用いるセラミックハニカム体にコート材を塗布する装置を示す模式断面図である。 図1(c)のB部分のセラミックハニカム構造体を示す拡大断面図である。 図1(c)のセラミックハニカム構造体の端面を示す正面図である。 従来のセラミックハニカム構造体を示す斜視図である。 特開平5-269388号に記載のセラミックハニカム構造体を示す斜視図である。 図3(a)のC部分の拡大正面図である。 特開2002-166404号に記載された、セラミックハニカム体にコート材を塗布する装置を示す断面図である。 図4(a)のD部分のセラミックハニカム構造体を示す拡大断面図である。
[1] セラミックハニカム構造体の製造方法
セラミックハニカム構造体を製造する本発明の方法は、セラミックハニカム体の外周面にコート材を塗布して外周壁部を形成する方法であって、前記セラミックハニカム体の外径とコート材の乾燥時収縮率とから、乾燥後のセラミックハニカム構造体が目標の外形寸法になるように塗布するコート材の厚さを決定する工程を含む
外径寸法Dbがそれぞれ異なるセラミックハニカム体11の外周面11aにコートを塗布して外周壁部12を形成する場合、塗布・乾燥後のセラミックハニカム構造体10の外径を一定の目標寸法Dd0にするためには、塗布するコート材の厚さTcをセラミックハニカム体11ごとに変更する必要がある。例えば、セラミックハニカム体11の外径寸法Dbと目標寸法Dd0との差が大きい場合はコーティング12cの厚さTcを大きく、セラミックハニカム体11の外径寸法Dbと目標寸法Dd0との差が小さい場合はコーティング12cの厚さTcを小さくする。
塗布したコートを乾燥させると含まれる水分が蒸発して収縮するので、前述のように コーティング12cの厚さTcが異なると、乾燥時の収縮代が異なるため乾燥後の外周壁部12の厚さTが異なり、セラミックハニカム構造体10の外径寸法Ddがセラミックハニカム体ごとに異なってしまう。前記外径寸法Ddが目標寸法Dd0よりも大きい場合、金属製収納容器に収納する際に、セラミックハニカム構造体10の外周壁部12に余分な圧力がかかりキレツが生じるおそれがある。前記外径寸法Ddが目標寸法Dd0よりも小さい場合、使用時に金属製収納容器内でセラミックハニカム構造体10が振動し、破損するおそれがある。
そこで、外径寸法Dbのセラミックハニカム体11にコート材を塗布する際、コート材の乾燥時収縮率を考慮して、乾燥後のセラミックハニカム構造体が目標の寸法Dd0となるようにコート材の厚さTcを決定する。セラミックハニカム体11の外径寸法Dbと目標寸法Dd0との差の1/2がコート材乾燥後の外周壁部の厚さTとなるが、前述のようにコート材は乾燥により収縮するので、収縮代を見越して塗布するコートの厚さTcはTよりも大きく設定する必要がある。コート材の収縮率がsである場合、厚さTの外周壁部を形成するためには、 コーティング12cの厚さTcをT×{1/(1-s)}とする。このような方法で外周壁部12を形成することにより、セラミックハニカム構造体10の外径寸法のバラツキを低減することができる。前記目標寸法Dd0と最終的なセラミックハニカム構造体の外径寸法Ddとの差は−1.4〜1.4 mmとする
コート材は、予めセラミックハニカム体11の外周面11aに塗布し、乾燥させて収縮率を測定しておくのが好ましい。乾燥時の収縮率はコートに用いるセラミック原料のロットによって異なるので、原料ロットごとに乾燥後の収縮率を測定しておくのがより好ましい。コート材の乾燥時の収縮率は、コート材の塗布時の厚さTcと、乾燥後の外周壁部12の厚さTとから、(Tc-T)/Tcとして求める。
塗布するコート材の厚さは、前記セラミックハニカム体11の外周面と、前記セラミックハニカム体11の外側に位置するスクレーパ3との間隙により調整するのが好ましい。セラミックハニカム体11の外周面11aへのコートの塗布は、図1(a)に示すように、セラミックハニカム体11の両端面15a,15bを支持板1で挟持し、支持板1の当接部1bにスクレーパ3を当接させ、セラミックハニカム体11の外周面11aと支持板1とスクレーパ3とで形成される空隙にコートを充填して行う。得られるコーティング12cの厚さは、セラミックハニカム体11の外周面11aとスクレーパ3との間隔で決定されるため、直径の異なる支持板1を準備することで調節することができる。
セラミックハニカム体11の外周面11aだけでなく、端面15a,15bの周縁部にもコートを塗布し、セラミックハニカム体11の軸方向長さよりも外周壁部12を長く形成するとともに、セラミックハニカム体11の端面15a,15bの周縁部に周縁壁部18を形成するものとする。セラミックハニカム体11の端面15a,15bの周縁部に周縁壁部18を形成することで、図4(b)に示すように、端面15a,15b付近の外周面11aとコーティング12cとの境界16に隙間17が生じるのを防止することができ、その結果、衝撃等による外周壁部12の欠けを防止することができる。前記周縁壁部18は、乾燥後に端面15a,15bと同位置まで除去するのが好ましい。これにより、セラミックハニカム体11の端面15a,15b付近の外周面11aとコーティン 12cとの境界16に、隙間17がないセラミックハニカム構造体10が得られる。
図1(c)において、前記外周壁部12の軸方向長さと前記セラミックハニカム体11の軸方向長さLとの差(b1+b2)は、前記コートの塗布時の厚さTcの1.4〜4倍であるものとし、前記セラミックハニカム体11の端面15a,15bの周縁部に形成された周縁壁部18の幅dは前記コート材の塗布時の厚さTcの1.2〜6倍であるものとする。周縁壁部18をこのような形状にすることで、セラミックハニカム体11の端面15a,15b付近の外周面11aとコーティング12cとの境界16に隙間17が生じるのを有効に防止できる。
前記差(b1+b2)がコート材の塗布時の厚さTcの1.4倍未満の場合、周縁壁部18の塗布厚が薄いため、乾燥時に外周面11aとコーティング12cとの境界16に隙間17が生じやすくなり、外周壁部12が欠けやすくなる。一方、差(b1+b2)が厚さTcの4倍を超える場合、端面15a,15bの周縁部に塗布された余剰のコートを除去する必要が生じる。前記差(b1+b2)は、前記コートの塗布時の厚さTcの1.4〜3.5倍であるのがより好ましく、1.4〜3倍であるのがさらに好ましい。
前記周縁壁部18の幅dがコートの塗布時の厚さTcの1.2倍未満の場合、外周面11aと ーティング12cとの境界16に隙間が生じやすく、外周壁部12が欠けやすくなる。一方、周縁壁部18の幅dが厚さTcの6倍を超える場合、端面15a,15bの周縁部に塗布されたコートでセル14の一部が封鎖されてしまう。前記周縁壁部18の幅dは、前記コート材の塗布時の厚さTcの1.5〜5倍であるのがより好ましく、1.7〜4倍であるのがさらに好ましい。
セラミックハニカム体11の端面15a,15bへのコート材の塗布は、図1(c)に示すように、支持板1のスクレーパ3と当接する部分1bに形成した切り込みPにコート材を充填することで行う。前記切り込みPに充填したコート材を乾燥させることで、図1(d)に示すように、セラミックハニカム体11の端面15a,15bの周縁部に周縁壁部18が形成される。周縁壁部18は、乾燥後に前記端面15a,15bと同位置まで除去するものとする
前記切り込みPの好ましい寸法は、幅b1,b2コーティング12cの厚さTcの0.7〜2倍、幅dがコーティング12cの厚さTcの1.2〜6倍である。このような寸法にすることで切り込みP にコート材が充分に充填されるため、セラミックハニカム体11の外周面11aとコーティン 12cとの境界16に隙間が生じるのを防止することができ、外周壁部12の欠けにくいセラミックハニカム構造体10が得られる。
切り込みPの幅b1,b2コーティング12cの厚さTcの0.7倍未満の場合、セラミックハニカム体11の端面15a,15bの周縁部にコート材が充填されにくくなり、外周面11aとコーテ ィング12cとの境界16に隙間が生じる。一方、切り込みPの幅b1,b2がコート材の塗布時の厚さTcの2倍を超える場合、端面15a,15bの周縁部に塗布された余剰のコートを除去する必要が生じる。
切り込みPの幅dがコート材の塗布時の厚さTcの1.2倍未満の場合、セラミックハニカム体11の端面15a,15bの周縁部にコート材が充填されにくくなり、外周面11aとコーティン 12cとの境界に隙間が生じる。一方、切り込みPの幅dがコート材の塗布時の厚さTcの6倍を超える場合、端面15a,15bの周縁部に塗布されたコートでセルの一部が封鎖されてしまう。
前記コート材の粘度は20 Pa・s以上であるのが好ましい。コート材の粘度を20 Pa・s以上とすることで、高い強度を有する外周壁部12及び周縁壁部18が形成できる。コート材の粘度が20 Pa・s未満の場合、セラミックハニカム体11の外周面11aに塗布したコート材、及び前記切り込みPに充填したコート材が流れ落ちてしまい、外周壁部12及び周縁壁部18を形成することができない。粘度は100 Pa・s以上であるのがより好ましい。一方、コート材の粘度は、高くなりすぎるとスクレーパ3でセラミックハニカム体11の外周面11aにコート材を塗布することが困難となるため、500 Pa・s以下であるのが好ましい。
コートは、平均粒径10μmのコージェライト粉末100質量部に対して、コロイダルシリカを固形分で10〜15質量部配合し、さらに、コージェライト粉末とコロイダルシリカの合計100質量部に対して、0.5〜2質量部のメチルセルロースを配合し、水と共に混練して、粘度を20 Pa・s以上に調節するのが好ましい。
セラミックハニカム成形体を形成するコージェライト生成原料粉末は、48〜52質量%のSiO2、33〜37質量%のAl2O3、12〜15質量%のMgOを含有するのが好ましい。
[2]参考例及び実施例
本発明を以下の参考例及び実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1
(1) セラミックハニカム体の作製
カオリン、タルク、シリカ、アルミナ等の粉末を用いて、50質量%のSiO2、35質量%のAl2O3、及び13質量%のMgOを含むコージェライト生成原料粉末とし、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のバインダー、潤滑剤、グラファイト等の造孔材を添加し、乾式で混合した後、水を添加し、混練を行って可塑化したセラミック杯土を作製した。このセラミック坏土を押出成形し、所定の長さに切断後、乾燥し、外周部と隔壁13とが一体に形成されたハニカム構造を有するコージェライト質のセラミックハニカム成形体を得た。このセラミックハニカム成形体は、外径が280 mm、軸方向長さLが300 mm、隔壁13の厚さが0.2 mm、セルピッチが1.5 mmであった。円筒研削盤を用いてこの成形体の 外周部を除去した後、焼成して、外径Dbが264 mmのセラミックハニカム体11を得た。
(2)コート材の調製
平均粒径10μmのコージェライト粉末100質量部に対して、コロイダルシリカを固形分で12質量部配合し、さらに、コージェライト粉末とコロイダルシリカの合計100質量部に対して、1.2質量部のメチルセルロースを配合し、水と共に混練して、粘度を150 Pa・sに調節し、コート材を調製した
コート材の乾燥時収縮率sは、セラミックハニカム体11の外周面11aにコートを厚さTcで塗布し、乾燥後の外周壁部12の厚さTを測定し、(Tc-T)/Tcとして予め求めた。前記コート材の乾燥時収縮率sは0.3であった。
(3)コート材の塗布
セラミックハニカム構造体10の目標寸法Dd0を267 mmとして、図1(a)に示す塗布装置で、このセラミックハニカム体11の外周面11aにコートの塗布を行った。この塗布装置は、セラミックハニカム体11の両端面15a,15bを挟持する挟持部材1aと、スクレーパ3を当接させる当接部1bと、回転軸1cとから構成される支持板1、及びスクレーパ3からなる。コートの塗布厚さTcは、セラミックハニカム体11の外径Dbに応じて、支持板1の前記当接部1bの外径Dcを変更することによって調節することができる。本参考例では、支持板の当接部の外径Dcが、276.0 mm、269.0 mm、268.0 mm、267.0 mmの4種類の支持板1を準備した。
塗布するコート材の厚さTcは、セラミックハニカム体11の外径寸法Db(264 mm)及び ーティング12cの乾燥時収縮率s(0.3)から、式Tc=(Dd0−Db)×0.5/(1−s)により求め、外径Ddが目標寸法Dd0±1.4 mmの範囲内になるよう適当な支持板1を選択した。参考例1では、267.0 mmの外径を有する支持板1を用いた。
前記支持板1を用いて、セラミックハニカム体11の両端面15a,15bを挟持部1aで挟持するとともに、当接部1bにスクレーパ3を当接させ、回転軸1cを回転させつつ、外周面11aにコートを塗布した。塗布したコート材を乾燥することにより、外周壁部12が形成されたセラミックハニカム構造体10を得た。
(4)評価
コート材乾燥後の外径寸法Ddを測定し、この外径寸法Ddと目標寸法Dd0との差を求めた。さらに、このセラミックハニカム構造体を、金属製収納容器に収納したときに外周壁部に生じる欠けと、使用時に金属製収納容器内で振動することによる破損の評価を行った。
金属製収納容器に収納したときに外周壁部に生じる欠けの評価は、セラミックハニカム構造体10を、金属製の収納容器を模した円筒内に把持材で把持して一旦挿入した後に取り出し、外周壁部12の一端での欠けの発生を目視で観察して行った。3個のハニカム構造体について試験を行い、以下の基準で評価を行った。
3個とも全く欠けのないもの・・・○
3個のうちの1個でも0.5mm未満の欠けのあるもの・・・△
3個のうちの1個でも0.5mm以上の欠けのあるもの・・・×
使用時の破損の評価は、セラミックハニカム構造体を金属製収納容器に収納し、振動100 Hz、加速度60 Gを100時間加えて振動試験を行い、試験後のハニカム構造体を金属製収納容器から取り出し、目視で観察し以下の基準で行った。
破損がないもの・・・○
1 mm未満の破損が生じたもの・・・△
1 mm以上の破損が生じたもの・・・×
さらに総合評価として、以下の評価を行った。
上記評価のどちらも○であったもの・・・○
上記評価のどちらかが△であったもの・・・△
上記評価のどちらかが×であったもの・・・×
参考例2〜7
研削により除去する外周部の厚さを変更し、表1に示すように外径寸法Dbが異なるセラミックハニカム体11を参考例1と同様にして作製した。表1に示す外径Dcを有する支持板を使用した以外は参考例1と同様にして、これらのセラミックハニカム体11の外周面11aにコートを塗布して外周壁部12を形成し、セラミックハニカム構造体10を作製した。得られたセラミックハニカム構造体10に対し、参考例1と同様の評価を行った。
比較例1〜3
研削により除去する外周部の厚さを変更し、表1に示すように外径寸法Dbが異なるセラミックハニカム体11を参考例1と同様にして作製した。セラミックハニカム体11の外径寸法Dbとコート材の乾燥時収縮率は考慮せずに、目標寸法Dd0と同じ当接部の外径Dcを有する支持板(比較例1及び2)及び目標寸法からはずれるように選択した支持板(比較例3)を用いた以外は実施例1と同様にして、セラミックハニカム体11の外周面11aにコートを塗布して外周壁部12を形成し、セラミックハニカム構造体10を作製した。得られたセラミックハニカム構造体10に対し、参考例1と同様の評価を行った。
これらの結果をまとめて表1に示す。
表1
Figure 0005375600
表1(続き)
Figure 0005375600
表1から、参考例1〜7は、セラミックハニカム体の外径寸法とコート材の乾燥時収縮率から、塗布するコート材の厚さを決めて塗布したので、外径のばらつきが小さくなり、金属製収納容器に収納する場合に外周壁部に欠けが生じ難く、使用時に金属製収納容器内で振動して破損し難いことがわかる。一方、比較例1〜3は、セラミックハニカム体の外径寸法Db、とコート材の乾燥時収縮率は考慮せずにコート材を塗布したので、外径の変動が大きくなり、使用時に金属製収納容器内で振動して破損し易いことがわかる。
実施例1
コートの塗布を、図1(c)に示す塗布装置で行った以外は参考例1と同様にして、外周壁部12を形成したセラミックハニカム構造体10を作製した。この塗布装置は、支持板1のスクレーパ3と当接する部分1bに切り込みPが形成されており、この切り込みPにコートを充填するようにした以外、参考例1で用いた図1(a)に示す塗布装置と同様であった。この切り込みPの幅b1,b2の和(b1+b2)は8 mm(ここでb1=b2)であり、幅dは8 mmであった。 参考例1と同様にして求めたコーティング12cの厚さTcに基づき、当接部の外径Dcが269 mmの支持板を用いた。コートを乾燥した後、セラミックハニカム体11の端面の周縁部に形成された周縁壁部18を研磨して除去し、外周壁部12が形成されたセラミックハニカム構造体10を作製した。
実施例2〜6及び比較例4〜6
研削により除去する外周部の厚さを変更し、表2に示すように外径寸法Dbが異なるセラミックハニカム体11を参考例1と同様にして作製した。実施例2〜6、比較例4及び5は外径Ddの目標寸法Dd0との差(Dd-Dd0)が-1.4〜1.4 mmの範囲内になるよう、比較例6では(Dd-Dd0)が-1.4〜1.4 mmの範囲外になるよう支持板の当接部の外径Dcを表2に示すように選択し、さらに切り込みPの幅b1,b2の和(b1+b2) (ここでb1=b2)、及び幅dを表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、外周壁部12が形成されたセラミックハニカム構造体10を作製した。
得られた実施例1〜6及び比較例4〜6のセラミックハニカム構造体10に対し、参考例1と同様にして、コート材の乾燥後の外径寸法Ddを測定し、この外径寸法Ddと目標寸法Dd0との差を求めた。さらに、外周面11aとコーティング12cとの境界に生じた隙間17(図4(b)参照)の評価を以下の基準で行った。
隙間が存在しないもの・・・○
0.5 mm未満の隙間が生じたもの・・・△
0.5 mm以上の隙間が生じていたもの・・・×
これらの結果をまとめて表2に示す。
表2
Figure 0005375600
表2(続き)
Figure 0005375600
表2(続き)
Figure 0005375600
表2から明らかなように、実施例1〜6は、セラミックハニカム体の外径寸法とコート材の乾燥時収縮率から決まる厚さでコート材塗布するとともに、コート材をセラミックハニカム体の端面の周縁部にも規定の厚さで塗布したので、外周面11aとコーティング12cとの境界に隙間17が生じなかった。
実施例7〜9
研削により除去する外周部の厚さを変更し、表3に示すように外径寸法Dbが異なるセラミックハニカム体11を参考例1と同様にして作製した。当接部の外径Dc、切り込みPの幅b1,b2の和(b1+b2) (ここでb1=b2)及び幅dを表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、これらのセラミックハニカム体11の外周面11aにコートを塗布し乾燥した後、セラミックハニカム体11の端面の周縁部に形成された周縁壁部18を研磨して除去し、外周壁部12が形成されたセラミックハニカム構造体10を作製した。
得られた実施例7〜9のセラミックハニカム構造体10に対し、参考例1と同様にして、コート材の乾燥後の外径寸法Ddを測定し、この外径寸法Ddと目標寸法Dd0との差を求めた。さらに、外周面11aとコーティング12cとの境界に生じた隙間17(図4(b)参照)の評価を実施例1と同様にして行った。
表3
Figure 0005375600
表3(続き)
Figure 0005375600
表3(続き)
Figure 0005375600
表3から明らかなように、実施例7〜9は、コート材をセラミックハニカム体の端面の周縁部に規定の厚さで塗布したので、外周面11aとコーティング12cとの境界に隙間17が生じなかった。

Claims (3)

  1. 外径寸法が相違するセラミックハニカム体の外周面にコート材を塗布して、乾燥後のセラミックハニカム構造体の外径を目標の外形寸法±1.4 mmとするセラミックハニカム構造体の製造方法であって、前記セラミックハニカム体ごとに、前記セラミックハニカム体の外径とコート材の乾燥時収縮率とから、塗布するコート材の厚さを決定し、前記コート材を前記セラミックハニカム体の外周面及び端面の周縁部に塗布し、前記外周壁部の軸方向長さが前記セラミックハニカム体の軸方向長さよりも前記コート材の厚さの1.4〜4倍長くなるように前記外周壁部を形成し、前記セラミックハニカム体の端面の周縁部に形成された周縁壁部の幅が前記コート材の厚さの1.2〜6倍になるように前記周縁壁部を形成し、形成された前記外周壁部と前記周縁壁部を乾燥後に前記セラミックハニカム本体の端面と同位置まで除去することを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法。
  2. 請求項1に記載のセラミックハニカム構造体の製造方法において、前記コート材の厚さは、前記セラミックハニカム体の外周面と、前記セラミックハニカム体の外側に位置するスクレーパとの間隙により調整することを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法。
  3. 外周壁部を有するセラミックハニカム構造体の製造方法であって、前記コート材を前記セラミックハニカム体の外周面及び端面の周縁部に塗布し、前記外周壁部の軸方向長さが前記セラミックハニカム体の軸方向長さよりも前記コート材の厚さの1.4〜4倍長くなるように前記外周壁部を形成し、前記セラミックハニカム体の端面の周縁部に形成された周縁壁部の幅が前記コート材の厚さの1.2〜6倍になるように前記周縁壁部を形成し、形成された前記外周壁部と前記周縁壁部を乾燥後に前記セラミックハニカム本体の端面と同位置まで除去することを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法。
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