JP5216430B2 - 印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、搬送経路上を搬送される用紙に画像を形成する印刷装置に係り、特に、印刷後の用紙のカールを防止するデカール機能を備えた印刷装置に関する。
従来、インクジェットをはじめとする印刷装置において、印字による用紙カールの原因は水系インクで用紙の片面が湿ることにある。印刷後の用紙は、カールした状態となるが、時間が経過すると用紙に載ったインクが乾燥し、カール量は減少していく。そのため、従来より、印刷直後にすぐに排紙をせずにインクが乾燥する時間を待ってデカールし、排紙する方法が提案されている。
このようにインクを乾燥させる時間を確保するための技術として、例えば、特許文献1に示すような、プリンタ内の一巡する経路を循環させるものがある。この特許文献1に開示された技術では、印刷条件に応じて印刷物の循環数を決定し、その循環数分だけ、印刷物全体を循環させる。
特開2006−264828号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示された方法では、印刷物が複数枚からなる原稿であっても、一枚だけを多く循環すると排紙順序の整合性に不具合が生じることから、印刷物全体について、排紙順序と給紙順序が同じとなるように、印刷物の中で一番多い循環数を全印刷物について一律に循環数としていた。
このため、特許文献1に開示された方法では、印刷物全体わたって、循環数が増えるため、印刷に時間がかかるという問題があった。詳述すると、それぞれの印刷物で循環数が異なることによって、給紙から排紙までの時間が異なり、排紙順序で給紙を行うと所定の循環数を循環し終える順序と異なることから、デカールが終了した順に排紙すると、本来の印刷順序とは異なる順序となってしまうため、循環数が一番多い印刷物に合わせて、一律に全体をデカールしていた。
そこで、本発明は、上記のような問題を解決するものであり、インクジェット等の印刷装置において、循環経路を利用したデカールに際して、用紙毎に印字率に応じた循環数を決定することにより、循環数を必要最低数とし、印刷物全体に要する時間が長時間化するのを回避し、生産性を維持できるシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、用紙に画像を形成する画像形成部を有する印刷装置であって、
前記用紙が給紙される給紙経路を経て、排紙経路へ至る通常搬送路と、通常搬送路に分岐接続され、通常搬送路から用紙が受け渡され、通常搬送路に戻す循環経路とによって環状に構成された搬送経路と、搬送経路中の用紙の乾燥状態を検出する乾燥検出部と、少なくとも画像形成処理におけるインクの吐出量又はインクの濃度のいずれかを含む画像特性を解析する印字率検出部と、印字率に従って各用紙の循環数を決定し、乾燥検出部の検出結果に応じて、各用紙の循環数を変更する循環数決定部と、循環数決定部が決定した循環数に従って、搬送経路中の用紙を前記排紙経路へ導出し、循環数決定部により循環数が変更された場合には、変更された循環数に従って、搬送経路中の用紙を排紙経路へ導出する排紙制御部と、搬送経路中の用紙の間隔を検出し、循環数決定部により循環数が変更された場合には、変更された循環数に従って、搬送経路中の用紙の間隔を再計算する紙間検出部と、紙間検出部が検出した用紙の間隔に応じて、搬送経路中に用紙を印刷順に供給し、紙間検出部により再計算された場合には、紙間検出部が再計算した用紙の間隔に応じて、搬送経路中に用紙を供給する給紙制御部とを有する。
このような本発明によれば、インクの吐出量又はインクの濃度に基づいて印字率を検出し、各用紙の印字率に応じた回数だけ各用紙を循環させるため、デカールの不要な用紙が循環がなされるのを回避し、印刷処理全体が長時間化するのを防止できる。また、給紙制御部により、紙間が検出される毎に、用紙を順次供給することができるため、1ジョブ全ての原稿データがそろわなくても給紙を開始でき、処理時間の短縮を図ることができる。
さらに、乾燥検出部の検出結果に応じて、各用紙の循環数を変更し、変更された循環数に従って、搬送経路中の用紙を排紙経路へ導出し、変更された循環数に従って、搬送経路中の用紙の間隔を再計算し、紙間検出部が再計算した用紙の間隔に応じて、搬送経路中に用紙を供給するので、予定よりも早く乾燥された用紙を排出し、それに応じて次の給紙を繰り上げることができ、印刷時間を短縮させることができる。
上記発明において、循環経路には、通常搬送路に分岐接続され、通常搬送路から用紙が受け渡され、用紙を往復させて通常搬送路に戻すことにより用紙の表裏を反転させる反転経路が含まれ、排紙制御部及び給紙制御部は、用紙の反転制御、及び反転後の裏面に対する画像形成に関する速度及びタイミングも制御することが好ましい。この場合には、反転経路を経由して表裏が反転された用紙を、表面を印刷する用紙の間に挿入し、表面の印刷と裏面の印刷とを並行させるようにスケジューリングすることによって、両面印刷時の生産性を向上させつつ、十分なデカール処理を実行することができる。
上記発明において、給紙制御部は、給紙する用紙と、搬送中の用紙との間隔を、用紙反転の有無の差による時間差に基づく用紙の遅延距離に予め定められた最小紙間を加算した距離以上とする。この場合には、循環経路が反転させる経路と、反転させない経路とを切り替えられる機能を備えている場合などに、その反転機能を用いるか用いないかによる搬送時間の差を吸収することができる。
上記発明において、排紙制御部は、搬送経路中の用紙が、排紙経路と反転経路との切替えポイントに到達したときに、排紙順序、循環回数、及び用紙の表裏の整合性を判断し、この判断結果に基づいて、反転経路と通常経路(排紙経路)との切替えを制御することが好ましい。この場合には、単に循環回数のみならず表裏の整合性も判断した上で、排紙又は循環継続を選択するため、両面印刷時の生産性を維持しつつ、循環回数の適正化を図ることができる。
上記発明において、循環数決定部が決定した循環数に従って、印刷を行う用紙の給紙、画像形成及び搬送に関する速度、順序及びタイミングを記述した運行表を生成する運行表生成部をさらに有し、排紙制御部及び給紙制御部は、運行表に従って、循環経路及び通常経路の搬送駆動を制御し、循環経路と通常経路との切替え、用紙の給紙、画像形成及び搬送に関する速度、及びタイミングを制御することが好ましい。この場合には、予め、給紙条件及び排紙条件を運行表として設定することができ、処理の迅速化を図ることができる。
なお、上記運行表における給紙及び排紙の制御としては、例えば、給紙の際に、搬送経路中に収容可能な枚数が給紙された後は、次の用紙に十分な紙間が検出されるまで給紙を待機させ、必要回数循環され、排紙すべき用紙の表裏と順序とが整合され次第、その排紙により形成された紙間に、次の用紙を挿入するように給紙する。この場合には、本来の印刷順と同様の順序で給紙し、デカールが終了した順に排紙することにより、本来の印刷順序と同様の順序とすることができる。
上記発明において、搬送経路中の用紙の乾燥状態を検出する乾燥検出部をさらに備え、運行表生成部は、乾燥検出部の検出結果に応じて、運行表の再生成を行い、排紙制御部及び給紙制御部は、再生成された運行表に従って、循環経路及び通常経路の搬送駆動を制御し、循環経路と通常経路との切替え、用紙の給紙、画像形成及び搬送に関する速度、及びタイミングを制御することが好ましい。この場合には、この場合には、予定よりも早く乾燥された用紙を排出し、それに応じて次の給紙を繰り上げて、印刷時間を短縮させることができるとともに、排紙及び給紙を繰り上げた際、逐次運行表を再生成することによって、常に適正な給紙条件及び排紙条件を用いることができ、処理の迅速化を図ることができる。
以上述べたように、この発明によれば、インクジェット等の印刷装置において、循環経路を利用したデカールに際して、用紙毎に印字率に応じた循環数を決定することにより、循環数を必要最低数とし、印刷物全体に要する時間が長時間化するのを回避し、生産性を維持することができる。
(印刷装置の全体構成)
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る印刷装置100の印刷用紙搬送経路の概要を示す図である。
本実施形態において、搬送経路は、図1に示すように、用紙が給紙される給紙系搬送路FRを経て、排紙経路へ至る通常搬送路CRと、この通常搬送路CRに分岐接続され、通常搬送路CRから用紙が受け渡され、通常搬送路CRに戻す循環経路(バイパス経路BR)とによって環状に構成されている。また、かかる循環経路には、通常搬送路CRに分岐接続され、通常搬送路CRから用紙が受け渡され、用紙を往復させて通常搬送路CRに戻すことにより用紙の表裏を反転させる反転経路(スイッチバック経路SR)が含まれている。
先ず、印刷装置100は、印刷用紙の供給を行う給紙機構として、筐体側面の外部に露出したサイド給紙台120と、筐体内部に設けられた複数の給紙トレイ(130a、130b、130c、130d)とを備えている。また、印刷済の印刷用紙を排出する排紙機構として排紙口140を備えている。
本実施形態では、印刷装置100は、用紙幅方向に伸び、多数のノズルが形成されたインクヘッドを複数有するヘッドユニット110が設けられ、それぞれのインクヘッドから黒又はカラーインクを吐出してライン単位で印刷を行い、搬送ベルト上の記録用紙上に複数の画像を互いに重なり合うように形成するインクジェット方式のラインカラープリンタとする。
サイド給紙台120、給紙トレイ130のいずれかの給紙機構から給紙された印刷用紙は、ローラ等の駆動機構によって筐体内の給紙系搬送路FRに沿って搬送され、印刷用紙の先頭部分の基準位置であるレジスト部Rに導かれる。レジスト部Rのさらに搬送方向側には、ヘッドユニット110が設けられている。印刷用紙は、ヘッドユニット110の対向面に設けられた搬送ベルト160によって印刷条件により定められる速度で搬送されながら、各印字ヘッドから吐出されたインクによりライン単位で画像形成される。
印刷済の印刷用紙は、さらに、ローラ等の駆動機構によって筐体内を搬送される。印刷用紙の片側の面のみに印刷を行う片面印刷の場合は、そのまま排紙口140に導かれて排紙され、排紙口140の受台として設けられた排紙台150に印刷面を下にして積載されていく。排紙台150は、筐体から突出したトレイ形状をしており、ある程度の厚みを有している。排紙台150は傾斜しており、傾斜の下位置に形成された壁により、排紙口140から排紙された印刷用紙が自然に整えられて重なっていくようになっている。
印刷用紙の両面に印刷を行う両面印刷の場合は、表面(最初に印刷される面を「表面」、次に印刷される面を「裏面」とする)印刷終了時には排紙口140に導かれずに、さらに筐体内を搬送される。このため、印刷装置100は、裏面印刷用に搬送路を切り替えるための切替機構170を備えている。
この切替機構170は、通常搬送路CRから分岐接続されたスイッチバック経路SRと、排紙口140とを、選択的に通常搬送路CRへ接続する切り替え手段であり、これを動作させることによって、通常搬送路CRで搬送中の用紙について、反転経路への導出と排紙とを切り替える。切替機構170によって排出されなかった印刷用紙は、スイッチバック経路SRに引き込まれ、このスイッチバック経路SRにおいて、通常搬送路CRから用紙が受け渡され、用紙を往復させて通常搬送路CRに戻すことにより用紙の表裏を反転させるスイッチバックを行う。
さらに、この切替機構170の下流側には、バイパス経路BRが設けられ、切替機構171により、用紙が通常搬送路CRから、スイッチバック経路SR又はバイパス経路BRに選択的に導かれるようになっている。そして、バイパス経路BR側では、用紙の反転が行われず、そのまま通常搬送路CRに受け渡される。このため、バイパス経路BRを経由することにより、同一の印刷面を循環搬送することができ、同一面を連続してヘッドユニット110に複数回通過させることができる。他方、スイッチバック経路SR側では、通常搬送路CRから受け渡された用紙が、スイッチバック経路SRで往復され、切替機構172が切り換えて通常搬送路CRに戻すことによって、その表裏が反転される。
そして、ローラ等の駆動機構によって、スイッチバック経路SR又はバイパス経路BRのいずれかを経由した印刷用紙は、再度レジスト部Rに導かれ、表面と同様の手順によって裏面の印刷が行われる。裏面の印刷が行われ、両面に画像が形成された印刷用紙は、排紙口140に導かれて排紙され、排紙口140の受台として設けられた排紙台150に積載されていく。
なお、本実施形態では、両面印刷時におけるスイッチバックを、排紙台150内に設けられた空間を利用して行うようにしている。排紙台150内に設けられた空間は、スイッチバック時に印刷用紙が外部から取り出せないように覆われた構成となっている。これにより、利用者が誤ってスイッチバック動作中の印刷用紙を引き抜いてしまうことを防ぐことができる。また、排紙台150は、本来印刷装置100に備えられているものであり、排紙台150内の空間を利用してスイッチバックを行うことにより、印刷装置100内に、別途スイッチバック用の空間を設ける必要がなくなる。したがって、筐体のサイズが増大してしまうことを防ぐことができる。さらには、排紙口とスイッチバック経路とを共用しないため、スイッチバック処理と他の用紙の排紙とを並行して行うことができる。
印刷装置100では、給紙された印刷用紙の先頭部分の基準位置となるレジスト部Rには、両面印刷時に片面印刷済の印刷用紙も搬送されてくる。このため、レジスト部Rの直前部分には、給紙された印刷用紙の搬送経路と、裏面印刷の用紙が循環して搬送されてくる経路とが合流する合流地点が存在する。図2は、給紙系搬送路FRや通常搬送路CR、スイッチバック経路SR等の搬送経路を模式的に示した図である。なお、同図では、便宜上、駆動部を構成するローラの個数は適宜省略している。
給紙系搬送路FRには、サイド給紙台120からの給紙を行うためのサイド給紙駆動部220、給紙トレイ(130a、130b、130c、130d)からの給紙を行うためのトレイ1駆動部230a、トレイ2駆動部230b…が備えられている。いずれの駆動部も複数のローラ等で構成された駆動機構を備え、給紙台又は給紙トレイに積載された印刷用紙を1枚ずつ取り込んで、レジスト部R方向に搬送する。各駆動部は独立に駆動することが可能であり、給紙を行う給紙機構に応じて必要な駆動部の動作が行われる。
また、給紙系搬送路FRには、搬送センサが複数個配置され、給紙系搬送路FRにおける搬送ジャムを検出できるようになっている。各搬送センサは印刷用紙の有無又は印刷用紙の先端を検出するためのセンサであり、例えば、搬送経路上に複数の搬送センサを適当な間隔で並べ、給紙側に設けられた搬送センサが印刷用紙を検出してから所定時間内に搬送方向側の搬送センサが印刷用紙を検出しない場合に、搬送ジャムが発生したと判断することができる。
さらに、給紙部付近に搬送センサを設け、サイド給紙駆動部220、トレイ1駆動部230a等を駆動させてから所定時間内に搬送センサが印刷用紙を検出しない場合に搬送ジャム(給紙エラー)が発生したと判断することができる。搬送センサを各給紙部に対応して配置することで、給紙系搬送路FRにおいて搬送ジャムが発生したことのみならず、給紙系搬送路FRのどこで搬送ジャムが発生したかを特定することができるようになっている。
また、通常搬送路CR上において用紙上面に画像が形成される。そして、本実施形態では、両面印刷の用紙及びデカールが必要な用紙が、スイッチバック経路SR又はバイパス経路BRを経て、通常搬送路CRに循環搬送され、ヘッドユニット110を複数回通過される。
具体的に、この通常搬送路CRには、レジスト部Rに印刷用紙を導くレジスト駆動部240、ヘッドユニット110の対向面に設けられた搬送ベルト160を無端移動させるために駆動するベルト駆動部250、搬送方向側に順に配置される第1上面搬送駆動部260及び第2上面搬送駆動部265、排紙口140に印刷済の用紙を導く上面排出駆動部270、裏面印刷用に印刷用紙をスイッチバック経路SRに引き込んで、反転させて合流地点に導くスイッチバック経路駆動部280が備えられている。いずれの駆動部も1又は複数のローラ等で構成された駆動機構を備え、搬送経路に沿って印刷用紙を1枚ずつ搬送する。各駆動部は独立に駆動することが可能であり、印刷用紙の搬送状況に応じて必要な駆動部の動作が行われる。
さらに、通常搬送路CRにも搬送センサが複数個配置され、通常搬送路CRにおける搬送ジャムを検出できるようになっている。さらに、レジスト部Rにおいても適切に印刷用紙が搬送されていることを確認できるようになっている。通常搬送路CRでは、駆動部対応に搬送センサが設けられており、通常搬送路CRのどの駆動部で搬送ジャムが発生したかを特定することができるようになっている。
スイッチバック経路SRでは、通常搬送路CRと異なる速度で搬送が可能で、通常搬送路CRから用紙を引き継ぐ際に、加速・減速させたり、スイッチバックの際の停止時間を延長したり短縮したりすることができる。
そして、本実施形態においては、ある用紙を給紙した後、その印刷用紙に印刷が施され排紙されるのを待って次の印刷用紙を給紙するのではなく、先行する印刷用紙が排紙される前に、後続の印刷用紙を給紙して、所定の間隔で連続的に印刷することができるようになっている。
詳述すると、本装置における通常の両面印刷では、図5に示すように、用紙は、ヘッドユニット110において印刷された後(同図(a))、通常搬送路CRを循環し、スイッチバック経路SRを経由して表裏が反転され、再度、ヘッドユニット110に戻り(同図(b))、裏面が印刷された後、排出される(同図(c))。このような両面印刷において、反転経路を経由して表裏が反転された用紙(図中での例示では、用紙(1'))は、同図(b)に示すように、表面を印刷する用紙(図中での例示では、用紙(3)と(4))の間に挿入される。
したがって、両面印刷時では、表面の用紙を給紙する際に、スイッチバック経路SRから戻ってきた用紙が挿入される位置を確保するように、予めスペースを確保しておく。これにより、本装置では、表面の印刷と裏面の印刷とを並行させることができ、片面印刷時に対して1/2の生産性を確保することができる。
搬送ベルト160は、ヘッドユニット110に対向する面の前端及び後端に配設された駆動ローラ161及び従動ローラ162に掛け渡されており、図中時計回り方向に回転移動する。なお、この搬送ベルト160に微細な貫通孔を多数開けるとともに、搬送ベルト160の背面に負圧を生じさせ、搬送ベルト160上の用紙を搬送ベルト160に吸着させて拘束することによって、デカールを促進させるようにしてもよい。
また、搬送ベルト160の上面には、そのベルト移動方向に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つのインクヘッドが並べて配置され、複数の画像を互いに重なり合うようにしてカラー画像を形成するヘッドユニット110が対向配置されている。
さらに、図1に示すように、印刷装置100には、演算処理部330が備えられている。この演算処理部330は、CPUやDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ、メモリ、及びその他の電子回路等のハードウェア、或いはその機能を持ったプログラム等のソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成された演算モジュールであり、プログラムを適宜読み込んで実行することにより種々の機能モジュールを仮想的に構築し、構築された各機能モジュールによって、画像データに関する処理や、各部の動作制御、ユーザー操作に対する種々の処理を行う。また、この演算処理部330には、操作パネル330aが接続されており、この操作パネル330aを通じて、ユーザーによる指示や設定操作を受け付けることができる。
そして本実施形態に係る印刷装置100には、上述したスイッチバック経路SR又はバイパス経路BRを経由して、各用紙の印字率に応じた回数だけ各用紙を循環させることにより、印刷済みの用紙を乾燥させてデカールを行う機能が備えられている。なお、本実施形態において、片面印刷時では、片面印刷後にバイパス経路BR側を所定回数循環させることによりデカールを行い、両面印刷時では、スイッチバック経路SRを使用して両面の印字をした後に、次の循環からはバイパス経路BR側を使用してデカールを行う。そして、循環後に排紙を行う。
(デカール処理制御)
本実施形態におけるデカール処理は、演算処理部330によって、画像データの解析や、ヘッドユニット110及び各駆動モータ、各切替機構等の搬送路駆動手段の動作を制御することにより行われる。図3は、演算処理部330におけるデカール処理に係る機能モジュールを示すブロック図である。
図3に示すように、演算処理部330は、デカール処理制御のモジュールとして、主としてデカール処理部332と、画像データ受信部333と、画像処理部331と、搬送制御部334と、制御条件生成部335とを備えている。
画像データ受信部333は、ジョブデータを受信する通信インターフェースであり、受信したジョブデータに含まれる画像データを各処理部331,332及び335に受け渡すモジュールである。
画像処理部331は、画像処理に特化したディジタル信号処理を行う演算処理装置であり、印刷に必要な画像データの変換等を行い、画像形成処理を実行するモジュールである。この画像処理部331は、画像形成制御部331a、色変換回路331bとを備えている。
色変換回路331bは、RGB印刷画像をCMYK印刷画像に変換する回路であり、各色についての印刷画像に基づいて、画像形成制御部331aに印刷を実行させる。また、画像形成制御部331aは、各色のインクヘッドの駆動や、搬送経路の駆動手段の動作を制御し、画像形成処理全体を制御するモジュールであり、制御条件生成部335でスケジューリングされたタイミング及び印字速度で画像形成を行う。
一方、上記デカール処理部332には、操作信号取得部332aと、循環数決定部332bと、印字率検出部332cとが備えられている。
操作信号取得部332aは、操作パネル330aからユーザーによる操作信号を受信するモジュールであり、受信した操作信号を解析し、ユーザー操作に応じた処理を他のモジュールに実行させる。特に、本実施形態において、この操作信号取得部332aは、画像形成に関し、ユーザーがカールの発生を回避すべくデカール処理を実行するか否かの指示操作や設定操作を受け付け、デカール予防処理の要否を循環数決定部332bに出力する機能を担っている。
印字率検出部332cは、各印刷紙面における印字率を計数するモジュールであり、画像データ受信部333によって受信されたジョブデータに含まれる画像データに応じて、画像形成処理におけるインクの吐出量又はインクの濃度のいずれかを含む画像特性を解析し、各色の印字率、及び印字の分布などを検出し、検出結果を出力する。また、この印字率検出部332cは、一連の印刷処理を一単位とするジョブ中に、複数枚の用紙が含まれているとき、ジョブ毎に全枚数の画像を展開して解析を行い、カールが発生しそうな用紙を全て選択し、選択された各用紙の画像特性とともに、制御条件生成部335に出力する。なお、印字率の計数に際しては、画像を複数エリアに分割し、一番印字率の高いエリアや一番条件の悪いエリアの情報を元に判断するようにしてもよい。
循環数決定部332bは、各用紙の印字率に従ってカール発生を推測し、用紙毎の循環数を決定するモジュールであり、この循環数決定部332bにより決定された循環数は、制御条件生成部335に入力される。この循環数決定部332bにおける循環数決定処理では、印字率検出部332cから印字率等の画像特性に関する情報を取得し、しきい値と比較して、各用紙の印字率がしきい値を超えるような場合にカール発生を推測し、その推測結果に応じて決定した循環数を制御条件生成部335に出力する。
特に、本実施形態では、循環数決定部332bには、搬送経路中の用紙の乾燥状態を検出する乾燥検出部336aが接続されており、用紙が、当初予定していた循環数の前に乾燥した場合に、決定した循環数を変更し、その後の運行(給紙、排紙等)を再構成させる機能を備えいている。この乾燥検出部336aとしては、湿度センサや透光センサなど、用紙の含水量を測定できる種々の手段を採用することができる。
なお、この循環数決定部332bには、搬送経路周辺の温度又は湿度を測定する温度・湿度等を接続してもよく、このセンサから温度・湿度を取得し、取得された温度又は湿度に応じて、印字率と比較するしきい値を変更して、解析を行うようにしてもよい。
操作信号取得部332aにおいて、デカール処理が不要であると設定されている場合、循環数決定部332bは、デカールのための循環数の加算を行わず、通常通りの循環数をそのまま出力する。
制御条件生成部335は、各用紙の給紙及び排紙を行うための制御条件を生成するモジュールであり、具体的には、図6に示す運行表の通りに搬送が行われるように、表面に印刷を行う用紙、及び反転経路を経て表裏が反転された用紙の再給紙、画像形成及び搬送に関する速度、順序及びタイミングを決定し、それらが実行されるための給紙・排紙の制御条件を生成する。本実施形態において、制御条件生成部335では、循環数決定部332bが決定したデカールの循環数に従って、印刷を行う用紙の給紙、画像形成及び搬送に関する速度、順序及びタイミングを決定して、上記給紙・排紙の制御条件を生成する。
なお、上記運行表の搬送を行う給紙及び排紙の制御としては、給紙・排紙条件をリアルタイムに監視し、例えば、給紙の際に、搬送経路中に収容可能な枚数が給紙された後、次の用紙に十分な紙間が検出されるまで給紙を待機させ、必要回数循環された用紙が排出され次第、その排紙により形成された紙間に、次の用紙を挿入するように給紙する。すなわち、デカールに必要な循環数に達した場合にはこれを検出して直ちに排紙を実行し、この排紙による空きスペースが検出され次第、そのスペースについて給紙制御条件を参照し、その条件を満たしていれば直ちに給紙を実行する。このため、印刷開始に際しては、1ジョブ全ての原稿データがそろわなくても給紙を開始できる。このような印刷経路内における通常の各用紙の運行表を図6に示す。
なお、図6(b)において、横軸が経過時間であり、縦軸がプロセス時間を示す。特に縦軸については、“0”が給紙プロセスであり、“0”から“2”にかけてのプロセスが通常搬送路CRから排紙経路の手前までを示し、“1”において印字がなされる。なお、このプロセス“1”では、デカール中の用紙については、印字を行わずに単に通過させる。また、通常モードでは、“2”において排紙され、両面印刷では、“2(=−3)”において排紙されずに、スイッチバック経路SR又はバイパス経路BRを経由して“0”のレジスト部Rまで戻り、さらに、通常搬送路CRを経て、所定回数循環した後、“2”において排紙される。
同図に示した例では、1枚目は、循環数が1であり、2枚目〜5枚目までが循環数2としており、1枚目が1回循環し排紙されることによりできた紙間を検出し、この検出された紙間に対し、B点において、6枚目を挿入するように給紙している。また、図中C点で示すように、紙間が検出されても、現在搬送経路中で循環中の他の用紙の循環残数が、次に給紙される用紙の循環数よりも長い場合は、他の用紙の循環残数が減少されるまで、次の用紙の給紙を待機させる。
搬送制御部334は、制御条件生成部335のスケジューリングに応じて、通常搬送路CR、スイッチバック経路SRにおける搬送動作、切替機構170の動作を制御するモジュールである。この搬送制御部334には、循環数決定部332bが決定した循環数に従って、通常搬送路CR中の用紙を排紙経路へ導出する排紙制御部334aと、紙間検出部336cが検出した用紙の間隔に応じて、レジスト部R中に用紙を印刷順に供給する給紙制御部334bとが含まれる。本実施形態に係る排紙制御部334aは、搬送経路中の用紙が、排紙経路と反転経路との切替えポイントに到達したときに、排紙順序、循環回数、及び用紙の表裏の整合性を判断し、この判断結果に基づいて、反転経路と通常経路(排紙経路)との切替えを制御する。
本実施形態において搬送制御部334には、搬送経路中の用紙の間隔を検出する紙間検出部336cが含まれている。この紙間検出部336cは、各種センサにより搬送中の用紙の有無を検知して、搬送経路の搬送速度と、用紙の通過時間とから搬送経路上の紙間(空きスペース)を検出し、次の用紙が給紙可能であるかを判断する。また、搬送制御部334には、循環数測定部336bが接続されており、レジスト部R中の各用紙の循環数、及びレジスト部R中で循環されている枚数を計数する。この循環数測定部336bによる測定結果に応じたタイミングで、排紙制御部334aは排紙を実行する。なお、上記紙間検出部336cと、循環数測定部336bとは独立して動作し、給紙制御と排紙制御とは別途独立させて実行される。
(デカール処理時の動作)
以上の構成を有する印刷装置の動作させることによって、以下のようなデカール処理を実施することができる。図4(a)は、本実施形態に係る印刷装置のデカール処理時における動作を示すフローチャート図である。
先ず、ジョブデータの受信等により画像データが取得されると、画像処理部331により画像データの展開や色変換回路331bによる色変換が行われるとともに、印刷画像に基づいて印字率の検出が行われ(S101)、印字率がしきい値を超えているか否かを段階的に判断し、その印字率に応じて各用紙の循環数が決定され、それに従った運行表を運行するために必要な制御条件が生成される(S102)。このしきい値は、乾燥検出部336aから取得される用紙の乾燥度(湿度や透光度等)に応じて、適宜変更される。
このステップS102において生成される運行表では、印字率が所定のしきい値を越えていない場合、図5に示したような通常の搬送スケジューリングを行い、このスケジューリングに従って、デカール処理を行わない通常の回数ずつの循環させる運行表を生成する。一方、印字率が印字率がしきい値を越えているときには、図6に示したようなデカール処理用の搬送スケジューリングを行う。そして、給紙制御(S103〜S107)と、排紙制御(S108〜S113)を独立させて実行しつつ、印刷処理を開始する。
給紙制御については、上述した運行表に従った制御条件に基づいて、紙間検出部336cが検出する紙間に挿入するように、図6(b)に示すよタイミングで、給紙を開始する(S103)。その後、全ての枚数が給紙し終わるまで(ステップS105における“N”)、紙間があるか否かを逐次監視し(S106)、紙間がない間はループ処理により給紙処理を待機させる(ステップS106における“N”)。
そして、図6(b)中のB点に示すような、紙間が検出され次第(ステップS106における“Y”)、上記ステップS103以降の処理を繰り返し、全枚数分の給紙を実行する。
そして、給紙された各用紙につき、印字制御を実行する。図4(b)は、ステップS107における印字制御の処理手順を示すサブルーチンのフロー図である。なお、この印字制御では、各用紙につき、印字中の循環なのか、デカールのための循環なのかに基づいて、印字の必要性を判断し、印字中の循環であれば、後述する印字制御と、スイッチバック経路SR(又はバイパス経路BR)への切替制御との両方を行い、片面印刷時のストレート排紙、及び両面印刷時の反転排紙の両方に対応している。
具体的には、ストレート排紙か反転排紙か、フェースアップか、フェースダウンかによって、印字のスケジューリング(印字制御条件)を決定する。
この印字制御条件は、
・ 表と裏のどちらを先に印字するか、
・ どのタイミングで反転するか
・ 何巡目でどの画像を印字するか
に基づいて算出される。この結果、本実施形態における排紙処理の制御条件の監視は、具体的には、
・ 表の印字は完了したか
・ 裏の印字は完了したか
・ 乾燥したか(所定循環数完了したか)
・ 現在何巡目であるか
ということになる。この制御条件の例を下表に示す。
この表1では、排紙方法における排紙順と、A面に対応する面との関係を示している。なお、上表において、排紙順番を排紙された順番に排紙1枚目、排紙2枚目、排紙3枚目、…排紙N枚目とする。また、原稿の小さいページ数から順に印刷物に画像を割り当てたとき、ページ数の少ないものを割り当てたものから、原稿1枚目、原稿2枚目、…原稿N枚目とする。
この表2では、印字と反転制御の方法を示しており、各面の循環数及び印字の有無と、最終的な用紙毎の循環数との対応を示している。上表では、排紙直前に画像形成部を通過したとき、画像を形成したか否かにかかわらず、画像形成部と対向する面をA面、その裏面をB面とする。このA面の必要循環数をa、B面の必要循環数をbとしている。
この表3では、上記A面とB面の循環数に応じた全体の循環数の対応を示しており、A面とB面のいずれを先に印字するかも、この対応に基づいて定められる。なお、上表に*1で示したa=1、b=0の場合は、2通りの場合がある。
このような印字制御条件に基づいて、図4(b)に示すように、印字及び循環搬送制御を行う。すなわち、給紙された用紙について印字が必要であるか否かを判断し(S1071)、必要があれば(S1071における“Y”)画像形成手段において対応ページを印刷し、必要がなければ(S1071における“N”)印刷処理をスキップする。
そして、画像形成部を通過し、排紙手段に搬送されている用紙についてスイッチバックが必要かどうかを判断する(S1073)。両面印刷であって、未だ一方の面の印刷が残っている場合には、スイッチバックが必要であるとして(S1073における“Y”)、スイッチバック経路SR経由での循環搬送を行い(S1074)、既に必要な面についての印字が終了しスイッチバックが不要な場合は(S1073における“N”)、バイパス経路BR経由での循環搬送を行う(S1075)。そして、印字が終了した用紙については、当該サブルーチンを終了し(S1076における“Y”)、図4(a)のステップS108に移行し、デカール処理の対象となる。
次いで、印字制御が終了した用紙毎に、デカールの必要性に応じた排紙制御を行う。この排紙制御については、上述した排紙制御条件に基づいて、循環数測定部336bにより、各用紙の循環数をカウントするとともに、用紙の乾燥度を測定する(S108)。ここで、運行表で予定されていた循環数よりも前に用紙の乾燥が検出された場合には(ステップS109における“Y”)、排紙整合性の判断を行う(S110)。他方、乾燥が検出されない場合には(ステップS109における“N”)、運行表に従った制御条件に基づいて、所定数が完了されるまで、再循環させる(ステップS112)。この再循環により、デカールのための乾燥時間の確保と、排紙の整合性が調整される。
ステップS110において、整合性が適正である場合には(S110における“Y”)、排紙を行い(S111)、整合性が適正でない場合には(S110における“N”)、適正となるまで再循環させる(S112)。その後、全ての用紙について、所定回数循環させた後(S113における“Y”)、印刷処理を終了する。
(作用・効果)
このような本実施形態によれば、インクの吐出量又はインクの濃度に基づいて印字率を検出し、各用紙の印字率に応じた回数だけ各用紙を循環させるため、デカールの不要な用紙が循環がなされるのを回避し、印刷処理全体が長時間化するのを防止できる。すなわち、図6の(a)及び(b)を見ても判るように、搬送経路中に同時に収容される複数枚の用紙について一律に循環回数を設定していた従来の運行方式((a))と、本実施形態のように、紙間が検出され次第、次の用紙を給紙する運行方式((b))とを比較すると、(b)の方が早期に印刷が終了している。
また、本実施形態では、搬送経路中の用紙の乾燥状態を検出する乾燥検出部336aを備えているため、予定よりも早く乾燥された用紙を排出し、それに応じて次の給紙を繰り上げることができ、印刷時間を短縮させることができる。
さらに、本実施形態では、スイッチバック経路SRが設けられ、排紙制御部334a及び給紙制御部334bは、用紙の反転制御、及び反転後の裏面に対する画像形成に関する速度及びタイミングも制御することから、スイッチバック経路SRを経由して表裏が反転された用紙を、表面を印刷する用紙の間に挿入し、表面の印刷と裏面の印刷とを並行させるようにスケジューリングすることによって、両面印刷時の生産性を向上させつつ、十分なデカール処理を実行することができる。
上記実施形態において、排紙制御部334aは、搬送経路中の用紙が、排紙経路と反転経路との切替えポイントに到達したときに、排紙順序、循環回数、及び用紙の表裏の整合性を判断し、この判断結果に基づいて、反転経路と通常経路(排紙経路)との切替えを制御するため、単に循環回数のみならず表裏の整合性も判断した上で、排紙又は循環継続を選択するため、両面印刷時の生産性を維持しつつ、循環回数の適正化を図ることができる。
また、本実施形態では、排紙制御部334a及び給紙制御部334bは、運行表に従った制御条件に基づいて、スイッチバック経路SR及び通常搬送路CRの切替え、用紙の給紙、画像形成及び搬送に関する速度、及びタイミングを制御するため、予め、給紙条件及び排紙条件を設定することができ、処理の迅速化を図ることができる。特に、本実施形態では、乾燥検出部336aの検出結果に応じて、運行表の再生成を行い、再生成された運行表に従った制御条件に基づいて、スイッチバック経路SR及び通常搬送路CRの搬送駆動を制御するため、予定よりも早く乾燥された用紙を排出し、それに応じて次の給紙を繰り上げて、印刷時間を短縮させることができるとともに、排紙及び給紙を繰り上げた際、逐次運行表を再生成することによって、常に適正な給紙条件及び排紙条件を用いることができ、処理の迅速化を図ることができる。
以上述べたように、本実施形態によれば、インクジェット等の印刷装置において、反転経路を利用したデカールに際して、用紙毎に印字率に応じた循環数を決定することにより、循環数を必要最低数とし、印刷物全体に要する時間が長時間化するのを回避し、生産性を維持することができる。
(変更例)
次いで、本発明の変更例について説明する。図7は、変更例に係る印刷装置100の印刷用紙搬送経路の概要を示す図である。なお、同図に関し、上述した実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その機能等は特に言及しない限り同一であり、その説明は省略する。
この変更例では、上述した実施形態に係る印刷装置100の構成において、バイパス経路BRが備えられておらず、用紙が再循環されるときには常に反転されることを要旨とする。
詳述すると、図7に示すように、本実施形態に係る印刷装置は、上述した実施形態におけるバイパス経路BRが設けられておらず、常に用紙が通常搬送路CRから、スイッチバック経路SRに導かれるようになっている。
このような変更例における動作制御は、以下の通りに行う。図8は、変更例に係る印刷装置のデカール処理時における動作を示すフローチャート図である。
先ず、ジョブデータの受信等により画像データが取得されると、画像処理部331により画像データの展開や色変換回路331bによる色変換が行われるとともに、印刷画像に基づいて印字率の検出が行われ(S201)、印字率がしきい値を超えているか否かを段階的に判断し、その印字率に応じて各用紙の循環数が決定され、制御条件が生成される(S202)。
このステップS202において生成される制御条件では、印字率が所定のしきい値を越えていない場合、図5に示したような通常の搬送スケジューリングを行い、このスケジューリングに従って、デカール処理を行わない通常の回数ずつの循環させる制御条件を生成する。一方、印字率が印字率がしきい値を越えているときには、図6に示したようなデカール処理用の搬送スケジューリングを行う。そして、給紙制御(S203〜S206)と、排紙制御(S207〜S214)を独立させて実行しつつ、印刷処理を開始する。
給紙制御については、上述した制御条件(運行表)に従って、紙間検出部336cが検出する紙間に挿入するように、図6(b)に示すタイミングで、給紙を開始する(S203)。その後、全ての枚数が給紙し終わるまで(ステップS205における“N”)、紙間があるか否かを逐次監視し(S204)、紙間がない間はループ処理により給紙処理を待機させる(ステップS206における“N”)。
そして、図6(b)中のB点に示すような、紙間が検出され次第(ステップS206における“Y”)、上記ステップS203以降の処理を繰り返し、全枚数分の給紙を実行する。
そして、給紙された各用紙につき、印字制御を行う。この変更例では、各用紙につき、印字中の循環なのか、デカールのための循環なのかに基づいて、印字の必要性を判断し(S207)、印字中の循環であれば(S207における“Y”)、裏面(B面)から表面(A面)の順に印字を行い(S208、S209)、デカールのための循環であれば(S207における“N”)、印字の必要がないことからスルーさせて、排紙条件の監視に移行する(S210)。
次いで、印字制御が終了した用紙毎に、デカールの必要性に応じた排紙制御を行う。この排紙制御については、制御条件を監視し(S210)、上述した制御条件に従って、排紙条件を満たすか否かを判断する(S211)。具体的には、循環数測定部336bにより、各用紙の循環数をカウントするとともに、用紙の乾燥度を測定する。ここで、運行表で予定されていた循環数よりも前に用紙の乾燥が検出された場合、或いは、所定循環数に達した場合に、乾燥が完了した用紙については排出を実行する(S212)。
他方、排紙条件が満たされない場合、すなわち、乾燥が検出されない場合、或いは、所定数が完了されない場合(ステップS211における“N”)、再循環させる(ステップS213)。この循環の際には、搬送中の用紙毎に、排紙経路と反転経路(スイッチバック経路)への切替を制御し、反転経路を経由させて循環を継続させ、デカール処理を行う。その後、全ての用紙について、所定回数循環させた後(S214における“Y”)、印刷処理を終了する。
実施形態に係る印刷装置の概略構成を示す図である。 実施形態に係る印刷装置の搬送路を模式的に示した図である。 実施形態に係る印刷装置における演算処理部のデカール処理にかかる機能モジュールを示すブロック図である。 実施形態に係る印刷装置における給紙・印字・排紙の処理に関する動作を示すフローチャートである。 実施形態に係る印刷装置におけるスケジューリングの基本的な概要を示す説明図である。 実施形態に係る印刷装置におけるデカール時の運行表の概要を示す説明図であり、(a)が従来の運行表であり、(b)が本実施形態に係る運行表である。 変更例に係る印刷装置の概略構成を示す図である。 変更例に係る印刷装置における給紙・印字・排紙の処理に関する動作を示すフローチャートである。
符号の説明
BR…バイパス経路
CR…通常搬送路
FR…給紙系搬送路
R…レジスト部
SR…スイッチバック経路
100…印刷装置
110…ヘッドユニット
120…サイド給紙台
130…給紙トレイ
140…排紙口
150…排紙台
160…搬送ベルト
161…駆動ローラ
162…従動ローラ
170,171,172…切替機構
220…サイド給紙駆動部
230a,230b…トレイ駆動部
240…レジスト駆動部
250…ベルト駆動部
260…第1上面搬送駆動部
265…第2上面搬送駆動部
270…上面排出駆動部
280…スイッチバック経路駆動部
330…演算処理部
330a…操作パネル
330b…湿度センサ
331…画像処理部
331a…画像形成制御部
331b…色変換回路
332…デカール処理部
332a…操作信号取得部
332b…循環数決定部
332c…印字率検出部
333…画像データ受信部
334…搬送制御部
334a…排紙制御部
334b…給紙制御部
335…制御条件生成部
336a…乾燥検出部
336b…循環数測定部
336c…紙間検出部

Claims (6)

  1. 用紙に画像を形成する画像形成部を有する印刷装置であって、
    前記用紙が給紙される給紙経路を経て、排紙経路へ至る通常搬送路と、該通常搬送路に分岐接続され、該通常搬送路から前記用紙が受け渡され、該通常搬送路に戻す循環経路とによって環状に構成された搬送経路と、
    前記搬送経路中の用紙の乾燥状態を検出する乾燥検出部と、
    少なくとも画像形成処理におけるインクの吐出量又はインクの濃度のいずれかを含む画像特性を解析する印字率検出部と、
    前記印字率に従って各用紙の循環数を決定し、前記乾燥検出部の検出結果に応じて、各用紙の循環数を変更する循環数決定部と、
    前記循環数決定部が決定した循環数に従って、前記搬送経路中の用紙を前記排紙経路へ導出し、前記循環数決定部により循環数が変更された場合には、前記変更された循環数に従って、前記搬送経路中の用紙を前記排紙経路へ導出する排紙制御部と、
    前記搬送経路中の用紙の間隔を検出し、前記循環数決定部により循環数が変更された場合には、前記変更された循環数に従って、前記搬送経路中の用紙の間隔を再計算する紙間検出部と、
    前記紙間検出部が検出した用紙の間隔に応じて、前記搬送経路中に用紙を印刷順に供給し、前記紙間検出部により再計算された場合には、前記紙間検出部が再計算した用紙の間隔に応じて、前記搬送経路中に用紙を供給する給紙制御部と
    を有することを特徴とする印刷装置。
  2. 前記循環経路には、前記通常搬送路に分岐接続され、該通常搬送路から前記用紙が受け渡され、該用紙を往復させて該通常搬送路に戻すことにより該用紙の表裏を反転させる反転経路が含まれ、
    前記排紙制御部及び前記給紙制御部は、前記用紙の反転制御、及び反転後の裏面に対する画像形成に関する速度及びタイミングも制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記給紙制御部は、給紙する用紙と、搬送中の用紙との間隔を、用紙反転の有無による時間差に基づく用紙の遅延距離に予め定められた最小紙間を加算した距離以上とすることを特徴とする請求項に記載の印刷装置。
  4. 前記排紙制御部は、前記搬送経路中の用紙が、前記排紙経路と前記反転経路との切替えポイントに到達したときに、排紙順序、循環回数、及び用紙の表裏の整合性を判断し、この判断結果に基づいて、前記反転経路と前記通常経路との切替えを制御することを特徴とする請求項に記載の印刷装置。
  5. 前記循環数決定部が決定した循環数に従って、印刷を行う用紙の給紙、画像形成及び搬送に関する速度、順序及びタイミングを記述した運行表を生成する運行表生成部をさらに有し、
    前記排紙制御部及び前記給紙制御部は、前記運行表に従って、前記循環経路及び前記通常経路の搬送駆動を制御し、該循環経路と該通常経路との切替え、前記用紙の給紙、画像形成及び搬送に関する速度、及びタイミングを制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  6. 前記運行表生成部は、前記乾燥検出部の検出結果に応じて、前記運行表の再生成を行い、
    前記排紙制御部及び前記給紙制御部は、再生成された前記運行表に従って、前記循環経路及び前記通常経路の搬送駆動を制御し、該循環経路と該通常経路との切替え、前記用紙の給紙、画像形成及び搬送に関する速度、及びタイミングを制御する
    ことを特徴とする請求項に記載の印刷装置。
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