JP4533154B2 - 光空間通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、離れた2地点間に対向設置し、自由空間中を光ビームを用いて通信を行う装置であり、角度ずれによる光ビームの光軸補正機能を有する光空間通信装置に関するものである。
一般的に、自由空間中に光ビームを伝搬させて通信を行う光空間通信装置は、光のパワーを効率良く伝送するために、送受信光ビームの拡がり角を極力小さくした狭い光ビームで情報を伝送する必要がある。
しかし、送信光ビームの拡がり角を狭くすると、建物或いは設置架台の風圧や振動による揺れ、温度変動による歪み、経時変化による角度変動等により、送信光ビームが相手方装置から外れ易くなり、安定した通信が困難となる。そのために、光空間通信装置の角度が変化しても、角度変化を補正することにより、常に送信光ビームが相手側装置を向くような光軸ずれ補正機能を有する光空間通信装置が考案されている。
図6は光軸ずれ補正機能を有する光空間通信装置を示し、発光素子1から相手側装置に偏光された送信光ビームが出射され、偏光ビームスプリッタ2で反射され、送受光レンズ3において僅かに拡がりを有する送信光ビームL1となって相手側装置の方向に送信される。
一方、相手側装置から送信されてきた受信光ビームL2は、送信光信号と同じ光軸上で逆の光路を辿り、送受光レンズ3から偏光ビームスプリッタ2に入射するが、受信光ビームL2は偏光方向が送信光ビームL1と直交するように設定されているために、偏光ビームスプリッタ2をそのまま透過し、ビームスプリッタ4に入射する。受信光ビームL2の大部分はビームスプリッタ4で反射し、光ビーム検出用の受光素子5に入射することにより、受信用の信号が検出され、一部の受信光ビームL2はビームスプリッタ4を透過して、光位置検出素子6に入射する。
光位置検出素子6は例えば図7に示すような4分割されたフォトダイオード6a〜6dから成り、受信光ビームL2による光スポットSが入射した場合に、この4つのフォトダイオード6a〜6dの出力を比較することにより、光位置検出素子6上での光スポットSの位置を検出することができる。光位置検出素子6の信号は角度補正情報として制御回路7において演算処理され、駆動回路8に駆動信号が出力される。そして、駆動回路8により垂直方向の駆動機構9及び水平方向の駆動機構10が駆動され、光スポットSの位置が光位置検出素子6の中心に至り、4つのフォトダイオード6a〜6dの出力が全て等しくなるような方向に制御され、光軸ずれ補正が行われる。
ただし、無線通信という性格上、雨、霧、雪等の気象条件により伝搬する受信光ビームが減衰し、通信ができなくなる状態があり得る。このような場合には、相手側装置の受信光ビームL2を検出して行う光軸ずれ補正もできなくなり、自動追尾動作も停止する。このとき、検出される受信光ビームL2のレベルが閾値以下になると、その時点で追尾動作を停止し、その時点での角度駆動機構の位置を保持した状態で、光のレベルが回復して再び追尾動作が可能になるまで待機する。
しかし、自動追尾の停止状態が長時間継続すると、停止期間中に温度変化等の環境変化等で建物や架台が歪み、装置の方向が停止前から変化した場合には、仮に天候が回復しても、受信光ビームL2が光位置検出素子6から外れた状態となって、自動追尾動作を行うこともできず、通信を復帰することができなくなる。
更に、受信光ビームL2のレベルが閾値以下になり、その時点で追尾動作を停止した時点では、受信光ビームL2のレベルが低いため光位置検出素子6の出力にはノイズが多く混入し、位置精度の悪いものとなり、追尾動作を停止した位置自体も本来の位置から外れたものである可能性がある。そのために、停止期間中の角度ずれと重なると、更に通信の復帰が不確実なものになる。
これを解決するために特許文献1には、過去の複数個の駆動位置情報をメモリに保存し、その駆動位置情報を基に過去の位置に順次に戻し、相手側装置の位置を検索する方法が開示されている。
特開2004−15134号公報
しかしながら上述の従来例においては、追尾停止後でも復帰することが可能で、過去の駆動位置情報を基に随時に戻すことになるが、相手側装置も同様に動作するため、1ポイント駆動した後は必ず所定時間待機する必要がある。従って、追尾停止前の信頼性の低い駆動位置情報で時間を費やしてしまい、復帰までにかなりの時間を要してしまうことになる。
また、この動作は相手側装置の動きを考慮し、駆動速度、駆動後の待機時間を綿密に考えなくてはならないため、シーケンスが複雑になり、更に過去の複数の位置情報を保持していなくてはならず、メモリを圧迫する虞れもある。
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、追尾停止後の復帰動作を迅速かつ容易に行い得る光空間通信装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る光空間通信装置の技術的特徴は、相手側装置と光ビームを送受信する光学系と、前記相手側装置からの受信光ビームの入射方向を検出するための第1の位置検出手段と、前記相手側装置に送出する送信光ビームの角度を調整する駆動手段と、該第1の位置検出手段からの信号を基に前記相手側装置に送出する送信光ビームの角度を制御するための駆動信号を前記駆動手段に出力する制御手段と、を備え、前記相手側装置の自動追尾を行い前記相手側装置との光軸ずれを補正するように、前記制御手段が前記駆動手段に前記駆動信号を出力する光空間通信装置であって、前記駆動手段による前記送信光ビームの角度を検出するための第2の位置検出手段と、前記第1の位置検出手段による検出結果をデジタルローパスフィルタにかけた値、又は所定時間内にサンプリングされた前記第1の位置検出手段による検出結果の総和をサンプリング数で除算した値、又は所定時間内にサンプリングされた前記第1の位置検出手段による検出結果の分布のピークとなる値と、該第2の位置検出手段による情報から前記送信光ビームの復帰情報を算出する算出手段と、を備え、前記第1の位置検出手段からの信号が所定レベル以下になると、前記自動追尾を停止すると共に、前記算出手段による前記復帰情報が示す位置に前記送信光ビームの角度を調整し、その後に前記第1の位置検出手段からの信号が所定レベル以上になると、前記自動追尾を再開する。
本発明に係る光空間通信装置によれば、過去の検出結果に基づいて送信光ビームの復帰情報を保持し、受信光ビームが減衰して自動追尾動作を停止した際に、この復帰情報を基に送信光ビームの方向を調整することにより、迅速に相手装置の受信光ビームを捕捉して復帰できる可能性を向上させることができる。
本発明を図1〜図5に図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は本実施例における光空間通信装置の構成図を示し、光学系21内には偏光したレーザー光を発する発光素子22が設けられ、この発光素子22から発光したレーザーの光路には、レンズ23、偏光ビームスプリッタ24が配置され、偏光ビームスプリッタ24の反射方向にはレンズ25、送受光レンズ26が配列されている。一方、偏光ビームスプリッタ24の後方には、ビームスプリッタ27、レンズ28、光位置検出素子29が順次に配列され、ビームスプリッタ27の反射方向にはレンズ30、光信号検出用の受光素子31が配置されている。
また、光位置検出素子29の出力はメモリ32を有する制御回路33に接続されている。更に、この制御回路33には、垂直方向の駆動機構34に取り付けられた角度センサ35、水平方向の駆動機構36に取り付けられた角度センサ37、これらの駆動機構34、36を駆動する駆動回路38が接続されている。なお、角度センサ35、37はロータリエンコーダ、ポテンショメータ、ホール素子、光学的な位置検出素子等から成っている。
相手側装置の送信光ビームL1と偏光方向が直交するようにされた受信光ビームL2は、送受光レンズ26、レンズ25、偏光ビームスプリッタ24をそのまま透過し、ビームスプリッタ27に入射する。受信光ビームL2の大部分はこのビームスプリッタ27で反射され、レンズ30を透過し受光素子31に入射して通信用の信号が検出されるが、一部の受信光ビームL2はビームスプリッタ27、レンズ28を透過して、光位置検出素子29に入射する。
そして、この光位置検出素子29の信号は制御回路33に出力され、角度補正情報として演算処理され、光学系21の駆動回路38に駆動信号として出力され、駆動回路38により垂直方向の駆動機構34及び水平方向の駆動機構36を駆動して、光位置検出素子29で検出された相手側装置の方向に送信光ビームL1が向けられる。
また、角度センサ35、37の角度情報は制御回路33に送られ、制御回路33内のメモリ32に記憶されている1つ前の所定時間内の平均位置データと、この角度情報から最新の平均位置データを算出し、制御回路33内に設けたメモリ32に記憶される。
図2は自動追尾動作の基本フローチャート図を示し、自動追尾を開始するまで、手動による粗調節の作業を行った後に、先ずステップS1においてメモリ32のデータを初期化し、通常の自動追尾動作を開始する。続いてステップS2において、受信光ビームL2が検出されているか否かを判断し、検出されていればステップS3の自動追尾ルーチンに進み、検出できなければステップS2に戻り受信光ビームL2が検出されるまで同様の処理を繰り返す。なお、ここで光ビーム検出とは、受信光ビームL2のレベルが正常に検出可能な規定値以上であるという意味で用いている。
続いて、ステップS3の自動追尾ルーチンが終了し追尾がなされると、ステップS4に進み、メモリ32に保存してある復帰位置に光学系21の方向を調整した後に、ステップS1に戻り初期化を行う。
例えば、基台が大きく歪むなどによる急激な変化により、受信光ビームL2を受光しなくなる以外は、復帰位置に送信光ビームL1を駆動させると、自動追尾の検出範囲内に送信光ビームL1を向けることができるため、通信が回復する可能性が高い。従って、通常はステップS4の処理後にステップS2で光を検出し、自動追尾ルーチンが再開される。
図3は図2のステップS3の自動追尾ルーチンのフローチャート図を示し、ステップS11において光位置検出素子29から位置情報を読み込んだ後に、ステップS12において制御回路33により光軸ずれ補正のための演算処理を行う。ステップS13において、ステップS12における演算結果を駆動回路38に出力し、駆動回路38は駆動機構34、36を駆動することにより光学系21の方向を調整する。続いて、ステップS14においてメモリ32に保存してある過去の所定時間内の復帰情報と、ステップS11において取得した最新の位置情報を基に、最新の復帰位置を算出しメモリ32に上書きする。
ステップS13における演算処理の例としては、例えば所定時間をカットオフ周波数とするデジタルローパスフィルタ(LPF)を経た値、所定時間内にサンプリングされた位置情報の総和をサンプリング数で除算した値、所定時間内にサンプリングされた位置情報の分布のピーク値、所定時間内にサンプリングされた位置情報の分布の中央値等が考えられる。
この所定時間は日照や外気の温度変化等の影響により、図4に示すように通常は一日を周期として装置の方向が変動することが知られているが、この時間単位の最大変動量と送信光ビームL1の拡がり角による変動マージンとシンチレーションや振動の周波数から、送信光ビームL1が相手側装置から外れない時間内で、シンチレーションや振動の変動周波数よりも十分に遅い時間内で最適な値となり、通常は数分程度となる。
図4は送信光ビームL1の一日における方向の変化を示し、時間単位の最大変動量はこのグラフの最も急な傾きに相当する。光学系21の駆動機構34、36は一日の変化に十分対応できる稼動範囲を有しているが、光位置検出素子29の検出範囲は一日の変化範囲より狭くなっている場合が多い。
従って、受信光ビームL2の光スポットは常に光位置検出素子29の中心に位置するように制御されるため、光位置検出素子29の範囲内での装置方向の変化又は制御速度よりも遅い装置方向の変化は追尾機能で吸収され、安定した通信を実現することができる。
図5は光位置検出素子29上の中心にある光スポットSが、周期的な装置の変動によって角度θだけ方向がずれ、光位置検出素子29上から外れた位置の光スポットS’に移動した様子を示している。この角度θが相手側装置の方向を検出できる最大範囲となり、この範囲を越えた位置に復帰したとしても、その後に追尾動作を実行することはできない。
従って、復帰位置の算出は一日の周期的な変動による変化が、この角度θ内に収まる必要があり、この所定時間は(θ/(時間単位の最大変動量))以下となる。
従って、図3のステップS15において、光信号が検出されているか否かを判断し、光信号が検出されていればステップS11に戻り、同様の処理を繰り返す。またステップS15において光信号が検出されなければ、自動追尾ルーチンを終了する。
光空間通信装置の構成図である。 自動追尾動作の基本フローチャート図である。 自動追尾ルーチンのフローチャート図である。 一方向の装置のずれ量の一日の変化のグラフ図である。 光位置検出素子の検出範囲の説明図である。 従来の光空間通信装置の構成図である。 光位置検出素子の説明図である。
符号の説明
21 光学系
22 発光素子
24、27 偏光ビームスプリッタ
26 送受光レンズ
29 光位置検出素子
31 受光素子
32 メモリ
33 制御回路
34、36 駆動機構
35、37 角度センサ
38 駆動回路

Claims (1)

  1. 相手側装置と光ビームを送受信する光学系と、
    前記相手側装置からの受信光ビームの入射方向を検出するための第1の位置検出手段と、
    前記相手側装置に送出する送信光ビームの角度を調整する駆動手段と、
    該第1の位置検出手段からの信号を基に前記相手側装置に送出する送信光ビームの角度を制御するための駆動信号を前記駆動手段に出力する制御手段と
    を備え、
    前記相手側装置の自動追尾を行い前記相手側装置との光軸ずれを補正するように、前記制御手段が前記駆動手段に前記駆動信号を出力する光空間通信装置であって、
    前記駆動手段による前記送信光ビームの角度を検出するための第2の位置検出手段と、
    前記第1の位置検出手段による検出結果をデジタルローパスフィルタにかけた値、又は所定時間内にサンプリングされた前記第1の位置検出手段による検出結果の総和をサンプリング数で除算した値、又は所定時間内にサンプリングされた前記第1の位置検出手段による検出結果の分布のピークとなる値と、該第2の位置検出手段による情報から前記送信光ビームの復帰情報を算出する算出手段と、を備え、
    前記第1の位置検出手段からの信号が所定レベル以下になると、前記自動追尾を停止すると共に、前記算出手段による前記復帰情報が示す位置に前記送信光ビームの角度を調整し、その後に前記第1の位置検出手段からの信号が所定レベル以上になると、前記自動追尾を再開することを特徴とする光空間通信装置。
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