JP4464609B2 - 制動システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、制動システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
アンチスキッド(アンチロック)・ブレーキ・システム(ABS)は、急ブレーキ時のタイヤロックを防止して、急ブレーキ時のハンドル操作も可能にする制動システムであり、アクティブ安全装置として知られている。制動中のABS減圧時間と増圧時間を計測し、減圧時間の積算値、増圧時間の積算値との差を所定の値と比較する事で、増圧タイミングを遅延するものが知られている(下記、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−232631号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、制御システムにおいては、車輪と路面との摩擦係数が左右で異なる場合(跨ぎ路走行中)、増圧時間と減圧時間の積算値に差が生じるので、跨ぎ路走行中である旨を判別できるが、跨ぎ路から均一路(車輪と路面との摩擦係数が等しい)に移動した場合においても、路面状態を跨ぎ路走行中であると判定してしまう。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、跨ぎ路から均一路に移行した場合においても、速やかに路面状態を判別可能な制御システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る制御システムは、ブレーキ液の液圧によってホイルシリンダを駆動することで車輪に制動力を与える制動装置と、前記液圧を制御する液圧制御手段とを備える制動システムにおいて、液圧制御手段は、車輪の実スリップ率が基準値を超えないように液圧を増圧続いて減圧し、減圧後に増圧して車輪に制動力を与えるABS制御である第1モードを実行する場合、減圧が開始された一方の車輪の液圧の増圧時間を正として加算し、減圧時間を負として減算した積算値をABS制御である第1モードの、各車輪における前記液圧が減少を開始してから増加しその後減少を開始するまでの期間である制御サイクル毎にリセットし、液圧制御手段は、制御サイクルの1サイクル目の実行においては、一方の車輪の前記ホイルシリンダの前記液圧の増減圧時間の積算値の前記リセット時における、左右の車輪のホイルシリンダの液圧の増減圧時間の積算値のリセット直前の差を算出し、この差と判定閾値を比較し、その比較結果に応じて左右の車輪の接する路面の摩擦係数が異なるかどうかを判別する判別工程を行うことを常時許可し、制御サイクルの2サイクル目以降又は3サイクル目以降の実行においては、前記判別工程を、左右の車輪の少なくとも一方の制御サイクルがカウントアップするエッジのタイミングでのみ行うことを特徴とする。
【0007】
一方の積算値をリセットすると、複数の制御サイクルにおける積算値が集積しないため、跨ぎ路から均一路に移行した場合においても、誤判定を抑制し、速やかに路面状態を判別することができる。
【0008】
また、このリセットのタイミングは、一方の車輪の減圧開始時又は増圧開始時にすることができる。減圧開始時又は増圧開始時は、1つの制御サイクルにおいて1つであるので、かかるタイミングでリセットを行えば、制御サイクル毎にリセットを行うことができる。
【0009】
また、第1モードはABS制御モードであることを特徴とする。この場合、上述の増圧及び減圧は、車輪の回転がロックしないように行われる。
【0010】
また、液圧制御手段は、一方の車輪のホイルシリンダの液圧のリセット時における左右の車輪のホイルシリンダの液圧の増減圧時間の積算値のリセット直前の差に応じて、左右の車輪の接する路面の摩擦係数が異なるかどうかを判別することを特徴とする。
【0011】
すなわち、路面摩擦係数が異なると、左右の車輪のホイルシリンダの液圧の増減圧時間の積算値が異なるので、これらの差に応じて路面摩擦係数が異なるかどうかを判別することができる。
【0012】
また、液圧制御手段は、一方の車輪のホイルシリンダの液圧のリセット時であって、他方の車輪のホイルシリンダの液圧の減圧開始前における左右の車輪のホイルシリンダの液圧の増減圧時間の積算値のリセット直前の差に応じて、左右の車輪の接する路面の摩擦係数が異なるかどうかを判別することを特徴とする。
【0013】
双方の液圧がリセットされた場合ではなく、一方がリセットされた場合、すなわち、他方の車輪の減圧開始前に路面摩擦係数を判別することにより、より正確に路面摩擦係数が異なるかどうかを判別することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は実施の形態に係る制動システムの構成図である。同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。本実施形態の制動システムは液圧ブレーキ装置であり、電子制御ユニット(以下、ECUと称す)10により制御される。
【0015】
この車両は、車体BDYに設けられた4つの車輪(左前輪WFL、右前輪WFR、左後輪WRL、右後輪WRR)を備えている。各車輪WFL、WFR、WRL、WRRの車輪速は、車輪速センサRFL、RFR、RRL、RRRによって検出され、ECU10に入力される。ECU10は、これらの車輪速に基づいて推定車体速度VBと、各車輪速との差の車体速度に占める割合を実スリップ率SRとして演算する。なお、推定車体速度VBは、4つの車輪の車輪速のうち、最も値の高いものを採用することとする。
【0016】
この車両は、各車輪WFL、WFR、WRL、WRR毎に制動力を与える制動装置(ブレーキパッド等:図示せず)を備えており、各車輪WFL、WFR、WRL、WRR毎の制動装置はホイルシリンダHFL、HFR、HRL、HRRの液圧によって駆動され、液圧に応じて各車輪WFL、WFR、WRL、WRRに与えられる制動力を調整することができる。
【0017】
液圧制御装置11はマスタシリンダ及び各種電磁弁を含み、ECU10の制御によって制御され、ホイルシリンダHFL、HFR、HRL、HRR内の液圧を調整する。ブレーキペダルBPが踏まれると、図示しない踏力スイッチがONとなるとともに、液圧制御装置11内のマスタシリンダ圧が増加し、ブレーキ液の油圧経路を辿ってホイルシリンダHFL、HFR、HRL、HRR内の液圧が増加する。液圧制御装置11は、各ホイルシリンダHFL、HFR、HRL、HRR内の液圧を増圧する他、保持したり、減圧することができる。これらの制御は、ECU10からの指令に基づく。
【0018】
実スリップ率SRが基準値を超えた場合には、ABS制御モードが開始される。ABS制御モードは、上述の増圧、保持、減圧を調整し、実スリップ率を最大摩擦係数が得られる状態に保持するモードである。この場合、上述の増圧及び減圧は、車輪の回転がロックしないように行われる。
【0019】
図2は、車輪のスリップ率(%)と、車輪(タイヤ)と路面の間に働く力(摩擦力)との関係について示すグラフである。上述の液圧の増減圧時間の積算値を増加させればブレーキが強くかかるのでスリップ率は増加し、液圧の増減圧時間の積算値を減少させればスリップ率は減少する。
【0020】
車輪の縦方向(進行方向)に発生する制動力(縦力)は、スリップ率がSLL以上SUL以下で最大(最大値近傍)となる。当該範囲の下限スリップ率SLLは10%程度であり、上限スリップ率SULは20%程度である。これらのスリップ率SLL,SULの間の領域(μピーク領域)は、ABS制御において最大の制動力が得られるスリップ率の目標領域であり、当該範囲から逸脱する強いスリップ率が生じた場合には、スリップ率が低下するように液圧を低下させることによって、縦方向の制動力を増加させることができる。
【0021】
車輪の横方向の制動力(横力)は、スリップ率が0%の時が最大であり、スリップ率の増加と共に単調に減少し、100%の時に殆ど0となる。縦横両方向の制動力を確保し、車体制御性と制動力特性を両立させるため、上述のμピーク領域は、スリップ率10〜20%程度に設定される。
【0022】
図3は、車体速度VB、車輪速VH及びホイルシリンダ内の液圧の時間依存性を示すグラフである。スリップ率は、車輪速VHと車体速度VBの差ΔVeの車体速度に占める割合であるから、目標スリップ率に実スリップ率を一致させるためには、上述の差ΔVeを制御すればよい。
【0023】
ブレーキペダルBPを踏んだ場合、ホイルシリンダの液圧が増加し、車輪速VHと共に車体速度VBが減少する。これらの偏差ΔVeが基準値を超えた場合には、車輪の回転がロックしないように、ABS制御モードが開始され、液圧が減少することで車輪速VHが増加し、車輪速VHと車体速度VBが一致した場合には、再び液圧が増加して車輪速VHが低下する。偏差ΔVeは実スリップ率であるため、液圧制御装置11は、これがμピーク領域内の目標スリップ率となるように液圧の増減圧時間の積算値を調整する。液圧制御装置11は、ECU(液圧制御手段)10によって制御される。
【0024】
なお、液圧の「増減時間」の積算値は、増圧時間の場合には時間を「正」として前回の積算値に加算し、減圧時間の場合には時間を「負」として前回の積算値から減算する。
【0025】
上述の制動システムは、ブレーキ液の液圧によってホイルシリンダHFL、HFR、HRL、HRRを駆動することで車輪WFL、WFR、WRL、WRRに制動力を与える制動装置と、その液圧を制御するECU10とを備えている。ECU10は、車輪WFL、WFR、WRL、WRRの実スリップ率が基準値を超えないように液圧を増圧続いて減圧し、減圧後に増圧して車輪に制動力を与えるABSモードを実行する。
【0026】
これらの液圧はHFL、HFR、HRL、HRRの液圧を直接検出することによって得ることもできるが、マスタシリンダの液圧を測定しておき、増圧、保持及び減圧の時間を計測することにより、間接的に求めることができる。これらは液圧測定はECU10によって実行される。
【0027】
ここで、左右の車輪WFL、WFRの接する路面の摩擦係数が車輪毎に異なる場合について説明する。
【0028】
左右の車輪WFL、WFRがABS制御モードで制動される場合において、一方の路面摩擦係数が低くなると、この車輪はスリップし易くなるわけだから、他方の車輪に比べて早期に減圧が行われる。すなわち、この車輪に対応したホイルシリンダの液圧の増圧時間の積算値は小さいということになる。路面摩擦係数が左右で多少異なることはあるので、ECU10は、通常、左右の車輪WFL、WFRの一方のホイルシリンダHFL、HFRの液圧の増減圧時間の積算値の差が判定閾値を超えた場合に、ECU10は当該路面が跨ぎ路であると判定する。
【0029】
ABS制御モードに入り、各車輪における液圧が減少を開始してから増加し、しかる後、減少を開始するまで期間を1制御サイクルであるとする。ECU10は、左右の車輪WFL、WFRの一方のホイルシリンダHFL、HFRの液圧の増減圧時間の積算値をABSモードの制御サイクル毎にリセットする。
【0030】
左右一方のホイルシリンダHFL、HFRの液圧の積算値をリセットすると、複数の制御サイクルにおける積算値が集積しないため、跨ぎ路から均一路に移行した場合においても、誤判定を抑制し、速やかに路面状態を判別することができる。このリセットのタイミングは、左右一方の車輪の減圧開始時又は増圧開始時にすることができる。減圧開始時又は増圧開始時は、1つの制御サイクルにおいて1つであるので、かかるタイミングでリセットを行えば、制御サイクル毎にリセットを行うことができる。なお、上述の制動力制御は左右の後輪WRL、WRRについても適用することができる。
【0031】
図4は、ECU10内部の機能ブロック図である。
【0032】
ECU10は、右前輪WFRのホイルシリンダHFRの液圧の増減圧時間の積算値を演算する右前輪増減時間演算手段10a、左前輪WFLのホイルシリンダHFLの液圧の増減圧時間の積算値を演算する左前輪増減時間演算手段10b、これらの差分を演算する差分演算手段10c、この差分が判定閾値を超えたかどうかを判定する跨ぎ判別手段10dを備えている。
【0033】
更に、ECU10は、ABS制御モード開始後の制御サイクルを判別する制御サイクル判別手段10e、制御サイクル毎に跨ぎ判別手段10dによる判別を行うタイミングを決定する判別タイミング決定手段10fを備えている。制御サイクル判別手段10eは、今回の減圧開始時から次回の減圧開始時までを1つの制御サイクルとして判別する。
【0034】
1つの制御サイクル内において、右前輪増減時間演算手段10aは右前輪用ホイルシリンダHFR内の液圧の増減圧時間の積算値を演算し、左前輪増減時間演算手段10bは左前輪用ホイルシリンダHFL内の液圧の増減圧時間の積算値を演算する。差分演算手段10cから出力されるこれらの積算値の差は、判別タイミング決定手段10fによって演算された判別タイミング、すなわち、減圧開始時又は増圧開始時において、跨ぎ判別手段10dに入力される。跨ぎ判別手段10dは、この差が判別閾値を超えた場合には、左右の車輪の接する路面摩擦係数が異なるものであると、すなわち、「跨ぎ路走行中」であると判定する。
【0035】
なお、増減時間演算手段10a,10bは、各車輪毎に増圧している時間を「+1」、減圧している時間を「−1」、保持している時間は「0」として、各時間を積算している。ABS制御モード開始前の当該積算値は0である。各制御サイクルがカウントアップしたエッジで、積算値は0とされる。
【0036】
また、判別タイミング決定手段10fは、左右の車輪に対応してABS制御モードが開始されてから、いずれかの車輪が1つの制御サイクル内であれば、常時跨ぎ判別を許可することができる。判別タイミング決定手段10fは、左右の車輪のどちらかが、2サイクルに進行したら、跨ぎ路判別手段10dによる跨ぎ判別を禁止し、左右輪共に3制御サイクル以降であって、且つ、いずれかの制御サイクルがカウントアップするエッジのタイミングでのみ、跨ぎ路判別手段10dによる跨ぎ判別を行わせる。
【0037】
図5はECU10による制御手順を示すフローチャートである。図6は、(a)右前輪のホイルシリンダ内液圧、(b)左前輪のホイルシリンダ内液圧、(c)右前輪のホイルシリンダ内液圧の増減圧時間の積算値、(d)左前輪のホイルシリンダ内液圧の増減圧時間の積算値、(e)これらの積算値の差分のタイミングチャートである。
【0038】
まず、各車輪がABS制御モードであるかどうかを判別する(S1)。ABS制御モードである場合、上述の増減時間演算手段10a,10bによって増減時間積算(増圧時間−減圧時間)を行う(S2)。図6では時刻t0からABS制御モードを開始する。
【0039】
次に、右前輪液圧(a)或いは左前輪液圧(b)の減圧開始エッジであるかどうかを判別し(S3)、減圧開始エッジである場合には、図示しない制御サイクルカウンタに+1を加算し、各車輪に対応する増減圧時間の積算値(c)(d)をクリア(零とする:S4)し、ステップS5を実行する。
【0040】
なお、図6においては、右前輪に関しては時刻t11、t12、t13において、上記積算値クリアが行われており、時刻t0〜時刻t11、時刻t11〜時刻t12、時刻t12〜時刻t13は第1、第2及び第3制御サイクルT11,T12,T13に設定される。また、左前輪に関しては時刻t21、t22、t23において、上記積算値クリアが行われており、時刻t0〜時刻t21、時刻t21〜時刻t22は第1及び第2制御サイクルT21,T22を設定することもできる。
【0041】
なお、ヨーコントロールモード(車両の実ヨーが目標ヨーとなるように制動力を制御するモード)に入っている場合には、当該モードの目標ヨーを実ヨーから演算しており、上記減圧開始エッジでない場合(S3)、目標ヨーがヨーコントロールモードの開始を示すエッジであるかどうかを判別する(S10)。ヨーコンコントロールモードの開始エッジである場合においても、ステップS5を実行する。すなわち、ヨーコンコントロールモードの場合は、当該モードが開始されてから、次回の減圧開始時までを1制御サイクルとする。
【0042】
ステップS5では、差分演算手段10cによって、ΔT(左右の車輪に対応した液圧の増減時間積算値の差)を演算し、左右双方の車輪の制動力制御が1つの制御サイクル以内であるかどうかを判別し(S6)、制御サイクル以内である場合には、図6(e)に示すように、ΔTが判別閾値±THの範囲外かどうか(|ΔT|≧TH)を跨ぎ路判別手段10dによって判定する(S7)。|ΔT|が判別閾値TH以上である場合には、跨ぎ路であると判定し(判別セット:S8)、そうでない場合には均一路であると判定する(判別リセット:S9)。
【0043】
すなわち、左右一方の車輪のホイルシリンダの液圧のリセット時における左右の車輪のホイルシリンダの液圧の増減圧時間の積算値の差に応じて、左右の車輪の接する路面の摩擦係数が異なるかどうかを判別している。すなわち、路面摩擦係数が異なると、左右の車輪のホイルシリンダの液圧の増減圧時間積算値が異なるので、これらの差に応じて路面摩擦係数が異なるかどうかを判別することができる。
【0044】
また、本例では、右前輪の第1制御サイクルの終了時、換言すれば、第2制御サイクル開始時(時刻t11)おいて、ΔTが判別閾値±THの範囲外かどうかを判定している。ECU10は、右前輪のホイルシリンダの液圧のリセット時であって、左前輪のホイルシリンダの液圧の減圧開始(時刻t21)前における左右の車輪のホイルシリンダの液圧の増減圧時間の積算値の差ΔTに応じて、左右の車輪の接する路面の摩擦係数が異なるかどうかを判別している。双方の液圧がリセットされた場合ではなく、一方がリセットされた場合、すなわち、左前輪の減圧開始前に路面摩擦係数を判別することにより、より正確に路面摩擦係数が異なるかどうかを判別することができる。
【0045】
なお、当該判別のタイミングは減圧開始エッジであるかどうか(S3)を判別タイミング決定手段10fによって決定している。
【0046】
ステップS6において、左右双方の車輪の制動力制御が第1の制御サイクル以内でない場合には、制御サイクルカウンタによってカウントされる双方の制御サイクルが3サイクル(+3)以降あって(S11)、且つ、左右の車輪の少なくとも一方が制御サイクルカウントアップエッジである場合(時刻t22,t13)には(S12)、跨ぎ路判定ステップS7を実行するし、いずれの場合でもない場合にはスタートに戻って演算を続ける。ステップS11においては、制御サイクルを3の代わりに2とすることもできる。これは、制御サイクルが2又は3以上で制御状態が安定するからである。
【0047】
従来は、積算値の差ΔTが制御サイクル毎にリセットされていないため、図6(e)に点線で示すように、積算値が集積し、積載車両が均一路に入っても、判定閾値THを超えたままであったが、上述の実施形態に係る制御システムでは、かかる集積がないため、跨ぎ路から均一路に移行した場合においても、速やかに路面状態を判別することができる。
【0048】
なお、ステップS1において、各車輪がABS制御モードでない場合には、制御カウンター及び増減時間積算値をクリアし(S13)、次回の制御に備える。
【0049】
なお、上述の積算値リセット手法は、ABS制御モードの他、トラクションコントロールにも採用することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の制御システムによれば、跨ぎ路から均一路に移行した場合においても、速やかに路面状態を判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る制動システムの構成図である。
【図2】車輪のスリップ率(%)と、車輪(タイヤ)と路面の間に働く力(摩擦力)との関係について示すグラフである。
【図3】車体速度VB、車輪速VH及びホイルシリンダ内の液圧の時間依存性を示すグラフである。
【図4】ECU10内部の機能ブロック図である。
【図5】ECU10による制御手順を示すフローチャートである。
【図6】(a)右前輪のホイルシリンダ内液圧、(b)左前輪のホイルシリンダ内液圧、(c)右前輪のホイルシリンダ内液圧の増減圧時間の積算値、(d)左前輪のホイルシリンダ内液圧の増減圧時間の積算値、(e)これらの積算値の差分のタイミングチャートである。
【符号の説明】
10a,10b…増減時間演算手段、10c…差分演算手段、10d…跨ぎ路判別手段、10e…制御サイクル判別手段、10f…判別タイミング決定手段、11…液圧制御装置BDY…車体、BP…ブレーキペダル、HFL…左前輪用ホイルシリンダ、HFR…右前輪用ホイルシリンダ、RFR,RFL…車輪速センサ。
Claims (1)
- ブレーキ液の液圧によってホイルシリンダを駆動することで車輪に制動力を与える制動装置と、前記液圧を制御する液圧制御手段とを備える制動システムにおいて、
前記液圧制御手段は、
前記車輪の実スリップ率が基準値を超えないように前記液圧を増圧続いて減圧し、減圧後に増圧して前記車輪に制動力を与えるABS制御である第1モードを実行する場合、
左右一方の前記車輪の前記ホイルシリンダの液圧の増圧時間を正として加算し、減圧時間を負として減算した積算値を前記ABS制御である第1モードの、各車輪における前記液圧が減少を開始してから増加しその後減少を開始するまでの期間である制御サイクル毎にリセットし、
前記液圧制御手段は、
前記制御サイクルの1サイクル目の実行においては、一方の前記車輪の前記ホイルシリンダの前記液圧の増減圧時間の積算値の前記リセット時における、左右の前記車輪のホイルシリンダの液圧の増減圧時間の積算値のリセット直前の差を演算し、この差と判定閾値を比較し、その比較結果に応じて左右の車輪の接する路面の摩擦係数が異なるかどうかを判別する判別工程を行うことを常時許可し、前記制御サイクルの2サイクル目以降又は3サイクル目以降の実行においては、前記判別工程を、前記左右の車輪の少なくとも一方の制御サイクルがカウントアップするエッジのタイミングでのみ行うことを特徴とする制御システム。
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