JP3939127B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、立体画像を取り扱う撮像装置に係わり、特に多眼式ステレオ画像の撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被写体等など画像を立体的情報を含んで撮影記録し、これを再生観察する方式には、多種多様な提案がある。その中でも、左右両眼の視点に対応する視差を持った2画像を記録し、これを左右両眼に対してそれぞれ提示するいわゆる2眼式ステレオ方式は、構成が最も簡単で安価な割に効果が大きいため、古くから今日に至るまで利用されている。
【0003】
この2眼式ステレオにおいても提示方式には更に各種あり、例えば大画面による多人数同時観察を行う場合には、偏光メガネを併用した偏光投影方式や、シャッタメガネを併用した時分割提示方式が使用されているが、これらはいずれも大がかりで高価なシステムを必要とするため特殊な業務用途以外には使用されることは少ない。そこでいわゆるパーソナルユースに対しては、同時には1人しか観察できないという制約はあるものの、最も基本的かつ古典的な方法であるステレオペア画像を用いる方式が、極めて安価にまた鮮明な画像を観察できる方式として、今日なお広く使用されている。
【0004】
このステレオペア画像について詳述すれば、左眼視点対応画像であるL画像と右眼視点対応画像であるR画像とが、通常僅かな隙間を介して2枚並列に並べられて1つの画像を構成している。この種の画像の最も手軽な撮影装置として普及している35ミリ1眼レフカメラ+ステレオアダプタのシステム上の制約等のため、LR画像は実際には1つの標準横位置画像(横3:縦2)を縦に2分割した形で構成されており、従って各画像すなわち観察される立体画像は縦位置(横縦比約3:4程度)になっているのが一般的である。
【0005】
本明細書に於いては、このようにLR2画像が空間的に(画像平面上に)併置されて1つの画像を構成しているものをステレオペア画像と称する。なお、上記した具体的な構成(数値等)は一例に過ぎないが、説明を簡明にするために、特記しない場合は上記具体例のものが例として取り上げられていることを前提に説明する。
【0006】
このステレオペア画像は、
(1)記録、印画、伝送、印刷等に際して何らの特殊なシステムを要しない
(2)適当な条件を充たせば、直接立体視観察できる(左右像の融合が何らの装置を用いることなくできる)
という極めて優れた特長を有している。
【0007】
特に(2)に関して詳述すれば、LR画像が正しく左右眼によって捉えられ、2つの異なる画像では無く一つの立体画像として認識される状態を左右像の融合と称するが、例えば適当な大きさ(具体的には横幅が眼幅の2倍よりやや小さい程度=10〜13cm)に印画された「平行配置」(Lを左、Rを右に配置)のものであれば、観察に際しても視線を平行に向けるいわゆる「平行法」(人によっては若干の練習を要するが)を用いることで融合可能である。またこれとは左右の画像を入れ替えた「交差配置」も使用され、こちらは印画サイズの制約が無く、視線を交差させる「交差法」によってやはり直接立体視観察できるが、観察時の眼の疲労と立体観察時の不自然さ(箱庭現象)がやや大きいため、上記平行配置の方がより普及しているものである。
【0008】
いずれにせよこのように(1)システムを選ばず(2)直接観察も可能であるという2つの大きな特長をもつステレオペア画像は、特にインターネットやデジタルカメラの普及などいわゆるメディアミックス化が進めば進むほどその価値が見直され、利用され続けるものと予想される。
【0009】
そこで、本出願人は先にステレオアダプタを通常の単眼撮像光学系に装着し、これによって得られる複数の視差画像を元に電子的なステレオペア画像たるSPM(Stereo Pear in Multimedia)を生成し、これを所定フォーマットの電子画像ファイルSGM(StereoGram in Multimedia)として記録する撮像装置を提案している(特願2000−259489号公報)。
【0010】
しかし、ステレオアダプタにはカメラに入射した光を導くためのミラーが設けられており、このミラーの角度が固定式のものでは、左右の各画枠によって規定される視野が一致するのは特定の1つの被写体距離だけとなる。図5(a)は左右の視野と被写体距離の関係を説明するものであり、奥行方向が上になっている。LRで示す左右両撮像系(アダプタと画枠設定によって、等価的に得られる2系統の撮像系)の各視野の方向はアダプタのミラー角度の設定によって決まるが、或る距離(特定距離:被写体平面C1C2)において視野が一致していたならば、それよりも被写体の距離が近くなると(被写体平面N1N4)、中心被写体に対して左の視野は相対的に左(範囲N1N3)に、右の視野は相対的に右(範囲N2N4)にずれてしまう。また被写体の距離が特定距離よりも遠くなると(被写体平面F1F4)、上記とは逆方向、すなわち左の視野は相対的に右(範囲F2F4)に、右の視野は相対的に左(範囲F1F3)にずれてしまう。
【0011】
このように、水平方向の画枠の相対ずれが生じると、図5(b)左半部の従来図に示すように画枠の共通部分が減ることになるので、再現される立体画像の実効的視野が減少することになる。
【0012】
加えて、被写体と画枠との水平方向の相対的なずれは、被写体と画枠との間の視差と等価であるから、眼には、この画枠の相対的なずれが主要被写体に対する奥行ずれ(遠近ずれ)と認識される。その結果、特に画枠の定位(立体画像観察時に認識される奥行位置)が被写体よりも遠方になった場合には、後方の物体のためにそれよりも手前にある被写体が隠されてしまうという現実には有り得ないような画像認識を強要されるため、極めて不自然な違和感の有る画像となり(すなわち立体画像としての画質低下を生じ)、観察時の疲労も極めて大きくなるという問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、立体画像の画質を向上させ、主要被写体の撮影範囲を十分確保できる撮像装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために次のような手段を講じた。
【0015】
本発明に係る撮像装置は、撮像光学系により結像された被写体像を光電変換する撮像素子と、前記撮像光学系の入力部に装着され、所定の視差を有した異なる位置で前記被写体からの光を受光して、前記撮像素子の異なる領域に導くステレオアダプタと、前記撮像素子の出力に基づいて被写体画像信号を得る撮像手段と、前記被写体画像信号に対して所定のトリミングを行うことにより、前記撮像素子の撮像領域の中に、1つの多眼式ステレオ画像の構成要素である複数のモノキュラ画像に対応した複数の撮影画枠を設定する撮影画枠設定手段と、被写体までの距離を測定する測距手段と、前記測距手段からの被写体距離情報に基づいて、前記撮影画枠の設定位置を調整する調整手段とを備え、前記調整手段は、ΔS≧f・P(1/x−1/x0)/Hになるようにシフト量ΔSを設定する(但し、fは撮像レンズの焦点距離、Hは撮像素子有効撮像面水平長、Pは左右両撮像系のパララックス)ことを特徴とする。
また、本発明に係る他の撮像装置は、撮像光学系により結像された被写体像を光電変換する撮像素子と、前記撮像光学系の入力部に装着され、所定の視差を有した異なる位置で前記被写体からの光を受光して、前記撮像素子の異なる領域に導く複数のミラーあるいはプリズムと、前記撮像素子の出力に基づいて被写体画像信号を得る撮像手段と、前記被写体画像信号に対して所定のトリミングを行うことにより、前記撮像素子の撮像領域の中に、1つの多眼式ステレオ画像の構成要素である複数のモノキュラ画像に対応した複数の撮影画枠を設定する撮影画枠設定手段と、被写体までの距離を測定する測距手段と、前記測距手段からの被写体距離情報に基づいて、前記撮影画枠の設定位置を調整する調整手段とを備え、前記調整手段は、ΔS≧f・P(1/x−1/x0)/Hになるようにシフト量ΔSを設定する(但し、fは撮像レンズの焦点距離、Hは撮像素子有効撮像面水平長、Pは左右両撮像系のパララックス)ことを特徴とする。
【0016】
上記の撮像装置の好ましい実施態様は以下のとおりである。なお、以下の各実施態様は、単独で適用しても良いし、適宜組み合わせて適用しても良い。
(1) 前記複数の撮影画枠に対応して得られた複数のモノキュラ画像に基づいて、所定のステレオ画像取り扱いフォーマットに従った構造化ステレオ画像を生成するステレオ画像生成手段を更に備えたこと。
(2) 前記測距手段による距離情報が視線軸交差点までの距離より遠い場合は前記調整手段は前記撮影画枠の設定位置を基準位置より外側にシフトし、前記測距手段による距離情報が視線軸交差点までの距離より近い場合は前記調整手段は前記撮影画枠の設定位置を基準位置より内側にシフトすること。
(3) 前記調整手段は、(1/x−1/x)に比例するようにシフト量を設定する(但し、xは被写体との距離、xは視線軸交差点までの距離)こと。
(4) 前記調整手段は、ΔS≧f・P(1/x−1/x)/Hになるようにシフト量ΔSを設定する(但し、fは撮像レンズの焦点距離、Hは撮像素子有効撮像面水平長、Pは左右両撮像系のパララックス)こと。
【0017】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係わる電子カメラの回路構成を示すブロック図である。
【0018】
図中101は各種レンズからなるレンズ系、102はレンズ系101を駆動するためのレンズ駆動機構、103はレンズ系101の絞りおよびシャッタを含む露出制御機構、104は光学式ローパスフィルタなどのフィルタ系、105はCCDカラー撮像素子、106は撮像素子105を駆動するためのCCDドライバ、107はA/D変換器等を含むプリプロセス回路、108は色信号生成処理、マトリックス変換処理、その他各種のデジタル処理を行うためのデジタルプロセス回路、109はカードインターフェース、110はCF等のメモリカード、111はLCD画像表示系を示している。
【0019】
また、図中の112は各部を統括的に制御するためのシステムコントローラ(CPU)、113は各種SWからなる操作スイッチ系、114は操作状態及びモード状態等を表示するための操作表示系、115はレンズ駆動機構102を制御するためのレンズドライバ、116は発光手段としてのストロボ、117は露出制御機構103およびストロボ116を制御するための露出制御ドライバ、118は各種設定情報等を記憶するための不揮発性メモリ(EEPROM)を示している。
【0020】
本実施形態の電子カメラにおいては、システムコントローラ112が全ての制御を統括的に行っており、露出制御機構103とCCDドライバ106によるCCD撮像素子105の駆動を制御して露光(電荷蓄積)及び信号の読み出しを行い、それをプリプロセス回路107を介してデジタルプロセス回路108に取込んで、各種信号処理を施した後にカードインターフェース109を介してメモリカード110に記録するようになっている。なお、CCD撮像素子105は、例えば縦型オーバーフロードレイン構造のインターライン型である。
【0021】
ここまでの基本的な構成は従来一般的な電子カメラと同様であるが、本実施形態ではこれに加えて、操作スイッチ系113には、通常モードとステレオモードを切り替えるためのモード切り替えスイッチが設けられている。さらに、システムコントローラ112には、撮像エリアのトリミング領域を設定するための画枠設定部、モノキュラ画像からSPM画像を合成するためのSPM合成部、SPM画像からJPEG画像データを生成するためのSGM生成部が設けられている。
【0022】
本実施形態の電子カメラにおいては、図2に示すように、カメラ本体100にミラー式ステレオアダプタ200が着脱可能となっている。このアダプタ200は、視差程度離れた位置にミラー201、202をそれぞれ配置し、更にこれらのミラー201、202で反射した光をカメラ側に導くためのミラー203、204を配置して構成される。アダプタ200のミラー201に入射した光はミラー203及び撮影レンズ101を介して撮像素子105の左側領域Lに結像され、ミラー202に入射した光はミラー204及び撮影レンズ101を介して撮像素子105の右側領域Rに結像されるようになっている。
【0023】
モードは、通常モードとステレオモードとの切換えスイッチによって指定される。なお、通常モードでは、アダプタ200を取り付けることなく、通常(単眼)カメラと同様に撮像される。
【0024】
ステレオモードでは、ステレオアダプタ200を取り付けた状態でトリガー操作によって、通常のカメラと全く同様の撮像を行う。そして、撮像エリアの全領域から読み出した画像信号に対して、以下の処理を行う。
【0025】
まず、システムコントローラ112に含まれる画枠設定部によって、デジタルプロセス回路108においてトリミングが行われる。即ち、図3に示すように、画面を縦に2分割し、左半分をL画像、右半分をR画像と割り当てる(100%トリミング)。なお、100%トリミングで使用することも可能であるが、本実施形態では枠のシフト量(可変範囲)として各半領域の水平長の10%(±5%)を見込み、撮像画枠水平長は90%となるが、さらに10%程度の像不良(ケラレ・オーバーラップなど)領域を考慮して最終的な画枠水平長を80%に設定している。更に(必須ではないが)縦横バランスを整えるために縦幅も同率でトリミングしたものをそれぞれL、R画像に割り当てる。
【0026】
そして、システムコントローラ112に含まれるSPM合成部によって、デジタルプロセス回路108においてSPM画像が生成される。即ち、上記のトリミングにより得られたL、R画像は、図4に示すように合成され、2つの画像が左右に隙間無く並列配置された1つの画像(SPM画像)となる。このとき、境界領域に或いはさらにSPM画像の周囲に1〜数画素幅の枠線(例えばR=G=B=0の黒)を配して、SPM画像であることが視覚的にも明確となるようにすることも好適な変形例である。
【0027】
そして、SPM画像は、システムコントローラ112に含まれるSGM(Stereo Gram in Multimedia)生成部によって、ステレオデータをヘッダ部として付加されたJPEG画像データに生成される。即ち、記録や伝送に際して画像情報を圧縮しておくことが好適であり、その際任意の方法を用いることが可能であるが、最も標準的な公知のJPEG圧縮を用いる。その際、例えばヘッダ部のユーザー情報領域の所定のタグにステレオ情報を割り当てる。記録する情報は、
a:ステレオであるか否か(デフォルト:Y)
b:ステレオの場合の画像枚数(デフォルト:2)
c:各モノキュラ画像の配置(縦横画素数を含む存在領域)
が基本情報となる。
【0028】
これらの情報があれば、自身或いは他の装置はこの情報を読み取ることによって、元の各モノキュラ画像を分離、再現することができる(画像を伸張した後に数、配置情報に従って各画像を切り出せばよい)。このようなSGMは、1つのステレオ画像の全画像データと、画像データ以外に必要なステレオデータとを1ファイル、即ち取り扱い単位としたものであるから、(狭義の)構造化ステレオ画像の一例である。一般の、例えば汎用PCでの使用やインターネット上での伝送に際しての不可分な取り扱い単位であるから、このうちの一部だけが誤って記録、伝送、消去されるような不具合は生じない。
【0029】
但し、本発明においては、構造化ステレオ画像としては広義のものを対象とする。従って、上記例以外にも、従来例に示したような画像データが複数ファイルに分かれているような形でSGMを構成してもよい。即ち、SGMの形式に拘わらず、小型軽量化やアダプタ使用時の不具合回避などの効果が同様に得られることは自明である。なお、このような複数ファイル形式のSGMを構成するためには、上記トリミング(1つの撮像画枠からのL、R各画像の切り出し)が不可欠となる。
【0030】
生成されたSGMを、システムコントローラ112の指示により働くデジタルプロセス回路108内の記録手段でカードインターフェース109を介してメモリカード110に記録する。
【0031】
なお、SGMが記録されたカードは、例えば汎用PC等のスロット等に差し替えて使用される。カメラ本体は他に入出力ポートを持っており、有線又は無線接続により、生成されたSGMを入出力可能である。また、カード(カードインターフェース)経由で、SGMを入出力することも可能である。
【0032】
なお、本発明においては、距離情報によって範囲を水平シフトすることを特徴としている。この距離情報は、カメラと被写体との距離であって、AFまたはMF連動によって検出される。AFの場合方式は任意だが、本実施形態においてはいわゆる「山登り方式」が用いられており、システムコントローラー112の機能の一部としてのAF部によって(レンズ駆動機構102によるレンズの試行駆動を行ないつつ)距離情報を生成している。なお、MFの場合も含めて、最終的な合焦点に達した時のレンズ繰り出し量から被写体距離を求める。
【0033】
撮像レンズの焦点距離fは、撮像素子の有効撮像領域の水平長をHとしたとき、f=5H/3である。すなわちこのカメラの(通常モード時の)撮像系の水平画角は約33度(35mmフィルム用カメラ換算焦点距離60mm)である。
【0034】
また、アダプタのミラー角度は、例えばアダプタ装着時の左右両眼の視線軸が2mの被写体距離において交差するように設定されている。
【0035】
この場合の視線軸とは、後述する画像トリミングによって設定される左右の各画枠(モノキュラ画枠)の中心点(視野中心点)が、このステレオ撮像光学系(アダプタ装着状態の撮像光学系)によって被写界へ投影されるときの光線軌跡を指す。言い換えれば、視線軸は、左右の各単眼の撮像光学系が通常の(アダプタを用いない)光学系であったと仮想した場合のそれぞれの光軸に相当する。なお、上記のように設定されたアダプタのミラー角度(視線軸が2mで交差)で想定された画枠は、上述の100%トリミング時の画枠(全有効撮像エリアの左右の各半領域)である。
【0036】
左右撮像系のパララックスPは、アダプタの対物開口部(ミラー201および202)における左右両視線軸間の距離として規定される(図2参照)が、本実施形態では人の眼幅とほぼ同じくP=0.06(m)に設定されている。
【0037】
なお、被写体の撮影距離範囲としては1m〜∞を想定している。ここで、被写体距離が2m(視線軸交差点距離)のときの画枠の位置を基準位置として、この基準位置は各半領域のセンターとする。そして、本実施形態においては、この基準位置を基準として被写体距離x(m)の時の画枠シフト量ΔS(半領域の水平長を100%とした相対値(%))を、内側へのシフトを正、外側へのシフトを負として、
ΔS=10×(1/x−1/2) [%] (1)
に制御している。
【0038】
なお、被写体距離xに画枠を定位させる(画枠の奥行定位距離=xとなる)ためのシフト量の条件を表す一般式は、
ΔS=100・f・P(1/x−1/x)/H [%] (2)
である。ここで、fは撮像レンズの焦点距離、Hは撮像素子の有効撮像面の水平長、Pは左右のパララックスである。本実施形態は、この定位条件を満たすべく一般式(2)に対して本実施形態の設定値P=0.06、f/H=5/3を代入して得られる上記式(1)を使用しているものである。
【0039】
上記の式(1)或いは式(2)を充たしている時には、すなわち画枠の奥行定位距離が撮影対象の被写体距離と一致している時には、左右両眼の視野が一致することになる。従って、視野(すなわち、左右の共通視野)はこの場合に最大となり、ケラレを生じないし、更に、画枠が被写体より遠方に位置せず、すなわち被写体領域を制限するものが遠方に位置することがないので、再現される立体画像が不自然になることも無い。図5(b)の右半部に、この時の被写体像と画枠の相対位置関係を示した。
【0040】
本発明は、上記の発明の実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記式(1)又は式(2)で示される条件よりも、シフト量を多少大きくして、より内側にシフトした場合には、視野のケラレは生じる(すなわち、左右の共通視野が減少する)ものの、画枠の定位は被写体より近距離となるから、窓越しに被写体を見るように立体画像が再現されることになり不自然にはならない。このように制御することによって、意識的に(積極的に)窓越し観察のような効果を出すことができる。なお、この窓越し観察効果を与える条件を示す一般式は、式(2)の等号を不等号に置換した
ΔS≧100・f・P(1/x−1/x)/H [%] (3)
であることは言うまでも無い。
【0041】
さらには、上記実施形態では左右両画枠に対するシフト量が同じ(反対方向に同距離)対称シフト法を採用しており、これによって「シフトのための画枠余裕が小さくて済む」また「被写体と画枠との横方向のずれ(立体画像としての)を生じない」という優れた特徴を有してなるものであるが、単に画枠の奥行定位位置だけを問題にする場合は、左右のシフト量が異なっても良く、例えば一方の画枠は固定し、他方のみを上記(1)または(2)式の2倍だけシフトさせるようにしても良い。
【0042】
また、ステレオアダプタはミラーアダプタに限らず、プリズムを用いたプリズムアダプタや、これらを組み合わせたハイブリッドアダプタであっても良い。
【0043】
本発明の要旨を変更しない範囲で種々変形して実施できるのは勿論である。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、被写体との距離に応じて、前記撮影画枠の設定位置を調整(シフト)するようにしたので、立体画像の画質を向上させることができ、更に主要被写体の撮影範囲を十分確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係わる電子カメラの回路構成を示すブロック図。
【図2】 実施形態の電子カメラに装着するミラー式ステレオアダプタの構成を示す図。
【図3】 撮像エリアに設定する画枠を示す図。
【図4】 L、R画像を合成してSPM画像を生成し、更にSGMを生成する様子を示す図。
【図5】 (a)左右の視野と被写体距離の関係を説明する図、および(b)各距離における被写体像と画枠の相対位置関係を示した図。
【符号の説明】
100…カメラ本体
101…レンズ系
102…レンズ駆動機構
103…露出制御機構
104…フィルタ系
105…CCDカラー撮像素子
106…CCDドライバ
107…プリプロセス部
108…デジタルプロセス部
109…カードインターフェース
110…メモリカード
111…LCD画像表示系
112…システムコントローラ(CPU)
113…操作スイッチ系
114…操作表示系
115…レンズドライバ
116…ストロボ
117…露出制御ドライバ
118…不揮発性メモリ(EEPROM)
200…ミラー式ステレオアダプタ
201〜204…ミラー

Claims (4)

  1. 撮像光学系により結像された被写体像を光電変換する撮像素子と、
    前記撮像光学系の入力部に装着され、所定の視差を有した異なる位置で前記被写体からの光を受光して、前記撮像素子の異なる領域に導くステレオアダプタと、
    前記撮像素子の出力に基づいて被写体画像信号を得る撮像手段と、
    前記被写体画像信号に対して所定のトリミングを行うことにより、前記撮像素子の撮像領域の中に、1つの多眼式ステレオ画像の構成要素である複数のモノキュラ画像に対応した複数の撮影画枠を設定する撮影画枠設定手段と、
    被写体までの距離を測定する測距手段と、
    前記測距手段からの被写体距離情報に基づいて、前記撮影画枠の設定位置を調整する調整手段とを備え
    前記調整手段は、ΔS≧f・P(1/x−1/x0)/Hになるようにシフト量ΔSを設定する(但し、fは撮像レンズの焦点距離、Hは撮像素子有効撮像面水平長、Pは左右両撮像系のパララックス)ことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記複数の撮影画枠に対応して得られた複数のモノキュラ画像に基づいて、所定のステレオ画像取り扱いフォーマットに従った構造化ステレオ画像を生成するステレオ画像生成手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 撮像光学系により結像された被写体像を光電変換する撮像素子と、
    前記撮像光学系の入力部に設けられ、所定の視差を有した異なる位置で前記被写体からの光を受光して、前記撮像素子の異なる領域に導く複数のミラーあるいはプリズムと、
    前記撮像素子の出力に基づいて被写体画像信号を得る撮像手段と、
    前記被写体画像信号に対して所定のトリミングを行うことにより、前記撮像素子の撮像領域の中に、1つの多眼式ステレオ画像の構成要素である複数のモノキュラ画像に対応した複数の撮影画枠を設定する撮影画枠設定手段と、
    被写体までの距離を測定する測距手段と、
    前記測距手段からの被写体距離情報に基づいて、前記撮影画枠の設定位置を調整する調整手段とを備え、
    前記調整手段は、ΔS≧f・P(1/x−1/x0)/Hになるようにシフト量ΔSを設定する(但し、fは撮像レンズの焦点距離、Hは撮像素子有効撮像面水平長、Pは左右両撮像系のパララックス)ことを特徴とする撮像装置。
  4. 前記複数の撮影画枠に対応して得られた複数のモノキュラ画像に基づいて、所定のステレオ画像取り扱いフォーマットに従った構造化ステレオ画像を生成するステレオ画像生成手段を更に備えたことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
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