以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
図1に示すように、車両用シートSは、例えば車両の2列目のシートである。車両用シートSは、シート本体S0と、リクライニング装置Rと、第1可動部の一例としての左右の下側構造体S4と、ベース部の一例としての左右のロアレールS5とを有している。なお、本発明において、前後、左右、上下は、シートに座る乗員を基準とする。
シート本体S0は、シートクッションS1と、シートバックS2と、ヘッドレストS3とを備えている。シートバックS2は、シートクッションS1に回動可能に支持されている。詳しくは、シートバックS2は、起立した着座位置(図6(a)の位置)と、シートクッションS1と重なるように折り畳まれた収納位置(図10(a)の位置)との間で回動可能となっている。
リクライニング装置Rは、シートバックS2をシートクッションS1に対して回動可能な状態と回動不能な状態との間で切り替える装置である。リクライニング装置Rは、可動用バネとしてのリクライニングバネR1を有している。リクライニングバネR1は、シートバックS2を着座位置から収納位置に向けて付勢している。
リクライニング装置Rは、シートバックS2を着座位置でロックするための、図示せぬリクライニングロック部材を備えている。シートバックS2の上部には、リクライニングロック部材によるロックを解除するためのリクライニング解除レバーL1が設けられている。なお、リクライニング解除レバーは、シートクッションS1の側面に設けられていてもよいし、シートバックS2の上部とシートクッションS1の側面の両方に設けられていてもよい。
下側構造体S4は、シートクッションS1の下面から突出するように、シートクッションS1の下面の左右に設けられている。下側構造体S4は、シートクッションS1に接続されるベースフレームS41と、ベースフレームS41の下端に固定されるアッパーレールS42とを備えている。アッパーレールS42は、ロアレールS5に対して前後方向にスライド移動可能となっている。シートクッションS1は、ベースフレームS41を介してアッパーレールS42に取り付けられている。
ロアレールS5は、アッパーレールS42を前後方向に移動可能に支持している。ロアレールS5は、車両のフロアF(図6(a)参照)に固定されている。
下側構造体S4には、スライドロック機構10と、簡易ロック機構20とが設けられている。スライドロック機構10は、シート本体S0の前後方向へのスライド移動を禁止または許容するための機構である。スライドロック機構10は、左右の下側構造体S4のそれぞれに設けられている。
図6(b)に示すように、スライドロック機構10は、可動ロック部材としてのスライドロック部材11を備えている。スライドロック部材11は、シート本体S0のスライド移動のロックまたはスライド移動のロックを解除するための部材である。スライドロック部材11は、下側構造体S4に回動可能に支持されており、回動するフック形状の先端部11Aが、ロアレールS5に形成された孔S51に係合可能となっている。スライドロック部材11は、シート本体S0のスライド移動をロックする可動ロック位置(図6(b)の位置)と、シート本体S0のロックを解除する解除位置(図7(b)の位置)との間で回動可能となっている。スライドロック部材11は、図示せぬバネにより、解除位置から可動ロック位置に向けて付勢されている。
図1に戻って、簡易ロック機構20は、シートバックS2が、着座位置と収納位置の間の位置である中間位置(図7(a)の位置)から収納位置に移動するのを規制する機構である。簡易ロック機構20は、左側の下側構造体S4に設けられている。
図6(a),(d)に示すように、簡易ロック機構20は、第2可動部の一例としての連動レバー40と、連動レバー40の動きをロックするためのロック部材50とを備えている。連動レバー40は、シートバックS2の傾動に連動して回動する部材であり、リンク、ギヤ、ベルトなどの図示せぬ動力伝達部材を介してシートバックS2に連結されている。
連動レバー40は、下側構造体S4の左右外側の側面に回動可能に設けられることで、下側構造体S4に対して回動可能となっている。連動レバー40は、第1位置P1と、第1位置P1に対して移動した第2位置P2(図7(d)参照)と、第2位置P2に対して第1位置P1とは反対側の第3位置P3(図10(d)参照)とに回動可能となっている。
詳しくは、連動レバー40は、シートバックS2が着座位置に位置するときに、第1位置P1に位置する。連動レバー40は、シートバックS2が中間位置に位置するときに、第2位置P2に位置する。連動レバー40は、シートバックS2が収納位置に位置するときに、第3位置P3に位置する。そのため、前述したリクライニングバネR1は、連動レバー40が第1位置P1から第3位置P3に向けて移動するように、シートバックS2を介して連動レバー40を付勢している。
ロック部材50は、下側構造体S4の左右外側の側面に回動可能に設けられている。ロック部材50は、連動レバー40が係合することで、連動レバー40が第2位置P2から第3位置P3に移動するのをロックするロック位置(図6(d)の位置)と、連動レバー40との係合が外れることで、連動レバー40が第2位置P2から第3位置P3に移動するのを許容するアンロック位置(図10(d)の位置)とに回動可能となっている。ロック部材50は、図示せぬバネにより、アンロック位置からロック位置に向けて付勢されている。
ロアレールS5には、ロック解除部の一例としてのロック解除ピンS52が設けられている。ロック解除ピンS52は、ロアレールS5の左右外側の側面から突出しており、ロック部材50と前後方向において当接可能となっている。ロック解除ピンS52は、下側構造体S4がロアレールS5に対して前方の所定位置まで移動した場合にロック部材50と当接し、ロック部材50をロック位置からアンロック位置に回動させる機能を有する。
図2に示すように、車両用シートSは、ロック部材50を少なくとも左右外側から覆うカバーCをさらに備えている。本実施形態では、カバーCは、ロック部材50を前後左右上下の外側から覆うように形成されている。
図3に示すように、連動レバー40は、レバー本体41と、ブラケット42と、接触部材43とを有している。連動レバー40を構成する各部材(41~43)は、例えば金属からなる。
レバー本体41は、長尺な板状部材である。レバー本体41は、下端部に、下側構造体S4に設けられる突起によって回動可能に支持される円形の孔41Aを有している。レバー本体41は、回動軸X1を中心にして下側構造体S4に回動可能に取り付けられている。
ブラケット42は、レバー本体41に溶接等により接合されている。これにより、ブラケット42は、レバー本体41を介して下側構造体S4に回動可能に取り付けられ、左右方向に沿った回動軸X1を中心にして下側構造体S4に対して回動可能となっている。
ブラケット42は、回動軸X1に対して直交する平板部42Aと、平板部42Aから回動軸X1が延びる方向に延出する延出部42Bとを有している。平板部42Aは、レバー本体41の孔41Aと同心円となる孔42Cを有している。
延出部42Bは、平板部42Aから左右外側に折り曲げられるように形成されている。延出部42Bは、平板部42Aの周縁の一部を構成する角部に沿ってL字状に屈曲している。詳しくは、延出部42Bは、接触部材43の前端と接触する第1壁B1と、接触部材43の下端と接触する第2壁B2とを有している。
接触部材43は、ロック部材50と接触可能な後端部43Aを有する部材である。接触部材43は、平板部42Aおよび延出部42Bに接触した状態でブラケット42に溶接等により固定されている。接触部材43の前端部には、延出部42Bを平板部42Aから折り曲げることにより形成されるR形状部(図示略)との干渉を避けるための凹部43Bが形成されている。これにより、接触部材43を、平板部42Aおよび延出部42Bに確実に接触させることが可能となっている。
ロック部材50は、下側構造体S4に回動可能に支持される回動シャフト51と、回動シャフト51に溶接等により固定される第1プレート52および第2プレート53と、第1プレート52および第2プレート53を連結する連結軸54と、連結軸54に支持される、係合部55とを有している。ロック部材50を構成する各部材(51~55)は、例えば金属からなる。
回動シャフト51は、円柱状の第1軸部51Aおよび第2軸部51Bと、第1軸部51Aおよび第2軸部51Bよりも大径となるフランジ部51Cとを有している。第1軸部51Aは、フランジ部51Cから左右内側に突出し、下側構造体S4に回動可能に支持されている。第2軸部51Bは、フランジ部51Cから左右外側に突出している。
第1プレート52は、左右方向に直交する略V形状の平板である。具体的に、第1プレート52は、前後方向に長い台形状の本体部52Aと、本体部52Aの後側部分から下に延びる当接部52Bとを有している。当接部52Bの前端は、前述したロック解除ピンS52に当接可能となっている。
本体部52Aは、上面の後側部分が前後方向に沿った平面であり、上面の前側部分が前斜め下に向けて傾斜する傾斜面となる台形状に形成されている。本体部52Aは、第2軸部51Bが通る孔H1と、連結軸54が通る孔H2とを有している。孔H1は、本体部52Aの上部の前側の角部に形成されている。孔H2は、本体部52Aの前端部に形成されている。第1プレート52は、孔H1に第2軸部51Bが入り、かつ、フランジ部51Cに接触した状態で、溶接等により回動シャフト51に固定されている。
連結軸54は、軸部54Aと、軸部54Aよりも大経となるフランジ部54Bとを有している。軸部54Aは、フランジ部54Bから左右外側に突出している。連結軸54は、軸部54Aが第1プレート52の孔H2に入り、かつ、フランジ部54Bが第1プレート52に接触した状態で、溶接等により第1プレート52に固定されている。
係合部55は、連動レバー40の接触部材43と係合する円筒状の部材である。係合部55は、連結軸54の軸部54Aに支持されている。
第2プレート53は、第1プレート52との間で係合部55を挟む第1部位53Aと、第1部位53Aから第1プレート52に向けて延びる第2部位53Bとを有している。第1部位53Aは、第2軸部51Bの先端に設けられたボスと係合する孔H3と、軸部54Aの先端に設けられたボスと係合する孔H4とを有しており、各ボスと各孔H3,H4が係合した状態で、各軸部51B,54Aに溶接等により接合されている。
接触部材43の後端部43Aの左右方向の幅は、当接部52Bの左右方向の幅(板厚)よりも大きい。また、係合部55の左右方向の長さは、接触部材43の後端部43Aの左右方向の幅よりも大きい。これにより、図4に示すように、ロック部材50がロック位置にある場合に連動レバー40に係合するときの左右方向における接触幅WD1は、ロック部材50がロック解除ピンS52に当接するときの左右方向における接触幅WD2よりも大きい。
また、ロック部材50は、左右方向における位置が、リクライニング装置Rと重なっている。ロック部材50の当接部52Bと係合部55は、共に、左右方向において、アッパーレールS42よりも外側に位置している。
また、図6(d)に示すように、ロック部材50は、上下方向における位置が、連動レバー40と重なっている。ロック部材50がロック位置にある場合において、当接部52Bは、係合部55よりも下に位置している。
図1に示すように、シートクッションS1の下には、シートバックS2の動きにスライドロック機構10を連動させるための連動機構30が設けられている。連動機構30は、シートバックS2が着座位置から中間位置に回動すると、スライドロック機構10をロック状態から解除状態にし、シートバックS2が中間位置から収納位置に回動すると、スライドロック機構10を解除状態からロック状態にするように構成されている。
連動機構30は、第1連結部材の一例としての第1ワイヤW1と、第2連結部材の一例としての第2ワイヤW2と、第3連結部材の一例としての第3ワイヤW3と、第4ワイヤW4とを備えている。連動機構30内の部材と簡易ロック機構20の連動レバー40は、第1ワイヤW1および第3ワイヤW3によって連結されている。これにより、シートバックS2の回動により発生する力を、連動機構30に伝達させることが可能となっている。
左右のスライドロック機構10は、それぞれ第2ワイヤW2によって、連動機構30内の部材に連結されている。これにより、シートバックS2から連動機構30に伝達された力を、左右のスライドロック機構10に伝達させることが可能となっている。
シートクッションS1の前端部には、スライドロック機構10によるロックを解除するためのスライドロック解除レバーL2が設けられている。スライドロック解除レバーL2は、第4ワイヤW4によって連動機構30内の部材に連結されている。これにより、スライドロック解除レバーL2に加わる力を、左右のスライドロック機構10に伝達させることが可能となっている。
図5に示すように、連動機構30は、取付部材31と、第1回動部材32と、第2回動部材33と、揺動部材34と、保持部材35と、第1バネ36と、第2バネ37と、揺動用バネ38と、規制用バネ39とを備えている。連動機構30を構成する各部材(31~39)は、例えば金属からなる。
取付部材31は、下側構造体S4に取り付けられる部材である。取付部材31は、板金の周縁部を折り曲げてなる箱状に形成されている。
第1回動部材32および第2回動部材33は、共通の回動軸線X2を中心に回動するように、取付部材31に回動可能に設けられている。詳しくは、第1回動部材32および第2回動部材33は、取付部材31に設けられた円柱状のボス31Aによって回動可能に支持されている。
第1回動部材32は、第1ワイヤW1の一端が連結されるワイヤ連結部32Aを有している。第1ワイヤW1の他端は、前述した連動レバー40に連結されている(図6(d)参照)。これにより、連動レバー40の回動に連動して、第1回動部材32が、第1位置P1に対応した第1回動位置(図6(c)の位置)と、第2位置P2に対応した第2回動位置(図7(c)の位置)と、第3位置P3に対応した第3回動位置(図10(c)の位置)とに回動可能となっている。なお、以下の説明では、第1ワイヤW1によって引っ張られて回動する第1回動部材32の回動方向、つまり時計回り方向の回動方向を、第1回動方向とも称し、第1回動方向とは逆方向を、第2回動方向とも称する。
第1回動部材32は、揺動部材34と係合する係合縁部32Bと、保持部材35の回動を規制する規制縁部32Cとをさらに有している。係合縁部32Bおよび規制縁部32Cは、第1回動部材32の周縁の一部として形成されている。
係合縁部32Bは、揺動部材34の後述する揺動係合部34Aに対して第1回動方向の上流側に位置している。係合縁部32Bは、第1回動部材32が第1回動位置から第2回動位置までの範囲に位置するときに揺動係合部34Aに係合し、第1回動部材32が第2回動位置から第3回動位置に移動する過程において、揺動係合部34Aから外れるように構成されている。これにより、揺動部材34は、連動レバー40が第1位置P1から第2位置P2までの範囲に位置するときに第1回動部材32の係合縁部32Bに係合し、連動レバー40が第2位置P2から第3位置P3に移動する過程において第1回動部材32の係合縁部32Bから外れるようになっている。
規制縁部32Cは、回動軸線X2を中心とする円弧状に形成されている。規制縁部32Cは、第1回動部材32が第1回動位置から第2回動位置に到達する前までの間、保持部材35の後述するピン35Aと接触し、第1回動部材32が第2回動位置に到達すると、ピン35Aから外れるように構成されている。
第1回動部材32は、第1バネ36によって第2回動方向に付勢されている。つまり、第1バネ36は、第1回動部材32を、第1ワイヤW1から力を受ける方向とは逆方向に付勢している。取付部材31は、第1回動部材32が第1回動位置から第2回動方向に移動するのを規制する規制壁31Bを有している。
第2回動部材33は、2本の第2ワイヤW2のそれぞれの一端と、第4ワイヤW4の一端とが連結されるワイヤ連結部33Aを有している。各第2ワイヤW2の他端は、前述した左右のスライドロック部材11にそれぞれ連結されている(図6(b)参照)。また、第4ワイヤW4の他端は、前述したスライドロック解除レバーL2に連結されている(図1参照)。
第2回動部材33は、保持部材35の回動を規制する規制縁部33Bと、第2回動部材33の回動方向において保持部材35と接触可能な接触縁部33Cとをさらに有している。規制縁部33Bおよび接触縁部33Cは、第2回動部材33の周縁の一部として形成されている。
規制縁部33Bは、回動軸線X2を中心とする円弧状に形成されており、回動軸線X2に沿った方向に投影した場合に第1回動部材32の規制縁部32Cと重なっている。規制縁部33Bは、第1回動部材32の規制縁部32Cと同様に、保持部材35のピン35Aと接触または離脱可能となっている。
接触縁部33Cは、規制縁部33Bの第2回転方向の下流端から回動軸線X2に向けて延びている。接触縁部33Cは、保持部材35が後述する規制位置(図7(c)の位置)に位置するときにピン35Aと接触する。
第2回動部材33は、回動軸線X2を中心とする円弧状の孔33Dをさらに有している。取付部材31は、孔33Dに入る規制突起31Cを有している。規制突起31Cは、第2回動部材33が図7に示す位置(第2回動位置に対応した位置)に位置するときに、孔33Dの第1回動方向の上流側の端と接触することで、第2回動部材33が図7に示す位置から第1回動方向に移動するのを規制している。また、取付部材31は、第2回動部材33が図5に示す位置(第1回動位置に対応した位置)から第2回動方向に移動するのを規制する規制片31Dを有している。
第2回動部材33は、第2バネ37によって第2回動方向に付勢されている。つまり、第2バネ37は、第2回動部材33を、第1バネ36の付勢力によって第1回動部材32が回動する方向に付勢している。
揺動部材34は、揺動軸線X3を中心にして第2回動部材33に揺動可能に設けられている。揺動部材34は、第1回動部材32の係合縁部32Bと係合する揺動係合部34Aを有している。揺動係合部34Aは、係合縁部32Bと接触する円筒面を有し、揺動軸線X3に対して第1回動方向の上流に位置している。揺動係合部34Aは、揺動部材34の揺動により、ボス31Aの径方向に移動可能となっている。揺動部材34は、揺動係合部34Aが回動軸線X2に向かう方向に、揺動用バネ38によって付勢されている。
以上のように第1回動部材32、第2回動部材33および揺動部材34が構成されることで、第1回動部材32と第2回動部材33とが第1回動方向にともに回動する状態と、第1回動部材32と第2回動部材33とがそれぞれ別々に回動する状態とが切り替えられ、スライドロック部材11が可動ロック位置から解除位置に移動した後、再び可動ロック位置に移動することが可能となっている。
詳しくは、図6から図7に示すように、連動レバー40が第1位置P1から第2位置P2に移動すると、揺動部材34と第1回動部材32との係合により第1回動部材32と第2回動部材33がともに回動して、スライドロック部材11が可動ロック位置から解除位置に移動する。図9から図10に示すように、連動レバー40が第2位置P2から第3位置P3に移動すると、揺動部材34が第1回動部材32から外れて第1回動部材32と第2回動部材33がそれぞれ別々に回動可能になることで、スライドロック部材11が解除位置から可動ロック位置に移動する。
なお、前述したリクライニングバネR1が連動レバー40等を介して第1回動部材32に加えるトルクは、第1バネ36と第2バネ37が第1回動部材32に加えるトルクよりも大きい。これにより、リクライニングバネR1の付勢力によって引っ張られる第1ワイヤW1によって、第1回動部材32、第2回動部材33および揺動部材34からなるユニットを、第1バネ36および第2バネ37の付勢力に抗して回動させることが可能となっている。
保持部材35は、第1回動部材32が第2回動位置に位置するとき、つまり連動レバー40が第2位置P2に位置するときにおいて、第2回動部材33の第2回動方向への回動を規制して、スライドロック部材11を解除位置に保持する部材である。保持部材35は、保持用軸線X4を中心にして取付部材31に回動可能に設けられている。
保持部材35は、規制縁部32C,33Bおよび接触縁部33Cと係合可能なピン35Aを有している。ピン35Aは、保持部材35の回動により、ボス31Aの径方向に移動可能となっている。
保持部材35は、第2回動部材33の第2回動方向への回動を許容する許容位置(図5の位置)と、第2回動部材33の第2回動方向への回動を規制する規制位置(図7(c)の位置)との間で回動可能となっている。保持部材35は、規制用バネ39によって、許容位置から規制位置に向けて付勢されている。
保持部材35は、第1回動部材32が第1回動位置に位置するとき、つまり連動レバー40が第1位置P1に位置するときに、許容位置に位置する。保持部材35が許容位置に位置するとき、ピン35Aは、規制縁部32C,33Bに接触している。これにより、保持部材35が規制用バネ39の付勢力によって許容位置から規制位置に移動することを、規制縁部32C,33Bによって規制することが可能となっている。
保持部材35は、第1回動部材32が第1回動位置から第2回動位置に移動すると、つまり連動レバー40が第1位置P1から第2位置P2に移動すると、ピン35Aが規制縁部32C,33Bから外れることで、許容位置から規制位置に回動する。保持部材35が規制位置に位置するとき、ピン35Aは、接触縁部33Cと接触している。これにより、第2回動部材33が第2バネ37の付勢力によって第2回動方向に移動することを、ピン35Aによって規制することが可能となっている。
保持部材35は、第3ワイヤW3の一端が連結されるワイヤ連結部35Bをさらに有している。第3ワイヤW3の他端は、前述した連動レバー40に連結されている(図6(d)参照)。これにより、連動レバー40の回動に連動して、保持部材35が規制用バネ39の付勢力に抗して回動するようになっている。
第3ワイヤW3は、第1ワイヤW1よりも大きな遊びをもって保持部材35と連動レバー40に連結されている(図6(d)参照)。これにより、連動レバー40が第1位置P1から第3位置P3に向けて移動を開始する場合には、連動レバー40に第1ワイヤW1で連結された第1回動部材32がすぐに回動し始めるが、連動レバー40に第3ワイヤW3で連結された保持部材35はしばらくの間、回動せず、連動レバー40が第2位置P2から第3位置P3に移動する間に回動し始めるようになっている。
つまり、第1ワイヤW1は、連動レバー40が第1位置P1から第2位置P2に移動する場合と、連動レバー40が第2位置P2から第3位置P3に移動する場合のいずれの場合も、連動レバー40に第1回動部材32を連動させる。一方、第3ワイヤW3は、連動レバー40が第1位置P1から第2位置P2に移動する場合には、連動レバー40に保持部材35を連動させず、連動レバー40が第2位置P2から第3位置P3に移動する場合に、連動レバー40に保持部材35を連動させる。
次に、車両用シートSを折り畳んだ状態で前方に寄せることで車室空間を広くする場合と、前方に寄せた車両用シートSを初期状態に戻す場合における、車両用シートSの操作方法と各部材の動作について説明する。なお、初期状態において車両用シートSや各部材の姿勢および位置は、図6(a)に示す姿勢および位置とする。
図1に示すように、乗員がリクライニング解除レバーL1を操作してリクライニング装置Rのロックを解除すると、リクライニングバネR1の付勢力によって、図6および図7に示すように、シートバックS2が着座位置から中間位置に向けて回動し、これに連動して、連動レバー40が第1位置P1から第2位置P2に向けて回動する。連動レバー40の回動により第1ワイヤW1が引っ張られると、第1回動部材32が第2回動部材33とともに第1回動方向に回動する。
第2回動部材33が第1回動方向に回動すると、第2回動部材33により第2ワイヤW2が引っ張られて、スライドロック部材11が可動ロック位置から解除位置に移動する。連動レバー40が第2位置P2に到達すると、連動レバー40がロック部材50と係合して、連動レバー40の回動が規制される。これにより、連動レバー40が第2位置P2に保持され、ひいてはシートバックS2が中間位置に保持されるとともに、第1回動部材32および第2回動部材33が図7(c)の位置に保持される。そのため、第2回動部材33に連結された第2ワイヤW2で引っ張られているスライドロック部材11が、解除位置に保持される。
また、連動レバー40が第2位置P2に到達する際、保持部材35は、図5に示す規制縁部32C,33Bから外れて、許容位置から規制位置に回動する。これにより、第2回動部材33が、第2バネ37やスライドロック部材11を付勢するバネなどの力を受けて、第2回動方向に回動することが保持部材35によって規制される。
その後、図8に示すように、シート本体S0を前方にスライド移動させると、所定位置において、ロック部材50が、ロック解除ピンS52に当接し、図9に示すように、ロック位置からアンロック位置に回動する。これにより、連動レバー40のロックが解除される。
連動レバー40のロックが解除されると、リクライニングバネR1の付勢力によって、図10に示すように、シートバックS2が中間位置から収納位置に回動するとともに、連動レバー40が第2位置P2から第3位置P3に回動する。
連動レバー40が第2位置P2から第3位置P3に回動すると、連動レバー40が第1ワイヤW1と第3ワイヤW3を引く。第1ワイヤW1が引かれることで、第1回動部材32が第1回動方向に回動して、第2回動位置から第3回動位置に移動する。第3ワイヤW3が引かれることで保持部材35が規制位置から許容位置に回動する。これにより、第2回動部材33が第2回動方向に回動可能な状態となる。
第1回動部材32が第2回動位置から第3回動位置に回動する過程において、揺動部材34が第1回動部材32の係合縁部32Bから外れると、第2回動部材33が第2バネ37(図5参照)の付勢力によって初期位置に戻る。これにより、第2ワイヤW2が緩められ、スライドロック部材11が解除位置から再びロック位置に移動する。以上により、車両用シートSを折り畳んだ状態で前方に寄せて、車室空間を広くすることができる。
前方に寄せた車両用シートSを初期状態に戻す場合には、図11に示すように、乗員は、前方に倒れたシートバックS2を起こして着座位置に戻す。シートバックS2を着座位置に移動させると、リクライニング装置Rのリクライニングロック部材により、シートバックS2が着座位置にロックされる。
また、シートバックS2が収納位置から着座位置に回動すると、これに連動して、連動レバー40が第3位置P3から第1位置P1に回動する。これにより、第1ワイヤW1が緩められて、第1回動部材32が第3回動位置から第1回動位置に回動する。第1回動部材32が第1回動位置に戻ると、揺動部材34が揺動用バネ38の付勢力によって回動軸線X2に向けて揺動して、再び第1回動部材32の係合縁部32B(図5参照)と係合する。
また、連動レバー40が第3位置P3から第1位置P1に回動することで第3ワイヤW3が緩められると、保持部材35が、規制用バネ39の付勢力によって、第1回動部材32および第2回動部材33の規制縁部32C,33Bに押し付けられる。以上により、連動機構30が初期の状態に戻る。
その後、乗員は、図1に示すスライドロック解除レバーL2を操作して、スライドロック部材11のロックを解除して、シート本体S0を後方にスライド移動させることで、車両用シートSを初期状態に戻すことができる。なお、乗員がスライドロック解除レバーL2を操作すると、第4ワイヤW4によって第2回動部材33が第1回動方向に回動され、第2回動部材33が第2ワイヤW2を引っ張ることで、スライドロック部材11のロックが解除される。
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
シートクッションS1(下側構造体S4)のスライド移動をロックするためのスライドロック部材11と、シートクッションS1に対して動くシートバックS2(連動レバー40)とを連動させるための新たな機構を提供することができる。
第1回動部材32および第2回動部材33を、共通の回動軸線X2を中心に回動させる構成とすることで、例えば第1回動部材の回動軸線と第2回動部材の回動軸線が異なる位置に配置される構成と比べ、連動機構30を小型化、ひいては車両用シートSを小型化することができる。
保持部材35によって第2回動部材33の回動を規制することで、スライドロック部材11をより確実に解除位置に保持することができる。
連動レバー40が第1位置から第2位置へ移動すると、ロック部材50により第2位置に保持されるので、シートバックS2を中間位置で保持することができる。連動レバー40が第2位置にある場合に、シートクッションS1をロアレールS5に対して所定位置まで移動させると、ロック部材50がアンロック位置となって、連動レバー40が第2位置から第3位置に移動するので、シートクッションS1を中間位置から収納位置へ移動させることができる。
スライド動作によりシート本体S0を所定位置までスライド動作させることで、第2位置にある連動レバー40の可動範囲を広げるような動作を実現することができる。
ロック部材50の左右方向における位置がリクライニング装置Rと重なっているので、車両用シートSを左右方向に小型化することができる。
接触部材43が平板部42Aおよび延出部42Bに接触した状態でブラケット42に固定されることで、連動レバー40のロック部材50に当接する部分の剛性を高くすることができるので、車両用シートSの動作の剛性感を出すことができる。
カバーCによってロック部材50を覆うので、ロック部材50の周囲にゴミが入ることを抑制でき、車両用シートSの動作の信頼性を向上させることができる。
ロック部材50の当接部52Bと係合部55がアッパーレールS42よりも左右外側に位置しているので、ロック部材50の動作を目視により確認しやすい。
ロック部材50がロック解除ピンS52に当接するときの接触幅WD2よりも、ロック部材50がロック位置にある場合に連動レバー40に係合するときの接触幅WD1の方が大きいので、連動レバー40を第1位置から第2位置に動かしたときの動作の剛性感を向上させることができる。
ロック部材50がロック位置にある場合において、当接部52Bが係合部55よりも下に位置しているので、機構が複雑になることを抑制することができる。
ロック部材50の上下方向における位置が連動レバー40と重なっているので、車両用シートSを上下方向に小型化することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記実施形態では、1つのロック部材50が当接部52Bと係合部55を有する構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、当接部を有する第1部材と、係合部を有する第2部材とがリンク機構等により連動する機構を、ロック部材としてもよい。
第1可動部は、ベース部に対してスライド移動する場合に限らず、回動してもよい。例えば、第1可動部としてのシート本体が、ベース部としてのロアレールに対して鉛直軸周りに回動する構成でもよい。
第2可動部は、第1可動部に対して回動する場合に限らず、スライド移動してもよい。
ベース部は、ロアレールに限定されず、例えばロアレールに固定される他の部材であってもよい。また、ベース部は、車両のフロアに固定される場合に限られない。ベース部がシートクッションであり、第1可動部がシートバックであり、第2可動部が、シートバックに対して回動する部材、例えば、アームレストであってもよい。
前記実施形態では、第2可動部を第1位置にロック可能な第2ロック部材として、リクライニングロック部材を例示したが、本発明はこれに限定されず、第2可動部を第1位置にロック可能な部材であればどのような部材でもよい。
前記実施形態では、第2回動部材を第2回動位置に対応した位置に保持する保持部材を設けたが、第1回動部材が第2回動位置に位置するときにおいて、揺動部材と第1回動部材との係合が保たれる場合には、保持部材はなくてもよい。
連結部材は、ワイヤに限らず、例えばロッドなどであってもよい。
前記実施形態では、連動レバー40をシートバックS2の傾動に連動させたが、本発明はこれに限定されず、例えば、図12~図16に示すように、シート本体S0の全体が傾動する場合には、連動レバー40をシート本体S0の傾動に連動させてもよい。
具体的に、図12に示す形態では、シートクッションS1は、左右方向に沿った回動軸X5を中心にして、下側構造体S4に回動可能に支持されている。シート本体S0は、図12に示す着座位置と、図13に示す第1前傾位置と、図16に示す第2前傾位置との間で回動可能となっている。着座位置において、シートクッションS1の座面は、略水平となっている。第1前傾位置は、着座位置よりもシートクッションS1が前傾した位置である。第2前傾位置は、第1前傾位置よりもシートクッションS1が前傾した位置である。シート本体S0は、図示せぬスプリングによって、着座位置から第2前傾位置に向けて付勢されている。
シートクッションS1は、シート本体S0を着座位置にロックするためのラッチ装置60を備えている。ラッチ装置60は、下側構造体S4に設けられたストライカ70に係合または離脱することで、シート本体S0を下側構造体S4に対して、ロックまたはロック解除する。ストライカ70は、例えば、下側構造体S4の左右のフレームを連結する棒状の部材とすることができる。
図18に示すように、ラッチ装置60は、シートクッションS1に固定される筐体61と、筐体61に回動可能に支持されるラッチ62とを備える。筐体61は、ストライカ70が進入可能な進入溝61Aを有する。ラッチ62は、図18(a)に示す係合位置と、図18(b)に示す離脱位置との間で回動可能となっている。
ラッチ62が係合位置に位置するとき、ラッチ62はストライカ70に係合する。ラッチ62が離脱位置に位置するとき、ラッチ62はストライカ70から離脱する。ラッチ62は、図示せぬバネによって、離脱位置から係合位置に向けて付勢されている。
図12に戻って、シートバックS2の上部には、ラッチ62によるロックを解除するためのラッチ解除レバーL11が設けられている。ラッチ解除レバーL11とラッチ62は、ワイヤW11によって連結されている。
本実施形態に係る連動レバー40は、シート本体S0の回動に連動するように構成されている。具体的には、連動レバー40は、リンク、ギヤ、ベルトなどの図示せぬ動力伝達部材を介してシート本体S0に連結されている。
連動レバー40は、シート本体S0が着座位置に位置するときに、第1位置P1に位置する。連動レバー40は、シート本体S0が第1前傾位置に位置するときに、第2位置P2に位置する(図13参照)。連動レバー40は、シート本体S0が第2前傾位置に位置するときに、第3位置P3に位置する(図16参照)。
次に、第2前傾位置まで前傾させたシート本体S0を前方に寄せることで車室空間を広くする場合と、前方に寄せたシート本体S0を初期状態に戻す場合における、車両用シートSの操作方法と各部材の動作について説明する。なお、初期状態においてシート本体S0や各部材の姿勢および位置は、図12(a)に示す姿勢および位置とする。
図12(a)、図13(a)に示すように、乗員がラッチ解除レバーL11を操作してラッチ装置60のロックを解除すると、図示せぬスプリングの付勢力によって、シート本体S0が着座位置から第1前傾位置に向けて回動し、これに連動して、連動レバー40が第1位置P1から第2位置P2に向けて回動する。連動レバー40の回動により第1ワイヤW1が引っ張られると、第1回動部材32が第2回動部材33とともに第1回動方向に回動する。
第2回動部材33が第1回動方向に回動すると、第2回動部材33により第2ワイヤW2が引っ張られて、スライドロック部材11が可動ロック位置から解除位置に移動する。連動レバー40が第2位置P2に到達すると、連動レバー40がロック部材50と係合して、連動レバー40の回動が規制される。これにより、連動レバー40が第2位置P2に保持され、ひいてはシート本体S0が第1前傾位置に保持されるとともに、第1回動部材32および第2回動部材33が図13(c)の位置に保持される。そのため、第2回動部材33に連結された第2ワイヤW2で引っ張られているスライドロック部材11が、解除位置に保持される。
また、連動レバー40が第2位置P2に到達する際、保持部材35は、許容位置から規制位置に回動する。これにより、第2回動部材33が第2回動方向に回動することが保持部材35によって規制される。
その後、図14に示すように、シート本体S0を前方にスライド移動させると、所定位置において、ロック部材50が、ロック解除ピンS52に当接し、図15に示すように、ロック位置からアンロック位置に回動する。これにより、連動レバー40のロックが解除される。
連動レバー40のロックが解除されると、図16に示すように、図示せぬスプリングの付勢力によって、シート本体S0が第1前傾位置から第2前傾位置に回動するとともに、連動レバー40が第2位置P2から第3位置P3に回動する。
連動レバー40が第2位置P2から第3位置P3に回動すると、連動レバー40が第1ワイヤW1と第3ワイヤW3を引く。第1ワイヤW1が引かれることで、第1回動部材32が第1回動方向に回動して、第2回動位置から第3回動位置に移動する。第3ワイヤW3が引かれることで保持部材35が規制位置から許容位置に回動する。これにより、第2回動部材33が第2回動方向に回動可能な状態となる。
第1回動部材32が第2回動位置から第3回動位置に回動する過程において、揺動部材34が第1回動部材32の係合縁部32Bから外れると、第2回動部材33が第2バネ37(図5参照)の付勢力によって初期位置に戻る。これにより、第2ワイヤW2が緩められ、スライドロック部材11が解除位置から再びロック位置に移動する。以上により、第2前傾位置まで前傾したシート本体S0を前方に寄せて、車室空間を広くすることができる。
前方に寄せたシート本体S0を初期状態に戻す場合には、図17に示すように、乗員は、第2前傾位置のシート本体S0を回動させて着座位置に戻す。シート本体S0を着座位置に移動させると、ラッチ装置60がストライカ70に係合することで、シート本体S0が着座位置にロックされる。
また、シート本体S0が第2前傾位置から着座位置に回動すると、これに連動して、連動レバー40が第3位置P3から第1位置P1に回動する。これにより、第1ワイヤW1が緩められて、第1回動部材32が第3回動位置から第1回動位置に回動する。第1回動部材32が第1回動位置に戻ると、揺動部材34が揺動用バネ38の付勢力によって回動軸線X2に向けて揺動して、再び第1回動部材32の係合縁部32B(図5参照)と係合する。
また、連動レバー40が第3位置P3から第1位置P1に回動することで第3ワイヤW3が緩められると、保持部材35が、規制用バネ39の付勢力によって、第1回動部材32および第2回動部材33の規制縁部32C,33B(図5参照)に押し付けられる。以上により、連動機構30が初期の状態に戻る。
その後、乗員は、図1に示すスライドロック解除レバーL2を操作して、スライドロック部材11のロックを解除して、シート本体S0を後方にスライド移動させることで、車両用シートSを初期状態に戻すことができる。
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。