A.第1実施形態:
A1.装置構成:
図1に示す自動運転バス100は、走行に関する制御の全てが運転手の判断によらずに自動的に実行可能なバスである。自動運転バス100では、センサ部60によって取得される車室内および車室外の状況に基づいて、自動運転バス100の運転を行うためのアクチュエータ群を含む自動運転装置51を駆動することによって、エンジン制御とブレーキ制御と操舵制御とが、運転手に代わって自動的に実行される。自動運転としては、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)において規定されているレベル0からレベル5までの運転レベルのうち、レベル4からレベル5の運転が該当する。
本実施形態の自動運転バス100は、自動運転モードと遠隔操縦モードとの2つの走行モードで走行可能である。遠隔操縦モードでは、自動運転バス100は遠隔操縦元である管理センタ500に配置されているオペレータOPによって遠隔操縦される。自動運転バス100は、自動運転バス100の周辺の画像や、自動運転バス100に搭載された各種センサの検出結果等を管理センタ500に送信し、オペレータOPは、自動運転バス100から受信した画像等を参照しつつ、自動運転バス100を遠隔操縦する。
自動運転バス100は、自動運転装置51と、通信装置53と、報知装置55と、センサ部60と、降車要求入力部71と、目的地表示部72と、制御装置10とを備える。他の形態では、制御装置10は、自動運転バス100の運行を管理し、自動運転バス100と通信可能な管理センタ500に設けられていてもよい。
自動運転装置51は、いずれも図示しない駆動装置と、操舵装置と、ブレーキ装置とを備える。駆動装置は、内燃機関及びモータの少なくともいずれか1つを含み、走行用の駆動力を発生する。操舵装置は、電動ステアリング機構等を含み、自動運転バス100の操舵を実現する。ブレーキ装置は、ディスクブレーキ等を含み、自動運転バス100の制動を実現する。
通信装置53は、管理センタ500との間で無線通信を行って、自動運転バス100の周辺の画像や、センサ部60の検出結果、自動運転バス100の車室内で発生した事象に関する情報等のデータのやりとりを行う。
報知装置55は、自動運転バス100の乗客に向けて、自動運転バス100の行き先や、停留所の案内等の情報を報知する。また、報知装置55は、自動運転バス100の外部に向けて、自動運転バス100の車室内で発生している事象、例えば、急病人の存在や、事件の発生等の情報を報知する。報知装置55は、いずれも図示しない表示装置およびスピーカを備える。表示装置は、自動運転バス100の車室内および車室外に設けられ、画像、文字、記号等を表示可能な液晶パネル等である。スピーカは、自動運転バス100の車室内および車室外に向けて設けられ、音声を出力する。
センサ部60は、自動運転バス100の内部および外部の状況を取得する。センサ部60は、内部カメラ61と、外部カメラ62と、周辺物体センサ63と、位置センサ64と、音声認識センサ65とを備える。
内部カメラ61は、自動運転バス100の車室内に向けられており、車室内の様子を撮影する。内部カメラ61は、乗車口、降車口、降車要求入力部71が設けられている場所の周囲等、車室内の様々の位置に配置されている。内部カメラ61は、例えば、広角カメラである。
外部カメラ62は、自動運転バス100の周囲に向けられており、自動運転バス100の少なくとも進行方向を撮影する。外部カメラ62は、例えば、単眼カメラである。
周辺物体センサ63は、先行車両、隣接車線を走行する車両、対向車両、進入車両、後続車両等の自動運転バス100の周囲を走行する他車両のほか、停止車両、落下物、停止物および歩行者といった様々な周辺物の存在、位置、大きさ、距離等を検出する。周辺物体センサ63として、例えば、レーザーレーダ、ミリ波レーダ、超音波センサ等の反射波を利用した物体センサが挙げられる。
位置センサ64は、自動運転バス100の自己位置を検出する。自己位置は、自動運転バス100の緯度及び経度で表される。位置センサ64として、例えば、全地球航法衛星システム(GNSS)やジャイロセンサ等が挙げられる。自己位置は、自動運転バス100の高度を含んでもよい。
音声認識センサ65は、自動運転バス100の車室内に設けられており、乗客の発話内容を取得し、音声、音量および感情を認識する。
センサ部60は、内部カメラ61、外部カメラ62、周辺物体センサ63、位置センサ64および音声認識センサ65に加えて、車速センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ、操舵角センサ、超音波センサ、温度センサ、赤外線センサ、および荷重センサ等を備えてもよい。
降車要求入力部71は、自動運転バス100に乗車中の乗客の降車要求を受け付ける。本実施形態では、降車要求入力部71は、自動運転バス100の走行中に、次の停留所で自動運転バス100を停車させることを受け付けるための表示(例えば、「とまります」)がされたボタンとして機能する。すなわち、乗客は、降車要求入力部71を押下することにより、降車要求を入力できる。
本実施形態では、降車要求入力部71の入力態様として、ボタンの押下態様が予め定められており、例えば、「1回押下」、「連打」、および「長押し」の3つの態様が定められている。また、降車要求入力部71の押下態様に応じて、自動運転バス100の目的地が設定(変更)される。なお、本実施形態では、自動運転バス100の乗客には、降車要求入力部71の押下態様と、かかる押下態様に対応する目的地とが予め周知されているものとする。したがって、乗客は、降車要求入力部71の押下態様に応じて、自動運転バス100の目的地を変更できるので、車室内の状況に応じて迅速に目的地を設定できる。「1回押下」は、通常の降車ボタンと同様に、乗客の降車意思を受け付ける場合に対応する押下態様である。「連打」は、例えば、トイレを要する乗客がいる場合に対応する押下態様である。「長押し」は、例えば、車室内に急病人がいる場合に対応する押下態様である。降車要求入力部71は、自動運転バス100の座席に座る乗客や、座席以外の箇所、例えば、通路やドア付近の乗客が押すことが可能な車室内の箇所に、複数設けられている。なお、押下態様は、上述の例に限られず、他の任意の態様が設定されていてもよい。
目的地表示部72は、自動運転バス100の目的地を表示する。目的地表示部72は、例えば、表示ボタンや、表示パネル等により構成されている。目的地表示部72は、自動運転バス100の車室内に設けられ、降車要求入力部71の周囲に配置されている。
制御装置10は、いずれも図示しないCPUとメモリとインターフェースとを備えるECUとして構成されている。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを展開して実行することにより、入力受付部11、目的地設定部12、経路設定部13、走行制御部14、車室内状況特定部15、および通報部16として機能する。
入力受付部11は、降車要求入力部71における乗客からの入力を受け付け、降車要求入力部71の押下態様を取得する。
目的地設定部12は、降車要求入力部71の押下態様に応じて自動運転バス100の目的地を設定する。
経路設定部13は、目的地設定部12により設定された目的地までの経路の探索を行い、自動運転バス100の走行経路を設定する。経路設定部13は、自動運転バス100に搭載された図示しないナビゲーション装置を用いて、ナビゲーション装置に内蔵されている地図を用いて目的地までの経路を設定する。
走行制御部14は、自動運転装置51を制御して、自動運転バス100に、設定された走行経路を走行させる。
車室内状況特定部15は、センサ部60の検出結果を用いて、自動運転バス100の車室内において予め定められた種類の事象が発生しているか否かを特定する。本実施形態において、「予め定められた種類の事象」とは、例えば、乗客がトイレや病院を必要とする事象や、車室内に不審物や不審者が存在する事象等、車室内が非常状況であると想定されるために自動運転バス100の走行経路の変更を要する事象を意味する。非常状況とは、自動運転バス100の管理者や、警察等の外部機関と連絡をとる必要がある状況を意味する。
車室内状況特定部15は、例えば、データベース等に、センサ部60により検出され得る乗客の動きや、物体の動き等を、予め定められた各事象と対応づけて登録しておき、センサ部60の検出結果を解析して、データベースに登録されている乗客や物体の動きと照らし合わせることにより、車室内で発生している事象を特定する。例えば、一定期間の間の内部カメラ61の撮像画像において、立っていた乗客が倒れている状態が検出された場合、車室内状況特定部15は、車室内において乗客が病院を必要とする事象が発生していると特定する。また、例えば、一定期間の間の内部カメラ61の撮像画像において、荷台の上に載置された物体が移動しないことを検出させた場合、車室内状況特定部15は、車室内に不審物が存在する事象が発生していると特定する。
通報部16は、自動運転バス100の車室内において予め定められた事象が発生している場合に、報知装置55を用いて、自動運転バス100の外部に事象の発生を通報する。自動運転バス100の外部としては、例えば、自動運転バス100の周囲や、管理センタ500、交番、警察等が該当する。
A2.走行制御処理:
図2に示す走行制御処理は、自動運転バス100の走行中に繰り返し実行される。走行制御処理は、自動運転バス100のイグニッションスイッチがオンにされたことを示す信号が送信され、かかる信号が制御装置10において受信されると、開始される。入力受付部11は、降車要求を受け付ける(ステップS105)。具体的には、入力受付部11は、降車要求入力部71への入力の有無を検出し、入力がある場合にはその入力態様を取得する。
目的地設定部12は、目的地を設定する(ステップS110)。具体的には、図3に示すように、目的地設定部12は、降車要求入力部71の押下態様が3つの押下態様「1回押下」、「連打」、および「長押し」のうちのいずれの態様であるかを判定する(ステップS205)。押下態様が1回押下であると判定した場合(ステップS205:1回押下)、目的地設定部12は、目的地を次の停留所に設定する。一方、押下態様が連打であると判定した場合(ステップS205:1回押下)、目的地設定部12は、目的地を緊急停車場所に設定する(ステップS215)。緊急停車場所としては、現在位置に最も近い車両停車可能場所であり、例えば、路側帯が該当する。なお、目的地設定部12は、連打された回数に応じた緊急停車場所を目的地に設定してもよい。具体的には、連打された回数と緊急停車場所とを予め対応づけておき、例えば、連打された回数が2回の場合、現在位置に最も近く、トイレを有する公共施設や、商業施設を目的地に設定してもよいし、連打された回数が3回の場合には、管理センタ500を目的地に設定してもよい。
上述のステップS215において押下態様が長押しであると判定した場合(ステップS205:長押し)、目的地設定部12は、目的地を最寄りの病院に設定する(ステップS220)。なお、ステップS220において、目的地は、最寄りの病院に代えて、救急車との合流場所(ランデブーポイント)に設定されてもよい。具体的には、目的地設定部12は、最寄りの消防署を探索するとともに、通信装置53を介して交通管理システム、例えば、高度道路交通システム(Intelligent Transport System)との通信によって渋滞情報を取得し、自動運転バス100の現在位置と、救急車の現在位置との中間地点を目的地に設定してもよい。
ステップS210の実行後、または、ステップS215の実行後、または、ステップS220の実行後、図2に示すステップS115が実行される。目的地設定部12は、目的地表示部72に目的地を表示する(ステップS115)。
図4に示すように、目的地表示部72には、自動運転バス100の目的地の候補が表示され、上述のステップS110において設定された目的地(図4に示す例では、緊急停車場所)は、より目立つように表示されている。降車要求入力部71の押下態様に応じて目的地が設定されるたびに、目的地表示部72には、目的地が順次切り替えられて表示される。目的地表示部72は、降車要求入力部71の周囲(図4に示す例では、降車要求入力部71の右側の位置)に設けられているため、乗客に目的地を容易に知らしめることができる。なお、目的地表示部72を省略し、降車要求入力部71に目的地が表示される構成としてもよい。また、目的地に加えて、例えば、管理センタ500と通話する、警察に通報する等の自動運転バス100の外部と連絡をとる手段が表示されてもよい。
図2に示すように、経路設定部13は、走行経路を設定する(ステップS120)。具体的には、経路設定部13は、自動運転バス100の現在位置から上述のステップS110において設定された目的地までの経路を探索し、通信装置53を介して高度道路交通システムから各経路の渋滞情報を取得し、目的地までの所用時間が最も短い経路を走行経路として設定する。
走行制御部14は、自動運転が可能であるか否かを判定する(ステップS125)。具体的には、走行制御部14は、上述のステップS120において設定された走行経路が、予め定められた走行区間に含まれるか否かを判定する。「予め定められた走行区間」とは、法律や、環境等によって予め定められている自動運転可能な走行区間を意味し、例えば、管理センタ500において管理されている。ステップS125を実行するのは、自動運転バス100の目的地の変更に伴って変更された走行経路が自動運転可能な走行区間から外れる場合、自動運転モードから遠隔操縦モードへ切り替える必要があるためである。自動運転が可能であると判定した場合(ステップS125:YES)、走行制御部14は、自動運転バス100を自動運転により走行させる(ステップS135)。他方、自動運転が可能でないと判定した場合(ステップS125:NO)、走行制御部14は、管理センタ500に通知して、自動運転バス100を管理センタ500における遠隔操縦により走行させる(ステップS130)。
通報部16は、外部に事象の発生を通報する(ステップS140)。具体的には、通報部16は、通信装置53を介して管理センタ500に車室内の状況を通知する。例えば、通報部16は、内部カメラ61の撮像画像を管理センタ500に送信する。また、通報部16は、報知装置55を用いて、自動運転バス100の乗客や、自動運転バス100の周囲を走行する車両等に、車室内の状況や、目的地が変更されたこと等をアナウンスする。ステップS140の実行後、走行制御処理は終了し、所定のインターバル時間の経過後、上述のステップS105が実行される。
以上の構成を有する第1実施形態の制御装置10によれば、降車要求入力部71を介して自動運転バス100に乗車中の乗客の降車要求の入力を受け付け、降車要求の入力態様に応じて自動運転バス100の目的地を設定し、設定された目的地までの走行経路を設定し、移動体を制御して設定された走行経路を走行させるので、乗客の降車要求の入力態様に応じた目的地を容易に設定できる。したがって、例えば、自動運転バス100の車室内で急病人や迷惑行為などの事象が発生した場合に、事象に応じた適切な目的地を容易に設定できる。この結果、発生した事象の対処までに要する時間を短縮できる。
また、自動運転バス100の車室内に設けられたセンサ部60の検出結果を用いて、車室内において予め定められた種類の事象が発生しているか否かを特定し、特定された事象の発生を自動運転バス100の外部に通報するので、自動運転バス100の乗客が外部に通報する必要がない。このため、乗客が外部に通報するまでに要する時間を省略できる。
A3.第1実施形態の他の実施形態:
(1)上記形態において、目的地設定部12は、降車要求入力部71の押下態様に加えて、車室内の状況を考慮して目的地を設定してもよい。具体的には、車室内の状況として車室内の危険人物の存否を特定した上で、目的地を設定してもよい。図5に示す本実施形態における走行制御処理は、ステップS107を追加して実行する点と、ステップS110に代えてステップS110aを実行する点とにおいて、図2に示す第1実施形態の走行制御処理と異なる。本実施形態の走行制御処理におけるその他の手順は、第1実施形態の走行制御処理と同じであるので、同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図5に示すように、降車要求が受け付けられると(ステップS105)、車室内状況特定部15は、車室内の状況を特定する(ステップS107)。図6に示すように、車室内状況特定部15は、音声認識センサ65の検出結果を取得する(ステップS305)。車室内状況特定部15は、発声した人物が怒っているか否かを判定する(ステップS310)。具体的には、車室内状況特定部15は、公知な感情認識技術を用いて、取得された音声を発声した人物の感情の状態を特定する。
発声した人物が怒っていないと判定した場合(ステップS310:NO)、車室内状況特定部15は、音声内に特定キーワードが含まれるか否かを判定する(ステップS315)。具体的には、車室内状況特定部15は、公知な音声認識技術を用いて、取得された音声に特定キーワード、例えば、マナー違反を指摘する言葉や、他人を脅す言葉など、乗客同士のケンカや、立てこもり等のトラブルの発生を示すキーワードが含まれているか否かを特定する。
特定キーワードが含まれると判定した場合(ステップS315:YES)、車室内状況特定部15は、音量が所定の閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS320)。具体的には、車室内状況特定部15は、取得された音声の音量が、通常時の自動運転バス100内における音量(例えば、60デシベルから80デシベル程度)に比べて大きいか否かを特定する。なお、上述のステップS310、ステップS315およびステップS320は、任意の順序または同時に実行されてもよい。この場合、車室内状況特定部15は、通信装置53を介して、例えば、管理センタ500に音声データを送信し、感情、音声および音量の各認識結果をそれぞれ取得してもよい。
上述のステップS310において発声した人物が怒っていると判定した場合(ステップS310:YES)、または、上述のステップS315において特定キーワードが含まれると判定した場合(ステップS315:YES)、または、上述のステップS320において音量が所定の閾値よりも大きいと判定した場合(ステップS320:YES)、車室内状況特定部15は、車室内に危険人物が存在すると特定する(ステップS325)。ステップS325の実行後、図5に示すステップS110aが実行される。
図5に示すように、目的地設定部12は、目的地を設定する(ステップS110a)。具体的には、車室内に危険人物がいない場合、目的地設定部12は、第1実施形態と同様に、図3に示す手順により目的地を設定する。他方、車室内に危険人物がいる場合には、目的地設定部12は、最寄りの警察署(交番)を経由地に設定した上で、最寄りの病院を目的地に設定する。危険人物を最寄りの警察署に搬送した後、乗客を最寄りの病院に搬送するためである。ステップS110aの実行後、上述のステップS115が実行される。
本実施形態の走行制御処理によれば、自動運転バス100の車室内の状況、具体的には、危険人物の存否に応じて、より適切な目的地を設定できる。
(2)上記他の実施形態1において、車室内状況特定部15は、音声認識センサ65の検出結果に加えて、内部カメラ61の撮像画像を用いて、危険人物の存否を判定してもよい。このとき、撮像画像の特徴量、および音声認識センサ65の検出結果の特徴量に応じて重み値を設定し、重み値を利用して危険人物の存否を判定してもよい。図7に示す本実施形態における車室内状況特定処理は、ステップS301、ステップS303、ステップS311、ステップS316、ステップS321およびステップS323を追加して実行する点において、図6に示す上記他の実施形態1の車室内状況特定処理と異なる。本実施形態の車室内状況特定処理におけるその他の手順は上記他の実施形態1の車室内状況特定処理と同じであるので、同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
車室内状況特定処理が開始されると、車室内状況特定部15は、内部カメラ61の撮像画像を取得する(ステップS301)。車室内状況特定部15は、第1重み値を決定する(ステップS303)。具体的には、車室内状況特定部15は、撮像画像に含まれる人物や、物体を検出し、検出された人物および物体のオクルージョンの程度に応じて、第1重み値を決定する。例えば、撮像画像中の人物および物体の大部分が検出できている場合、すなわち、オクルージョンが軽度である場合、第1重み値を基準値よりも大きく設定する。また、例えば、撮像画像中の人物および物体の半分より少ない部分しか検出できていない場合、すなわち、オクルージョンが重度である場合には、第1重み値を基準値よりも小さく設定する。なお、基準値は、予め実験等により算出されており、例えば、自動運転バス100の車室内の明るさや、内部カメラ61の画角等に基づき設定される。
音声認識センサ65の検出結果が取得されると(ステップS305)、車室内状況特定部15は、感情認識により第2重み値を決定する(ステップS311)。具体的には、車室内状況特定部15は、上述のステップS310と同様に、音声認識センサ65により取得された音声を発声した人物の感情の状態を特定する。このとき、車室内状況特定部15は、感情認識の信頼度合いに応じて第2重み値を決定する。例えば、車室内状況特定部15は、信頼度合いが高い場合、第2重み値を大きく設定し、信頼度合いが低い場合には、第2重み値を低く設定する。
車室内状況特定部15は、音声認識により第3重み値を決定する(ステップS316)。具体的には、車室内状況特定部15は、上述のステップS315と同様に、音声認識センサ65により取得された音声に含まれるキーワードを特定し、上述のステップS311と同様に、音声認識の信頼度合いに応じて第3重み値を決定する。
車室内状況特定部15は、音量認識により第4重み値を決定する(ステップS321)。具体的には、車室内状況特定部15は、上述のステップS320と同様に、音声認識センサ65により取得された音声の音量を特定し、上述のステップS311およびステップS316と同様に、音量認識の信頼度合いに応じて第4重み値を決定する。なお、ステップS311、ステップS316およびステップS321は、任意の順序または同時に実行されてもよい。
車室内状況特定部15は、重み値の合計が閾値より大きいか否かを判定する(ステップS323)。具体的には、車室内状況特定部15は、各重み値に所定の係数を乗じて得られた値の和を求め、かかる和と所定の閾値とを比較する。所定の閾値は、予め実験等により算出されており、例えば、1である。なお、所定の閾値は、1に代えて、他の任意の値を設定してもよい。また、重み値の合計は、各重み値に所定の係数を乗じて得られた値の和に代えて、各重み値に所定の係数を乗じて得られた値の積であってもよい。
上述のステップS323において重み値の合計が閾値より大きいと判定した場合(ステップS323:YES)、車室内状況特定部15は、車室内に危険人物が存在すると特定する(ステップS325)。ステップS325の実行後、または、上述のステップS323において重み値の合計が閾値以下であると判定された場合(ステップS323:NO)、車室内状況特定処理は終了する。
本実施形態の走行制御処理によれば、自動運転バス100の車室内に危険人物が存在するか否かの判定をより精度よく実行できる。
(3)上記他の実施形態2において、重み値の合計が所定の閾値範囲に含まれる場合に、センサ部60の検出範囲を所定の領域に絞ってもよい。例えば、危険人物と推定される人物をより鮮明に撮像するために、内部カメラ61の撮像範囲を変更して、危険人物と推定される人物により接近した状態の画像を撮像させてもよい。なお、重み値の合計が所定の閾値範囲に含まれる場合とは、例えば、重み値の合計が1以下である場合や、重み値の合計が2以上である場合としてもよい。
(4)上記各実施形態において、危険人物の存否は、以下の方法により特定されてもよい。例えば、内部カメラ61の撮像画像の履歴から抽出した人物のオプティカルフローに基づき人物の動きを検出することにより、危険人物であるか否かを特定してもよく、一定の期間、推定される移動が見られない場合、その人物を危険人物であると特定してもよい。また、例えば、内部カメラ61の撮像画像中の人物の所持品を検出し、ナイフや銃といった危険物が検出された場合に、その人物を危険人物であると特定してもよい。また、不審物の存否は、以下の方法により特定されてもよい。例えば、内部カメラ61の撮像画像中に一定の期間、同じ位置に置かれている物体が検出された場合、その物体を不審物であると特定してもよい。また、急病人の存否は、以下の方法により特定されてもよい。例えば、内部カメラ61の撮像画像に倒れている人物が検出された場合、その人物を急病人であると特定してもよい。また、例えば、内部カメラ61が赤外線カメラにより構成される場合において、撮像画像中の人物の体温が所定の閾値以上、あるいは、所定の閾値以下である場合、その人物を急病人であると特定してもよい。また、例えば、自動運転バス100の車室内に荷重センサが搭載される構成において、荷重センサにより強い衝撃が検知された場合、急病人が存在すると特定してもよい。また、例えば、乗客の顔画像を解析することにより脈拍を検出し、脈拍数が所定の閾値以上、あるいは、所定の閾値以下である場合に、その乗客を急病人であると特定してもよい。
(5)上記各実施形態において、自動運転バス100は、降車要求入力部71を備えていなくてもよい。この場合、スマートフォン、タブレット端末などの携帯装置で動作する所定のアプリケーションに降車要求入力部71と同様の機能を実行可能なGUIボタンを設けておき、かかるGUIボタンを操作(押下)させてもよい。かかる構成においては、入力受付部11は、通信装置53を介してGUIボタンへの入力を取得し、例えば、GUIボタンをスライド(スワイプ)させた場合、緊急停車場所を目的地に設定する等、GUIボタンの操作態様に応じて目的地を設定してもよい。
(6)上記各実施形態において、走行モードには、自動運転モードおよび遠隔操縦モードに加えて、上述の予め定められた種類の事象に対応づけられている走行モードが含まれていてもよい。例えば、車室内に不審物や危険物が存在する場合の走行モードとして、不審物や危険物のみを自動運転バス100に乗せた状態で、河原や空き地などの人通りの少ない開けた場所に向かって走行する走行モードがあってもよい。また、例えば、車室内に危険人物が存在する場合の走行モードとして、危険人物が自動運転バス100から降車して逃走することを抑制するために、危険人物が降車要求入力部71を押下した場合に降車要求入力部71の入力を受け付けないで、最寄りの警察署に向かって走行する走行モードがあってもよい。また、例えば、車室内に危険人物が存在する場合の走行モードとして、臨時バスを配車し、自動運転バス100の乗客を臨時バスへ乗り換えさせる走行モードがあってもよい。したがって、本実施形態によれば、予め定められた種類の事象に予め対応づけられている走行モードで自動運転バス100を走行させるので、車室内で発生している事象に応じて適切に自動運転バス100を走行させることができる。
B.第2実施形態:
RFID(Radio Frequency IDentifier)などの通信タグを備える荷物を携帯したユーザが車両に乗車した場合に、乗車時および降車時に通信タグと通信を行うことにより、車両内に忘れ物があるか否かを判定し、車両内に忘れ物があると判定された場合にユーザに対して警報を行う技術が知られている。しかし、通信タグを備えていない荷物を携帯している場合には、忘れ物があるか否かを精度よく判定できない。そこで、本実施形態の自動運転バス100aでは、後述の忘れ物管理処理において、内部カメラ61等のセンサ部60の検出結果を用いて、乗客と当該乗客の持ち物とを対応づけた上で持ち物の状態を監視することにより、通信タグを備えていない荷物が自動運転バス100a内に持ち込まれた場合であっても、自動運転バス100a内の忘れ物を精度よく判定できる。以下、自動運転バス100aの構成および忘れ物管理処理について、詳細を説明する。
B1.装置構成:
図8に示す第2実施形態における自動運転バス100aは、上述の第1実施形態と同様に、走行に関する制御の全てが運転手の判断によらずに自動的に実行可能なバスである。自動運転バス100aは、制御装置10に代えて制御装置10aを備える点と、降車要求入力部71および目的地表示部72を省略する点と、保管部80を追加して備える点とにおいて、図1に示す第1実施形態の自動運転バス100と異なる。第1実施形態の自動運転バス100と同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
制御装置10aは、自動運転バス100aの車室内を監視する監視制御装置である。制御装置10aは、いずれも図示しないCPUとメモリとインターフェースとを備えるECUとして構成されている。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを展開して実行することにより、持ち物管理部17、忘れ物判定部18、報知部16a、配送管理部19および入力受付部11aとして機能する。
持ち物管理部17は、自動運転バス100aに乗車中の乗客の持ち物を管理する。具体的には、持ち物管理部17は、乗客が自動運転バス100aに乗車してから降車するまでの間、内部カメラ61の撮像画像を用いて乗客の持ち物の状態を監視する。また、持ち物管理部17は、自動運転バス100a内の忘れ物を保管部80に保管させる。本実施形態において、「乗客の持ち物」とは、例えば、手荷物、鞄等から取り出した物、上着等の自動運転バス100aへの乗車時に乗客が身につけている物の全てを含む意味である。
忘れ物判定部18は、乗客が自動運転バス100aから降車する際に乗客の持ち物が忘れ物であるか否かを判定する。忘れ物判定部18は、例えば、内部カメラ61の撮像画像を用いて、乗客と乗客の持ち物との距離を検出することにより、当該持ち物が忘れ物であるか否かを判定する。
報知部16aは、乗客の持ち物が忘れ物であると判定された場合に、自動運転バス100aから降車する乗客に対して、報知装置55を用いて報知する。また、報知部16aは、自動運転バス100aから降車した乗客u1に対して、通信装置53を介して、乗客の携帯端末装置200に報知してもよい。携帯端末装置200としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末、専用の入力装置等が該当する。
配送管理部19は、通信装置53を介して乗客の携帯端末装置200に忘れ物の配送方法を提示し、乗客の所望する配送方法にしたがって忘れ物を配送する。
入力受付部11aは、携帯端末装置200において動作する所定のアプリケーションにおいて乗客により指定される配送方法の入力を受け付ける。
保管部80は、持ち物管理部17の指示に応じて、自動運転バス100a内の忘れ物を保管する。保管部80は、ロボット81と、座席内保管庫82とを備える。ロボット81は、2本のアームを有し、各アームをそれぞれ駆動して、物品の保持が可能な双腕ロボットである。座席内保管庫82は、自動運転バス100aの座席の座面下に設けられた収容空間である。なお、座席内保管庫82は、座席下の空間であってもよい。また、保管部80は、ロボット81を省略してもよい。
B2.忘れ物管理処理:
図8および図9に示す忘れ物管理処理は、自動運転バス100aの走行中に繰り返し実行される。忘れ物管理処理は、自動運転バス100aのイグニッションスイッチがオンにされたことを示す信号が送信され、かかる信号が制御装置10aにおいて受信されると、開始される。持ち物管理部17は、自動運転バス100aに乗客が乗車したか否かを判定する(ステップS405)。具体的には、持ち物管理部17は、自動運転バス100aの乗車口付近に設けられた内部カメラ61の撮像画像を取得し、自動運転バス100aに乗車してくる乗客が撮像画像内に含まれるか否かを判定する。また、持ち物管理部17は、自動運転バス100aの乗車口に設けられている図示しないICカード読み取り装置に乗客が乗車カードをかざしたか否かを判定する。
乗客が乗車していないと判定した場合(ステップS405:NO)、持ち物管理部17は、自動運転バス100aの発車時間になるまで、ステップS405を実行する。他方、乗客が乗車したと判定した場合(ステップS405:YES)、持ち物管理部17は、乗客が持ち物を手放したか否かを判定する(ステップS410)。具体的には、持ち物管理部17は、内部カメラ61の撮像画像の履歴から、乗客の持ち物が当該乗客の身体に触れていないと推定される物体の移動、例えば、乗客が持ち物を足下に置くことによって、一定の期間、床の上に持ち物が載置されている状態や、乗客が持ち物を荷台に載せることによって、一定の期間、荷台の上に持ち物が載置されている状態等が検出された場合、乗客が持ち物を手放したと判定する。
乗客が持ち物を手放していないと判定した場合(ステップS410:NO)、持ち物管理部17は、乗客が持ち物を手放したと判定するまで、ステップS410を実行する。他方、乗客が持ち物を手放したと判定した場合(ステップS410:YES)、持ち物管理部17は、乗客と当該乗客の持ち物とを対応づける(ステップS415)。具体的には、持ち物管理部17は、乗客の顔および現在位置と、乗客の持ち物の外観および現在位置とを対応づけて、図示しないメモリに記憶する。持ち物管理部17は、車室内の様子を監視する(ステップS420)。具体的には、一定期間の間の内部カメラ61の撮像画像を取得し、乗客の位置や、乗客の持ち物の位置の変化を検出する。乗客の位置や、乗客の持ち物の位置が変化している場合には、持ち物管理部17は、上述のステップS415においてメモリに格納した乗客および持ち物の現在位置を更新する。
持ち物管理部17は、乗客が自動運転バス100aから降車するか否かを判定する(ステップS425)。具体的には、持ち物管理部17は、例えば、乗客が車室内に設けられた図示しない降車ボタンを押した場合や、降車口に設けられた内部カメラ61の撮像画像中に乗客が検出された場合に、乗客が降車すると判定する。乗客が降車すると判定された場合(ステップS425:YES)、忘れ物判定部18は、乗客の持ち物が車室内に存在するか否かを判定する(ステップS430)。具体的には、忘れ物判定部18は、内部カメラ61の撮像画像を取得して乗客の現在位置および当該乗客に対応づけられている持ち物の現在位置を算出し、両者間の距離が所定の距離よりも大きいか否かを判定する。所定の距離は、予め実験等により算出され、例えば、自動運転バス100aの座席や荷台から降車口までの平均的な距離に設定されている。なお、忘れ物判定部18は、内部カメラ61の撮像画像において一定の期間、乗客の持ち物の移動が見られない場合、乗客の持ち物が車室内に存在すると判定してもよい。
乗客の持ち物が車室内に存在すると判定した場合、報知部16aは、降車した乗客に忘れ物を通知する(ステップS435)。具体的には、報知部16aは、報知装置55のスピーカを用いて、降車した乗客に忘れ物がある旨をアナウンスする。また、報知部16aは、通信装置53を介して、携帯端末装置200に忘れ物がある旨の通知を送信する。
配送管理部19は、降車した乗客に忘れ物の配送方法を提示する(ステップS440)。具体的には、配送管理部19は、通信装置53を介して、携帯端末装置200に配送方法の案内を送信する。配送方法としては、例えば、所定の配送システムからドローンを用いて発送する方法、管理センタ500から配送担当者が発送する方法、乗客が管理センタ500に赴いて忘れ物を受領する方法等が該当する。なお、配送方法には、受け取りを拒否するという選択肢が含まれていてもよい。また、配送方法を提示する際、配送日時や、配送料金等の情報を提示してもよい。
配送管理部19は、乗客が配送を希望しているか否かを判定する(ステップS445)。具体的には、配送管理部19は、入力受付部11aが配送希望「有」の指定を受け付けたか否かを判定する。乗客が配送を希望していると判定した場合(ステップS445:YES)、配送管理部19は、指定された配送方法にしたがって忘れ物を配送する(ステップS450)。他方、乗客が配送を希望していないと判定した場合(ステップS445:NO)、持ち物管理部17は、ロボット81が忘れ物を保持可能であるか否かを判定する(ステップS455)。具体的には、持ち物管理部17は、内部カメラ61の撮像画像を用いて、忘れ物の大きさを算出する。また、持ち物管理部17は、パターンマッチングにより忘れ物の物品を推定し、忘れ物のだいたいの重さを算出する。持ち物管理部17は、忘れ物の大きさが所定の大きさ以下である場合や、忘れ物の重さが所定の重さ以下である場合には、ロボット81が忘れ物を保持可能であると判定する。
ロボット81が忘れ物を保持可能であると判定した場合(ステップS455:YES)、持ち物管理部17は、ロボット81に忘れ物を保管させる(ステップS460)。具体的には、持ち物管理部17は、通信装置53を介して、ロボット81の制御装置に忘れ物の保管を指示する制御信号を送信する。上述のステップS455においてロボット81が忘れ物を保持可能でないと判定した場合(ステップS455:NO)、持ち物管理部17は、忘れ物が座席内保管庫82に入るか否かを判定する(ステップS465)。具体的には、持ち物管理部17は、上述のステップS445において算出した忘れ物の大きさが、座席内保管庫82の大きさよりも小さいか否かを判定する。
忘れ物が座席内保管庫82に入ると判定した場合(ステップS465:YES)、持ち物管理部17は、管理者に忘れ物を座席内保管庫82に収容させる(ステップS470)。具体的には、持ち物管理部17は、自動運転バス100aに管理者が乗車している場合、管理者に忘れ物を座席内保管庫82に収容するよう指示する。他方、自動運転バス100aに管理者が乗車していない場合には、持ち物管理部17は、通信装置53を介して、管理センタ500に、自動運転バス100aに管理者を派遣するよう依頼する旨の通知を送信し、派遣された管理者に忘れ物を座席内保管庫82に収容させる。
上述のステップS465において忘れ物が座席内保管庫82に入らないと判定した場合(ステップS465:NO)、持ち物管理部17は、管理センタ500に、自動運転バス100a内で忘れ物を保管できない旨を通知する(ステップS475)。なお、持ち物管理部17は、乗客に忘れ物を通知した後に所定時間経過しても応答がない場合や、乗客に忘れ物を通知した後においても乗客と持ち物との距離が短くならない場合には、自動運転バス100a内で忘れ物を保管しないとして、管理センタ500に通知してもよい。
上述のステップS425において乗客が降車しないと判定された場合(ステップS425:NO)、または、上述のステップS430において乗客の持ち物が車室内に存在しないと判定された場合(ステップS430:NO)、上述のステップS420が実行される。
ステップS475の実行後、または、ステップS470の実行後、または、ステップS460の実行後、または、ステップS450の実行後、忘れ物管理処理は終了し、所定のインターバル時間の経過後、上述のステップS405が実行される。
以上の構成を有する第2実施形態の制御装置10aによれば、内部カメラ61の撮像画像を用いて、自動運転バス100aに乗車中の乗客と、該乗客の持ち物とを対応づけて、該乗客が自動運転バス100aを降車するまでの間、持ち物の状態を監視し、乗客が自動運転バス100aから降車する際に持ち物が忘れ物であるか否かを判定し、忘れ物であると判定された場合に自動運転バス100aから降車する乗客に報知するので、乗客の持ち物に通信機が備えられていない場合であっても、自動運転バス100a内の忘れ物を精度よく検出できる。また、保管部80に忘れ物を保管させるので、車室内に忘れ物が放置されることを抑制できる。このため、忘れ物が盗難されることを抑制できる。また、自動運転バス100aに忘れ物をした乗客から忘れ物の配送方法の指定を受け付け、受け付けられた配送方法にしたがって忘れ物を配送するので、乗客の所望する配送方法で乗客の元に忘れ物を届けることができる。この結果、乗客の利便性の低下を抑制できる。
C.第3実施形態:
バス等の乗合車両の乗客が携帯する通信端末装置と、停留所や車両との通信により、運行案内や、利用料金の決済等を実行する技術が知られている。しかし、例えば、乗客の所望する乗車場所および降車場所で車両に乗降する場合、停留所を利用しないので、利用料金の決済を行えないおそれがある。また、例えば、自動運転バスのように乗降口の間口が広い場合、他の乗客に隠れて乗降するなどして利用料金を支払わずに乗車する不正乗車が生じるおそれがある。そこで、本実施形態の自動運転バス100bでは、後述の運賃未払い通知処理において、内部カメラ61の撮像画像を用いて乗客の運賃の支払い行為の有無を検出し、運賃が支払われていない場合に乗客に運賃が未払いであることを通知することにより、乗客に運賃の支払いを促すことができる。このため、利用料金の決済を精度よく実行できる。また、不正乗車の発生を抑制できる。以下、自動運転バス100bの構成および運賃未払い通知処理について、詳細を説明する。
C1.装置構成:
図11に示す第3実施形態における自動運転バス100bは、上述の各実施形態と同様に、走行に関する制御の全てが運転手の判断によらずに自動的に実行可能なバスである。自動運転バス100bには、後述の利用者データベースDBに予め登録された利用者が乗車可能である。例えば、利用者u2は、携帯端末装置200で動作する所定のアプリケーション上で顔画像を登録し、自動運転バス100bの乗車予定日、乗車区間等を予約することにより、予約日時に自動運転バス100aに乗車できる。
自動運転バス100bは、制御装置10aに代えて制御装置10bを備える点と、保管部80を省略する点とにおいて、図8に示す第2実施形態の自動運転バス100aと異なる。第2実施形態の自動運転バス100aと同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
制御装置10bは、自動運転バス100bの車室内を監視する監視制御装置である。制御装置10bは、いずれも図示しないCPUとメモリとインターフェースとを備えるECUとして構成されている。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを展開して実行することにより、乗客情報取得部20、運賃支払い判定部21、通報部16b、データベース登録部22、および入力受付部11bとして機能する。
乗客情報取得部20は、内部カメラ61の撮像画像を用いて、自動運転バス100bに乗車する乗客の乗車時における顔画像を取得する。
運賃支払い判定部21は、内部カメラ61の撮像画像から乗客の運賃の支払い行為を検出し、乗客が運賃の支払いを行ったか否かを判定する。本実施形態において「運賃の支払い行為」とは、自動運転バス100bの乗車口に設けられている図示しないICカード読み取り装置に乗客が乗車カードをかざして、運賃の決済が行われることを意味する。したがって、例えば、運賃支払い判定部21は、撮像画像中に、乗車してきた乗客による運賃の支払い行為が検出された場合に、運賃の支払いを行ったと判定する。なお、運賃支払い判定部21は、撮像画像を用いずに、ICカードの読み取り装置の読み取り結果を取得することにより、運賃の支払いの有無を判定してもよい。また、ICカードには、IC乗車券や、定期券、データベースDBの登録情報が記憶された乗車カード等が含まれる。なお、上述の運賃の支払い行為には、自動運転バス100bの乗車前、あるいは、乗車中に、携帯端末装置200で動作する所定のアプリケーション上で運賃の決済が行われることを含んでもよい。
通報部16bは、乗客が運賃の支払いを行っていない場合に当該乗客に対して運賃が未払いである旨を通知する。また、通報部16bは、運賃の支払い行為を行っていない回数(以下、「運賃の未払い回数」と呼ぶ)が予め定められた回数以上である場合には、管理センタ500に通報する。
データベース登録部22は、図示しないメモリに格納されている利用者データベースDB(以下、単に「データベースDB」と呼ぶ)に利用者u2の利用者情報を登録する。利用者情報には、例えば、利用者u2の顔画像dt1、未払い回数dt2、および過去の乗車履歴dt3等の情報が含まれる。データベース登録部22は、利用者ごとに識別番号を割り当てて、かかる識別番号と利用者情報とを対応づけてデータベースDBに登録する。
入力受付部11bは、携帯端末装置200において動作する所定のアプリケーションにおいて乗客により指定される乗車予約や、運賃の決済等の入力を受け付ける。
C2.運賃未払い通知処理:
図12に示す運賃未払い通知処理は、自動運転バス100bの走行中に繰り返し実行される。運賃未払い通知処理は、自動運転バス100bのイグニッションスイッチがオンにされたことを示す信号が送信され、かかる信号が制御装置10bにおいて受信されると、開始される。乗客情報取得部20は、乗車時の乗客の顔画像を取得する(ステップS505)。具体的には、乗客情報取得部20は、自動運転バス100bの乗車口付近に設けられている内部カメラ61の撮像画像を取得し、撮像画像中の人物の顔の画像を抽出する。乗客情報取得部20は、乗車時に顔画像を取得できなかった場合には、車室内の内部カメラ61を用いて、当該乗客を撮像して、顔画像を取得してもよい。
運賃支払い判定部21は、乗客が運賃を支払ったか否かを判定する(ステップS510)。具体的には、運賃支払い判定部21は、内部カメラ61の撮像画像の履歴から乗客の行動を抽出し、上述の運賃の支払い行為が検出された場合、運賃を支払ったと判定する。
運賃を支払っていないと判定した場合(ステップS510:NO)、データベース登録部22は、データベースDBに登録されている顔画像dt1と上述のステップS505において取得された顔画像とを照合する(ステップS515)。データベース登録部22は、データベースDBに運賃の未払いを登録する(ステップS520)。具体的には、データベース登録部22は、上述のステップS515において顔画像が一致した利用者の未払い回数をカウントアップする。
データベース登録部22は、未払い回数が所定回数以上であるか否かを判定する(ステップS525)。所定回数は、例えば、3回である。なお、所定回数は、3回に代えて、他の任意の回数が設定されていてもよい。未払い回数が所定回数以上であると判定した場合(ステップS525:YES)、通報部16bは、管理センタ500に通報する(ステップS530)。このとき、通報部16bは管理センタ500に加えて、警察等の外部機関に通報してもよい。
ステップS530の実行後、または、上述のステップS525において未払い回数が所定回数未満であると判定された場合(ステップS525:NO)、または、上述のステップS510において運賃を支払ったと判定された場合(ステップS510:YES)、運賃未払い通知処理は終了し、所定のインターバル時間の経過後、上述のステップS405が実行される。
以上の構成を有する第3実施形態の制御装置10bによれば、自動運転バス100bへの乗車時の乗客の顔画像を取得し、乗客が運賃の支払い行為を行ったか否かを判定し、乗客が運賃の支払い行為を行っていない場合に乗客に運賃の未払いを通知するので、運賃が未払いの乗客に運賃の支払いを促すことができる。このため、自動運転バス100bの運賃の決済を精度よく実行できる。また、自動運転バス100bへの不正乗車の発生を抑制できる。
C3.第3実施形態の他の実施形態:
(1)乗車前の事前決済により運賃を支払う構成においては、運賃の支払いを行わずに自動運転バス100bに乗車している乗客に対して、運賃の支払いを促す通知をしてもよい。図13に示す本実施形態の運賃未払い通知処理は、ステップS505、ステップS515、ステップS520およびステップS525を省略する点と、ステップS507、ステップS517、ステップS518およびステップS527を追加して実行する点とにおいて、図12に示す運賃未払い通知処理と異なる。本実施形態の運賃未払い通知処理におけるその他の手順は、第3実施形態の運賃未払い通知処理と同じであるので、同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
運賃未払い通知処理が開始されると、乗客情報取得部20は、対象の乗客が自動運転バス100bに乗車中であるか否かを判定する(ステップS507)。対象の乗客とは、予め運賃の支払い行為を行っていない乗客を意味する。なお、ステップS507が実行される際には、データベースDBを参照することによって、対象の乗客の顔画像および携帯端末装置200が特定されているものとする。ステップS507において乗客情報取得部20は、自動運転バス100bの位置センサ64により検出される現在位置と、対象の乗客の携帯端末装置200に搭載されている図示しない位置センサにより検出される現在位置とが一致する場合、対象の乗客が乗車中であると判定する。なお、本実施形態において上述のステップS505を省略せずに、乗車時の顔画像を取得して、データベースDBの顔画像dt1と照合することにより、対象の乗客が乗車中であるか否かを判定してもよい。
対象の乗客が乗車中であると判定され(ステップS507:YES)、乗車時に運賃の支払い行為がなかったと判定された場合(ステップS510:NO)、通報部16bは、対象の乗客、すなわち、未払いの利用者に通知する(ステップS517)。具体的には、通報部16bは、通信装置53を介して、未払いの利用者の携帯端末装置200に、運賃の支払いを促す旨の通知を送信する。なお、通報部16bは、報知装置55を用いて、例えば、「運賃の支払いを行っていない方は速やかに運賃の支払いを行ってください」といった内容のアナウンスをしてもよい。
運賃支払い判定部21は、未払いの利用者が運賃を支払ったか否かを判定する(ステップS518)。具体的には、運賃支払い判定部21は、上述のステップS510と同様の手順により運賃の支払い行為の有無を検出してもよいし、未払いの利用者の携帯端末装置200のアプリケーション上で運賃の決済が行われたか否かを判定してもよい。運賃を支払っていないと判定した場合(ステップS518:NO)、データベース登録部22は、未払いの利用者の自動運転バス100bの利用を不可に設定する(ステップS527)。具体的には、データベース登録部22は、今後未払い利用者が自動運転バス100bの予約を行えないようにするために、未払い利用者の利用者情報として、利用不可である旨を登録する。このとき、未払いの利用者の携帯端末装置200に、運賃の支払いが行われるまで自動運転バス100bを利用できない旨を通知してもよい。ステップS527の実行後、上述のステップS530が実行される。
上述のステップS518において運賃を支払ったと判定された場合(ステップS518:YES)、または、上述のステップS507において対象の乗客が乗車中でないと判定された場合(ステップS507:NO)、運賃未払い通知処理は終了する。
本実施形態の運賃未払い通知処理によれば、運賃の支払い行為を行っていない乗客の顔画像と、運賃の支払い行為を行っていない回数とがデータベースDBに登録され、支払い行為を行っていない回数が予め定められた回数以上である場合に、管理センタ500に通知するので、管理センタ500は、運賃の支払い行為を行っていない乗客に対して適切な処置を講じることができる。また、運賃を支払うように促したにもかかわらず運賃を支払わない乗客を自動運転バス100bの利用不可に設定するので、自動運転バス100bへの不正乗車の発生を抑制できる。
(2)上記第3実施形態の各実施形態において、自動運転バス100bにデータベースDBに未登録の利用者が乗車し、運賃の支払い行為が行われなかった場合、当該利用者の顔画像および未払い回数をデータベースDBに登録しておき、次に自動運転バス100bに乗車した際に運賃の支払いを促してもよい。
(3)上記ステップS507において、自動運転バス100bの移動速度および移動軌跡と、携帯端末装置200の移動速度および移動軌跡との一致度合いに基づき、対象の乗客が自動運転バス100bに乗車中であるか否かを判定してもよい。
D.第4実施形態:
バスや電車等の移動体には、優先席、女性専用の乗車スペースが設けられる。例えば、移動体の乗車券として、性別や、優先席対象者であるか否かの情報が埋め込まれたICタグ付きの乗車券が用いられる場合に、移動体の座席に搭載された読み取り装置でICタグを読み取り、着席した乗客が当該座席に着席可能な対象者であるか否かを判定する技術が知られている。また、着席した乗客が当該座席に着席可能な対象者でない場合には、着席した乗客に対して注意喚起を行う技術が知られている。しかし、座席に着席しなければ、当該座席を利用可能な者であるか否かを判定できないので、注意喚起が遅れてしまい、利用者の利便性が低下するおそれがある。そこで、本実施形態の自動運転バス100cでは、後述の入場者監視処理において、内部カメラ61の撮像画像を用いて、所定の利用者のみが利用可能な専用スペースへの入場者の識別情報を取得し、かかる識別情報を用いて入場者が専用スペースを利用可能な者であるか否かを判定することにより、座席に着席しなくても当該座席に着席可能な対象者であるか否かを判定できる。この結果、入場者への注意喚起が遅れることを抑制できるので、利用者の利便性の低下を抑制できる。以下、自動運転バス100cの構成および入場者監視処理について、詳細を説明する。
D1.装置構成:
図14および図15に示す第4実施形態における自動運転バス100cは、上述の第1実施形態と同様に、走行に関する制御の全てが運転手の判断によらずに自動的に実行可能なバスである。自動運転バス100cは、前方ドア91から乗降するタイプのバスである。
図15に示す自動運転バス100cの客室は、境界Lを境にして、一般スペースSP1と、専用スペースSP2とに区分されている。一般スペースSP1は、乗客の属性にかかわらず、誰でも利用可能な乗車スペースである。専用スペースSP2は、例えば、優先席スペース、女性専用スペース、子供専用スペース等、スペースの種別に応じて予め定められた属性を備える乗客のみが利用可能な乗車スペースである。本実施形態において、「予め定められた属性」とは、その乗客に固有の特徴や性質を示す情報を意味し、例えば、性別、年齢層、傷病の有無等の情報が該当する。例えば、専用スペースSP2が優先席スペースである場合、専用スペースSP2を利用可能な属性として、年齢層がシニア層に含まれる、あるいは、傷病を有する等の属性が定められている。また、例えば、専用スペースSP2が女性専用スペースである場合には、専用スペースSP2を利用可能な属性として、性別が女性であること等が定められている。また、例えば、専用スペースSP2が子供専用スペースである場合には、専用スペースSP2を利用可能な属性として、年齢層が低年齢層に含まれる等の属性が定められている。なお、専用スペースSP2ごとに定められている属性を備える乗客の同伴者は、当該属性を備えていない場合であっても、属性を備えているとして専用スペースSP2の利用可能者としてもよい。
専用スペースSP2の入口周辺、具体的には、一般スペースSP1と専用スペースSP2との境界L付近には、内部カメラ61と報知装置55とが設けられている。内部カメラ61は、一般スペースSP1から専用スペースSP2へ入場する乗客を撮影する。報知装置55は、後述の報知部16cの指示に応じて、専用スペースSP2を利用可能でない乗客に対して、注意を促す音声を出力する。
図14に示すように、自動運転バス100cは、制御装置10に代えて制御装置10cを備える点と、降車要求入力部71および目的地表示部72を省略する点とにおいて、図1に示す第1実施形態の自動運転バス100と異なる。第1実施形態の自動運転バス100と同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。なお、図14では、管理センタ500の図示を省略している。
制御装置10cは、自動運転バス100cの客室内を監視する監視制御装置である。制御装置10cは、いずれも図示しないCPUとメモリとインターフェースとを備えるECUとして構成されている。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを展開して実行することにより、入場者識別情報取得部23、判定部24、および報知部16cとして機能する。
入場者識別情報取得部23は、内部カメラ61の撮像画像を用いて、専用スペースSP2への入場者の属性を識別するための情報(以下、「入場者識別情報」と呼ぶ)を取得する。入場者識別情報は、上述の予め定められた属性の少なくとも1つの属性を識別可能な情報であり、本実施形態では、年齢層を示す情報である。入場者識別情報取得部23は、撮像画像に含まれる人物を検出し、検出された人物の年齢を推定することにより、入場者の年齢層を特定して、入場者識別情報を取得する。
判定部24は、入場者識別情報を用いて、専用スペースSP2への入場者が予め定められた属性を備える乗客であるか否かを判定する。判定部24は、例えば、取得された入場者識別情報と、図示しないメモリに記憶され、専用スペースSP2の種類ごとに予め定められている属性と、を照合することにより、専用スペースSP2への入場者が予め定められた属性を備える乗客であるか否かを判定する。
報知部16cは、専用スペースSP2へ入場者が予め定められた属性を備える乗客でないと判定された場合に、例えば、スピーカや、表示装置等の報知装置55を用いて、入場者に報知する。
D2.入場者監視処理:
図16に示す入場者監視処理は、自動運転バス100cの走行中に繰り返し実行される。入場者監視処理は、自動運転バス100cのイグニッションスイッチがオンにされたことを示す信号が送信され、かかる信号が制御装置10cにおいて受信されると、開始される。入場者識別情報取得部23は、内部カメラ61の撮像画像を取得して、入場者識別情報を取得する(ステップS605)。判定部24は、専用スペースSP2への入場者が入場対象者であるか否かを判定する(ステップS610)。具体的には、判定部24は、入場者識別情報に示される年齢層が、専用スペースSP2の利用可能者として予め定められている年齢層に含まれている場合、入場対象者であると判定する。
入場対象者でないと判定された場合(ステップS610:NO)、報知部16cは、専用スペースSP2への入場者に注意喚起を行う(ステップS615)。具体的には、報知部16cは、報知装置55に、「専用スペースSP2を利用可能であるか確認してください。」、あるいは、「あなたは専用スペースSP2を利用できません。一般スペースSP1を利用してください。」というアナウンスをさせる。報知装置55がブザーやサイレンである場合には、報知部16cは、報知装置55に警報音を出力させてもよい。
ステップS615の実行後、または、上述のステップS610において入場対象者であると判定された場合(ステップS610:YES)、入場者監視処理は終了し、所定のインターバル時間の経過後、上述のステップS605が実行される。
以上の構成を有する第4実施形態の制御装置10cによれば、専用スペースSP2への入場者の属性を識別するための入場者識別情報を用いて、入場者が予め定められた属性を備える利用者であるか否かを判定し、入場者が予め定められた属性を備える利用者でないと判定された場合に、入場者に報知するので、入場者が専用スペースSP2に設けられた座席に着席しなくても当該座席に着席可能な対象者であるか否かを判定できる。この結果、専用スペースSP2への入場者に対する注意喚起が遅れることを抑制できるので、利用者の利便性の低下を抑制できる。
D3.第4実施形態の他の実施形態:
(1)図17および図18に示す第4実施形態の他の実施形態1における自動運転バス100dは、内部カメラ61aを追加して備える点と、制御装置10cに代えて制御装置10dを備える点とにおいて、図14および図15に示す第4実施形態の自動運転バス100cと異なる。第4実施形態の自動運転バス100cと同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
内部カメラ61aは、前方ドア91の周辺に設けられている。内部カメラ61aは、自動運転バス100dに乗車する乗客を撮像する。
制御装置10dは、CPUが乗客識別情報取得部25としても機能する点において、制御装置10cと異なる。乗客識別情報取得部25は、内部カメラ61aの撮像画像を用いて、自動運転バス100dに乗車する乗客の属性を識別するための情報(以下、「乗客識別情報」と呼ぶ)を取得する。乗客識別情報は、入場者識別情報と同様に、専用スペースSP2を利用可能な乗客の属性を識別可能な情報であり、本実施形態では、年齢層を示す情報である。乗客識別情報取得部25は、撮像画像に含まれる人物を検出し、検出された人物の年齢を推定することにより、入場者の年齢層を特定して、乗客識別情報を取得する。
図19に示す本実施形態の入場者監視処理は、ステップS602を追加して実行する点と、ステップS610に代えてステップS610aを実行する点とにおいて、図16に示す第4実施形態の入場者監視処理と異なる。本実施形態の入場者監視処理におけるその他の手順は、第4実施形態の入場者監視処理と同じであるので、同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の入場者監視処理では、自動運転バス100dへの乗車時に取得する乗客識別情報を用いて、専用スペースSP2を利用可能な属性を備える乗客であるか否かを判定し、専用スペースSP2を利用可能な属性を備えていない乗客が専用スペースSP2へ入場しようとする場合に注意喚起を行う。具体的には、入場者監視処理が開始されると、乗客識別情報取得部25は、内部カメラ61aの撮像画像を取得して、乗客識別情報を取得する(ステップS602)。上述のステップS605が実行されて入場者識別情報が取得されると、判定部24は、専用スペースSP2への入場者が入場対象者であるか否かを判定する(ステップS610a)。具体的には、判定部24は、乗客識別情報と入場者識別情報とを照合し、専用スペースSP2への入場者が専用スペースSP2の利用可能者として定められている年齢層に含まれている場合、入場対象者であると判定する。なお、ステップS605において、入場者識別情報の取得を省略してもよく、この場合、内部カメラ61の撮像画像に含まれる入場者の顔画像を取得し、取得された顔画像と、ステップS602の実行時に取得される顔画像とを照合することによって、入場者の乗客識別情報を取得して、専用スペースSP2に予め定められている属性を備える入場者であるか否かを判定してもよい。
入場対象者でないと判定された場合(ステップS610a:NO)、上述のステップS615が実行され、専用スペースSP2への入場者に注意喚起を行う。他方、上述のステップS610aにおいて入場対象者であると判定された場合(ステップS610a:YES)、入場者監視処理は終了する。
本実施形態の制御装置10dによれば、自動運転バス100dに乗車する乗客の属性を識別するための乗客識別情報を用いて、乗客が予め定められた属性を備える利用者であるか否かを判定し、乗客が予め定められた属性を備える利用者でないと判定され、該乗客が専用スペースSP2に入場しようとする場合に報知するので、専用スペースSP2を利用可能な乗客であるか否かをより早い段階で判定できる。このため、専用スペースSP2への入場者に対する注意喚起が遅れることを更に抑制できる。
(2)図20に示す第4実施形態の他の実施形態2における自動運転バス100eは、前方ドア91に加えて、後方ドア92を備える。自動運転バス100cは、前方ドア91または後方ドア92から乗降するタイプのバスである。後方ドア92は、専用スペースSP2に設けられている。このため、後方ドア92から自動運転バス100eに乗車する場合には、まず専用スペースSP2に入場する。後方ドア92の周辺には、内部カメラ61bが設けられ、後方ドア92から乗車する乗客の乗客識別情報が取得される。判定部24は、この乗客識別情報を用いて、後方ドア92から乗車した乗客が専用スペースSP2を利用可能な乗客であるか否かを判定することによって、専用スペースSP2を利用可能でない乗客が後方ドア92から乗車してきた場合であっても、報知装置55を用いて注意喚起を行うことができる。
(3)上記第4実施形態の各実施形態において、入場者識別情報として、IC乗車券や、定期券、QRチケット等に含まれる乗客の識別情報や、乗客の携帯端末装置に格納されている個人情報等を用いてもよい。この場合、内部カメラ61、61aおよび61bの撮像画像の画像解析や、データ照合の処理を省略できるので、入場者監視処理の処理負荷を低減できる。
(4)上記第4実施形態の各実施形態において、注意喚起を受けた回数を乗客の顔画像と対応づけてデータベースに登録しておき、注意喚起を受けた回数が所定回数以上である乗客が乗車する場合、専用スペースSP2へ入場しないように事前に警告してもよい。具体的には、前方ドア91付近に報知装置を設け、前方ドア91から乗車する乗客の顔画像とデータベースに登録されている顔画像とを照合し、注意喚起を受けた回数が所定回数以上である乗客である場合に、前方ドア91付近の報知装置に注意喚起をさせてもよい。
(5)上記第4実施形態の他の実施形態2が自動運転バスに代えて電車に適用される場合において、乗客識別情報は、駅への入場時、例えば、改札で取得してもよい。
E.他の実施形態:
(1)上記各実施形態において、制御装置10、10a、10b、10cおよび10dが搭載される移動体は、自動運転バスに限らず、手動運転バスであってもよいし、オンデマンド交通サービスに用いられる車両や、電車、地下鉄等の移動体であってもよい。
本開示に記載の制御部等の各部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部等の各部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組合せにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。