JP2017212972A - 細胞培養担体および細胞培養モジュール - Google Patents
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Abstract
Description
前記ES細胞、iPS細胞を再生医療の目的で使用するためには、これらの細胞を大量に増殖させる技術が必要である。
この細胞培養担体30は、表面が多孔体からなる複数の凹部(ウェル)31が、基体表面にマトリックス状に配列されているものである。このような形状の細胞培養担体30を用いることにより、基体表面に形成された凹部(ウェル)内31のみで細胞を増殖させることが可能となり、ES細胞等の未分化細胞スフェロイドのサイズ制御を行うことができる。
このため、培養細胞を回収する際、特に、ヒトiPS細胞等において好ましくない、長時間の酵素処理を要することなく、培養細胞の該培養担体に対する付着および剥離を、より効率的に行うことができる。
しかしながら、図7に示すように細胞培養担体30表面30aに播種された未分化細胞は、自然沈降によって複数の凹部(ウェル)31以外の細胞培養担体表面30aに播種される。その状態を図8に示す。尚、図8中、斜線部分は未分化細胞が播種された領域を示している。
この細胞培養担体表面30aに付着した未分化細胞は細胞塊を形成できない細胞は死滅し、細胞塊を形成した細胞は不均一な細胞塊となるため、ES細胞、iPS細胞等の未分化細胞を効率的に培養することができないという技術的課題があった。
しかも、前記第1の基体のウェル最底部から基体下面までの厚さが、50μm以上10mm以下に構成されているため、細胞培養担体の裏面側から吸引または/および表面側から加圧した際、前記第1の基体表面と、ウェル最底部との間に圧力損失の差が生じる。
尚、細胞培養担体の裏面側から圧力を加えることにより、吸引の場合と同様に、前記第1の基体表面とウェル最底部との間に圧力損失の差が生じ、培養細胞塊を細胞培養担体から容易に剥離することができ、均一なサイズの培養細胞を簡便に得ることができる。
このように、機械的強度が弱い第1の基体の裏面(下面)に、第2の基体を設けることにより、第1の基体の破損を防止しつつ、第1の基体のウェル内に効率よく細胞を吸引することができる。
通常、ES細胞塊やiPS細胞塊などの幹細胞塊は、ある一定のサイズ以上になると、未分化状態を失うため、未分化状態を保持する観点から、ウェルは上記範囲内のサイズであることが好ましい。
これらのセラミックスは、生体安定性が高いため、好適に用いられる。尚、前記第1の基体及び第2の基体が、同一の材料で構成されているのが好ましい。
また、上記細胞培養担体を用いる細胞培養モジュールであって、前記細胞培養担体の裏面側に吸引部または/および表面側に加圧部を備えることが望ましい。
この第1の実施形態の細胞培養担体1は、上面に複数のウェル3を有し、平均細孔径が0.05μm以上10μm以下である細孔cを有し、気孔率が25%以上50%以下の多孔体からなる基体2(第1の基体)から構成されている。前記基体2(第1の基体)は、セラミックス多孔質焼成体で形成されている。尚、図1に示すように、セラミックス粒子Sの間に特定径の細孔cが形成され、特定の気孔率に形成されている。
しかも、前記第1の基体2のウェル最底部3aから基体下面2bまでの厚さt2が、50μm以上10mm以下に構成されているため、細胞培養担体1(基体2)の裏面側から吸引した際、前記基体2の表面2aと、ウェル3の最底部3aとの間に圧力損失の差が生じる。
即ち、ウェル最底部3aには大きな負圧が生じ、基体表面2aには小さな負圧が生じる(あるいは負圧が生じない)ため、基体表面2a上の未分化細胞をウェル内に捕集することができ、またウェル3内の未分化細胞は、よりウェル3の最底面部(ウェル最底部3a)に集めることができる。
より好ましくは、記基体2(第1の基体)のウェル最底部3aから基体下面2bまでの厚さt2が、50μm以上500μm以下に形成されるのが良い。
また、前記特定の平均細孔径とすることにより、細胞培養担体1のウェル3内に培養細胞が適度に接着することができ、かつ、より容易に剥離することができる。
また、気孔率が50%を超えると、強度が低いため、好ましくなく、また25%未満である場合には、圧力損失が大きくなり、好ましくない。
より好ましくは、平均細孔径が0.05μm以上5μm以下、気孔率が30%以上50%以下に形成されるのが良い。
通常、ES細胞塊、iPS細胞塊は、ある一定のサイズ以上になると、未分化状態を失うため、未分化状態を保持する観点から、前記ウェル3は上記範囲内のサイズであることが好ましい。
より好ましくは、前記ウェルの径dが50μm以上500μm以下、深さt3が50μm以上500μm以下に形成されるのが良い。
上記のようなサイズのウェル3内で増殖した細胞塊は、サイズの均一化が図られ、また、ピペッティング等による回収が容易であり、効率的な培養を行うことができる。
尚、細胞の大きさの1倍の大きさのウェル3は、未分化状態を維持することはできるが、増殖の余地があまりなく、また、細胞は、ウェル3から突出しない方が好ましいことから、5倍以上の径であることがより好ましい。また、未分化の確実性を高めるため、25倍以下であることがより好ましい。
特に、本発明に係る細胞培養担体1から剥離した細胞塊を浮遊培養に用いる場合には、剥離性および形成する塊の形状等の観点から、底面が半球状であることが好ましい。
なお、本発明においては、ウェル3のサイズを径と深さで表現しているが、本発明でいうウェル3の径dは、開口面が多角形状である場合、細胞培養担体1の基体2の表面2aのウェル3の開口面積を円に置き換えた場合の直径である。また、深さt3は、ウェル3の最も深い部分の深さである。
前記細胞培養担体1は、前記材料を用いて製作される多孔質焼成体であり、これにより培養担体に接着している細胞にも培養液を十分供給できる。
ウェル最底部3aから基体2の下面(裏面)2bまでの厚さt2が大きい場合には、圧力損失が大きく、ウェル最底部3aに大きな負圧を作用させることができず、またウェル最底部3aから基体2の下面2bまでの厚さt2が小さい場合には機械的強度が弱いため、好ましくない。
より好ましくは、ウェル最底部3aから基体2下面(裏面)2bまでの厚さt2が50μm以上500μm以下に形成されているのが良い。
なお、第1の基体はウェル最底部3aから基体2下面(裏面)2bまでの厚さt2が上記範囲であれば、基材の形状(たとえば、図1に示すような担体、また図6に示すような外周部にリング状の段差部1aを有する、いわゆる土手付の担体など)は特に限定されるものではないが、前記基体(第1の基体)の厚さt1は0.1mm以上12mm以下になされるのが好ましく、より好ましくは、0.1mm以上5.0mm以下になされるのが良い。
この圧力損失の差によって生じる負圧差により、基体表面2a上の細胞をウェル3内に集めることができ、またウェル3内の細胞はよりウェル3の最底面部3aの中心部に集めることができ、均一なサイズの細胞を簡便に培養することができる。
尚、細胞培養担体1(基体2)の裏面側から正の圧力を加える(加圧する)ことにより、吸引の場合と同様に、前記基体2の表面2aと、ウェル最底部3aとの間に圧力損失の差が生じ、培養細胞塊を細胞培養担体1から容易に剥離させることもできる。
第2の実施形態は、基体(第1の基体)12の裏面12bに第2の基体11を積層した点に特徴がある。
具体的には、基体(第1の基体)12が、例えば、第1の実施形態の第1の基体2のように、上面に複数のウェルを有し、平均細孔径が0.05μm以上10μm以下である気孔を有し、気孔率が25%以上50%以下の多孔体から形成され、ウェル最底部から基体下面までの厚さが0μmを超え45μm以下に形成され、機械的強度が弱い場合に、第2の基体11を積層する点に特徴がある。
この第2の基体11は、前記第1の基体12の機械的強度を増加させる以外に、第2の基体11の裏面から吸引した際、前記第1の基体12の裏面12bをより均一に吸引するために、前記第1の基体12の裏面(下面)12bに設けられている。
前記第1の基体12及び第2の基体11はセラミックス多孔質焼成体であり、同一の材料で構成されているのが好ましい。これにより前記基体(第1の基体)12と第2の基体11を効率良く、強固に焼結させることができる。
即ち、第2の基体11は、球状の多数の気孔21aの隣接するもの同士が連通孔21bを介して連通する三次元網目状の骨格構造を有している。
また、前記連通孔21bの平均気孔径が20μm未満の場合には、圧力損失が高くなり、吸引、加圧効果が得られなくなり、好ましくない。また、前記連通孔21bの平均気孔径が100μmを超える場合には、機械的強度が弱くなり、補強効果が十分得られないため、好ましくない。
骨格部21Bにおける細孔cの平均細孔径が0.05μm未満の場合は、強度が強くなり、所望の形状に加工する際に加工効率が悪くなり、1μmを超える場合は、より大きな粒子の原料が必要となり、第2基体を作製することが難しくなる。
このように構成された細胞培養担体10の裏面側(第2の基体11の裏面11b側)から、図4に示すように、圧力Pで吸引することにより、ウェル最底面部13aに負圧P4が作用し、ウェル側壁部13bには前記負圧P4よりも小さな負圧P5が作用し、更に細胞培養担体10の表面(第1の基体12の表面12a)には、前記負圧P5よりも小さな負圧P6が作用する。
この圧力損失の差によって生じる負圧差により、第1の基体12表面12a上の細胞をウェル13内に集めることができ、またウェル13内の細胞はよりウェル13の最底面部13aに集めることができ、均一なサイズの細胞を簡便に培養することができる。
尚、第1の実施形態と同様に、細胞培養担体10の裏面側(第2の基体11の裏面側11b)から正の圧力を加える(加圧する)ことにより、吸引の場合と同様に、前記第1の基体12の表面12aと、ウェル最底部13aとの間に圧力損失の差が生じ、培養細胞塊を培養担体から容易に剥離させることもできる。
図6に示すように、細胞培養モジュール20は、前記細胞培養担体1,10を保持、収容する容器本体21と、容器本体21内へ培養液を供給する第1の培養液水圧供給部22と、容器本体21内に培養液を供給する第2の培養液水圧供給部23と、培養された細胞を回収する大気開放された細胞回収部24とを備えている。
また、細胞培養モジュール20は、前記細胞培養担体1,10の表面側を加圧する加圧ポンプ25(加圧部)及び加圧制御部26と、前記細胞培養担体1,10の裏面側を減圧する真空ポンプ27(吸引部)及び圧力制御部28を備えている。
更に、細胞培養モジュール20は、容器21内に培養液を供給する第1の液量制御部29及び第1の水圧(液圧)制御部30と、容器21内に培養液を供給する第2の液量制御部31及び第2の水圧(液圧)制御部32と、容器21から細胞回収部24への培養液の排出量を制御する排出量制御部33を備えている。
また、容器21からの培養液を排出する、大気開放された培養液排出部34と、前記培養液の排出量を制御する培養液排出量制御部35を備えている。
このように、播種後、細胞培養担体1,10の裏面側から吸引または/および表面側から加圧することにより、細胞培養担体1,10の圧力損失の差が生じ、その圧力差により、細胞培養担体1,10の表面上の細胞をウェル内に集めることができ、またウェル内の細胞はよりウェルの最底面部3aに集めることができる。
更に、供給圧制御部30から供給圧を与え、容器21に培養液が満たされるまで培養液を供給する。この際、第2の培養液水圧供給部23においても同様に供給量制御部31及び供給圧制御部32を制御して培養液を供給してもよい。または、第2の培養液水圧供給部23のみで培養液を供給してもよい。
容器21内に培養液が満たされた時点で供給圧制御部22からの供給圧を止めて、供給量制御部29を「閉」状態として、培養液水圧供給部30における培養液の供給を停止する。この際、同様に、培養液排出量制御部35も「閉」状態とする。
細胞培養後、供給圧制御部32からの供給圧を止めて、供給量制御部31を「閉」状態とし、培養液の供給を停止し、培養液排出量制御部35も「閉」状態とする。
この操作により、細胞培養担体1,10の裏面側に、第1の培養液水圧供給部22から液圧が供給される。この液圧により、ウェル内で培養された細胞はウェルの表面から剥離し、剥離した細胞は容器内21内の培養液内に浮遊し、そのまま、培養液と共に、細胞回収部24に回収される。
また、培養液に供給圧を与え、細胞を培養するため、圧力に強い細胞を培養することができる。更には、培養後、胞培養担体の裏面側に液力を加えることによって、培養された細胞を、細胞培養担体から剥離できるため、トリプシン処理等の酵素処理を行う必要がないというメリットがある。
第1の基体を下記製造方法により製作した。
(実施例1)
原料として平均粒径500nmのアルミナ粉末(住友化学社製、AKP−20)200gと、分散剤としてポリアクリル酸アンモニウム(東亜合成社製、アロンA−30SL)4g及びエポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製、デナコールEX−614B)7gを、分散溶媒として純水50gを、ボールミルで15時間撹拌混合して原料スラリーを調製した。
さらにゲル化剤として3,3’−ジアミノジプロピルアミン(東京化成工業社製)2gを加えて、型に流し込み、アルミナ成形体を得た。この成形体を、1100℃で2時間焼成して、アルミナセラミックス焼結体を得た。この得られた焼結体に、所定のウェルを多数形成し、第1の基体とした。
この基体の厚さを、0.5mm、またウェル最底部から基体下面までの厚さを、200μmとした。また、前記ウェルの直径を300μm、深さを300μmとした。この基体の平均細孔径は、0.18μm、気孔率は40%であった。
この基体にヒトiPS細胞5×105個をPBS(Phosphate Buffered Saline;リン酸緩衝生理食塩水)1mlに懸濁させた懸濁液(5×105個/ml)を播種し、基体の下方より真空ポンプを用いて−99kPaで吸引した後、ALP(アルカリフォスファターゼ)染色を行い、基体上面、凹部における細胞の付着状況についてデジタルマイクロスコープを用いて観察した。その結果、表1に示すように、播種した細胞の90%が担体のウェル内に付着していることが確認された。
原料として平均粒径100nmのアルミナ粉末(大明化学社製、TM‐DAR)180gと、分散剤としてポリアクリル酸アンモニウム(東亜合成社製、アロンA−30SL)4g及びエポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製、デナコールEX−614B)7gを、分散溶媒として純水50gを、ボールミルで15時間撹拌混合して原料スラリーを調製した。
さらにゲル化剤として3,3’−ジアミノジプロピルアミン(東京化成工業社製)2gを加えて、型に流し込み、アルミナ成形体を得た。
この成形体を、1200℃で2時間焼成して、アルミナセラミックス焼結体を得た。この得られた焼結体に、所定のウェルが多数形成され、第1の基体とした。
この基体の厚さを、0.35mm、またウェル最底部から基体下面までの厚さを、50μmとした。また、前記ウェルの直径を300μm、深さを300μmとした。この基体の平均細孔径は、0.05μm、気孔率は30%であった。
この基体に実施例1と同様にヒトiPS細胞5×105個をPBS(Phosphate Buffered Saline;リン酸緩衝生理食塩水)1mlに懸濁させた懸濁液(5×105個/ml)を播種し、基体の下方より真空ポンプを用いて−99kPaで吸引した後、ALP(アルカリフォスファターゼ)染色を行い、基体上面、凹部における細胞の付着状況についてデジタルマイクロスコープを用いて観察した。その結果、表1に示すように、播種した細胞の75%が担体のウェル内に付着していることが確認された。
原料として平均粒径100nmのアルミナ粉末(大明化学社製、TM‐DAR)180gと、分散剤としてポリアクリル酸アンモニウム(東亜合成社製、アロンA−30SL)4g及びエポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製、デナコールEX−614B)7gを、分散溶媒として純水50gを、ボールミルで15時間撹拌混合して原料スラリーを調製した。
さらにゲル化剤として3,3’−ジアミノジプロピルアミン(東京化成工業社製)2gを加えて、型に流し込み、アルミナ成形体を得た。
この成形体を、1300℃で2時間焼成して、アルミナセラミックス焼結体を得た。この得られた焼結体に、所定のウェルが多数形成され、第1の基体とした。
この基体の厚さを、0.5mm、またウェル最底部から基体下面までの厚さを、200μmとした。また、前記ウェルの直径を300μm、深さを300μmとした。
この基体の平均細孔径は、0.04μm、気孔率は30%であった。
この基体に実施例1と同様にヒトiPS細胞5×105個をPBS(Phosphate Buffered Saline;リン酸緩衝生理食塩水)1mlに懸濁させた懸濁液(5×105個/ml)を播種し、基体の下方より真空ポンプを用いて−99kPaで吸引した後、ALP(アルカリフォスファターゼ)染色を行い、基体上面、凹部における細胞の付着状況についてデジタルマイクロスコープを用いて観察した。その結果、表1に示すように、播種した細胞の50%しか担体のウェル内に付着していなかった。これは圧力損失が高くなったため十分に吸引されなかったと考えられる。
原料として電融アルミナ微粉(太平洋ランダム社製、LA800)200gと、分散剤としてポリアクリル酸アンモニウム(東亜合成社製、アロンA−30SL)4g及びエポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製、デナコールEX−614B)7gを、分散溶媒として純水50gを、ボールミルで15時間撹拌混合して原料スラリーを調製した。
さらにゲル化剤として3,3’−ジアミノジプロピルアミン(東京化成工業社製)2gを加えて、型に流し込み、アルミナ成形体を得た。この成形体を、大気中1800℃で2時間焼成して、アルミナセラミックス焼結体を得た。
この得られた焼結体に、所定のウェルを多数形成し、第1の基体とした。この基体の厚さを、2.3mm、またウェル最底部から基体下面までの厚さを2mmとした。また、前記ウェルの直径を300μm、深さを300μmとした。
この基体の平均細孔径は、10μm、気孔率は30%であった。この基体にヒトiPS細胞5×105個をPBS(Phosphate Buffered Saline;リン酸緩衝生理食塩水)1mlに懸濁させた懸濁液(5×105個/ml)を播種し、基体の下方より真空ポンプを用いて−10kPaで吸引した後、ALP(アルカリフォスファターゼ)染色を行い、基体上面、凹部における 細胞の付着状況についてデジタルマイクロスコープを用いて観察した。
その結果、表1に示すように、播種した細胞の60%が担体のウェル内に付着していることが確認された。
原料として平均粒径9μmのアルミナ粉末(昭和電工社製、AS−50)200gと、分散剤としてポリアクリル酸アンモニウム(東亜合成社製、アロンA−30SL)1g及びエポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製、デナコールEX−614B)3.5gを、分散溶媒として純水50gを、ボールミルで15時間撹拌混合して原料スラリーを調製した。
さらにゲル化剤として3,3’−ジアミノジプロピルアミン(東京化成工業社製)1gを加えて、型に流し込み、アルミナ成形体を得た。この成形体を、大気中1800℃で2時間焼成して、アルミナセラミックス焼結体を得た。
この得られた焼結体に、所定のウェルを多数形成し、第1の基体とした。この基体の厚さを、2.3mm、またウェル最底部から基体下面までの厚さを2mmとした。また、前記ウェルの直径を300μm、深さを300μmとした。
この基体の平均細孔径は、2μm、気孔率は25%であった。この基体にヒトiPS細胞5×105個をPBS(Phosphate Buffered Saline;リン酸緩衝生理食塩水)1mlに懸濁させた懸濁液(5×105個/ml)を播種し、基体の下方より真空ポンプを用いて−10kPaで吸引した後、ALP(アルカリフォスファターゼ)染色を行い、基体上面、凹部における 細胞の付着状況についてデジタルマイクロスコープを用いて観察した。
その結果、表1に示すように、播種した細胞の60%が担体のウェル内に付着していることが確認された。
原料として平均粒径9μmのアルミナ粉末(昭和電工社製、AS−50)200gと、分散剤としてポリアクリル酸アンモニウム(東亜合成社製、アロンA−30SL)1g及びエポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製、デナコールEX−614B)3.5gを、分散溶媒として純水50gを、ボールミルで15時間撹拌混合して原料スラリーを調製した。
さらにゲル化剤として3,3’−ジアミノジプロピルアミン(東京化成工業社製)1gを加えて、型に流し込み、アルミナ成形体を得た。この成形体を、大気中1700℃で2時間焼成して、アルミナセラミックス焼結体を得た。
この得られた焼結体に、所定のウェルを多数形成し、第1の基体とした。この基体の厚さを、10.3mm、またウェル最底部から基体下面までの厚さを10mmとした。また、前記ウェルの直径を300μm、深さを300μmとした。
この基体の平均細孔径は、2μm、気孔率は35%であった。この基体にヒトiPS細胞5×105個をPBS(Phosphate Buffered Saline;リン酸緩衝生理食塩水)1mlに懸濁させた懸濁液(5×105個/ml)を播種し、基体の下方より真空ポンプを用いて−10kPaで吸引した後、ALP(アルカリフォスファターゼ)染色を行い、基体上面、凹部における 細胞の付着状況についてデジタルマイクロスコープを用いて観察した。
その結果、表1に示すように、播種した細胞の60%が担体のウェル内に付着していることが確認された。
実施例6における焼成条件の大気雰囲気を水素雰囲気に変え、他の条件は実施例と同一条件で、アルミナセラミックス焼結体を製作した。
この得られた焼結体に、所定のウェルを多数形成し、第1の基体とした。この基体の厚さを、2.3mm、またウェル最底部から基体下面までの厚さを2mmとした。また、前記ウェルの直径を300μm、深さを300μmとした。
この基体の平均細孔径は、11μm、気孔率は40%であった。この基体にヒトiPS細胞5×105個をPBS(Phosphate Buffered Saline;リン酸緩衝生理食塩水)1mlに懸濁させた懸濁液(5×105個/ml)を播種し、基体の下方より真空ポンプを用いて−10kPaで吸引した後、ALP(アルカリフォスファターゼ)染色を行い、基体上面、凹部における 細胞の付着状況についてデジタルマイクロスコープを用いて観察した。
その結果、表1に示すように、播種した細胞の50%が担体のウェル内に付着していることが確認された。また、圧損が低すぎて、均等に吸引することができなかった。
原料として平均粒径9μmのアルミナ粉末(昭和電工社製、AS−50)200gと、分散剤としてポリアクリル酸アンモニウム(東亜合成社製、アロンA−30SL)1g及びエポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製、デナコールEX−614B)3.5gを、分散溶媒として純水50gを、ボールミルで15時間撹拌混合して原料スラリーを調製した。
さらにゲル化剤として3,3’−ジアミノジプロピルアミン(東京化成工業社製)1gを加えて、型に流し込み、アルミナ成形体を得た。この成形体を、大気中1700℃で2時間焼成して、アルミナセラミックス焼結体を得た。
この得られた焼結体に、所定のウェルを多数形成し、第1の基体とした。この基体の厚さを、11.3mm、またウェル最底部から基体下面までの厚さを11mmとした。また、前記ウェルの直径を300μm、深さを300μmとした。
この基体の平均細孔径は、2μm、気孔率は35%であった。この基体にヒトiPS細胞5×105個をPBS(Phosphate Buffered Saline;リン酸緩衝生理食塩水)1mlに懸濁させた懸濁液(5×105個/ml)を播種し、基体の下方より真空ポンプを用いて−10kPaで吸引した後、ALP(アルカリフォスファターゼ)染色を行い、基体上面、凹部における 細胞の付着状況についてデジタルマイクロスコープを用いて観察した。
その結果、表1に示すように、播種した細胞の50%が担体のウェル内に付着していることが確認された。また、基材が厚すぎて、均等に吸引することができなかった。
(実施例9)
原料粉末としてアルミナ粉末(住友化学社製、AKP−20C)を200g、分散溶媒としてイオン交換水50g、架橋重合性を有する有機物質としてエポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製、デナコールEX614B)7gを用いて、それらをボールミルで5時間混合してスラリーを作製した。上記スラリーに起泡剤として、ラウリル硫酸トリエタノールアミン(花王社製、エマールTD;陰イオン性界面活性剤)4gを添加し、機械的な撹拌により350cm3になるまで起泡し、泡沫状のスラリーとした。これに架橋剤として、3,3’−ジアミノジプロピルアミン(東京化成工業社製)2gを添加して、十分に撹拌し、型内に導入して、静置し、架橋重合により、流動性を失いハンドリング可能な程度まで強度が発現した時点で脱型した。脱型後、加湿乾燥器および乾燥器を使用して十分に乾燥し、焼結を1200℃で行った。
このようにして得られたアルミナ焼結体の連通孔の平均気孔径は80μm、連通部の平均気孔径は20μmであった。また、骨格部の平均細孔径は、0.15μmであった。
この第2の基体の上面に上述の第1の基体(比較例4)を積層させ、細胞培養担体を作製した。その後、ヒトiPS細胞5×105個をPBS(Phosphate Buffered Saline;リン酸緩衝生理食塩水)1mlに懸濁させた懸濁液(5×105個/ml)を播種し、基体の下方より真空ポンプを用いて−99kPaで吸引した後、ALP(アルカリフォスファターゼ)染色を行い、基体上面、凹部における細胞の付着状況についてデジタルマイクロスコープを用いて観察した。その結果、表2に示すように、播種した細胞の90%が担体のウェル内に付着していることが確認された。
原料粉末としてアルミナ粉末(住友化学社製、AKP−20C)を200g、分散溶媒としてイオン交換水50g、架橋重合性を有する有機物質としてエポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製、デナコールEX614B)7gを用いて、それらをボールミルで5時間混合してスラリーを作製した。上記スラリーに起泡剤として、ラウリル酸トリエタノールアミン(花王社製、エマールTD;陰イオン性界面活性剤)2gを添加し、機械的な撹拌により200cm3になるまで起泡し、泡沫状のスラリーとした。これに架橋剤として、3,3’−ジアミノジプロピルアミン(東京化成工業社製)2gを添加して、十分に撹拌し、型内に導入して、静置し、架橋重合により、流動性を失いハンドリング可能な程度まで強度が発現した時点で脱型した。脱型後、加湿乾燥器および乾燥器を使用して十分に乾燥し、焼結を1200℃で行った。
このようにして得られたアルミナ焼結体の連通孔の平均気孔径は75μm、連通部の平均気孔径は5μmであった。また、骨格部の平均細孔径は、0.15μmであった。
この第2の基体の上面に上述の第1の基体(比較例4)を積層させ、細胞培養担体を作製した。その後、ヒトiPS細胞5×105個をPBS(Phosphate Buffered Saline;リン酸緩衝生理食塩水)1mlに懸濁させた懸濁液(5×105個/ml)を播種し、基体の下方より真空ポンプを用いて−99kPaで吸引した後、ALP(アルカリフォスファターゼ)染色を行い、基体上面、凹部における細胞の付着状況についてデジタルマイクロスコープを用いて観察した。
その結果、表2に示すように、播種した細胞の60%が担体のウェル内に付着していることが確認された。しかしながら、ウェル内に付着している細胞数にバラツキがあった。この結果を表2に示す。
その後、ヒトiPS細胞5×105個をPBS(Phosphate Buffered Saline;リン酸緩衝生理食塩水)1mlに懸濁させた懸濁液(5×105個/ml)を播種し、基体の下方より真空ポンプを用いて−99kPaで吸引した後、ALP(アルカリフォスファターゼ)染色を行い、基体上面、凹部における細胞の付着状況についてデジタルマイクロスコープを用いて観察した。その結果を表2に示す。
2 基体(第1の基体)
2a 表面
2b 下面(裏面)
3 ウェル
3a ウェル最底部
10 細胞培養担体
11 第2の基体
11a 表面
11b 下面(裏面)
21A 連通孔
21B 骨格部
21a 気孔部
21b 連通部
P (吸引)圧力
P1 ウェル最底面部の負圧
P2 ウェル側壁部の負圧
P3 第1の基体表面の負圧
d ウェル径
t1 第1の基体の厚さ
t2 ウェル最底面部から基板下面までの厚さ
t3 ウェル厚さ
t4 第2の基板の厚さ
この細胞培養担体40は、表面が多孔体からなる複数の凹部(ウェル)41が、基体表面にマトリックス状に配列されているものである。このような形状の細胞培養担体40を用いることにより、基体表面に形成された凹部(ウェル)内41のみで細胞を増殖させることが可能となり、ES細胞等の未分化細胞スフェロイドのサイズ制御を行うことができる。
このため、培養細胞を回収する際、特に、ヒトiPS細胞等において好ましくない、長時間の酵素処理を要することなく、培養細胞の該培養担体に対する付着および剥離を、より効率的に行うことができる。
しかしながら、図7に示すように細胞培養担体40の表面40aに播種された未分化細胞は、自然沈降によって複数の凹部(ウェル)41以外の細胞培養担体表面40aに播種される。その状態を図8に示す。尚、図8中、斜線部分は未分化細胞が播種された領域を示している。
この細胞培養担体表面40aに付着した未分化細胞は細胞塊を形成できない細胞は死滅し、細胞塊を形成した細胞は不均一な細胞塊となるため、ES細胞、iPS細胞等の未分化細胞を効率的に培養することができないという技術的課題があった。
尚、細胞培養担体の裏面側から圧力を加えることにより、吸引の場合と同様に、前記第1の基体表面とウェル最底部との間に圧力損失の差が生じ、培養細胞塊を細胞培養担体から容易に剥離することができ、均一なサイズの培養細胞を簡便に得ることができる。
この圧力損失の差によって生じる負圧差により、基体表面2a上の細胞をウェル3内に集めることができ、またウェル3内の細胞はよりウェル3の底面部(ウェル3の最底部3a)の中心部に集めることができ、均一なサイズの細胞を簡便に培養することができる。
尚、細胞培養担体1(基体2)の裏面側から正の圧力を加える(加圧する)ことにより、吸引の場合と同様に、前記基体2の表面2aと、ウェル最底部3aとの間に圧力損失の差が生じ、培養細胞塊を細胞培養担体1から容易に剥離させることもできる。
即ち、第2の基体11は、球状の多数の気孔部21aの隣接するもの同士が連通部21bを介して連通する三次元網目状の骨格構造を有している。
また、前記連通部21bの平均気孔径が20μm未満の場合には、圧力損失が高くなり、吸引、加圧効果が得られなくなり、好ましくない。また、前記連通部21bの平均気孔径が100μmを超える場合には、機械的強度が弱くなり、補強効果が十分得られないため、好ましくない。
このように構成された細胞培養担体10の裏面側(第2の基体11の裏面11b側)から、図4に示すように、圧力Pで吸引することにより、ウェル最底部13aに負圧P4が作用し、ウェル側壁部13bには前記負圧P4よりも小さな負圧P5が作用し、更に細胞培養担体10の表面(第1の基体12の表面12a)には、前記負圧P5よりも小さな負圧P6が作用する。
この圧力損失の差によって生じる負圧差により、第1の基体12の表面12a上の細胞をウェル13内に集めることができ、またウェル13内の細胞はよりウェル13の底面部(ウェル13の最底部13a)に集めることができ、均一なサイズの細胞を簡便に培養することができる。
尚、第1の実施形態と同様に、細胞培養担体10の裏面側(第2の基体11の裏面側11b)から正の圧力を加える(加圧する)ことにより、吸引の場合と同様に、前記第1の基体12の表面12aと、ウェル最底部13aとの間に圧力損失の差が生じ、培養細胞塊を培養担体から容易に剥離させることもできる。
図6に示すように、細胞培養モジュールMは、前記細胞培養担体1,10を保持、収容する容器本体Vと、容器本体V内へ培養液を供給する第1の培養液水圧供給部22と、容器本体V内に培養液を供給する第2の培養液水圧供給部23と、培養された細胞を回収する大気開放された細胞回収部24とを備えている。
また、細胞培養モジュールMは、前記細胞培養担体1,10の表面側を加圧する加圧ポンプ25(加圧部)及び加圧制御部26と、前記細胞培養担体1,10の裏面側を減圧する真空ポンプ27(吸引部)及び圧力制御部28を備えている。
更に、細胞培養モジュールMは、容器V内に培養液を供給する第1の液量制御部29及び第1の水圧(液圧)制御部30と、容器V内に培養液を供給する第2の液量制御部31及び第2の水圧(液圧)制御部32と、容器Vから細胞回収部24への培養液の排出量を制御する排出量制御部33を備えている。
また、容器Vからの培養液を排出する、大気開放された培養液排出部34と、前記培養液の排出量を制御する培養液排出量制御部35を備えている。
このように、播種後、細胞培養担体1,10の裏面側から吸引または/および表面側から加圧することにより、細胞培養担体1,10の圧力損失の差が生じ、その圧力差により、細胞培養担体1,10の表面上の細胞をウェル内に集めることができ、またウェル内の細胞はよりウェルの最底部3aに集めることができる。
更に、第1の水圧(液圧)制御部30から供給圧を与え、容器Vに培養液が満たされるまで培養液を供給する。この際、第2の培養液水圧供給部23においても同様に第2の液量制御部31及び第2の水圧(液圧)制御部32を制御して培養液を供給してもよい。または、第2の培養液水圧供給部23のみで培養液を供給してもよい。
容器V内に培養液が満たされた時点で第1の培養液水圧供給部22からの供給圧を止めて、第1の液量制御部29を「閉」状態として、第1の水圧(液圧)制御部30における培養液の供給を停止する。この際、同様に、培養液排出量制御部35も「閉」状態とする。
細胞培養後、第2の水圧(液圧)制御部32からの供給圧を止めて、第2の液量制御部31を「閉」状態とし、培養液の供給を停止し、培養液排出量制御部35も「閉」状態とする。
この操作により、細胞培養担体1,10の裏面側に、第1の培養液水圧供給部22から液圧が供給される。この液圧により、ウェル内で培養された細胞はウェルの表面から剥離し、剥離した細胞は容器V内の培養液内に浮遊し、そのまま、培養液と共に、細胞回収部24に回収される。
その後、ヒトiPS細胞5×105個をPBS(Phosphate Buffered Saline;リン酸緩衝生理食塩水)1mlに懸濁させた懸濁液(5×105個/ml)を播種し、基体の下方より真空ポンプを用いて−99kPaで吸引した後、ALP(アルカリフォスファターゼ)染色を行い、基体上面、凹部における細胞の付着状況についてデジタルマイクロスコープを用いて観察した。その結果を表2に示す。
Claims (5)
- 上面に複数のウェルを有し、平均細孔径が0.05μm以上10μm以下である気孔を有し、気孔率が25%以上50%以下の多孔体からなる第1の基体を備え、
前記第1の基体のウェル最底部から基体下面までの厚さが、50μm以上10mm以下であることを特徴する細胞培養担体。 - 上面に複数のウェルを有し、ウェルの最底部から基体下面までの厚さが、0μm超え45μm以下であり、平均細孔径が0.05μm以上10μm以下である気孔を有し、気孔率が25%以上50%以下の多孔体からなる第1の基体と、
平均気孔径が50μm以上200μm以下で、かつ連通部の平均気孔径が20μm以上100μm以下である連通孔と、平均細孔径が0.05μm以上1.0μm以下である骨格部とを含む第2の基体とを備え、
前記第2の基体の上面に、前記第1の基体が積層されていることを特徴とする細胞培養担体。 - 前記ウェルの径が10μm以上1000μm以下、深さが10μm以上1000μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項に2記載の細胞培養担体。
- 前記第1の基体及び第2の基体が、ジルコニア、イットリア、チタニア、アルミナ、アルミナ−シリカ、シリカ、ハイドロキシアパタイト及びβ‐リン酸三カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種のセラミックスで構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか記載の細胞培養担体。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の細胞培養担体を用いる細胞培養モジュールであって、
前記細胞培養担体の裏面側に吸引部または/および表面側に加圧部を備えることを特徴とする細胞培養モジュール。
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