JP2014132869A - 細胞培養容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】マイクロウェルのような多検体培養において培養液の劣化を緩やかとし、培養液の交換頻度を低減することができる細胞培養容器を提供する。
【解決手段】本発明の細胞培養容器は、内部に細胞を保持する保持部が複数連接された細胞保持部材であって、前記保持部は液体が内外を流通可能に形成されており、前記保持部は複数のウェルを有するマイクロプレートの各ウェルに対応するように配列された細胞保持部材と、培養液を貯留する容器であって、前記細胞保持部材を装着可能であり、装着した状態で前記各保持部を前記培養液中に一括して浸漬する容器と、を備える。これにより、マイクロウェルのような多検体培養において培養液の劣化を緩やかとし、培養液の交換頻度を低減することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、細胞培養容器に関する。
近年、生体組織を模したモデルを用いた薬効評価等の研究が盛んに行われている。このような研究ではモデルが生体を再現する程度が非常に重要となる。例えば、通常の細胞培養では培養面に細胞が接着して層をなしているため、培養液等は主に細胞の上面から細胞に接する。しかし、生体環境では体液は細胞の上面のみならず下面等からも細胞に接し、種々の応答を行う。したがって、生体組織を模したモデルでは生体環境を含めた再現性の高さが求められる。
特許文献1に開示される培養器はこのような目的に資するものである。この培養器は明細書に開示されるように、細胞は透過しないが培養液等は透過するメンブランフィルター上で細胞を培養する。このためメンブランフィルターを介して培養液が細胞の下面に接することができる。したがって細胞の極性を踏まえた系を構築することも可能である。
また、このような培養器は細胞の三次元培養にも用いることができる。生体組織を模倣する上では細胞を三次元的に培養し組織構造を形成することが必要となる。このとき下層の細胞への酸素や栄養素の供給が問題となる。特許文献1の培養器では細胞を積層した場合でも上層側と下層側の両面で培養液と接し栄養素を供給することができるため、三次元培養に適している。
特開昭62−155078号公報
しかしながら、特に三次元培養においては特許文献1のような培養器だけでは十分な培養を行うことができない。三次元培養ではウェル当たりの細胞数が非常に多くなるため、培養液の劣化が非常に速い。したがって、特許文献1のような培養器で三次元培養を行うと培養液を頻繁に交換しなければならず非常に煩雑である。
また、例えば、人工皮膚モデルを作製する場合、真皮層の細胞を集積させた上に表皮層の細胞を集積させ、さらに表面を角質化するといった三次元的な培養によりモデルが作製される。このとき表面の角質化のためには上層は空気に触れていることが必要である。したがって培養液量の綿密なコントロールが重要であるが、マイクロウェルのように容量の小さいものではこのようなコントロールが難しい。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、マイクロウェルのような多検体培養において培養液の劣化を緩やかとし、培養液の交換頻度を低減することができる細胞培養容器を提供する。
このような目的は、下記(1)〜(3)に記載の本発明により達成される。
(1)内部に細胞を保持する保持部が複数連接された細胞保持部材であって、前記保持部は液体が内外を流通可能に形成されており、前記保持部は複数のウェルを有するマイクロプレートの各ウェルに対応するように配列された細胞保持部材と、
培養液を貯留する容器であって、前記細胞保持部材を装着可能であり、装着した状態で前記各保持部を前記培養液中に一括して浸漬する容器と、を備えることを特徴とする細胞培養容器。
(2)複数のウェルを有するマイクロプレートを更に有し、前記細胞保持部材は前記マイクロプレートに装着可能である(1)に記載の細胞培養容器。
(3)前記保持部は、前記細胞は通過できないが前記液体は通過できる多孔質膜を含んで形成される(1)又は(2)に記載の細胞培養容器。
本発明によれば、マイクロウェルのような多検体培養において培養液の劣化を緩やかとし、培養液の交換頻度を低減することができる。
本発明の実施形態に係る細胞培養容器の斜視図である。 図1のII−II断面図である。
以下、本発明の細胞培養容器の好適な実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る細胞培養容器1について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る細胞培養容器1の斜視図である。また、図2は、図1のII−II断面図である。
図1に示すように、本実施形態の細胞培養容器1は、培養液4を貯留する容器2と、容器2に装着される細胞保持部材3とを備える。
容器2は細胞培養に際して培養液4を貯留する。容器2は底面部21と底面部21の周縁から立設する側壁部22とを有する。図1に示すように、本実施形態では容器2の底面部21は長方形状をなしている。したがって、容器2は上面が開放された方形をなしており、内部に貯留部23が画定されている。容器2は寸法・外形において一般的なマイクロウェルプレートと同様であり、ウェルを有さず貯留部23は仕切りのない一つの空間となっている点が異なる。なお、貯留部23はこのような形に限られず、例えば2つや4つの空間に分かれるように仕切られていてもよい。
容器2の材料としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂または環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等のメタクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアクリロニトリル等のアクリル系樹脂、プロピオネート樹脂等の繊維素系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、培養容器に求められる成形性、放射線滅菌耐性の点においてポリスチレン樹脂が好ましい。
本実施形態の容器2の代表的な寸法例について説明する。容器2は、外形が縦125mm程度、横83mm程度であり、高さが22mm程度の平板状である。また、貯留部23は縦120mm程度、横78mm程度であり、深さが20mm程度である。
細胞保持部材3は、内部に細胞を保持する複数の保持部31と、各保持部31を連結する連接部32とを有している。保持部31に細胞を保持した状態で細胞保持部材3を容器2に装着すると、容器2に貯留された培養液4中に保持部31が浸漬されて細胞が培養液4中で培養されることとなる。
保持部31は一端が閉塞された筒状体をなしている。本実施形態では保持部31は完全な円筒状ではなく、閉塞端側に向かって窄んでいる。そして閉塞端にはメンブレン311が設けられている。
図1に示すように、本実施形態の細胞保持部材3は6つの保持部31を有する。6つの保持部31は一般的な6ウェルプレートの各ウェルに対応するように2行3列に配置されている。保持部31はどのように配置されていてもよいが、後に説明するように一般的なマイクロウェルプレートと組み合わせて使用する場合には、本実施形態のように各ウェルに対応するように配置されていることが好ましい。
メンブレン311は上面に細胞を保持する。メンブレン311は細胞保持部材3を容器2に装着したときに培養液4に完全に浸漬される。メンブレン311には細胞は通過できないが、培養液4等の液体は通過できるサイズの通孔が設けられている。したがって、メンブレン311上で培養される細胞は培養液4中に脱落することは防止されるが、メンブレン311を通して培養液4は細胞に接することができる。このためメンブレン311直上の細胞にも培養液4を介して栄養素や酸素を供給することができる。
保持部31は側壁に内外を貫通する流路33が形成されている。本実施形態では流路33は側壁の周囲に4つ設けられている。流路33は積層した細胞の最上部より高く、かつ、培養液4の液面よりも低い位置に形成される。したがって、保持部31を培養液4に浸漬すると培養液4が保持部31の内外を流通することができる。
連接部32は複数の保持部31を連結する。図1に示すように、本実施形態では連接部32は平板状をなしている。連接部32は保持部31の配置位置に対応する位置に孔が形成されている。この孔に保持部31を装着することにより細胞保持部材3が形成される。なお、保持部31と連接部32は一体として成形されていてもよい。また、連接部32は平板状に限られず、例えば隣接する保持部31同士を連結する橋部により構成されていてもよい。
保持部31及び連接部32の材料としては、前述の容器2と同様の材料を用いることができる。また、メンブレン311の材料としては例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂が挙げられる。
細胞保持部材3の代表的な寸法例について説明する。保持部31はメンブレン311側の外径が27mm程度、内径が24mm程度である。また、開放端側の外径が31mm程度、内径が28mm程度である。さらに保持部31の高さは17mm程度である。また、連接部32は容器2よりも一回り程度大きい寸法を有している。したがって、例えば、縦123mm程度、横81mm程度であり、厚さは1mm程度である。メンブレン311はポアサイズが0.1〜1μm程度である。
このような本願発明によれば、通常のマイクロウェルプレートでの培養と比べて大量の培養液4を保持することができるため、培養液4の劣化を緩やかにすることができる。したがって、培養液4の交換に伴う煩雑な作業の発生を抑制することができる。また、各保持部31の内部はメンブレン311や流路33により容器2内部と連通している。したがって、培養液4は各保持部31間を移動自在であり、各保持部31内の細胞を均一な条件で培養することができる。
次に本実施形態の細胞培養容器1の使用方法について説明する。
なお、本実施形態では8層の細胞積層物の培養について説明するが、本発明の適用範囲はこれに限られず接着細胞や浮遊細胞等種々の細胞の培養に用いることができる。
まず、播種する細胞を通常の方法で培養する。その後、トリプシン/EDTA処理により約1×107個の培養細胞を回収する。
次いでこの培養細胞に細胞接着層を形成する。まず、培養細胞をフィブロネクチン溶液に懸濁し、遠心分離によって細胞を回収する。次にこの細胞をゼラチン溶液に懸濁し、遠心分離によって細胞を回収する。このフィブロネクチン溶液とゼラチン溶液への懸濁を4回ずつ行うことにより細胞表面に接着層が形成される。この処理を行うことにより細胞を三次元的に培養することが可能となる。
この細胞を培養液4で懸濁し2.2×106cells/mLの細胞密度となるように細胞懸濁液を調製する。なお、細胞密度は形成する層数と1ウェル当たりの培養液4の分注量により適宜調整される。以上により播種用の細胞の調製がなされる。
次いで細胞保持部材3の各保持部31に細胞懸濁液を分注する。また、容器2にも十分量の培養液4を加える。そして、細胞保持部材3を容器2に装着し、保持部31を培養液4中に浸漬させる。この状態で容器2に蓋(図示せず)をして、37℃、5%CO2濃度のインキュベータ内で培養する。1日程度培養をすると8層の細胞積層物を形成することができる。
この培養では、メンブレン311を介して培養液4が細胞積層物の下面から接することができるため、細胞積層物に十分な栄養素や酸素を供給することができる。また、メンブレン311や流路33により保持部31内部と容器2の内部とが連通しているため保持部31内の培養液4の劣化を緩やかにすることができる。さらに、各保持部31の内部は容器2の内部を介してすべて連通しているため、各保持部31内の培養条件はほぼ均一となる。これにより各保持部31内の細胞積層物の状態をほぼ均一にすることができ、薬効評価等においてサンプルのバラツキを低減した評価をすることができる。
具体的に評価等の試験を行う場合は、細胞保持部材3を容器2から取り外し、マイクロプレートに装着する。本実施形態の細胞培養容器1は細胞保持部材3と容器2が分離可能であり、かつ、保持部31の配置がマイクロプレートのウェルの配置と同じにしている。このようにすると、細胞積層物の形成時には各保持部31の培養条件を均一にして均質な細胞積層物を得ることができる。そして、評価時にはマイクロプレートのウェルで各保持部31が分断されるため、それぞれ異なる条件での評価試験を行うことができる。したがって、均質な多検体を得ることができるとともに、多種の試験を迅速に行うことができる。
1 細胞培養容器
2 容器
21 底面部
22 側壁部
23 貯留部
3 細胞保持部材
31 保持部
311 メンブレン
32 連接部
33 流路
4 培養液

Claims (3)

  1. 内部に細胞を保持する保持部が複数連接された細胞保持部材であって、前記保持部は液体が内外を流通可能に形成されており、前記保持部は複数のウェルを有するマイクロプレートの各ウェルに対応するように配列された細胞保持部材と、
    培養液を貯留する容器であって、前記細胞保持部材を装着可能であり、装着した状態で前記各保持部を前記培養液中に一括して浸漬する容器と、を備えることを特徴とする細胞培養容器。
  2. 複数のウェルを有するマイクロプレートを更に有し、前記細胞保持部材は前記マイクロプレートに装着可能である請求項1に記載の細胞培養容器。
  3. 前記保持部は、前記細胞は通過できないが前記液体は通過できる多孔質膜により形成される請求項1又は2に記載の細胞培養容器。
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