JP2014027286A - 半導体薄膜、及びその製造方法、並びに薄膜トランジスタ、アクティブマトリックス駆動表示パネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】キャリア密度が10+17cm−3以下、ホール移動度が2cm2/V・sec以上、エネルギーバンドギャップが2.4EV以上であり、X線散乱測定より求められる動径分布関数における、原子間距離が0.3〜0.36nmの間のRDFの最大値をA、原子間距離が0.36〜0.42nmの間のRDFの最大値をBとしたときに、A/B>0.8の関係を満たすように、酸化亜鉛と酸化インジウムを含有する非晶質膜を成膜した後に、酸化処理して透明半導体薄膜40を形成する。
【選択図】 図1
Description
そのなかでも、近年における表示装置のめざましい発展に伴い、液晶表示装置(LCD)のみならず、エレクトロルミネッセンス表示装置(EL)や、フィールドエミッションディスプレイ(FED)などの各種の表示装置において、表示素子に駆動電圧を印加して表示装置を駆動させるスイッチング素子として、薄膜トランジスタ(TFT)が多用されている。
また、その材料としては、シリコン半導体化合物が最も広く用いられており、一般に、高速動作が必要な高周波増幅素子、集積回路用素子などには、シリコン単結晶が用いられ、液晶駆動用素子などには、大面積化の要求からアモルファスシリコンが用いられている。
さらに、半導体活性層に可視光が照射されると導電性を示し、漏れ電流が発生して誤動作のおそれがあるなど、スイッチング素子としての特性が劣化するという問題もある。そのため、可視光を遮断する遮光層を設ける方法が知られており、例えば、遮光層としては金属薄膜が用いられている。
しかしながら、金属薄膜からなる遮光層を設けると工程が増えるだけでなく、浮遊電位を持つこととなるので、遮光層をグランドレベルにする必要があり、その場合にも寄生容量が発生するという問題がある。
また、可視光の透過率が低いため、半導体層が電極部にはみ出ると表示部の透過率が下がり、バックライトによる照明効率が低下して画面が暗くなるおそれがあり、加工精度の公差が小さくコストアップの一因となっていた。
また、従来の薄膜トランジスタ(TFT)は、ガラスなどの基板上にゲ−ト電極、ゲ−ト絶縁層、水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)などの半導体層、ソ−ス及びドレイン電極を積層した逆スタガ構造のものがあり、イメ−ジセンサを始め、大面積デバイスの分野において、アクティブマトリスク型の液晶ディスプレイに代表されるフラットパネルディスプレイなどの駆動素子として用いられている。これらの用途では、従来アモルファスシリコンを用いたものでも高機能化に伴い作動の高速化が求められてきている。
例えば、特許文献1や、特許文献2などには、酸化亜鉛を高温で結晶化し薄膜トランジスタを構成する方法が記載されている。
本発明に係る半導体薄膜において、キャリア密度が10+17cm−3より大きくなると、薄膜トランジスタ1などの素子を構成した際に、漏れ電流が発生してしまうとともに、ノーマリーオンになってしまったり、on−off比が小さくなってしまったりすることにより、良好なトランジスタ性能が発揮できないおそれがある。
また、ホール移動度が2cm2/Vsより小さいと、薄膜トランジスタ1の電界効果移動度が小さくなってしまい、表示素子を駆動するスイッチング素子として用いる場合に、アモルファスシリコンと同様に、スイチング速度が遅く、高速な動画の表示に追従できないおそれがある。
また、エネルギーバンドギャップが2.4eVより小さいと、可視光が照射された際に、価電子帯の電子が励起されて導電性を示し、漏れ電流が生じやすくなるおそれがある。
また、比率(A/B)はインジウム−酸素−インジウムの結合形態が、陵共有と頂点共有をなすものの比率、あるいは短距離秩序の維持比率を表しているものと推定され、この比率が0.8以下だと、ホール移動度や電界効果移動度が低下するおそれがある。
また、上記範囲で成膜した半導体薄膜を酸素存在下の熱処理やオゾン処理などの酸化処理をすることがキャリア密度を安定化させるために好ましい。
熱処理をする場合は、熱処理時の膜面の温度が、成膜時の基板温度より100〜270℃高い方が好ましい。この温度差が100℃より小さいと熱処理効果が無く、270℃より高いと基板が変形したり、半導体薄膜界面が変質し半導体特性が低下したりするおそれがある。このような不具合をより有効に回避するには、成膜時の基板温度より熱処理時の膜面の温度が130〜240℃高いものがより好ましく、160〜210℃高いものが特に好ましい。
なお、図1は、本発明に係る薄膜トランジスタの実施形態の概略を示す説明図である。
特に図示しないが、ゲート電極30、ソ−ス電極20、ドレイン電極10の各電極は、異なる二層以上の導電層を積層した多層構造とすることもできる。
このようなゲート絶縁膜50は、異なる2層以上の絶縁膜を積層した構造でもよい。また、ゲート絶縁膜50は、結晶質であっても非晶質であってもよいが、工業的に製造しやすい非晶質であるのが好ましい。
このような酸化亜鉛と酸化インジウムを含有する非晶質膜は、広い温度範囲で作製しやすいとともに、非晶質膜とすることにより大面積で均一な物性を発現しやすくなるため、表示パネルなどの用途で特に好ましく、例えば、アクティブマトリックス駆動表示パネルに好適に利用することができる。
なお、非晶質膜であることは、X線回折で明確なピークが現れないことで確認できる。
そして、正三価元素であるインジウムに対して正二価元素である亜鉛を含有させることで、キャリア濃度を減少させるとともに、後述するように、成膜後に酸化処理を施すことによって、ホール移動度を低下させることなく、キャリア濃度を制御することも可能となる。
原子比[Zn/(Zn+In)]が0.10より小さく、亜鉛の含有率が少ないと、結晶化しやすくなり、適正な製造条件を選定しないと大面積上に均一な非晶質の膜が得られないおそれがある。
一方、原子比[Zn/(Zn+In)]が0.82より大きくなり、亜鉛の含有率が過剰になると、耐薬品性が低下したり、酸化亜鉛の結晶が生成して膜質が不均一となったりするおそれがある。
本実施形態において、上記のような不具合をより有効に回避するためには、原子比[Zn/(Zn+In)]は0.51〜0.80であるのが好ましくは、より好ましくは0.55〜0.80であり、0.6〜0.75が特に好ましい。
ここで、非縮退半導体薄膜とは、キャリア濃度が温度に依存して変化する半導体薄膜であり、これに対して、縮退半導体薄膜とは、キャリア濃度が温度に依存せずに一定の値を示す半導体薄膜のことをいう。このキャリア濃度の温度依存性は、ホール測定から求めることができる。
ナノクリスタルの存在はTEMで観察することで確認することができる。
ただし、この場合には、インジウム[In]と第三金属元素[M]の原子比[M/(M+In)]を0〜0.5とする。原子比[M/(M+In)]が0.5を超えると、ホール移動度が低下するおそれがある。これは、主元素間の結合数が減り、パーコレーション伝導が困難になるためと推定される。
このような不具合をより有効に回避するためには、原子比[M/(M+In)]は、0〜0.3であるのが好ましい。
この比率(A/B)は、インジウム−酸素−インジウムの結合形態が、陵共有と頂点共有をなすものの比率、あるいは短距離秩序の維持比率を表しているものと推定され、この比率(A/B)が0.8以下だとホール移動度や電界効果移動度が低下するおそれがある。
このような不具合をより有効に回避するためには、比率(A/B)は、A/B>0.9を満たしているのがより好ましく、さらに好ましくはA/B>1.0であり、A/B>1.1を満たすものが最も好ましく、比率(A/B)が大きいことは、短い距離のインジウム−インジウムの短距離秩序が保たれていると推定される。このため、電子の移動経路が確保されて、ホール移動度や電界効果移動度の向上が期待される。
スパッタ法としては、例えば、DCスパッタ法、RFスパッタ法、ACスパッタ法、ECRスパッタ法、対向ターゲットスパッタ法などが挙げられる。これらのなかでも、工業的に量産性が高く、また、RFスパッタ法よりもキャリア濃度を下げやすいDCスパッタ法や、ACスパッタ法が好ましい。また、成膜による界面の劣化を抑えて、漏れ電流を抑制したり、onn−off比などの透明半導体薄膜40の特性を向上させたりするには、膜質の制御がしやすいECRスパッタ法や、対向ターゲットスパッタ法が好ましい。
再現性、大面積での均一性から酸化インジウムと正二価元素の酸化物とを含有する焼結ターゲットを用いることが好ましい。
このような不具合をより有効に回避するためには、雰囲気ガス中の酸素分圧は、好ましくは15×10−3Pa以下、より好ましくは7×10−3Pa以下であり、1×10−3Pa以下であるのが特に好ましい。
ここで、成膜時に基板温度が200℃より高いと、酸化処理してもキャリア濃度が下がらなかったり、樹脂製基板を用いた場合に変形や寸法変化を起こしたりするおそれがある。このような不具合をより有効に回避するためには、基板温度は、好ましくは180℃以下、より好ましくは150℃以下、さらに好ましくは120℃以下であり、90℃以下であるのが特に好ましい。
なお、成膜時に酸素などのガス成分の濃度を制御して、キャリア濃度を制御する方法もあるが、このような方法では、ホール移動度が低下するおそれがある。これは、キャリア制御のために導入したガス成分が、膜中に取り込まれ散乱因子となっているものと推定される。
熱処理の温度が80℃より低いと処理効果が発現しなかったり、時間がかかりすぎたりするおそれがあり、650℃より高いと基板が変形するおそれがある。このような不具合をより有効に回避するために、処理温度は、好ましくは120〜500℃、より好ましくは150〜450℃、さらに好ましくは180〜350℃であり、200〜300℃が特に好ましい。
また、熱処理の時間が0.5分より短いと内部まで電熱する時間が不足し処理が不十分となるおそれがあり、12000分より長いと処理装置が大きくなり工業的に使用できなかったり、処理中に基板が破損・変形したりするおそれがある。このような不具合をより有効に回避するために、処理時間は、好ましくは1〜600分、より好ましくは5〜360分、さらに好ましくは15〜240分であり、30〜120分が特に好ましい。
(1)スパッタリングターゲットの製造、及び評価
1.ターゲットの製造
原料として、平均粒径が3.4μmの酸化インジウムと、平均粒径が0.6μmの酸化亜鉛とを、原子比〔In/(In+Zn)〕が0.28、原子比〔Zn/(In+Zn)〕が0.72となるように混合して、これを湿式ボールミルに供給し、72時間混合粉砕して原料微粉末を得た。
得られた原料微粉末を造粒した後、直径10cm、厚さ5mmの寸法にプレス成形して、これを焼成炉に入れ、酸素ガス加圧下において、1,400℃,48時間の条件で焼成して、焼結体(ターゲット)を得た。このとき、昇温速度は、3℃/分であった。
2.ターゲットの評価
得られたターゲットにつき、密度、バルク抵抗値を測定した。その結果、理論相対密度は99%であり、四探針法により測定したバルク抵抗値は、0.8mΩであった。
上記(1)で得られたスパッタリングターゲットを、DCスパッタ法の一つであるDCマグネトロンスパッタリング法の成膜装置に装着し、ガラス基板(コーニング1737)上に透明導電膜を成膜した。
ここでのスパッタ条件としては、基板温度;25℃、到達圧力;1×10−3Pa、雰囲気ガス;Ar100%、スパッタ圧力(全圧);4×10−1Pa、投入電力100W、成膜時間20分間とした。
この結果、ガラス基板上に、膜厚が約100nmの透明導電性酸化物が形成された透明導電ガラスが得られた。
なお、得られた膜組成をICP法で分析したところ、原子比〔In/(In+Zn)〕が0.28、原子比〔Zn/(In+Zn)〕が0.72であった。
上記(2)で得られた透明半導体薄膜を大気中(酸素存在下)150℃で、100時間加熱(大気下熱処理)することで酸化処理を行なった。
上記(3)で得られた透明半導体薄膜のキャリア濃度、及びホール移動度をホール測定装置により測定した。キャリア濃度は8×1015cm−3、ホール移動度16cm2/Vsであった。また、四探針法により測定した比抵抗値は、48Ωcmであった。
なお、X線回折で非晶質膜であることを確認した。
[ホール測定装置]
東陽テクニカ製:Resi Test8310
[測定条件]
室温(25℃)、0.5[T]、AC磁場ホール測定
原料の組成比、成膜条件、酸化処理条件を表1のように調整した以外は、実施例1と同様に作製評価した。
PET基板上に、成膜時間以外は、前記実施例1〜7,比較例1〜4と同じ条件で作成した30nmの透明半導体薄膜を用い、図1のような構成で、チャンネル長さL=10μm、チャンネルW=150μmのトップゲート型の薄膜トランジスタを構成した。
このとき、ゲート絶縁膜として、誘電率の高い酸化イットリウムを厚み170nmに積層して用いた。また、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の各電極として厚み150nmのIZOを用いた。
[評価基準]
良好:10回以上動作を繰り返してもI−V特性のヒステリシスが小さい。
やや良好:10回以上動作を繰り返すとI−V特性に大きなヒステリシスが発生する。
不良:10回未満の動作の繰り返しでI−V特性に大きなヒステリシスが発生する。
40 透明半導体薄膜
Claims (13)
- 酸化亜鉛と酸化インジウムを含有する非晶質膜からなる半導体薄膜であって、
キャリア密度が10+17cm−3以下、ホール移動度が2cm2/V・sec以上、エネルギーバンドギャップが2.4eV以上であり、
X線散乱測定より求められる動径分布関数(RDF)における、原子間距離が0.3〜0.36nmの間のRDFの最大値をA、原子間距離が0.36〜0.42nmの間のRDFの最大値をBとしたときに、A/B>0.8の関係を満たすことを特徴とする半導体薄膜。 - 前記非晶質膜中の亜鉛[Zn]とインジウム[In]の原子比が、Zn/(Zn+In)=0.10〜0.82であることを特徴とする請求項1に記載の半導体薄膜。
- 前記非晶質膜中の亜鉛ZnとインジウムInの原子比が、Zn/(Zn+In)=0.51〜0.80であることを特徴とする請求項1に記載の半導体薄膜。
- 波長550nmの透過率が75%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体薄膜。
- 仕事関数が3.5〜6.5eVの非縮退半導体薄膜であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体薄膜。
- 非晶質膜にナノクリスタルが分散していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体薄膜。
- 第三の金属元素[M]を含有し、前記第三の金属元素[M]とインジウム[In]の原子比[M/(M+In)]が、0〜0.5であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体薄膜。
- 第三の金属元素[M]を含有し、前記第三の金属元素[M]とインジウム[In]の原子比[M/(M+In)]が、0〜0.3であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明酸化物半導体薄膜。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体薄膜を製造するにあたり、
雰囲気ガス中の水H2Oの分圧が10−3Pa以下となる条件で、酸化亜鉛と酸化インジウムを含有する非晶質膜を成膜することを特徴とする半導体薄膜の製造方法。 - 基板温度200℃以下で物理成膜した前記非晶質膜を酸化処理する工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の半導体薄膜の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体薄膜を有することを特徴とする薄膜トランジスタ。
- 前記半導体薄膜が、樹脂基板上に設けられていることを特徴とする請求項11に記載の薄膜トランジスタ。
- 請求項11又は12のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタを有することを特徴とするアクティブマトリックス駆動表示パネル。
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