JP2010216995A - 電池特性判断方法及び電池特性判断装置 - Google Patents

電池特性判断方法及び電池特性判断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電池特性判断として、電池の特性異常あるいは特性異常に至る前の状態の検出を可能とすることである。
【解決手段】 電池特性判断装置50は、スイッチ52と、交流信号源54と、電池電流を検出する電流検出部56と、制御部70を含んで構成される。制御部70は、交流信号源54に検出用交流波形を電池10に印加する指令を行う検出用波形印加モジュール72と、検出用交流波形に対する応答電流波形を電流検出部56によって検出し取得する応答波形取得モジュール74と、取得された応答電流波形をその波形の複数周期分に渡って積分する積分処理モジュール76と、積分手段によって積分された値がゼロでなく、かつ時間経過と共に絶対値が増加するか否かに基づいて、電池特性が異常か正常かを判断する電池特性判断モジュール78とを含んで構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池特性判断方法及び電池特性判断装置に係り、特に、電池が異常状態にあるか正常状態にあるかを判断する電池特性判断方法及び電池特性判断装置に関する。
電力源としての電池に特性変化、特性劣化等が生じると電池能力に制限が生じるので、電池特性を検出することが行われる。電池特性の検出には、例えば、電池の内部抵抗の変化、電池の容量成分の変化等を測定することが行われる。
例えば、特許文献1には、電池特性の検出方法として、二相発振回路を用いて所定周波数の正弦波を電池に重畳し、そのときの電池の応答電流の0からπまでの区間でコンダクタンスGを求め、0.5πから1.5πの区間でサセプタンスBを算出することが開示されている。そして、電池の電気二重層静電容量を反映するサセプタンスBが、大電力の短時間入出力を繰り返す車両用電池の実際の電池残存容量と相関があることが述べられている。
また、特許文献2には、二次電池評価方法として、複数の周波数に対するインピーダンスを求めることが述べられ、特許文献3には、電気自動車の車体と電気的に絶縁された直流電源系統の漏電を検出する高電圧車両漏電検出器として、デューティ比50%の矩形波を印加して交流電圧信号を検出して漏電検出することが述べられ、特許文献4には、電池の寿命判定方法として、パルス充電またはパルス放電を行って電池電圧波形を測定し、単位時間当たりの電圧変化から電池寿命を判定することが述べられ、特許文献5には、直流無停電電源装置に備えられた蓄電池の劣化診断方法として、リプル電流とリプル電圧とから電池の内部抵抗を算出して蓄電池の劣化度合いを判定することが述べられている。
特開2008−107168号公報 特開2004−138586号公報 特開2003−125530号公報 特開2007−187533号公報 特開2002−101571号公報
特許文献1の方法は、電池の電気二重層の特性に着目し、電池残存容量に対応付けを行っている。この方法によれば、電池の正常状態の正確な把握が可能であるが、電池の特性異常の検出、あるいは、特性異常に至る前の状態の検出ができない。
本発明の目的は、電池の特性異常あるいは特性異常に至る前の状態の検出を可能とする電池特性判断方法及び電池特性判断装置を提供することである。
本発明に係る電池特性判断方法は、予め設定された検出用交流波形を電池に印加する工程と、検出用交流波形を電池に印加したときの電池の応答信号波形を検出する工程と、取得された応答信号波形をその波形の複数周期分に渡って積分する積分工程と、積分工程によって積分された値がゼロでなく、かつ時間経過と共に絶対値が増加するか否かに基づいて、電池特性が異常か正常かを判断する工程と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る電池特性判断装置は、予め設定された検出用交流波形を電池に印加する手段と、検出用交流波形を電池に印加したときの電池の応答信号波形を検出する手段と、取得された応答信号波形をその波形の複数周期分に渡って積分する積分手段と、積分手段によって積分された値がゼロでなく、かつ時間経過と共に絶対値が増加するか否かに基づいて、電池特性が異常か正常かを判断する手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る電池特性判断装置において、電池の正極電極と負極電極とを用い、検出用波形印加手段は、正極電極または負極電極のいずれかに検出用の交流電圧波形を印加し、応答波形取得手段は、検出用交流波形を印加した電極と反対側の電極について応答電流波形を検出して取得することが好ましい。
また、本発明に係る電池特性判断装置において、電池の電気的に中性である参照電極を用い、検出用波形印加手段は、参照電極と正極電極または負極電極のいずれかとの間に検出用の交流電流波形を印加し、応答波形取得手段は、参照用電極について応答電圧波形を検出して取得することが好ましい。
上記構成により、電池特性の判断は、予め設定された検出用交流波形を電池に印加し、そのときの電池の応答信号波形を検出してその応答信号波形をその波形の複数周期分に渡って積分し、積分された値がゼロでなく、かつ時間経過と共に絶対値が増加するか否かに基づいて、電池特性が異常か正常かを判断する。
本発明は、特許文献1に記載されているように所定周波数の正弦波を電池に重畳したところ、電池の応答信号波形が非対称となることがあることに気づいたことに基づく。この理由を検討し、電池の酸化反応と還元反応がバランスしている正常状態のときは、電池の応答信号波形が対称で、酸化反応と還元反応がバランスしていない異常状態あるいは異常に至る前の状態で応答信号波形が非対称であることが分かった。
上記構成のように、応答信号波形を複数周期で積分すれば、波形が対称のときは積分値がゼロとなり、波形が非対称であれば積分値がゼロとならず、さらに非対称性が継続あるいは進行すれば、積分値が時間経過と共に増加する。このようにして、応答信号波形の積分値に基づいて、電池特性が異常か正常かを判断することが可能となる。
ここで、応答信号の複数周期の取得は、電池の正極電極と負極電極との間の応答を取得してもよく、電気的に中性な参照電極と正極電極との間の応答を取得してもよく、または電気的に中性な参照電極と負極電極との間の応答を取得してもよい。
電池の正極電極と負極電極とを用いる場合には、正極電極または負極電極のいずれかに検出用の交流電圧波形を印加し、検出用交流波形を印加した電極と反対側の電極について応答電流波形を検出して取得する。取得した応答電流波形の積分が発散すれば酸化反応と還元反応とのバランスが崩れている異常状態と判断できる。
また、電池の電気的に中性である参照電極を用いる場合は、参照電極と正極電極または負極電極のいずれかとの間に検出用の交流電流波形を印加し、参照用電極について応答電圧波形を検出して取得する。このとき、参照電極と正極電極との間で応答電圧波形の積分が発散すれば正極電極側で酸化反応と還元反応とのバランスが崩れていると判断でき、参照電極と負極電極との間で応答電圧波形の積分が発散すれば負極電極側で酸化反応と還元反応とのバランスが崩れていると判断できる。このように参照電極を用いることで、正極電極側の異常と負極電極側の異常を分離して判断することができる。
本発明に係る実施の形態の電池特性判断装置の構成を説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、電池の回路モデルを説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、電池の回路モデルの対称モデルを説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、電池が対称モデルの回路モデルであるときの印加信号と応答信号の様子を説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、電池の回路モデルの非対称モデルを説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、電池が非対称モデルの回路モデルであるときの印加信号と応答信号の様子を説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、印加信号の積分波形、応答信号の積分波形の様子を説明する図である。
以下に図面を用いて、本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、電池特性判断装置が適用される電池を、車両に搭載され、回転電機を駆動する電源回路に含まれる2次電池として説明したが、実際に充放電を行う電池であれば、車両に搭載されない電池であっても構わない。また、電池として、ニッケル水素型の高電圧電池を説明するが、これ以外の形式であっても、酸化還元反応を行う電池であればよく、リチウムイオン電池、鉛蓄電池等であってもよい。
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
図1は、電池特性判断装置50の構成を説明する図である。電池特性判断装置50は、車両に搭載される回転電機6と接続されるインバータ8等を含む電源回路に備えられる電池10が異常状態であるか否か、または異常となる前の状態であるか否かを判断する機能を有する装置である。判断対象の電池10は、充放電を行う2次電池である。具体的には、ニッケル水素単電池を複数組み合わせた高電圧組電池であり、その端子電圧は例えば300V程度である。
電池特性判断装置50は、特性判断のときにインバータ8を含む電源回路を切り離すことができるスイッチ52と、所定の周波数の交流信号を電池10に重畳して印加する交流信号源54と、電池10の正極電極14と負極電極16とを用いて交流電圧信号に対する電池電流の応答信号を検出する電流検出部56と、電池10の参照電極12を用いて交流電流信号に対する電池電圧の応答信号を検出する電圧検出部57と、参照電極12を用いるときに正極電極側の特性を検出するか負極電極側の特性を検出するかの切替を行うスイッチ58,59と、制御部70を含んで構成される。
電池10の特性判断の方法として、電池10の正極電極14と負極電極16とを用い、その間の応答信号の様子に基いて電池10の全体としての特性判断を行うことができる。また、電池10の缶ケース等の電気的に中性な参照電極12を用いて、参照電極12と正極電極との間の応答信号の様子に基いて正極電極側の特性判断を行い、または参照電極12と正極電極との間の応答信号の様子に基いて正極電極側の特性判断を行うことができる。いずれの方法も、電池に検出用交流波形を印加し、それに対する応答信号波形を評価することでは共通するので、ここでは、最初に電池10の正極電極14と負極電極16とを用い、その間の応答信号の様子に基いて電池10の特性判断を行うことについて説明する。その後に、参照電極12を用いて特性判断することについて、相違する点を中心に説明を行うこととする。
最初に電池10の正極電極14と負極電極16との間の応答信号に基いて電池特性判断を行うことについて説明する。
交流信号源54は、予め設定された検出用交流波形の信号を電池10の端子電圧に重畳させて印加する機能を有する信号発生装置である。検出用交流波形の信号としては、例えば、±1V,200Hzの正弦波信号を用いることができる。勿論これ以外の電圧振幅、周波数であってもよい。また、正弦波信号と同等の対称形信号を用いてもよい。例えば、余弦波信号は正弦波信号と位相が異なるだけであるので、勿論用いることができる。検出用交流波形の信号の印加のタイミング等は、制御部70の制御の下で設定される。
電流検出部56は、電池10とインバータ8とを接続する経路を流れる電流波形の信号を、検出用交流波形の信号に対する応答信号として検出する機能を有するセンサ回路である。例えば、適当な電流検出用抵抗素子を用いて、電流検出を行うことができる。検出されたデータは、適当な信号線で制御部に伝送される。
制御部70は、交流信号源54に検出用交流波形を電池10に印加する指令を行う検出用波形印加モジュール72と、電流検出部56から電池10の応答電流波形を検出して取得する応答波形取得モジュール74と、取得された応答電流波形をその波形の複数周期分に渡って積分する積分処理モジュール76と、積分手段によって積分された値がゼロでなく、かつ時間経過と共に絶対値が増加するか否かに基づいて、電池特性が異常か正常かを判断する電池特性判断モジュール78とを含んで構成される。
制御部70は、適当な信号処理装置で構成でき、例えばコンピュータを用いることができる。制御部70の各機能は、ソフトウェアを実行することで実現でき、具体的には、電池特性判断プログラムを実行することで実現できる。これらの機能の一部をハードウェアで実現するものとしてもよい。
図2は、図1における構成のうち、特に電池10の回路モデルについて説明する図である。電池10は、外装の缶ケースを中性電位の参照電極12として、その缶ケースの内部に電解液が収納され、正極電極14と負極電極16が電解液の中に挿入されて構成される。そして、正極電極14と負極電極16の近傍には、それぞれ電気二重層18,20が形成される。
電池10の回路モデルとしては、正極電極14と負極電極16との間に、直列に正極側電気二重層容量22、電解液・電子移動抵抗26、負極側電気二重層容量24が接続され、さらに、正極側電気二重層容量22に並列に正極側反応抵抗28が接続され、負極側電気二重層容量24に並列に負極側反応抵抗30が接続されるものを考えることができる。
さらにこれよりも現実の電池10に近づけようとする場合は、正極側反応抵抗28、負極側反応抵抗30に直列に物質移動を反映するワールブルグインピーダンス項を挿入するものとできる。一般的に、電池に入力する信号がごく短時間の直流信号、あるいはある程度高い交流信号であれば、図2のような単純なCR合成回路モデルで十分であると考えられる。上記のように交流信号源の周波数は上記のように200Hzとするので、以後では図2の回路モデルを用いるものとする。
このような回路モデルを有する電池に対する特性判断を行うには、次のようにする。まず、特性判断を行うとするときは、スイッチ52を開放する。スイッチ52を設けることで、実際に車両に搭載され回転電機6の電源として稼動している電池10について、その車両搭載のままで、必要なときに特性判断を行うことが可能となる。
そして、交流信号源54を電池10の一方側電極に接続し、電流検出部56を電池10の他方側電極に接続する。次に、交流信号源54から検出用交流波形の信号を電池10の一方側電極に印加する。電池10には、端子電圧が出ているので、端子電圧に検出用交流波形の信号を重畳させることになる。この工程は、制御部70の検出用波形印加モジュール72の機能によって実行される。
なお、図2では交流信号源54が電池10の負極電極16に、電流検出部56を電池10の正極電極14に接続しているが、勿論、これを逆にして、交流信号源54を正極電極14に、電流検出部56を負極電極56に接続するものとしてもよい。
これと平行して、電流検出部56の検出波形を、検出用交流波形の信号に対する応答波形の信号として取得される。この工程は、制御部70の応答波形取得モジュール74の機能によって実行される。取得された応答波形は、電池10の特性を反映したものであるので、電池10の回路モデルとあわせて以下に詳細に説明する。
図3は、図2の電池10の回路モデルをまとめたものである。正極電極14と負極電極16との間の電池10は、このように、電気二重層容量32、電解液・電子移動抵抗34、反応抵抗36でモデル化することができる。ここでは、反応抵抗36を1つの抵抗素子で表しているが、このことは、電池10における酸化反応と還元反応とがバランスしているものとしている。
一般的に、電池10は、酸化反応の反応抵抗と還元反応の反応抵抗とはほぼ等しくなるように設計されているはずであるので、正常な電池10は、図3のモデルで表されると考えられる。このモデルを、酸化・還元についてバランスしている対称モデルと呼ぶことができる。
図4は、電池10への検出用交流波形の信号80を正弦波信号とし、電池10が正常反応状態で、図3の対称モデルであるときの電池10の応答波形の信号82の様子を示す図である。電池10が図3のような単純CR合成回路モデルで表されるときは、正弦波入力に対する応答は、抵抗成分による振幅の減衰、容量成分による位相遅れがあるが、波形としては、正弦波と同様に時間軸に対し、上下対称形の波形を維持している。
図5は、反応抵抗が酸化反応と還元反応とで異なり、等価回路では反応抵抗が、ダイオード成分と抵抗成分で表される。すなわち、酸化反応については、酸化側ダイオード成分doxと酸化側反応抵抗Roxが直列に接続されるものとして、その反応抵抗が表される。また、還元反応については、doxとは極性が逆の還元側ダイオード成分dredと、Roxとは異なる値の還元側反応抵抗Rredが直列に接続されるものとして、その反応抵抗が表される。そして、この酸化側の反応抵抗と還元側の反応抵抗とが並列に接続されて、全体の反応抵抗が表される。
この状態は、電池10の酸化反応と還元反応がバランスしていない状態で、電池10が異常状態、あるいは異常の前の状態にあることを示している。このモデルを図3の対称モデルに対して、非対称モデルと呼ぶことができる。
図6は、電池10への検出用交流波形の信号80を正弦波信号とし、電池10の酸化反応と還元反応との間でバランスが取れていない異常状態で、図5の非対称モデルであるときの電池10の応答波形の信号84の様子を示す図である。電池10の端子電圧に正弦波が重畳されると、例えば、正弦波のプラス側で酸化反応が起こるとすれば、マイナス側で還元反応が生じる。したがって、正弦波のプラス側では、酸化反応が対応して応答し、マイナス側では、還元反応が対応して応答して、応答波形の信号84となる。
そこで還元側反応抵抗Rredが酸化側反応抵抗Roxよりも大きいと、応答波形の信号84のマイナス側がプラス側よりも減衰して、マイナス側のピーク値がプラス側のピーク値よりも小さくなる。図6はそのような状態を示しており、応答波形の信号84は、時間軸に対し、非対称の波形となっている。
上記のように、一般的に、電池10は、酸化反応の反応抵抗と還元反応の反応抵抗とはほぼ等しくなるように設計されているはずであるので、酸化側反応抵抗Roxと還元側反応抵抗Rredとが明らかに異なる状態は、電池10が異常状態にあるか、異常の前の状態にあることになる。このことが、図6で示されるように、正弦波に対する応答波形の信号84の非対称性で検出できることになる。
応答波形の信号は、積分処理を行うことで、電池10が致命的な異常状態か、それに至らない異常状態か、異常の前の状態か、正常状態かを明確に判断できる。そこで、取得された応答電流波形をその波形の複数周期分に渡って積分する処理が行われる。この工程は、制御部70の積分処理モジュール76によって実行される。
図7は、応答波形の信号82,84を積分処理することで、その相違が明確になることを説明する図である。ここでは、正弦波の信号80の積分処理後の波形である基準積分値波形90と、対称モデルのときの応答波形の信号82の積分処理後の波形である対称時積分値波形92と、非対称モデルのときの応答波形の信号84の積分処理後の波形である非対称時積分値波形94がそれぞれ示されている。
図7に示されるように、基準積分値波形90、対称時積分値波形92は、その周期ごとに一旦積分値=0を通る。これに対し、非対称時積分値波形94は、正方向に発散し、積分値=0から離れてゆく。図7の例は、還元側反応抵抗Rredが酸化側反応抵抗Roxよりも大きいとしているので、これが逆に酸化側反応抵抗Roxが還元側反応抵抗Rredよりも大きいと負側に発散することになる。
したがって、この発散程度を基準にして、電池10の正常状態か異常状態か、その程度も含めて判断することが可能になる。例えば、積分範囲の周期を設定し、その設定周期に渡る発散程度について致命異常閾値と、異常前閾値とを定める、そして、積分値波形がゼロを通るように収束するときは正常状態とし、積分値波形がゼロを通るようには収束しないが発散程度としては異常前閾値以下のときは、正常ではないが異常に至る前の注意状態であるとし、発散程度が異常前閾値を超え、致命異常閾値以下のときは異常状態あるいは劣化状態であるとし、発散程度が致命異常閾値を超えるときは、電池10が致命的な異常状態あるいは致命的な劣化状態であるとすることができる。この判断工程は、制御部70の電池特性判断モジュール78の機能によって実行される。
積分周期は、上記のように、正弦波信号または、応答波形信号の周期の整数倍の周期分行うことがよい。積分周期を長くするほど、判断時間が長くなるが、判断精度は向上する。
上記では、交流信号源54の周波数を200Hzとしたが、数百Hzから数十Hzの間の任意の周波数であればよい。また、より正確な測定を行うには、異なる周波数で複数の周波数で、応答波形の信号を取得し、この複数の周波数についての応答波形の信号についてそれぞれ積分処理して、総合的に電池10の正常か異常かの判断を行うことが望ましい。また、温度条件や、想定する異常現象あるいは劣化現象に応じて、交流信号源54の周波数を変更することが好ましい。
次に参照電極12を用いて電池10の特性判断を行うことについて説明する。上記の正極電極14と負極電極16との間の応答信号に基いて電池10の特性判断を行うときには、交流信号源54は交流電圧信号を電池10の端子電圧に重畳させ、これに対する応答信号としては交流電流信号を取得した。これに対し、参照電極12を用いるときには、交流信号源54は交流電流信号を電池10の一方側電極に印加し、応答信号としては、電池10の端子電圧に現れる交流電圧信号を取得する。
そのために電圧検出部57とスイッチ58,59が設けられる。電圧検出部57は電圧波形の信号を検出用交流電流波形の信号に対する応答として検出する機能を有するセンサ回路である。電圧検出部57の測定端子の一方側は参照電極12に接続され、測定端子の他方側は、スイッチ58,59のそれぞれの一方端と接続される。スイッチ58の他方端は正極電極14に接続され、スイッチ59の他方端は負極電極16に接続される。スイッチ58,59の作動の制御は制御部70によって行われ、電圧検出部57の検出値は、適当な信号線で制御部70に伝送される。
そして、図1、図2に示されるように、スイッチ58,59によって、電圧検出部57の検出する電圧の対象が切り替えられる。すなわち、スイッチ58をオンとし、スイッチ59をオフとするときは、電圧検出部57は参照電極12と正極電極14との間の応答電圧信号を検出する。これに対し、スイッチ58をオフとし、スイッチ59をオンとするときは、電圧検出部57は参照電極12と負極電極16との間の応答電圧信号を検出する。
いずれの場合でも、検出用交流信号は交流電流信号であり、例えば正弦波のような電流ゼロに対し上下対称の信号波形が用いられる。このような上下対称の電流波形が印加されると、電池10の端子電圧は、電池起電力を中心にして応答することになるので、酸化反応と還元反応とのバランスが取れているときは電池起電力を中心に上下対称の応答電圧波形を示す。これに対し、酸化反応と還元反応とのバランスが崩れていると、電池起電力を中心に非対称な応答電圧波形となり、これを複数周期分積分すると発散する傾向を示すことは、図7に関連して説明したことと同様である。
したがって、スイッチ58をオンとし、スイッチ59をオフとして、電圧検出部57によって参照電極12と正極電極14との間の応答電圧信号を検出し、これを積分処理モジュール76の機能で積分し、電池特性判断モジュール78の機能を用いることができる。そして、積分の結果が発散する傾向であるときは、正極電極14の側で、酸化反応と還元反応のバランスが崩れていて異常であると判断できる。
同様に、スイッチ58をオフとし、スイッチ59をオンとして、電圧検出部57によって参照電極12と負極電極16との間の応答電圧信号を検出し、これを積分してその結果が発散する傾向であるときは、負極電極16の側で、酸化反応と還元反応のバランスが崩れていて異常であると判断できる。
このように参照電極12を用いることで、電池10の異常について、正極電極14の部分の異常か、負極電極16の部分の異常かを、その程度も含めて、分離して独立に判断することができる。
本発明に係る電池特性判断方法及び電池特性判断方法は、車両搭載の電池のように、大電力の短時間入出力が行われる電池の他に、緩やかに充放電が行われる電池についても利用できる。電池としては、酸化反応と還元反応とを有する電池一般について利用可能である。
6 回転電機、8 インバータ、10 電池、12 参照電極、14 正極電極、16 負極電極、18,20 電気二重層、22 正極側電気二重層容量、24 負極側電気二重層容量、26 電解液・電子移動抵抗、28 正極側反応抵抗、30 負極側反応抵抗、32 電気二重層容量、34 電解液・電子移動抵抗、36 反応抵抗、50 電池特性判断装置、52,58,59 スイッチ、54 交流信号源、56 電流検出部、57 電圧検出部、70 制御部、72 検出用波形印加モジュール、74 応答波形取得モジュール、76 積分処理モジュール、78 電池特性判断モジュール、80,82,84 信号、90 基準積分値波形、92 対称時積分値波形、94 非対称時積分値波形。

Claims (4)

  1. 予め設定された検出用交流波形を電池に印加する工程と、
    検出用交流波形を電池に印加したときの電池の応答信号波形を検出して取得する工程と、
    取得された応答信号波形をその波形の複数周期分に渡って積分する積分処理工程と、
    積分工程によって積分された値がゼロでなく、かつ時間経過と共に絶対値が増加するか否かに基づいて、電池特性が異常か正常かを判断する電池特性判断工程と、
    を備えることを特徴とする電池特性判断方法。
  2. 予め設定された検出用交流波形を電池に印加する検出用波形印加手段と、
    検出用交流波形を電池に印加したときの電池の応答信号波形を検出して取得する応答波形取得手段と、
    取得された応答信号波形をその波形の複数周期分に渡って積分する積分処理手段と、
    積分手段によって積分された値がゼロでなく、かつ時間経過と共に絶対値が増加するか否かに基づいて、電池特性が異常か正常かを判断する電池特性判断手段と、
    を備えることを特徴とする電池特性判断装置。
  3. 請求項2に記載の電池特性判断装置において、
    電池の正極電極と負極電極とを用い、
    検出用波形印加手段は、正極電極または負極電極のいずれかに検出用の交流電圧波形を印加し、
    応答波形取得手段は、検出用交流波形を印加した電極と反対側の電極について応答電流波形を検出して取得することを特徴とする電池特性判断装置。
  4. 請求項2に記載の電池特性判断装置において、
    電池の電気的に中性である参照電極を用い、
    検出用波形印加手段は、参照電極と正極電極または負極電極のいずれかとの間に検出用の交流電流波形を印加し、
    応答波形取得手段は、参照用電極について応答電圧波形を検出して取得することを特徴とする電池特性判断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019537004A (ja) * 2016-11-04 2019-12-19 アー・ファウ・エル・リスト・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 技術システムを診断するための方法
US12153098B2 (en) 2021-02-09 2024-11-26 Lg Energy Solution, Ltd. Device for inspecting for electrode assembly defects before electrolyte injection and defect inspection method therefor

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