JP2010118445A - 薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゲート絶縁層の厚さを大きくすることが容易であり、ゲート絶縁層の影響によるチャネル層の半導体特性の劣化が防止された薄膜トランジスタを提供する。
【解決手段】基板1上にソース電極5及びドレイン電極6を間隔をあけて形成し、次いでこれらソース電極5、ドレイン電極6及び基板1の上に、酸化物半導体層よりなる半導体層4を形成する。この半導体層4の上に有機絶縁層よりなる絶縁層3を形成し、次いでこの絶縁層3上にゲート電極2を形成して、トップゲート構造の薄膜トランジスタ10を得る。酸化物半導体層を形成した後に有機絶縁層を形成するため、酸化物半導体層の形成時に有機絶縁層中の有機物が酸化物半導体層に混入して半導体特性が劣化することが防止される。有機絶縁層は、金属酸化物絶縁層と比べて、厚さを大きくして耐電圧特性を向上させることが非常に容易である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、半導体層及び該ゲート電極と該半導体層との間に介在する絶縁層を有する薄膜トランジスタに関する。
近年、低温プロセスで安価に製造することができる酸化物トランジスタの開発が盛んに行われている。この酸化物トランジスタとしては、ZnOやInGaZnOをチャネル層として用いたものなどの開発が進んでおり、アモルファスシリコンをチャネル層として用いた薄膜トランジスタを凌駕するトランジスタ特性も得られている(Nature,vol.432(2004),P.488)。例えば、特開2000−150900号には、チャネル層としてZnOを用いたトランジスタが開示されている。
I. 現在、これらの薄膜トランジスタのゲート絶縁膜としては、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化イットリウムなどの金属酸化物絶縁体が主に用いられている。これら金属酸化物絶縁体をゲート絶縁膜として用いた場合、該ゲート絶縁膜と接するチャネル層を変質させることがなく、チャネル層の半導体特性が良好に維持される。
これら金属酸化物絶縁体よりなるゲート絶縁膜を工業的に形成する場合、スパッタ法が用いられることが多い。特に基板としてPET等のフィルム基板を使用する場合には、主に無加熱でのスパッタ成膜法が用いられる。
しかしながら、これら金属酸化物絶縁体よりなるゲート絶縁膜をスパッタ法で形成する場合、成膜速度が非常に遅いために生産性が悪いという問題がある。また、低温で成膜した場合、十分な耐電圧特性や低リーク電流を得ることが難しいことが多く、特にQR−LPDを始めとする高電圧駆動のデバイスに適用することは困難である。
II. また、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜として、PVP、ポリイミド、アクリル樹脂などの有機材料が用いられることも多い。これら有機系ゲート絶縁膜はスピンコートやインクジェット法などの塗布プロセスで形成することが可能であり、ミクロンオーダーの厚膜を形成することが非常に容易である。
第2図は、ゲート絶縁膜をかかる有機系ゲート絶縁膜とした薄膜トランジスタの一例を示す模式的な断面図である。この薄膜トランジスタ10は、基板1上にスパッタ法によりゲート電極2を形成し、その上に上記の有機材料を塗布及び乾燥して絶縁層(有機系ゲート絶縁膜)3を形成した後、半導体層4をスパッタ法により形成し、次いでソース電極5及びドレイン電極6をスパッタ法により形成することにより製造される。
しかしながら、かかる薄膜トランジスタ10にあっては、絶縁層(有機系ゲート絶縁膜)3上に半導体層4を形成する際に、絶縁層3中の有機物が不純物として半導体層4へ侵入し、トランジスタ特性を著しく劣化させるという問題がある。
特開2000−150900号 Nature,vol.432(2004),P.488
本発明は、ゲート絶縁層の厚さを大きくすることが容易であり、ゲート絶縁層の影響によるチャネル層の半導体特性の劣化が防止された薄膜トランジスタを提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の薄膜トランジスタは、基板上に半導体層で連結されたソース電極とドレイン電極を有し、該半導体層の上に絶縁層を介してゲート電極を有する薄膜トランジスタであって、該半導体層が酸化物半導体層であり、該絶縁層が有機絶縁層であることを特徴とするものである。
請求項2の薄膜トランジスタは、請求項1において、該酸化物半導体層が、ZnO半導体、AlをドープしたZnO半導体、InGaZnO半導体、InWO半導体、InWZnO半導体、InWSnO半導体、InWSnZnO半導体、InSnO半導体、InZnO半導体又はInTiO半導体よりなることを特徴とする。
請求項3の薄膜トランジスタは、請求項1又は2において、該有機絶縁層が、PVP、ポリイミド、エポキシ樹脂、アモルファスフッ素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ポリアミドイミド及びシリコン樹脂の少なくとも1種よりなることを特徴とする。
請求項4の薄膜トランジスタは、請求項1ないし3のいずれか1項において、該基板が、PET、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド及びPESの少なくとも1種よりなることを特徴とする。
請求項5の薄膜トランジスタは、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記有機絶縁層の厚みが100nm〜2μmであることを特徴とする。
請求項6の薄膜トランジスタは、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記有機絶縁層は、前記酸化物半導体層側の第1有機絶縁層と、前記ゲート電極側の第2有機絶縁層とからなっており、該第1有機絶縁層は、厚みが5nm〜200nmのアモルファスフッ素樹脂よりなり、該第2有機絶縁層は、厚みが100nm〜2μmである、アモルファスフッ素樹脂とは異なる有機絶縁材料よりなることを特徴とする。
本発明(請求項7)の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項1ないし6のいずれか1項の薄膜トランジスタを製造する方法であって、該基板上に該ソース電極、該ドレイン電極及び該酸化物半導体層を形成し、次いで、該酸化物半導体層の上に該有機絶縁層及び該ゲート電極をこの順に形成することを特徴とするものである。
請求項8の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項7において、前記基板上に前記ソース電極及び前記ドレイン電極を間隔をあけて形成し、次いで、該基板の上面のうち少なくとも該ソース電極及び該ドレイン電極の間の部分と、該ソース電極の上面と、該ドレイン電極の上面とに跨るようにして前記酸化物半導体層を形成し、次いで、該酸化物半導体層の上に該有機絶縁層及び該ゲート電極をこの順に形成することを特徴とする。
請求項9の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項7において、前記基板上に前記酸化物半導体層を形成し、次いで、該酸化物半導体層の上に、前記ソース電極及び前記ドレイン電極を間隔をあけて形成し、次いで、該酸化物半導体層の上面のうち少なくとも該ソース電極及び該ドレイン電極の間の部分と、該ソース電極の上面と、該ドレイン電極の上面とに跨るようにして前記有機絶縁層を形成し、次いで、該有機絶縁層の上に前記ゲート電極を形成することを特徴とする。
請求項10の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項7ないし9のいずれか1項において、該酸化物半導体層をスパッタ法により形成することを特徴とする。
請求項11の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項7ないし10のいずれか1項において、有機絶縁層材料含有液を塗布し、乾燥することにより該有機絶縁層を形成することを特徴とする。
本発明の薄膜トランジスタ及びその製造方法にあっては、薄膜トランジスタをトップゲート構造(即ち、基板上に半導体層で連結されたソース電極とドレイン電極を有し、該半導体層の上に絶縁層を介してゲート電極を有する構造。)とし、且つ、半導体層を酸化物半導体層とすると共に絶縁層を有機絶縁層としている。これにより、半導体層の半導体特性の向上と絶縁層の耐電圧特性の向上の両立を図ることができる。即ち、本発明によると、基板上に酸化物半導体層を形成した後に有機絶縁層を形成することができるため、酸化物半導体層の形成時に有機絶縁層中の有機物が酸化物半導体層に混入して半導体特性が劣化することが防止される。また、有機絶縁層は金属酸化物絶縁層と比べて容易に厚さを大きくすることができ、これにより耐電圧特性を十分に向上させることが可能である。
本発明において、該酸化物半導体層が、ZnO半導体、AlをドープしたZnO半導体、InGaZnO半導体、InWO半導体、InWZnO半導体、InWSnO半導体、InWSnZnO半導体、InSnO半導体、InZnO半導体又はInTiO半導体よりなると、電界効果移動度等の半導体特性が良好である。酸化物半導体層は、スパッタ法により形成してもよい。
本発明において、有機絶縁層が、PVP、ポリイミド、エポキシ樹脂、アモルファスフッ素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ポリアミドイミド及びシリコン樹脂の少なくとも1種よりなると、より高い耐電圧特性と低リーク電流を得ることができる。
本発明では、絶縁層を有機絶縁層としており、該有機絶縁層は低温で形成することができるため、薄膜トランジスタを低温プロセスで製造することができる。従って、基板をPET、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、PES等の様々な高分子フィルムとすることができる。これにより、薄膜トランジスタを可撓性を有するフレキシブルデバイスとすることが可能である。
有機絶縁層の厚みは、100nm〜2μmであるのが好ましい。なお、有機絶縁層の厚みとは、実際に有効な厚みを意味する。具体的には、ゲート電極と半導体層の間の距離に相当する。
有機絶縁層は、酸化物半導体層側の第1有機絶縁層と、ゲート電極側の第2有機絶縁層とからなっており、第1有機絶縁層は、厚みが5nm〜200nmのアモルファスフッ素樹脂よりなり、該第2有機絶縁層は、厚みが100nm〜2μmである、アモルファスフッ素樹脂とは異なる有機絶縁材料よりなっていてもよい。この場合、第2有機絶縁層は、第1有機絶縁層よりも厚みが大きいことが好ましい。この第1有機絶縁層をアモルファスフッ素樹脂とすることにより、酸化物半導体への不純物の導入が良好に抑制される。また、第2有機絶縁層をアモルファスフッ素樹脂よりも耐電圧性能の高い有機絶縁材料とすることにより、有機絶縁層全体の耐電圧性能が向上する。
本発明において、ソース電極及びドレイン電極は、酸化物半導体の上面及び下面のいずれに位置していてもよい。
即ち、本発明にあっては、先ず基板上にソース電極及びドレイン電極を間隔をあけて形成し、次いで、該基板の上面のうち該ソース電極及び該ドレイン電極の間の部分と、該ソース電極の上面と、該ドレイン電極の上面とに跨るようにして酸化物半導体層を形成し、次いで、該酸化物半導体層の上に有機絶縁層及びゲート電極をこの順に形成してもよい。
また、先ず基板上に酸化物半導体層を形成し、次いで、該酸化物半導体層の上にソース電極及びドレイン電極を間隔をあけて形成し、次いで、該酸化物半導体層の上面のうち該ソース電極及び該ドレイン電極の間の部分と、該ソース電極の上面と、該ドレイン電極の上面とに跨るようにして有機絶縁層を形成し、次いで、該有機絶縁層の上にゲート電極を形成してもよい。
この有機絶縁層は、有機絶縁層材料含有液を塗布し、乾燥することにより形成してもよい。これにより、厚さの大きい有機絶縁層を容易に製造することが可能である。
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
第1図は、本発明の薄膜トランジスタの一例を示す模式図である。
この薄膜トランジスタ10は、基板1上に半導体層4で連結されたソース電極5とドレイン電極6を有し、該半導体層4の上に絶縁層3を介してゲート電極2を有するトップゲート構造を有している。この半導体層4は酸化物半導体層よりなり、絶縁層3は有機絶縁層よりなっている。
この薄膜トランジスタ10を製造するには、先ず基板1上にソース電極5及びドレイン電極6を間隔をあけて形成し、次いでこれらソース電極5、ドレイン電極6及び基板1の上に半導体層4を形成する。次いでこの半導体層4の上に絶縁層3を形成し、さらにこの絶縁層3上にゲート電極2を形成する。
この基板1としては、例えば、ケイ酸アルカリ系ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等のガラスを使用することができる。また、この薄膜トランジスタ10をフレキシブルデバイスとして適用する場合には、この基板1としては、PET、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、PES、アクリル等の種々の合成樹脂よりなる板状基板やフィルム基板等を使用することもできる。基板1の厚さは、0.05〜10mmが一般的であり、0.2〜5mmが好ましい。
このソース電極5及びドレイン電極6としては、AZO導体、ITO導体、AlやAuなどの金属膜、PEDOT−PSSなどの導電性高分子膜などが用いられる。AZO導体である場合、原子数比Al/(Zn+Al)が0.01〜30atm%、特に0.1〜5atm%であることが好ましい。また、これらソース電極5及びドレイン電極6の比抵抗は、10−2Ω・cm以下、特に10−3Ω・cm以下であることが好ましい。これらソース電極5及びドレイン電極6の比抵抗の制御も、成膜時の酸素導入量の制御によって行うことができる。これらソース電極5及びドレイン電極6の厚みは、例えば5〜200nm程度である。また、これら電極5,6間の距離(チャネル長)は1μm〜200μm程度である。各電極5,6の奥行き(チャネル幅)は要求される電流量に依存する。
これらソース電極5及びドレイン電極6は、物理的気相成長法、例えばDC反応性スパッタ法やRFスパッタ法等のスパッタ法、パルスレーザー蒸着法などにより、基板1上に成膜することができる。
この半導体層4は酸化物半導体層よりなる。この半導体層4としては、ZnO半導体、AlをドープしたZnO半導体(AZO半導体)、InGaZnO半導体、InWO半導体、InWZnO半導体、InWSnO半導体、InWSnZnO半導体、InSnO半導体、InZnO半導体又はInTiO半導体、CuO半導体、NiO半導体、AlをドープしたCuO半導体等が用いられる。AZO半導体である場合、原子数比Al/(Zn+Al)は0.01〜30atm%、特に0.1〜5atm%であることが好ましい。
この半導体層4の比抵抗は、10−1〜10Ω・cm、特に1〜10Ω・cmであることが好ましい。比抵抗がこの範囲であると、電界効果移動度及びオン/オフ比が十分に高い値となる。この半導体層4の厚みは、例えば10nm〜100nm程度である。
この半導体層4は、上記のソース電極5及びドレイン電極6と同様、各種の物理的気相成長法により、上記基板1、ソース電極5及びドレイン電極6の上に成膜することができる。
この絶縁層3は有機絶縁層よりなる。この絶縁層3としては、PVP、ポリイミド、エポキシ樹脂、アモルファスフッ素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ポリアミドイミド、シリコン樹脂等が好適に用いられる。
この絶縁層3の厚みは、デバイスに依存するが、10nm〜2μm特に100nm〜2μmであることが好ましく、QR−LPD用の場合0.3μm〜1.5μmがより好ましい。10nm未満であると、ゲートリーク電流の抑制を十分に行うことができない。2μm超であると、ゲート電極2に印加するゲート電圧を過大にする必要がある。この絶縁層3の比抵抗は、1×1011Ω・cm以上、例えば1×1011〜1015Ω・cm、特に1×1013以上であることが好ましい。
なお、「絶縁層3の厚み」とは、実際に有効な厚みを意味する。具体的には、ゲート電極と半導体層、もしくはソース・ドレイン電極とゲート電極との間の距離に相当する。
この絶縁層3は、例えば有機絶縁層用の有機材料の含有液を半導体層4の表面に塗布して乾燥し、必要に応じて焼成することにより形成することができる。この含有液は、有機材料を溶媒に溶解した有機材料含有溶液であることが好ましい。この含有液の塗布厚を大きくすることにより、厚さの大きい絶縁層3を容易に製造することができる。
この含有液の塗布法としては、スピンコーティング、スクリーン印刷、ジェット印刷、スタンプ印刷等を用いることができる。焼成温度は80〜200℃、焼成時間は30分〜3時間程度が好ましい。このように焼成温度が低温である場合、基板1として、上記の通り合成樹脂を用いることができる。
この絶縁層3をアモルファスフッ素樹脂とする場合、アモルファスフッ素樹脂としては、酸素原子を構成群として有するパーフルオロシクロポリマーが挙げられ、具体的には市販されている旭硝子(株)社製のサイトップ(CYTOP)シリーズ(例えば、CTX−809、803M、805M、807M、809M、811M、813M。)が好適に用いられる。また、duPont製のテフロン(テフロンは登録商標)AFシリーズ(例えば、テフロンAF1600、テフロンAF2400、テフロンAF1601S等)も用いることができる。
このアモルファスフッ素樹脂を溶解してアモルファスフッ素樹脂含有溶液とするためのフッ素系溶媒としては、旭硝子(株)社製のCT−Solv.100、CT−solv.180、duPont製のFLUORINERT、FC−75等が好適である。
本発明では、このように半導体層4を形成した後に絶縁層3を形成するため、半導体層4の形成時に絶縁層3中の有機物が半導体層4中に混入することが防止される。その結果、半導体層4の半導体特性が良好に維持される。これに対し、第2図の従来例のように絶縁層3を形成した後に半導体層4をスパッタ法等により形成する場合、半導体層4の成膜時に絶縁層3中の有機物が混入し、半導体層4の半導体特性が劣化する。
このゲート電極2としては、ITO(インジウム錫酸化物)やAlドープZnOなどの透明導電膜、AlやAuなどの金属膜、PEDOT−PSSなどの導電性高分子膜等が用いられる。このゲート電極2の比抵抗は、例えば8×10−5〜1×10−2Ω・cm程度である。このゲート電極2の厚みは、例えば5nm〜200μm程度である。
このゲート電極2は、上記のソース電極5及びドレイン電極6と同様、各種の物理的気相成長法によって製造することができる。
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、絶縁層3は、半導体層4側の第1有機絶縁層と、ゲート電極2側の第2有機絶縁層とからなっていてもよい。第1有機絶縁層は、厚みが5nm〜200nmのアモルファスフッ素樹脂よりなり、該第2有機絶縁層は、厚みが100nm〜2μmである、アモルファスフッ素樹脂とは異なる有機絶縁材料よりなっていてもよい。
ここで、第1有機絶縁層をアモルファスフッ素樹脂とする場合、アモルファスフッ素樹脂のガラス転移点(Tg)が低いので、半導体層4上に第1有機絶縁層を低温にて形成することができ、その結果、半導体層4への不純物の導入が良好に抑制される。
また、このようにアモルファスフッ素樹脂のガラス転移点(Tg)が低いので、その上にゲート電極を直接に形成する場合には、加熱によって該アモルファスフッ素樹脂の表面に凹凸が生じ、ゲート電極が曲がって割れてしまうことを回避するべく、加熱処理の条件を詳細に設定する必要がある。これに対し、アモルファスフッ素樹脂よりなる第1有機絶縁層の上に、アモルファスフッ素樹脂よりも耐熱性の高い有機絶縁層を形成し、その上にゲート電極を形成することにより、容易にゲート電極を形成することができる。
さらに、第2有機絶縁層をアモルファスフッ素樹脂よりも耐電圧性能の高い有機絶縁材料とすることにより、絶縁層3全体の耐電圧性能を向上させることも可能である。なお、第2有機絶縁層の厚みを第1有機絶縁層よりも大きくすると、絶縁層3全体の耐電圧性能をより向上させることができる。
第1図では、ソース電極5及びドレイン電極6は基板1の上面に配置されているが、これらソース電極5及びドレイン電極6は、半導体層4の上面に配置されていてもよい。
以下、実施例、比較例及び試験例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
試験例1
第3図に示す構造の積層体を、以下の条件で作製した。なお、この積層体の各層の材質を表1に示す。
基板11として、corning社製1737無アルカリガラス(縦50mm×横80mm×厚み1.0mm)を用いた。
この基板11上に、無加熱スパッタ法によって厚さ40nmのZnO半導体よりなる酸化物半導体層12を形成した。無加熱スパッタ法のスパッタ条件は、以下の通りとした。
ターゲット:75mmφ金属亜鉛ターゲット
成膜時の圧力:0.5Pa
印加電圧:DC150W
成膜時のガス流量:Ar/O=96/4.0sccm
成膜時間:10分
試験例2
第4図に示す構造の積層体を、以下の条件で作製した。なお、この積層体の各層の材質を表1に示す。
試験例1と同様の基板11上に、アモルファスフッ素含有溶液を1900rpmの条件で90秒間スピンコートした後、120℃で1時間焼成して、厚さ0.54μmのアモルファスフッ素樹脂よりなる有機絶縁層13を形成した。
なお、アモルファスフッ素含有溶液としては、アモルファスフッ素樹脂(旭硝子(株)社製「サイトップCTX−807M」)と溶媒(旭硝子(株)社製「CT−Solv.180」)を80:20(wt%)で混合したものを用いた。
この有機絶縁層13上に、試験例1と同様のスパッタ条件で、厚さ40nmのZnO半導体よりなる酸化物半導体層12を形成した。
試験例3
第4図に示す構造の積層体を、以下の条件で作製した。なお、この積層体の各層の材質を表1に示す。
試験例1と同様のガラス基板11上に、ポリイミド樹脂(京セラケミカル社製「ケミタイト」)を1900rpmの条件で180秒間スピンコートし、その後200℃で1時間焼成し、厚さ0.78μmの有機絶縁層13を形成した。次いで、試験例1と同一条件にてZnO半導体よりなる酸化物半導体層12を形成した。
試験例4
第4図に示す構造の積層体を、以下の条件で作製した。なお、この積層体の各層の材質を表1に示す。
試験例1と同様のガラス基板11上に、アクリル樹脂(三菱レイヨン社製「アクリライト」)をスクリーン印刷法で塗布し、UV光を照射して硬化させ、0.89μmの有機絶縁層13を形成した。次いで、試験例1と同一条件にてZnO半導体よりなる酸化物半導体層12を形成した。
試験例5〜7
酸化物半導体層12及び有機絶縁層13を製造する順序を逆にしたこと以外はそれぞれ試験例2〜4と同様にして、試験例5〜7の積層体を作製した。これら試験例5〜7の積層体の構造及び材質を第5図及び表1に示す。
試験例8〜14
酸化物半導体層12をInGaZnO半導体としたこと以外はそれぞれ試験例1〜7と同様にして、試験例8〜14の積層体を作製した。試験例8〜14の材質を表2に示す。
なお、このInGaZnO半導体よりなる酸化物半導体層12は、無加熱スパッタ法によって以下のスパッタ条件で成膜した。
ターゲット:75mmφInGaZnO焼結体ターゲット
(In:Ga:Zn=1:1:1(atm比))
成膜時の圧力:0.5Pa
印加電圧:DC150W
成膜時のガス流量:Ar/O=98/2.0sccm
成膜時間:5分
膜厚:35nm
試験例15〜21
酸化物半導体層12をInWO半導体としたこと以外はそれぞれ試験例1〜7と同様にして、試験例15〜21の積層体を作製した。試験例15〜21の材質を表3に示す。
なお、このInWO半導体よりなる酸化物半導体層12は、無加熱スパッタ法によって以下のスパッタ条件で成膜した。
ターゲット:75mmφInWZnO焼結体ターゲット
(W=5wt%、Zn=0.5wt%)
成膜時の圧力:0.5Pa
印加電圧:DC150W
成膜時のガス流量:Ar/O=94/6.0sccm
成膜時間:5分
膜厚:30nm
Figure 2010118445
Figure 2010118445
Figure 2010118445
<シート抵抗の測定>
上記試験例1〜21の各試料を30mm×70mmの大きさにしたものについて、三菱化学社製「Hirester−UP」を用いてシート抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
第3図の構造の試料(試験例1,8,15)の抵抗率が、酸化物半導体層の本来の抵抗率と考えられる。
第4図の構造の試料(試験例2〜4、9〜11、16〜18)は、第3図の構造の試料(試験例1,8,15)と比べて抵抗率が小さいことが確認された。特に、有機絶縁層13がポリイミド樹脂及びアクリル樹脂である試料を比較したところ、第4図の構造の試料(試験例3,4,10,11,17,18)は、第3図の構造の試料(試験例1,8,15)と比べて抵抗率が大幅に小さかった。
これに対し、第5図の構造の試料(試験例5〜7、12〜14、19〜21)は、第3図の構造の試料(試験例1,8,15)と比べて抵抗率の差が非常に小さいことが確認された。
比較例1
第2図の構造を有する薄膜トランジスタを以下の手順で作製した。
基板1の上に無加熱スパッタ法によってITO製のゲート電極2を形成した後、アモルファスフッ素樹脂製の絶縁層3及びZnO製の半導体層4をこの順に成膜し、この半導体層4の上に無加熱スパッタ法によってITO製のソース電極5及びドレイン電極6を形成して薄膜トランジスタとした。
なお、絶縁層3及び半導体層4の成膜条件は、試験例2の有機絶縁層13及び酸化物半導体層12の成膜条件と同様とした。
また、ゲート電極2、ソース電極5及びドレイン電極6のスパッタ条件は以下の通りとした。
ターゲット:75mmφITOターゲット(In:Sn(質量比)=90:10)
成膜時の圧力:0.5Pa
印加電圧:DC150W
成膜時のガス流量:Ar/O=99/1.0sccm
成膜時間:3分
膜厚:40nm
ソース電極5及びドレイン電極6の成膜に際してはシャドーマスクを用い、チャネル長(ソース電極とドレイン電極の間隔)を0.1mm、チャネル幅(ソース電極及びドレイン電極の奥行き)を6.4mmとした。
比較例2,3
絶縁層3をそれぞれポリイミド樹脂(比較例2)及びアクリル樹脂(比較例3)としたこと以外は比較例1と同様にして薄膜トランジスタを作製した。
なお、比較例2及び3において、これら絶縁層3の成膜条件は、それぞれ試験例3及び4の有機絶縁層13の成膜条件と同様とした。
実施例1
第1図の構造を有する薄膜トランジスタを以下の手順で作製した。
基板1の上に無加熱スパッタ法によってITO製のソース電極5及びドレイン電極6を形成した後、ZnO製の半導体層4及びアモルファスフッ素樹脂製の絶縁層3をこの順に成膜し、この絶縁層3の上に無加熱スパッタ法によってITO製のゲート電極2を形成して薄膜トランジスタとした。
なお、絶縁層3及び半導体層4の成膜条件は、試験例2の有機絶縁層13及び酸化物半導体層12の成膜条件と同様とした。
ゲート電極2、ソース電極5及びドレイン電極6のスパッタ条件は比較例1と同様とした。
実施例2,3
絶縁層3をそれぞれポリイミド樹脂(実施例2)及びアクリル樹脂(実施例3)としたこと以外は実施例1と同様にして薄膜トランジスタを作製した。
なお、実施例2及び3において、これら絶縁層3の成膜条件は、それぞれ試験例3及び4の有機絶縁層13の成膜条件と同様とした。
比較例4〜6及び実施例4〜6
半導体層4をInGaZnO半導体としたこと以外はそれぞれ比較例1〜3及び実施例1〜3と同様にして、比較例4〜6及び実施例4〜6の薄膜トランジスタを作製した。
このInGaZnO製の半導体層4の成膜条件は、試験例9の酸化物半導体層12の成膜条件と同様とした。
比較例7〜9及び実施例7〜9
半導体層4をInWO半導体としたこと以外はそれぞれ比較例1〜3及び実施例1〜3と同様にして、比較例7〜9及び実施例7〜9の薄膜トランジスタを作製した。
このInWO製の半導体層4の成膜条件は、試験例16の酸化物半導体層12の成膜条件と同様とした。
各実施例及び比較例の薄膜トランジスタの構造及び材質の概要を表4〜表6に示す。
Figure 2010118445
Figure 2010118445
Figure 2010118445
<トランジスタ特性の測定>
トランジスタ特性として、ドレイン電圧が70Vのときにおけるドレイン電流のゲート電圧依存性を測定した。測定装置として、Agilent社製半導体パレメーターアナライザー「4155C」を用いた。
比較例1〜3及び実施例1〜3、比較例4〜6及び実施例4〜6、比較例7〜9及び実施例7〜9の測定結果を、それぞれ図6,7,8に示す。
第6〜8図から明らかな通り、ボトムゲート構造(第2図の構造)の薄膜トランジスタ(比較例1〜9)のうち、絶縁層3がポリイミド樹脂(比較例2,5,8)及びアクリル樹脂(比較例3,6,9)であるものは、トランジスタ特性を有しないことが確認された。即ち、ゲート電圧による変調が起こらずに常にオン状態になった。
これに対し、トップゲート構造(第1図の構造)を有する総ての実施例(実施例1〜9)の薄膜トランジスタは、良好なトランジスタ特性を有することが確認された。即ち、ゲート電圧の変化によってチャネルが変調され、オフ状態からオン状態への明瞭な変化が確認された。
実施の形態に係る薄膜トランジスタの模式的な断面図である。 従来例の薄膜トランジスタの模式的な断面図である。 試験例1の試料の模式的な断面図である。 試験例2〜4の試料の模式的な断面図である。 試験例5〜7の試料の模式的な断面図である。 薄膜トランジスタのトランジスタ特性を示すグラフである。 薄膜トランジスタのトランジスタ特性を示すグラフである。 薄膜トランジスタのトランジスタ特性を示すグラフである。
符号の説明
1 基板
2 ゲート電極
3 絶縁層
4 半導体層
5 ソース電極
6 ドレイン電極
10,10A 薄膜トランジスタ

Claims (11)

  1. 基板上に半導体層で連結されたソース電極とドレイン電極を有し、該半導体層の上に絶縁層を介してゲート電極を有する薄膜トランジスタであって、
    該半導体層が酸化物半導体層であり、該絶縁層が有機絶縁層であることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 請求項1において、該酸化物半導体層が、ZnO半導体、AlをドープしたZnO半導体、InGaZnO半導体、InWO半導体、InWZnO半導体、InWSnO半導体、InWSnZnO半導体、InSnO半導体、InZnO半導体又はInTiO半導体よりなることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  3. 請求項1又は2において、該有機絶縁層が、PVP、ポリイミド、エポキシ樹脂、アモルファスフッ素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ポリアミドイミド及びシリコン樹脂の少なくとも1種よりなることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、該基板が、PET、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド及びPESの少なくとも1種よりなることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記有機絶縁層の厚みが100nm〜2μmであることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  6. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記有機絶縁層は、前記酸化物半導体層側の第1有機絶縁層と、前記ゲート電極側の第2有機絶縁層とからなっており、
    該第1有機絶縁層は、厚みが5nm〜200nmのアモルファスフッ素樹脂よりなり、
    該第2有機絶縁層は、厚みが100nm〜2μmである、アモルファスフッ素樹脂とは異なる有機絶縁材料よりなることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項の薄膜トランジスタを製造する方法であって、
    該基板上に該ソース電極、該ドレイン電極及び該酸化物半導体層を形成し、次いで、該酸化物半導体層の上に該有機絶縁層及び該ゲート電極をこの順に形成することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  8. 請求項7において、前記基板上に前記ソース電極及び前記ドレイン電極を間隔をあけて形成し、
    次いで、該基板の上面のうち少なくとも該ソース電極及び該ドレイン電極の間の部分と、該ソース電極の上面と、該ドレイン電極の上面とに跨るようにして前記酸化物半導体層を形成し、
    次いで、該酸化物半導体層の上に該有機絶縁層及び該ゲート電極をこの順に形成することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  9. 請求項7において、前記基板上に前記酸化物半導体層を形成し、
    次いで、該酸化物半導体層の上に、前記ソース電極及び前記ドレイン電極を間隔をあけて形成し、
    次いで、該酸化物半導体層の上面のうち少なくとも該ソース電極及び該ドレイン電極の間の部分と、該ソース電極の上面と、該ドレイン電極の上面とに跨るようにして前記有機絶縁層を形成し、
    次いで、該有機絶縁層の上に前記ゲート電極を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  10. 請求項7ないし9のいずれか1項において、該酸化物半導体層をスパッタ法により形成することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  11. 請求項7ないし10のいずれか1項において、有機絶縁層材料含有液を塗布し、乾燥することにより該有機絶縁層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
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Cited By (4)

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JP2018139292A (ja) * 2011-04-17 2018-09-06 ストラタシス リミテッド 造形物を積層造形するシステムおよび方法
JP2019114609A (ja) * 2017-12-21 2019-07-11 日本放送協会 薄膜トランジスタおよびその製造方法

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