JP2007335319A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】非水電解質二次電池の充放電サイクル特性を向上させる。
【解決手段】正極集電体上に正極活物質層が設けられた正極と、負極集電体上に負極活物質層が設けられた負極と、電解質とを有する非水電解質電池において、正極活物質の比表面積を0.1m2/g以上0.8m2/g以下とし、負極活物質の比表面積を0.2m2/g以上5m2/g以下となるようにすることにより、電池の初期容量およびサイクル特性を向上することができる。
【選択図】図1
【解決手段】正極集電体上に正極活物質層が設けられた正極と、負極集電体上に負極活物質層が設けられた負極と、電解質とを有する非水電解質電池において、正極活物質の比表面積を0.1m2/g以上0.8m2/g以下とし、負極活物質の比表面積を0.2m2/g以上5m2/g以下となるようにすることにより、電池の初期容量およびサイクル特性を向上することができる。
【選択図】図1
Description
この発明は、非水電解質二次電池に関し、特にサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池に関する。
近年の携帯電子技術の目覚ましい発達により、携帯電話やノートブック型パーソナルコンピュータ等の電子機器は高度情報化社会を支える基盤技術と認知されてきた。さらに、これらの機器の高機能化に関する研究開発は精力的に進められており、それに比例して電子機器の消費電力も増加の一途を辿っている。その反面、これらの電子機器は長時間駆動が求められており、必然的に駆動電源である二次電池の高エネルギー密度化が望まれてきた。
電子機器に内蔵される電池の占有体積や重量等の観点より、電池のエネルギー密度は高いほど望ましい。そこで現在では、この要求に応えるべく、非水電解質電池、中でもリチウムイオンのドープ・脱ドープを利用したリチウムイオン二次電池が優れたエネルギー密度を有することから、殆どの機器に内蔵されるに至っている。
通常、リチウムイオン二次電池では、例えばコバルト酸リチウム等のリチウム複合酸化物を用いた正極活物質層が正極集電体上に形成された正極と、例えば炭素材料を用いた負極活物質層が負極集電体上に形成された負極が使用されており、作動電圧が2.5Vから4.2Vの範囲で用いられる。単電池において、端子電圧を4.2Vまで上げられるのは、非水電解質材料やセパレータ等の優れた電気化学的安定性によるところが大きい。
このような構成を有するリチウムイオン二次電池は、充放電電位が4Vを超える高い電圧を得られる一方、特に正極表面近傍において酸化雰囲気が強まる結果、正極と物理的に接触する非水電解質が酸化分解を受けやすくなるという問題が生じる。その結果、非水電解質が劣化して正極活物質と非水電解質との反応が小さくなり、充放電サイクルの進行に伴って電池の容量が徐々に低下してしまう。したがって、リチウムイオン二次電池において更なるサイクル特性の向上が求められている。
このようなことから、リチウムイオン二次電池の正極活物質の比表面積を適切な範囲とすることにより、正極における非水電解質の分解を抑制し、サイクル特性を向上させる方法が検討されている。例えば、以下の特許文献1には、正極活物質の比表面積を0.01m2/g〜3.0m2/gとすることで正極活物質と電解液との反応面積を適切な大きさとする方法が記載されている。この方法によれば、正極における電解液の必要以上の分解を抑制できるので、充放電サイクルの進行に伴う電池容量の低下を抑制し、サイクル特性を向上させることができる。
上述したように、リチウムイオン二次電池の正極側では、充電時に正極の表面近傍において酸化雰囲気が強まるため、非水電解質が酸化分解されることによって、サイクル特性が低下してしまうという問題がある。
一方、リチウムイオン二次電池の負極側では、充放電サイクルの進行に伴い、充電時に正極から引き抜かれたリチウムイオンの受け入れ性が悪くなるという問題が生じる。リチウムイオンの受け入れ性が悪くなると、リチウムイオンの一部が負極の炭素材料の層間にドープされず、負極の表面に析出してしまう。その結果、活物質機能を有するリチウムイオンが減少して電池容量が減少するため、サイクル特性が低下してしまう。
したがって、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上させるためには、正極における非水電解質の酸化を抑制するとともに、負極で生じるリチウム析出を抑制する必要がある。
特許文献1の発明では、正極活物質の比表面積を適切な範囲とすることにより正極における非水電解質の酸化分解を抑制することについては記載されているが、負極活物質および負極におけるリチウム析出の問題については何ら考慮されていなかった。そのため、特許文献1のように正極活物質の比表面積を適切な範囲とするだけでは、サイクル特性を十分に向上させることはできないという問題がある。
したがって、この発明は、正極における非水電解質の分解を抑制し、かつ負極におけるリチウムの析出を抑制することにより、電池容量の低下を招くことなく優れたサイクル特性を有する非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は、正極活物質を少なくとも含有する正極と、負極活物質を少なくとも含有する負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、正極活物質の比表面積が0.1m2/g以上0.8m2/g以下であり、負極活物質の比表面積が0.2m2/g以上5.0m2/g以下であることを特徴とする非水電解質二次電池である。
また、上述の非水電解質はゲル状電解質であり、ゲル状電解質は、ポリフッ化ビニリデンと、ヘキサフルオロプロピレンとの共重合体に、非水溶媒および電解質塩を含む溶液を含有することが好ましい。これにより、電気化学的に安定するからである。
この発明では、正極活物質および負極活物質の比表面積を適切な範囲とすることにより、正極における非水電解質の分解を抑制し、また、負極におけるリチウムの析出を抑制する。
この発明によれば、正極において電解質の分解を抑制し、かつ負極においてリチウムの析出を抑制することにより、優れたサイクル特性を有する非水電解質二次電池を得ることが可能となる。
以下、この発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、この発明の一実施形態による非水電解質二次電池の一例の構成を示す。この非水電解質二次電池は、電池素子10を防湿性ラミネートフィルムからなる外装材1に収容し、電池素子10の周囲を溶着することにより封止してなる。電池素子10には、正極リード3および負極リード4が備えられ、これらのリードは、外装材1に挟まれて外部へと引き出される。正極リード3および負極リード4のそれぞれの両面には、外装材1との接着性を向上させるために樹脂片5および樹脂片6が被覆されている。
[外装材]
外装材1は、例えば、接着層、金属層、表面保護層を順次積層した積層構造を有する。接着層は高分子フィルムからなり、この高分子フィルムを構成する材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)が挙げられる。金属層は金属箔からなり、この金属箔を構成する材料としては、例えばアルミニウム(Al)が挙げられる。また、金属箔を構成する材料としては、アルミニウム以外の金属を用いることも可能である。表面保護層を構成する材料としては、例えばナイロン(Ny)、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。なお、接着層側の面が、電池素子10を収納する側の収納面となる。
外装材1は、例えば、接着層、金属層、表面保護層を順次積層した積層構造を有する。接着層は高分子フィルムからなり、この高分子フィルムを構成する材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)が挙げられる。金属層は金属箔からなり、この金属箔を構成する材料としては、例えばアルミニウム(Al)が挙げられる。また、金属箔を構成する材料としては、アルミニウム以外の金属を用いることも可能である。表面保護層を構成する材料としては、例えばナイロン(Ny)、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。なお、接着層側の面が、電池素子10を収納する側の収納面となる。
[電池素子]
以下、電池素子10の構成について説明する。図2は、図1に示した電池素子10の一部を拡大して表すものである。電池素子10は、例えば、図2に示すように、両面にゲル電解質層15が設けられた帯状の負極13と、セパレータ14と、両面にゲル電解質層15が設けられた帯状の正極12と、セパレータ14とを積層し、長手方向に巻回されてなる巻回型の電池素子10である。なお、上記の一実施形態の他、例えば電池素子10は、ゲル電解質を利用せず、非水電解液のみで構成することもできる。さらに、同様な電池素子をラミネートフィルムの代わりに金属ケースに収納した角型電池のような実施形態も可能である。
以下、電池素子10の構成について説明する。図2は、図1に示した電池素子10の一部を拡大して表すものである。電池素子10は、例えば、図2に示すように、両面にゲル電解質層15が設けられた帯状の負極13と、セパレータ14と、両面にゲル電解質層15が設けられた帯状の正極12と、セパレータ14とを積層し、長手方向に巻回されてなる巻回型の電池素子10である。なお、上記の一実施形態の他、例えば電池素子10は、ゲル電解質を利用せず、非水電解液のみで構成することもできる。さらに、同様な電池素子をラミネートフィルムの代わりに金属ケースに収納した角型電池のような実施形態も可能である。
[正極]
正極12は、帯状の正極集電体12Aと、この正極集電体12Aの両面に形成された正極活物質層12Bとからなる。正極集電体12Aは、例えばアルミニウム(Al)箔、ニッケル(Ni)箔あるいは、ステンレス(SUS)箔などの金属箔を用いることができる。
正極12は、帯状の正極集電体12Aと、この正極集電体12Aの両面に形成された正極活物質層12Bとからなる。正極集電体12Aは、例えばアルミニウム(Al)箔、ニッケル(Ni)箔あるいは、ステンレス(SUS)箔などの金属箔を用いることができる。
正極活物質層12Bは、例えば、リチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能な1種または2種以上の正極活物質と、導電材と、結着剤とを含有して構成されている。
リチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能な正極活物質材料としては、例えば、リチウム酸化物、リチウムリン酸化物、リチウム硫化物などのリチウム含有遷移金属化合物が適当である。エネルギー密度を高くするには、リチウムと遷移金属元素と酸素(O)とを含むリチウム含有遷移金属酸化物が好ましく、中でも、遷移金属元素として、コバルト(Co)、Ni(ニッケル)、マンガン(Mn)および鉄(Fe)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものであればより好ましい。このようなリチウム含有遷移金属化合物としては、例えば、以下の化1に示した層状岩塩型の構造を有するリチウム含有遷移金属酸化物、化2に示したオリビン型の構造を有するリチウム複合リン酸塩等が挙げられ、具体的には、LiCoO2、LiNiO2、LiNicCo1-cO2(0<c<1)、LiMn2O4あるいはLiFePO4などが挙げられる。また、遷移金属元素は複数種類を用いることも可能であり、LiNi0.50Co0.50O2、LiNi0.50Co0.30Mn0.20O2、LiFe0.50Mn0.50PO4がその例として挙げられる。
[化1]LipNi(1-q-r)MnqM1rO(2-y)Xz
式中、M1は、Ni,Mnを除く2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を、Xは酸素(O)以外の16族元素および17族元素のうち少なくとも1種を示す。p、q、y、zは0≦p≦1.5、0≦q≦1.0、0≦r≦1.0、−0.10≦y≦0.20、0≦z≦0.2の範囲内の値である。
式中、M1は、Ni,Mnを除く2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を、Xは酸素(O)以外の16族元素および17族元素のうち少なくとも1種を示す。p、q、y、zは0≦p≦1.5、0≦q≦1.0、0≦r≦1.0、−0.10≦y≦0.20、0≦z≦0.2の範囲内の値である。
[化2]LiaM2bPO4
式中、M2は、2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を示す。a、bは0≦a≦2.0、0.5≦b≦2.0の範囲内の値である。
式中、M2は、2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を示す。a、bは0≦a≦2.0、0.5≦b≦2.0の範囲内の値である。
ここで、正極活物質には、比表面積が0.1m2/g以上0.8m2/g以下である正極材料を用いる。これは、正極活物質の比表面積が0.1m2/g未満の場合、正極活物質と電解液との反応面積が小さいため正極活物質の利用率が悪くなり、正極活物質の能力が充分に発揮されないことから電池の初期容量が低下してしまうためである。また、正極活物質の比表面積が0.8m2/gを超えた場合、非水電解質の分解が激しくなるため電池容量が低下し、サイクル特性が劣化してしまうからである。なお、比表面積は、Mountech社製 MacSorb HM model 1208を用いてBET(Brunauer Emmett Teller)法により測定した。
導電剤としては、正極活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限はないが、例えばカーボンブラックあるいはグラファイトなどの炭素材料等が用いられる。また、結着剤としては、通常この種の電池の正極合剤に用いられている公知の結着剤を用いることができるが、好ましくはポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂が用いられる。
[負極]
負極13は、帯状の負極集電体13Aと、この負極集電体13Aの両面に形成された負極活物質層13Bとからなる。負極集電体13Aは、例えば、銅(Cu)箔、ニッケル箔あるいはステンレス箔(SUS)箔などの金属箔により構成されている。
負極13は、帯状の負極集電体13Aと、この負極集電体13Aの両面に形成された負極活物質層13Bとからなる。負極集電体13Aは、例えば、銅(Cu)箔、ニッケル箔あるいはステンレス箔(SUS)箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層13Bは、例えば負極活物質と、必要であれば導電剤と、結着剤とを含有して構成されている。
負極活物質としては、リチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料、結晶質、非結晶質金属酸化物が用いられる。具体的に、リチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料としては、グラファイト、難黒鉛化性炭素材料、易黒鉛化性炭素材料、結晶構造が発達した高結晶性炭素材料等が挙げられる。より具体的には、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス)、黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維や活性炭、カーボンブラック等の炭素材料あるいはポリアセチレン等のポリマー等を使用することができる。
また、他の負極活物質材料として、リチウムと合金を形成可能な金属、またはこのような金属の合金化合物が挙げられる。ここで言う合金化合物とは、具体的にはリチウムと合金を形成可能なある金属元素をMとしたとき、MpM’qLir(式中、M’はLi元素およびM元素以外の1つ以上の金属元素である。また、pは0より大きい数値であり、q、rは0以上の数値である。)で表される化合物である。さらに、この発明では半導体元素であるホウ素(B)、ケイ素(Si)、ヒ素(As)等の元素も金属元素に含めることとする。具体的には、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)の各金属とそれらの合金化合物、すなわち、例えばLi−Al,Li−Al−M(式中、Mは2A族、3B族、4B族遷移金属元素のうち1つ以上からなる。)、AlSb、CuMgSb等が挙げられる。
上述したような元素の中でも、リチウムと合金形成可能な元素としては3B族典型元素を用いるのが好ましい。中でも、ケイ素(Si)やスズ(Sn)等の元素またはその合金を用いるのが好ましく、さらにケイ素(Si)またはケイ素(Si)合金が特に好適である。ケイ素(Si)合金またはスズ(Sn)合金として具体的には、MxSi、MxSn(式中、MはSiまたはSnを除く1つ以上の金属元素である。)で表される化合物で、具体的にはSiB4、SiB6、Mg2Si、Mg2Sn、Ni2Si、TiSi2、MoSi2、CoSi2、NiSi2、CaSi2、CrSi2、Cu5Si、FeSi2、MnSi2、NbSi2、TaSi2、VSi2、WSi2、ZnSi2等が挙げられる。
さらに、1つ以上の非金属元素を含む、炭素を除く4B族化合物もこの発明の負極材料として利用することができる。負極材料中には、2種類以上の4B族元素が含まれていても良い。また、リチウムを含む4B族以外の金属元素が含まれていても良い。例示するならばSiC、Si3N4、Si2N2O、Ge2N2O、SiOx(0<x≦2)、SNOx(0<x≦2)、LiSiO、LiSNO等である。
ここで、負極活物質には、比表面積が0.2m2/g以上5.0m2/g以下である負極材料を用いる。負極活物質の比表面積が0.2m2/g未満の場合、負極活物質と電解液との反応面積が小さいため負極にリチウムイオンがドープしきれず、リチウムの析出が生じてしまう。析出したリチウムは脱落することにより、負極にドープ可能なリチウムイオンの量が減少する他、析出したデンドライド状のリチウムによってセパレータが傷つき、微小なショートが発生することから、サイクル特性が低下してしまう。また、比表面積が5.0m2/gを超えた場合、初期充電時に非水電解質の分解が生じることから、負極活物質と非水電解質との反応が小さくなり、負極にドープするリチウムイオンの量が減少するため、初期容量が低下するからである。なお、比表面積は、Mountech社製 MacSorb HM model 1208を用いてBET法により測定した。
導電剤としては、正極活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限はないが、例えばカーボンブラックあるいはグラファイトなどの炭素材料等が用いられる。また、結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンゴム等が用いられる。
[ゲル電解質]
ゲル電解質層15は、電解液と、この電解液を保持する保持体となる高分子化合物とを含み、いわゆるゲル状となっている。ゲル電解質層15は高いイオン伝導率を得ることができるとともに、電池の漏液を防止できるので好ましい。
ゲル電解質層15は、電解液と、この電解液を保持する保持体となる高分子化合物とを含み、いわゆるゲル状となっている。ゲル電解質層15は高いイオン伝導率を得ることができるとともに、電池の漏液を防止できるので好ましい。
電解液としては、非水溶媒に電解質塩を溶解させた非水電解液を用いることができる。非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートのうちの少なくとも一方を含んでいることが好ましい。サイクル特性を向上させることができるからである。特に、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとを混合して含むようにすれば、よりサイクル特性を向上させることができるので好ましい。非水溶媒としては、また、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートまたはメチルプロピルカーボネート等の鎖状炭酸エステルの中から、少なくとも1種を含んでいることが好ましい。サイクル特性をより向上させることができるからである。
非水溶媒としては、さらに、2,4−ジフルオロアニソールおよびビニレンカーボネートのうちの少なくとも一方を含んでいることが好ましい。2,4−ジフルオロアニソールは放電容量を改善することができ、ビニレンカーボネートはサイクル特性をより向上させることができるからである。特に、これらを混合して含んでいれば、放電容量およびサイクル特性を共に向上させることができるのでより好ましい。
非水溶媒としては、さらに、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、これら化合物の水素基の一部または全部をフッ素基で置換したもの、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピロニトリル、N,N−ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、ジメチルスルフォキシドあるいはリン酸トリメチル等のいずれか1種または2種以上を含んでいてもよい。
組み合わせる電極によっては、上記非水溶媒群に含まれる物質の水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換したものを用いることにより、電極反応の可逆性が向上する場合がある。したがって、これらの物質を適宜用いることも可能である。
電解質塩であるリチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、LiB(C6H5)4、LiCH3SO3、LiCF3SO3、LiN(SO2CF3)2、LiC(SO2CF3)3、LiAlCl4、LiSiF6、LiCl、LiBF2(OX)、LiBOB、あるいはLiBrが適当であり、これらのうちのいずれか1種または2種以上を混合して用いることができる。なかでも、LiPF6は、高いイオン伝導性を得ることができるとともに、サイクル特性を向上させることができるので好ましい。
高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレンあるいはポリカーボネートを挙げることができる。特に電気化学的な安定性の点からは、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンあるいはポリエチレンオキサイドが好ましい。
[セパレータ]
セパレータ14は、例えばポリプロピレン(PP)あるいはポリエチレン(PE)などのポリオレフィン系の材料よりなる多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレンの多孔質フィルムが最も有効である。
セパレータ14は、例えばポリプロピレン(PP)あるいはポリエチレン(PE)などのポリオレフィン系の材料よりなる多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレンの多孔質フィルムが最も有効である。
一般的にセパレータ14の厚みは5〜50μmが好適に使用可能であるが、7〜30μmがより好ましい。セパレータ14は、厚すぎると活物質の充填量が低下して電池容量が低下するとともに、イオン伝導性が低下して電流特性が低下する。逆に薄すぎると、膜の機械的強度が低下する。
上述のように構成された非水電解質二次電池は、例えば以下のようにして作製することができる。
[正極作製工程]
上述の正極活物質、結着剤、導電剤を均一に混合して正極合剤とし、この正極合剤を溶剤中に分散させ、必要に応じてボールミル、サンドミル、二軸混練機等によりスラリー状にする。溶剤としては、電極材料に対して不活性であり、かつ結着剤を溶解し得るものであれば特に限定はなく、無機溶剤、有機溶剤のいずれも用いることができるが、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が用いられる。なお、正極活物質、導電剤、結着剤および溶剤は、均一に分散していればよく、その混合比は問わない。次いで、このスラリーをドクターブレード法等により正極集電体12Aの両面に均一に塗布する。さらに、高温で乾燥させて溶剤を飛ばした後、例えばロールプレス機で圧縮成型することにより正極活物質層12Bが形成される。これにより、正極12が作製される。
上述の正極活物質、結着剤、導電剤を均一に混合して正極合剤とし、この正極合剤を溶剤中に分散させ、必要に応じてボールミル、サンドミル、二軸混練機等によりスラリー状にする。溶剤としては、電極材料に対して不活性であり、かつ結着剤を溶解し得るものであれば特に限定はなく、無機溶剤、有機溶剤のいずれも用いることができるが、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が用いられる。なお、正極活物質、導電剤、結着剤および溶剤は、均一に分散していればよく、その混合比は問わない。次いで、このスラリーをドクターブレード法等により正極集電体12Aの両面に均一に塗布する。さらに、高温で乾燥させて溶剤を飛ばした後、例えばロールプレス機で圧縮成型することにより正極活物質層12Bが形成される。これにより、正極12が作製される。
正極12の長手方向の一端部には、例えばスポット溶接または超音波溶接により正極リード3を溶接する。この正極リード3の材料としては、例えばアルミニウム等の金属を用いることができる。
[負極作製工程]
上述の負極活物質、結着剤、導電剤を均一に混合して負極合剤とし、溶剤中に分散させてスラリー状にする。このとき、正極合剤の場合と同様にボールミル、サンドミル、二軸混練機等を用いてもよい。溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン等が用いられる。なお、負極活物質、導電剤、結着剤および溶剤は、正極活物質と同様に、その混合比は問わない。次いで、このスラリーをドクターブレード法等により負極集電体13Aの両面に均一に塗布する。さらに、高温で乾燥させて溶剤を飛ばした後、例えばロールプレス機で圧縮成型することにより負極活物質層13Bが形成される。これにより、負極13が作製される。
上述の負極活物質、結着剤、導電剤を均一に混合して負極合剤とし、溶剤中に分散させてスラリー状にする。このとき、正極合剤の場合と同様にボールミル、サンドミル、二軸混練機等を用いてもよい。溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン等が用いられる。なお、負極活物質、導電剤、結着剤および溶剤は、正極活物質と同様に、その混合比は問わない。次いで、このスラリーをドクターブレード法等により負極集電体13Aの両面に均一に塗布する。さらに、高温で乾燥させて溶剤を飛ばした後、例えばロールプレス機で圧縮成型することにより負極活物質層13Bが形成される。これにより、負極13が作製される。
なお、塗布装置については特に限定されず、スライドコーティングやエクストルージョン型のダイコーティング、リバースロール、グラビア、ナイフコーター、キスコーター、マイクログラビア、ロッドコーター、ブレードコーターなどが使用できる。また、乾燥方法についても特に制限はないが、放置乾燥、送風乾燥機、温風乾燥機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機などが使用できる。
負極13の長手方向の一端部にも正極12と同様に、例えばスポット溶接または超音波溶接により負極リード4を溶接する。この負極リード4の材料としては、例えば銅(Cu)、ニッケル(Ni)等を用いることができる。
[電池組み立て工程]
上述のようにして作製された正極12および負極13のそれぞれに、溶媒と、電解質塩と、高分子化合物と、混合溶媒とを含む前駆溶液を塗布し、混合溶媒を揮発させてゲル電解質層15を形成する。
上述のようにして作製された正極12および負極13のそれぞれに、溶媒と、電解質塩と、高分子化合物と、混合溶媒とを含む前駆溶液を塗布し、混合溶媒を揮発させてゲル電解質層15を形成する。
次に、ゲル電解質層15が形成された正極12と負極13とをセパレータ14を介して積層し積層体とした後、この積層体をその長手方向に巻回して、巻回型の電池素子10を形成する。
次に、ラミネートフィルムからなる外装材1を深絞り加工することで凹部2を形成し、電池素子10をこの凹部2に挿入し、外装材1の未加工部分を凹部2上部に折り返し、凹部2の外周部分を熱溶着し密封する。以上により、この発明の一実施形態による非水電解質二次電池が作製される。
上述した構成の非水電解質二次電池は、例えば、一対の正極および負極当たりの完全充電状態における開回路電圧が2.5Vから4.2Vの範囲で用いることができる。このような非水電解質二次電池は、正極活物質および負極活物質の比表面積を適切な範囲として用いることにより、正極における非水電解質の酸化分解を抑制し、また、負極におけるリチウムの析出を抑制することができる。したがって、電池容量の低下を招くことなく優れたサイクル特性を有する非水電解質二次電池を得ることができる。
以下、実施例によりこの発明を具体的に説明するが、この発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
実施例1では、正極活物質の比表面積を以下のように変化させて非水電解質二次電池を作製し、初期容量および500サイクル後の容量維持率を求めた。以下、表1を参照して実施例および比較例を詳細に説明する。
実施例1では、正極活物質の比表面積を以下のように変化させて非水電解質二次電池を作製し、初期容量および500サイクル後の容量維持率を求めた。以下、表1を参照して実施例および比較例を詳細に説明する。
<実施例1−1>
[正極の作製]
正極活物質として、比表面積が0.1m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)91重量%と、導電材として粉状黒鉛6重量%と、結着材として粉状ポリフッ化ビニリデン3重量%とを均一に混合して正極合剤を調製し、これをN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとした。この正極合剤スラリーを、正極集電体となるアルミニウム箔の両面に均一に塗布し、減圧乾燥することにより正極活物質層を形成した。
[正極の作製]
正極活物質として、比表面積が0.1m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)91重量%と、導電材として粉状黒鉛6重量%と、結着材として粉状ポリフッ化ビニリデン3重量%とを均一に混合して正極合剤を調製し、これをN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとした。この正極合剤スラリーを、正極集電体となるアルミニウム箔の両面に均一に塗布し、減圧乾燥することにより正極活物質層を形成した。
次に、これをロールプレス機で加圧成形することにより正極シートとし、当該正極シートを縦50mm、横350mmのサイズに切り出して正極とし、活物質の不塗布部分にアルミニウム製のリードを溶接することにより、正極を作製した。
[負極の作製]
負極活物質として、比表面積が1.0m2/gとなるように粉砕して調整した人造黒鉛90重量%と、結着材として粉状ポリフッ化ビニリデン10重量%とを均一に混合して負極合剤を調製し、N−メチルピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとした。次に、この負極合剤スラリーを負極集電体となる銅箔の両面に均一に塗布し、減圧乾燥することにより負極活物質層を形成した。
負極活物質として、比表面積が1.0m2/gとなるように粉砕して調整した人造黒鉛90重量%と、結着材として粉状ポリフッ化ビニリデン10重量%とを均一に混合して負極合剤を調製し、N−メチルピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとした。次に、この負極合剤スラリーを負極集電体となる銅箔の両面に均一に塗布し、減圧乾燥することにより負極活物質層を形成した。
次に、これをロールプレス機で加圧成形することにより負極シートとし、当該負極シートを縦52mm、横370mmのサイズに切り出して負極とし、活物質の不塗布部分に幅3mmのニッケル製のリードを溶接することにより、負極を作製した。
[ゲル状電解質の作製]
ヘキサフルオロプロピレンが6.9%の割合で共重合されたポリフッ化ビニリデンと、非水電解液と、希釈溶剤のジメチルカーボネート(DMC)とを混合し、撹拌、溶解させてゾル状の電解質溶液を得た。非水電解液は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートを1:1の体積比で混合し、電解質塩として0.6mol/kgのLiPF6を溶解して作製した。次に、得られたゾル状の電解質溶液を正極および負極の両面に均一に塗布し、その後、乾燥させて溶剤を除去した。このようにして、正極および負極の両面にゲル状電解質層を形成した。
ヘキサフルオロプロピレンが6.9%の割合で共重合されたポリフッ化ビニリデンと、非水電解液と、希釈溶剤のジメチルカーボネート(DMC)とを混合し、撹拌、溶解させてゾル状の電解質溶液を得た。非水電解液は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートを1:1の体積比で混合し、電解質塩として0.6mol/kgのLiPF6を溶解して作製した。次に、得られたゾル状の電解質溶液を正極および負極の両面に均一に塗布し、その後、乾燥させて溶剤を除去した。このようにして、正極および負極の両面にゲル状電解質層を形成した。
[電池組み立て工程]
上述のようにして作製された、両面にゲル状電解質層が形成された帯状の正極と、両面にゲル状電解質層が形成された帯状の負極とを、ポリエチレン延伸フィルムからなるセパレータを介して積層し、長手方向に巻回することにより電池素子を作製した。次いで、この電池素子をラミネートフィルムにて外装し、電池素子の周囲を封止した。以上により、実施例1−1の非水電解質二次電池を作製した。
上述のようにして作製された、両面にゲル状電解質層が形成された帯状の正極と、両面にゲル状電解質層が形成された帯状の負極とを、ポリエチレン延伸フィルムからなるセパレータを介して積層し、長手方向に巻回することにより電池素子を作製した。次いで、この電池素子をラミネートフィルムにて外装し、電池素子の周囲を封止した。以上により、実施例1−1の非水電解質二次電池を作製した。
<実施例1−2>
正極活物質として、比表面積が0.5m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用いた以外は実施例1−1と同様にして、実施例1−2の非水電解質二次電池を作製した。
正極活物質として、比表面積が0.5m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用いた以外は実施例1−1と同様にして、実施例1−2の非水電解質二次電池を作製した。
<実施例1−3>
正極活物質として、比表面積が0.8m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用いた以外は実施例1−1と同様にして、実施例1−3の非水電解質二次電池を作製した。
正極活物質として、比表面積が0.8m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用いた以外は実施例1−1と同様にして、実施例1−3の非水電解質二次電池を作製した。
<比較例1−1>
正極活物質として、比表面積が0.05m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用いた以外は実施例1−1と同様にして、比較例1−1の非水電解質二次電池を作製した。
正極活物質として、比表面積が0.05m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用いた以外は実施例1−1と同様にして、比較例1−1の非水電解質二次電池を作製した。
<比較例1−2>
正極活物質として、比表面積が1.0m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用いた以外は実施例1−1と同様にして、比較例1−2の非水電解質二次電池を作製した。
正極活物質として、比表面積が1.0m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用いた以外は実施例1−1と同様にして、比較例1−2の非水電解質二次電池を作製した。
以上のようにして作製した非水電解質二次電池について、それぞれ以下のようにして(a)初期容量および(b)500サイクル後の容量維持率を求めた。
(a)初期容量
上述の実施例および比較例の非水電解質二次電池のそれぞれについて、0.1Cで定電流充電を行い、充電電圧が4.2Vに達した時点で定電圧充電に切り替え、総充電時間が12時間に達するまで充電を行った。次いで、0.2Cでの放電を行い、電圧が3.0Vとなった時点で放電を終了し、このときの放電容量を測定して初期容量とした。
上述の実施例および比較例の非水電解質二次電池のそれぞれについて、0.1Cで定電流充電を行い、充電電圧が4.2Vに達した時点で定電圧充電に切り替え、総充電時間が12時間に達するまで充電を行った。次いで、0.2Cでの放電を行い、電圧が3.0Vとなった時点で放電を終了し、このときの放電容量を測定して初期容量とした。
(b)500サイクル後の容量維持率
上述の実施例および比較例の非水電解質二次電池のそれぞれについて、0.1Cで定電流充電を行い、充電電圧が4.2Vに達した時点で定電圧充電に切り替え、総充電時間が2.5時間に達するまで充電を行った。次いで、1.0Cでの放電を行い、電圧が3.0Vとなった時点で放電を終了し、このときの放電容量を測定した。このような充放電サイクルを500サイクル行い、500サイクル目の放電容量を測定した。続いて、{(500サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100}から500サイクル後容量維持率を求めた。
上述の実施例および比較例の非水電解質二次電池のそれぞれについて、0.1Cで定電流充電を行い、充電電圧が4.2Vに達した時点で定電圧充電に切り替え、総充電時間が2.5時間に達するまで充電を行った。次いで、1.0Cでの放電を行い、電圧が3.0Vとなった時点で放電を終了し、このときの放電容量を測定した。このような充放電サイクルを500サイクル行い、500サイクル目の放電容量を測定した。続いて、{(500サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100}から500サイクル後容量維持率を求めた。
以下の表1に、実施例1−1〜実施例1−3、および比較例1−1〜比較例1−2の初期容量および500サイクル後容量維持率を示す。なお、初期容量は780mAhを、200サイクル後容量維持率は80%以上を良品とする。
実施例1−1〜実施例1−3の結果から分かるように、正極活物質の比表面積が0.1m2/g以上0.8m2/g以下の範囲では、初期容量および500サイクル後の容量維持率の低下を抑制することができた。
一方、比較例1−1のように正極活物質の比表面積が0.1m2/gより小さくなると、初期容量が低下した。これは、正極活物質と非水電解質との反応面積が小さいため、正極活物質の利用率が悪くなり、初期容量が低下したものと考えられる。また、比較例1−2のように正極活物質の比表面積が0.8m2/gより大きくなると、500サイクル後の容量維持率が低下した。これは、正極側で電解液の分解が生じ、電池容量が低下したためである。
上述の結果より、正極活物質の比表面積を0.1m2/g以上0.8m2/g以下とすることで、初期容量が大きく、優れたサイクル特性の非水電解質二次電池を得ることができることが分かった。
実施例2
実施例2では、負極活物質の比表面積を以下のように変化させて非水電解質二次電池を作製し、実施例1と同様に初期容量および500サイクル後の容量維持率を求めた。以下、表2を参照して実施例および比較例を詳細に説明する。
実施例2では、負極活物質の比表面積を以下のように変化させて非水電解質二次電池を作製し、実施例1と同様に初期容量および500サイクル後の容量維持率を求めた。以下、表2を参照して実施例および比較例を詳細に説明する。
<実施例2−1>
正極活物質として、比表面積が0.5m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、負極活物質として、比表面積が0.2m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例1−1と同様にして、実施例2−1の非水電解質二次電池を作製した。
正極活物質として、比表面積が0.5m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、負極活物質として、比表面積が0.2m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例1−1と同様にして、実施例2−1の非水電解質二次電池を作製した。
<実施例2−2>
負極活物質として、比表面積が2.0m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例2−1と同様にして、実施例2−2の非水電解質二次電池を作製した。
負極活物質として、比表面積が2.0m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例2−1と同様にして、実施例2−2の非水電解質二次電池を作製した。
<実施例2−3>
負極活物質として、比表面積が5.0m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例2−1と同様にして、実施例2−3の非水電解質二次電池を作製した。
負極活物質として、比表面積が5.0m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例2−1と同様にして、実施例2−3の非水電解質二次電池を作製した。
<比較例2−1>
負極活物質として、比表面積が0.1m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例2−1と同様にして、比較例2−1の非水電解質二次電池を作製した。
負極活物質として、比表面積が0.1m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例2−1と同様にして、比較例2−1の非水電解質二次電池を作製した。
<比較例2−2>
負極活物質として、比表面積が7.0m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例2−1と同様にして、比較例2−2の非水電解質二次電池を作製した。
負極活物質として、比表面積が7.0m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例2−1と同様にして、比較例2−2の非水電解質二次電池を作製した。
実施例2−1〜実施例2−3、比較例2−1〜比較例2−2の非水電解質二次電池について、それぞれ実施例1と同様にして、(a)初期容量および(b)500サイクル後の容量維持率を求めた。その結果を以下の表2に示す。
実施例2−1〜実施例2−3の結果から分かるように、負極活物質の比表面積が0.2m2/g以上5.0m2/g以下の範囲では、初期容量および500サイクル後の容量維持率の低下を抑制することができた。
一方、比較例2−1のように負極活物質の比表面積が0.2m2/gより小さくなると、負極活物質と非水電解質との反応面積が小さいことから電池の初期容量が低下し、また、リチウム析出が生じたことから500サイクル後の容量維持率が低下した。また、比較例2−2のように負極活物質の比表面積が5m2/gより大きくなると、初回充電時に電解液の分解が生じたことから、電池の初期容量および容量維持率が低下した。
上述の結果より、負極活物質の比表面積を0.2m2/g以上5.0m2/g以下とすることで、初期容量が大きく、優れたサイクル特性の非水電解質二次電池を得られることが分かった。
実施例3
実施例3では、正極活物質の比表面積と負極活物質の比表面積を以下のように変化させて非水電解質二次電池を作製し、実施例1と同様に初期容量および500サイクル後の容量維持率を求めた。なお、実施例3における実施例3−1〜実施例3−4に用いた正極活物質と負極活物質の比表面積の値は、上述した実施例1および実施例2の結果から効果を確認できた比表面積の範囲における最小値と最大値をそれぞれ組み合わせて評価した。以下、表3を参照して実施例および比較例を詳細に説明する。
実施例3では、正極活物質の比表面積と負極活物質の比表面積を以下のように変化させて非水電解質二次電池を作製し、実施例1と同様に初期容量および500サイクル後の容量維持率を求めた。なお、実施例3における実施例3−1〜実施例3−4に用いた正極活物質と負極活物質の比表面積の値は、上述した実施例1および実施例2の結果から効果を確認できた比表面積の範囲における最小値と最大値をそれぞれ組み合わせて評価した。以下、表3を参照して実施例および比較例を詳細に説明する。
<実施例3−1>
正極活物質として、比表面積が0.1m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、負極活物質として、比表面積が0.2m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例1−1と同様にして、実施例3−1の非水電解質二次電池を作製した。
正極活物質として、比表面積が0.1m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、負極活物質として、比表面積が0.2m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例1−1と同様にして、実施例3−1の非水電解質二次電池を作製した。
<実施例3−2>
正極活物質として、比表面積が0.1m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、負極活物質として、比表面積が5.0m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例1−1と同様にして、実施例3−2の非水電解質二次電池を作製した。
正極活物質として、比表面積が0.1m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、負極活物質として、比表面積が5.0m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例1−1と同様にして、実施例3−2の非水電解質二次電池を作製した。
<実施例3−3>
正極活物質として、比表面積が0.8m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、負極活物質として、比表面積が0.2m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例1−1と同様にして、実施例3−3の非水電解質二次電池を作製した。
正極活物質として、比表面積が0.8m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、負極活物質として、比表面積が0.2m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例1−1と同様にして、実施例3−3の非水電解質二次電池を作製した。
<実施例3−4>
正極活物質として、比表面積が0.8m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、負極活物質として、比表面積が5.0m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例1−1と同様にして、実施例3−4の非水電解質二次電池を作製した。
正極活物質として、比表面積が0.8m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、負極活物質として、比表面積が5.0m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例1−1と同様にして、実施例3−4の非水電解質二次電池を作製した。
<比較例3−1>
正極活物質として、比表面積が0.05m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、負極活物質として、比表面積が0.1m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例1−1と同様にして、比較例3−1の非水電解質二次電池を作製した。
正極活物質として、比表面積が0.05m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、負極活物質として、比表面積が0.1m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例1−1と同様にして、比較例3−1の非水電解質二次電池を作製した。
<比較例3−2>
正極活物質として、比表面積が1.0m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、負極活物質として、比表面積が7.0m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例1−1と同様にして、比較例3−2の非水電解質二次電池を作製した。
正極活物質として、比表面積が1.0m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、負極活物質として、比表面積が7.0m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例1−1と同様にして、比較例3−2の非水電解質二次電池を作製した。
<比較例3−3>
正極活物質として、比表面積が0.1m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、負極活物質として、比表面積が0.1m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例1−1と同様にして、比較例3−3の非水電解質二次電池を作製した。
正極活物質として、比表面積が0.1m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、負極活物質として、比表面積が0.1m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例1−1と同様にして、比較例3−3の非水電解質二次電池を作製した。
<比較例3−4>
正極活物質として、比表面積が0.9m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、負極活物質として、比表面積が5.0m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例1−1と同様にして、実施例3−4の非水電解質二次電池を作製した。
正極活物質として、比表面積が0.9m2/gであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、負極活物質として、比表面積が5.0m2/gである人造黒鉛を用いた以外は実施例1−1と同様にして、実施例3−4の非水電解質二次電池を作製した。
実施例3−1〜比較例3−4の非水電解質二次電池について、それぞれ実施例1で測定した方法と同様にして、(a)初期容量および(b)500サイクル後の容量維持率を求めた。その結果を以下の表3に示す。
実施例3−1、実施例3−2、実施例3−3および実施例3−4の結果から分かるように、比表面積が0.1m2/g以上0.8m2/g以下である正極活物質と、比表面積が0.2m2/g以上5.0m2/g以下の負極活物質を組み合わせた場合は、いずれの組み合わせにおいても、初期容量および500サイクル後の容量維持率の低下を抑制することができた。
一方、比較例3−1および比較例3−2に示すように、正極活物質の比表面積が0.1m2/g以上0.8m2/g以下の範囲から外れ、かつ負極活物質の比表面積が0.2m2/g以上5.0m2/g以下の範囲から外れた場合は、初期容量および500サイクル後の容量維持率が低下した。
また、実施例3−1および比較例3−3とを比較して分かるように、負極活物質の比表面積が0.2m2/g以上5.0m2/g以下の範囲から外れた場合、初期容量および500サイクル後の容量維持率が低下した。また、実施例3−4および比較例3−4とを比較してわかるように、正極活物質の比表面積が0.1m2/g以上0.8m2/g以下の範囲から外れた場合、500サイクル後の容量維持率が低下した。
以上の結果から、正極には比表面積が0.1m2/g以上0.8m2/g以下である正極活物質を用い、かつ負極には比表面積が0.2m2/g以上5.0m2/g以下である負極活物質を用いることにより、初期容量が大きく、優れたサイクル特性の非水電解質二次電池を得られることができることが分かった。
以上、この発明の一実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の一実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
また、非水電解質二次電池の形状は、上述の一実施形態における形状に限らず、例えば、コイン型、ボタン型、円筒型あるいは角型等の各種の形状の電池に対してもこの発明は適用可能である。
1・・・外装材
2・・・凹部
3・・・正極リード
4・・・負極リード
5・・・樹脂片
6・・・樹脂片
10・・・電池素子
12・・・正極
12A・・・正極集電体
12B・・・正極活物質層
13・・・負極
13A・・・負極集電体
13B・・・負極活物質層
14・・・セパレータ
15・・・ゲル電解質層
2・・・凹部
3・・・正極リード
4・・・負極リード
5・・・樹脂片
6・・・樹脂片
10・・・電池素子
12・・・正極
12A・・・正極集電体
12B・・・正極活物質層
13・・・負極
13A・・・負極集電体
13B・・・負極活物質層
14・・・セパレータ
15・・・ゲル電解質層
Claims (2)
- 正極活物質を少なくとも含有する正極と、負極活物質を少なくとも含有する負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、
上記正極活物質の比表面積が0.1m2/g以上0.8m2/g以下であり、
上記負極活物質の比表面積が0.2m2/g以上5.0m2/g以下である
ことを特徴とする非水電解質二次電池。 - 上記非水電解質はゲル状電解質であり、
上記ゲル状電解質は、ポリフッ化ビニリデンと、ヘキサフルオロプロピレンとの共重合体に、非水溶媒および電解質塩を含む溶液を含有する
ことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
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