JP2006224174A - レーザ加工装置及びパルスエネルギのしきい値設定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パルスレーザビームの平均パワーを変動させるような光学装置がビーム経路内に挿入されている場合でも、パルスエネルギのしきい値を精度良く決定できるレーザ加工装置を提供する。
【解決手段】レーザ光源11から出射されたパルスレーザビームを、分岐器14が、測定用経路に沿って伝搬するレーザビームと加工用経路に沿って伝搬するレーザビームとに分岐させる。保持台28が、加工用経路上に加工対象物16を保持する。パワー測定器20が、加工用経路に沿って伝搬するレーザビームの、ある期間の平均パワーを測定する。エネルギ測定器17が、測定用経路に沿って伝搬するレーザビームのパルスエネルギを測定する。しきい値記憶手段18aが、パルスエネルギのしきい値を記憶する。制御装置18が、エネルギ測定器で測定されたパルスエネルギの測定値と、しきい値記憶手段に記憶されているしきい値とを比較し、パルスエネルギの正常性を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ加工装置及びパルスエネルギのしきい値設定方法に関し、特にパルスレーザビームのパルスエネルギをモニタしながら加工対象物の加工を行うレーザ加工装置及びパルスエネルギのしきい値設定方法に関する。
図5に、下記の特許文献1に開示されたレーザ加工装置のブロック図を示す。レーザ発振器11から出射されたパルスレーザビームが、折り返しミラー12、13を経て、部分反射ミラー14に入射する。部分反射ミラー14は、入射するパルスレーザビームの約99%の成分を反射し、残りの約1%を透過させる。
部分反射ミラー14を透過したレーザビームがエネルギ測定器17に入射する。部分反射ミラー14で反射したレーザビームは、加工レンズ15により加工対象物16上に集光される。エネルギ測定器17は、パルスごとにパルスエネルギを検出し、検出結果を制御装置18に送信する。
制御装置18は、検出されたパルスエネルギと、メモリ18aに予め記憶されているしきい値とを比較する。検出されたパルスエネルギがしきい値よりも低い時には、検出信号をトリガパルス発生器19に出力する。トリガパルス発生器19は、この検出信号を受けると、レーザ発振器11にトリガパルスを出力し、追加のレーザパルスを発生させる。
特開平9−253878号公報
上記特許文献1には、パルスエネルギのしきい値の決定方法について説明がなされていない。通常、レーザ発振器11から部分反射ミラー14までのレーザビームの経路に、ビームエキスパンダやマスク等のビーム整形光学装置が挿入される。レーザ発振器11から出力されるレーザビームの平均パワーが一定であっても、ビーム整形光学装置を調整すると、部分反射ミラー14に到達するパルスレーザビームの平均パワーが変化する。このため、レーザ発振器11から出力されているパルスレーザビームの平均パワーの正常性を確認しても、その時にエネルギ測定器17で検出されるパルスエネルギが本来の正常な値であるか否か判断できない。
本発明の目的は、パルスレーザビームの平均パワーを変動させるような光学装置がビーム経路内に挿入されている場合であっても、パルスエネルギのしきい値を精度良く決定することができるレーザ加工装置を提供することである。本発明の他の目的は、このレーザ加工装置のパルスエネルギのしきい値を決定する方法を提供することである。
本発明の一観点によれば、パルスレーザビームを出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射されたレーザビームを、測定用経路に沿って伝搬するレーザビームと加工用経路に沿って伝搬するレーザビームとに分岐させる分岐器と、前記加工用経路に沿って伝搬するレーザビームが入射する位置に加工対象物を保持する保持台と、前記加工用経路に沿って伝搬するレーザビームの、ある期間の平均パワーを測定するパワー測定器と、前記測定用経路に沿って伝搬するレーザビームの1パルスあたりのエネルギを測定するエネルギ測定器と、パルスエネルギのしきい値を記憶するしきい値記憶手段と、前記エネルギ測定器で測定されたパルスエネルギの測定値と、前記しきい値記憶手段に記憶されているしきい値とを比較し、パルスエネルギの正常性を判定する制御装置とを有するレーザ加工装置が提供される。
本発明の他の観点によると、前記レーザ光源と前記分岐器との間のレーザビームの経路上に配置され、レーザビームに作用するとともに、レーザビームのパワーを低下させる特性を持つ光学装置を、上記レーザ加工装置に追加した装置のしきい値条件設定方法であって、前記光学装置がレーザビームに対して、加工対象物の加工時と同一の作用を施す状態に設定し、前記レーザ光源を、加工対象物の加工時と同一の条件で動作させた状態で、前記パワー測定器によりレーザパワーを測定すると共に、前記エネルギ測定器でパルスエネルギを測定する工程と、前記パワー測定器により測定されたレーザパワーが、加工条件の許容範囲に入っているとき、前記エネルギ測定器で測定されたパルスエネルギの測定値に基づいてしきい値を決定し、前記しきい値記憶手段にしきい値を記憶させる工程とを有するレーザ加工装置のしきい値条件設定方法が提供される。
加工経路上で平均パワーを測定するため、パワー測定器に至るレーザビームの経路内に配置される各種光学装置によるパワー変動の影響を排除し、加工対象物上における平均パワーに基づいて、パルスエネルギのしきい値を決定することができる。
図1に、実施例によるレーザ加工装置のブロック図を示す。レーザ光源11が、パルスレーザビームを出射する。レーザ光源11として、例えば炭酸ガスレーザ発振器等が用いられる。レーザ光源11から出射されたパルスレーザビームが、ビーム整形光学系25を経由して、部分反射ミラー(分岐器)14に入射する。ビーム整形光学系25は、ビームエキスパンダ25aとマスク25bとを含む。ビームエキスパンダ25aは、レーザビームのビーム径を変化させる。マスク25bに貫通孔が形成されている。ビームエキスパンダ25aでビーム径が変換されたレーザビームの中心部分が貫通孔を通過し、周辺部分はマスク25bにより遮蔽される。ビーム径を変化させると、マスク25bを通過するレーザビームの平均パワーが変化する。
部分反射ミラー14は、入射するレーザビームの大部分、例えば90数%を反射し、残りの数%を透過させる。部分反射ミラー14を透過したレーザビームは、測定用経路に沿って伝搬し、エネルギ測定器17に入射する。エネルギ測定器17は、レーザパルスごとに、1パルスあたりのエネルギ(パルスエネルギ)を測定する。パルスエネルギの測定値が、電気信号(具体的には電圧)の形態で、増幅率可変のアンプ23を経て制御装置18に入力される。
部分反射ミラー14で反射したレーザビームは、加工用経路に沿って伝搬し、加工対象物16に入射する。加工用経路内に、ガルバノスキャナ21及び加工レンズ15が配置されている。ガルバノスキャナ21は、レーザビームを2次元方向に走査する。加工レンズ15は、マスク26の貫通孔を、加工対象物16の表面に結像させる。加工対象物16は、XYステージ等で構成される保持台28に保持されている。保持台28は、加工対象物16を、その表面に平行な2次元面内で移動させることができる。
保持台28の上に、パワー測定器20が取り付けられている。パワー測定器20は、加工対象物16と共に移動する。保持台28を動作させてパワー測定器20を移動させることにより、加工用経路に沿って伝搬するレーザビームをパワー測定器20に入射させることができる。パワー測定器20は、入射するレーザビームのパワーを測定する。測定対象のレーザビームがパルスレーザビームである場合、ある期間、例えば1秒間の平均のパワーが測定される。測定された平均パワーは、アンプ23を経由して制御装置18に入力される。
エネルギ測定器17に温度センサ22が取り付けられている。温度センサ22は、エネルギ測定器17の温度を測定し、測定結果を制御装置18に送信する。
しきい値用メモリ18aにパルスエネルギのしきい値が記憶されている。制御装置18は、メモリ18aからしきい値を読出し、パルスエネルギの測定値としきい値とを比較する。
制御装置18が、トリガパルス発生器19に制御信号を送信する。トリガパルス発生器19は、受信した制御信号に基づいて、レーザ光源11に対してトリガパルスを送信する。レーザ光源11は、1つのトリガパルスを受信すると、1つのレーザパルスを出力する。
レーザ光源11から出射されるレーザビームのパワーや、ビーム整形光学系25の設定を変えると、エネルギ測定器22で測定されるパルスエネルギが変化する。測定されるパルスエネルギのダイナミックレンジは100倍を超える。エネルギ測定器22で測定されるパルスエネルギの想定される値に応じて、アンプ23の増幅率を調整しておくことにより、S/N比の低下を防止することができる。
エネルギ測定器22は、通常、温度依存性を持っている。このため、エネルギ測定器22の測定結果に対して温度補正を行うことが好ましい。以下、図2を参照して、温度補正の方法について説明する。
図2に、エネルギ測定器22から出力された信号の電圧、エネルギ測定器22の温度、及びパルスエネルギの関係を示す。エネルギ測定器22から出力された信号の電圧は、アンプ23で増幅された後の値である。例えば、出力電圧がV1(V)、温度の測定結果がT1(℃)である場合、パルスエネルギはE11(mJ)であると判断される。図2に示したように、複数の出力電圧、温度に対して、予めパルスエネルギを記憶しておくことにより、エネルギ測定器22の温度補正を行うことができる。なお、必要に応じて補間演算を行うことにより、任意の出力電圧及び温度において、温度補正を行うことができる。なお、出力電圧と温度から、パルスエネルギを求める計算式を記憶しておいても、温度補正を行うことができる。
次に、図3を参照して、しきい値の決定方法について説明する。必要に応じて図1を参照する。
図3に、しきい値決定方法のフローチャートを示す。まず、工程S1において、ビーム整形光学系25を、実際の加工時と同一の状態に設定する。具体的には、ビームエキスパンダ25aのビーム径変換倍率、ビームエキスパンダ25aとマスク25bとの相対位置関係等を、実際の加工時と同一にする。工程S2において、レーザ光源11から、実際の加工時と同一の条件で、パルスレーザビームを出射する。工程S3において、パワー測定器20を加工経路内に配置し、パルスレーザビームの平均パワーを測定するとともに、観測経路上のエネルギ測定器17で、レーザパルスごとにパルスエネルギを測定する。
工程S4において、測定された平均パワーが許容範囲内か否かを判定する。測定された平均パワーが許容範囲内であれば、工程S5において、パルスエネルギの測定値に基づいて、しきい値を決定する。しきい値は、例えば、パルスエネルギの多数の測定値の平均値よりも70%程度低い値にする。決定されたしきい値を、しきい値用メモリ18aに記憶させる。
工程S4で測定された平均パワーが許容範囲から外れている場合、工程S6において、各種光学装置の検査、及び再設定を行う。
実施例による方法では、工程S3において、加工対象物16が配置される加工経路上で平均パワーが測定され、工程S4で、その正常性が確認される。このため、レーザ光源11からの出力パワー、ビーム整形光学系25の光軸調整、ビームエキスパンダ25aのビーム径変換倍率等が正常な状態であることが保証され、正常な状態におけるパルスエネルギのしきい値を設定することができる。ビーム整形光学系25の他に、またはビーム整形光学系25の代わりに、レーザビームに作用し、そのパワーを低下させる特性を持つ光学装置が配置されている場合にも、同様の効果が得られる。なお、このような光学装置が配置される場合には、工程S1において、光学装置を、レーザビームに対して加工時と同一の作用を施す状態に設定しておく。
次に、図4を参照して、実施例によるレーザ加工装置を用いてレーザ加工を行う方法について説明する。必要に応じて図1を参照する。
ビーム整形光学系25を、実際の加工時と同一の状態に調整し、図3に示した方法でしきい値を設定する。図1に示した保持台28に加工対象物16を載置し、固定する。レーザ光源11からのパルスレーザビームの出射と、ガルバノスキャナ21の駆動とを行い、加工対象物16の所望の位置にパルスレーザビームを入射させる。
図4に、加工時におけるパルスエネルギの測定値の時間変化を示す。横軸は経過時間を表し、縦軸はパルスエネルギの測定値を表す。制御装置18が、レーザパルスごとに、パルスエネルギの測定値としきい値Jthとを比較する。しきい値Jth以下のレーザパルスPLが検出された場合、例えば加工対象物16の同じ位置に追加のレーザパルスを照射する。これにより、加工不良の発生を防止することができる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
実施例によるレーザ加工装置のブロック図である。 エネルギ測定器の出力電圧と温度からパルスエネルギを求める変換表を示す図表である。 実施例によるレーザ加工装置のしきい値を決定する方法を示すフローチャートである。 エネルギ測定器で測定されるパルスエネルギの時系列の一例を示すグラフである。 従来のレーザ加工装置のブロック図である。
符号の説明
11 レーザ光源
14 部分反射ミラー(分岐器)
15 加工レンズ
16 加工対象物
17 エネルギ測定器
18 制御装置
18a しきい値用メモリ
19 トリガパルス発生器
20 パワー測定器
21 ガルバノスキャナ
22 温度センサ
23 増幅率可変アンプ
25 ビーム整形光学系
28 保持台

Claims (4)

  1. パルスレーザビームを出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射されたレーザビームを、測定用経路に沿って伝搬するレーザビームと加工用経路に沿って伝搬するレーザビームとに分岐させる分岐器と、
    前記加工用経路に沿って伝搬するレーザビームが入射する位置に加工対象物を保持する保持台と、
    前記加工用経路に沿って伝搬するレーザビームの、ある期間の平均パワーを測定するパワー測定器と、
    前記測定用経路に沿って伝搬するレーザビームの1パルスあたりのエネルギを測定するエネルギ測定器と、
    パルスエネルギのしきい値を記憶するしきい値記憶手段と、
    前記エネルギ測定器で測定されたパルスエネルギの測定値と、前記しきい値記憶手段に記憶されているしきい値とを比較し、パルスエネルギの正常性を判定する制御装置と
    を有するレーザ加工装置。
  2. さらに、前記レーザ光源と前記分岐器との間のレーザビームの経路上に配置され、レーザビームのパワーを低下させる特性を持つ光学装置を有する請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. さらに、前記エネルギ測定器の温度を測定する温度センサを有し、
    前記制御装置は、前記温度センサで測定された温度に基づいて、前記エネルギ測定器で測定された測定値を補正する請求項1または2に記載のレーザ加工装置。
  4. パルスレーザビームを出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射されたレーザビームを、測定用経路に沿って伝搬するレーザビームと加工用経路に沿って伝搬するレーザビームとに分岐させる分岐器と、
    前記加工用経路に沿って伝搬するレーザビームが入射する位置に加工対象物を保持する保持台と、
    前記加工用経路に沿って伝搬するレーザビームの、ある期間の平均パワーを測定するパワー測定器と、
    前記測定用経路に沿って伝搬するレーザビームの1パルスあたりのエネルギを測定するエネルギ測定器と、
    パルスエネルギのしきい値を記憶するしきい値記憶手段と、
    前記エネルギ測定器で測定されたパルスエネルギの測定値と、前記しきい値記憶手段に記憶されているしきい値とを比較し、パルスエネルギの正常性を判定する制御装置と、
    前記レーザ光源と前記分岐器との間のレーザビームの経路上に配置され、レーザビームに作用するとともに、レーザビームのパワーを低下させる特性を持つ光学装置と
    を有するレーザ加工装置のしきい値条件設定方法であって、
    前記光学装置がレーザビームに対して、加工対象物の加工時と同一の作用を施す状態に設定し、前記レーザ光源を、加工対象物の加工時と同一の条件で動作させた状態で、前記パワー測定器によりレーザパワーを測定すると共に、前記エネルギ測定器でパルスエネルギを測定する工程と、
    前記パワー測定器により測定されたレーザパワーが、加工条件の許容範囲に入っているとき、前記エネルギ測定器で測定されたパルスエネルギの測定値に基づいてしきい値を決定し、前記しきい値記憶手段にしきい値を記憶させる工程と
    を有するレーザ加工装置のしきい値条件設定方法。
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