JP2004184331A - 車両用物体認識装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーダユニットを車両に装着する際に、装着角度の公差範囲に余裕をもたせながら、車両の前方の適切な角度範囲に渡って、送信波を出力すること。
【解決手段】車両に装着されたレーザレーダセンサ5と所定の位置関係に置かれたターゲット100にレーザ光を照射し、X軸、Y軸方向において受光強度の最も高いレーザ光を抽出する。そして、それらの受光強度が最も高いレーザ光を中心として、X軸、Y軸方向において、所定の角度を設定し、それを認識使用エリア93とする。
【選択図】 図5
【解決手段】車両に装着されたレーザレーダセンサ5と所定の位置関係に置かれたターゲット100にレーザ光を照射し、X軸、Y軸方向において受光強度の最も高いレーザ光を抽出する。そして、それらの受光強度が最も高いレーザ光を中心として、X軸、Y軸方向において、所定の角度を設定し、それを認識使用エリア93とする。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車幅方向及び高さ方向それぞれの所定角度範囲内に渡り送信波を照射し、その反射波に基づいて自車両の前方の物体を認識する車両用物体認識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特許文献1に示されるように、光波,ミリ波などの送信波を照射し、その反射波を検出することによって、前方の物体を認識する物体認識装置が考えられている。この種の装置は、例えば、前方車両を検出して警報を発生する装置や、先行車両と所定の車間距離を維持するように車速を制御する装置などに適用され、それらの制御対象としての前方車両の認識に利用されている。
【0003】
上述した物体認識装置は、車両の前方に車幅方向及び高さ方向それぞれの所定角度範囲内に渡り複数の送信波を照射し、その反射波に基づいて前方車両を3次元的に認識する。この際、通常の車両であれば存在し得ないような高さや範囲において反射物体が存在している場合には、それを車両ではないと認識するために、送信波を出力する領域に応じて、送信波の出力レベルを変化させて、非車両を前方車両として識別されにくくしたり、車両と非車両とを判別するための非車両判定マップを用いて、非車両を識別していた。ここで、非車両判定マップとは、車幅、車高、及び車両前方方向をそれぞれX軸、Y軸、及びZ軸とした場合の反射物体の存在領域に対応して、車両と非車両とを区別するための反射波の受光強度の範囲が設定された3次元マップである。
【0004】
【特許文献1】特開2002−40139
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上述したように送信波を出力する領域に応じて、送信波の出力レベルを変化させたり、非車両判定マップを用いて非車両を識別するためには、送信波を照射するとともに、その反射波を検出するレーダユニットが、車両に対して、非常に高精度に取り付けられている必要がある。換言すれば、レーダユニットの装着状態によって送信波の出力軸がずれている場合には、反射物体の存在領域が正確に判別できないため、車両と非車両との識別も正確に行なうことができない。
【0006】
このため、従来は、車両にレーダユニットを装着する際に、作業者が調整ボルト等を用いて装着角度等の調整を行なっていた。しかしながら、レーダユニットの装着角度の公差範囲を狭くするほど、その調整作業が困難になり、また時間もかかるため、製造コストの増加を招いていた。
【0007】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、レーダユニットを車両に装着する際に、装着角度の公差範囲に余裕をもたせながら、車両の前方の適切な角度範囲に渡って、送信波を出力することが可能な車両用物体認識装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の車両用物体認識装置は、所定のターゲットに対するレーダユニットの送受信結果に基づいて、車幅方向及び高さ方向の少なくとも一方において送信波を照射する角度範囲を、レーダユニットが照射可能な所定の角度範囲よりも狭い狭角度範囲に設定する設定手段を備え、反射物体を認識する際、レーダユニットは、設定手段によって設定された狭角度範囲において送信波を照射することを特徴とする。
【0009】
すなわち、所定のターゲットに対するレーダユニットの送受信結果に基づいて、前方車両等を反射物体として検出する角度範囲(狭角度範囲)を設定するので、レーダユニットの装着角度の公差範囲に余裕を持たせた場合でも、適切な送信波の照射範囲を設定することができる。これにより、レーダユニットの装着角度の調整作業等も簡略化でき、製造コストの低減にも寄与できる。
【0010】
請求項2に記載したように、所定のターゲットは、レーダユニットが装着された車両に対して、所定の距離及び高さに設置された固定物であることが好ましい。このように、ターゲットとして固定物を用いることにより、その固定物からの反射波を基準として、物体の認識に使用する送信波の照射角度範囲を所望の範囲に正確に設定することができる。
【0011】
請求項3に記載したように、レーダユニットは、車両の車幅方向及び高さ方向において、複数の送信波を照射するものであり、設定手段は、所定のターゲットによる反射波の受信レベルが最も高い角度における送信波が中心となるように、狭角度範囲を設定することが好ましい。すなわち、送信波を照射すべき範囲の中心位置に所定のターゲットを設けておき、このターゲットに対応する送信波が中心となるように送信波を照射する狭角度範囲を設定する。これにより、狭角度範囲の設定を容易に行なうことができるとともに、送信波の出力軸中心を狙いとする角度に合わせ込むことができる。
【0012】
請求項4に記載したように、高さ方向において隣接する送信波は、その境界領域において一部重複するように送信波の照射角度が設定されることが好ましい。例えば、送信波が光波である場合、その分解能は、原則として光のビーム径によって決定される。しかしながら、上述したように、高さ方向において隣接する送信波の境界領域に重複領域を設けることにより、各送信波単独で反射波が生じた場合と、隣接する両送信波において反射波が生じた場合とを区別することができる。これにより、高さ方向における分解能を向上することができる。
【0013】
請求項5に記載したように、設定手段が狭角度範囲を設定する際、レーダユニットは、当該レーダユニットの車両への装着許容誤差角度の範囲で、ターゲットに向けて送信波を照射する。ターゲットが、送信波の照射範囲の中央に設定されている場合、装着許容誤差角度の範囲で送信波を照射すれば、必ずターゲットによる反射波を受信できるからである。
【0014】
請求項6に記載したように、車両の高さ方向において、受信レベルが最も高い角度における送信波の上下両側において照射される送信波の受信レベルに基づいて、前記レーダユニットの中心出力軸角度を算出する算出手段を備えることが好ましい。ターゲットがある送信波に対向するように設置されている場合、その送信波のターゲットによる反射波の受信レベルが最も高くなる。しかし、その送信波の上下両側において照射される送信波によっても、受信レベルは低いがターゲットからの反射波が受信される。このとき、例えば、ターゲットが上側の送信波の照射領域よりも下側の送信波の照射領域に近ければ、下側の送信波による反射波の受信レベルが、上側の送信波による反射波の受信レベルよりも大きくなる。従って、上下両側の送信波による反射波の受信レベルの比や差等に基づいて、中央において照射される送信波の角度範囲における出力軸角度をより詳細に計算することができる。これにより、レーダユニットの出力軸角度を高精度に把握することが可能になる。
【0015】
請求項7に記載したように、中心出力軸角度が所定の基準角度範囲から外れている場合、レーダユニットの出力軸の下向き、もしくは上向き判定を行なう判定手段を備え、判定手段による下向き判定もしくは上向き判定に対応して、認識手段は、狭角度範囲における中心よりも下側もしくは上側の角度に照射される送信波による反射波に基づいて、反射物体を車両と認識する確率を低下させることが好ましい。すなわち、中心出力軸角度が所定の基準角度範囲から外れている場合には、レーダユニットは下向きあるいは上向きに車両に装着されていると判断できる。例えば、レーダユニットが下向きに装着されている場合、狭角度範囲における中心よりも下側の角度に照射される送信波は、路面に設置されたデリニエータ(キャッツアイ)等の反射物体によって反射される可能性が高くなる。従って、下向きあるいは上向き判定がなされている場合には、狭角度範囲における中心よりも下側もしくは上側の角度に照射される送信波による反射波に基づいて、反射物体を車両と認識する確率を低下させることにより、誤って非車両を車両と認識する可能性を低減することができる。
【0016】
請求項8に記載したように、算出された中心出力軸角度が所定の基準角度よりも下向きである場合、受信レベルが最も高い角度における送信波の下側において照射される送信波に対する反射波のみが検出される場合には、認識手段は、その反射物体を非車両と認識するようにしても良い。すなわち、レーダユニットが下向きに装着されている場合に、受信レベルが最も高い角度における送信波の下側において照射される送信波によってのみ反射波が生じている場合には、その反射物体の高さ位置は非常に低いため、車両からの反射ではないと判断できる。このように、請求項6に記載の算出手段によってレーダユニットの出力軸の角度を精密に把握することにより、請求項8に記載のように、車両と非車両との識別をより高精度に行なうことが可能になる。
【0017】
請求項9に記載のように、所定の条件を満たす前方車両のリフレクタから反射される反射波に基づいて、レーダユニットの高さ方向における送信波の中心出力軸角度を推測する推測手段と、推測手段によって推測された中心出力軸角度が算出手段によって算出された中心出力軸角度とずれていた場合、当該算出された中心出力軸角度を補正する補正手段とを備えることが好ましい。
【0018】
所定のターゲットを用いて送信波を照射すべき範囲を望ましい範囲に設定しても、車両の積載状態や搭乗人員等によってその照射範囲は変化する。また、車両が走行を繰り返すことにより、振動等の影響を受けてレーダユニットの装着状態が変化することもありえる。従って、所定のターゲットに基づいて算出した中心出力軸角度がずれているかどうかを判別して、ずれている場合には、補正を行なうことが好ましいのである。
【0019】
そのため、請求項9に記載の車両用物体認識装置では、車両に必ず装着されているリフレクタを用いて、レーダユニットの中心出力軸角度のずれを検出することとした。具体的には、乗用車であれば、リフレクタは地上から約75cmの位置に設置され、車種ごとの取り付け高さのばらつき範囲も小さい。従って、乗用車である所定の条件を満たす前方車両のリフレクタからの反射波に基づいて、レーダユニットの高さ方向における送信波の中心出力軸角度を推測することができる。この推測した中心出力軸角度が、算出されている中心出力軸角度とずれている場合には、その算出中心出力軸角度を補正する。
【0020】
請求項10に記載したように、推測手段は、所定の上下限距離によって規定される距離範囲に前方車両が存在するときに、中心出力軸角度を推測する対象とすることが好ましい。前方車両との距離が下限距離よりも短い場合には、車体からの反射波の受信レベルも大きくなり、リフレクタによる反射波を識別し難くなり、前方車両との距離が上限距離よりも長くなると、反射波の受信状態が不安定になり易いためである。
【0021】
請求項11に記載したように、推測手段は、前方車両の横幅が所定の範囲に属するときに中心出力軸角度を推測する対象とすることが好ましい。これにより、リフレクタの地上からの高さ位置がほぼ揃っている乗用車を対象として、中心出力軸角度を補正することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明による車両用物体認識装置が適用された車両制御装置1について、図面とともに説明する。この車両制御装置1は、自動車に搭載され、警報すべき領域に障害物が存在する場合に警報を出力したり、前車(先行車両)に合わせて車速を制御したりする装置である。
【0023】
図1は、車両制御装置1のシステムブロック図である。車両制御装置1は認識・車間制御ECU3を中心に構成されている。認識・車間制御ECU3はマイクロコンピュータを主な構成として、入出力インターフェース(I/O)および各種の駆動回路や検出回路を備えている。これらのハード構成は一般的なものであるので詳細な説明は省略する。
【0024】
認識・車間制御ECU3は、レーザレーダセンサ5、車速センサ7、ブレーキスイッチ9、スロットル開度センサ11から各々検出信号を入力しており、警報音発生器13、距離表示器15、センサ異常表示器17、ブレーキ駆動器19、スロットル駆動器21および自動変速機制御器23に駆動信号を出力する。また認識・車間制御ECU3には、警報音量を設定する警報音量設定器24、警報判定処理における感度を設定する警報感度設定器25、クルーズコントロールスイッチ26、図示しないステアリングホイールの操作量を検出するステアリングセンサ27、及び自動車に発生したヨーレートを検出するヨーレートセンサ28が接続されている。また認識・車間制御ECU3は、電源スイッチ29を備え、電源スイッチ29がオンされることにより、所定の処理を開始する。
【0025】
レーザレーダセンサ5は、図2に示すように、発光部、受光部及びレーザレーダCPU70などを主要部として構成されている。すなわち、レーザレーダセンサ5は、レーダユニットとしての発光部、受光部に加え、その発光・受光部における検出結果から、反射物体までの距離やその車幅方向及び車高方向における位置を演算するレーザレーダCPU70も備えている。
【0026】
発光部は、パルス状のレーザ光を、発光レンズ71、スキャナ72及びガラス板77を介して放射する半導体レーザダイオード(以下、単にレーザダイオードと記載)75を備えている。レーザダイオード75は、レーザダイオード駆動回路76を介してレーザレーダCPU70に接続され、レーザレーダCPU70からの駆動信号によりレーザ光を放射(発光)する。また、スキャナ72には反射体としてのポリゴンミラー73が回転可能に設けられ、レーザレーダCPU70からの駆動信号がモータ駆動部74を介して入力されると、このポリゴンミラー73は図示しないモータの駆動力により回転する。なお、このモータの回転位置は、モータ回転位置センサ78によって検出され、レーザレーダCPU70に出力される。
【0027】
ポリゴンミラー73は、面倒れ角が異なる6つのミラー(反射面)を備えているため、車幅方向及び車高方向それぞれの所定角度の範囲で不連続にレーザ光を掃引照射(スキャン)して出力することが可能である。
【0028】
レーザレーダセンサ5の受光部は、図示しない物体に反射されたレーザ光を受光レンズ81を介して受光し、その強度に対応する電圧を出力する受光素子(フォトダイオード)83とを備えている。そして、この受光素子83の出力電圧は、増幅器85にて増幅された後にコンパレータ87に出力される。コンパレータ87は増幅器85の出力電圧を基準電圧と比較し、出力電圧>基準電圧となったとき所定の受光信号を時間計測回路89へ出力する。
【0029】
時間計測回路89には、レーザレーダCPU70からレーザダイオード駆動回路76へ出力される駆動信号も入力される。そして、図2(b)に示すように、上記駆動信号をスタートパルスPA、上記受光信号をストップパルスPBとし、2つのパルスPA,PB間の位相差(すなわちレーザ光を出射した時刻T0と反射光を受信した時刻T1との差ΔT)を2進デジタル信号に符号化する。また、ストップパルスPBのパルス幅も時間として計測する。そして、それらの値を2進デジタル信号に符号化してレーザレーダCPU70へ出力する。
【0030】
ここで、レーザ光の照射可能エリア及び、実際に先行車両等の物体を認識する時に使用される認識使用エリアについて、図3〜図9を用いて説明する。なお、図3において、レーザ光のパターン92は照射可能エリア91内の右端と左端に放射された場合のみを示しており、途中は省略している。また、レーザ光パターン92は、図3では一例として楕円形のものを示しているが、この形に限られるものではなく長方形等でもよい。さらに、レーザ光を用いる他に、ミリ波等の電波や超音波等を用いるものであってもよい。また、スキャン方式にこだわる必要はなく、距離以外にX方向、Y方向における方位を測定できる方式であればよい。
【0031】
図3に示すように、レーザレーダセンサ5は、レーザ光の照射方向をZ軸としたとき、これに垂直なXY平面内の照射可能エリア91内を順次走査することが可能である。
【0032】
本実施形態においては、図4に示すように、車高方向(Y軸方向)に隣接するレーザ光が、その境界領域において一部重複するようにレーザ光の照射角度が設定されている。すなわち、Y軸方向において、各レーザ光は1.57degの広がり角を有している。その内、隣接するレーザ光が重複する角度範囲は、0.145degである。従って、各レーザ光の中心軸間の角度は1.425degとなる。なお、図4では、便宜的に3本のレーザ光のみ示している。
【0033】
このように、Y軸方向において隣接するレーザ光が一部重複するように照射角度を設定することにより、Y軸方向における分解能を向上することができる。つまり、図4の各レーザ光を上から下に向かってそれぞれ1面、2面、3面と定義した場合、1面のレーザ光のみを反射する場合、1面と2面のレーザ光を反射する場合、2面のレーザ光のみ反射する場合、2面と3面のレーザ光を反射する場合、及び3面のレーザ光のみ反射する場合の5つのパターンに識別できる。特に、2面のレーザ光においては、その両側に重複領域があるため、2面のレーザ光付近の分解能の向上度合いを高めることができる。
【0034】
本実施形態の照射可能エリア91は、高さ方向であるY軸を基準方向、車幅方向であるX軸を走査方向とし、X軸方向には0.08deg×501点=±20degであり、Y軸方向には1.57deg×6ライン−0.145deg×5(重複領域)=8.695degである。また、スキャン方向はX軸方向については図3において左から右へ、Y軸方向については図3において上から下へである。
【0035】
次に、図5〜図9に基づいて、認識使用エリア93について説明する。レーザレーダセンサ5は、車両の前面、例えば車両のバンパーの下部に装着される。このレーザレーダセンサ5から照射されるレーザ光は、自車両の前方に存在する物体、すなわち先行車両や走行車線を判断するためのデリニエータ(キャッツアイ)、ガードレール等に的確に向けられることが必要である。従って、レーザ光の照射エリアが上下左右にずれないように、レーザレーダセンサ5の装着角度を装着基準角度に合わせ込みながら車両に装着する必要がある。
【0036】
しかしながら、作業者が調整ボルト等のメカニカルな手段によってレーダレーダセンサ5の装着角度を調整することは、レーザレーダセンサ5の装着角度の装着基準角度に対する公差範囲が小さくなるほど困難な作業となり、またその作業時間も長くなってしまう。
【0037】
そのため、本実施形態においては、そのようなメカニカルな手段による調整ではなく、レーザレーダセンサ5におけるソフト的な処理によって、レーザレーダセンサ5から照射されるレーザ光の角度範囲を、所望の基準角度範囲に合わせ込むことを可能にした。
【0038】
そのために、まず図6に示すように、レーザレーダセンサ5を装着した車両を、所定の高さに設置されたレーザ光の反射率の高いターゲット100に対して、所定の距離だけ離れた位置に移動させる。
【0039】
この状態において、図7のフローチャートに示す処理を実行することにより、認識使用領域93を設定する。すなわち、図7のステップS10において、ターゲット100に向けてレーザ光を照射するとともに、その反射光を受光する。このときに照射するレーザ光の照射角度範囲は、図5に示すように、レーザレーダセンサ5の装着角度の公差範囲に対応する。なお、図5の例では、その公差範囲は、車幅方向及び車高方向にそれぞれ±2degであり、従来に比較して大幅に緩和されている。
【0040】
ここで、ターゲット100は、レーザレーダセンサ5の装着角度が装着基準角度に一致している場合、レーザ光の照射角度範囲の中心に位置するように設置される。従って、上記したレーザレーダセンサ5の装着角度の公差範囲に対応する照射角度範囲においてレーザ光を照射することにより、レーザレーダセンサ5はターゲット100からの反射光を必ず受光するができる。
【0041】
次にステップS20において、X軸及びY軸方向において、受光した反射波の中から最も受光強度の高い反射波に対応するレーザ光を中心レーザ光として特定する。この中心レーザ光の特定に関して、図8及び図9を用いて説明する。図8は、上述したレーザ光の照射角度範囲において、X軸方向にレーザ光を走査した場合における、各レーザ光に対するターゲット100による反射光の受光強度を示す。また、図9は、Y軸方向にレーザ光を走査した場合における、各レーザ光に対するターゲット100による反射光の受光強度を示す。図8及び図9から明らかなように、最も高い受光強度を示す反射光に対応するレーザ光をX軸中心レーザ光及びY軸中心レーザ光とするのである。
【0042】
なお、図8、図9の例は、図5に示されるように、ターゲット100の位置が、レーザレーダセンサ5の装着角度の公差範囲においてもっとも中心からずれた(X、Y軸方向にそれぞれ+2deg)場合を示している。従って、この場合には、それぞれレーザ光の照射角度範囲の端部において照射されるレーザ光がX軸及びY軸中心レーザ光となる。
【0043】
そして、ステップS30において、X軸及びY軸中心レーザ光を基準として認識使用領域93を設定する。すなわち、図5に示すように、そのX軸及びY軸中心レーザ光を中心として、X軸方向に±18deg(レーザ光451本に相当)の範囲を持った左右領域、Y軸方向に4.42deg(レーザ光3本に相当)の範囲を持った上下領域を定め、これを認識使用領域93とする。
【0044】
このようにしてターゲット100を用いて認識使用領域93を設定することにより、認識使用領域93の中心に位置する中心レーザ光を狙いとする基準角度に合わせ込むことができるので、結果として、その中心レーザ光を基準として設定される認識使用領域93も、所望の認識領域に合致したものとなる。
【0045】
ただし、上述したように、X軸方向におけるレーザ光の分解能は0.08degと非常に高いが、それに比較してY軸方向におけるレーザ光の広がり角は1.57degであり、Y軸方向の分解能は低い。そのため、Y軸方向における中心レーザ光の照射角度をより高精度に認識するために上下光軸学習角度の算出処理を行なう。この上下光軸学習角度の算出処理について図10のフローチャート、図11及び図12の説明図に基づいて説明する。
【0046】
まず、図11に基づいて、レーザレーダセンサ5の装着高さΔYと、Y軸中心レーザ光の目標とする基準角度ΔAの関係について説明する。レーザレーダセンサ5は車両のバンパー下部等に装着されるものであるが、その装着高さΔYは、車種ごとに変化する。このとき、装着高さΔYが小さい、すなわち地上から低い位置にレーザレーダセンサ5が装着される場合には、Y軸中心レーザ光の中心角度が上向きに設定されることが好ましい。一方、その装着高さΔYが大きい場合には、Y軸中心レーザ光の中心角度がほぼ水平に設定されることが好ましい。
【0047】
このように、レーザレーダセンサ5の装着高さΔYに応じて、Y軸中心レーザ光の中心角度の狙いとする基準角度は異なる。そのため、本実施形態では、この基準角度をΔAとし、車種ごとに設定する。例えば、装着高さΔYが小さい車種に対しては、基準角度ΔAを0.5degに設定し、装着高さΔYが大きい車種に対しては、基準角度ΔAを0degに設定する。そして、以下に説明する上下光軸学習角度Δθelvは、Y軸中心レーザ光の中心角度が基準角度ΔAに対してどの程度ずれているかを示すずれ角として算出されるものである。
【0048】
図10のステップS50において、認識使用領域93が設定された後に、その認識使用領域93のターゲット100が存在する中心付近において、Y軸中心レーザ光及びその両側のレーザ光を照射するとともに、その反射光を受光する。例えば図12に示す例では、Y軸中心レーザ光は面番号が5のレーザ光であり、その両側において照射されるレーザ光は、面番号が4及び6のレーザ光となる。
【0049】
そして、ステップS60において、Y軸中心レーザ光の両側のレーザ光による反射光の受光強度を計測する。この受光強度の計測においては、複数のレーザ光の受光強度を平均化した平均化受光強度を用いても良いし、1つのレーザ光の受光強度をそのまま用いても良い。
【0050】
ステップS70では、計測した受光強度に基づいて、Y軸中心レーザ光の中心角度の基準角度ΔAに対するずれ角度Δθelvを算出する。すなわち、図12に示す例においては、面番号4及び6のレーザ光による反射光の受光強度に基づいて、Y軸中心レーザ光である面番号5のレーザ光内において、その中心角度が基準角度ΔAに対して、どの程度ずれているかを示すずれ角Δθelvを算出する。具体的な算出方法としては、例えば、面番号4の受光強度:面番号6の受光強度=3:1である場合には、(広がり角1.57deg―重複範囲0.145×2)×3/(3+1)−0.64deg=0.32degとして、面番号4のレーザ光側に0.32degだけずれていると算出することができる。このとき、基準角度ΔAに対応する角度が面番号4のレーザ光側にずれている場合、レーザレーダセンサ5の光軸の向きは全体として下向きとなるため、マイナス(−)の符号を付けて表す。一方、面番号6のレーザ光側にずれている場合には、レーザレーダセンサ5の光軸の向きは上向きとなるため、プラス(+)の符号を付けて表す。
【0051】
なお、基準角度ΔAに対するずれ角Δθelvの算出方法については、例えば、面番号4及び6の受光強度の差を求め、その差に応じてを求めても良い。さらに、面番号5のY軸中心レーザ光の受光強度を基準として、面番号4及び6のレーザ光の受光強度に応じた角度をそれぞれ求め、それらの角度を減算することにより、ずれ角Δθelvを求めても良い。
【0052】
本来であれば、面番号5のレーザ光のY軸方向における広がり角度の中心角度が基準角度ΔAに一致するようにターゲット100を設置することが理想である。しかしY軸方向のレーザ光の広がり角が大きいため、その広がり角内でターゲット100の位置が変化しても、それを検知することができない。そこで、上述したように、Y軸中心レーザ光の両側において照射されるレーザ光の受光強度を用いることにより、より詳細なレーザ光の上下光軸中心を算出できるのである。このY軸中心レーザ光の広がり角の中心角度が、基準角度ΔAからずれている場合に、そのずれ角度Δθelvを上下光軸学習角度として記憶する。
【0053】
このようにして上下光軸学習角度Δθelvを求めることで、後述するように、先行車両等の物体の認識をより高精度に行なうことが可能になる。
【0054】
レーザレーダセンサ5が、上述した手順で、認識使用領域93を設定した後、実際に自車両の前方に存在する物体を認識する際には、レーザレーダCPU70が認識使用領域93内を2次元的にレーザ光をスキャンさせる。このような2次元的なスキャンにより、走査方向を示すスキャン角度θx,θyと測距された距離rとが得られる。なお、2つのスキャン角度θx,θyは、それぞれ出射されたレーザビームとYZ平面に投影した線とZ軸との角度を縦スキャン角θy、出射されたレーザビームをXZ平面に投影した線とZ軸との角度を横スキャン角θxと定義する。
【0055】
レーザレーダCPU70は、時間計測回路89から入力された2つのパルスPA,PB間の時間差ΔTから物体までの距離を算出し、その距離及び対応するスキャン角度θx,θyを基にして位置データを作成する。つまり、レーザレーダ中心を原点(0,0,0)とし、車幅方向をX軸、車高方向をY軸、車両前方方向をZ軸とするXYZ直交座標に変換する。そして、このXYZ直交座標に変換された(X,Y,Z)データ及び受光信号強度データ(ストップパルスPBのパルス幅が相当する)を測距データとして認識・車間制御ECU3へ出力する。
【0056】
認識・車間制御ECU3は、レーザレーダセンサ5からの測距データを基にして物体を認識し、その認識物体から得た先行車の状況に合わせて、ブレーキ駆動器19、スロットル駆動器21および自動変速機制御器23に駆動信号を出力することにより車速を制御する、いわゆる車間制御を実施する。また、認識物体が所定の警報領域に所定時間存在した場合等に警報する警報判定処理も同時に実施する。この場合の物体としては、自車の前方を走行する前車やまたは停止している前車等が該当する。
【0057】
続いて認識・車間制御ECU3の内部構成について制御ブロックとして説明する。レーザレーダセンサ5から出力された測距データは物体認識ブロック43に送られる。物体認識ブロック43では、測距データとして得た3次元位置データに基づいて、物体の中心位置(X,Y,Z)、及び幅、奥行き、高さ等の大きさ(W,D,H)を求める。さらに、中心位置(X,Y,Z)の時間的変化に基づいて、自車位置を基準とするその物体の相対速度(Vx,Vy,Vz)を求める。さらに物体認識ブロック43では、車速センサ7の検出値に基づいて車速演算ブロック47から出力される車速(自車速)と上記求められた相対速度(Vx,Vy,Vz)とから物体が停止物体であるか移動物体であるかの識別が行なわれる。この識別結果と物体の中心位置とに基づいて自車両の走行に影響する物体が選択され、その距離が距離表示器15により表示される。
【0058】
また、ステアリングセンサ27からの信号に基づいて操舵角演算ブロック49にて操舵角が求められ、ヨーレートセンサ28からの信号に基づいてヨーレート演算ブロック51にてヨーレートが演算される。そしてカーブ半径(曲率半径)算出ブロック57では、車速演算ブロック47からの車速と操舵角演算ブロック49からの操舵角とヨーレート演算ブロック51からのヨーレートとに基づいて、カーブ半径(曲率半径)Rを算出する。そして物体認識ブロック43では、このカーブ半径Rおよび中心位置座標(X,Z)などに基づいて車両形状確率や自車線確率を算出する。この車両形状確率や自車線確率については後述する。
【0059】
このようなデータを持つ物体のモデルを「物標モデル」と呼ぶこととする。この物体認識ブロック43にて求めたデータが異常な範囲の値がどうかがセンサ異常検出ブロック44にて検出され、異常な範囲の値である場合には、センサ異常表示器17にその旨の表示がなされる。
【0060】
一方、先行車判定ブロック53では、物体認識ブロック43から得た各種データに基づいて先行車を選択し、その先行車に対する距離Zおよび相対速度Vzを求める。そして、車間制御部及び警報判定部ブロック55が、この先行車との距離Z、相対速度Vz、クルーズコントロールスイッチ26の設定状態およびブレーキスイッチ9の踏み込み状態、スロットル開度センサ11からの開度および警報感度設定器25による感度設定値に基づいて、警報判定ならば警報するか否かを判定し、クルーズ判定ならば車速制御の内容を決定する。その結果を、警報が必要ならば、警報発生信号を警報音発生器13に出力する。また、クルーズ判定ならば、自動変速機制御器23、ブレーキ駆動器19およびスロットル駆動器21に制御信号を出力して、必要な制御を実施する。そして、これらの制御実行時には、距離表示器15に対して必要な表示信号を出力して、状況をドライバーに告知する。
【0061】
このような車間制御や警報判定に際しては、その前提となる物体認識、さらに詳しく言えば、ここでの認識対象物体である車両の認識が適切に行われていることが重要である。そこで、その車両認識を適切に行なうため、認識・車間制御ECU3の物体認識ブロック43において実行される物体認識に関する処理について説明する。
【0062】
図13(a)のフローチャートに物体認識に係るメイン処理を示す。図13(a)のステップS110では、レーザレーダセンサ5から1スキャン分の測距データの読み込みを行なう。レーザレーダセンサ5でのスキャン周期は例えば100msecであり、100msec毎にデータを取り込む。
【0063】
ステップS120では、データのセグメント化を行なう。上述したように、測距データとして得た3次元位置データをグルーピングしてセグメントを形成する。このセグメント化においては、所定の接続条件(一体化条件)に合致するデータ同士を集めて1つのプリセグメントデータを生成し、さらにそのプリセグメントデータ同士の内で所定の接続条件(一体化条件)に合致するものを集めて1つの本セグメントデータとするというものである。プリセグメントデータは、例えば点認識されたデータ同士のX軸方向の距離△Xが0.2m以下、Z軸方向の距離△Zが2m以下という2条件を共に満たす場合に、その点集合を一体化して求める。本実施形態では、Y軸方向に3つの走査ラインがあるが、プリセグメント化によって各ライン毎にプリセグメントデータが生成されている。そのため、本セグメント化では、3次元(X,Y,Z)空間で近接するプリセグメントデータ同士を一体化(本セグメント化)する。本セグメントデータは、X軸,Y軸及びZ軸にそれぞれ平行な3辺を持つ直方体の領域であり、その中心座標(X,Y,Z)と大きさを示すための3辺の長さ(W,H,D)をデータ内容とする。なお、特に断らない限り、本セグメント(データ)のことを単にセグメント(データ)と称することとする。
【0064】
ステップS130では、各セグメントデータをプリ物標とし、各プリ物標について、物標モデルとして物標化処理の対象となる確率である物標化優先確率を計算する。ここで、物標モデルとは、一まとまりのセグメントに対して作成される物体のモデルであり、プリ物標とは、物標化処理を行なう物標モデルの候補となるものである。本実施形態においては、プリ物標は最大で18個選択可能であり、物標モデルは、それらプリ物標の中から物標化優先確立の高い順に4個選択される。
【0065】
各プリ物標の物標化優先確率は、車両形状確率が所定確率(例えば50%)以上か否か、移動物か否か、自車両に対する横方向位置が所定距離(例えば左右それぞれに6m)以内であるか否か、所定時間以上継続して検出されているか否か等を判断要素として、該当する項目が多いほど確率が高くなるように算出される。
【0066】
ここで、車両形状確率について説明する。
【0067】
路側にデリニエータが狭い間隔で多数設置されているような場合やガードレールを検出しているような場合には、これらの停止物を移動物であると誤認識してしまう可能性がある。これは、同一位置に常に何かを検出することにより、その位置に自車と同速度で走行している車両が存在すると判断してしまうからである。そこで、このように移動物であると誤認識した物体が誤って先行車と判断されてしまわないように、車両形状確率を算出する。そして、先行車判定ブロック53においてこの車両形状確率が例えば50%未満の場合に路側物であると判定するようにすれば、繰り返し現れる停止物を誤って先行車両と判断することを防止できる。
【0068】
車両形状確率の取り得る範囲は0〜100%であり、瞬間的なノイズやバラツキによる影響を低減するために、数式1のように加重平均して求める。
【0069】
【数1】今回の車両形状確率←前回値×α+今回の瞬時値×(1−α)
なお、初期値は50%とし、αは例えば0.8といった値を採用する。また、車両形状確率の瞬時値は、相対加速度、縦横の長さD,W、検出時間などに基づいて算出する。なお、この車両形状確率の算出方法は、特開2002−40139の段落番号0045から0049に詳しく記載されているため、これ以上の説明は省略する。
【0070】
ステップS140では、物標化優先確率の高い4つのプリ物標を物標として選択し、それらに対して物標化処理を行なう。この物標化処理を図13(b)のフローチャートを参照して説明する。物標化処理においてはまず、物標モデルの対応セグメントを検索する(ステップS141)。これは、前回までに得た物標モデルが、今回検出したセグメントの内のいずれと一致するかを検索する処理であり、物標モデルに対応するセグメントとは次のように定義する。まず、物標モデルが前回処理時の位置から前回処理時における相対速度で移動したと仮定した場合、現在物標モデルが存在するであろう推定位置を算出する。続いて、その推定位置の周囲に、X軸,Y軸,Z軸方向それぞれに所定量の幅を有する推定移動範囲を設定する。そして、その推定移動範囲に少なくとも一部が含まれるセグメントを対応セグメントとする。
【0071】
ステップS142では、物標モデルのデータ更新処理を実行する。この処理は、対応するセグメントがあれば物標モデルの過去データを現在のデータに基づいて更新するもので、更新されるデータは、中心座標(X,Y,Z)、幅W、高さH、奥行きD、X軸方向,Y軸方向、Z軸方向の相対速度(Vx,Vy,Vz)、中心座標(X,Y,Z)の過去4回分のデータ、自車線確率などである。なお、対応するセグメントがない場合は、物標モデルのデータ更新は行なわず、新規物標モデルの登録を行なう。
【0072】
その後、ステップS143にて、自車線確率の算出を行なう。自車線確率とは、物標モデルが自車と同一レーンを走行している車両である確からしさを表すパラメータである。具体的には、まず物標モデルの位置を算出し、その算出した位置を自車線確率マップに重ねて、物標モデルの自車線確率瞬時値を求める。なお、自車線確率マップとは、自車の前方の所定の範囲(例えば左右それぞれ5m、前方100m)を複数の領域に分け、距離が近いほど、また、自車の進路上に近いほど、確率が高くなるように各領域に確率が付与されているマップである。
【0073】
自車線確率瞬時値を求めた後は、数式2のように加重平均して自車線確率を求める。
【0074】
【数2】自車線確率←自車線確率前回値×α+自車線確率瞬時値×(1−α)
ここで、αは一定値でも良いし、物標モデルとの距離や物標モデルが存在する領域に応じて変化するものであっても良い。なお、自車線確率の算出方法についても、特開2002−40139の段落番号0050から0056に詳しく記載されているため、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0075】
そして、車両形状確率や自車線確率も含めた物標モデルのデータが、図1に示す物体認識ブロック43から先行車判定ブロック53へ出力される。なお、先行車判定ブロック53では、例えば車両形状確率が所定のしきい値(例えば50%)以上、且つ自車線確率が所定のしきい値(例えば50%)以上の物標モデルの中で、距離Zが最小のものを先行車と判断する。この判断結果は車間制御部及び警報判定部ブロック55に出力されることとなる。
【0076】
次に、レーザレーダセンサ5の光軸中心の学習処理について説明する。
【0077】
ターゲット100を用いてレーザレーダセンサ5における認識使用エリア93の中心レーザ光の照射角度を基準角度ΔAに一致するように設定した場合であっても、実際のレーザ光の照射範囲は、種々の要因で変動する。例えば、車両の積載状態や搭乗人員等によって、特にY軸(上下)方向において、レーザレーダセンサ5のレーザ光照射範囲は、認識使用エリア93として設定した範囲からずれる場合がある。また、車両が走行を繰り返すことにより、走行振動等の影響を受けてレーザレーダセンサ5の車両装着状態が変化することもありえる。このように、特にY軸方向におけるレーザ光の照射角度が変動し易いため、上述したように所定のターゲット100に基づいて算出した上下光軸学習角度Δθelvがずれているかどうかを判別して、ずれている場合には、補正を行なうことが好ましいのである。
【0078】
本実施形態においては、乗用車に必ず装着されているリフレクタを用いて、レーザレーダセンサ5の光軸中心の学習を行なう。その理由は、乗用車のリフレクタは地上から約75cmの位置に設置され、車種ごとの取り付け高さのばらつき範囲も小さいためである。
【0079】
図14にレーザレーダセンサ5の光軸中心の学習処理のフローチャートを示す。まず、ステップS200において、複数のプリ物標に対する物標化優先確率を算出する。この物標化優先確立の算出方法は、既に図13(a)のフローチャートのステップS130にて説明した方法と基本的に同様である。
【0080】
ただし、本学習処理では、上述した上下光軸学習角度Δθelvを用いて、より詳細に車両と車両以外のプリ物標を識別し、車両以外のプリ物標に関しての物標化優先確率を、所定の低い確率(例えば20%)に制限する。以下、上下光軸学習角度Δθelvを用いた車両と車両以外のプリ物標の識別方法について説明する。なお、この識別方法は、図13(a)のフローチャートのステップS130において適用し、車両以外のプリ物標の物標化優先確率を所定の低い確率に制限しても良い。
【0081】
まず、上下光軸学習角度Δθelvと上向き判定角度(例えば+0.5deg)及び下向き判定角度(例えば−0.5deg)と比較することにより、光軸の上向きもしくは下向き判定を行なう。すなわち、上下光軸学習角度Δθelv≧+0.5degであれば上向き判定がなされ、上下光軸学習角度Δθelv≦−0.5degであれば下向き判定がなされる。
【0082】
そして、光軸上向き判定がなされている場合には、以下の条件(1)もしくは(2)が成立するプリ物標に関する物標化優先確率を所定の低い確率に制限する。なお、各条件の説明に際して、適宜図11に示す例を参照する。
【0083】
(1)Y軸中心レーザ光の下側のレーザ光のみによって反射光が受光され、かつプリ物標との距離Z(cm)>装着高さΔY(cm)×40+D(cm)が成立した場合
図11に示すように、本実施形態においては、Y軸方向のレーザ光の広がり角は1.57degであり、tan(1.57deg)≒1/37となる。また、中心レーザ光下側のレーザ光のみの広がり角度、すなわち重複領域を除くレーザ光の広がり角度は、1.57−0.145=1.425degであり、tan(1.425deg)≒1/40となる。
【0084】
ここで、Y軸中心レーザ光の下側のレーザ光(6面のレーザ光)は、原則として水平よりも下向きに照射される。しかし、光軸上向き判定がなされたときには、6面のレーザ光の上端がほぼ水平となる場合もある。そのような場合であっても、プリ物標との距離Zが上記の式を満足する場合には、6面のレーザ光の下端は少なくとも路面に達している。また、6面のレーザ光に対して反射光が生じ、Y軸中心レーザ光である5面のレーザ光によって反射光が生じていないのであるから、その反射光を生じているプリ物標は路面上もしくは路面に非常に近い位置にあると推測できる。このため、このプリ物標は、例えばデリニエータ等の車両以外の物体と推測できる。
【0085】
なお、上記した式におけるD(cm)は、測距誤差と道路の勾配等を考慮して設定した余裕値であり、例えば500(cm)に設定される。
【0086】
(2)Y軸中心レーザ光の上側のレーザ光、もしくはY軸中心レーザ光とその上側のレーザ光の両方に対して反射光が受光され、かつプリ物標との距離Z(cm)>(350(cm)−ΔY(cm))×37+D(cm)が成立した場合
光軸上向き判定がなされている場合には、上述したように、Y軸中心レーザ光の下端がほぼ水平に近くなる場合がある。従って、図11に示す例では、Y軸中心レーザ光である5面のレーザ光及びその上側に照射される4面のレーザ光の照射方向は、上方に広がるようになる。ここで、道路上方には標識や看板等の物体が多数設置されており、上方に広がる4面及び5面のレーザ光によって、それらの物体による反射光を受光しやすくなる。上記の(2)の条件は、そのような道路上方の物体からの反射光を受光する可能性がある場合に成立するものである。
【0087】
すなわち、例えばトラック等の車高の高い車両であっても、その車高の最大値は350(cm)程度である。そのため、4面及び5面のレーザ光による反射があり、その反射光を生じたプリ物標までの距離Zが、5面のレーザ光(Y軸中心レーザ光)の照射高さがその350(cm)を超える距離よりも長い場合、車両以外の物体からの反射光である可能性が高い。従って、そのような場合には、プリ物標の物標化優先確率を制限するのである。なお、4面のレーザ光のみによって反射光が生じている場合も同様である。
【0088】
次に、光軸下向き判定がなされている場合について説明する。光軸下向き判定がなされている場合は、以下の条件(3)もしくは(4)が成立すると、プリ物標に関する物標化優先確率を所定の低い確率に制限する。
【0089】
(3)Y軸中心レーザ光の下側のレーザ光、もしくはY軸中心レーザ光とその下側のレーザ光の両方によって反射光が受光され、かつプリ物標との距離Z(cm)>ΔY(cm)×37+D(cm)が成立した場合
光軸下向き判定がなされている場合には、光軸上向き判定の場合とは逆に、Y軸中心レーザ光の上端が水平に近づく場合がある。従って、図11に示す例では、Y軸中心レーザ光である5面のレーザ光及びその下側に照射される6面のレーザ光の照射方向は、下方に広がり、路面や路面上の低い位置にある物体からの反射光を受光しやすくなる。上記の(3)の条件は、そのような路面や路面上の低い位置にある物体からの反射光を受光する可能性がある場合に成立するものである。
【0090】
すなわち、上述したように、レーザ光の広がり角度が1.57degであるため、そのtan(1.57deg)の値にレーザレーダセンサ5の装着高さΔYを乗算することによって、Y軸中心レーザ光である5面のレーザ光がほぼ路面に達する距離が算出される。その距離に余裕値D(cm)を加えた距離よりも、プリ物標までの距離Zが長く、かつ5面及び6面のレーザ光の両方、もしくは6面のレーザ光のみに対して反射光を受光している場合には、路面上の非常に低い位置からの反射であると推測できる。従って、そのような場合には、プリ物標の物標化優先確率を制限する。
【0091】
(4)Y軸中心レーザ光の上側のレーザ光のみによって反射光が受光され、かつプリ物標との距離Z(cm)>(350(cm)―ΔY(cm))×40+D(cm)が成立した場合
光軸下向き判定がなされた場合、Y軸中心レーザ光の上側のレーザ光(4面のレーザ光)は、水平よりも上方ではあるが、相対的に水平方向に近い向きに照射される。このような場合であっても、プリ物標との距離Zが上記の式を満足する場合には、4面のレーザ光の上端は少なくとも最も高い車高以上の高さに達している。また、4面のレーザ光に対して反射光が生じ、Y軸中心レーザ光である5面のレーザ光によって反射光が生じていないのであるから、その反射光を生じているプリ物標は路面上の非常に高い位置にあると推測できる。このため、(4)の条件が成立した場合には、プリ物標が、標識や看板等の車両以外の物体である可能性があると推測できるのである。
【0092】
また、上述した(1)〜(4)の条件に加えて、次のような条件が成立した場合にも、プリ物標の物標化優先確率を制限しても良い。
【0093】
(5)図11に示されるように、水平方向と5面のレーザ光の下端とのなす角度Δθが、所定角度Θ以上であり、プリ物標との距離が所定の近距離l(例えば30m)以内であり、プリ物標の幅が車両の幅よりも短く(例えば0.5m以下)、6面のレーザ光のみによって反射光を受光している場合
上記所定角度Θの設定方法について説明する。まず、Y軸中心レーザ光である5面のレーザ光下端の、所定の近距離lにおける基準照射高さhを定める(例えば地上から30cm)。この基準照射高さhに基づき、数式3によって所定角度Θを演算する。
【0094】
【数3】Θ=tan−1(ΔY−h)/l
水平方向と5面のレーザ光の下端とのなす角度Δθが、このように設定した所定角度Θ以上である場合、上述したように基準照射高さhは、比較的低い位置に設定されるので、5面のレーザ光の照射範囲が少なくとも距離l以上においては地上高30cmの対象物をカバーすることになる。換言すれば、距離l以内において、6面のレーザ光のみに対して反射光が生じている場合、その反射物の高さは、せいぜい基準照射高さh程度の高さしか持たないことになる。
【0095】
従って、反射物が車両であり、所定の近距離以内に接近した場合には、上述した基準照射高さh程度の高さしか持たないことはなく、5面のビーム光によっても反射光を受光するはずである。
【0096】
従って、上記の条件が成立した場合には、その反射物(プリ物標)は、車両以外の例えばデリニエータ等と推測できるので、物標化優先確率を所定の低い確率に制限する。
【0097】
なお、上記の条件(5)においては、プリ物標の幅が所定の幅以下であることも、条件の成立要件の1つとしているが、これは確認的な意味であり、この成立要件は省略しても良い。
【0098】
このようにして、各プリ物標に対して物標化優先確率を算出した後は、図14のフローチャートのステップS210において、学習対象候補の第1抽出を行なう。この第1抽出では、移動物として認識しており、その認識が所定時間(例えば5秒)以上継続し、前述した車両形状確率が50%以上のプリ物標の中で、最も物標化優先確率の高いプリ物標を第1抽出による学習対象候補とする。従って、上述の(1)から(5)の条件に該当するプリ物標に関しては、その物標化優先確率が低く抑えられるので、車両として学習対象候補に選定される可能性は非常に低くなる。
【0099】
次に、ステップS220において、学習対象候補の第2抽出を行なう。この第2抽出では、第1抽出によって選定された学習対象候補と自車両との横方向相対速度Vxが所定の速度以下(例えば0.2m/s)であり、かつ前後方向相対速度Vzも所定の速度以下(例えば0.1m/s)である状態が、所定時間継続しているか否かを判定する。すなわち、学習対象候補が、自車両との相対的位置関係がほぼ安定しているかどうかを判定するのである。この場合、学習対象候補の測距誤差が小さくなるためである。横方向相対速度Vx及び前後方向相対速度Vzとも所定の速度以下(例えば0.1m/s)である状態が、所定時間継続していれば、第2抽出による学習対象候補とする。
【0100】
さらに、ステップS230にて学習対象候補の第3抽出を行なう。この第3抽出では、第2抽出された学習対象候補に対して、さらに、その幅が所定の範囲(例えば1.2m以上2.1m以下)に属し、かつ学習対象候補との距離Zが所定の範囲(例えば30m以上80m以下)に属するかを判定する。
【0101】
学習対象候補の幅を判定する理由は、本実施形態では、学習対象候補として、リフレクタの設置高さがほぼ統一されている乗用車を選定するためである。また、学習対象候補との距離Zを判定する理由は、接近しすぎると、リフレクタ以外のボディ反射による受光強度も高くなり、リフレクタを識別しにくくなるためであり、また距離が長くなりすぎると、受光状態が不安定となり、いずれにしても誤学習の可能性があるためである。
【0102】
幅及び距離Zとも所定の範囲に属すると判定された場合、第3抽出による学習対象候補とする。そして、このように第1抽出から第3抽出を経て選定された学習対象候補を用いて、ステップS240において、上下光軸ずれ角度瞬時値θuを算出する。この上下光軸ずれ角度瞬時値θuの算出式を数式4に示す。
【0103】
【数4】
なお、リフレクタの検出面番号とは、図15に示すように、学習対象候補となる乗用車に設けられたリフレクタからの反射光を生じさせるレーザ光の面番号である。本実施形態では、その検出面番号として、4(上面)、4.5(上面と中面の中間),5(中面),5.5(中面と下面の中間),6(下面)のいずれかの値となる。ちなみに、図15に示す例では、リフレクタの検出面番号は、5.5(中面と下面の中間)である。
【0104】
この数式4によって、Y軸中心レーザ光である面番号5のレーザ光の広がり角の中心角度が、狙いとする基準角度ΔAからどの程度ずれているのかを示す上下光軸ずれ角度瞬時値θuを算出することができる。
【0105】
そして、この数式4によって算出された上下光軸ずれ角度瞬時値θuが、例えば±1.424deg以内の範囲に属するか否かによって正常値か否かを判定する。このとき、異常値と判定されると、上下光軸ずれ角度瞬時値θuは未算出とする。
【0106】
一方、正常値と判定された場合には、数式5に示すように上下光軸ずれ角度瞬時値θuの算出回数Nuをインクリメントするとともに、数式6に示すように、上下光軸ずれ角度瞬時値θuの瞬時値の総和を求める。
【0107】
【数5】Nu=Nu+1
【0108】
【数6】
【0109】
さらに、上下光軸ずれ角度瞬時値θuの算出回数Nuが所定回数(例えば200回)に達した時点で、数式7に示すように上下光軸ずれ角度瞬時値θuの平均値θuaveを算出する。
【0110】
【数7】
【0111】
このθuaveの算出に伴って、算出回数Nu及び総和Σθuはそれぞれ0に初期化する。
【0112】
次に、ステップS250において、上下光軸ずれ角度瞬時値θuの平均値θuaveに基づいて、上下光軸学習角度Δθelvを補正する。具体的には、上下光軸学習角度Δθelvの急激な変化を防止するため、上下光軸学習角度Δθelvに0.05degを加算した値及び上下光軸学習角度Δθelvから0.05degを減算した値と、上下光軸ずれ角度瞬時値θuの平均値θuaveとを比較する。この比較において、平均値θuaveが上下光軸学習角度Δθelvに0.05degを加算した値よりも大きいと判断したときには、上下光軸学習角度Δθelvに0.05degを加算する。また、平均値θuaveが上下光軸学習角度Δθelvから0.05degを減算した値よりも小さいと判断したときには、上下光軸学習角度Δθelvから0.05degを減算する。このようにして、上下光軸学習角度Δθelvの変化量を所定角度(0.05deg)に制限しながら、上下光軸学習角度Δθelvを補正する。
【0113】
これにより、積載状態や搭乗人員等によって、特にY軸(上下)方向において、レーザレーダセンサ5のレーザ光の照射角度が、初期の設定角度(上下光軸学習角度Δθelv)からずれている場合でも、適切に補正することができる。
【0114】
なお、本発明はこのような実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得る。
【0115】
上記実施形態においては、X軸及びY軸方向とも、レーザレーダセンサ5の装着角度の公差範囲に余裕を持たせ、ターゲット100を用いて、X軸及びY軸において受光強度の最も高いレーザ光を中心として認識使用領域93を設定していた。しかしながら、例えば一方の軸(X軸もしくはY軸)に関しては、装着角度の公差範囲を狭くし、他方の軸方向においてのみ、ターゲット100を用いて認識使用領域93を設定するようにしても良い。この場合も、従来技術と比較した場合、レーザレーダセンサ5の装着角度の調整作業の負担を軽減することができる。
【0116】
上記実施形態では、レーザ光の2次元スキャンを行なうために面倒れ角が異なるポリゴンミラー73を用いたが、例えば車幅方向にスキャン可能なガルバノミラーを用い、そのミラー面の倒れ角を変更可能な機構を用いても同様に実現できる。但し、ポリゴンミラー73の場合には、回転駆動だけで2次元スキャンが実現できるという利点がある。
【0117】
上記実施形態では、レーザレーダセンサ5内部において、距離及び対応するスキャン角度θx,θyを極座標系からXYZ直交座標系に変換していたが、その処理を物体認識ブロック43において行っても良い。
【0118】
上記実施形態ではレーザ光を用いたレーザレーダセンサ5を採用したが、ミリ波等の電波や超音波等を用いるものであってもよい。また、スキャン方式にこだわる必要はなく、距離以外に方位を測定できる方式であればよい。そして、例えばミリ波でFMCWレーダ又はドップラーレーダなどを用いた場合には、反射波(受信波)から先行車までの距離情報と先行車の相対速度情報が一度に得られるため、レーザ光を用いた場合のように、距離情報に基づいて相対速度を算出するという過程は不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された車両制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】(a)はレーザレーダセンサの構成を示す構成図であり、(b)はレーザレーダセンサにおける距離検出方法を説明するための説明図である。
【図3】レーザレーダセンサの照射可能領域を示す斜視図である。
【図4】レーザレーダセンサから照射されるレーザ光の、Y軸方向における広がり角及び重複範囲を説明するための説明図である。
【図5】レーザレーダセンサの認識使用領域の設定方法を説明するための説明図である。
【図6】車両とターゲットとの位置関係を示す斜視図である。
【図7】認識使用領域を設定するための処理を示すフローチャートである。
【図8】レーザレーダセンサ5の装着角度の公差範囲に対応するレーザ光の照射角度範囲において、X軸方向にレーザ光を走査した場合における、各レーザ光に対するターゲットによる反射光の受光強度を示すグラフである。
【図9】レーザレーダセンサ5の装着角度の公差範囲に対応するレーザ光の照射角度範囲において、Y軸方向にレーザ光を走査した場合における、各レーザ光に対するターゲットによる反射光の受光強度を示すグラフである。
【図10】上下光軸学習角度の算出処理を示すフローチャートである。
【図11】レーザレーダセンサの装着高さΔYと、Y軸中心レーザ光の目標とする基準角度ΔAの関係について説明するための説明図である。
【図12】Y軸中心レーザ光の中心角度の基準角度ΔAに対するずれ角度Δθelvを算出する方法を説明するための説明図である。
【図13】(a)物体認識に係わる処理を示すフローチャートであり、(b)は(a)のフローチャートにおいて実行される物標化処理を示すフローチャートである。
【図14】レーザレーダセンサの光軸中心の学習処理を示すフローチャートである。
【図15】リフレクタの検出面番号について説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…車両制御装置、3…認識・車間制御ECU、5…レーザレーダセンサ、7…車速センサ、9…ブレーキスイッチ、11…スロットル開度センサ、13…警報音発生器、15…距離表示器、17…センサ異常表示器、19…ブレーキ駆動器、21…スロットル駆動器、23…自動変速機制御器、24…警報音量設定器、25…警報感度設定器、26…クルーズコントロールスイッチ、27…ステアリングセンサ、28…ヨーレートセンサ、29…電源スイッチ、30…ワイパスイッチ、43…物体認識ブロック、44…センサ異常検出ブロック、47…車速演算ブロック、49…操舵角演算ブロック、51…ヨーレート演算ブロック、53…先行車判定ブロック、55…車間制御部及び警報判定部ブロック、57…カーブ半径算出ブロック、70…レーザレーダCPU、71…発光レンズ、72…スキャナ、73…ミラー、74…モータ駆動回路、75…半導体レーザダイオード、76…レーザダイオード駆動回路、77…ガラス板、81…受光レンズ、83…受光素子、85…アンプ、87…コンパレータ、89…時間計測回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、車幅方向及び高さ方向それぞれの所定角度範囲内に渡り送信波を照射し、その反射波に基づいて自車両の前方の物体を認識する車両用物体認識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特許文献1に示されるように、光波,ミリ波などの送信波を照射し、その反射波を検出することによって、前方の物体を認識する物体認識装置が考えられている。この種の装置は、例えば、前方車両を検出して警報を発生する装置や、先行車両と所定の車間距離を維持するように車速を制御する装置などに適用され、それらの制御対象としての前方車両の認識に利用されている。
【0003】
上述した物体認識装置は、車両の前方に車幅方向及び高さ方向それぞれの所定角度範囲内に渡り複数の送信波を照射し、その反射波に基づいて前方車両を3次元的に認識する。この際、通常の車両であれば存在し得ないような高さや範囲において反射物体が存在している場合には、それを車両ではないと認識するために、送信波を出力する領域に応じて、送信波の出力レベルを変化させて、非車両を前方車両として識別されにくくしたり、車両と非車両とを判別するための非車両判定マップを用いて、非車両を識別していた。ここで、非車両判定マップとは、車幅、車高、及び車両前方方向をそれぞれX軸、Y軸、及びZ軸とした場合の反射物体の存在領域に対応して、車両と非車両とを区別するための反射波の受光強度の範囲が設定された3次元マップである。
【0004】
【特許文献1】特開2002−40139
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上述したように送信波を出力する領域に応じて、送信波の出力レベルを変化させたり、非車両判定マップを用いて非車両を識別するためには、送信波を照射するとともに、その反射波を検出するレーダユニットが、車両に対して、非常に高精度に取り付けられている必要がある。換言すれば、レーダユニットの装着状態によって送信波の出力軸がずれている場合には、反射物体の存在領域が正確に判別できないため、車両と非車両との識別も正確に行なうことができない。
【0006】
このため、従来は、車両にレーダユニットを装着する際に、作業者が調整ボルト等を用いて装着角度等の調整を行なっていた。しかしながら、レーダユニットの装着角度の公差範囲を狭くするほど、その調整作業が困難になり、また時間もかかるため、製造コストの増加を招いていた。
【0007】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、レーダユニットを車両に装着する際に、装着角度の公差範囲に余裕をもたせながら、車両の前方の適切な角度範囲に渡って、送信波を出力することが可能な車両用物体認識装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の車両用物体認識装置は、所定のターゲットに対するレーダユニットの送受信結果に基づいて、車幅方向及び高さ方向の少なくとも一方において送信波を照射する角度範囲を、レーダユニットが照射可能な所定の角度範囲よりも狭い狭角度範囲に設定する設定手段を備え、反射物体を認識する際、レーダユニットは、設定手段によって設定された狭角度範囲において送信波を照射することを特徴とする。
【0009】
すなわち、所定のターゲットに対するレーダユニットの送受信結果に基づいて、前方車両等を反射物体として検出する角度範囲(狭角度範囲)を設定するので、レーダユニットの装着角度の公差範囲に余裕を持たせた場合でも、適切な送信波の照射範囲を設定することができる。これにより、レーダユニットの装着角度の調整作業等も簡略化でき、製造コストの低減にも寄与できる。
【0010】
請求項2に記載したように、所定のターゲットは、レーダユニットが装着された車両に対して、所定の距離及び高さに設置された固定物であることが好ましい。このように、ターゲットとして固定物を用いることにより、その固定物からの反射波を基準として、物体の認識に使用する送信波の照射角度範囲を所望の範囲に正確に設定することができる。
【0011】
請求項3に記載したように、レーダユニットは、車両の車幅方向及び高さ方向において、複数の送信波を照射するものであり、設定手段は、所定のターゲットによる反射波の受信レベルが最も高い角度における送信波が中心となるように、狭角度範囲を設定することが好ましい。すなわち、送信波を照射すべき範囲の中心位置に所定のターゲットを設けておき、このターゲットに対応する送信波が中心となるように送信波を照射する狭角度範囲を設定する。これにより、狭角度範囲の設定を容易に行なうことができるとともに、送信波の出力軸中心を狙いとする角度に合わせ込むことができる。
【0012】
請求項4に記載したように、高さ方向において隣接する送信波は、その境界領域において一部重複するように送信波の照射角度が設定されることが好ましい。例えば、送信波が光波である場合、その分解能は、原則として光のビーム径によって決定される。しかしながら、上述したように、高さ方向において隣接する送信波の境界領域に重複領域を設けることにより、各送信波単独で反射波が生じた場合と、隣接する両送信波において反射波が生じた場合とを区別することができる。これにより、高さ方向における分解能を向上することができる。
【0013】
請求項5に記載したように、設定手段が狭角度範囲を設定する際、レーダユニットは、当該レーダユニットの車両への装着許容誤差角度の範囲で、ターゲットに向けて送信波を照射する。ターゲットが、送信波の照射範囲の中央に設定されている場合、装着許容誤差角度の範囲で送信波を照射すれば、必ずターゲットによる反射波を受信できるからである。
【0014】
請求項6に記載したように、車両の高さ方向において、受信レベルが最も高い角度における送信波の上下両側において照射される送信波の受信レベルに基づいて、前記レーダユニットの中心出力軸角度を算出する算出手段を備えることが好ましい。ターゲットがある送信波に対向するように設置されている場合、その送信波のターゲットによる反射波の受信レベルが最も高くなる。しかし、その送信波の上下両側において照射される送信波によっても、受信レベルは低いがターゲットからの反射波が受信される。このとき、例えば、ターゲットが上側の送信波の照射領域よりも下側の送信波の照射領域に近ければ、下側の送信波による反射波の受信レベルが、上側の送信波による反射波の受信レベルよりも大きくなる。従って、上下両側の送信波による反射波の受信レベルの比や差等に基づいて、中央において照射される送信波の角度範囲における出力軸角度をより詳細に計算することができる。これにより、レーダユニットの出力軸角度を高精度に把握することが可能になる。
【0015】
請求項7に記載したように、中心出力軸角度が所定の基準角度範囲から外れている場合、レーダユニットの出力軸の下向き、もしくは上向き判定を行なう判定手段を備え、判定手段による下向き判定もしくは上向き判定に対応して、認識手段は、狭角度範囲における中心よりも下側もしくは上側の角度に照射される送信波による反射波に基づいて、反射物体を車両と認識する確率を低下させることが好ましい。すなわち、中心出力軸角度が所定の基準角度範囲から外れている場合には、レーダユニットは下向きあるいは上向きに車両に装着されていると判断できる。例えば、レーダユニットが下向きに装着されている場合、狭角度範囲における中心よりも下側の角度に照射される送信波は、路面に設置されたデリニエータ(キャッツアイ)等の反射物体によって反射される可能性が高くなる。従って、下向きあるいは上向き判定がなされている場合には、狭角度範囲における中心よりも下側もしくは上側の角度に照射される送信波による反射波に基づいて、反射物体を車両と認識する確率を低下させることにより、誤って非車両を車両と認識する可能性を低減することができる。
【0016】
請求項8に記載したように、算出された中心出力軸角度が所定の基準角度よりも下向きである場合、受信レベルが最も高い角度における送信波の下側において照射される送信波に対する反射波のみが検出される場合には、認識手段は、その反射物体を非車両と認識するようにしても良い。すなわち、レーダユニットが下向きに装着されている場合に、受信レベルが最も高い角度における送信波の下側において照射される送信波によってのみ反射波が生じている場合には、その反射物体の高さ位置は非常に低いため、車両からの反射ではないと判断できる。このように、請求項6に記載の算出手段によってレーダユニットの出力軸の角度を精密に把握することにより、請求項8に記載のように、車両と非車両との識別をより高精度に行なうことが可能になる。
【0017】
請求項9に記載のように、所定の条件を満たす前方車両のリフレクタから反射される反射波に基づいて、レーダユニットの高さ方向における送信波の中心出力軸角度を推測する推測手段と、推測手段によって推測された中心出力軸角度が算出手段によって算出された中心出力軸角度とずれていた場合、当該算出された中心出力軸角度を補正する補正手段とを備えることが好ましい。
【0018】
所定のターゲットを用いて送信波を照射すべき範囲を望ましい範囲に設定しても、車両の積載状態や搭乗人員等によってその照射範囲は変化する。また、車両が走行を繰り返すことにより、振動等の影響を受けてレーダユニットの装着状態が変化することもありえる。従って、所定のターゲットに基づいて算出した中心出力軸角度がずれているかどうかを判別して、ずれている場合には、補正を行なうことが好ましいのである。
【0019】
そのため、請求項9に記載の車両用物体認識装置では、車両に必ず装着されているリフレクタを用いて、レーダユニットの中心出力軸角度のずれを検出することとした。具体的には、乗用車であれば、リフレクタは地上から約75cmの位置に設置され、車種ごとの取り付け高さのばらつき範囲も小さい。従って、乗用車である所定の条件を満たす前方車両のリフレクタからの反射波に基づいて、レーダユニットの高さ方向における送信波の中心出力軸角度を推測することができる。この推測した中心出力軸角度が、算出されている中心出力軸角度とずれている場合には、その算出中心出力軸角度を補正する。
【0020】
請求項10に記載したように、推測手段は、所定の上下限距離によって規定される距離範囲に前方車両が存在するときに、中心出力軸角度を推測する対象とすることが好ましい。前方車両との距離が下限距離よりも短い場合には、車体からの反射波の受信レベルも大きくなり、リフレクタによる反射波を識別し難くなり、前方車両との距離が上限距離よりも長くなると、反射波の受信状態が不安定になり易いためである。
【0021】
請求項11に記載したように、推測手段は、前方車両の横幅が所定の範囲に属するときに中心出力軸角度を推測する対象とすることが好ましい。これにより、リフレクタの地上からの高さ位置がほぼ揃っている乗用車を対象として、中心出力軸角度を補正することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明による車両用物体認識装置が適用された車両制御装置1について、図面とともに説明する。この車両制御装置1は、自動車に搭載され、警報すべき領域に障害物が存在する場合に警報を出力したり、前車(先行車両)に合わせて車速を制御したりする装置である。
【0023】
図1は、車両制御装置1のシステムブロック図である。車両制御装置1は認識・車間制御ECU3を中心に構成されている。認識・車間制御ECU3はマイクロコンピュータを主な構成として、入出力インターフェース(I/O)および各種の駆動回路や検出回路を備えている。これらのハード構成は一般的なものであるので詳細な説明は省略する。
【0024】
認識・車間制御ECU3は、レーザレーダセンサ5、車速センサ7、ブレーキスイッチ9、スロットル開度センサ11から各々検出信号を入力しており、警報音発生器13、距離表示器15、センサ異常表示器17、ブレーキ駆動器19、スロットル駆動器21および自動変速機制御器23に駆動信号を出力する。また認識・車間制御ECU3には、警報音量を設定する警報音量設定器24、警報判定処理における感度を設定する警報感度設定器25、クルーズコントロールスイッチ26、図示しないステアリングホイールの操作量を検出するステアリングセンサ27、及び自動車に発生したヨーレートを検出するヨーレートセンサ28が接続されている。また認識・車間制御ECU3は、電源スイッチ29を備え、電源スイッチ29がオンされることにより、所定の処理を開始する。
【0025】
レーザレーダセンサ5は、図2に示すように、発光部、受光部及びレーザレーダCPU70などを主要部として構成されている。すなわち、レーザレーダセンサ5は、レーダユニットとしての発光部、受光部に加え、その発光・受光部における検出結果から、反射物体までの距離やその車幅方向及び車高方向における位置を演算するレーザレーダCPU70も備えている。
【0026】
発光部は、パルス状のレーザ光を、発光レンズ71、スキャナ72及びガラス板77を介して放射する半導体レーザダイオード(以下、単にレーザダイオードと記載)75を備えている。レーザダイオード75は、レーザダイオード駆動回路76を介してレーザレーダCPU70に接続され、レーザレーダCPU70からの駆動信号によりレーザ光を放射(発光)する。また、スキャナ72には反射体としてのポリゴンミラー73が回転可能に設けられ、レーザレーダCPU70からの駆動信号がモータ駆動部74を介して入力されると、このポリゴンミラー73は図示しないモータの駆動力により回転する。なお、このモータの回転位置は、モータ回転位置センサ78によって検出され、レーザレーダCPU70に出力される。
【0027】
ポリゴンミラー73は、面倒れ角が異なる6つのミラー(反射面)を備えているため、車幅方向及び車高方向それぞれの所定角度の範囲で不連続にレーザ光を掃引照射(スキャン)して出力することが可能である。
【0028】
レーザレーダセンサ5の受光部は、図示しない物体に反射されたレーザ光を受光レンズ81を介して受光し、その強度に対応する電圧を出力する受光素子(フォトダイオード)83とを備えている。そして、この受光素子83の出力電圧は、増幅器85にて増幅された後にコンパレータ87に出力される。コンパレータ87は増幅器85の出力電圧を基準電圧と比較し、出力電圧>基準電圧となったとき所定の受光信号を時間計測回路89へ出力する。
【0029】
時間計測回路89には、レーザレーダCPU70からレーザダイオード駆動回路76へ出力される駆動信号も入力される。そして、図2(b)に示すように、上記駆動信号をスタートパルスPA、上記受光信号をストップパルスPBとし、2つのパルスPA,PB間の位相差(すなわちレーザ光を出射した時刻T0と反射光を受信した時刻T1との差ΔT)を2進デジタル信号に符号化する。また、ストップパルスPBのパルス幅も時間として計測する。そして、それらの値を2進デジタル信号に符号化してレーザレーダCPU70へ出力する。
【0030】
ここで、レーザ光の照射可能エリア及び、実際に先行車両等の物体を認識する時に使用される認識使用エリアについて、図3〜図9を用いて説明する。なお、図3において、レーザ光のパターン92は照射可能エリア91内の右端と左端に放射された場合のみを示しており、途中は省略している。また、レーザ光パターン92は、図3では一例として楕円形のものを示しているが、この形に限られるものではなく長方形等でもよい。さらに、レーザ光を用いる他に、ミリ波等の電波や超音波等を用いるものであってもよい。また、スキャン方式にこだわる必要はなく、距離以外にX方向、Y方向における方位を測定できる方式であればよい。
【0031】
図3に示すように、レーザレーダセンサ5は、レーザ光の照射方向をZ軸としたとき、これに垂直なXY平面内の照射可能エリア91内を順次走査することが可能である。
【0032】
本実施形態においては、図4に示すように、車高方向(Y軸方向)に隣接するレーザ光が、その境界領域において一部重複するようにレーザ光の照射角度が設定されている。すなわち、Y軸方向において、各レーザ光は1.57degの広がり角を有している。その内、隣接するレーザ光が重複する角度範囲は、0.145degである。従って、各レーザ光の中心軸間の角度は1.425degとなる。なお、図4では、便宜的に3本のレーザ光のみ示している。
【0033】
このように、Y軸方向において隣接するレーザ光が一部重複するように照射角度を設定することにより、Y軸方向における分解能を向上することができる。つまり、図4の各レーザ光を上から下に向かってそれぞれ1面、2面、3面と定義した場合、1面のレーザ光のみを反射する場合、1面と2面のレーザ光を反射する場合、2面のレーザ光のみ反射する場合、2面と3面のレーザ光を反射する場合、及び3面のレーザ光のみ反射する場合の5つのパターンに識別できる。特に、2面のレーザ光においては、その両側に重複領域があるため、2面のレーザ光付近の分解能の向上度合いを高めることができる。
【0034】
本実施形態の照射可能エリア91は、高さ方向であるY軸を基準方向、車幅方向であるX軸を走査方向とし、X軸方向には0.08deg×501点=±20degであり、Y軸方向には1.57deg×6ライン−0.145deg×5(重複領域)=8.695degである。また、スキャン方向はX軸方向については図3において左から右へ、Y軸方向については図3において上から下へである。
【0035】
次に、図5〜図9に基づいて、認識使用エリア93について説明する。レーザレーダセンサ5は、車両の前面、例えば車両のバンパーの下部に装着される。このレーザレーダセンサ5から照射されるレーザ光は、自車両の前方に存在する物体、すなわち先行車両や走行車線を判断するためのデリニエータ(キャッツアイ)、ガードレール等に的確に向けられることが必要である。従って、レーザ光の照射エリアが上下左右にずれないように、レーザレーダセンサ5の装着角度を装着基準角度に合わせ込みながら車両に装着する必要がある。
【0036】
しかしながら、作業者が調整ボルト等のメカニカルな手段によってレーダレーダセンサ5の装着角度を調整することは、レーザレーダセンサ5の装着角度の装着基準角度に対する公差範囲が小さくなるほど困難な作業となり、またその作業時間も長くなってしまう。
【0037】
そのため、本実施形態においては、そのようなメカニカルな手段による調整ではなく、レーザレーダセンサ5におけるソフト的な処理によって、レーザレーダセンサ5から照射されるレーザ光の角度範囲を、所望の基準角度範囲に合わせ込むことを可能にした。
【0038】
そのために、まず図6に示すように、レーザレーダセンサ5を装着した車両を、所定の高さに設置されたレーザ光の反射率の高いターゲット100に対して、所定の距離だけ離れた位置に移動させる。
【0039】
この状態において、図7のフローチャートに示す処理を実行することにより、認識使用領域93を設定する。すなわち、図7のステップS10において、ターゲット100に向けてレーザ光を照射するとともに、その反射光を受光する。このときに照射するレーザ光の照射角度範囲は、図5に示すように、レーザレーダセンサ5の装着角度の公差範囲に対応する。なお、図5の例では、その公差範囲は、車幅方向及び車高方向にそれぞれ±2degであり、従来に比較して大幅に緩和されている。
【0040】
ここで、ターゲット100は、レーザレーダセンサ5の装着角度が装着基準角度に一致している場合、レーザ光の照射角度範囲の中心に位置するように設置される。従って、上記したレーザレーダセンサ5の装着角度の公差範囲に対応する照射角度範囲においてレーザ光を照射することにより、レーザレーダセンサ5はターゲット100からの反射光を必ず受光するができる。
【0041】
次にステップS20において、X軸及びY軸方向において、受光した反射波の中から最も受光強度の高い反射波に対応するレーザ光を中心レーザ光として特定する。この中心レーザ光の特定に関して、図8及び図9を用いて説明する。図8は、上述したレーザ光の照射角度範囲において、X軸方向にレーザ光を走査した場合における、各レーザ光に対するターゲット100による反射光の受光強度を示す。また、図9は、Y軸方向にレーザ光を走査した場合における、各レーザ光に対するターゲット100による反射光の受光強度を示す。図8及び図9から明らかなように、最も高い受光強度を示す反射光に対応するレーザ光をX軸中心レーザ光及びY軸中心レーザ光とするのである。
【0042】
なお、図8、図9の例は、図5に示されるように、ターゲット100の位置が、レーザレーダセンサ5の装着角度の公差範囲においてもっとも中心からずれた(X、Y軸方向にそれぞれ+2deg)場合を示している。従って、この場合には、それぞれレーザ光の照射角度範囲の端部において照射されるレーザ光がX軸及びY軸中心レーザ光となる。
【0043】
そして、ステップS30において、X軸及びY軸中心レーザ光を基準として認識使用領域93を設定する。すなわち、図5に示すように、そのX軸及びY軸中心レーザ光を中心として、X軸方向に±18deg(レーザ光451本に相当)の範囲を持った左右領域、Y軸方向に4.42deg(レーザ光3本に相当)の範囲を持った上下領域を定め、これを認識使用領域93とする。
【0044】
このようにしてターゲット100を用いて認識使用領域93を設定することにより、認識使用領域93の中心に位置する中心レーザ光を狙いとする基準角度に合わせ込むことができるので、結果として、その中心レーザ光を基準として設定される認識使用領域93も、所望の認識領域に合致したものとなる。
【0045】
ただし、上述したように、X軸方向におけるレーザ光の分解能は0.08degと非常に高いが、それに比較してY軸方向におけるレーザ光の広がり角は1.57degであり、Y軸方向の分解能は低い。そのため、Y軸方向における中心レーザ光の照射角度をより高精度に認識するために上下光軸学習角度の算出処理を行なう。この上下光軸学習角度の算出処理について図10のフローチャート、図11及び図12の説明図に基づいて説明する。
【0046】
まず、図11に基づいて、レーザレーダセンサ5の装着高さΔYと、Y軸中心レーザ光の目標とする基準角度ΔAの関係について説明する。レーザレーダセンサ5は車両のバンパー下部等に装着されるものであるが、その装着高さΔYは、車種ごとに変化する。このとき、装着高さΔYが小さい、すなわち地上から低い位置にレーザレーダセンサ5が装着される場合には、Y軸中心レーザ光の中心角度が上向きに設定されることが好ましい。一方、その装着高さΔYが大きい場合には、Y軸中心レーザ光の中心角度がほぼ水平に設定されることが好ましい。
【0047】
このように、レーザレーダセンサ5の装着高さΔYに応じて、Y軸中心レーザ光の中心角度の狙いとする基準角度は異なる。そのため、本実施形態では、この基準角度をΔAとし、車種ごとに設定する。例えば、装着高さΔYが小さい車種に対しては、基準角度ΔAを0.5degに設定し、装着高さΔYが大きい車種に対しては、基準角度ΔAを0degに設定する。そして、以下に説明する上下光軸学習角度Δθelvは、Y軸中心レーザ光の中心角度が基準角度ΔAに対してどの程度ずれているかを示すずれ角として算出されるものである。
【0048】
図10のステップS50において、認識使用領域93が設定された後に、その認識使用領域93のターゲット100が存在する中心付近において、Y軸中心レーザ光及びその両側のレーザ光を照射するとともに、その反射光を受光する。例えば図12に示す例では、Y軸中心レーザ光は面番号が5のレーザ光であり、その両側において照射されるレーザ光は、面番号が4及び6のレーザ光となる。
【0049】
そして、ステップS60において、Y軸中心レーザ光の両側のレーザ光による反射光の受光強度を計測する。この受光強度の計測においては、複数のレーザ光の受光強度を平均化した平均化受光強度を用いても良いし、1つのレーザ光の受光強度をそのまま用いても良い。
【0050】
ステップS70では、計測した受光強度に基づいて、Y軸中心レーザ光の中心角度の基準角度ΔAに対するずれ角度Δθelvを算出する。すなわち、図12に示す例においては、面番号4及び6のレーザ光による反射光の受光強度に基づいて、Y軸中心レーザ光である面番号5のレーザ光内において、その中心角度が基準角度ΔAに対して、どの程度ずれているかを示すずれ角Δθelvを算出する。具体的な算出方法としては、例えば、面番号4の受光強度:面番号6の受光強度=3:1である場合には、(広がり角1.57deg―重複範囲0.145×2)×3/(3+1)−0.64deg=0.32degとして、面番号4のレーザ光側に0.32degだけずれていると算出することができる。このとき、基準角度ΔAに対応する角度が面番号4のレーザ光側にずれている場合、レーザレーダセンサ5の光軸の向きは全体として下向きとなるため、マイナス(−)の符号を付けて表す。一方、面番号6のレーザ光側にずれている場合には、レーザレーダセンサ5の光軸の向きは上向きとなるため、プラス(+)の符号を付けて表す。
【0051】
なお、基準角度ΔAに対するずれ角Δθelvの算出方法については、例えば、面番号4及び6の受光強度の差を求め、その差に応じてを求めても良い。さらに、面番号5のY軸中心レーザ光の受光強度を基準として、面番号4及び6のレーザ光の受光強度に応じた角度をそれぞれ求め、それらの角度を減算することにより、ずれ角Δθelvを求めても良い。
【0052】
本来であれば、面番号5のレーザ光のY軸方向における広がり角度の中心角度が基準角度ΔAに一致するようにターゲット100を設置することが理想である。しかしY軸方向のレーザ光の広がり角が大きいため、その広がり角内でターゲット100の位置が変化しても、それを検知することができない。そこで、上述したように、Y軸中心レーザ光の両側において照射されるレーザ光の受光強度を用いることにより、より詳細なレーザ光の上下光軸中心を算出できるのである。このY軸中心レーザ光の広がり角の中心角度が、基準角度ΔAからずれている場合に、そのずれ角度Δθelvを上下光軸学習角度として記憶する。
【0053】
このようにして上下光軸学習角度Δθelvを求めることで、後述するように、先行車両等の物体の認識をより高精度に行なうことが可能になる。
【0054】
レーザレーダセンサ5が、上述した手順で、認識使用領域93を設定した後、実際に自車両の前方に存在する物体を認識する際には、レーザレーダCPU70が認識使用領域93内を2次元的にレーザ光をスキャンさせる。このような2次元的なスキャンにより、走査方向を示すスキャン角度θx,θyと測距された距離rとが得られる。なお、2つのスキャン角度θx,θyは、それぞれ出射されたレーザビームとYZ平面に投影した線とZ軸との角度を縦スキャン角θy、出射されたレーザビームをXZ平面に投影した線とZ軸との角度を横スキャン角θxと定義する。
【0055】
レーザレーダCPU70は、時間計測回路89から入力された2つのパルスPA,PB間の時間差ΔTから物体までの距離を算出し、その距離及び対応するスキャン角度θx,θyを基にして位置データを作成する。つまり、レーザレーダ中心を原点(0,0,0)とし、車幅方向をX軸、車高方向をY軸、車両前方方向をZ軸とするXYZ直交座標に変換する。そして、このXYZ直交座標に変換された(X,Y,Z)データ及び受光信号強度データ(ストップパルスPBのパルス幅が相当する)を測距データとして認識・車間制御ECU3へ出力する。
【0056】
認識・車間制御ECU3は、レーザレーダセンサ5からの測距データを基にして物体を認識し、その認識物体から得た先行車の状況に合わせて、ブレーキ駆動器19、スロットル駆動器21および自動変速機制御器23に駆動信号を出力することにより車速を制御する、いわゆる車間制御を実施する。また、認識物体が所定の警報領域に所定時間存在した場合等に警報する警報判定処理も同時に実施する。この場合の物体としては、自車の前方を走行する前車やまたは停止している前車等が該当する。
【0057】
続いて認識・車間制御ECU3の内部構成について制御ブロックとして説明する。レーザレーダセンサ5から出力された測距データは物体認識ブロック43に送られる。物体認識ブロック43では、測距データとして得た3次元位置データに基づいて、物体の中心位置(X,Y,Z)、及び幅、奥行き、高さ等の大きさ(W,D,H)を求める。さらに、中心位置(X,Y,Z)の時間的変化に基づいて、自車位置を基準とするその物体の相対速度(Vx,Vy,Vz)を求める。さらに物体認識ブロック43では、車速センサ7の検出値に基づいて車速演算ブロック47から出力される車速(自車速)と上記求められた相対速度(Vx,Vy,Vz)とから物体が停止物体であるか移動物体であるかの識別が行なわれる。この識別結果と物体の中心位置とに基づいて自車両の走行に影響する物体が選択され、その距離が距離表示器15により表示される。
【0058】
また、ステアリングセンサ27からの信号に基づいて操舵角演算ブロック49にて操舵角が求められ、ヨーレートセンサ28からの信号に基づいてヨーレート演算ブロック51にてヨーレートが演算される。そしてカーブ半径(曲率半径)算出ブロック57では、車速演算ブロック47からの車速と操舵角演算ブロック49からの操舵角とヨーレート演算ブロック51からのヨーレートとに基づいて、カーブ半径(曲率半径)Rを算出する。そして物体認識ブロック43では、このカーブ半径Rおよび中心位置座標(X,Z)などに基づいて車両形状確率や自車線確率を算出する。この車両形状確率や自車線確率については後述する。
【0059】
このようなデータを持つ物体のモデルを「物標モデル」と呼ぶこととする。この物体認識ブロック43にて求めたデータが異常な範囲の値がどうかがセンサ異常検出ブロック44にて検出され、異常な範囲の値である場合には、センサ異常表示器17にその旨の表示がなされる。
【0060】
一方、先行車判定ブロック53では、物体認識ブロック43から得た各種データに基づいて先行車を選択し、その先行車に対する距離Zおよび相対速度Vzを求める。そして、車間制御部及び警報判定部ブロック55が、この先行車との距離Z、相対速度Vz、クルーズコントロールスイッチ26の設定状態およびブレーキスイッチ9の踏み込み状態、スロットル開度センサ11からの開度および警報感度設定器25による感度設定値に基づいて、警報判定ならば警報するか否かを判定し、クルーズ判定ならば車速制御の内容を決定する。その結果を、警報が必要ならば、警報発生信号を警報音発生器13に出力する。また、クルーズ判定ならば、自動変速機制御器23、ブレーキ駆動器19およびスロットル駆動器21に制御信号を出力して、必要な制御を実施する。そして、これらの制御実行時には、距離表示器15に対して必要な表示信号を出力して、状況をドライバーに告知する。
【0061】
このような車間制御や警報判定に際しては、その前提となる物体認識、さらに詳しく言えば、ここでの認識対象物体である車両の認識が適切に行われていることが重要である。そこで、その車両認識を適切に行なうため、認識・車間制御ECU3の物体認識ブロック43において実行される物体認識に関する処理について説明する。
【0062】
図13(a)のフローチャートに物体認識に係るメイン処理を示す。図13(a)のステップS110では、レーザレーダセンサ5から1スキャン分の測距データの読み込みを行なう。レーザレーダセンサ5でのスキャン周期は例えば100msecであり、100msec毎にデータを取り込む。
【0063】
ステップS120では、データのセグメント化を行なう。上述したように、測距データとして得た3次元位置データをグルーピングしてセグメントを形成する。このセグメント化においては、所定の接続条件(一体化条件)に合致するデータ同士を集めて1つのプリセグメントデータを生成し、さらにそのプリセグメントデータ同士の内で所定の接続条件(一体化条件)に合致するものを集めて1つの本セグメントデータとするというものである。プリセグメントデータは、例えば点認識されたデータ同士のX軸方向の距離△Xが0.2m以下、Z軸方向の距離△Zが2m以下という2条件を共に満たす場合に、その点集合を一体化して求める。本実施形態では、Y軸方向に3つの走査ラインがあるが、プリセグメント化によって各ライン毎にプリセグメントデータが生成されている。そのため、本セグメント化では、3次元(X,Y,Z)空間で近接するプリセグメントデータ同士を一体化(本セグメント化)する。本セグメントデータは、X軸,Y軸及びZ軸にそれぞれ平行な3辺を持つ直方体の領域であり、その中心座標(X,Y,Z)と大きさを示すための3辺の長さ(W,H,D)をデータ内容とする。なお、特に断らない限り、本セグメント(データ)のことを単にセグメント(データ)と称することとする。
【0064】
ステップS130では、各セグメントデータをプリ物標とし、各プリ物標について、物標モデルとして物標化処理の対象となる確率である物標化優先確率を計算する。ここで、物標モデルとは、一まとまりのセグメントに対して作成される物体のモデルであり、プリ物標とは、物標化処理を行なう物標モデルの候補となるものである。本実施形態においては、プリ物標は最大で18個選択可能であり、物標モデルは、それらプリ物標の中から物標化優先確立の高い順に4個選択される。
【0065】
各プリ物標の物標化優先確率は、車両形状確率が所定確率(例えば50%)以上か否か、移動物か否か、自車両に対する横方向位置が所定距離(例えば左右それぞれに6m)以内であるか否か、所定時間以上継続して検出されているか否か等を判断要素として、該当する項目が多いほど確率が高くなるように算出される。
【0066】
ここで、車両形状確率について説明する。
【0067】
路側にデリニエータが狭い間隔で多数設置されているような場合やガードレールを検出しているような場合には、これらの停止物を移動物であると誤認識してしまう可能性がある。これは、同一位置に常に何かを検出することにより、その位置に自車と同速度で走行している車両が存在すると判断してしまうからである。そこで、このように移動物であると誤認識した物体が誤って先行車と判断されてしまわないように、車両形状確率を算出する。そして、先行車判定ブロック53においてこの車両形状確率が例えば50%未満の場合に路側物であると判定するようにすれば、繰り返し現れる停止物を誤って先行車両と判断することを防止できる。
【0068】
車両形状確率の取り得る範囲は0〜100%であり、瞬間的なノイズやバラツキによる影響を低減するために、数式1のように加重平均して求める。
【0069】
【数1】今回の車両形状確率←前回値×α+今回の瞬時値×(1−α)
なお、初期値は50%とし、αは例えば0.8といった値を採用する。また、車両形状確率の瞬時値は、相対加速度、縦横の長さD,W、検出時間などに基づいて算出する。なお、この車両形状確率の算出方法は、特開2002−40139の段落番号0045から0049に詳しく記載されているため、これ以上の説明は省略する。
【0070】
ステップS140では、物標化優先確率の高い4つのプリ物標を物標として選択し、それらに対して物標化処理を行なう。この物標化処理を図13(b)のフローチャートを参照して説明する。物標化処理においてはまず、物標モデルの対応セグメントを検索する(ステップS141)。これは、前回までに得た物標モデルが、今回検出したセグメントの内のいずれと一致するかを検索する処理であり、物標モデルに対応するセグメントとは次のように定義する。まず、物標モデルが前回処理時の位置から前回処理時における相対速度で移動したと仮定した場合、現在物標モデルが存在するであろう推定位置を算出する。続いて、その推定位置の周囲に、X軸,Y軸,Z軸方向それぞれに所定量の幅を有する推定移動範囲を設定する。そして、その推定移動範囲に少なくとも一部が含まれるセグメントを対応セグメントとする。
【0071】
ステップS142では、物標モデルのデータ更新処理を実行する。この処理は、対応するセグメントがあれば物標モデルの過去データを現在のデータに基づいて更新するもので、更新されるデータは、中心座標(X,Y,Z)、幅W、高さH、奥行きD、X軸方向,Y軸方向、Z軸方向の相対速度(Vx,Vy,Vz)、中心座標(X,Y,Z)の過去4回分のデータ、自車線確率などである。なお、対応するセグメントがない場合は、物標モデルのデータ更新は行なわず、新規物標モデルの登録を行なう。
【0072】
その後、ステップS143にて、自車線確率の算出を行なう。自車線確率とは、物標モデルが自車と同一レーンを走行している車両である確からしさを表すパラメータである。具体的には、まず物標モデルの位置を算出し、その算出した位置を自車線確率マップに重ねて、物標モデルの自車線確率瞬時値を求める。なお、自車線確率マップとは、自車の前方の所定の範囲(例えば左右それぞれ5m、前方100m)を複数の領域に分け、距離が近いほど、また、自車の進路上に近いほど、確率が高くなるように各領域に確率が付与されているマップである。
【0073】
自車線確率瞬時値を求めた後は、数式2のように加重平均して自車線確率を求める。
【0074】
【数2】自車線確率←自車線確率前回値×α+自車線確率瞬時値×(1−α)
ここで、αは一定値でも良いし、物標モデルとの距離や物標モデルが存在する領域に応じて変化するものであっても良い。なお、自車線確率の算出方法についても、特開2002−40139の段落番号0050から0056に詳しく記載されているため、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0075】
そして、車両形状確率や自車線確率も含めた物標モデルのデータが、図1に示す物体認識ブロック43から先行車判定ブロック53へ出力される。なお、先行車判定ブロック53では、例えば車両形状確率が所定のしきい値(例えば50%)以上、且つ自車線確率が所定のしきい値(例えば50%)以上の物標モデルの中で、距離Zが最小のものを先行車と判断する。この判断結果は車間制御部及び警報判定部ブロック55に出力されることとなる。
【0076】
次に、レーザレーダセンサ5の光軸中心の学習処理について説明する。
【0077】
ターゲット100を用いてレーザレーダセンサ5における認識使用エリア93の中心レーザ光の照射角度を基準角度ΔAに一致するように設定した場合であっても、実際のレーザ光の照射範囲は、種々の要因で変動する。例えば、車両の積載状態や搭乗人員等によって、特にY軸(上下)方向において、レーザレーダセンサ5のレーザ光照射範囲は、認識使用エリア93として設定した範囲からずれる場合がある。また、車両が走行を繰り返すことにより、走行振動等の影響を受けてレーザレーダセンサ5の車両装着状態が変化することもありえる。このように、特にY軸方向におけるレーザ光の照射角度が変動し易いため、上述したように所定のターゲット100に基づいて算出した上下光軸学習角度Δθelvがずれているかどうかを判別して、ずれている場合には、補正を行なうことが好ましいのである。
【0078】
本実施形態においては、乗用車に必ず装着されているリフレクタを用いて、レーザレーダセンサ5の光軸中心の学習を行なう。その理由は、乗用車のリフレクタは地上から約75cmの位置に設置され、車種ごとの取り付け高さのばらつき範囲も小さいためである。
【0079】
図14にレーザレーダセンサ5の光軸中心の学習処理のフローチャートを示す。まず、ステップS200において、複数のプリ物標に対する物標化優先確率を算出する。この物標化優先確立の算出方法は、既に図13(a)のフローチャートのステップS130にて説明した方法と基本的に同様である。
【0080】
ただし、本学習処理では、上述した上下光軸学習角度Δθelvを用いて、より詳細に車両と車両以外のプリ物標を識別し、車両以外のプリ物標に関しての物標化優先確率を、所定の低い確率(例えば20%)に制限する。以下、上下光軸学習角度Δθelvを用いた車両と車両以外のプリ物標の識別方法について説明する。なお、この識別方法は、図13(a)のフローチャートのステップS130において適用し、車両以外のプリ物標の物標化優先確率を所定の低い確率に制限しても良い。
【0081】
まず、上下光軸学習角度Δθelvと上向き判定角度(例えば+0.5deg)及び下向き判定角度(例えば−0.5deg)と比較することにより、光軸の上向きもしくは下向き判定を行なう。すなわち、上下光軸学習角度Δθelv≧+0.5degであれば上向き判定がなされ、上下光軸学習角度Δθelv≦−0.5degであれば下向き判定がなされる。
【0082】
そして、光軸上向き判定がなされている場合には、以下の条件(1)もしくは(2)が成立するプリ物標に関する物標化優先確率を所定の低い確率に制限する。なお、各条件の説明に際して、適宜図11に示す例を参照する。
【0083】
(1)Y軸中心レーザ光の下側のレーザ光のみによって反射光が受光され、かつプリ物標との距離Z(cm)>装着高さΔY(cm)×40+D(cm)が成立した場合
図11に示すように、本実施形態においては、Y軸方向のレーザ光の広がり角は1.57degであり、tan(1.57deg)≒1/37となる。また、中心レーザ光下側のレーザ光のみの広がり角度、すなわち重複領域を除くレーザ光の広がり角度は、1.57−0.145=1.425degであり、tan(1.425deg)≒1/40となる。
【0084】
ここで、Y軸中心レーザ光の下側のレーザ光(6面のレーザ光)は、原則として水平よりも下向きに照射される。しかし、光軸上向き判定がなされたときには、6面のレーザ光の上端がほぼ水平となる場合もある。そのような場合であっても、プリ物標との距離Zが上記の式を満足する場合には、6面のレーザ光の下端は少なくとも路面に達している。また、6面のレーザ光に対して反射光が生じ、Y軸中心レーザ光である5面のレーザ光によって反射光が生じていないのであるから、その反射光を生じているプリ物標は路面上もしくは路面に非常に近い位置にあると推測できる。このため、このプリ物標は、例えばデリニエータ等の車両以外の物体と推測できる。
【0085】
なお、上記した式におけるD(cm)は、測距誤差と道路の勾配等を考慮して設定した余裕値であり、例えば500(cm)に設定される。
【0086】
(2)Y軸中心レーザ光の上側のレーザ光、もしくはY軸中心レーザ光とその上側のレーザ光の両方に対して反射光が受光され、かつプリ物標との距離Z(cm)>(350(cm)−ΔY(cm))×37+D(cm)が成立した場合
光軸上向き判定がなされている場合には、上述したように、Y軸中心レーザ光の下端がほぼ水平に近くなる場合がある。従って、図11に示す例では、Y軸中心レーザ光である5面のレーザ光及びその上側に照射される4面のレーザ光の照射方向は、上方に広がるようになる。ここで、道路上方には標識や看板等の物体が多数設置されており、上方に広がる4面及び5面のレーザ光によって、それらの物体による反射光を受光しやすくなる。上記の(2)の条件は、そのような道路上方の物体からの反射光を受光する可能性がある場合に成立するものである。
【0087】
すなわち、例えばトラック等の車高の高い車両であっても、その車高の最大値は350(cm)程度である。そのため、4面及び5面のレーザ光による反射があり、その反射光を生じたプリ物標までの距離Zが、5面のレーザ光(Y軸中心レーザ光)の照射高さがその350(cm)を超える距離よりも長い場合、車両以外の物体からの反射光である可能性が高い。従って、そのような場合には、プリ物標の物標化優先確率を制限するのである。なお、4面のレーザ光のみによって反射光が生じている場合も同様である。
【0088】
次に、光軸下向き判定がなされている場合について説明する。光軸下向き判定がなされている場合は、以下の条件(3)もしくは(4)が成立すると、プリ物標に関する物標化優先確率を所定の低い確率に制限する。
【0089】
(3)Y軸中心レーザ光の下側のレーザ光、もしくはY軸中心レーザ光とその下側のレーザ光の両方によって反射光が受光され、かつプリ物標との距離Z(cm)>ΔY(cm)×37+D(cm)が成立した場合
光軸下向き判定がなされている場合には、光軸上向き判定の場合とは逆に、Y軸中心レーザ光の上端が水平に近づく場合がある。従って、図11に示す例では、Y軸中心レーザ光である5面のレーザ光及びその下側に照射される6面のレーザ光の照射方向は、下方に広がり、路面や路面上の低い位置にある物体からの反射光を受光しやすくなる。上記の(3)の条件は、そのような路面や路面上の低い位置にある物体からの反射光を受光する可能性がある場合に成立するものである。
【0090】
すなわち、上述したように、レーザ光の広がり角度が1.57degであるため、そのtan(1.57deg)の値にレーザレーダセンサ5の装着高さΔYを乗算することによって、Y軸中心レーザ光である5面のレーザ光がほぼ路面に達する距離が算出される。その距離に余裕値D(cm)を加えた距離よりも、プリ物標までの距離Zが長く、かつ5面及び6面のレーザ光の両方、もしくは6面のレーザ光のみに対して反射光を受光している場合には、路面上の非常に低い位置からの反射であると推測できる。従って、そのような場合には、プリ物標の物標化優先確率を制限する。
【0091】
(4)Y軸中心レーザ光の上側のレーザ光のみによって反射光が受光され、かつプリ物標との距離Z(cm)>(350(cm)―ΔY(cm))×40+D(cm)が成立した場合
光軸下向き判定がなされた場合、Y軸中心レーザ光の上側のレーザ光(4面のレーザ光)は、水平よりも上方ではあるが、相対的に水平方向に近い向きに照射される。このような場合であっても、プリ物標との距離Zが上記の式を満足する場合には、4面のレーザ光の上端は少なくとも最も高い車高以上の高さに達している。また、4面のレーザ光に対して反射光が生じ、Y軸中心レーザ光である5面のレーザ光によって反射光が生じていないのであるから、その反射光を生じているプリ物標は路面上の非常に高い位置にあると推測できる。このため、(4)の条件が成立した場合には、プリ物標が、標識や看板等の車両以外の物体である可能性があると推測できるのである。
【0092】
また、上述した(1)〜(4)の条件に加えて、次のような条件が成立した場合にも、プリ物標の物標化優先確率を制限しても良い。
【0093】
(5)図11に示されるように、水平方向と5面のレーザ光の下端とのなす角度Δθが、所定角度Θ以上であり、プリ物標との距離が所定の近距離l(例えば30m)以内であり、プリ物標の幅が車両の幅よりも短く(例えば0.5m以下)、6面のレーザ光のみによって反射光を受光している場合
上記所定角度Θの設定方法について説明する。まず、Y軸中心レーザ光である5面のレーザ光下端の、所定の近距離lにおける基準照射高さhを定める(例えば地上から30cm)。この基準照射高さhに基づき、数式3によって所定角度Θを演算する。
【0094】
【数3】Θ=tan−1(ΔY−h)/l
水平方向と5面のレーザ光の下端とのなす角度Δθが、このように設定した所定角度Θ以上である場合、上述したように基準照射高さhは、比較的低い位置に設定されるので、5面のレーザ光の照射範囲が少なくとも距離l以上においては地上高30cmの対象物をカバーすることになる。換言すれば、距離l以内において、6面のレーザ光のみに対して反射光が生じている場合、その反射物の高さは、せいぜい基準照射高さh程度の高さしか持たないことになる。
【0095】
従って、反射物が車両であり、所定の近距離以内に接近した場合には、上述した基準照射高さh程度の高さしか持たないことはなく、5面のビーム光によっても反射光を受光するはずである。
【0096】
従って、上記の条件が成立した場合には、その反射物(プリ物標)は、車両以外の例えばデリニエータ等と推測できるので、物標化優先確率を所定の低い確率に制限する。
【0097】
なお、上記の条件(5)においては、プリ物標の幅が所定の幅以下であることも、条件の成立要件の1つとしているが、これは確認的な意味であり、この成立要件は省略しても良い。
【0098】
このようにして、各プリ物標に対して物標化優先確率を算出した後は、図14のフローチャートのステップS210において、学習対象候補の第1抽出を行なう。この第1抽出では、移動物として認識しており、その認識が所定時間(例えば5秒)以上継続し、前述した車両形状確率が50%以上のプリ物標の中で、最も物標化優先確率の高いプリ物標を第1抽出による学習対象候補とする。従って、上述の(1)から(5)の条件に該当するプリ物標に関しては、その物標化優先確率が低く抑えられるので、車両として学習対象候補に選定される可能性は非常に低くなる。
【0099】
次に、ステップS220において、学習対象候補の第2抽出を行なう。この第2抽出では、第1抽出によって選定された学習対象候補と自車両との横方向相対速度Vxが所定の速度以下(例えば0.2m/s)であり、かつ前後方向相対速度Vzも所定の速度以下(例えば0.1m/s)である状態が、所定時間継続しているか否かを判定する。すなわち、学習対象候補が、自車両との相対的位置関係がほぼ安定しているかどうかを判定するのである。この場合、学習対象候補の測距誤差が小さくなるためである。横方向相対速度Vx及び前後方向相対速度Vzとも所定の速度以下(例えば0.1m/s)である状態が、所定時間継続していれば、第2抽出による学習対象候補とする。
【0100】
さらに、ステップS230にて学習対象候補の第3抽出を行なう。この第3抽出では、第2抽出された学習対象候補に対して、さらに、その幅が所定の範囲(例えば1.2m以上2.1m以下)に属し、かつ学習対象候補との距離Zが所定の範囲(例えば30m以上80m以下)に属するかを判定する。
【0101】
学習対象候補の幅を判定する理由は、本実施形態では、学習対象候補として、リフレクタの設置高さがほぼ統一されている乗用車を選定するためである。また、学習対象候補との距離Zを判定する理由は、接近しすぎると、リフレクタ以外のボディ反射による受光強度も高くなり、リフレクタを識別しにくくなるためであり、また距離が長くなりすぎると、受光状態が不安定となり、いずれにしても誤学習の可能性があるためである。
【0102】
幅及び距離Zとも所定の範囲に属すると判定された場合、第3抽出による学習対象候補とする。そして、このように第1抽出から第3抽出を経て選定された学習対象候補を用いて、ステップS240において、上下光軸ずれ角度瞬時値θuを算出する。この上下光軸ずれ角度瞬時値θuの算出式を数式4に示す。
【0103】
【数4】
なお、リフレクタの検出面番号とは、図15に示すように、学習対象候補となる乗用車に設けられたリフレクタからの反射光を生じさせるレーザ光の面番号である。本実施形態では、その検出面番号として、4(上面)、4.5(上面と中面の中間),5(中面),5.5(中面と下面の中間),6(下面)のいずれかの値となる。ちなみに、図15に示す例では、リフレクタの検出面番号は、5.5(中面と下面の中間)である。
【0104】
この数式4によって、Y軸中心レーザ光である面番号5のレーザ光の広がり角の中心角度が、狙いとする基準角度ΔAからどの程度ずれているのかを示す上下光軸ずれ角度瞬時値θuを算出することができる。
【0105】
そして、この数式4によって算出された上下光軸ずれ角度瞬時値θuが、例えば±1.424deg以内の範囲に属するか否かによって正常値か否かを判定する。このとき、異常値と判定されると、上下光軸ずれ角度瞬時値θuは未算出とする。
【0106】
一方、正常値と判定された場合には、数式5に示すように上下光軸ずれ角度瞬時値θuの算出回数Nuをインクリメントするとともに、数式6に示すように、上下光軸ずれ角度瞬時値θuの瞬時値の総和を求める。
【0107】
【数5】Nu=Nu+1
【0108】
【数6】
【0109】
さらに、上下光軸ずれ角度瞬時値θuの算出回数Nuが所定回数(例えば200回)に達した時点で、数式7に示すように上下光軸ずれ角度瞬時値θuの平均値θuaveを算出する。
【0110】
【数7】
【0111】
このθuaveの算出に伴って、算出回数Nu及び総和Σθuはそれぞれ0に初期化する。
【0112】
次に、ステップS250において、上下光軸ずれ角度瞬時値θuの平均値θuaveに基づいて、上下光軸学習角度Δθelvを補正する。具体的には、上下光軸学習角度Δθelvの急激な変化を防止するため、上下光軸学習角度Δθelvに0.05degを加算した値及び上下光軸学習角度Δθelvから0.05degを減算した値と、上下光軸ずれ角度瞬時値θuの平均値θuaveとを比較する。この比較において、平均値θuaveが上下光軸学習角度Δθelvに0.05degを加算した値よりも大きいと判断したときには、上下光軸学習角度Δθelvに0.05degを加算する。また、平均値θuaveが上下光軸学習角度Δθelvから0.05degを減算した値よりも小さいと判断したときには、上下光軸学習角度Δθelvから0.05degを減算する。このようにして、上下光軸学習角度Δθelvの変化量を所定角度(0.05deg)に制限しながら、上下光軸学習角度Δθelvを補正する。
【0113】
これにより、積載状態や搭乗人員等によって、特にY軸(上下)方向において、レーザレーダセンサ5のレーザ光の照射角度が、初期の設定角度(上下光軸学習角度Δθelv)からずれている場合でも、適切に補正することができる。
【0114】
なお、本発明はこのような実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得る。
【0115】
上記実施形態においては、X軸及びY軸方向とも、レーザレーダセンサ5の装着角度の公差範囲に余裕を持たせ、ターゲット100を用いて、X軸及びY軸において受光強度の最も高いレーザ光を中心として認識使用領域93を設定していた。しかしながら、例えば一方の軸(X軸もしくはY軸)に関しては、装着角度の公差範囲を狭くし、他方の軸方向においてのみ、ターゲット100を用いて認識使用領域93を設定するようにしても良い。この場合も、従来技術と比較した場合、レーザレーダセンサ5の装着角度の調整作業の負担を軽減することができる。
【0116】
上記実施形態では、レーザ光の2次元スキャンを行なうために面倒れ角が異なるポリゴンミラー73を用いたが、例えば車幅方向にスキャン可能なガルバノミラーを用い、そのミラー面の倒れ角を変更可能な機構を用いても同様に実現できる。但し、ポリゴンミラー73の場合には、回転駆動だけで2次元スキャンが実現できるという利点がある。
【0117】
上記実施形態では、レーザレーダセンサ5内部において、距離及び対応するスキャン角度θx,θyを極座標系からXYZ直交座標系に変換していたが、その処理を物体認識ブロック43において行っても良い。
【0118】
上記実施形態ではレーザ光を用いたレーザレーダセンサ5を採用したが、ミリ波等の電波や超音波等を用いるものであってもよい。また、スキャン方式にこだわる必要はなく、距離以外に方位を測定できる方式であればよい。そして、例えばミリ波でFMCWレーダ又はドップラーレーダなどを用いた場合には、反射波(受信波)から先行車までの距離情報と先行車の相対速度情報が一度に得られるため、レーザ光を用いた場合のように、距離情報に基づいて相対速度を算出するという過程は不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された車両制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】(a)はレーザレーダセンサの構成を示す構成図であり、(b)はレーザレーダセンサにおける距離検出方法を説明するための説明図である。
【図3】レーザレーダセンサの照射可能領域を示す斜視図である。
【図4】レーザレーダセンサから照射されるレーザ光の、Y軸方向における広がり角及び重複範囲を説明するための説明図である。
【図5】レーザレーダセンサの認識使用領域の設定方法を説明するための説明図である。
【図6】車両とターゲットとの位置関係を示す斜視図である。
【図7】認識使用領域を設定するための処理を示すフローチャートである。
【図8】レーザレーダセンサ5の装着角度の公差範囲に対応するレーザ光の照射角度範囲において、X軸方向にレーザ光を走査した場合における、各レーザ光に対するターゲットによる反射光の受光強度を示すグラフである。
【図9】レーザレーダセンサ5の装着角度の公差範囲に対応するレーザ光の照射角度範囲において、Y軸方向にレーザ光を走査した場合における、各レーザ光に対するターゲットによる反射光の受光強度を示すグラフである。
【図10】上下光軸学習角度の算出処理を示すフローチャートである。
【図11】レーザレーダセンサの装着高さΔYと、Y軸中心レーザ光の目標とする基準角度ΔAの関係について説明するための説明図である。
【図12】Y軸中心レーザ光の中心角度の基準角度ΔAに対するずれ角度Δθelvを算出する方法を説明するための説明図である。
【図13】(a)物体認識に係わる処理を示すフローチャートであり、(b)は(a)のフローチャートにおいて実行される物標化処理を示すフローチャートである。
【図14】レーザレーダセンサの光軸中心の学習処理を示すフローチャートである。
【図15】リフレクタの検出面番号について説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…車両制御装置、3…認識・車間制御ECU、5…レーザレーダセンサ、7…車速センサ、9…ブレーキスイッチ、11…スロットル開度センサ、13…警報音発生器、15…距離表示器、17…センサ異常表示器、19…ブレーキ駆動器、21…スロットル駆動器、23…自動変速機制御器、24…警報音量設定器、25…警報感度設定器、26…クルーズコントロールスイッチ、27…ステアリングセンサ、28…ヨーレートセンサ、29…電源スイッチ、30…ワイパスイッチ、43…物体認識ブロック、44…センサ異常検出ブロック、47…車速演算ブロック、49…操舵角演算ブロック、51…ヨーレート演算ブロック、53…先行車判定ブロック、55…車間制御部及び警報判定部ブロック、57…カーブ半径算出ブロック、70…レーザレーダCPU、71…発光レンズ、72…スキャナ、73…ミラー、74…モータ駆動回路、75…半導体レーザダイオード、76…レーザダイオード駆動回路、77…ガラス板、81…受光レンズ、83…受光素子、85…アンプ、87…コンパレータ、89…時間計測回路
Claims (11)
- 車両の車幅方向及び高さ方向それぞれにおいて、所定の角度範囲に渡って送信波を照射可能であるとともに、反射物体による反射波を受信するレーダユニットと、
前記レーダユニットの送受信結果に基づいて、前記反射物体を認識する認識手段とを備えた車両用物体認識装置において、
所定のターゲットに対する前記レーダユニットの送受信結果に基づいて、車幅方向及び高さ方向の少なくとも一方において送信波を照射する角度範囲を、前記所定の角度範囲よりも狭い狭角度範囲に設定する設定手段とを備え、
前記反射物体を認識する際、前記レーダユニットは、前記設定手段によって設定された狭角度範囲において送信波を照射することを特徴とする車両用物体認識装置。 - 前記所定のターゲットは、前記レーダユニットが装着された車両に対して、所定の距離及び高さに設置された固定物であることを特徴とする請求項1に記載の車両用物体認識装置。
- 前記レーダユニットは、前記車両の車幅方向及び高さ方向において、複数の送信波を照射するものであり、前記設定手段は、前記所定のターゲットによる反射波の受信レベルが最も高い角度における送信波が中心となるように、前記狭角度範囲を設定することを特徴とする請求項2に記載の車両用物体認識装置。
- 前記高さ方向において隣接する送信波は、その境界領域において一部重複するように送信波の照射角度が設定されることを特徴とする請求項3に記載の車両用物体認識装置。
- 前記設定手段が前記狭角度範囲を設定する際、前記レーダユニットは、当該レーダユニットの車両への装着許容誤差角度の範囲で、前記ターゲットに向けて送信波を照射することを特徴とする請求項3に記載の車両用物体認識装置。
- 前記車両の高さ方向において、前記受信レベルが最も高い角度における送信波の上下両側において照射される送信波の受信レベルに基づいて、前記レーダユニットの中心出力軸角度を算出する算出手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の車両用物体認識装置。
- 前記中心出力軸角度が所定の基準角度範囲から外れている場合、レーダユニットの出力軸の下向き、もしくは上向き判定を行なう判定手段を備え、
前記判定手段による下向き判定もしくは上向き判定に対応して、前記認識手段は、前記狭角度範囲における中心よりも下側もしくは上側の角度に照射される送信波による反射波に基づいて、反射物体を車両と認識する確率を低下させることを特徴とする請求項6に記載の車両用物体認識装置。 - 前記算出手段によって算出された中心出力軸角度が所定の基準角度よりも下向きである場合、前記受信レベルが最も高い角度における送信波の下側において照射される送信波に対する反射波のみが検出される場合には、前記認識手段は、その反射物体を非車両と認識することを特徴とする請求項6に記載の車両用物体認識装置。
- 所定の条件を満たす前方車両のリフレクタから反射される反射波に基づいて、前記レーダユニットの高さ方向における送信波の中心出力軸角度を推測する推測手段と、
前記推測手段によって推測された中心出力軸角度が前記算出手段によって算出された中心出力軸角度とずれていた場合、当該算出された中心出力軸角度を補正する補正手段とを備えることを特徴とする請求項7に記載の車両用物体認識装置。 - 前記推測手段は、所定の上下限距離によって規定される距離範囲に前記前方車両が存在するときに、前記中心出力軸角度を推測する対象とすることを特徴とする請求項9に記載の車両用物体認識装置。
- 前記推測手段は、前方車両の横幅が所定の範囲に属するときに前記中心出力角度を推測する対象とすることを特徴とする請求項9に記載の車両用物体認識装置。
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